JPH0551209A - フオトクロミツク性を有する酸化チタン系化合物およびその製造法 - Google Patents

フオトクロミツク性を有する酸化チタン系化合物およびその製造法

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JPH0551209A
JPH0551209A JP33665291A JP33665291A JPH0551209A JP H0551209 A JPH0551209 A JP H0551209A JP 33665291 A JP33665291 A JP 33665291A JP 33665291 A JP33665291 A JP 33665291A JP H0551209 A JPH0551209 A JP H0551209A
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JP
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titanium oxide
metal
titanium
sodium
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JP33665291A
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Inventor
Kazuo Yamamoto
和夫 山本
Hiroyuki Fujita
宥之 藤田
Takayoshi Ukigawa
卓義 浮川
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 有機チタン化合物にケイ素、亜鉛、アルミニ
ウム、セリウム、コバルト、ニオブ及びジルコニウムの
少なくとも一種よりなる金属化合物を混合し、ナトリウ
ム化合物の存在下500℃〜750℃で焼成する。 【効果】 フォトクロミック特性に優れた酸化チタン系
化合物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フォトクロミック性と
いう演色効果を有する塗料、印刷、樹脂着色、化粧料、
光メモリーなどの分野に適した酸化チタン系化合物およ
びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、サングラスに代表されるように、
光の強度により可逆的に色が変化するフォトクロミズム
という特異な機能の利用が行われている。フォトクロミ
ズムを発現する化学物質としては、すでにハロゲン化銀
類、スピロピラン系有機化合物が知られている。酸化チ
タンについては鉄、クロム、マンガンなどの金属類の存
在下でフォトクロミズムを示すことが知られており、例
えば特開昭63−132811号公報や国際公開特許W
O−89/12084号公報に開示されている。
【0003】しかしながら上記特許に開示されているよ
うに、酸化チタンにフォトクロミック性を付与する金属
粉自体あるいはその硫酸塩、塩化物、硝酸塩、酢酸塩な
どの金属塩や酸化物、水酸化物を単に混合し焼成しただ
けでは、その発現するフォトクロミズムの程度は弱いも
のであり、実際この程度の色度の変化では、各種用途に
おいて他の構成成分と混合使用した場合には、その効果
が希釈されるため色調変化が認められ難く、実用面から
の利用価値は低いものであった。反面、黒化度を高める
と退色性が悪くなり、実質的な色調変化が認められ難
く、実用面での利用に難点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる事情を鑑み、本
発明者らは実用レベルに供し得るフォトクロミック性を
有する酸化チタンを得るべく鋭意検討した結果、酸化チ
タンに特定量のフォトクロミック性を付与する金属或い
はその金属化合物に特定量の酸化ナトリウムを存在させ
る場合には上記特性を満足する酸化チタン系化合物が得
られることを見出し本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明はチタ
ン化合物を酸化チタン換算で85.0〜99.7重量
%、ナトリウム化合物を酸化ナトリウム換算で0.1〜
7.0重量%及びケイ素、亜鉛、アルミニウム、セリウ
ム、コバルト、ニオブ及びジルコニウムの少なくとも一
種より成る金属化合物を金属酸化物換算で0.2〜8.
0重量%含有してなるフォトクロミック性を有する酸化
チタン系化合物を提供するにある。
【0006】また、本発明は有機チタン化合物にケイ
素、亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、ニオブ
及びジルコニウムの少なくとも一種より成る金属あるい
は金属化合物を混合し、ナトリウム化合物の存在下で焼
成することを特徴とするフォトクロミック性を有する酸
化チタン系化合物の製造法を提供するにある。
【0007】さらに本発明は、チタニアゾルにケイ素、
亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、ニオブ及び
ジルコニウムの少なくとも一種より成る金属あるいは金
属化合物を混合し、ナトリウム化合物の存在下で焼成す
ることを特徴とするフォトクロミック性を有する酸化チ
タン系化合物の製造法を提供するものである。
【0008】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明の酸化チタン系化合物はチタン化合物を酸化チタン換
算で85.0〜99.7重量%、ナトリウム化合物を酸
化ナトリウム換算で0.1〜7.0重量%及びケイ素、
亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、ニオブ及び
ジルコニウムの少なくとも一種より成る金属化合物を金
属酸化物換算で0.2〜8.0重量%含有してなる。酸
化チタン系化合物中にケイ素、亜鉛等の上記金属化合物
が金属酸化物換算で0.2重量%未満の場合にはフォト
クロミック性の発現が乏しく、他方8.0重量%を越え
ても存在量に見合うフォトクロミック性の発現効果はな
く、添加金属自体の色による着色が大きくなり、フォト
クロミズムによる変色度合が相対的に小さくなる。また
酸化ナトリウムの存在量が0.1重量%未満の場合には
フォトクロミック性の発現が乏しく、他方存在量が7.
0重量%を越える場合には得られる酸化チタン系化合物
がアルカリ性を呈するので使用に制限を受けるようにな
る。
【0009】本発明において、上記組成を有する酸化チ
タン系化合物は特にその形状を限定されるものではな
く、各用途において粒子状、板状または薄片状などの形
状に製造し、使用される。例えば、粒子状のものは塗
料、印刷、樹脂着色などの分野に、一方、板状あるいは
薄片状のものは、酸素や水の透過を遮断する機能を生か
した防錆塗料分野、光の反射や干渉機能を生かした真珠
光沢顔料による塗料、樹脂着色および印刷分野、さらに
は薄片の付着性、展延性という機能を生かした化粧料分
野などに適している。
【0010】またフォトクロミック性という演色効果
は、黒化度が高くかつ退色性が良い場合は塗料、印刷、
樹脂着色、化粧料などの分野に適しており、一方、黒化
度が高くかつ退色性が悪い場合はセンサー、光メモリー
などの分野に適している。それゆえ、各用途において最
良のフォトクロミック性及び形状を選択し適用すればよ
い。以下に本発明の酸化チタン系化合物の製造方法を詳
述するが、粒子状物は上記組成の混合物を乾燥(静置乾
燥、ドラム乾燥、スプレードライ等をも含む)、焼成、
必要に応じて、粉砕等による公知の製法が容易に考慮し
得るので、ここでは板状、或いは薄片状の酸化チタン系
化合物の製造例を挙げる。
【0011】本発明方法の実施に際し、使用する有機チ
タン化合物は一般式 TiO2-x (OX)l (OR)m (OH)n (但し、OXはアシルオキシ基、ORはアルコキシ基を
表し、x=l+m+nであり、xおよびmは>0〜<2
の正数、lおよびnは0〜<2の零を含む正数である)
で表され、就中、TiO2 1モルに対しOXを約0.3
〜0.6モル、ORを約0.05〜0.15モル有する
有機チタン化合物であり、特開昭60−176906号
公報による公知の方法で製造したものが使用できる。
【0012】例えば、チタンのアルコキシド類、特に部
分アシルオキシ化されたチタンアルコキシド類を単独あ
るいは有機溶剤に希釈後、支持基材上に所望の厚みに塗
布し液体の薄膜を形成し、次いで該液体中より溶剤を蒸
発させた後、更に水蒸気と接触させることにより部分加
水分解を行い有機チタン化合物の薄片を形成し、この薄
片を適当な掻き取り操作により掻き取ることができる。
【0013】薄片形成に用いられるチタンのアルコキシ
ド類としては炭素数1〜17のアルコールとのアルコキ
シド類、特に工業的にはテトラ−i−プロポキシチタ
ン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エ
チルヘキソキシ)チタン、テトラステアロキシチタンな
どが市販されており、中でもテトラ−i−プロポキシチ
タンは経済性から好ましい。またこれらのアルコキシド
類は予め加水分解を行い、トリマー、テトラマー、オリ
ゴマーなどの状態で使用することができる。
【0014】部分アシルオキシ基の存在は、形成された
薄膜の支持基材からの剥離性、得られる薄片の形状の制
御性更には薄片の平滑性に効果を与える。
【0015】液膜形成のため使用する有機溶剤は、上記
チタンのアルコキシド類あるいは部分アシルオキシ化さ
れたチタンアルコキシド類を溶解するものであればよい
が、液膜形成における作業性および蒸発除去の点より7
0〜150℃程度の沸点範囲の溶剤が好ましい。このよ
うな有機溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、ヘ
プタン、シクロヘキサンなどの炭化水素類やエタノー
ル、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類を単
独あるいは混合して使用できる。工業的にはアルコキシ
ドと同一のアルコールを使用すれば、回収した溶剤の分
離精製が不要で有利である。
【0016】膜を形成させる支持基材は平板でもよい
が、工業的規模での連続生産を行うにはドラムフレーカ
ーやベルト状に加工したエンドレス板が使用される。基
材の材質はガラス、クロム、ニッケルなどの金属類、ア
ルミナ、タングステンカーバイドなどのセラミックス、
不飽和ポリエステル、テフロンなどの樹脂などが使用で
きる。これらの材質の選定に当たっては、形成した薄膜
の剥離性と剥離手段、使用原料の物性より一義的ではな
いが、一般的には金属ドラム、耐薬品性や耐摩耗性を重
要視するならばアルミナ溶射ドラムが好ましい。
【0017】基材上に形成された液膜は、加熱処理によ
り液膜より溶剤を蒸発除去する。液膜からの溶剤の蒸発
除去は、支持基材を内部から加熱する方法、液膜表面に
温風を吹き付ける方法あるいはこれらの併用の何れでも
よいが、過大な加熱は溶剤の沸騰を招き薄片形成を阻害
するので、加熱は液膜を構成する溶剤組成の沸点以下、
温風を使用する場合には吹き付け風量により液膜表面が
平滑性を損わない量で実施することが均一な厚みの薄片
を得る上で好ましい。
【0018】溶剤を加熱除去した支持基材上の液膜は、
次いでスチームなどの加湿空気により強制的に加水分解
し支持基材上で固体膜を形成させる。形成された固体膜
は加水分解の進行に伴い、体積収縮を生じ薄膜にヒビ割
れを生じ薄片化する。支持基材上に形成された薄片状物
質の基材からの剥離方法としては、通常スクレパーなど
で機械的に掻き取る方法が採用されるが、空気や水の吹
き付けによる剥離や超音波振動などでの剥離、更には基
材が柔軟性のあるときは基材を屈曲させて剥離する方法
などが挙げられる。
【0019】また本発明方法の実施に際し、酸化チタン
原料としてチタニアゾルを使用することもできる。該チ
タニアゾルとしては通常薄膜の製造に使用される公知の
ものであればよく特に制限されるものではないが、液膜
形成時の作業性あるいは形成した液膜の乾燥における経
済的揮散分散媒量の点より、一般的には固体濃度5〜4
0重量%、好ましくは10〜30重量%の水系ゾルが使
用される。チタニアゾルを用いての薄片の製造方法は上
述したチタンのアルコキシド類を原料とした薄片の製造
方法に準じて得ることができる。
【0020】本発明に用いるフォトクロミック性を付与
する金属あるいは金属化合物としては、ケイ素、亜鉛、
アルミニウム、セリウム、コバルト、ニオブ及びジルコ
ニウムの少なくとも一種より成る金属あるいは金属化合
物であり、より具体的にはケイ素、亜鉛、アルミニウ
ム、セリウム、コバルト、ニオブ及びジルコニウムの金
属粉、これらの金属の酸化物、水酸化物あるいは無定形
物、あるいはこれら少なくとも一種の金属より成る硫酸
塩、塩化物、硝酸塩、酢酸塩などの金属塩水溶液などあ
るいは金属化合物ゾルが挙げられるが、チタン化合物と
の均一な混合が容易であることより金属塩水溶液あるい
は金属化合物ゾルの適用が推奨される。
【0021】就中、亜鉛、アルミニウムは重金属でない
ことから用途に制限を受けないので、金属水溶液として
は硝酸亜鉛、硝酸アルミニウムのような金属塩水溶液の
適用が推奨される。又、金属化合物としては、水系市販
ゾルを用いシリカゾルではイ.アイ.デュポン(E.
I.duPont)製の商品名ルドックスHS−40,
アルミナゾルでは触媒化成工業株式会社製の商品名カタ
ロイド−A等がある。これらはこの商品に限定する物で
なく水に均一に分散するものであればよい。これら金属
或いは金属化合物は従来公知の鉄、クロム、マンガン、
銅等に比較し退色性に優れるため色調変化が大きく実用
的価値が極めて高い。
【0022】チタン化合物(薄片状)に対するこれら金
属あるいは金属化合物の配合量は、金属酸化物換算で約
0.2〜8重量%の範囲である。チタン化合物と金属あ
るいは金属化合物との混合は、乾式、湿式の何れでも制
限されないが、これら混合物は続く焼成過程でナトリウ
ム化合物の存在下で焼成するので、先ずチタン化合物を
水に分散し、これに水溶性金属塩あるいは金属化合物ゾ
ルを溶解あるいは分散し、次いで水酸化ナトリウムや炭
酸ナトリウム等のナトリウム化合物を添加してチタン化
合物上に該水溶性金属塩あるいは金属化合物ゾルを金属
水酸化物として析出させこれをスラリーのまま乾燥、焼
成する方法が推奨される。
【0023】焼成に際し存在させるナトリウム化合物
は、焼成後の酸化チタン化合物中に酸化ナトリウムとし
て約0.1重量%〜約7.0重量%になればよく、特に
ナトリウム化合物の種類、形状、固体、液体等の性状に
制限されないが、例えば、ナトリウム化合物として水酸
化ナトリウムを適用する場合には、フォトクロミック性
を付与する目的でチタン化合物と混合した金属あるいは
金属化合物に対して金属換算で1〜20モル比の範囲で
使用される。この場合、水酸化ナトリウムは固体、液体
の何れの形態で存在させてもよい。
【0024】上記方法等により調製されたチタン化合
物、フォトクロミック性を付与せしめる金属化合物およ
びナトリウム化合物よりなる混合物は次いで約500〜
約750℃、好ましくは約550〜約700℃の温度で
約1時間以上焼成される。焼成後の粒子状、板状あるい
は薄片状のチタン化合物は、そのままあるいは必要に応
じ中和処理や粉砕、篩別し所望形状に調整して各種用途
に向けられる。本発明で得られる薄片の形状は特に制限
されないが、通常厚さ約4μm以下、好ましくは約0.
1μm〜約3μm、大きさ約3〜200μmで、アスペ
クト比(大きさ/厚さ)約5〜約50程度のものが一般
に製造される。
【0025】このようにして得られた酸化チタン系化合
物は、実質的に酸化チタンであり一部チタン酸ナトリウ
ムよりなるチタン化合物を酸化チタンに換算して約8
5.0〜99.7重量%、実質的に酸化ナトリウムとチ
タン酸ナトリウムよりなるナトリウム化合物を酸化ナト
リウムに換算して約0.1〜7.0重量%及びケイ素、
亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、ニオブ及び
ジルコニウムの少なくとも一種より成る金属化合物を金
属酸化物換算で約0.2〜8.0重量%含有してなるフ
ォトクロミック性を有する酸化チタン系化合物である。
【0026】本発明により得られた酸化チタン系化合物
が何故フォトクロミック性に優れているのかその理由は
詳らかでないが、一般にフォトクロミズムの発現機構
は、先ず酸化チタン結晶中に格子欠陥の存在することが
必須であり、この格子欠陥と結晶中にドープされた金属
イオンとの間で紫外線〜低波長可視光線の照射による酸
化/還元反応がフォトクロミズムを生起するとされてい
る。従来法で原料として用いられている結晶化した酸化
チタンは、格子欠陥が元々少ない上に格子欠陥の近傍に
金属イオンが存在しにくいのに対し、本発明方法である
チタン化合物に金属あるいは金属化合物を混合し、これ
をナトリウム化合物の存在下で焼成する場合には、より
多くの格子欠陥が形成されまた該欠陥部の近傍に多くの
金属イオンが存在し得るため、優れたフォトクロミック
性が発現されるものと推測される。
【0027】本発明により得られた酸化チタン系化合物
は、他の物質と混合あるいは希釈されて用いられても、
フォトクロミズムによる変色度合を明確に識別できる8
以上の色差△Eを有しており、極めて利用価値の高いも
のである。
【0028】
【発明の効果】以上詳述したように本発明方法により、
粒子状、板状あるいは薄片状のフォトクロミック性を有
した酸化チタン系化合物を得ることができる。一実施形
態である本発明で得られた薄片状酸化チタンは、従来の
薄片状酸化チタンの持つ白色度および隠蔽性、形状によ
る薄片の層状配列や付着性という機能は勿論のこと、フ
ァンデーションのような化粧料に適用した場合には、従
来の化粧料が呈した室内で仕上げた化粧が明るい太陽光
線下では白さが浮き上がり過ぎるという欠点を、その優
れたフォトクロミック性により、室内で合わせた化粧肌
の色が太陽光線下において素早く反応変色して、戸外に
おいても化粧肌の色の白さが目立たず、自然で美しく見
えるメークアップ化粧料の提供を可能とするものであ
る。また、看板、ディスプレーなどに使用すると、照明
に応じて白さが代わり周囲との調和の取れた白さを演出
できるなど、各種化粧料や塗料、樹脂充填材などに適用
可能であり、その工業的価値は頗る大なるものである。
【0029】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0030】なお、本発明におけるフォトクロミズムの
評価方法は、フォトクロミズムを有する粒子状、板状あ
るいは薄片状の酸化チタン化合物0.3gをニトロセル
ロースラッカー(ニトロセルロース濃度17%)2.7
g中に均一に分散させた塗料を作製し、この塗料を紙の
上に75μmの厚さで均一に塗布した後、乾燥し暗所に
12時間以上保管しフォトクロミズムが発現していない
状態にしておき、次いでこの塗布膜に2mW/cm2
強度で紫外線を1時間照射し、紫外線照射前後の色を測
色器で測定し、色差(CIELAB表色系による色差△
E)を求めた。
【0031】本発明で得られた酸化チタン系化合物中の
金属酸化物および酸化ナトリウムの定量分析は、日立製
作所製原子吸光度測定装置Z−8000により測定し
た。
【0032】実施例1 500lのSUS 槽にトルエン80kg、イソプロピルアル
コール50kg、テトライソプロポキシド50kgを仕込み
攪拌しながら1.6kgの水を徐々に滴下し、テトライソ
プロポキシドをダイマーにまで縮合し、ついで酢酸6.
3kgを仕込み部分アセチル化を行い、薄片化原液を作製
した。この原液を90℃に加温、維持した回転している
直径1m,幅1mのクロム鍍金ドラムにゴムロールを介
して展着、液膜を形成したのち、溶剤を蒸発除去し、次
いでスチームを接触させることにより部分加水分解を生
ぜしめた。(液膜は固体に状態変化し加水分解が進行す
るにつれてヒビ割れ、薄片が形成された。)
【0033】次いでドラム上の薄片は掻き取り、このあ
とドラム表面に再び薄片化原液を展着して、連続的に薄
片を生産した。(薄片の大きさ、厚みは目標に応じて液
の展着量、加水分解の程度により制御される。)得られ
た薄片状の有機チタン化合物は組成分析の結果、チタン
1モルに対してアセチルオキシ基が約0.4モル、イソ
プロポキシ基が約0.1モル、加水分解を受けずに残っ
ており、700℃での焼成残より推定すると酸化チタン
としては57%の組成であった。
【0034】このようにして得られた薄片状の有機チタ
ン化合物250kgを水525kgおよびシリカゾル(ルド
ックス HS−40)2.5kgと1m3 混合槽に投入し
攪拌混合した後、これに15%苛性ソーダ水溶液38kg
を攪拌しながら滴下し、次いでこのスラリーをそのまま
ドラムドライヤーで乾燥し、さらに670℃の電気炉で
1時間焼成した。得られた薄片は過剰のアルカリが残存
しているので再度水に分散して中和処理を行った後乾燥
し平均厚さ0.6μm、平均の大きさ6μmの薄片状酸
化チタンを得た。このものの色差を測定したところ、△
E13.1であった。またSiO2 およびNa2 O含有
量は各々0.7重量%、1.3重量%であった。
【0035】実施例2〜5 シリカゾルの添加量(単位g)を表1に示す如く変動さ
せ、また薄片状有機チタン化合物のフォトクロミック性
付与工程を100gのスケール(実施例3〜5において
15%苛性ソーダ水溶液使用量は15.2g)で行った
他は実施例1と同様の方法で薄片状酸化チタンを得、こ
のものの△E、SiO2 およびNa2 O含有量を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】実施例6〜8 苛性ソーダの添加量を表2に示す如く変動させ、また薄
片状有機チタン化合物のフォトクロミック性付与工程を
100gのスケールで行った他は実施例1と同様の方法
で薄片状酸化チタンを得、このものの△E、SiO2
よびNa2 O含有量を測定した。その結果を表2に示
す。
【0038】
【表2】
【0039】実施例9〜14 表3に示す如く焼成温度を変え、また薄片状有機チタン
化合物のフォトクロミック性付与工程を100gのスケ
ールで行った他は実施例1と同様の方法で薄片状酸化チ
タンを得、このものの△Eを測定した。その結果を表3
に示す。
【0040】
【表3】
【0041】実施例15〜19 薄片に対する金属或いは金属化合物の配合量は酸化チタ
ンに対して0.7重量%で金属の種類を表4に示す如く
(実施例においてケイ素はルドックス HS−40、ア
ルミニウムは硝酸アルミニウム9水塩(和光純薬製)、
亜鉛は硝酸亜鉛6水塩(和光純薬製)、鉄は硫酸第二鉄
9水塩(和光純薬製)、銅は硝酸銅3水塩を用いた)変
え、また薄片状有機チタン化合物のフォトクロミック性
付与工程を100gのスケールで行った他は実施例1と
同様の方法で薄片状酸化チタンを得、このものの△Eを
測定した。その結果を表4に示す。
【0042】
【表4】 *退色率;紫外線を1時間照射し、紫外線照射前後の
色差に対し暗所で10分後の回復割合を示す。尚、A,
Bは参考例を示す。
【0043】実施例20〜25 市販の酸化チタン及び結晶化させた薄片状酸化チタン
(実施例1で得られた薄片状有機チタン化合物を660
℃、1時間焼成したもの)に表5に示す鉄化合物を混合
し焼成してフォトクロミズムを付与させた後、このもの
の△Eを測定した。その結果を表5に示す。
【0044】
【表5】 *表中の酸化チタンの欄においてR−830は石原産
業社製、A−1はバイエル社製、P−25はデグッサ社
製であり、薄片状は薄片状酸化チタンを意味する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C09K 9/00 D 8930−4H

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン化合物を酸化チタン換算で8
    5.0〜99.7重量%、ナトリウム化合物を酸化ナト
    リウム換算で0.1〜7.0重量%及びケイ素、亜鉛、
    アルミニウム、セリウム、コバルト、ニオブ及びジルコ
    ニウムの少なくとも一種より成る金属化合物を金属酸化
    物換算で0.2〜8.0重量%含有してなるフォトクロ
    ミック性を有する酸化チタン系化合物。
  2. 【請求項2】 チタニアゾルにケイ素、亜鉛、アルミ
    ニウム、セリウム、コバルト、ニオブ及びジルコニウム
    の少なくとも一種より成る金属あるいは金属化合物を混
    合し、ナトリウム化合物の存在下で焼成することを特徴
    とするフォトクロミック性を有する酸化チタン系化合物
    の製造法。
  3. 【請求項3】 有機チタン化合物にケイ素、亜鉛、ア
    ルミニウム、セリウム、コバルト、ニオブ及びジルコニ
    ウムの少なくとも一種より成る金属あるいは金属化合物
    を混合し、ナトリウム化合物の存在下で焼成することを
    特徴とするフォトクロミック性を有する酸化チタン系化
    合物の製造法。
  4. 【請求項4】 有機チタン化合物が、アシルオキシ基
    を有するチタンアルコキシドから製造されたことを特徴
    とする請求項3記載のフォトクロミック性を有する酸化
    チタン系化合物の製造法。
  5. 【請求項5】 ケイ素、亜鉛、アルミニウム、セリウ
    ム、コバルト、ニオブ及びジルコニウムの少なくとも一
    種より成る金属あるいは金属化合物が、水溶性金属塩ま
    たは金属化合物ゾルであることを特徴とする請求項2お
    よび請求項3記載のフォトクロミック性を有する酸化チ
    タン系化合物の製造法。
  6. 【請求項6】 焼成温度が500〜750℃であるこ
    とを特徴とする請求項2および3記載のフォトクロミッ
    ク性を有する酸化チタン系化合物の製造法。
  7. 【請求項7】 ナトリウム化合物が水酸化ナトリウム
    であることを特徴とする請求項2および請求項3記載の
    フォトクロミック性を有する酸化チタン系化合物の製造
    法。
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