JPH0543987A - ベーン用材料およびベーンならびにベーンの製造方法 - Google Patents
ベーン用材料およびベーンならびにベーンの製造方法Info
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- JPH0543987A JPH0543987A JP20170991A JP20170991A JPH0543987A JP H0543987 A JPH0543987 A JP H0543987A JP 20170991 A JP20170991 A JP 20170991A JP 20170991 A JP20170991 A JP 20170991A JP H0543987 A JPH0543987 A JP H0543987A
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01C—ROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
- F01C21/00—Component parts, details or accessories not provided for in groups F01C1/00 - F01C20/00
- F01C21/08—Rotary pistons
- F01C21/0809—Construction of vanes or vane holders
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
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- Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 代替フロンを冷媒とした圧縮機に使われ、特
に耐食性と耐摩耗性を向上させるベーン用材料およびベ
ーンならびにベーンの製造方法。 【構成】 重量%でC 1.50〜2.80%、Si 1.00%以下、M
n 1.00%以下、Cr 15.00〜25.00%、残部Feおよび通常
の不純物からなり、必要に応じてNi,W,Mo,V,C
o,Cuの合金元素のうち、いずれかを単独または複合し
て添加することができるベーン用材料およびベーンであ
り、上記組成からなるアトマイズ粉末を圧密化後、熱間
加工または熱間加工および冷間加工により製造するベー
ンの製造方法。
に耐食性と耐摩耗性を向上させるベーン用材料およびベ
ーンならびにベーンの製造方法。 【構成】 重量%でC 1.50〜2.80%、Si 1.00%以下、M
n 1.00%以下、Cr 15.00〜25.00%、残部Feおよび通常
の不純物からなり、必要に応じてNi,W,Mo,V,C
o,Cuの合金元素のうち、いずれかを単独または複合し
て添加することができるベーン用材料およびベーンであ
り、上記組成からなるアトマイズ粉末を圧密化後、熱間
加工または熱間加工および冷間加工により製造するベー
ンの製造方法。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロータリーコンプレッ
サ、ベーンポンプ等の圧縮機に用いられるベーンに関す
るものである。
サ、ベーンポンプ等の圧縮機に用いられるベーンに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ベーンを用いた圧縮機の一例を図1に示
すように、ベーン1はスプリング4により常時ロータ2
に押し付けられており、ロータ2の偏心回転によって、
ロータ2とシリンダ3によって形成される空間の容積変
化により気体を圧縮する。従来、冷媒となる気体はフロ
ンガスが用いられている。ベーンの先端は常にロータ
と、またベーンの側面はシリンダと接して摺動している
ため、ベーンに要求される特性は、ベーン自身が摩耗し
ないのと同時に相手のロータやシリンダも摩耗させない
ことである。従来より、このベーンにはSKH51種相
当の溶製高速度鋼が一般に用いられており、一部はこれ
に酸窒化などの表面処理が施されている。また、ベーン
の材質や組成を改良し、耐摩耗性を向上させたり、自己
潤滑性をよくしたりする目的で特開昭56−47550
号、特開昭59−20446号、特開昭61−4855
6号、特開昭64−35091号、特開平2−1023
92号に記載されるものが提案されている。
すように、ベーン1はスプリング4により常時ロータ2
に押し付けられており、ロータ2の偏心回転によって、
ロータ2とシリンダ3によって形成される空間の容積変
化により気体を圧縮する。従来、冷媒となる気体はフロ
ンガスが用いられている。ベーンの先端は常にロータ
と、またベーンの側面はシリンダと接して摺動している
ため、ベーンに要求される特性は、ベーン自身が摩耗し
ないのと同時に相手のロータやシリンダも摩耗させない
ことである。従来より、このベーンにはSKH51種相
当の溶製高速度鋼が一般に用いられており、一部はこれ
に酸窒化などの表面処理が施されている。また、ベーン
の材質や組成を改良し、耐摩耗性を向上させたり、自己
潤滑性をよくしたりする目的で特開昭56−47550
号、特開昭59−20446号、特開昭61−4855
6号、特開昭64−35091号、特開平2−1023
92号に記載されるものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記の圧縮機にしよう
されている冷媒は、クロロフルオロカーボン(以下CF
Cと記す)系のフロンであるが、このCFCは成層圏に
まで拡散した後、紫外線に当って分解し、塩素を放出す
るのでオゾン層が破壊される。このために、CFCは、
西暦2000年までに全廃する計画で、これに代替する冷媒
剤の開発が進められている。代替冷媒としては塩素を含
まないハイドロフルオロカーボン(以下HFCと記す)
系のフロンが最も有望であり、この種のフロンは環境へ
の害が少ない。ところが、HFC系のフロンを使用する
ベーンポンプやロータリコンプレッサは、従来のCFC
系のフロンを使用するものと比較して以下の問題があ
る。 冷媒の潤滑性が劣る。 圧縮比を高くする必要があり、ベーンに加わる負荷が
高くなる。 冷媒の吸湿性が大きい。 潤滑油の潤滑性が劣る。 潤滑油の吸湿性が大きくなる。
されている冷媒は、クロロフルオロカーボン(以下CF
Cと記す)系のフロンであるが、このCFCは成層圏に
まで拡散した後、紫外線に当って分解し、塩素を放出す
るのでオゾン層が破壊される。このために、CFCは、
西暦2000年までに全廃する計画で、これに代替する冷媒
剤の開発が進められている。代替冷媒としては塩素を含
まないハイドロフルオロカーボン(以下HFCと記す)
系のフロンが最も有望であり、この種のフロンは環境へ
の害が少ない。ところが、HFC系のフロンを使用する
ベーンポンプやロータリコンプレッサは、従来のCFC
系のフロンを使用するものと比較して以下の問題があ
る。 冷媒の潤滑性が劣る。 圧縮比を高くする必要があり、ベーンに加わる負荷が
高くなる。 冷媒の吸湿性が大きい。 潤滑油の潤滑性が劣る。 潤滑油の吸湿性が大きくなる。
【0004】上記の原因によって、従来のベーンではロ
ータとの摺動摩耗が極端に加速され、はなはだしい場合
は、ロータとのカジリを起すことがあり、実用的な圧縮
機としての寿命が得られないことが明らかとなってき
た。本発明の目的は、主にHFC系フロンを冷媒とする
圧縮機に用いられる新規なベーン用材料をおよびベーン
ならびにベーンの製造方法を提供することである。
ータとの摺動摩耗が極端に加速され、はなはだしい場合
は、ロータとのカジリを起すことがあり、実用的な圧縮
機としての寿命が得られないことが明らかとなってき
た。本発明の目的は、主にHFC系フロンを冷媒とする
圧縮機に用いられる新規なベーン用材料をおよびベーン
ならびにベーンの製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、高C−Si−
Mn−高Cr系組成をベースとし、用途、要求条件に応じ
てNi,Mo,W,V,Cu,Co等を単独あるいは複合で
添加してなる、ベーン用材料およびベーンならびにベー
ンの製造方法である。すなわち、本願の第1の発明は重
量%でC 1.50〜2.80%、Si 1.00%以下、Mn1.00%以
下、Cr 15.00〜25.00%、残部Feおよび通常の不純物か
らなることを特徴とするベーン用材料、第2発明は前記
第1発明にNi 1.20%以下を含有してなる材料、第3発
明は前記第1発明に(1/2W+Mo) 1.00〜7.50%の範囲で
選ばれるWとMo、およびV 0.50〜8.00%の一種または
二種を含有してなる材料、第4発明は、前記第1発明に
Co 0.20〜8.00%、Cu 0.20〜5.00%の一種または二種を
含有してなる材料、第5発明は前記第1発明にNi 1.20
%以下および(1/2W+Mo)1.00〜7.50%の範囲で選ばれる
WとMo、およびV 0.50〜8.00%の一種または二種を含
有してなる材料、第6発明は前記第1発明にNi 1.20%
以下およびCo 0.20〜8.00%、Cu 0.20〜5.00%の一種ま
たは二種を含有してなる材料、第7発明は前記第1発明
に(1/2W+Mo) 1.00〜7.50%の範囲で選ばれるWとMo
および、V 0.50〜8.00%の一種または二種、およびCo
0.20〜8.00%、Cu0.20〜5.00%の一種または二種を含有
してなる材料、第8発明は前記第1発明にNi 1.20%以
下、さらに(1/2W+Mo) 1.00〜7.50%の範囲で選ばれる
WとMoおよびV 0.50〜8.00%の一種または二種、Co
0.20〜8.00%、Cu 0.20〜5.00%の一種または二種を含有
してなることを特徴とするベーン用材料であり、第9の
発明は、第1ないし第8の発明のいずれかに記載の組成
からなるベーンであり、第10の発明は、第1ないし第
8の発明のいずれかに記載の組成からなるアトマイズ粉
末を圧密化後、熱間加工または熱間加工および冷間加工
により製造することを特徴とするベーンの製造方法であ
る。
Mn−高Cr系組成をベースとし、用途、要求条件に応じ
てNi,Mo,W,V,Cu,Co等を単独あるいは複合で
添加してなる、ベーン用材料およびベーンならびにベー
ンの製造方法である。すなわち、本願の第1の発明は重
量%でC 1.50〜2.80%、Si 1.00%以下、Mn1.00%以
下、Cr 15.00〜25.00%、残部Feおよび通常の不純物か
らなることを特徴とするベーン用材料、第2発明は前記
第1発明にNi 1.20%以下を含有してなる材料、第3発
明は前記第1発明に(1/2W+Mo) 1.00〜7.50%の範囲で
選ばれるWとMo、およびV 0.50〜8.00%の一種または
二種を含有してなる材料、第4発明は、前記第1発明に
Co 0.20〜8.00%、Cu 0.20〜5.00%の一種または二種を
含有してなる材料、第5発明は前記第1発明にNi 1.20
%以下および(1/2W+Mo)1.00〜7.50%の範囲で選ばれる
WとMo、およびV 0.50〜8.00%の一種または二種を含
有してなる材料、第6発明は前記第1発明にNi 1.20%
以下およびCo 0.20〜8.00%、Cu 0.20〜5.00%の一種ま
たは二種を含有してなる材料、第7発明は前記第1発明
に(1/2W+Mo) 1.00〜7.50%の範囲で選ばれるWとMo
および、V 0.50〜8.00%の一種または二種、およびCo
0.20〜8.00%、Cu0.20〜5.00%の一種または二種を含有
してなる材料、第8発明は前記第1発明にNi 1.20%以
下、さらに(1/2W+Mo) 1.00〜7.50%の範囲で選ばれる
WとMoおよびV 0.50〜8.00%の一種または二種、Co
0.20〜8.00%、Cu 0.20〜5.00%の一種または二種を含有
してなることを特徴とするベーン用材料であり、第9の
発明は、第1ないし第8の発明のいずれかに記載の組成
からなるベーンであり、第10の発明は、第1ないし第
8の発明のいずれかに記載の組成からなるアトマイズ粉
末を圧密化後、熱間加工または熱間加工および冷間加工
により製造することを特徴とするベーンの製造方法であ
る。
【0006】本発明材は高C−高Cr系であるにもかか
わらず、粗大な炭化物は存在せず、均一微細な炭化物組
織を示し、すぐれた表面の超仕上性を示し、また高合金
化に伴いがちな被切削性、被研削性の低下が少ない。溶
製材では熱間加工の困難な高C高Cr系で多量の高硬度
のCr系炭化物が分布し、高い耐摩耗特性を有している
上、W,Mo,Vの添加により、これらの炭化物が形成
され、ベーンとして必要な一層高度の耐摩耗性を示すも
のである。また、Mo,WやCu,Coの添加は高Crの基
地とあいまって、特に高度の耐食性を示し、多量の炭化
物の分布およびCoの基地への固溶、高い熱処理硬さと
の関係により、ロータやシリンダに対する極めて優れた
耐焼付性や自己潤滑性を呈するものである。
わらず、粗大な炭化物は存在せず、均一微細な炭化物組
織を示し、すぐれた表面の超仕上性を示し、また高合金
化に伴いがちな被切削性、被研削性の低下が少ない。溶
製材では熱間加工の困難な高C高Cr系で多量の高硬度
のCr系炭化物が分布し、高い耐摩耗特性を有している
上、W,Mo,Vの添加により、これらの炭化物が形成
され、ベーンとして必要な一層高度の耐摩耗性を示すも
のである。また、Mo,WやCu,Coの添加は高Crの基
地とあいまって、特に高度の耐食性を示し、多量の炭化
物の分布およびCoの基地への固溶、高い熱処理硬さと
の関係により、ロータやシリンダに対する極めて優れた
耐焼付性や自己潤滑性を呈するものである。
【0007】
【作用】以下に本発明における各元素の作用および数値
の限定理由について述べる。Cは本願発明材料の硬さを
HRC62以上の高硬度とし、かつCr,W,Mo,Vなど炭化物
形成元素との間に高硬度の炭化物を形成し、優れた耐摩
耗性や耐焼付性を付与するために添加される。多すぎる
と炭化物量が過度に多くなり、靭性の低下や熱間加工性
の低下をまねくので2.80%以下とし、低すぎると上記添
加の効果が得られないので1.50%以上とする。Siは本願
発明材料の低温域での焼もどしにおける焼もどし硬さを
高め、また用途により耐酸化性を一層高めるために添加
される。多すぎると靭性を低下させるので1.00%以下と
する。Mnは本願発明材料の焼入性を特に高めるために
添加される。多すぎると安定な残留オーステナイトを増
加させ、熱処理硬さを低下させ、また被切削性を低下さ
せるので1.00%以下とする。Niは本願発明材料の焼入性
を高め、また耐食性を向上させるために目的、用途によ
り添加される。多すぎると焼なまし硬さを過度に高く
し、被切削性を低下させ、また焼入時に過度の残留オー
ステナイトを生成させ、硬さの低下をまねくので1.20%
以下とする。
の限定理由について述べる。Cは本願発明材料の硬さを
HRC62以上の高硬度とし、かつCr,W,Mo,Vなど炭化物
形成元素との間に高硬度の炭化物を形成し、優れた耐摩
耗性や耐焼付性を付与するために添加される。多すぎる
と炭化物量が過度に多くなり、靭性の低下や熱間加工性
の低下をまねくので2.80%以下とし、低すぎると上記添
加の効果が得られないので1.50%以上とする。Siは本願
発明材料の低温域での焼もどしにおける焼もどし硬さを
高め、また用途により耐酸化性を一層高めるために添加
される。多すぎると靭性を低下させるので1.00%以下と
する。Mnは本願発明材料の焼入性を特に高めるために
添加される。多すぎると安定な残留オーステナイトを増
加させ、熱処理硬さを低下させ、また被切削性を低下さ
せるので1.00%以下とする。Niは本願発明材料の焼入性
を高め、また耐食性を向上させるために目的、用途によ
り添加される。多すぎると焼なまし硬さを過度に高く
し、被切削性を低下させ、また焼入時に過度の残留オー
ステナイトを生成させ、硬さの低下をまねくので1.20%
以下とする。
【0008】Crは、本発明において重要な作用を示す
元素である。すなわち、CrはCと結合してM7C3型の
炭化物を形成する。この炭化物をベーン表面に微細かつ
均質に分散させると、耐摩耗性、耐カジリ性を大幅に向
上させ得ることができる。Crはさらに基質に固溶して
焼入れ性を付与し、また基地の耐食性も向上させる。特
に本発明においては、代替フロンのHFCが吸湿性が高
いこと、潤滑油が分解してカルボン酸のごとき酸を形成
することのために、ベーンは腐食環境下において作動し
ている。このために、ベーンにおきる異常摩耗は、単純
なアブレッシブ型摩耗のみでなく、腐食も介在したメカ
ニズムによって発生している。この場合、Crの他、後
述するMoやCoの基地への固溶がベーンの耐食性を高
め、摩耗を減少させる効果がある。Crが15.00%未満で
は、上記の効果が少なく、逆に多すぎると焼入温度を過
度に高くし、また炭化物量が過度に多くなり靭性の低下
をまねくので25.00%以下とする。
元素である。すなわち、CrはCと結合してM7C3型の
炭化物を形成する。この炭化物をベーン表面に微細かつ
均質に分散させると、耐摩耗性、耐カジリ性を大幅に向
上させ得ることができる。Crはさらに基質に固溶して
焼入れ性を付与し、また基地の耐食性も向上させる。特
に本発明においては、代替フロンのHFCが吸湿性が高
いこと、潤滑油が分解してカルボン酸のごとき酸を形成
することのために、ベーンは腐食環境下において作動し
ている。このために、ベーンにおきる異常摩耗は、単純
なアブレッシブ型摩耗のみでなく、腐食も介在したメカ
ニズムによって発生している。この場合、Crの他、後
述するMoやCoの基地への固溶がベーンの耐食性を高
め、摩耗を減少させる効果がある。Crが15.00%未満で
は、上記の効果が少なく、逆に多すぎると焼入温度を過
度に高くし、また炭化物量が過度に多くなり靭性の低下
をまねくので25.00%以下とする。
【0009】MoおよびWはCとの間に硬質の炭化物を
形成し、耐摩耗性を与え、また基地に固溶して耐食性を
高め、さらに500℃以上の焼もどしにおいて、基地より
特殊炭化物を析出させ、二次硬化を与えるために1種ま
たは2種を添加する。その添加量は、MoはWに対して
2倍の効果があるので1/2W+Mo(Mo当量)で規定す
る。またMoはカルボン酸による腐食を抑える効果もあ
る。これらの元素は多すぎると炭化物量を過度に増加さ
せて靭性の低下をまねき、また焼入温度を過度に高める
ため1/2W+Moで7.50%以下とし、低すぎると上記添加
の効果が得られないので1.00%以上とする。Wは耐摩耗
性の点ではMoの場合より有利であり、一方靭性につい
てはMoの方が有利で、目的、用途により単独あるいは
複合添加される。
形成し、耐摩耗性を与え、また基地に固溶して耐食性を
高め、さらに500℃以上の焼もどしにおいて、基地より
特殊炭化物を析出させ、二次硬化を与えるために1種ま
たは2種を添加する。その添加量は、MoはWに対して
2倍の効果があるので1/2W+Mo(Mo当量)で規定す
る。またMoはカルボン酸による腐食を抑える効果もあ
る。これらの元素は多すぎると炭化物量を過度に増加さ
せて靭性の低下をまねき、また焼入温度を過度に高める
ため1/2W+Moで7.50%以下とし、低すぎると上記添加
の効果が得られないので1.00%以上とする。Wは耐摩耗
性の点ではMoの場合より有利であり、一方靭性につい
てはMoの方が有利で、目的、用途により単独あるいは
複合添加される。
【0010】Vも本発明において重要な作用を示す元素
である。すなわちVは、Cと結合してMC型の炭化物を
形成する。この炭化物をベーン表面に微細かつ均質に分
散させると、耐摩耗性、耐カジリ性を大幅に向上させ得
ることができる。また、焼もどし時に特殊炭化物を析出
させ2次硬化を与える。圧縮機の構造や必要とする寿命
数にもよるが、Vを0.5%以上でHFC系の代替フロン用
ベーンとして必要な特性を付与可能となるが、多すぎる
と靭性を低下させ、また、被切削性や被研削性を過度に
低下させるので8.00%以下とし、低すぎると上記の添加
の効果が得られないので0.50%以上とする。Coは基地に
固溶して耐食性を大幅に向上させ、カルボン酸による腐
食を抑える効果が高い。また、ロータやシリンダなどベ
ーンと摺動する他の鉄鋼材料との摺動摩擦における潤滑
性や耐焼付性を高めるために、また熱処理硬さを高める
ために添加される。多すぎると靭性の低下をまねくので
8.00%以下とし、低すぎると上記添加の効果が得られな
いので0.20%以上とする。Cuは基地に固溶して耐食性を
大幅に向上させるための重要な添加元素であり、また焼
入性を高めるために添加される。多すぎると熱間加工性
を低下させるので5.00%以下とし、低すぎると上記添加
の効果が得られないので0.20%以上とする。
である。すなわちVは、Cと結合してMC型の炭化物を
形成する。この炭化物をベーン表面に微細かつ均質に分
散させると、耐摩耗性、耐カジリ性を大幅に向上させ得
ることができる。また、焼もどし時に特殊炭化物を析出
させ2次硬化を与える。圧縮機の構造や必要とする寿命
数にもよるが、Vを0.5%以上でHFC系の代替フロン用
ベーンとして必要な特性を付与可能となるが、多すぎる
と靭性を低下させ、また、被切削性や被研削性を過度に
低下させるので8.00%以下とし、低すぎると上記の添加
の効果が得られないので0.50%以上とする。Coは基地に
固溶して耐食性を大幅に向上させ、カルボン酸による腐
食を抑える効果が高い。また、ロータやシリンダなどベ
ーンと摺動する他の鉄鋼材料との摺動摩擦における潤滑
性や耐焼付性を高めるために、また熱処理硬さを高める
ために添加される。多すぎると靭性の低下をまねくので
8.00%以下とし、低すぎると上記添加の効果が得られな
いので0.20%以上とする。Cuは基地に固溶して耐食性を
大幅に向上させるための重要な添加元素であり、また焼
入性を高めるために添加される。多すぎると熱間加工性
を低下させるので5.00%以下とし、低すぎると上記添加
の効果が得られないので0.20%以上とする。
【0011】ベーンはロータやシリンダと摺動しなが
ら、圧縮機としての機能を果たしている。したがい、ベ
ーンのみ耐摩耗性が高くても、相手のロータやシリンダ
を攻撃して極度に摩耗させるようであれば、ベーン材と
しては適さない。そのためには、ベーン材の基地中に分
散する炭化物が微細でかつ均質なことが望ましい。この
手法として、本発明のベーン用材料の組成を有するアト
マイズ粉をHIP等を用いて圧密化した後、熱間加工に
より、さらに必要に応じて冷間加工によって、ベーンの
断面形状に近い平角鋼を製造し、ベーンとすることが最
適である。この手法によれば溶製法に比較して、微細な
金属組織のベーン用材料を得ることができ、また、品質
のバラツキも小さく有効である。
ら、圧縮機としての機能を果たしている。したがい、ベ
ーンのみ耐摩耗性が高くても、相手のロータやシリンダ
を攻撃して極度に摩耗させるようであれば、ベーン材と
しては適さない。そのためには、ベーン材の基地中に分
散する炭化物が微細でかつ均質なことが望ましい。この
手法として、本発明のベーン用材料の組成を有するアト
マイズ粉をHIP等を用いて圧密化した後、熱間加工に
より、さらに必要に応じて冷間加工によって、ベーンの
断面形状に近い平角鋼を製造し、ベーンとすることが最
適である。この手法によれば溶製法に比較して、微細な
金属組織のベーン用材料を得ることができ、また、品質
のバラツキも小さく有効である。
【0012】
【実施例】以下に実施例を示す。 (実施例1)表1に示す18種類のベーン用材料を作製
した。このうち、本発明の材料であるA〜Qはガスアト
マイズ粉をキャンニング後、HIPで圧密化し、熱間鍛
造と熱間圧延で平角鋼としたものを用いた。比較鋼Rは
従来の高クロム鋼 SUS440Cであり、大気溶解、
造塊した鋼塊を同様に熱間鍛造と熱間圧延で平角鋼とし
たものを用いた。表2には表1に示したベーン材の焼入
れ−焼もどし硬さ(HRC)、摩耗試験による摩耗減量、腐
食試験による腐食減量をそれぞれ示す。なお。摩耗試験
は以下の要領で実施した。ベーン材を板形状とし、ロー
タ材に相当するFC25をリング形状として、HFCフ
ロンの代表であるHFC134aに相溶するエステル系
潤滑油を滴下しながら、互いに摺動させ、その摩耗減量
を求めた。表2中には、従来材SUS440Cを板、F
C25をリングとして試験したときの板、リングそれぞ
れの摩耗量を1.0として、各種ベーン材およびそのとき
のリングの摩耗量を相対比較値として求めて評価した。
した。このうち、本発明の材料であるA〜Qはガスアト
マイズ粉をキャンニング後、HIPで圧密化し、熱間鍛
造と熱間圧延で平角鋼としたものを用いた。比較鋼Rは
従来の高クロム鋼 SUS440Cであり、大気溶解、
造塊した鋼塊を同様に熱間鍛造と熱間圧延で平角鋼とし
たものを用いた。表2には表1に示したベーン材の焼入
れ−焼もどし硬さ(HRC)、摩耗試験による摩耗減量、腐
食試験による腐食減量をそれぞれ示す。なお。摩耗試験
は以下の要領で実施した。ベーン材を板形状とし、ロー
タ材に相当するFC25をリング形状として、HFCフ
ロンの代表であるHFC134aに相溶するエステル系
潤滑油を滴下しながら、互いに摺動させ、その摩耗減量
を求めた。表2中には、従来材SUS440Cを板、F
C25をリングとして試験したときの板、リングそれぞ
れの摩耗量を1.0として、各種ベーン材およびそのとき
のリングの摩耗量を相対比較値として求めて評価した。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】腐食試験は、HFC系フロン用の潤滑油が
分解して生成するとされている5%蟻酸−5%酢酸水溶液中
で60℃×30h浸漬して、その腐食減量を求めた。表2に
よれば、本発明のベーン用材料は従来のベーン用材料の
1つであるSUS440Cと比較してベーンそのものの
摩耗が少ないと同時に、相手材の摩耗も減少するので、
実際の圧縮機に組み込まれたときは、相対的な摩耗量は
大幅に減少する。さらには、耐食性も改善されているの
で、この効果が相乗して実用的には多大な効果として現
われる。
分解して生成するとされている5%蟻酸−5%酢酸水溶液中
で60℃×30h浸漬して、その腐食減量を求めた。表2に
よれば、本発明のベーン用材料は従来のベーン用材料の
1つであるSUS440Cと比較してベーンそのものの
摩耗が少ないと同時に、相手材の摩耗も減少するので、
実際の圧縮機に組み込まれたときは、相対的な摩耗量は
大幅に減少する。さらには、耐食性も改善されているの
で、この効果が相乗して実用的には多大な効果として現
われる。
【0016】(実施例2)表1に示す記号A、記号Iお
よび従来の溶製高速度工具鋼であるSKH51(記号
S)の材料を用いて、実際にベーンを作製し、HFC1
34aを冷媒とする実機ロータリーコンプレッサに組み
込んで寿命評価試験を行なった。なお、実機テスト中の
評価はロータリーコンプレッサに設けた圧力計の圧力変
化によってベーンの摩耗ないし損傷状況を推定した。実
機テストの結果、従来材のSKH51をベーンに用いた
テスト機の圧力が運転開始後125時間目に圧力が急変し
たため、運転を停止してベーンの状況を観察した。その
結果、SKH51製のベーンはロータと摺動する面に部
分的なカジリが認められ、一方対向するロータ周面にも
カジリによる条痕が観察された。これに対して、本発明
の記号Aおよび記号I製のベーンを用いたロータリーコ
ンプレッサは運転時間が720時間経過した後も圧力変化
が認められずテストを中止した。
よび従来の溶製高速度工具鋼であるSKH51(記号
S)の材料を用いて、実際にベーンを作製し、HFC1
34aを冷媒とする実機ロータリーコンプレッサに組み
込んで寿命評価試験を行なった。なお、実機テスト中の
評価はロータリーコンプレッサに設けた圧力計の圧力変
化によってベーンの摩耗ないし損傷状況を推定した。実
機テストの結果、従来材のSKH51をベーンに用いた
テスト機の圧力が運転開始後125時間目に圧力が急変し
たため、運転を停止してベーンの状況を観察した。その
結果、SKH51製のベーンはロータと摺動する面に部
分的なカジリが認められ、一方対向するロータ周面にも
カジリによる条痕が観察された。これに対して、本発明
の記号Aおよび記号I製のベーンを用いたロータリーコ
ンプレッサは運転時間が720時間経過した後も圧力変化
が認められずテストを中止した。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、HFC系フロンに代表
される代替フロンを冷媒とする圧縮機において、従来の
ベーン材料であるSKH51クラスでは不十分であった
ベーンの耐摩耗性が大幅に向上する。また本発明のベー
ンは、HFC系フロン用圧縮機の潤滑油が分解して形成
されるカルボン酸のごとき酸に対しても耐食性が大き
い。したがって本発明のベーンは、大きい耐摩耗性と耐
食性により新しい冷媒に対応できるので環境規制に対応
した圧縮機が実用化できるものである。
される代替フロンを冷媒とする圧縮機において、従来の
ベーン材料であるSKH51クラスでは不十分であった
ベーンの耐摩耗性が大幅に向上する。また本発明のベー
ンは、HFC系フロン用圧縮機の潤滑油が分解して形成
されるカルボン酸のごとき酸に対しても耐食性が大き
い。したがって本発明のベーンは、大きい耐摩耗性と耐
食性により新しい冷媒に対応できるので環境規制に対応
した圧縮機が実用化できるものである。
【図1】ロータリーコンプレッサの一例を示す断面図で
ある。
ある。
1 ベーン 2 ロータ 3 シリンダ 4 スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F04C 18/356 P 8608−3H 29/00 U 8608−3H
Claims (10)
- 【請求項1】 重量%でC 1.50〜2.80%、Si 1.00%以
下、Mn 1.00%以下、Cr 15.00〜25.00%、残部Feおよ
び通常の不純物からなることを特徴とするベーン用材
料。 - 【請求項2】 重量%でC 1.50〜2.80%、Si 1.00%以
下、Mn 1.00%以下、Ni 1.20%以下、Cr 15.00〜25.00
%、残部Feおよび通常の不純物からなることを特徴とす
るベーン用材料。 - 【請求項3】 重量%でC 1.50〜2.80%、Si 1.00%以
下、Mn 1.00%以下、Cr 15.00〜25.00%、これにW,M
o(ただし1/2W+Moで1.00〜7.50%)およびV0.50〜8.00
%の一種または二種、残部Feおよび通常の不純物からな
ることを特徴とするベーン用材料。 - 【請求項4】 重量%でC 1.50〜2.80%、Si 1.00%以
下、Mn 1.00%以下、Cr 15.00〜25.00%、これにCo 0.
20〜8.00%、Cu 0.20〜5.00%の一種または二種、残部F
eおよび通常の不純物からなることを特徴とするベーン
用材料。 - 【請求項5】 重量%でC 1.50〜2.80%、Si 1.00%以
下、Mn 1.00%以下、Ni 1.20%以下、Cr 15.00〜25.00
%、これにW,Mo(ただし1/2W+Moで1.00〜7.50%)お
よびV 0.50〜8.00%の一種または二種、残部Feおよび
通常の不純物からなることを特徴とするベーン用材料。 - 【請求項6】 重量%でC 1.50〜2.80%、Si 1.00%以
下、Mn 1.00%以下、Ni 1.20%以下、Cr 15.00〜25.00
%、これにCo 0.20〜8.00%、Cu 0.20〜5.00%の一種ま
たは二種、残部Feおよび通常の不純物からなることを
特徴とするベーン用材料。 - 【請求項7】 重量%でC 1.50〜2.80%、Si 1.00%以
下、Mn 1.00%以下、Cr 15.00〜25.00%、これにW,M
o(ただし1/2W+Moで1.00〜7.50%)およびV0.50〜8.00
%の一種または二種、およびCo 0.20〜8.00%、Cu 0.20
〜5.00%の一種または二種、残部Feおよび通常の不純物
からなり、粉末法によることを特徴とするベーン用材
料。 - 【請求項8】 重量%でC 1.50〜2.80%、Si 1.00%以
下、Mn 1.00%以下、Ni 1.20%以下、Cr 15.00〜25.00
%、これにW,Mo(ただし1/2W+Moで1.00〜7.50%)お
よびV 0.50〜8.00%の一種または二種、およびCo 0.20
〜8.00%、Cu 0.20〜5.00%の一種または二種、残部Fe
および通常の不純物からなることを特徴とするベーン用
材料。 - 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の組
成からなるベーン。 - 【請求項10】 請求項1ないし8のいずれかに記載の
組成からなるアトマイズ粉末を圧密化後、熱間加工また
は熱間加工および冷間加工により製造することを特徴と
するベーンの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20170991A JPH0543987A (ja) | 1991-08-12 | 1991-08-12 | ベーン用材料およびベーンならびにベーンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20170991A JPH0543987A (ja) | 1991-08-12 | 1991-08-12 | ベーン用材料およびベーンならびにベーンの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0543987A true JPH0543987A (ja) | 1993-02-23 |
Family
ID=16445631
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20170991A Pending JPH0543987A (ja) | 1991-08-12 | 1991-08-12 | ベーン用材料およびベーンならびにベーンの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0543987A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006169624A (ja) * | 2004-11-18 | 2006-06-29 | Hitachi Metals Ltd | 変寸抑制特性および耐カジリ性に優れた冷間ダイス鋼 |
| CN102086870A (zh) * | 2009-12-03 | 2011-06-08 | 耐力压缩机(北京)有限公司 | 一种空压机机头用滑片 |
| JP2025138837A (ja) * | 2021-05-28 | 2025-09-25 | 山陽特殊製鋼株式会社 | 耐食性に優れた工具鋼 |
-
1991
- 1991-08-12 JP JP20170991A patent/JPH0543987A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006169624A (ja) * | 2004-11-18 | 2006-06-29 | Hitachi Metals Ltd | 変寸抑制特性および耐カジリ性に優れた冷間ダイス鋼 |
| CN102086870A (zh) * | 2009-12-03 | 2011-06-08 | 耐力压缩机(北京)有限公司 | 一种空压机机头用滑片 |
| JP2025138837A (ja) * | 2021-05-28 | 2025-09-25 | 山陽特殊製鋼株式会社 | 耐食性に優れた工具鋼 |
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