JPH0549471A - 新規微生物、ならびにそれを用いて製造する乳酸発酵食品およびその製造法 - Google Patents

新規微生物、ならびにそれを用いて製造する乳酸発酵食品およびその製造法

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JPH0549471A
JPH0549471A JP24038091A JP24038091A JPH0549471A JP H0549471 A JPH0549471 A JP H0549471A JP 24038091 A JP24038091 A JP 24038091A JP 24038091 A JP24038091 A JP 24038091A JP H0549471 A JPH0549471 A JP H0549471A
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Keiji Sechihara
圭 司 世知原
Yoji Takashige
重 洋 治 高
Koji Izumo
雲 耕 二 出
Akihiro Morita
田 昭 博 森
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MOMOYA KK
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MOMOYA KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発酵用原料を、通常の微生物では生育し難い
高塩濃度条件下において乳酸発酵させることができる技
術を提供する。 【構成】 ラクトバチルス属に属する菌株、好ましくは
ラクトバチルス・プランタラム、とペディオコッカス・
ハロフィルスに属する菌株とを融合させることにより形
成され、高塩濃度の環境中において融合前の両菌株より
も旺盛な生育を示す、融合微生物。上記の融合微生物の
少なくとも1種を発酵原料の発酵時にスターターとして
接種し、他の微生物が旺盛に生育できずかつその融合微
生物にとっては増殖に適した高塩濃度下で、発酵物中の
他の微生物の繁殖を抑制しながら発酵を行うことを特徴
とする、乳酸発酵食品の製造法。上記の製造法によって
得られる乳酸発酵食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は、乳酸発酵物の製造技術
に関するもである。具体的には、通常の微生物にとって
は生育が難しい高塩濃度下において植物質および動物質
の任意の原料を乳酸発酵させて得られる発酵物、の製造
技術に関するものである。さらに詳細には、ラクトバチ
ルス属に属する菌株とペディオコッカス・ハロフィルス
に属する菌株とを細胞融合させることにより得られた融
合微生物であって、高塩濃度下において旺盛な生育を示
す融合微生物、この微生物を用いる乳酸発酵食品の製造
法およびこれによって製造される乳酸発酵食品に関する
ものである。
【0002】
〔発明の概要〕
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高塩濃度下で良好な乳
酸発酵を行うことができると、雑菌による腐敗もなく、
抗菌剤添加あるいは加熱殺菌を必要としない、原料の生
のよさを生かした新しい乳酸発酵食品ができることにな
る。さらに、高塩濃度の状態で良好な乳酸発酵を行うこ
とができると従来になかった新しい発酵食品が生まれる
ことになる。本発明は、動物質および植物質の任意の発
酵用原料を、通常の微生物では生育が難しい高塩濃度条
件下において、乳酸発酵させることを可能にする技術、
すなわちこのための新規な微生物、これを用いた乳酸発
酵食品の製造法および乳酸発酵食品、を提供することを
目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行った結果、食塩濃度15%付近においても旺盛な乳
酸発酵を行うことができる、ラクトバチルス・プランタ
ラムとペディオコッカス・ハロフィルスとの融合株を取
得することに成功し、この融合株を発酵のスターターと
して接種することで、上記目的の高塩濃度下においての
発酵が可能となることを見いだし、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明による微生物は、ラクトバチ
ルス属に属する菌株とペディオコッカス・ハロフィルス
に属する菌株とを融合させることにより形成され、高塩
濃度の環境中において融合前の両菌株よりも旺盛な生育
を示す、融合微生物であり、この好ましい例は、ラクト
バチルス・プランタラムとペディオコッカス・ハロフィ
ルスを細胞融合させることにより得られた融合微生物で
ある。また、本発明による乳酸発酵食品の製造法は、上
記した融合微生物の少なくとも1種を発酵原料の発酵時
にスターターとして接種し、他の微生物が旺盛に生育で
きず、かつ、その融合微生物にとっては増殖に適した高
塩濃度下で、発酵物中の他の微生物の繁殖を抑制しなが
ら発酵を行うこと、を特徴とするものである。さらにま
た、本発明による乳酸発酵食品は、上記の製造法によっ
て製造されたものである。
【0005】〔発明の具体的説明〕 <融合微生物>本発明による融合微生物は、ラクトバチ
ルス属(Lactobacillus L.))に属する菌株とペディ
オコッカス属(Pediococcus P.))に属する菌株とを
融合させることにより形成され、高塩濃度の環境中にお
いて融合前の両菌株よりも旺盛な生育を示すものである
ことは前記したところである。高塩濃度の環境とは、発
酵の際に存在する通常の微生物は死滅するかもしくは繁
殖できないが本発明融合微生物は旺盛な生育を示す高濃
度の塩を含むものであり、具体的には、たとえば約10
〜20%(W/V) の塩化ナリトウム(食塩)を含むもので
ある。ラクトバチルス属に属する菌株の好ましい例とし
ては、たとえばラクトバチルス・プランタラム(L. pl
antarum )、ラクトバチルス・カゼイ(L. casei )、
ラクトバチルス・カルバタス(L. curvatus)などがあ
げられる。本発明による融合微生物の好ましい具体例
は、ラトクバチルス・プランタラムとペディオコッカス
・ハロフィルスとの融合によるものであり、この代表的
な好ましい例として、たとえば後述するF−6株および
A−9株があげられる。本発明者らは、野菜から分離し
たラクトバチルス・プランタラムNO.14株と醤油諸
味から分離したペディオコッカス・ハロフィルスNO.
8株を親株とし、通常の細胞融合法により、高塩濃度の
環境中において、具体的にはたとえば約15〜20%濃
度の食塩添加において、旺盛な生育を示す融合株すなわ
ち、F−6株およびA−9株を作出・分離した。このF
−6株およびA−9株は、後記実施例に示すように、同
一の細胞融合株作出系から得られた生理学的性質の一部
異なる2種の融合微生物である(後記表1参照)。
【0006】ラクトバチルス・プランタラムNO.14
株(親株)およびペディオコッカス・ハロフィルスN
O.8株(親株)ならびに融合株F−6株およびA−9
株の菌学的性質は以下の表1に示す通りである。これら
の菌学的性質は、バージェイズマニュアル・オブ・シス
テマティック・バクテリオロジー(Bergey's Mannual o
f Systematic Bacteriology)第2巻(1986年)およ
び腸内菌の世界‐嫌気性菌の分類と同定‐(光岡知足
著)記載の方法に準拠した。
【0007】 表1 NO.14 NO.8 F−6 A−9 a)形態 (1) 細胞の形及び大きさ 桿菌 球菌 球菌 球菌 (2) 運動性の有無 − − − − (3) 胞子の有無 − − − − (4) グラム染色 陽性 陽性 陽性 陽性 b)生理学的性質 (1) 硝酸塩の還元 − − − − (2) MR反応 + + + + (3) VP反応 − − − − (4) インドールの生成 − − − − (5) 硫化水素の生成 − − − − (6) デンプンの加水分解 − − − − (7) クエン酸の利用 − − − − (8) 色素の生成 − − − − (9) ウレアーゼ − − − − (10)オキシダーゼ − − − − (11)カタラーゼ − − − − (12)O−Fテスト 発酵 発酵 発酵 発酵 (13)耐塩性試験(W/V) 〜10% 〜22% 〜22% 〜22% (14)無機窒素源の利用 − − − − (15)ゼラチンの液化 − − − − (16)乳酸の旋光性 DL L L L (17)リトマス・ミルク 酸性化 弱い還元 弱い還元 弱い還元 (18)生育の範囲 生育pH 4.0 〜8.0 6.0 〜9.0 5.0 〜9.0 5.0 〜9.0 至適pH 7.0 7.0 〜8.0 7.0 〜8.0 7.0 〜8.0 生育温度 15〜38℃ 15〜38℃ 15〜38℃ 15〜38℃ 至適温度 33〜35℃ 33〜35℃ 33〜35℃ 33〜35℃ (19)グルコースからの − − − − ガスの生成 (20)糖類から酸の生成 L‐アラビノース −* + + + D‐キシロース −* − − − D‐グルコース + + + + D‐マンノース + + + + D‐フラクトース + + + + D‐ガラクトース + + + + マルトース + − + − シュークロース + − + − ラクトース + − − − トレハロース + − − − D‐ソルビット + − − − D‐マンニット + + + + イノシット −* − − − グリセリン −* + + +デンプン + − − − *:は、生育できなかっことを示す。
【0008】本発明に関わる融合微生物もしくは細胞融
合株の作出は、基本的には、まず増殖活性の高い2種の
菌体を常法により、プロトプラスト化した後にプロトプ
ラスト細胞同士を融合させて、細胞に対して高張状態の
培地にて細胞壁を再生させる。このようにして再生した
融合細胞の中から高塩濃度、例えば食塩10〜20%、
好ましくは約15%(グラムパーセント濃度)、の培地
にて旺盛な生育を示すものを選び出すことにより目的の
細胞融合株を容易に得ることができる。プロトプラスト
化に使用する融合用の菌株としては、通常の乳酸菌培地
あるいは融合用の菌株が生育できる種々の培地で培養し
た栄養細胞を用いればよい。培養に用いる培地は、Ro
gosa培地、GPY培地あるいはMRS培地に代表さ
れる種々の乳酸菌用の培地等融合用の菌株が生育できる
任意の培地を使用することができる。これらの培地で培
養した栄養細胞は、通常に用いられる高張状態にした緩
衝液(たとえば、トリス‐マレイン酸緩衝液、燐酸緩衝
液等)で培地成分を洗浄除去した菌体懸濁液を作成し、
この菌体懸濁液に乳酸菌細胞壁溶解酵素を作用させるこ
とによりプロトプラスト化させることができる。細胞壁
溶解酵素としては、具体的にはたとえば卵白リゾチーム
(生化学工業社製、以後リゾチームと略する)あるいは
N-acetyl-muramidase(生化学工業社製、以後NAMと略
する)等があげられるが、上記した2種の酵素を併用す
ることにより、より効率的にプロトプラストを得ること
ができる。融合微生物もくしは細胞融合株は、上記のよ
うにして調製したプロトプラスト細胞の混合液を用い
て、通常の電気パルス法あるいはポリエチレングリコー
ル法等の細胞融合法により容易に得ることができる。細
胞融合のための上記したような種々の方法に関する一般
的な記載は、たとえば「電気パルスによる細胞融合・遺
伝子導入法とその現状」(島津評論、Vo1.46,No4,1989.
12)を参照することができる。
【0009】微生物の寄託 ラクトバチルス・プランタラムNO.14株は、工業技
術院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第11550号
(FERM P-11550) として寄託されている。ペディオコッ
カス・ハロフィルスNO.8株は、工業技術院微生物工
業技術研究所に微工研菌寄第12224号(FERM P-122
24) として寄託されている。細胞融合株F−6株および
A−9株は、工業技術院微生物工業技術研究所に微工研
菌寄第12226号(FERM P-12226) および微工研菌寄
第12225号(FERM P-12225) として寄託されてい
る。
【0010】<乳酸発酵食品の製造法>本発明による乳
酸発酵食品の製造法は、上記したような本発明融合微生
物の少なくとも1種を発酵原料の発酵時にスターターと
して接種し、他の微生物が旺盛に生育できずかつその融
合微生物にとっては増殖に適した高塩濃度下で、発酵物
中の他の微生物の繁殖を抑制しながら発酵を行うこと、
を特徴とするものであり、高塩濃度下における旺盛な乳
酸発酵を可能にしたものである。従って、本発明による
製造法は高塩濃度下で発酵を行わせるため、加熱あるい
は殺菌剤などによる原料中の微生物の殺菌の必要がない
という特徴を有している。 (1)発酵用原料 発酵物(発酵食品)用の原料としては、本発明融合微生
物が利用できる植物質あるいは動物質の任意のものであ
りうるが、例えば、植物質では、きゅうり、白菜、大
根、人参等の野菜、林檎、梨、バナナ、苺等の果実、大
豆、小麦、小豆等の穀類があげられ、また、動物質で
は、種々の肉、魚等の一般的なものがあげられる。 (2)発酵 上記したような発酵用原料を、通常、まず水洗いまたは
殺菌剤、例えば次亜塩素酸ソーダ等による殺菌処理を行
った後(この際、通常は原料の生のよさを保護するため
に加熱殺菌を行わないが、必要があればこの加熱処理を
施してもよい)、高塩濃度の状態、好ましくは食塩10
%〜20%、より好ましくは15%〜18%(W/V) の添
加状態にする。塩としては、食塩の他に必要に応じて他
の塩、たとえばKClあるいはMgCl2 等を必要量添
加することができる。また、必要に応じてアミノ酸、核
酸等の調味料を所望の量添加することもできる。この高
塩濃度の状態にした発酵用原料に、本発明融合微生物の
培養液(通常1×106 〜1×109 cells/ml、好まし
くは1×108 cells/mlの濃度)を0.1%から10
%、好ましくは約1%(それぞれ容量%)接種する。そ
の後、通常10℃〜40℃、好ましくは28℃〜35℃
の温度で発酵を行うことができる。発酵時間は、原料あ
るいは好みの発酵度等の条件により変化しうるが、1〜
4週間程度が一般的である。なお、高濃度の塩は、必要
に応じて、発酵後に所望の濃度までに通常の脱塩によっ
て低濃度にすることができる。上記したような本発明製
造法により、高塩濃度下における旺盛な乳酸発酵によ
る、加熱あるいは殺菌剤などによる原料中の微生物の殺
菌の必要がない、全く新しい乳酸発酵食品を得ることが
できる。
【0011】
【実施例】以下は本発明の実施例を示すものであるが、
本発明はこれによって限定されるものではない。実施例1 ラクトバチルス・プランタラムとペディオコ
ッカス・ハロフィルスの細胞融合株の取得 (1)培養 (i) ラクトバルチス・プランタラムNO.14株(te
t+,NaCl−)保存培地から1白金耳をGPY培地
(表2)10mlに接種して、30℃、1日間培養した。
培養液を同培地に接種し、30℃、1日間の継代培養を
数回繰り返すことにより生育を安定させ、これを前培養
とした。次に、前培養液0.3mlを同培地30mlに接種
して、30℃、10時間培養して本培養とした。 (ii)ペディオコッカス・ハロフィルスNO.8株(te
t−,NaCl+)保存培地1白金耳を、NaCl7%
(W/V)添加したRogosa培地(表3)10mlに接種
して、30℃、2日間培養した。培養液を同培地に接種
し、30℃、2日間の継代培養を数回繰り返すことによ
り生育を安定させ、これを前培養とした。次に、前培養
液0.3mlを同培地30mlに接種して、30℃、24時
間培養して本培養とした。 表3 Rogosa培地 トリプチケース 10g 酵母エキス 5g トリプトース 3g KHPO 3g KHPO 3g クエン酸アンモニウム 2g 塩溶液* 5ml Tween 80 1g 酢酸ナトリウム・3HO 1.7g グルコース 20g システイン(塩酸塩) 0.2g (寒天 15g) 蒸留水 1000ml (pH6.8) *塩溶液:MgSO・7HO 11.5g, FeSO・7HO 0.68g, MnSO・nHO 2.4gを水100mlに溶解したもの なお、上記(i) 、(ii)における(tet+,NaCl
−)および(tet−,NaCl+)は次のような内容
を意味するものである。 テトラサイクリン(20 μg/ml) NaCl(10%(W/V)) ラクトバチルス・ プランタラムNo.14 株 +(耐性) −(感受性) ペディオコッカス・ ハロフィルスNo.8株 − + (2)プロトプラスト化 本培養終了菌体を遠心分離(7500×g/5min /4
℃)し、集菌を行った。常法に従って集菌した菌体をT
MS緩衝液(表4)で2回洗浄を行い、洗浄後、同緩衝
液を用いてO.D.660nm の値が、0.7になるように
菌懸濁液を調整した。次に、菌懸濁液4mlと酵素溶液1
mlを加え、全量を5mlとした。酵素反応は、35℃、微
弱振とうで行った。また酵素を加えることによって反応
開始とし、酵素の反応時間は、それぞれ60分とした。
それぞれの酵素濃度は表5に示す。 表5 プロトプラスト化に用いた酵素と酵素濃度* L.plantarum NO.14 α‐amylase 50μg/ml N-acetyl-muramidase 10μg/ml P.halophilus NO.8 α‐amylase 250μg/ml lysozyme 25μg/ml *:最終濃度 プロトプラスト化反応後、電気パルス用溶液1)を用いて
2回の洗浄を行った。洗浄後、同溶液を用いてプロトプ
ラスト菌体懸濁液をつくり、2種類の菌体を等量ずつ混
合し細胞融合の試料とした。1) 電気パルス用溶液:0.3Mスクロース溶液 (3)融合操作 調整した細胞融合用試料0.2mlを融合チャンバー(島
津製作所製FTC−01)に注入し、そのまま1分間静
置し、以下に示す条件で融合操作を行った。融合操作を
行った後、2分間放置し細胞融合処理菌体を回収した。 (4)細胞融合装置 株式会社島津製作所製:SSH−1 融合チャンバー :FTC−01 (5)反応条件 以下の条件で融合を行った。 FREQ 1.0MHz VAC(PRI) 40V INITIAL TIME 120s VAC(SEC) 40V REPEAT INTERVAL 1s n 5 VDC DEC RATE 100% FINAL TIME 1s VAC DEC RATE 100% TEMP AMB パルス幅 30〜300μ
sec. パルス回数 5回 電界強度 1.0〜14.
0kV/cm (6)再生 選択培地2)に寒天0.8%(W/V)加えたものに融合反応
後のプロトプラスト混合液0.1mlを混釈し、30℃の
培養器で再生を行わせ、融合株のコロニー形成を行わせ
た。選択固体培地において出現したコロニーを7%Na
Clを添加したRogosa培地に釣菌し、30℃で培
養を行い増殖を行わせる。菌体が増殖した培地0.1ml
を同培地10mlに接種して30℃で培養を行い、これを
前培養とする。また、同様の操作を行い両親株も前培養
を行った。前培養液0.1mlを7%NaClを含むRo
gosa培地10mlと15%NaClを含むRogos
a培地10mlにそれぞれ接種して30℃で培養を行っ
た。これらの菌株の中から15%NaClを含むRog
osa培地において親株より増殖の速いものを選抜し
た。2) 選択培地:Rogosa培地に10%(W/V)NaCl
とテトラサイクリン20μg/ml(最終濃度)、それに
0.3Mスクロースを加えたもの。
【0012】実施例2 選択固体培地において出現したコロニーを7%NaCl
を添加したRogosa培地に釣菌し、30℃で培養を
行い増殖を行わせた。続いて、菌体が増殖した培地0.
1mlを同培地10mlに接種して30℃で培養を行い、こ
れを前培養とした。また、同様の操作を行い両親株も前
培養を行った。前培養液0.1mlを7%NaClを含む
Rogosa培地10mlと15%NaClを含むRog
osa培地10mlにそれぞれ接種して30℃で培養を行
った。培養を開始してから3時間毎にO.D.660nm
値を測定しこれを増殖速度とした(図1、図2)。
【0013】実施例3 13%、15%、18%NaClを添加したRogos
a培地に親株であるペディオコッカス・ハロフィルスN
O.8株とF−6株、A−9株のそれぞれ前培養した菌
体を等量接種し30℃で1週間培養を行った。培養終了
の培養液中の乳酸生成量を比較して高塩濃度における乳
酸の生成に関して比較を行った(図3)。
【0014】実施例4 キュウリを洗浄し、幅約1.5cmの輪切りにした。それ
を食塩を用い塩もみを行い10分間放置の後十分に水洗
いし、水切りを行った。水切り後のキュウリを200pp
m の次亜塩素酸溶液に3分間浸漬し、十分に水洗水切り
を行いキュウリ90gに対し最終濃度で塩分15%(W/
V)の食塩水100mlを加えた。これに親株ならびに融合
株をそれぞれ1%(V/V)濃度となるように接種し、30
℃の培養器で培養を行った。対照として菌を接種しない
最終濃度で塩分15%(W/V)のものを同様に処理を行っ
た。結果は、漬物の状態と漬液の菌体による白濁により
比較した(表6、表7参照)。 表6 漬け液 におい 15%NaCl菌無接種 白濁無し キュウリ特有の青いにおい L.plantarum 白濁無し キュウリ特有の青いにおい P.halophilus 薄く白濁 弱いキュウリのにおい 融合株(F−6) 白濁 漬物臭
【0015】実施例5 ラクトバチルス・プランタラムNO.14株、ペディオ
コッカス・ハロフィルスNO.8株、融合株であるF−
6株およびA−9株の菌体をRogosa培地並びに7
%NaCl添加Rogosa培地にて培養を行った。培
養菌体を集菌、洗浄を行い希釈をし、1×108 cells/
mlに調整した。この調整菌体をスターターとした。次
に、楽京を皮むきし、根を切り取って水洗いした。水切
りした楽京60gとNaClを添加した蒸留水60mlを
合わせ最終食塩濃度15%(W/V)となるように調整を行
った。そこに調整を行った菌体を最終濃度1×106 ce
lls/mlとなるように接種し30℃で発酵させることによ
り試験を開始とした。対照試験区として菌体未接種のも
のを用意し同様の処理を行った。発酵期間は4週間、試
験項目は各々の試験区について乳酸、pH、乳酸菌数、
一般細菌数の四項目について測定を行った(図4〜7参
照)。
【0016】
【発明の効果】本発明融合微生物は、通常の微生物では
生育し難い高塩濃度下において旺盛な生育を示す特性を
有している。この本発明融合微生物を、通常の微生物で
は生育が難しい高塩濃度下において発酵用原料の発酵時
にスターターとして使用することにより、高塩濃度下に
おける旺盛な乳酸発酵が可能となる。従って、高塩濃度
下での発酵であるため、加熱あるいは殺菌剤などによる
原料中の微生物の殺菌の必要がない、全く新しい乳酸発
酵食品を得ることができる。本発明はまた、味噌、醤
油、アンチョビー等の塩分濃度の高い発酵食品に応用す
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明細胞融合株および親株の7%NaCl添
加Rogosa培地における生育性を示す説明図。
【図2】本発明細胞融合株および親株の15%NaCl
添加Rogosa培地における生育性を示す説明図。
【図3】本発明細胞融合株および親株の高塩濃度培地中
における乳酸の生成量を示す説明図。
【図4】本発明細胞融合株および親株の楽京発酵試験に
おける発酵液のpHの経時変化を示す説明図。
【図5】本発明細胞融合株および親株の楽京発酵試験に
おける発酵液中の乳酸量の経時変化を示す説明図。
【図6】本発明細胞融合株および親株の楽京発酵試験に
おける発酵液中の各乳酸菌数の経時変化を示す説明図。
【図7】本発明細胞融合株および親株の楽京発酵試験に
おける発酵液中の一般細菌数の経時変化を示す説明図。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/03 //(C12N 15/03 C12R 1:25 7804−4B 1:10) (72)発明者 森 田 昭 博 埼玉県春日部市大字赤沼字堂面410 株式 会社桃屋研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラクトバチルス属に属する菌株とペディオ
    コッカス・ハロフィルスに属する菌株とを融合させるこ
    とにより形成され、高塩濃度の環境中において融合前の
    両菌株よりも旺盛な生育を示す、融合微生物。
  2. 【請求項2】高塩濃度が、少なくとも塩化ナトリウムを
    約10%〜20%(W/V) 含むものである、請求項1記載
    の融合微生物。
  3. 【請求項3】ラクトバチルス属に属する菌株がラクトバ
    チルス・プランタラムである、請求項1または2記載の
    融合微生物。
  4. 【請求項4】融合微生物がF−6株である、請求項3記
    載の融合微生物。
  5. 【請求項5】融合微生物がA−9株である、請求項3記
    載の融合微生物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5に記載の融合微生物の少なく
    とも1種を発酵原料の発酵時にスターターとして接種
    し、他の微生物が旺盛に生育できずかつその融合微生物
    にとっては増殖に適した高塩濃度下で、発酵物中の他の
    微生物の繁殖を抑制しながら発酵を行うことを特徴とす
    る、乳酸発酵食品の製造法。
  7. 【請求項7】高塩濃度が、少なくとも塩化ナトリウムを
    約10%〜20%(W/V) 含むものである請求項6記載の
    製造法。
  8. 【請求項8】請求項6または7に記載の製造法によって
    得られる乳酸発酵食品。
JP24038091A 1991-08-27 1991-08-27 新規微生物、ならびにそれを用いて製造する乳酸発酵食品およびその製造法 Pending JPH0549471A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007077054A (ja) * 2005-09-13 2007-03-29 Momoya Co Ltd ラクトバチルス・プランタラムの菌体を有効成分とする体脂肪率低減剤
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CN111996143A (zh) * 2020-08-27 2020-11-27 松刚(福建)生物工程有限公司 一株耐高温植物乳杆菌及其制备方法
US12503018B2 (en) 2022-10-27 2025-12-23 Hyundai Transys Inc. Vehicle foldable seat

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