JPH0544021A - 真空蒸着用kセル - Google Patents
真空蒸着用kセルInfo
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- JPH0544021A JPH0544021A JP3226423A JP22642391A JPH0544021A JP H0544021 A JPH0544021 A JP H0544021A JP 3226423 A JP3226423 A JP 3226423A JP 22642391 A JP22642391 A JP 22642391A JP H0544021 A JPH0544021 A JP H0544021A
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- JP
- Japan
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- cell
- transparent
- heater
- temperature
- vapor deposition
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 温度勾配が小さく、低温領域での制御性に優
れ、かつ、蒸着中のkセル内の状態が直接観察できる真
空蒸着用kセルを提供する。 【構成】 本発明の真空蒸着用kセルは透明るつぼとそ
の透明るつぼの外壁面上又はその外壁面に近接して設置
された透明ヒーターとを備えた構成を有している。
れ、かつ、蒸着中のkセル内の状態が直接観察できる真
空蒸着用kセルを提供する。 【構成】 本発明の真空蒸着用kセルは透明るつぼとそ
の透明るつぼの外壁面上又はその外壁面に近接して設置
された透明ヒーターとを備えた構成を有している。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の真空蒸着用kセルは、化
学物質の蒸着作業において、真空中で化学物質を加熱し
て蒸発または昇華させるために使用されるものである。
学物質の蒸着作業において、真空中で化学物質を加熱し
て蒸発または昇華させるために使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】化学物質の蒸着作業において、化学物質
を加熱して蒸発または昇華させるために各種のkセルが
提案されている。代表的な構造を図1に示す。従来のk
セルは、600℃以上の高温で無機化合物の蒸着を行う
目的で設計されているため、るつぼにはアルミナやPB
Nが使用されている。また、ヒーターは高温使用に適す
る構造とするため、タンタル等を材料とする巻線ヒータ
ーが使用されている。この種のkセルでは、高温使用時
の温度制御性が良くなるようにヒーターの巻線抵抗や巻
線間隔が設計されているため、400℃以下の低温領域
で使用しようとすると通電電流が小さくなって温度制御
性が劣る。このため、低沸点・低昇華点の化学物質の蒸
着作業にはむかないという欠点がある。また、低温使用
時には、ヒーター巻線間隔に応じた温度勾配や、ヒータ
ーの巻むらが原因の温度勾配ができやすいという欠点が
ある。
を加熱して蒸発または昇華させるために各種のkセルが
提案されている。代表的な構造を図1に示す。従来のk
セルは、600℃以上の高温で無機化合物の蒸着を行う
目的で設計されているため、るつぼにはアルミナやPB
Nが使用されている。また、ヒーターは高温使用に適す
る構造とするため、タンタル等を材料とする巻線ヒータ
ーが使用されている。この種のkセルでは、高温使用時
の温度制御性が良くなるようにヒーターの巻線抵抗や巻
線間隔が設計されているため、400℃以下の低温領域
で使用しようとすると通電電流が小さくなって温度制御
性が劣る。このため、低沸点・低昇華点の化学物質の蒸
着作業にはむかないという欠点がある。また、低温使用
時には、ヒーター巻線間隔に応じた温度勾配や、ヒータ
ーの巻むらが原因の温度勾配ができやすいという欠点が
ある。
【0003】近年の有機非線形光学材料の研究開発の進
展にともない、有機化合物を蒸着して薄膜化する機会が
多くなってきた。有機化合物は、無機化合物に比べて蒸
気圧が高い、昇華温度や蒸発温度が低い等の特徴を有す
るため、比較的低温領域(100〜400℃)で蒸着作
業を行っている。例えば、大きな3次非線形光学定数が
報告されているバナジルフタロシアニン(VOPc)は
最も高温で蒸着作業を行う有機化合物の一つであるが
〔和田、有機エレクトロニクス材料研究会第35回研究
会講演要旨集22−29(1989)〕、その蒸着温度
は400℃程度である。このため、従来の無機化合物用
kセルを有機化合物の蒸着に適用すると、温度制御性に
劣るため蒸着速度が安定しない、突沸しやすい、一度蒸
発した蒸着物質がkセルの出口付近の低温部に再結晶し
て付着しやすい等の問題が発生することが多かった。
展にともない、有機化合物を蒸着して薄膜化する機会が
多くなってきた。有機化合物は、無機化合物に比べて蒸
気圧が高い、昇華温度や蒸発温度が低い等の特徴を有す
るため、比較的低温領域(100〜400℃)で蒸着作
業を行っている。例えば、大きな3次非線形光学定数が
報告されているバナジルフタロシアニン(VOPc)は
最も高温で蒸着作業を行う有機化合物の一つであるが
〔和田、有機エレクトロニクス材料研究会第35回研究
会講演要旨集22−29(1989)〕、その蒸着温度
は400℃程度である。このため、従来の無機化合物用
kセルを有機化合物の蒸着に適用すると、温度制御性に
劣るため蒸着速度が安定しない、突沸しやすい、一度蒸
発した蒸着物質がkセルの出口付近の低温部に再結晶し
て付着しやすい等の問題が発生することが多かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】蒸着中にkセル内の蒸
着試料の飛散状態や残量を観察できれば蒸着の作業効率
が大幅に改善されるが、従来のkセルは不透明で使用中
に内部の状態を観察できないため、kセル内部の状態は
温度変化や真空度の変化から推定するほかない。蒸着物
質の残存量やkセル付近の付着状況をモニターできる透
明kセルがあれば蒸着作業の効率が大きく改善される。
着試料の飛散状態や残量を観察できれば蒸着の作業効率
が大幅に改善されるが、従来のkセルは不透明で使用中
に内部の状態を観察できないため、kセル内部の状態は
温度変化や真空度の変化から推定するほかない。蒸着物
質の残存量やkセル付近の付着状況をモニターできる透
明kセルがあれば蒸着作業の効率が大きく改善される。
【0005】本発明の目的は、上記欠点を解決できるk
セル、すなわち、温度勾配が小さく、低温領域での制御
性に優れ、かつ、蒸着中のkセル内の状態が直接観察で
きる真空蒸着用kセルを提供することである。
セル、すなわち、温度勾配が小さく、低温領域での制御
性に優れ、かつ、蒸着中のkセル内の状態が直接観察で
きる真空蒸着用kセルを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、前記目的を
達成するために、真空蒸着用kセルを透明るつぼと透明
ヒーターで構成した。
達成するために、真空蒸着用kセルを透明るつぼと透明
ヒーターで構成した。
【0007】
【作用】従来のヒーター巻線方式の場合に問題であった
温度勾配は、ヒーターの巻線間隔や巻線むらに基づく加
熱むらが原因で生ずる。この温度勾配を小さくする方法
としては、面型のヒーターを使用することが有効であ
る。そこで、本発明の真空蒸着用kセルでは真空蒸着
法,スパッタ法,スプレー法,ゾルーゲル法,イオンプ
レーティング法,活性反応法等で作成した透明導電膜製
の透明ヒーターを透明坩堝と組み合わせて使用する。な
お、透明ヒーターは透明るつぼに密着させてもよいし、
別に作ってもよい。ヒーターと透明るつぼを別々に作製
する場合には、透明なヒーター支持体の中に透明坩堝を
挿入することにより行う。るつぼの側面に形成した透明
導電膜をヒーターとして使用した場合、面型のヒーター
なのでkセル内の蒸着物質の加熱は均一に行われること
になり、温度勾配を小さくすることが可能となる。ま
た、低温領域での制御性が良好なkセルを得るためヒー
ター抵抗値を調節する場合にも、面ヒーターの厚さを増
減することで容易に対処できる。さらに、本発明のkセ
ルは、まつぼとヒーターが共に透明な材料であるため、
蒸着中のkセル内の状態を直接観察することができると
いう利点を有する。本発明に使用する透明導電膜の材料
としては、酸化インジウム(In2O3 ),スズ(S
n)をドープした酸化インジウム(ITO),フッ素を
ドープした酸化インジウム,酸化スズ(SnO2 ),フ
ッ素をドープした酸化スズ(SnO2 ),アンチモン
(Sb)をドープした酸化スズ(SnO2 ),CdSn
O4 (CTO)等があげられる。また、透明なkセル坩
堝の材料としては、フリントガラス,クラウンガラス等
の光学用ガラス材料の他、石英,サファイア,硬質ガラ
ス,フッ化カルシウム等を使用することができる。な
お、必要に応じて透明ヒーターを螺旋上にパターニング
して抵抗値を大きくとることも可能であるが、面型ヒー
ターでなくなるため温度制御性が低下することは言うま
でもない。
温度勾配は、ヒーターの巻線間隔や巻線むらに基づく加
熱むらが原因で生ずる。この温度勾配を小さくする方法
としては、面型のヒーターを使用することが有効であ
る。そこで、本発明の真空蒸着用kセルでは真空蒸着
法,スパッタ法,スプレー法,ゾルーゲル法,イオンプ
レーティング法,活性反応法等で作成した透明導電膜製
の透明ヒーターを透明坩堝と組み合わせて使用する。な
お、透明ヒーターは透明るつぼに密着させてもよいし、
別に作ってもよい。ヒーターと透明るつぼを別々に作製
する場合には、透明なヒーター支持体の中に透明坩堝を
挿入することにより行う。るつぼの側面に形成した透明
導電膜をヒーターとして使用した場合、面型のヒーター
なのでkセル内の蒸着物質の加熱は均一に行われること
になり、温度勾配を小さくすることが可能となる。ま
た、低温領域での制御性が良好なkセルを得るためヒー
ター抵抗値を調節する場合にも、面ヒーターの厚さを増
減することで容易に対処できる。さらに、本発明のkセ
ルは、まつぼとヒーターが共に透明な材料であるため、
蒸着中のkセル内の状態を直接観察することができると
いう利点を有する。本発明に使用する透明導電膜の材料
としては、酸化インジウム(In2O3 ),スズ(S
n)をドープした酸化インジウム(ITO),フッ素を
ドープした酸化インジウム,酸化スズ(SnO2 ),フ
ッ素をドープした酸化スズ(SnO2 ),アンチモン
(Sb)をドープした酸化スズ(SnO2 ),CdSn
O4 (CTO)等があげられる。また、透明なkセル坩
堝の材料としては、フリントガラス,クラウンガラス等
の光学用ガラス材料の他、石英,サファイア,硬質ガラ
ス,フッ化カルシウム等を使用することができる。な
お、必要に応じて透明ヒーターを螺旋上にパターニング
して抵抗値を大きくとることも可能であるが、面型ヒー
ターでなくなるため温度制御性が低下することは言うま
でもない。
【0008】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面により詳細に説
明する。
明する。
【0009】(実施例1)図2は本発明の蒸着用kセル
を一部縦断面視した図である。透明坩堝9は石英製で内
容量が10ccである。透明ヒーター10は、ITOを
透明坩堝9の外壁面にスパッタ法で蒸着して作製した。
透明ヒーター10の上端,下端に各1個の電極11,1
2を設け、電極から各1本のリード線13,14を取り
出している。図2に示したkセルに銅フタロシアニンを
1g充填し、10-9torrの真空条件下に置いた。透明ヒ
ーターの二つの電極間に電流を流して銅フタロシアニン
(CuPc)を蒸発させた場合のkセルの温度を、熱電
対8を用いて測定した。また、kセル先端から20cmの
位置に設置した25℃の水晶式膜厚計上に付着したCu
Pcの膜厚についても測定した。両測定値の経時変化を
図3に示す。kセルの温度を段階的に270,290,
310,330℃に設定した場合、270℃以上での各
20℃の設定温度上昇に対して、kセル温度は約10分
で安定な状態に達している。また、設定値に達した後
は、温度変化が±0.05℃の範囲に入っている。膜厚
も設定温度到達後は一定速度で増加しており、蒸着物質
が均一に加熱されていることがわかる。さらに、本kセ
ルは加熱中も透明な状態を保っており、CuPcの残存
量等の内部の状態を直接観察しながら実験を行うことが
できた。これに対して、従来の巻線ヒーター型kセルを
用いて行った同様の試験結果(図4)では、設定温度に
達して安定するまでの時間が約25分と長く、その後も
±0.3℃程度の温度のゆらぎを示している。さらに、
設定温度を一定に保った場合にも蒸着膜厚の増加量が徐
々に小さくなっていることから、kセル内に温度勾配が
あって蒸着速度が経時的に変化することが推察された。
以上述べたように、石英製透明坩堝上にスパッタ法で蒸
着したITO膜を透明ヒーターとして使用したkセル
は、温度勾配が小さく、330℃付近の低温領域での制
御性に優れること、及び、蒸着中のkセル内の状態が直
接観察可能であることがわかった。
を一部縦断面視した図である。透明坩堝9は石英製で内
容量が10ccである。透明ヒーター10は、ITOを
透明坩堝9の外壁面にスパッタ法で蒸着して作製した。
透明ヒーター10の上端,下端に各1個の電極11,1
2を設け、電極から各1本のリード線13,14を取り
出している。図2に示したkセルに銅フタロシアニンを
1g充填し、10-9torrの真空条件下に置いた。透明ヒ
ーターの二つの電極間に電流を流して銅フタロシアニン
(CuPc)を蒸発させた場合のkセルの温度を、熱電
対8を用いて測定した。また、kセル先端から20cmの
位置に設置した25℃の水晶式膜厚計上に付着したCu
Pcの膜厚についても測定した。両測定値の経時変化を
図3に示す。kセルの温度を段階的に270,290,
310,330℃に設定した場合、270℃以上での各
20℃の設定温度上昇に対して、kセル温度は約10分
で安定な状態に達している。また、設定値に達した後
は、温度変化が±0.05℃の範囲に入っている。膜厚
も設定温度到達後は一定速度で増加しており、蒸着物質
が均一に加熱されていることがわかる。さらに、本kセ
ルは加熱中も透明な状態を保っており、CuPcの残存
量等の内部の状態を直接観察しながら実験を行うことが
できた。これに対して、従来の巻線ヒーター型kセルを
用いて行った同様の試験結果(図4)では、設定温度に
達して安定するまでの時間が約25分と長く、その後も
±0.3℃程度の温度のゆらぎを示している。さらに、
設定温度を一定に保った場合にも蒸着膜厚の増加量が徐
々に小さくなっていることから、kセル内に温度勾配が
あって蒸着速度が経時的に変化することが推察された。
以上述べたように、石英製透明坩堝上にスパッタ法で蒸
着したITO膜を透明ヒーターとして使用したkセル
は、温度勾配が小さく、330℃付近の低温領域での制
御性に優れること、及び、蒸着中のkセル内の状態が直
接観察可能であることがわかった。
【0010】(実施例2)実施例1において、図1の透
明坩堝9をサファイア製,透明ヒーター10をアンチモ
ン(Sb)をドープした酸化スズ(SnO2)に変更し
て透明kセルを作製した。このkセルに無水ピロメリッ
ト酸(PMDA)を0.5g充填し、10-7torrの真空
条件下に置いた。透明ヒーターの二つの電極間に電流を
流してPMDAを蒸発させた場合のkセルの温度を、熱
電対により測定した。また、kセルの先端から20cmの
位置に設置した25℃の水晶式膜厚計上に付着したPM
DAの膜厚についても測定した。両測定値の経時変化を
図5に示す。kセルの温度を段階的に75,80,8
5,90℃に設定した場合、75℃以上での各5℃の設
定温度上昇に対して、kセル温度は約5分で安定な状態
に達している。また、設定値に達した後は、温度変化が
±0.05℃の範囲に入っている。膜厚も設定温度到達
後は一定速度で増加しており、蒸着物質が均一に加熱さ
れていることがわかる。さらに、本kセルは加熱中も透
明な状態を保っており、PMDAの残存量等の内部の状
態を直接観察しながら実験を行うことができた。これに
対して、従来の巻線ヒーター型kセルを用いて行った同
様の試験結果では、本試験の温度領域で設定温度に対す
る熱電対の指示温度の変動を±2℃以下に保つことは困
難であった。さらに、蒸着速度の時間変化がはげしいこ
とから、kセル内の温度勾配が大きいことが推察され
た。なお、従来のkセルでは、本実験の温度領域で蒸着
速度を制御することはできなかった。以上述べたよう
に、サファイア製透明坩堝上に作製したアンチモンドー
プ酸化スズ膜を透明ヒーターとして使用したkセルは、
75℃付近の低温領域での制御性に優れること、及び、
蒸着中のkセル内の状態が直接観察可能であることがわ
かった。
明坩堝9をサファイア製,透明ヒーター10をアンチモ
ン(Sb)をドープした酸化スズ(SnO2)に変更し
て透明kセルを作製した。このkセルに無水ピロメリッ
ト酸(PMDA)を0.5g充填し、10-7torrの真空
条件下に置いた。透明ヒーターの二つの電極間に電流を
流してPMDAを蒸発させた場合のkセルの温度を、熱
電対により測定した。また、kセルの先端から20cmの
位置に設置した25℃の水晶式膜厚計上に付着したPM
DAの膜厚についても測定した。両測定値の経時変化を
図5に示す。kセルの温度を段階的に75,80,8
5,90℃に設定した場合、75℃以上での各5℃の設
定温度上昇に対して、kセル温度は約5分で安定な状態
に達している。また、設定値に達した後は、温度変化が
±0.05℃の範囲に入っている。膜厚も設定温度到達
後は一定速度で増加しており、蒸着物質が均一に加熱さ
れていることがわかる。さらに、本kセルは加熱中も透
明な状態を保っており、PMDAの残存量等の内部の状
態を直接観察しながら実験を行うことができた。これに
対して、従来の巻線ヒーター型kセルを用いて行った同
様の試験結果では、本試験の温度領域で設定温度に対す
る熱電対の指示温度の変動を±2℃以下に保つことは困
難であった。さらに、蒸着速度の時間変化がはげしいこ
とから、kセル内の温度勾配が大きいことが推察され
た。なお、従来のkセルでは、本実験の温度領域で蒸着
速度を制御することはできなかった。以上述べたよう
に、サファイア製透明坩堝上に作製したアンチモンドー
プ酸化スズ膜を透明ヒーターとして使用したkセルは、
75℃付近の低温領域での制御性に優れること、及び、
蒸着中のkセル内の状態が直接観察可能であることがわ
かった。
【0011】(実施例3)図6は本発明の蒸着用kセル
の一部縦断面図である。実施例1,2との構造上の相違
は、実施例1における図2の透明坩堝9を本実施例では
透明ヒーター支持体15として使用し、新たに石英製の
透明坩堝16を透明ヒーター支持体15の内側に密着さ
せて挿入することにある。これにより、蒸着物質を変更
する場合には透明坩堝16のみを交換すれば良いことに
なり、実施例1に比べて作業性が向上する。本実施例で
は、透明ヒーター支持体15として硬質ガラスを使用
し、その側面にアンチモンをドープした酸化スズを真空
蒸着後500℃で焼成して透明ヒーター10を形成し
た。透明るつぼ16は石英製で内容量が10ccであ
る。図5に特性図を示したkセルにテトラメチルテトラ
セレナフルバレン(TMTSF)を0.2g充填し、1
0-8torrの真空条件下に置いた。透明ヒーターの二つの
電極間に電流を流してTMTSFを蒸発させた場合のk
セルの温度を、熱電対8を用いて測定した。また、kセ
ル先端から20cmの位置に設置した25℃の水晶式膜厚
計上に付着したTMTSFの膜厚についても測定した。
両測定値の経時変化を図7に示す。kセルの温度を段階
的に215,225,235,245℃に設定した場
合、215℃以上での各10℃の設定温度上昇に対し
て、kセル温度は約10分で安定な状態に達している。
また、設定値に達した後は、温度変化が±0.05℃の
範囲に入っている。膜厚も設定温度到達後は一定速度で
増加しており、蒸着物質が均一に加熱されていることが
わかる。さらに、本kセルは加熱中も透明な状態を保っ
ており、TMTSFの残存量等の内部の状態を直接観察
しながら実験を行うことができた。これに対して、従来
の巻線ヒーター型kセルを用いて行った同様の試験結果
では、実施例1における従来セルの試験結果と同様に、
設定温度に達して安定するまでの時間が約25分と長
く、その後も±0.3℃程度の温度のゆらぎを示してい
る。さらに、設定温度を一定に保った場合にも蒸着膜厚
の増加量が徐々に小さくなってくることから、kセル内
に温度勾配があって蒸着速度が経時的に変化することが
推察された。以上述べたように、図6に示した構造のk
セルは、温度勾配が小さく、230℃付近の低温領域で
の制御性に優れること、及び、蒸着中のkセル内の状態
が直接観察可能であることがわかった。
の一部縦断面図である。実施例1,2との構造上の相違
は、実施例1における図2の透明坩堝9を本実施例では
透明ヒーター支持体15として使用し、新たに石英製の
透明坩堝16を透明ヒーター支持体15の内側に密着さ
せて挿入することにある。これにより、蒸着物質を変更
する場合には透明坩堝16のみを交換すれば良いことに
なり、実施例1に比べて作業性が向上する。本実施例で
は、透明ヒーター支持体15として硬質ガラスを使用
し、その側面にアンチモンをドープした酸化スズを真空
蒸着後500℃で焼成して透明ヒーター10を形成し
た。透明るつぼ16は石英製で内容量が10ccであ
る。図5に特性図を示したkセルにテトラメチルテトラ
セレナフルバレン(TMTSF)を0.2g充填し、1
0-8torrの真空条件下に置いた。透明ヒーターの二つの
電極間に電流を流してTMTSFを蒸発させた場合のk
セルの温度を、熱電対8を用いて測定した。また、kセ
ル先端から20cmの位置に設置した25℃の水晶式膜厚
計上に付着したTMTSFの膜厚についても測定した。
両測定値の経時変化を図7に示す。kセルの温度を段階
的に215,225,235,245℃に設定した場
合、215℃以上での各10℃の設定温度上昇に対し
て、kセル温度は約10分で安定な状態に達している。
また、設定値に達した後は、温度変化が±0.05℃の
範囲に入っている。膜厚も設定温度到達後は一定速度で
増加しており、蒸着物質が均一に加熱されていることが
わかる。さらに、本kセルは加熱中も透明な状態を保っ
ており、TMTSFの残存量等の内部の状態を直接観察
しながら実験を行うことができた。これに対して、従来
の巻線ヒーター型kセルを用いて行った同様の試験結果
では、実施例1における従来セルの試験結果と同様に、
設定温度に達して安定するまでの時間が約25分と長
く、その後も±0.3℃程度の温度のゆらぎを示してい
る。さらに、設定温度を一定に保った場合にも蒸着膜厚
の増加量が徐々に小さくなってくることから、kセル内
に温度勾配があって蒸着速度が経時的に変化することが
推察された。以上述べたように、図6に示した構造のk
セルは、温度勾配が小さく、230℃付近の低温領域で
の制御性に優れること、及び、蒸着中のkセル内の状態
が直接観察可能であることがわかった。
【0012】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のk
セルを使用して有機化合物を蒸着した場合、kセル内の
温度勾配が小さく、かつ、75〜330℃の低温域での
温度制御性が良いので蒸着速度を一定に保つことができ
る。また、蒸着中にkセル内部を観察できるため、蒸着
試料の飛散状態や残留量を確認しながら蒸着作業が行え
る。このため、kセルの温度や真空度の変化からkセル
内部の状態を推察するしかなかった従来の方法に比べ
て、早期に異常の発見が可能となることは明かである。
さらに、試料の追加時期を適切に決められるという利点
も有している。
セルを使用して有機化合物を蒸着した場合、kセル内の
温度勾配が小さく、かつ、75〜330℃の低温域での
温度制御性が良いので蒸着速度を一定に保つことができ
る。また、蒸着中にkセル内部を観察できるため、蒸着
試料の飛散状態や残留量を確認しながら蒸着作業が行え
る。このため、kセルの温度や真空度の変化からkセル
内部の状態を推察するしかなかった従来の方法に比べ
て、早期に異常の発見が可能となることは明かである。
さらに、試料の追加時期を適切に決められるという利点
も有している。
【図1】従来の巻線ヒーター型kセルの構造図を示す。
【図2】本発明の一つの実施例による蒸着用kセルの一
部縦断面図である。
部縦断面図である。
【図3】本発明によるkセルの温度と蒸着膜厚の時間変
化を示す特性図である。
化を示す特性図である。
【図4】従来のkセルの温度と蒸着膜厚の時間変化を示
す特性図である。
す特性図である。
【図5】本発明によるkセルの温度と蒸着膜厚の時間変
化を示す特性図である。
化を示す特性図である。
【図6】本発明の他の実施例による蒸着用kセルの一部
縦断面図である。
縦断面図である。
【図7】図5の特性図によるkセルの温度と蒸着膜厚の
時間変化を示す特性図である。
時間変化を示す特性図である。
1 るつぼ 2 蓋 3 ヒーター線 4 サポータ 5,9 絶縁碍子 6 金属製の蓋 7 おさえ 8 熱電対 9 透明るつぼ 10 透明ヒーター 11 上部電極 12 下部電極 13,14 電極用リード線 15 透明ヒーター支持体 16 透明坩堝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 孝好 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 透明るつぼと該透明るつぼの外壁面上又
は該外壁面に近接して設置された透明ヒーターとを備え
た真空蒸着用kセル。 - 【請求項2】 前記透明ヒーターが、酸化インジウムま
たは酸化スズを主成分とする透明導電膜であることを特
徴とする請求項1記載の真空蒸着用kセル。 - 【請求項3】 前記透明ヒーターが酸化インジウムまた
は酸化スズを主成分とする透明導電膜であり、前記透明
るつぼが石英製、硬質ガラス製、またはサファイア製で
あることを特徴とする請求項1記載の真空蒸着用kセ
ル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22642391A JP3206760B2 (ja) | 1991-08-13 | 1991-08-13 | 真空蒸着用kセル |
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Family Applications (1)
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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-
1991
- 1991-08-13 JP JP22642391A patent/JP3206760B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
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| JP2010053390A (ja) * | 2008-08-27 | 2010-03-11 | Avc Co Ltd | 蒸気案内管 |
| EP3524354A1 (en) * | 2008-12-05 | 2019-08-14 | Biocartis NV | Thermal cycling system comprising transport heater |
Also Published As
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