JPH0543954A - 金属の純化装置 - Google Patents
金属の純化装置Info
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- JPH0543954A JPH0543954A JP22510791A JP22510791A JPH0543954A JP H0543954 A JPH0543954 A JP H0543954A JP 22510791 A JP22510791 A JP 22510791A JP 22510791 A JP22510791 A JP 22510791A JP H0543954 A JPH0543954 A JP H0543954A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 金属溶湯を高速度で純化できる金属の純化装
置を提供する。 【構成】 固相粒子10生成用の核生成装置4を配置した
核生成室2と前記固相粒子10を溶解する核溶解室3とか
らなるユニット炉1の複数基を先のユニット炉1の核溶
解室3と次のユニット炉1の核生成室2とで樋11を介し
て直列に連結し、前記ユニット炉1の核生成室2と核溶
解室3とを下部に通路5を設けた隔壁6により仕切り、
各室2,3の溶湯温度を炉壁に埋設した発熱体8により
個別に制御可能となし、核生成室2の下部に下向きに回
転するロール面を溶湯に露出した一対の排出ロール7を
具設する。 【効果】 核生成室2内で生成した固相粒子10は、排出
ロール7により濃縮されて核溶解室3へ強制的に移送さ
れるので、溶湯9の純化速度が向上する。
置を提供する。 【構成】 固相粒子10生成用の核生成装置4を配置した
核生成室2と前記固相粒子10を溶解する核溶解室3とか
らなるユニット炉1の複数基を先のユニット炉1の核溶
解室3と次のユニット炉1の核生成室2とで樋11を介し
て直列に連結し、前記ユニット炉1の核生成室2と核溶
解室3とを下部に通路5を設けた隔壁6により仕切り、
各室2,3の溶湯温度を炉壁に埋設した発熱体8により
個別に制御可能となし、核生成室2の下部に下向きに回
転するロール面を溶湯に露出した一対の排出ロール7を
具設する。 【効果】 核生成室2内で生成した固相粒子10は、排出
ロール7により濃縮されて核溶解室3へ強制的に移送さ
れるので、溶湯9の純化速度が向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボンディングワイヤー
やメモリディスク等の電子機器材料等として用いられる
高純度金属を製造する為の金属の純化装置に関する。
やメモリディスク等の電子機器材料等として用いられる
高純度金属を製造する為の金属の純化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の超小型化、精密化に伴
い、これに使用される金属材料には、導電性、柔軟性、
表面特性等の一層の向上が求められており、これに呼応
して高純度金属をベースとする金属材料の開発が年々活
発になってきている。高純度金属を得る為の金属の純化
方法には、大別して電解法と偏析法とがあるが、微量不
純物を除去するには偏析法が優れている。偏析法とは溶
湯が凝固する時の溶質の分配法則を応用する純化方法
で、帯溶融方式と凝固方式とが知られている。
い、これに使用される金属材料には、導電性、柔軟性、
表面特性等の一層の向上が求められており、これに呼応
して高純度金属をベースとする金属材料の開発が年々活
発になってきている。高純度金属を得る為の金属の純化
方法には、大別して電解法と偏析法とがあるが、微量不
純物を除去するには偏析法が優れている。偏析法とは溶
湯が凝固する時の溶質の分配法則を応用する純化方法
で、帯溶融方式と凝固方式とが知られている。
【0003】ここで前記の分配法則を状態図を参照して
説明しておく。図2は分配係数K〔K=液相線温度に達
した時の(晶出固相の溶質濃度)/(初期溶質濃度)〕
が1より小さい溶質を含有する金属の状態図を示すもの
であり、不純物元素の大半はK<1である。さて、この
状態図の溶質濃度C0 の溶湯を冷却していって、その温
度が液相線温度T1 に達するとC1 濃度の核(固相粒
子)が最初に晶出する。更に温度を下げていくと晶出す
る固相の溶質濃度は次第に高くなるが、温度をT1 に保
持する間は溶質濃度C1 の固相粒子が晶出する。
説明しておく。図2は分配係数K〔K=液相線温度に達
した時の(晶出固相の溶質濃度)/(初期溶質濃度)〕
が1より小さい溶質を含有する金属の状態図を示すもの
であり、不純物元素の大半はK<1である。さて、この
状態図の溶質濃度C0 の溶湯を冷却していって、その温
度が液相線温度T1 に達するとC1 濃度の核(固相粒
子)が最初に晶出する。更に温度を下げていくと晶出す
る固相の溶質濃度は次第に高くなるが、温度をT1 に保
持する間は溶質濃度C1 の固相粒子が晶出する。
【0004】ところで、前述の凝固方式による純化法
は、従来からバッチ式で行われていて生産性に劣るもの
であり、これを改善する為に、本発明者等は高純度金属
を連続して製造できる金属の純化装置を開発した(特願
昭61-241037)。この金属の純化装置は、図3に例示した
ように、固相粒子生成用の核生成装置4を配置した核生
成室2と前記核生成室2で生成した固相粒子10を溶解す
る核溶解室3とからなるユニット炉1の複数基を、先の
ユニット炉1の核溶解室3と図示しない次のユニット炉
の核生成室とで樋11を介して直列に連結し、各ユニット
炉1の核生成室2と核溶解室3とをアンダーフロータイ
プの隔壁6により仕切り、核生成室2と核溶解室3との
間のアンダーフロー部の床面には核生成室2から核溶解
室3に向けて下り勾配の傾斜を設け、炉壁に埋設した発
熱体8により各室2,3毎に溶湯温度を制御可能となし
た構造のものである。
は、従来からバッチ式で行われていて生産性に劣るもの
であり、これを改善する為に、本発明者等は高純度金属
を連続して製造できる金属の純化装置を開発した(特願
昭61-241037)。この金属の純化装置は、図3に例示した
ように、固相粒子生成用の核生成装置4を配置した核生
成室2と前記核生成室2で生成した固相粒子10を溶解す
る核溶解室3とからなるユニット炉1の複数基を、先の
ユニット炉1の核溶解室3と図示しない次のユニット炉
の核生成室とで樋11を介して直列に連結し、各ユニット
炉1の核生成室2と核溶解室3とをアンダーフロータイ
プの隔壁6により仕切り、核生成室2と核溶解室3との
間のアンダーフロー部の床面には核生成室2から核溶解
室3に向けて下り勾配の傾斜を設け、炉壁に埋設した発
熱体8により各室2,3毎に溶湯温度を制御可能となし
た構造のものである。
【0005】次にこの装置を用いて分配係数Kが1未満
の溶質を含有する溶湯を純化する方法を説明する。第1
のユニット炉1の核生成室2にて核生成装置4により生
成した固相粒子10を、核生成室2から核溶解室3へアン
ダーフロー部の床面の傾斜に沿って自然流動させ、核溶
解室3に流動してきた固相粒子10を核溶解室3にて再溶
融して核溶解室内3の溶湯9の純度を高め、次いでこの
溶湯9を樋11を通して、図示しない第2のユニット炉の
核生成室に移送し、ここで又第1のユニット炉1で行っ
たのと同じ操作を溶湯の設定温度を幾分下げた状態で行
い、以下最終のユニット炉まで同じ操作を繰り返して、
溶湯9の純度を次第に高めていくものである。
の溶質を含有する溶湯を純化する方法を説明する。第1
のユニット炉1の核生成室2にて核生成装置4により生
成した固相粒子10を、核生成室2から核溶解室3へアン
ダーフロー部の床面の傾斜に沿って自然流動させ、核溶
解室3に流動してきた固相粒子10を核溶解室3にて再溶
融して核溶解室内3の溶湯9の純度を高め、次いでこの
溶湯9を樋11を通して、図示しない第2のユニット炉の
核生成室に移送し、ここで又第1のユニット炉1で行っ
たのと同じ操作を溶湯の設定温度を幾分下げた状態で行
い、以下最終のユニット炉まで同じ操作を繰り返して、
溶湯9の純度を次第に高めていくものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな金属の純化装置では、核生成室で多量の固相粒子を
生成させても、固相粒子の核溶解室への移動を重力によ
る自然流動にのみ頼っていること又核溶解室の高温溶湯
の影響により核生成室の溶湯に上昇流が発生して固相粒
子が沈降し難いこと等が原因して、生成した固相粒子が
核溶解室へなかなか移動せず、固相粒子の生成速度を高
めても、高純度金属の製出速度は飽和してしまって、所
要の製出速度が得られないという問題があった。
うな金属の純化装置では、核生成室で多量の固相粒子を
生成させても、固相粒子の核溶解室への移動を重力によ
る自然流動にのみ頼っていること又核溶解室の高温溶湯
の影響により核生成室の溶湯に上昇流が発生して固相粒
子が沈降し難いこと等が原因して、生成した固相粒子が
核溶解室へなかなか移動せず、固相粒子の生成速度を高
めても、高純度金属の製出速度は飽和してしまって、所
要の製出速度が得られないという問題があった。
【0007】
【課題を解決する為の手段】本発明は、このような状況
に鑑み鋭意研究を行った結果なされたもので、その目的
とするところは、高純度金属を高速度で製造できる金属
の純化装置を提供することにある。即ち、本発明は、固
相粒子生成用の核生成装置を配置した核生成室と前記核
生成室で生成した固相粒子を溶解する核溶解室とからな
るユニット炉の複数基を、先のユニット炉の核溶解室と
次のユニット炉の核生成室とで樋を介して直列に連結
し、ユニット炉の核生成室と核溶解室とを下部に通路を
設けた隔壁により仕切り、各室の溶湯温度を炉壁に埋設
した発熱体により個別に制御可能となした金属の純化装
置において、核生成室の下部に、下向きに回転するロー
ル面を溶湯に露出した一対の排出ロールを具設したこと
を特徴とするものである。
に鑑み鋭意研究を行った結果なされたもので、その目的
とするところは、高純度金属を高速度で製造できる金属
の純化装置を提供することにある。即ち、本発明は、固
相粒子生成用の核生成装置を配置した核生成室と前記核
生成室で生成した固相粒子を溶解する核溶解室とからな
るユニット炉の複数基を、先のユニット炉の核溶解室と
次のユニット炉の核生成室とで樋を介して直列に連結
し、ユニット炉の核生成室と核溶解室とを下部に通路を
設けた隔壁により仕切り、各室の溶湯温度を炉壁に埋設
した発熱体により個別に制御可能となした金属の純化装
置において、核生成室の下部に、下向きに回転するロー
ル面を溶湯に露出した一対の排出ロールを具設したこと
を特徴とするものである。
【0008】本発明装置は、核生成室で生成した固相粒
子を、核生成室の下部に具設した下向きに回転するロー
ル面を溶湯に露出した一対の固相粒子排出ロール(以
下、排出ロールと略記する。)を用いて濃縮し、強制的
に隔壁下部通路を通して核溶解室に移送するようにした
金属の純化装置である。この核生成室にて生成する固相
粒子とは、核生成装置により生成した核をもとにして成
長した粒子状の微小な晶出物又はその集合体を言い、組
成的には、溶質つまり不純物の濃度が溶湯の濃度より薄
いものである。
子を、核生成室の下部に具設した下向きに回転するロー
ル面を溶湯に露出した一対の固相粒子排出ロール(以
下、排出ロールと略記する。)を用いて濃縮し、強制的
に隔壁下部通路を通して核溶解室に移送するようにした
金属の純化装置である。この核生成室にて生成する固相
粒子とは、核生成装置により生成した核をもとにして成
長した粒子状の微小な晶出物又はその集合体を言い、組
成的には、溶質つまり不純物の濃度が溶湯の濃度より薄
いものである。
【0009】次に本発明装置を図を参照して具体的に説
明する。図1は本発明装置のユニット炉の態様例を示す
側断面図である。ユニット炉1は核生成室2と核溶解室
3からなり、核生成室2には核生成装置4を配置し、核
生成室2と核溶解室3とを下部に通路5を有するアンダ
ーフロータイプの隔壁6により仕切り、核生成室2の下
部に、下向きに回転するロール面を溶湯に露出した一対
の排出ロール7を具設してある。又核生成室2,下部通
路5,核溶解室3にそれぞれ配置した熱電対12と炉壁に
埋設した発熱体8により核生成室2と下部通路5と核溶
解室3の溶湯9の温度が各々別々に制御できる。核生成
室2の下部には、一対の排出ロール7が、下向きに回転
するロール面を溶湯9に露出した状態で具設されてい
る。この排出ロール7の温度は、内部の中空部に熱風を
通して制御できるようになっている。又この排出ロール
7の表面に例えば螺旋状の溝を彫る(ローレット加工)
等して、固相粒子とロール表面とのスリップを防止した
り、或いは溶湯の下方への流れを強めたりすることも可
能である。
明する。図1は本発明装置のユニット炉の態様例を示す
側断面図である。ユニット炉1は核生成室2と核溶解室
3からなり、核生成室2には核生成装置4を配置し、核
生成室2と核溶解室3とを下部に通路5を有するアンダ
ーフロータイプの隔壁6により仕切り、核生成室2の下
部に、下向きに回転するロール面を溶湯に露出した一対
の排出ロール7を具設してある。又核生成室2,下部通
路5,核溶解室3にそれぞれ配置した熱電対12と炉壁に
埋設した発熱体8により核生成室2と下部通路5と核溶
解室3の溶湯9の温度が各々別々に制御できる。核生成
室2の下部には、一対の排出ロール7が、下向きに回転
するロール面を溶湯9に露出した状態で具設されてい
る。この排出ロール7の温度は、内部の中空部に熱風を
通して制御できるようになっている。又この排出ロール
7の表面に例えば螺旋状の溝を彫る(ローレット加工)
等して、固相粒子とロール表面とのスリップを防止した
り、或いは溶湯の下方への流れを強めたりすることも可
能である。
【0010】次にこの金属の純化装置を用いて、分配係
数Kが1未満の溶質を不純物として含有するAl溶湯を
純化する方法を図1を参照して具体的に説明する。先
ず、第1ユニット炉1の核生成室2と核溶解室3に純化
しようとする金属の溶湯9を所定量注入し、次に核生成
室2の核生成装置4を稼動させつつ溶湯温度を液相線温
度にまで下げ、そのままその温度に保持する。この間核
生成室2下部の排出ロール7は核生成室2内の溶湯9の
温度と同じ温度に保持する。このような状態の核生成室
内の溶湯9からは、前述の分配法則に従って溶湯9より
純度の高い固相粒子10が生成し、この生成した固相粒子
10は核生成室2の溶湯9内を沈降して、核生成室2の下
部に具設した、一対の排出ロール7上に堆積し、堆積し
た固相粒子は排出ロールの回転に伴って濃縮され、高密
度化して核生成室2の下方の下部通路5に押出される。
下部通路5及び核溶解室3内の溶湯9は固相粒子10が溶
解する温度に保持しておいて、ここで前記固相粒子10を
再溶解して核溶解室3内の溶湯9の純度を高め、この溶
湯9を樋11を通して図示しない第2のユニット炉の核生
成室に移送する。第1のユニット炉1の核生成室2には
原料のAl溶湯9を固相粒子10の生成速度に合わせて補
充する。排出ロール7のロール回転により核生成室2内
の溶湯が下向きに流れるので、下部通路5及び核溶解室
3内の高温溶湯9が、核生成室2に逆流するようなこと
はなく、従って核生成室2内の固相粒子10の沈降が妨げ
られることがない。
数Kが1未満の溶質を不純物として含有するAl溶湯を
純化する方法を図1を参照して具体的に説明する。先
ず、第1ユニット炉1の核生成室2と核溶解室3に純化
しようとする金属の溶湯9を所定量注入し、次に核生成
室2の核生成装置4を稼動させつつ溶湯温度を液相線温
度にまで下げ、そのままその温度に保持する。この間核
生成室2下部の排出ロール7は核生成室2内の溶湯9の
温度と同じ温度に保持する。このような状態の核生成室
内の溶湯9からは、前述の分配法則に従って溶湯9より
純度の高い固相粒子10が生成し、この生成した固相粒子
10は核生成室2の溶湯9内を沈降して、核生成室2の下
部に具設した、一対の排出ロール7上に堆積し、堆積し
た固相粒子は排出ロールの回転に伴って濃縮され、高密
度化して核生成室2の下方の下部通路5に押出される。
下部通路5及び核溶解室3内の溶湯9は固相粒子10が溶
解する温度に保持しておいて、ここで前記固相粒子10を
再溶解して核溶解室3内の溶湯9の純度を高め、この溶
湯9を樋11を通して図示しない第2のユニット炉の核生
成室に移送する。第1のユニット炉1の核生成室2には
原料のAl溶湯9を固相粒子10の生成速度に合わせて補
充する。排出ロール7のロール回転により核生成室2内
の溶湯が下向きに流れるので、下部通路5及び核溶解室
3内の高温溶湯9が、核生成室2に逆流するようなこと
はなく、従って核生成室2内の固相粒子10の沈降が妨げ
られることがない。
【0011】本発明装置において、核生成装置に前述の
内部水冷式の核生成装置を用いる場合は、生成する固相
粒子量S(g/min.)と内部に流す冷却水量W(ml/
min.)との間には、S=1.75Wの実験式が成り立
つ。又前記固相粒子を核生成室から核溶解室に排出ロー
ルにより移送する場合、ロールの周速と移送される固相
粒子量とは比例する。従って、排出ロールの回転を必要
以上に速めると核生成室の純度の低い溶湯を核溶解室に
多量に流出することになり、又遅すぎると固相粒子が核
生成室に大量に溜まって固相粒子の生成効率が低下する
ので、排出ロールの回転速度は、予備実験を行って、核
生成装置の核生成能力に応じた最適速度を求めておく必
要がある。本発明方法では、核生成室で生成した固相粒
子は核溶解室に排出ロールを用いて強制的に送り込むの
で、核生成装置には核生成速度の速い、例えば特願平1-
272228号や特願平1-290720号等で提案した、溶湯に浸漬
する部分が溶湯との濡れ性の異なる黒鉛やセラミックス
材の混合体等で構成された内部水冷回転式の高性能の核
生成装置を用いるのが好ましい。
内部水冷式の核生成装置を用いる場合は、生成する固相
粒子量S(g/min.)と内部に流す冷却水量W(ml/
min.)との間には、S=1.75Wの実験式が成り立
つ。又前記固相粒子を核生成室から核溶解室に排出ロー
ルにより移送する場合、ロールの周速と移送される固相
粒子量とは比例する。従って、排出ロールの回転を必要
以上に速めると核生成室の純度の低い溶湯を核溶解室に
多量に流出することになり、又遅すぎると固相粒子が核
生成室に大量に溜まって固相粒子の生成効率が低下する
ので、排出ロールの回転速度は、予備実験を行って、核
生成装置の核生成能力に応じた最適速度を求めておく必
要がある。本発明方法では、核生成室で生成した固相粒
子は核溶解室に排出ロールを用いて強制的に送り込むの
で、核生成装置には核生成速度の速い、例えば特願平1-
272228号や特願平1-290720号等で提案した、溶湯に浸漬
する部分が溶湯との濡れ性の異なる黒鉛やセラミックス
材の混合体等で構成された内部水冷回転式の高性能の核
生成装置を用いるのが好ましい。
【0012】
【作用】本発明装置では、ユニット炉の核生成室下部
に、下向きに回転するロール面を溶湯に露出した一対の
排出ロールを具設し、この排出ロールのロールを回転し
て、核生成室内にて生成した固相粒子を濃縮し、核溶解
室に強制的に移送するので、高純度金属の製出速度が向
上する。又排出ロールのロールの回転により溶湯に核生
成室から核溶解室に向けて溶湯流が生じるので、核溶解
室の高温度溶湯の影響で起きる核生成室内の溶湯の上昇
流が抑えられ、その結果核生成装置により生成した固相
粒子は核生成室内を速やかに沈降して核溶解室への固相
粒子の移送が効率よくなされる。又下部通路の溶湯温度
を核溶解室と同程度に高めておいて、排出ロールにより
押出される固相粒子を直ちに再溶融するようにすれば、
下部通路の床に固相粒子を移送する為の傾斜を付けたり
する必要がない。
に、下向きに回転するロール面を溶湯に露出した一対の
排出ロールを具設し、この排出ロールのロールを回転し
て、核生成室内にて生成した固相粒子を濃縮し、核溶解
室に強制的に移送するので、高純度金属の製出速度が向
上する。又排出ロールのロールの回転により溶湯に核生
成室から核溶解室に向けて溶湯流が生じるので、核溶解
室の高温度溶湯の影響で起きる核生成室内の溶湯の上昇
流が抑えられ、その結果核生成装置により生成した固相
粒子は核生成室内を速やかに沈降して核溶解室への固相
粒子の移送が効率よくなされる。又下部通路の溶湯温度
を核溶解室と同程度に高めておいて、排出ロールにより
押出される固相粒子を直ちに再溶融するようにすれば、
下部通路の床に固相粒子を移送する為の傾斜を付けたり
する必要がない。
【0013】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明す
る。 実施例1 Al溶湯の純化実験を、図1に示したユニット炉5基を
樋で直列に連結した純化装置を用いて行った。各ユニッ
ト炉の核生成室と核溶解室は、共に、深さ400mm,
内平面の縦横断面が60×60mmで、核生成室と核溶
解室との間を仕切る隔壁は、厚さを50mmとし、下部
通路の高さを60mmとした。核生成室の下部に具設す
る排出ロールには、直径100mm、面長60mmのア
ルミナ製の排出ロールを用いた。又排出ロールにはロー
ル面が平滑なものと、ロール表面に深さ0.1mm,幅
0.1mm,ピッチ0.2mmの溝をロール全長にわた
ってローレット加工したものとの2種類の排出ロールを
用いた。ロール間隔は5mmに設定した。ローレット加
工を施した排出ロールを用いて、ロール周速V(cm/
min.) と固相粒子の排出量N(g/min.)との関係を求
めたところ、N=7.6Vの実験式が得られた。原料溶
湯には純度が99.7%のAl溶湯を用いた。このAl
溶湯にはCu,Fe,Mg,Mn,Ni,Si,Znの
元素が不純物として含まれ、これらの元素はいずれも分
配係数Kが1未満のものであった。この原料溶湯を第1
のユニット炉に5.4kg入れて、溶湯温度を核生成室
で665℃に、核溶解室で675℃に設定した。核生成
装置には、アルミナを5%混合した黒鉛の焼結体製の内
部水冷式・交流電動型核生成装置を用いた。この核生成
装置を核生成室の溶湯上部に先端を30mm浸漬し、核
生成装置内部に15℃の水を流し、これに50Hzの交
流を通電して振動を付与した。排出ロールのロール周速
は、固相粒子の排出速度Nが核生成装置により生成する
固相粒子の生成速度Wと一致するように設定した。排出
ロールは、内部の中空部に熱風を送って溶湯温度と同じ
温度に制御した。炉壁にはSiCの発熱体を埋め込ん
だ。又樋には断面コの字状に成形したSiCの発熱体を
通電加熱して用いた。このようにして第1ユニット炉の
核溶解室から純化した溶湯を樋を通して連続的に第2ユ
ニット炉の核生成室に移送し、第2ユニット炉でも同様
の操作を、溶湯温度を第1ユニット炉より幾分低く設定
した状態で行い、順次第5ユニット炉まで同じ操作を行
って、第5ユニット炉の核溶解室から高純度のAl溶湯
を製出させた。核生成室には、前述のAl溶湯を、核生
成装置の核生成速度と同じ速度で補給した。
る。 実施例1 Al溶湯の純化実験を、図1に示したユニット炉5基を
樋で直列に連結した純化装置を用いて行った。各ユニッ
ト炉の核生成室と核溶解室は、共に、深さ400mm,
内平面の縦横断面が60×60mmで、核生成室と核溶
解室との間を仕切る隔壁は、厚さを50mmとし、下部
通路の高さを60mmとした。核生成室の下部に具設す
る排出ロールには、直径100mm、面長60mmのア
ルミナ製の排出ロールを用いた。又排出ロールにはロー
ル面が平滑なものと、ロール表面に深さ0.1mm,幅
0.1mm,ピッチ0.2mmの溝をロール全長にわた
ってローレット加工したものとの2種類の排出ロールを
用いた。ロール間隔は5mmに設定した。ローレット加
工を施した排出ロールを用いて、ロール周速V(cm/
min.) と固相粒子の排出量N(g/min.)との関係を求
めたところ、N=7.6Vの実験式が得られた。原料溶
湯には純度が99.7%のAl溶湯を用いた。このAl
溶湯にはCu,Fe,Mg,Mn,Ni,Si,Znの
元素が不純物として含まれ、これらの元素はいずれも分
配係数Kが1未満のものであった。この原料溶湯を第1
のユニット炉に5.4kg入れて、溶湯温度を核生成室
で665℃に、核溶解室で675℃に設定した。核生成
装置には、アルミナを5%混合した黒鉛の焼結体製の内
部水冷式・交流電動型核生成装置を用いた。この核生成
装置を核生成室の溶湯上部に先端を30mm浸漬し、核
生成装置内部に15℃の水を流し、これに50Hzの交
流を通電して振動を付与した。排出ロールのロール周速
は、固相粒子の排出速度Nが核生成装置により生成する
固相粒子の生成速度Wと一致するように設定した。排出
ロールは、内部の中空部に熱風を送って溶湯温度と同じ
温度に制御した。炉壁にはSiCの発熱体を埋め込ん
だ。又樋には断面コの字状に成形したSiCの発熱体を
通電加熱して用いた。このようにして第1ユニット炉の
核溶解室から純化した溶湯を樋を通して連続的に第2ユ
ニット炉の核生成室に移送し、第2ユニット炉でも同様
の操作を、溶湯温度を第1ユニット炉より幾分低く設定
した状態で行い、順次第5ユニット炉まで同じ操作を行
って、第5ユニット炉の核溶解室から高純度のAl溶湯
を製出させた。核生成室には、前述のAl溶湯を、核生
成装置の核生成速度と同じ速度で補給した。
【0014】比較例1 図3に示した純化装置を用いて実施例1と同じ方法によ
りAl溶湯の純化実験を行った。ユニット炉の寸法は実
施例1で用いたユニット炉と同じ寸法とし、床面には核
生成室から核溶解室へ向けて30度の下り勾配を形成し
た。このようにして純化実験を連続10時間行ない、第
4及び第5ユニット炉の核溶解室から製出する溶湯をサ
ンプリングして不純物の定量分析を行った。又第5ユニ
ット炉の核溶解室から製出する高純化溶湯の製出量を計
量した。結果は、予備実験で求めた固相粒子の生成速度
を併記して表1に示した。
りAl溶湯の純化実験を行った。ユニット炉の寸法は実
施例1で用いたユニット炉と同じ寸法とし、床面には核
生成室から核溶解室へ向けて30度の下り勾配を形成し
た。このようにして純化実験を連続10時間行ない、第
4及び第5ユニット炉の核溶解室から製出する溶湯をサ
ンプリングして不純物の定量分析を行った。又第5ユニ
ット炉の核溶解室から製出する高純化溶湯の製出量を計
量した。結果は、予備実験で求めた固相粒子の生成速度
を併記して表1に示した。
【0015】
【表1】
【0016】表1より明らかなように、本発明例品(N
o.1〜7)の製出溶湯はいずれも純度が高く、又高純
度Alの製出速度も固相粒子の生成速度に応じて増加し
た。No2がNo1より不純物量が少なく、又高純度Alの
製出速度が高いのは、ロール表面にローレット加工を施
した効果によるものである。他方、比較例品のNo.8
は、製出速度が遅く、固相粒子の生成速度を速めても
(No.9)高純化Alの製出速度は変わらなかった。こ
のことは、核生成室から核溶解室への固相粒子の移動速
度が35g/min.以下で飽和したことを物語る。又、不
純物量も第5ユニット炉を出たもので37〜39ppm と
多かった。この値は本発明例品の第4ユニット炉の不純
物量を上回るもので、本発明装置によれば、比較例の装
置よりユニット炉を1基減らすことができる。このよう
に比較例品に不純物量が多い理由は、比較例装置には下
部通路を介して核生成室と核溶解室との間で溶湯の交流
があった為である。
o.1〜7)の製出溶湯はいずれも純度が高く、又高純
度Alの製出速度も固相粒子の生成速度に応じて増加し
た。No2がNo1より不純物量が少なく、又高純度Alの
製出速度が高いのは、ロール表面にローレット加工を施
した効果によるものである。他方、比較例品のNo.8
は、製出速度が遅く、固相粒子の生成速度を速めても
(No.9)高純化Alの製出速度は変わらなかった。こ
のことは、核生成室から核溶解室への固相粒子の移動速
度が35g/min.以下で飽和したことを物語る。又、不
純物量も第5ユニット炉を出たもので37〜39ppm と
多かった。この値は本発明例品の第4ユニット炉の不純
物量を上回るもので、本発明装置によれば、比較例の装
置よりユニット炉を1基減らすことができる。このよう
に比較例品に不純物量が多い理由は、比較例装置には下
部通路を介して核生成室と核溶解室との間で溶湯の交流
があった為である。
【0017】更に、表1のNo.1,2,8の純化実験で
は、各ユニット炉間の樋中からも溶湯をサンプリング
し、各々の不純物元素を分析した。結果は表2に示し
た。
は、各ユニット炉間の樋中からも溶湯をサンプリング
し、各々の不純物元素を分析した。結果は表2に示し
た。
【表2】
【0018】表2より明らかなように不純物元素量は第
1ユニット炉を出たところから常にNo.2,1,8の順
序で少なくなっていて、本発明装置の優位性が実証され
た。以上、分配係数Kが1未満の溶質を不純物として含
有する溶湯の純化実験について説明したが、Kが1を超
える溶質を不純物として含有する溶湯についても、特願
昭61-241036 で提案した装置に排出ロールを具設するこ
とにより純化速度を向上させることができる。又用いる
原料溶湯もAl溶湯に限らず、銅等の他の金属溶湯に適
用しても同様の効果が得られることは言うまでもない。
又排出ロールは複数本用いてもよく、排出ロールの材
質、形状等はユニット炉の構造や金属溶湯の種類に合わ
せて任意に設計することができる。又ユニット炉は1基
のみ用いて純化を行っても差し支えない。
1ユニット炉を出たところから常にNo.2,1,8の順
序で少なくなっていて、本発明装置の優位性が実証され
た。以上、分配係数Kが1未満の溶質を不純物として含
有する溶湯の純化実験について説明したが、Kが1を超
える溶質を不純物として含有する溶湯についても、特願
昭61-241036 で提案した装置に排出ロールを具設するこ
とにより純化速度を向上させることができる。又用いる
原料溶湯もAl溶湯に限らず、銅等の他の金属溶湯に適
用しても同様の効果が得られることは言うまでもない。
又排出ロールは複数本用いてもよく、排出ロールの材
質、形状等はユニット炉の構造や金属溶湯の種類に合わ
せて任意に設計することができる。又ユニット炉は1基
のみ用いて純化を行っても差し支えない。
【0019】
【効果】以上述べたように、本発明装置によれば、金属
溶湯を高速度で純化することができ、工業上顕著な効果
を奏する。
溶湯を高速度で純化することができ、工業上顕著な効果
を奏する。
【図1】本発明装置の態様例を示す側断面図である。
【図2】溶質元素の分配法則を説明する為の金属状態図
である。
である。
【図3】従来装置の正面及び平面のそれぞれ断面図であ
る。
る。
1 ユニット炉 2 核生成室 3 核溶解室 4 核生成装置 5 下部通路 6 隔壁 7 排出ロール 8 発熱体 9 溶湯 10 固相粒子 11 樋 12 熱電対
Claims (1)
- 【請求項1】 固相粒子生成用の核生成装置を配置した
核生成室と前記核生成室で生成した固相粒子を溶解する
核溶解室とからなるユニット炉の複数基を、先のユニッ
ト炉の核溶解室と次のユニット炉の核生成室とで樋を介
して直列に連結し、ユニット炉の核生成室と核溶解室と
を下部に通路を設けた隔壁により仕切り、各室の溶湯温
度を炉壁に埋設した発熱体により個別に制御可能となし
た金属の純化装置において、核生成室の下部に、下向き
に回転するロール面を溶湯に露出した一対の排出ロール
を具設したことを特徴とする金属の純化装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22510791A JPH0543954A (ja) | 1991-08-09 | 1991-08-09 | 金属の純化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22510791A JPH0543954A (ja) | 1991-08-09 | 1991-08-09 | 金属の純化装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0543954A true JPH0543954A (ja) | 1993-02-23 |
Family
ID=16824094
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22510791A Pending JPH0543954A (ja) | 1991-08-09 | 1991-08-09 | 金属の純化装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0543954A (ja) |
-
1991
- 1991-08-09 JP JP22510791A patent/JPH0543954A/ja active Pending
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