JPH0549754B2 - - Google Patents

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JPH0549754B2
JPH0549754B2 JP1321778A JP32177889A JPH0549754B2 JP H0549754 B2 JPH0549754 B2 JP H0549754B2 JP 1321778 A JP1321778 A JP 1321778A JP 32177889 A JP32177889 A JP 32177889A JP H0549754 B2 JPH0549754 B2 JP H0549754B2
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titanium nitride
film
nitride film
alkoxide
titanium
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Yoshimi Tanaka
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高硬度で耐蝕性に優れ、かつ金色を
有する窒化チタン系膜を鉄系金属基体上に安全か
つ簡便に形成する方法に関する。
本発明は、工具などの表面硬化処理、各種部品
の装飾、耐蝕性を必要とする化学品用容器の表面
処理等に利用される。
〔従来の技術〕
従来の窒化チタン系膜の形成方法として、イオ
ンプレーテイング、スパツタリング等のPVD法
及びCVD法等が知られている。
一方、金属アルコキシド溶液やその加水分解物
を塗布後、乾燥、加熱してガラス、セラミツクス
の基体上に被膜を形成させる方法(いわゆるゾル
ゲル法)においては、酸化物被膜を形成させるも
のは多く知られている。一方このゾルゲル法によ
る窒化チタン膜の形成方法として、石英ガラスを
基体上にゾルゲル法で酸化チタン膜を生成し、こ
れをアンモニア中で加熱する方法が知られている
(「溶融塩」、第31巻第2号、158頁)。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記PVD法等による窒化チタン膜形成方法で
は、大面積への膜形成が困難であり、また特殊で
高価な装置を必要とするという問題がある。
一方後者のゾルゲル法によるものにおいては、
大面積への膜形成も可能であるが、反応活性の大
きなアンモニア中で加熱することにより始めて窒
化膜が形成するので、毒性、腐食性、燃焼性等が
あり取扱い上の不便さがあつた。
本発明は、前記問題点を解消するものであり、
チタニウムアルコキシド溶液等を用いて窒素雰囲
気等の中で加熱することにより、鉄系金属基体上
に窒化チタン膜を直接、安全かつ簡便に形成でき
ることを種々の実験の結果、発見して本発明は完
成されたものである。即ち、窒素雰囲気下で鉄系
金属基体に直接、窒化チタン膜を形成すること
は、従来全く考えられなかつたものである。以上
より、本発明は、アンモニア雰囲気を用いずに鉄
系金属基体上に密着性の良い美感に優れた窒化チ
タン膜を安全かつ簡便に形成する方法を提供する
ことを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の窒化チタン膜形成方法は、チタニウム
アルコキシドの溶液等を、0.04〜4.2重量%(以
下、単に%という)の炭素を含む鉄系金属基体の
表面に塗布し、その後大気下において乾燥して、
上記チタニウムアルコキシドを加水分解させ、次
いで窒素等の不活性雰囲気中で850〜1100℃に加
熱することによつて窒化チタン系膜を形成させる
ことを特徴とする。
前記アルコキシドとしては、エトキシド、プロ
ポキシド又はブトキシド、ペントキシド、ヘキソ
キシド、更にはこれらの混合物が用いられる。こ
のアルコキシドを構成する炭化水素基の炭素数が
7以上となると、相対的にチタンの濃度が減少
し、窒化チタン膜の厚さが薄くなるとともに、加
水分解がされにくくなり、更に加水分解されたア
ルコールが乾燥工程において揮散除去されにくく
なる。通常、炭化水素系、アルコール系又はアミ
ン系等の溶媒に溶解させてアルコキシド溶液とし
て用いられる。その濃度は特に限定されないが、
適切な塗膜厚さ、塗布の容易性等により種々選択
される。また、前記加水分解液は、通常金属アル
コキシドをアルコール系、アミン系などの水溶性
溶媒に溶解し、水及び微量な塩酸を添加し調製す
るが、この加水分解は部分的になされたもので
も、完全になされたものでもよい。なお、これら
のアルコキシド溶液又はその加水分解物にはこれ
らを安定化させる物質(例えばキレート剤等)や
粘性を調節する物質等を添加することもできる。
鉄系金属基体としては、普通鋼、工具鋼、鋳鉄
及びステンレス鋼等一般の鉄系金属を使用でき
る。この基体は0.04〜4.2%の炭素を含む。これ
が0.04%未満では、窒化チタン膜が十分に生成せ
ず、また4.2%を越えると基体の結晶が大きくな
り表面が粗くなるので好ましくない。
アルコキシド溶液等の基体への塗布方法は、特
に限定されないが、スピンコート、スプレー、浸
漬法等を用いることができるが、このうち浸漬法
が最も均一で欠点のない窒化チタン系膜を形成す
ることができるので好ましい。
また、乾燥は、溶媒を蒸発させ、更に空気中の
水分によつて金属アルコキシドの加水分解を進め
るために行われる。但し、上記加水分解液におい
てアルコキシドが100%加水分解されている場合
には、この乾燥工程にてアルコキシドの加水分解
は行われない。尚、溶媒の除去が不十分の場合
は、加熱後炭素成分が残るので好ましくない。乾
燥方法は、特に限定されないが、通常の電気乾燥
器等を用いて容易に行うことができる。
加熱雰囲気は窒素を主体とする雰囲気である。
この雰囲気とは、実質上窒素のみからなる雰囲気
でもよいし、約50容積%以上の窒素とアルゴン、
ヘリウム等の不活性ガスとからなる、窒素を主体
とする混合ガス雰囲気でもよい。
加熱温度は、850℃〜1100℃である。この温度
範囲において、十分に反応して窒化チタン膜が形
成され、850℃未満ではその反応が十分でなく、
1100℃に達するまでにほとんど反応が終了してし
まい、1100℃を越えてもその意義が少なく、また
この基体の素材自体が転移してしまう場合もあ
り、かつ不経済だからである。
加熱に用いる装置は、通常、炉内への空気の流
入を遮断し、窒素ガスを流入させて加熱すること
ができる装置を用いるが、加熱前に炉内空気を窒
素で置換できる装置が望ましく、通常の雰囲気加
熱炉、例えば金属熱処理用の雰囲気炉が用いられ
る。所定範囲内における加熱温度と加熱時間は、
鉄系金属の種類、塗膜の厚さ等によつて種々選択
される。
〔作 用〕
本形成方法は、アルコキシド溶液等を用いて所
定の鉄系金属基体表面に乾燥塗膜を形成し、窒素
を主体とする不活性雰囲気中で所定温度に加熱し
て、アルコキシドと窒素を反応させて窒化チタン
膜を形成させるものである。この窒素は、不活性
のため、850℃〜1100℃ではチタニウムアルコキ
シドと反応して窒化物を生成することは通常で
は、とても考えられず、実施してみてもそうであ
る。しかし本方法では、種々実験を重ねた所、所
定の鉄系金属基体を用いた場合、窒化チタン膜が
選択的に形成されることを発見したものである。
この作用の理由は未だ明瞭ではないが、以下の
実施例で示すように、(1)ガラス、セラミツク、銅
等の金属基体を用いた場合良好な皮膜ができなか
つたこと、(2)炭素含有量0.48%の鋼が極めて良好
な被膜を作ること等から考えると、鉄表面の結晶
形若しくは表面形態、鉄若しくは炭化鉄の材料自
体等が反応促進の触媒作用を示すことが考えられ
る。
いずれにしても本方法は、窒素源として高活性
なアンモニアを使用せず不活性な窒素を用いて
も、反応させることができるものである。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を具体的に説明する。
本実施例で使用した鉄系金属基体は約2×5
cm、厚さ0.3〜1cmの板状であり、その表面は、
エメリー紙、ラツピング等によつて研磨しその後
0.05μmのアルミナ砥粒を用いてバフ研磨した。
また、加熱には、金属熱処理用雰囲気電気炉(炉
内寸法8φ×65cm)を使用した。窒化チタン系膜
形成の確認は、X線回折法で行なつた。
実施例 1 チタニウムイソプロポキシド1モルをシクロヘ
キサン1に溶解して溶液を調製した。この溶液
を浸漬法によつて普通鋼(炭素含有量0.48%)に
塗布した。その後電熱乾燥器を用いて120℃、30
分で乾燥を行い溶媒を完全に除去し、次いで前記
電気炉を用いて窒化を行なつた。まず、炉内の空
気を真空ポンプ(ロータリーポンプ)で0.2Torr
以下に排気し、その後窒素ガスを流入させて空気
を窒素と置換した。その後1/分の流量で窒素
を流しながら常圧で、約400℃/時間の昇温速度
で960℃に加熱し、1時間保持した。
放冷後、被膜付普通鋼を炉内から取り出しその
表面を観察した所、強く密着した金色の金属光沢
を有する膜が形成されており、針金等の金属片で
素材に傷がつくまで力を加えても膜が剥がれなか
つた。被膜面のX線回折を行つた結果、第1図に
示すように、基材の普通鋼(主成分−α−Fe、
黒丸印)のみならず窒化チタン(白丸印)に基ず
く回折線も認められ、窒化チタン膜の形成が確認
された。
実施例 2 加熱温度を880℃、加熱時間を5時間とするこ
と以外は実施例1と同様にして実験した所、実施
例1と同様の結果が得られた。
実施例 3 炭素含有量0.25%の普通鋼を用いること以外は
実施例1と同様に実施した所、金色の金属光沢は
やや薄かつたが、ほぼ良好な金属光沢を示し、そ
の他は実施例1と同様の結果が得られた。
実施例 4 炭素含有量1.0%の工具鋼を用い、窒化のため
の加熱温度を1070℃とした以外は、実施例1と同
様に実施した所、実施例1と同様の結果が得られ
た。
実施例 5 炭素含有量4.24%のダクタイル用銑鉄用いたこ
と以外は、実施例4と同様に実施した。その結
果、金属光沢は薄く(実施例3よりもやや薄い)、
表面はやや粗かつたが、X線回折では、窒化チタ
ンの回折線が認められた。
実施例 6 SUS304のステンレス鋼を用いること以外は実
施例4と同様に実施した所、少々白つぽい金色の
膜が得られた。この膜のX線回折の結果によれ
ば、窒化チタンとともに炭化チタンに一致する回
折線も認められた。
実施例 7 チタニウムイソプロポキシドを2モルとし、加
熱温度を1070℃とし、更に塗布し、乾燥、加熱を
同一条件で2サイクル繰り返したこと以外は、実
施例1と同様に実施した。尚、この塗膜の断面の
走査型電子顕微鏡観察によると、塗膜の厚さは1
〜1.5μmと厚かつた。
このように塗布回数を増やして塗膜を厚くして
も、色むら、ひび、剥離などの欠点を生じること
もなく、かつより一層金色の濃い塗膜が得られ
た。この塗膜の密着性も良好であり、針金等の金
属片で素材に傷が付くまで力を加えても膜が剥が
れなかつた。
実施例 8 チタニウムイソプロポキシドをジエタノールア
ミンとイソプロピルアルコールの等容量混合液に
溶解し、濃度0.5モル/の溶液を用いたこと、
乾燥は150℃、30分で行なつたこと以外は実施例
1と同様に実施した所、実施例1と同様の結果が
得られた。
実施例 9 チタニウムイソプロポキシド0.1モルを0.4モル
のエチルアルコールに溶解し、この溶液に微量の
塩酸、0.1モルの水及び0.4モルのエチルアルコー
ルからなる溶液を加えて加水分解して調製した部
分加水分解物を用いること以外は、実施例1と同
様に実施した。この結果、金属光沢は実施例1の
場合よりもやや薄かつたが、X線回折では、窒化
チタンの回折線が認められた。
実施例 10 炭素含有量0.040%の冷間圧延鋼板を用いるこ
と以外は実施例1と同様に実施した所、金属光沢
は、やや薄かつたが、その他は実施例1と同様の
結果が得られた。
実施例 11 シクロヘキサン1に対しチタニウムイソプロ
ポキシドを1.3モルの割合で溶解した溶液と、シ
クロヘキサン1に対しジルコニウムノルマルプ
ロポキシドとイツトリウムイソプロポキシドがそ
れぞれ0.96モル、0.08モルの割合になるように溶
解した溶液とを各々を調製した。
これらの溶液の等量混合物(混合溶液)を調製
し、これをデイツプコーテイング液とし、加熱温
度を1070℃とした以外は、実施例1と同様に実施
した所、青みがかつた金色の膜が得られた。尚、
X線回折をした所、窒化チタンに一致する回折
線、低級の酸化チタンと考えられる回折線及び正
方晶ジルコニアに一致する回折線が認められ、ジ
ルコニアを含む窒化チタン系膜の形成が確認され
た。
比較例 1 炭素含有量0.005%のほうろう用鋼板を用いる
こと以外は実施例1と同様に実施したが、実質的
な窒化チタン膜の生成は認められなかつた。
比較例 2 基体として石英ガラス等のガラス、アルミナ等
のセラミツクスを用いて、実施例1と同じ雰囲気
下で850℃〜1100℃の温度で加熱をしても実質的
な窒化チタン膜の生成は認められなかつた。また
金属基体としてニツケル、モリブデンを用いて
1100℃まで加熱しても、更に銅を用いて1050℃ま
で加熱しても、同様に窒化チタン膜の生成は認め
られなかつた。
実施例の効果 以上より炭素含有量が0.04〜4.2%の種々の鋼
を用いて880℃〜1070℃の温度で加熱すると、い
ずれも良好な窒化チタン系膜(窒化チタン膜も含
む)が形成された。特に炭素含有量が0.48%の普
通鋼(実施例1、2)、同1.0%の工具鋼(実施例
4)においては良好な結果を示した。そのうち特
に前者は880℃という低温でも不活性の窒素と十
分に反応して良好な被膜を形成した。また3度塗
布して被膜を厚くした場合(実施例7)は濃色を
示すので前記のやや薄い色をした場合(実施例
3、9)でもこの手法により十分な着色、被膜を
得ることもできる。
塩酸を用いた部分加水分解物を用いると(実施
例9)、透明な溶液を調製し易いので、透明塗膜
が作製し易く取扱いが便利であり、重合物のため
被膜を作り易い。
更に、窒化チタンに金属酸化物を共存させた複
合セラミツク膜(実施例11)においては、安定か
つ強度に優れた膜が形成され、また単なる窒化チ
タン膜の場合(実施例1等)に比して、より破壊
靭性に優れ、更に異なつた色彩(実施例6も同
様)を発現することもできた。
尚、本発明においては、前記具体的実施例に示
すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の
範囲内で種々変更した実施例とすることができ
る。
〔発明の効果〕
窒化チタン膜は高硬度で耐蝕性に優れかつ金色
で美感に優れた膜のため、本方法によればこのよ
うな有用な膜を鉄系金属基体上に形成することが
でき、そのため高硬度、耐蝕性及び美感に優れた
被覆製品を製造できる。また、金属基体は鉄系で
あり、安価かつ一般的なもののため、極めて利用
範囲が広く、経済的でかつ大変有用である。また
本方法では所定の金属基体等を用いるので、低温
加熱で実施でき、また密着性に優れかつ仕上がり
面の美しい被膜を形成できる。また、本方法によ
れば、アンモニア雰囲気と異なり、窒素雰囲気等
の中で窒化チタン膜を形姓できるので、毒性、腐
食性、燃焼性の心配がなく、極めて安全かつ安価
に実施できる。また、本方法ではゾルゲル法を用
いるので、PVD法等のような特殊で高価な装置
を必要としない。従つて取扱いが簡便で、製造コ
ストも安くでき、大型若しくは複雑な基体を用い
ても均一かつ確実に被膜を形成できる。
以上より、膜形成条件を種々選択することによ
り、目的、用途に応じた被膜を形成でき、その利
用範囲は極めて広い。
【図面の簡単な説明】
図は実施例1において被膜面のX線回折結果を
示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 チタニウムアルコキシド(但し、該アルコキ
    シドを構成する炭化水素基の炭素数は1〜6であ
    る。)の溶液()又はチタニウムアルコキシド
    (但し、該アルコキシドを構成する炭化水素基の
    炭素数は1〜6である。)の加水分解物を含む加
    水分解液()を、0.04〜4.2重量%の炭素を含
    む鉄系金属基体の表面に塗布し、その後大気下に
    おいて乾燥して、上記チタニウムアルコキシドの
    少なくとも一部を加水分解させ、次いで窒素を主
    体とする不活性雰囲気中で850〜1100℃に加熱す
    ることを特徴とする窒化チタン膜の形成方法。
JP32177889A 1989-12-11 1989-12-11 窒化チタン膜の形成方法 Granted JPH03183783A (ja)

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