JPH054942A - アクリレート化合物および歯科用接着剤 - Google Patents

アクリレート化合物および歯科用接着剤

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JPH054942A
JPH054942A JP3031049A JP3104991A JPH054942A JP H054942 A JPH054942 A JP H054942A JP 3031049 A JP3031049 A JP 3031049A JP 3104991 A JP3104991 A JP 3104991A JP H054942 A JPH054942 A JP H054942A
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acrylate
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鍋 厚 史 真
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野 和 之 勝
Kazuo Ito
藤 和 雄 伊
Sadao Wakumoto
貞 雄 和久本
Sada Miyasaka
坂 貞 宮
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 新規な化合物として式〔1〕のメソエリスリ
トールモノ(メタ)アクリレート。また、この化合物お
よび/または式〔2〕のペンタエリスリトールモノ(メ
タ)アクリレートと、該(メタ)アクリレート化合物と
共重合可能な1個以上のオレフィン性二重結合を有する
重合性単量体とからなる歯科用接着剤。 (式[1]と[2]において、Rは水素原子またはメチ
ル基を表す)。 【効果】 新規な(メタ)アクリレート化合物が提供さ
れ、また本歯科用接着剤は接着性、辺縁封鎖性および親
水性等の性能のバランスがよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、歯質と歯科用修復材料と
の接着性および辺縁の封鎖性に優れた歯科用接着剤に関
する。
【0002】
【発明の技術的背景】近年歯科材料分野においては歯
質、特に象牙質に対して優れた接着性を有した接着剤が
種々開発されてきた。歯科材料の技術分野で使用されて
いる接着剤の接着性成分としては、分子内に酸性基を有
する重合性単量体が使用されている。例えば、(メタ)
アクリル酸系の化合物にリン酸ジエステル基(特開昭 5
2-113089号公報参照)、リン酸モノエステル基(特開昭
58-21607号公報参照)、カルボキシ基、酸無水物基(特
開昭54-11149号公報参照)および酸ハロゲン化物基(特
開昭 57-151607号公報参照)等の基を導入した重合性単
量体である。
【0003】また、上記のような基を有する(メタ)ア
クリル酸系化合物の他に、一般的な接着剤の接着性成分
として、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HE
MA)あるいはグリセリルモノ(メタ)アクリレート
(GM)のようにポリヒドロキシ化合物の(メタ)アク
リル酸エステルを用いた接着剤も使用されている。
【0004】しかしながら、歯科用修復材料は、所謂一
般的な接着剤の用途とは比較にならないほど苛酷な条件
で使用される。従って、このような用途においては、従
来の接着剤の特性に加えて、さらに接着性、辺縁封鎖性
および親水性等の性能のバランスが良いことが必要にな
る。
【0005】本発明者は、こうした歯科用の接着剤にお
いて、(メタ)アクリレート系の重合性単量体が有して
いるヒドロキシ基の数が接着性、辺縁封鎖性および親水
性等の性能のバランスに多大な影響を及ぼすことを見い
だして本発明に到達した。
【0006】
【発明の目的】本発明は、新規な(メタ)アクリレート
系化合物を提供することを目的としている。
【0007】また、本発明は、上記の(メタ)アクリレ
ート系化合物を用いた歯科用接着剤であって、優れた接
着性に加え、歯質と修復材料との辺縁に間隙が生成する
のを抑え得るという辺縁封鎖性および接着剤の親水性の
バランスに優れた歯科用接着剤を提供することを目的と
している。
【0008】
【発明の概要】本発明のメソエリスリトールモノ(メ
タ)アクリレートは次式[1]で表される。
【0009】
【化5】
【0010】・・・[1] ただし、式[1]において、Rは水素原子またはメチル
基を表す。また、本発明の歯科用接着剤は、上記式
[1]で表されるメソエリスリトールモノ(メタ)アク
リレートおよび/または次式[2]で表されるペンタエ
リスリトールモノ(メタ)アクリレートと、該モノ(メ
タ)アクリレート化合物と共重合可能な少なくとも1個
のオレフィン性二重結合を有する重合性単量体とを含有
することを特徴としている。
【0011】
【化6】
【0012】・・・[2] ただし、式[2]において、Rは水素原子またはメチル
基を表す。本発明により新規なモノ(メタ)アクリレー
ト系化合物が提供される。
【0013】この式[1]あるいは式[2]で表される
モノ(メタ)アクリレート化合物は、分子内に共に3個
のヒドロキシ基を有している。このように3個のヒドロ
キシ基を有するモノ(メタ)アクリレート化合物を含有
する歯科用接着剤は、接着性、辺縁封鎖性および親水性
等の性能のバランスが非常によい。
【0014】
【発明の具体的説明】まず、本発明の新規なアクリレー
ト化合物について説明する。本発明で提供されるアクリ
レート化合物は、次式[1]で表されるメソエリスリト
ールモノ(メタ)アクリレートである。
【0015】
【化7】
【0016】・・・[1] ただし、上記式[1]において、Rは水素原子またはメ
チル基を表す。従って、本発明で提供されるアクリレー
ト化合物は、メソエリスリトールモノアクリレートおよ
びメソエリスリトールモノメタクリレートが含まれる。
【0017】このようなメソエリスリトールモノ(メ
タ)アクリレートは、例えば次のようにして調製するこ
とができる。まず、メソエリスリトールを、ジメチルホ
ルムアミドとピリジンとの混合溶液に加えて、さらにこ
の混合溶液に2,3,5,6-テトラメチルヒドロキノンおよび
4-ジメチルアミノピリジンを加える。この混合溶液を冷
却しながら(メタ)アクリロイルクロライドを攪拌しな
がら徐々に加える。ここで添加される(メタ)アクリロ
イルクロライドは、メソエリスリトール1モルに対し
て、1モル以上、好ましくは1〜2モルの範囲内の量で
添加される。こうして(メタ)アクリロイルクロライド
を添加した後、通常は反応液の温度を徐々に室温まで戻
しながら、反応を例えば5時間程度続ける。得られた反
応液を、例えばカラムクロマトグラフィ等の分離手段を
利用して分離することにより、(メタ)アクリロイルメ
ソエリスリトール[即ち、メソエリスリトールモノ(メ
タ)アクリレート]を得ることができる。このようにし
て得られた(メタ)アクリレート化合物は、主に1-O-
(メタ)アクリロイルメソエリスリトールである。この
ようなメソエリスリトールモノ(メタ)アクリレート
は、少量のヒドロキノン中で保存することが好ましい。
【0018】本発明の歯科用接着剤は、上記のメソエリ
スリトールモノ(メタ)アクリレートおよび/または次
式[2]で表されるペンタエリスリトールモノ(メタ)
アクリレートと、これらのモノ(メタ)アクリレート化
合物と共重合可能な少なくとも1個のオレフィン性二重
結合を有する重合性単量体とからなる。
【0019】
【化8】
【0020】・・・[2] ただし、上記式[2]において、Rは水素原子またはメ
チル基を表す。ここで使用されるペンタエリスリトール
モノ(メタ)アクリレートは、例えば上記メソエリスリ
トールモノ(メタ)アクリレートを調製する方法におい
て、メソエリスリトールの代わりに、ペンタエリスリト
ールを使用することにより調製することができる。
【0021】なお、本発明において、特に限定せずに
「モノ(メタ)アクリレート化合物」と記載した場合に
は、式[1]および[2]で表される両者の化合物を包
含する意味である。
【0022】これらモノ(メタ)アクリレート化合物
は、共に、分子内に3個の水酸基を有するため、この化
合物を用いることにより、接着剤の接着予定面(歯面)
に対する濡れ性(親和性)が向上し、歯質への接着性お
よび辺縁封鎖性に優れた歯科用接着剤を得ることができ
る。本出願人は、分子内に2個の水酸基を有するグリセ
リルモノ(メタ)アクリレートを用いた歯科用接着剤に
ついて既に提案している(特願平2-81768号および特願
平2-81769号明細書参照)。このグリセリルモノ(メ
タ)アクリレートを含む接着剤と、モノ(メタ)アクリ
レート化合物を含む本発明の接着剤とを比較すると、本
発明の接着剤は、接着性、歯質に対する親和性および辺
縁封鎖性などの特性についてさらに良好な値を示す。ま
た、分子内に水酸基を4個以上有しているアクリレート
系の化合物を使用した場合には、濡れ性等の特性は向上
するものの、逆に接着耐水性等の特性は低下する傾向が
あり、歯科用接着剤として総合的に見れば、接着性、親
和性及び辺縁封鎖性のバランスが良好ではない。
【0023】このようなモノ(メタ)アクリレート化合
物のうち、式[1]で表されるメソエリスリトールモノ
(メタ)アクリレートには、メソエリスリトールモノア
クリレートおよびメソエリスリトールモノメタクリレー
トがあり、また、次式[2]で表されるペンタエリスリ
トールモノ(メタ)アクリレートには、ペンタエリスリ
トールモノアクリレートおよびペンタエリスリトールモ
ノメタクリレートがある。本発明の歯科用接着剤におい
ては、これらは単独で、あるいは組み合わせて使用する
ことができる。
【0024】本発明に用いられる重合性単量体として
は、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルア
ミド、マレイン酸エステル、フマール酸エステルおよび
酢酸ビニルなどのビニルエステル類、スチレンとその誘
導体、並びに、アクリロニトリルおよびアクロレインな
どのビニル化合物を挙げることができる。これらの中で
も(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
【0025】本発明で好ましく使用される(メタ)アク
リル酸エステルの例としては、メチル(メタ)アクリレ
ート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリ
コールジ(メタ)アクリレート、2,2-ビス[4-(3-メタ
クリロイルオキシ-2- ヒドロキシプロポキシ)フェニ
ル]プロパン(Bis- GMA)、トリメチロールエタントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレートおよびN,N-ジメチルアミノエチルメタ
クリレートを挙げることができる。
【0026】また、本発明では、重合性単量体として、
【0027】
【化9】
【0028】で表される少なくとも一種類の極性基と、
少なくとも1個のオレフィン性二重結合を有する酸性重
合性単量体が好ましく用いられる。このような酸性重合
性単量体の例としては、以下に記載する化合物を挙げる
ことができる。
【0029】
【化10】
【0030】
【化11】
【0031】
【化12】
【0032】
【化13】
【0033】
【化14】
【0034】
【化15】
【0035】
【化16】
【0036】
【化17】
【0037】
【化18】
【0038】
【化19】
【0039】
【化20】
【0040】
【化21】
【0041】
【化22】
【0042】
【化23】
【0043】
【化24】
【0044】
【化25】
【0045】
【化26】
【0046】
【化27】
【0047】本発明の歯科用接着剤は、上述のように、
(メタ)アクリレート化合物と、この(メタ)アクリレ
ート化合物と共重合しうる重合性単量体(好ましくは酸
性重合性単量体)とから形成されており、この歯科用接
着剤は、例えば以下のような態様で使用することができ
る。
【0048】(イ) (メタ)アクリレート化合物と、
この(メタ)アクリレート化合物と共重合しうる少なく
とも1個のオレフィン性二重結合を有する重合性単量体
(好ましくはその一部が上記該酸性重合性単量体を含
む)との混合物として使用する。この場合において、こ
の混合物中には、必要に応じて溶剤、フィラーおよび重
合開始剤等の第3成分を添加することもできる。
【0049】このような混合物からなる接着剤におい
て、(メタ)アクリレート化合物は、全重量に対して、
0.01〜50重量%(さらに好ましくは0.1〜30
重量%の量で含有されることが好ましい。また上記酸性
重合性単量体は、0.01〜50重量%(さらに好まし
くは0.1〜30重量%)の量で含有されるのが好まし
い。
【0050】上記(イ)のように構成されている歯科用
接着剤は、下記(ロ)のように構成されている歯科用接
着剤と比較して、1液型であるため取扱が容易であり、
また保存安定性に関しても実用上問題はなく使用するこ
とができる。
【0051】このような混合物としての形態で使用され
る本発明の歯科用接着剤は、歯質、特に象牙質に塗布し
て用いられる。 (ロ) (メタ)アクリレート化合物が含有された組成
物[A]と、(メタ)アクリレート化合物と共重合しう
る少なくとも1個のオレフィン性二重結合を有する重合
性単量体(好ましくは酸性重合性単量体)が含有された
組成物[B]とをそれぞれ別々にパッケージして両者の
成分が接触しないように保存する。すなわち、組成物
[A]のパッケージと組成物[B]のパッケージとを別
々に保存しておき、使用の際に予め組成物[A]と組成
物[B]とを混合状態にして使用する。また、組成物
[A]のパッケージと組成物[B]のパッケージとを、
保存中に、組成物[A]と組成物[B]とが接触しない
ように保存しておき、使用直前に両組成物が接触するよ
うにパッケージを除去して混合することもできる。
【0052】すなわち、前者の場合には、歯科用接着剤
は、まず歯質特に象牙質(被着面)に組成物[A]を塗
布し、次いで組成物[B]を積層するように塗布して用
いられる。また、後者の場合には、使用直前に、それぞ
れのパッケージが除去され、それら内容物を混合して用
いられる。
【0053】このような態様で使用される組成物[A]
は、(メタ)アクリレート化合物に加えて、常圧で沸点
が200℃以下の溶剤、例えば、揮発性有機溶剤、水ま
たはこれらの混合物とを含有していてもよい。またこの
組成物[A]には、必要に応じて、重合開始剤、フィラ
ー等が配合されていても良い。組成物[A]において、
(メタ)アクリレート化合物は、全重量に対して、0.
1〜80重量%(さらに好ましくは1〜50重量%)の
量で含有されるのが好ましい。
【0054】組成物[B]中には、上記のような重合性
単量体の他に、通常は重合開始剤が配合されている。さ
らに、この組成物[B]は、必要に応じて、溶剤、フィ
ラー等を含んでいてもよい。また、この組成物[B]
は、必要に応じて二分割包装型であってもよい。
【0055】上記組成物[B]中における酸性重合性単
量体は、0.01〜50重量%(さらに好ましくは0.
1〜30重量%)の量で含有されるのが好ましい。上記
態様において、組成物[A]と組成物[B]の使用比率
(重量)は、1:100〜10:1(さらに好ましくは
1:10〜2:1)の範囲内に設定するのが好ましい。
【0056】本発明の歯科用接着剤においては、特定温
度以下の溶媒を配合することができる。このような溶媒
の例としては、常温における沸点が100℃である水お
よび常圧における沸点が200℃以下の揮発性有機溶剤
を挙げることができる。このような揮発性有機溶媒の例
としては、メタノール、エタノール、アリルアルコー
ル、イソプロパノール、1-オクタノールなどのアルコー
ル類;アセトン、メチルエチルケトンおよびホロンなど
のケトン類;エチルエーテル、1,4-ジオキサンおよびジ
エチレングリコールなどのエーテル類;酢酸エチル、酢
酸ブチルおよび2-エチルヘキシルアセテートなどのエス
テル類;並びに、ヘキサン、ウンデカン、トルエン、キ
シレン、塩化メチレン、1,2-ジクロルエタンおよび1,1,
2,2-テトラクロルエタンなどを挙げることができる。水
あるいは上記揮発性有機溶媒は単独で使用することもで
きるし、また混合して使用することもできる。
【0057】本発明の歯科用接着剤には重合開始剤が配
合されていてもよく、このような重合開始剤の例として
は、ベンゾイルパーオキサイド- 芳香族第3級アミン系
の混合物およびクメンハイドロパーオキサイドなどの過
酸化物;トリブチルボラン、芳香族スルフィン酸(また
はその塩)-芳香族第2級または第3級アミン- アシル
パーオキサイド系の混合物などが挙げられる。さらに、
α- ジケトン(例えば、カンファーキノン、ジアセチ
ル、ベンジル)- 還元剤(例えば、第3級アミン、アル
デヒド、メルカプタン)およびベンゾインメチルエーテ
ルなどの光重合開始剤を挙げることができる。
【0058】本発明の歯科用接着剤に配合することがで
きるフィラーの例としては、ガラス、石英、ヒドロキシ
アパタイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アル
ミニウム、酸化チタンおよび酸化ジルコニウムなどの無
機フィラーの他、ポリメチルメタクリレート粉末、ポリ
スチレン粉末およびポリ塩化ビニル粉末等のポリマー粉
末を挙げることができる。
【0059】本発明の歯科用接着剤は、一般に使用され
ている歯科用接着剤と同様にして用いることができる。
すなわち、例えば、歯質の接着予定面に本発明の歯科用
接着剤を塗布し、次いで、歯科用接着剤が塗設された面
にコンポジットレジンあるいは金属などの歯科用修復材
料を配置して、この接着剤を硬化させて歯質と歯科用修
復材料とを接着させる。
【0060】
【発明の効果】本発明により、新規なアクリレート化合
物であるメソエリスリトールモノ(メタ)アクリレート
が提供される。
【0061】そして、本発明に係る歯科用接着剤は、歯
質特に象牙質に対して優れた接着性を有すると共に歯質
と修復材料との辺縁の封鎖性に優れている。従って本発
明の歯科用接着剤は、このような効果が求められる種々
の歯科用途に用いることができるが、なかでもウ蝕症を
有する歯牙の修復、特に歯頸部を含んだ修復等に好適に
用いられる。
【0062】以下、実施例によりさらに詳しく本発明の
内容を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0063】
【実施例1】 [1-O-メタクリロイルメソエリスリトールの調製]粉末
としてメソエリスリトール(MESO-Erythritol)12.2
11g(0.100mol)を、ジメチルホルムアミド(dimehtylf
ormamide,以下「DMF」)60mlとピリジン(pyridine)1
5ml(14.73g,0.186mol)との混液に懸濁させ、これに4-
ジメチルアミノピリジン(dimethylaminopyridine,以下
「DMAP」)200mgと2,3,5,6-テトラメチルヒドロキノ
ン(2,3,5,6-tetramethylhydroquinone)100mgとを加
え、全混合物を約40℃の水浴上で振り混ぜながら加温
する。ほぼ均一な溶液が得られる。この溶液を氷水中で
かき混ぜながら0〜5℃に冷却すると少量の結晶が析出
する。
【0064】この溶液の液温を5℃以下に保ち、攪拌を
続けながら、この溶液にメタクリロイルクロライド(met
hacryloyl chloride)13.1ml(14.0g,0.134mol)を少
量ずつ滴下する。約3mlの試薬を滴下すると析出してい
た結晶は完全に溶解し、微黄色の均一な液となる。2時
間30分かけて滴下を終わり、微黄色の透明な反応液を
かき混ぜながら徐々に室温に戻し、さらに5時間攪拌を
続ける。
【0065】反応液を40℃以下の水浴上で減圧下に溶
媒を蒸発させると微黄色シロップ状の残留物を得る。こ
れをクロロホルムとエタノールとの混液30mlに溶解
し、シリカゲル150gを用いてカラムクロマトグラフ
ィーにより精製する。
【0066】クロロホルムとエタノールとの混液(CHC
l3:EtOH=95:5)を用いて流出させ、薄層クロマトグラフ
ィー(展開溶媒;CHCl3:EtOH=95:5)にてRf=0.3付近に
単一スポットを与える流出物を集めて溶媒を除去すると
約3.5〜5.5gの無色油状物質を得る。
【0067】得られた反応生成物について、KBr錠剤
法により赤外線吸収スペクトルを測定した。さらに、4
00メガサイクル核磁気共鳴スペクトル装置を用いて、
テトラメチルシランを内部標準とし、ジメチルスルホキ
シド-d6溶媒中で、 1H−NMRスペクトルを測定し
た。
【0068】赤外線吸収スペクトルの主なピークとその
帰属は次の通りである。 ν KBr(cm-1):3400(−OH)、1707
(エステル,C=O)、1640(C=O)、1190
(エステル,C−O−C)1 H−NMRスペクトルのピークとその帰属は次の通り
である。
【0069】δ(ppm in DMSO-d6):1.88(3
H,s,=C−C3 )、3.40(2H,m,−C
2 -OH)、3.55(1H,m,−C−OH)、3.
61(1H,m,−C−OH)、4.04(1H,d
d,J=7Hz,11Hz,COO−C−)、4.2
4(1H,dd,J=3Hz,11Hz,COO−C
−)、5.65(1H,s,=C)、6.06(1
H,s,=C) 上記のような分析結果から、生成物は1位の水酸基のみ
がエステル化された1-O-メタクリロイルメソエリスリト
ールであることが確認された。この1-O-メタクリロイル
メソエリスリトールは、ヒドロキノンを少量加えること
により長期間安定に貯蔵することができる。
【0070】上記反応を式で表すと次の通りである。
【0071】
【化28】
【0072】[接着性の試験]表面を 1000研磨紙で研
磨し、次いで、0.5モル/リットルの濃度のEDTA水溶液で60秒間処
理した抜去人歯象牙質の平坦面に、1-O-メタクリロイル
メソエリスリトール35重量部および水65重量部から
なる組成物[A-1]を塗布し、エアブローした。
【0073】次いで、この塗布面に、 10-メタクリロイ
ルオキシデシルジハイドロジエンホスフェートを含有し
ている市販の歯科用接着剤(クリアフィルニューボン
ド、クラレ(株)製)を塗布し、エアブローした後、市販
のコンポジットレジンクリアフィルFII(クラレ(株)
製)を築盛し、硬化させた。
【0074】上記のようにして調製した10個のサンプ
ルについて、37℃水中に24時間浸漬後、引張り接着
強度を測定した。結果を第1表に示す。
【0075】抜去人大臼歯10本の隣接面エナメル質を
削除し、 1000研磨紙で平坦にした象牙質に、直径3mm、
深さ1.5mmの円柱状窩洞を形成した。次いで、濃度
0.5モル/リットルのEDTA水溶液で60秒間窩洞
内を処理し、水洗乾燥した後、組成物[A-1]を窩洞全
体に塗布し、エアブローした。さらにクリアフィルニュ
ーボンドを塗布し、エアブローした後クリアフィルFII
を窩洞に充填し、硬化させた。
【0076】直ちに室温水中に浸漬し、10分間放置
後、充填部を鏡面研磨し、窩縁を露出させ、窩洞と充填
剤界面の間隙を光学顕微鏡(NIKON,OPTIPHOTO,×400 )
を用いて観察した。
【0077】10個のサンプル中8個について、窩縁全
周に亘り間隙は全く認められず良好な接合状態を示して
いた。全試料についての収縮間隙の幅は、0〜0.06
μmであり、また平均値は0.01±0.01μmであっ
た。
【0078】
【実施例2】実施例1において、組成物[A-1]の代わ
りに、1-O-メタクリロイルメソエリスリトール40重量
部および水60重量部からなる組成物[A-2]を使用し
た以外は同様にして接着強度および収縮間隙の幅を測定
した。
【0079】結果を第1表に示す。また10個サンプル
の全てについて、窩縁全周に亘り間隙は全く認められず
良好な接合状態を示していた。
【0080】
【実施例3】 [1-O-メタクリロイルペンタエリスリトールの調製]粉
末としてペンタエリスリトール(pentaerythritol)1
3.615g(0.100mol)を、DMF60mlとピリジン(p
yridine)15ml(14.73g,0.186mol)との混液に懸濁さ
せ、これにDMAP200mgと2,3,5,6-テトラメチルヒ
ドロキノン(2,3,5,6-tetramethylhydroquinone)100m
gとを加え、全混合物を約40℃の水浴上で振り混ぜな
がら加温する。ほぼ均一な溶液が得られる。この溶液を
氷水中でかき混ぜながら0〜5℃に冷却すると少量の結
晶が析出する。
【0081】この溶液の液温を5℃以下に保ち、攪拌を
続けながら、この溶液にメタクリロイルクロライド(met
hacryloyl chloride)13.1ml(14.0g,0.134mol)を少
量ずつ滴下する。約3mlの試薬を滴下すると析出してい
た結晶は完全に溶解し、微黄色の均一な液となる。2時
間30分かけて滴下を終わり、微黄色の透明な反応液を
かき混ぜながら徐々に室温に戻し、さらに5時間攪拌を
続ける。
【0082】反応液を40℃以下の水浴上で減圧下に溶
媒を蒸発させると微黄色シロップ状の残留物を得る。こ
れをクロロホルムとエタノールとの混液30mlに溶解
し、シリカゲル150gを用いてカラムクロマトグラフ
ィーにより精製する。
【0083】クロロホルムとエタノールとの混液(CHC
l3:EtOH=95:5)を用いて流出させ、薄層クロマトグラフ
ィー(展開溶媒;CHCl3:EtOH=90:10)にてRf=0.3付近
に単一スポットを与える流出物を集めて溶媒を除去する
と約3.6〜5.2gの無色油状物質を得る。
【0084】得られた反応生成物について、KBr錠剤
法により赤外線吸収スペクトルを測定した。さらに、4
00メガサイクル核磁気共鳴スペクトル装置を用いて、
テトラメチルシランを内部標準とし、ジメチルスルホキ
シド-d6溶媒中で、 1H−NMRスペクトルを測定し
た。
【0085】赤外線吸収スペクトルの主なピークとその
帰属は次の通りである。 ν KBr (cm-1):3400(−OH)、1710
(エステル,C=O)、1635(C=O)、1200
(エステル,C−O−C)1 H−NMRスペクトルのピークとその帰属は次の通り
である。
【0086】δ(ppm in DMSO-d6):1.89(3
H,s,=C−C3 )、3.39(6H,d,−C
2 -OH×3,D2O→s)、3.98(2H,s,−C
OO−C2 −)、5.63(1H,s,=C−)、
6.2(1H,s,=C−) 上記のような分析結果から、生成物は1位の水酸基1個
だけがエステル化された1-O-メタクリロイルペンタエリ
スリトールであることが確認された。この1-O-メタクリ
ロイルペンタエリスリトールは、ヒドロキノンを少量加
えることにより長期間安定に貯蔵することができる。
【0087】上記反応を式で表すと次の通りである。
【0088】
【化29】
【0089】[接着性の試験]表面を #1000研磨紙
で研磨し、次いで、0.5モル/リットルの濃度のED
TA水溶液で60秒間処理した抜去人歯象牙質の平坦面
に、1-O-メタクリロイルペンタエリスリトール20重量
部および水80重量部からなる組成物[A-3]を塗布
し、エアブローした。
【0090】次いで、この塗布面に、 10-メタクリロイ
ルオキシデシルジハイドロジエンホスフェートを含有し
ている市販の歯科用接着剤(クリアフィルニューボン
ド、クラレ(株)製)を塗布し、エアブローした後、市販
のコンポジットレジンクリアフィルFII(クラレ(株)
製)を築盛し、硬化させた。
【0091】上記のようにして調製した10個のサンプ
ルについて、37℃水中に24時間浸漬後、引張り接着
強度を測定した。結果を第1表に示す。
【0092】抜去人大臼歯10本の隣接面エナメル質を
削除し、 #1000研磨紙で平坦にした象牙質に、直径
3mm、深さ1.5mmの円柱状窩洞を形成した。次いで、
濃度0.5モル/リットルのEDTA水溶液で60秒間
窩洞内を処理し、水洗乾燥した後、組成物[A-3]を窩
洞全体に塗布し、エアブローした。さらにクリアフィル
ニューボンドを塗布し、エアブローした後クリアフィル
FIIを窩洞に充填し、硬化させた。
【0093】直ちに室温水中に浸漬し、10分間放置
後、充填部を鏡面研磨し、窩縁を露出させ、窩洞と充填
剤界面の間隙を光学顕微鏡(NIKON,OPTIPHOTO×400)を
用いて観察した。
【0094】10個のサンプルの窩縁全周に亘り間隙は
認められたが良好な接合状態を示していた。全試料につ
いての収縮間隙の幅は、0.03〜0.17μmであ
り、また平均値は0.08±0.05μmであった。
【0095】
【実施例4】実施例3において、組成物[A-3]の代わ
りに、1-O-メタクリロイルペンタエリスリトール35重
量部および水65重量部からなる組成物[A-4]を使用
した以外は同様にして接着強度および収縮間隙の幅を測
定した。
【0096】結果を第1表に示す。また試料10個中5
個について、窩縁全周に亘り間隙は全く認められず良好
な接合状態を示していた。全試料についての収縮間隙の
幅は、0〜0.04μmであり、また平均値は0.01
±0.01μmであった。
【0097】
【実施例5】実施例3において、組成物[A-3]の代わ
りに、1-O-メタクリロイルペンタエリスリトール40重
量部および水60重量部からなる組成物[A-5]を使用
した以外は同様にして接着強度および収縮間隙の幅を測
定した。
【0098】結果を第1表に示す。また試料10個中5
個について、窩縁全周に亘り間隙は全く認められず良好
な接合状態を示していた。全試料についての収縮間隙の
幅は、0〜0.08μmであり、また平均値は0.02
±0.03μmであった。
【0099】
【実施例6】実施例3において、組成物[A-3]の代わ
りに、1-O-メタクリロイルペンタエリスリトール45重
量部および水55重量部からなる組成物[A-6]を使用
した以外は同様にして接着強度および収縮間隙の幅を測
定した。
【0100】結果を第1表に示す。また試料10個中5
個について、窩縁全周に亘り間隙は全く認められず良好
な接合状態を示していた。全試料についての収縮間隙の
幅は、0〜0.06μmであり、また平均値は0.02
±0.02μmであった。
【0101】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和久本 貞 雄 東京都文京区本郷3−43−14−702 (72)発明者 宮 坂 貞 神奈川県横浜市緑区青葉台1−27−11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式[1]で表されるメソエリスリトール
    モノ(メタ)アクリレート; 【化1】 ・・・[1] (ただし、式[1]において、Rは水素原子またはメチ
    ル基を表す)。
  2. 【請求項2】次式[1]で表されるメソエリスリトール
    モノ(メタ)アクリレートおよび/または次式[2]で
    表されるペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレー
    トと、該(メタ)アクリレート化合物と共重合可能な少
    なくとも1個のオレフィン性二重結合を有する重合性単
    量体とを含有することを特徴とする歯科用接着剤; 【化2】 ・・・[1] 【化3】 ・・・[2] (ただし、式[1]および[2]において、Rは水素原
    子またはメチル基を表す)。
  3. 【請求項3】前記歯科用接着剤が、メソエリスリトール
    モノ(メタ)アクリレートおよび/またはペンタエリス
    リトールモノ(メタ)アクリレートと、該モノ(メタ)
    アクリレート化合物と共重合可能な少なくとも1個のオ
    レフィン性二重結合を有する重合性単量体との一包装混
    合物であることを特徴とする請求項第2項記載の歯科用
    接着剤。
  4. 【請求項4】前記歯科用接着剤が、メソエリスリトール
    モノ(メタ)アクリレートおよび/またはペンタエリス
    リトールモノ(メタ)アクリレートを含む接着剤成分
    と、該モノ(メタ)アクリレート化合物と共重合可能な
    少なくとも1個のオレフィン性二重結合を有する重合性
    単量体を含む接着剤成分とが個別に包装されて、両成分
    が非接触状態で保持されていることを特徴とする請求項
    第2項記載の歯科用接着剤。
  5. 【請求項5】メソエリスリトールモノ(メタ)アクリレ
    ートおよび/またはペンタエリスリトールモノ(メタ)
    アクリレートが、常圧における沸点が200℃以下の溶
    媒中に溶解されていることを特徴とする請求項第2項乃
    至第4項のいずれかの項記載の歯科用接着剤。
  6. 【請求項6】前記重合性単量体が、少なくとも1個のオ
    レフィン性二重結合と、以下に示される群より選ばれる
    少なくとも一種類の酸性基を有することを特徴とする請
    求項第2項記載の歯科用接着剤; 【化4】 (ただし、上記式において、Zはハロゲン原子を表し、
    結合手には、水酸基、ハロゲン原子または−PO(O
    H)−O−で表される基は結合していない)。
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