JPH0552837B2 - - Google Patents

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JPH0552837B2
JPH0552837B2 JP61177190A JP17719086A JPH0552837B2 JP H0552837 B2 JPH0552837 B2 JP H0552837B2 JP 61177190 A JP61177190 A JP 61177190A JP 17719086 A JP17719086 A JP 17719086A JP H0552837 B2 JPH0552837 B2 JP H0552837B2
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acid
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phosphatidylinositol
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Koichi Iwanami
Sachiko Murakami
Kenichi Fujita
Satoru Tokuyama
Osamu Nakachi
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Nippon Oil and Fats Co Ltd
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    • Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55—Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は天然に存在する1,2−ジアシル−3
−ホスフアチジルイノシトール(以下、PIと略
す)に任意のアシル基を組み換えたPI類の製造
方法に関するものである。 〔従来の技術〕 PIは天然界に広く存在し、生物の生体内にお
いて生体膜などの主要な構成成分となつているリ
ン脂質の一つである。その機能は今までにも研究
されており、その一列として抗脂肪肝因子つまり
コレステロール代謝作用や末梢血管保護作用等が
挙げられ、さらにはその分子内にもつイノシトー
ルはビタミンB群の一つとして数えられ、成長や
発毛に関与する因子であることが知られている。
また最近ではPIは他のリン脂質と体内での代謝
が異なることが注目されており、さらにガン細胞
に特異的に作用することが報告されている。これ
はガン細胞においてPIが速いスピードで代謝さ
れ、その時に生成する脂肪酸、とりわけリノール
酸、リノレン酸、アラキドン酸等の高度不飽和酸
に抗ガン作用があると言われている。この抗ガン
作用は公的に認知されておらず、そのメカニズム
についても仮説の域を出ていない。 そこでP1の抗ガン効果を確認するために、任
意のアシル基で組み換えたPIが必要であり、脂
肪酸鎖長、不飽和度、グリセリン骨格への結合位
置等が明らかにされたP1が望まれている。また
PIのアシル基を任意のものに組み換えると、ア
シル基に機能性をもたせることができ、PIの利
用範囲が広がる。 PIは天然界に広く存在するが、その濃縮精製
は大変困難であり、試薬として市販されているも
のは非常に高価なものでありながら純度が50%程
度と低い。まして、アシル基として任意のものが
結合した製品は市販されていない。 従来の合成リン脂質の研究はほとんどが1,2
−ジアシル−3−ホスフアチジルコリン(以下、
PCと略す)類および血小板活性化因子(PAF)
類に関するものである。PCの製造方法としては
従来から全合成法および半合成法が知られている
〔Bearら、JACS61(4)、761(1939)、J.Biol.Chem.
230、447(1958)、JACS72、942(1950)〕が、全
合成法は工程数が多く、工業化することは困難で
あつた。半合成法は3−グリセリルホスホリルコ
リンとアシル化剤とからPCを合成するものであ
る。アシル化剤としては、脂肪酸クロライド
〔Can.J.Biochem.Physiol.37、953(1959)〕、脂
肪酸イミダゾール塩〔特開昭51−91213、
Hermetterら、Chem.Phys.Lipids28、111
(1981)〕、および脂肪酸無水物〔Regenら、
JICS104、791(1982)〕が一般的に用いられてい
る。 一方、従来のPの製造方法としては全合成法が
行われており、半合成法は行われていない
〔Chem.Phys.Lipids25、247(1979)、Zh.Obs.
Khim.47、2130(1977)、Tetrahedron Letter(8)、
587(1970)、Zh.Obs.Khim.41、1386(1971)〕。PI
の全合成法のキーテクノロジーは、myo−イノシ
トールの1位以外の5つの水酸基を適当な保護基
で保護した後、1,2−ジアシル−3−ホスフア
チジン酸誘導耐に導入する方法である。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、このようなPIの全合成法にお
いては、myo−イノシトールの1位の水酸基のみ
をいかにして選択的に3−グリセリルホスホリル
基に結合させるかが問題である。これまでの報告
では何度も水酸基の保護と生成物の分離を繰り返
し行うことにより目的物を得ている。しかし、こ
の方法では工程数が多く、工業化は困難である。 PCの場合は上述のように半合成法により天然
PCを原料とし、アシル基を任意に組み換えて新
規PCを得ているが、PIにおいPCと同様の工程で
新規PIの製造を試みた場合、目的とするPIを得
ることはできない。というのは、天然PIを脱ア
シル化して得られる3−グリセリルホスホリルイ
ノシトールを再アル化する場合、分子内にグリセ
リン骨格の他にイノシトール骨格にも水酸基を有
するために、そのイノシトール骨格にまでアシル
化が及ぶからである。このためPCの半合成法を
応用して任意のアシル基に組み換えたPIを合成
することは困難であつた。 本発明は以上のような問題点を解決するための
ものであり、天然から得られるPIを原料として、
そのアシル基を任意のアシル基に組み換えて新規
なPI類を製造することが可能なホスフアチジル
イノシトール類の製造方法を提案することを目的
としている。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、 (a) 天然原料の1,2−ジアシル−3−ホスフア
チジルイノシトール分子内のイノシトール部分
の水酸基を保護基で保護する工程、 (b) 上記(a)工程で水酸基を保護した1,2−ジア
シル−3−ホスフアチジルイノシトールを脱ア
シル化する工程、 (c) 上記(b)工程で脱アシル化した水酸基保護3−
ギルセリルホスホリルイノシトールに任意のア
シル基を導入する工程、および (d) 上記(c)工程で得られた任意のアシル基を導入
した水酸基保護1,2−ジアシル−3−ホスフ
アチジルイノシトールから保護基を脱離させる
工程 を含むホスフアチジルイノシトール類の製造方法
である。 本発明において原料として用いる天然原料の
PIは、一般式 (式中、R1,R2はアシル基を示す。) で表わされるものが一般的であるが、イノシトー
ル部分が異性体となつたもの、および塩の形にな
つたものも含まれる。 原料として用いる天然から得られるPIは動物
由来、植物由来、微生物由来の種類を問わず、い
ずれのものも使用することができる。特に豊富に
含まれているものとしては、動物の脳および臓
器、大豆レシチン、酵母等が挙げられる。また原
料中のPI濃度は特に制限はなく、それほど高い
ものを使用する必要がない。というのはPI分子
内のイノシトール部分の水酸基を保護した後、脱
アシル化を行つた反応物はクロロホルム等の有機
溶媒への溶解度およびその他の物性に違いが出て
くるため、溶剤分別やシリカゲルカラム、活性ア
ルミナカラム等を用いることにより他の混在する
リン脂質等を分離することができるためである。 以下、本発明を各工程ごとに説明する。 (a) PI分子内のイノシトール部分の水酸基を保
護基で保護する工程 本発明ではまず原料となるPI分子内のイノ
シトール部分の水酸基を保護基で完全にまたは
部分的に保護する。 イノシトール部分の水酸基の保護は後の工程
を考慮して、耐アルカリ性を有する保護基によ
るのが好ましく、特に還元または酸触媒等の反
応により脱離できる保護基によるのがより好ま
しい。水酸基の保護はPIのイノシトール部分
の水酸基5個のうち、すべてを完全に保護して
もよいが、保護基の脱離のし易さおよび保護基
剤のコストを考え、部分的に保護することもで
きる。部分保護の場合は、導入される保護基の
数が少な過ぎると、イノシトール部分にまでア
シル化が及んでしまうため、最低必要な保護基
数は2個であり、それ未満の場合には目的とす
るPIを製造することはできない。 アシル基に不飽和脂肪酸を導入する場合、還
元により脱離する保護基で保護すると、不飽和
酸の二重結合に影響を及ぼすため、酸触媒等に
より脱離する保護基を用いることが望ましい。
しかし、還元により脱離する保護基を使用する
場合、二重結合部分を臭素等で保護する工程を
付し、保護基を脱離させた後に臭素を外すこと
により、目的とするPIを製造することが可能
となる。 保護基としては、例えば水酸基と結合してベ
ンジルエーテル、テトラヒドロピラニールエー
テル、テトラヒドロチオピラニールエーテル、
テトラヒドロフラニールエーテル、4−メトキ
シテトラヒドロピラニールエーテル、1−エト
キシエチルエーテル、トリアリールメチルエー
テル、トリアルキルシリルエーテル等のエーテ
ル類;メチレンアセタール、イソプロピリデン
アセタール、ベンジリデンアセテール、シクロ
ヘキシリデンアセタール等のアセタール類;イ
ソブチル炭酸エステル、アリール炭酸エステ
ル、2,2,2−トリクロロエチル炭酸エステ
ル等の炭酸エステル類を形成するものを挙げる
ことができる。 水酸基を保護する反応は、糖および環状アル
コールの反応に一般に採用されている反応を採
用することができる。例えば、ベンジル化の場
合は、溶媒としてジメチルスルホキサイド、
N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等のよく脱水したものを使
用し、水素化ナトリウムや金属ナトリウム等を
用いてアルカリ金属のアルコラートを形成さ
せ、続いてハロゲン化ベンジルを加えることに
より、ベンジルエーテルを形成し、水酸基をベ
ンジル基で保護するとができる。またテトラヒ
ドロピラニール化の場合は、溶媒としてジクロ
ロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼ
ン等のPIをよく溶解または分散するものを使
用し、触媒として酢酸、p−トルエンスルホン
酸、メタンスルホン酸、H+型イオン交換樹脂
等の酸を使用し、3,4−ジヒドロ−α−ピラ
ンと撹拌下に反応させることにより、テトラヒ
ドロピラニールエーテルを形成し、水酸基を保
護することができる。他の反応も上記に準じて
行うことができる。反応温度は保護基の種類に
より−20〜100℃の範囲で使用するが、基質の
安定性から−20〜40℃が最も好ましい。反応時
間は15分〜数日間の範囲で適宜選択することが
できる。反応後適量の水で洗浄し、溶媒を除い
た後、得られた生成物をそのまま、または薄層
クロマトグラフイーあるいはカラムクロマトグ
ラフイーにより精製して次の工程に移ることが
できる。 (b) 水酸基を保護したPIを脱アシル化する工程 (a)工程で水酸基を保護したPIを、この工程
で脱アシル化して3−グリセリルホスホリルイ
ノシトールを生成させる。水酸基を保護した
PIの脱アシル化はテトラブチルアンモニウム
ヒドロキサイド等の四級アルキルアンモニウム
水酸化物あるいはアルカリ金属などを使用して
アルコーリシスすることにより行うことができ
るが、低濃度のアルカリ等で穏やかに加水分解
してもよい。脱アシル化反応に使用する溶媒と
してはクロロホルム、ジクロロメタン、四塩化
炭素、エーテル等があるが、必要に応じてメタ
ノール、エタノール等の親水性溶媒との混合溶
媒を使用することもできる。反応温度は0〜
100℃の範囲が好ましいが、基質の安定性から
0〜40℃が特に好ましい。反応時間は15分〜数
日間の範囲で適当な時間を選択すればよい。反
応後適量の水で数度洗浄し、溶媒を除いた後、
得られた生成物をそのまま、または薄層クロマ
トグラフイーあるいはカラムクロマトグラフイ
ーにより精製して、次の工程に移ることができ
る。 (c) 脱アシル化した水酸化保護の3−グリセリル
ホスホリルイノシトールに任意のアシル基を導
入する工程 この工程では、(b)工程において生成した3−
グリセリルホスホリルイノシトールに任意のア
シル基を導入して、水産基保護PIを生成させ
る。導入するアシル基としては、天然もしくは
合成の直鎖状、分岐状または環状の炭素数1〜
30の飽和または不飽和カルボン酸のアシル基が
あり、任意のものを導入することができる。上
記カルボン酸としては、例えば酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸、カプロン酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パリミチン酸、ステアリン酸、アラキ
ン酸、ベヘン酸等の直鎖飽和カルボン酸;パル
ミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、
エルシン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコ
サペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、アラキ
ドン酸、10,12−オクタデカジエン酸、2,4
−オクタデカジエン酸、10,12−ヘプタデカジ
イン酸、2,4−ナイデカジイン酸等の直鎖不
飽和カルボン酸;イソ酪酸、イソ吉草酸、メチ
ルステアリン酸、プリスタン酸等の分岐状カル
ボン酸;フラン酸、マルバリン酸、ヒドノカル
ピン酸、シヨールムーグリン酸、グルリン酸、
安息香酸、p−メチルフエニルプロピオン酸、
p−ビニルフエニルヘキサン酸等の環状カルボ
ン酸などを挙げることができる。これらのカル
ボン酸を目的に応じ、単独であるいは自由に組
み合わせて用いることができる。 アシル基を導入する反応方法は、例えば上記
カルボン酸を酸無水物、酸ハロゲン化物、脂肪
酸イノシトール化物等の活性アシル化状態にし
たものをアシル化剤とし、水酸基を保護した3
−グリセリルスルホスホリルイノシトールのグ
リセリル部分の水酸基と反応させる。アシル化
剤の添加量は半後基質に対し1〜20当量、好ま
しくは1〜5当量とするのが良い。 反応に使用する触媒は塩基性触媒が用いら
れ、好ましくはPIの異性化を生じさせない穏
やかなものがよい。アシル化剤に酸無水物、酸
ハロゲン化物を使用する場合、触媒としては、
ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリ
ジン、N,N−ジメチル−4−アミノ−2−メ
チルピリジン、4−ピロリジノピロリジン等の
ピリジン誘導体、およびトリエチルアミン、ト
リブチルアミン等の三級アミン類等が使用でき
るが、酸無水物の場合にはN,N−ジメチル−
4−アミノピリジンまたは4−ピロリジノピリ
ジン、酸ハロゲン化物の場合にはピリジンが好
ましい。脂肪酸イミダゾール化物を使用する場
合はイミダゾールナトリウム、トリアゾールナ
トリウム、ベンツイミダゾールナトリウムなど
の含窒素五員複素環状化合物誘導体のアルカリ
塩が使用できるが、なかでもイミダゾールナト
リウムが好ましい。触媒の添加量は原料に対し
0.01〜20当量程度、好ましくは0.1〜2当量が
良い。 溶媒としてはクロロホルム、ジクロロメタ
ン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、ベン
ゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ヘキサ
ン、ヘプタン等の炭化水素;酢酸エチル、酢酸
プロピル等のエステル;ジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン等のエーテル類などを用いる
ことができ、これらの溶媒は乾燥していること
が好ましい。 アシル化反応は0〜80℃程度、好ましくは10
〜50℃の範囲で行うことができ、通常15分〜数
日間、好ましくは30分〜3日間で終了し、目的
とする任意のアシル基で組み換えた水酸基保護
のPIを得ることができる。また、反応系は必
ずしもではないが、特にアシル基に高度不飽和
脂肪酸を用いる場合は、窒素、アルゴン等の不
活性ガス気流下で行うことが好ましい。反応後
よく水洗し、溶媒を除いた後、そのまま、また
は薄層クロマトグラフイーあるいはカラムクロ
マトグラフイーにより精製して次の工程に移る
ことができる。 (d) 任意のアシル基に組み換えた水酸換保護PI
から保護基を脱離させる工程 イノシトール部分の水酸基を保護し、かつ任
意のアシル基に組み換えたPIから保護基を脱
離させ、目的とするPIを得る。この保護基の
脱離は、還元もしくは酸を用いて、アシル基が
脱離しない条件下で行う。還元により脱離する
保護基を使用した場合、反応は水素による接触
還元が一般的であるが、もつと穏やかなギ酸、
ギ酸アンモニウム、シクロヘキサジエン等を水
素供給源とした還元反応を用いることもでき
る。 溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホル
ム等のハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフ
ラン、ジエチルエーテル等のエーテル類;ベン
ゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類を使用す
ることができ、触媒にはパラジウム、酸化パラ
ジウム、パラジウム−カーボン等を用いること
ができる。触媒添加量は、イノシトール部分を
保護する保護基1モルにつき10〜100gのパラ
ジウム量が好ましい。 反応は水酸基を保護し、任意の脂肪酸に組み
換えたPIを適当な溶媒に溶解し、触媒を添加
後、接触還元の場合には水素を吹き込み撹拌す
ればよく、ギ酸、ギ酸アンモニウム、シクロヘ
キサジエン等の助触媒を用いる場合は、この助
触媒を基質中の保護基1モルについて1〜20当
量添加し、不活性ガス気流下で撹拌することに
より得ることができる。この反応は温度−20〜
80℃で行い、好ましくは0〜40℃が良い。10分
〜4時間で反応は終了し、後処理として、固形
物をろ過により除き、ろ液を水でよく洗浄し、
乾燥後溶媒を除き、さらに薄層クロマトグラフ
イーまたはカラムクロマトグラフイーにより精
製し、目的とする任意のアシル基に組み換えた
PIを得ることができる。 保護基に酸触媒により脱離するものを用いた
場合には、溶媒はクロロホルム、ジクロロメタ
ン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメチル
スルホキサイド等の基質をよく溶解または分散
するものであればよい。酸触媒には、塩酸、硫
酸、硝酸、ホウ酸等の無機酸、および酢酸、p
−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の
有機酸、ならびにH+型イオン交換樹脂を用い
ることができる。酸触媒の添加量は、分子内の
保護基1モルに対し、上記の酸0.1〜5当量使
用すればよく、好ましくは0.5〜2当量が良い。
5分〜数日間の適当な時間を反応時間とするこ
とができ、反応温度は−20〜100℃の間で行う
ことができるが、基質の安定性を考慮すると0
〜40℃で15分〜4時間の反応が好ましい。半後
後水でよく洗浄し、乾燥後溶媒を除き、さらに
薄層クロマトグラフイーまたはカラムクロマト
グラフイーにより精製し、目的とする任意のア
シル基に組み換えたPIを得ることができる。 このようにして目的物である任意のアシル基
に組み換えた新菊なPIを得ることができるが、
全反応工程を通しての収率は50%以上という良
好な結果が得られる。 こうして得られるPIは天然のPIの構造をそ
のまま保持し、アシル基のみが組み換えられた
構造であるため、組み換えられたアシル基に応
じた目的に使用される。例えばアシル基の鎖
長、不飽和度、結合位置の明らかにする目的の
場合には、それらが明らからPIとして薬理効
果の確認等に用いられる。またアシル基に機能
性を持たせる目的の場合、例えばアシル基が生
理活性を有する高度不飽和脂肪酸の場合には、
生活活性物質として用いられ、アシル基が重合
性基である場合には、重合用の単量体として用
いられる。さらにこれらのPIは目的に応じて
塩として用いられる。 上記の製造工程によつて得られるPIは、各工
程における精製の際効率よくPIが脳隙されるの
で、PIの純度が高くなる。例えば(a)工程におい
て保護基が結合したPI、(b)工程において脱アシ
ル化したPI、(c)工程で特定のアシル基を導入し
たPIなどは他のリン脂質と異なる物性を有する
ため、精製により効率よく分離され、高純度に濃
縮される。 〔発明の効果〕 本発明によれば、前記(a)〜(d)工程によりPIを
製造するため、次のような効果が得られる。 (1) 天然に存在するPIの構造をそのまま保持し
て、アシル基のみを組み換えることができる。 (2) 全合成をする場合に比べて工程の数が少な
く、工業的製造方法として用いることができ
る。 (3) 製造工程中において精製する際、PIが有効
に濃縮されるため、原料中のPIの純度を高め
る必要がない。 〔実施例〕 以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明す
る。 実施例 1 (a) イノシトール部分の水酸基を保護する工程 大豆レシチンから濃縮された粗PI50mgをよ
く乾燥したベンゼン5mlとジメチルスルホキサ
イド5mlの混合溶媒に溶解後、窒素ガス気流下
であらかじめ調製しておいた水素化ナトリウム
−ジメチルスルホキサイドのカルバニオン溶液
(水素化ナトリウム250mgをn−ヘキサンで2回
洗浄後、ジメチルスルホキサイド15mlを加え窒
素気流下65〜70℃で1時間撹拌して得られた暗
緑色の溶液)1.25mlを撹拌しながら滴下くる。
2時間撹拌後、氷冷下に塩化ベンジル0.4mlを
加えさらに4時間撹拌した。反応終了後ヘンゼ
ン10mlで抽出し、20mlの水で3回洗浄後、減圧
濃縮したものを分取用薄層クロマトグラフイー
(展開溶媒ヘキサン:エーテル=1:1)にか
け、Rf値0.27〜0.34のバンドからクロロホル
ム:メタノール=1:1で抽出、濃縮した。こ
の操作により、イノシトール部分の水酸基を部
分的に保護したPI64.7mgを得た。 IR:3360、3040、2925、1740、1500cm-1 NMR(CDCl3、ppm):0.89(m)、1.29(m)、4.66
(m)、7.20(s) (b) 水酸基を保護したPIを脱アシル化する工程 上記(a)の反応物を5mlのクロロホルムに溶解
し、10%水酸化カリウム−メタノール溶液100
mgを加え室温で2時間撹拌した。反応終了後20
mlの水で3回洗浄後、減圧濃縮し、分取用薄層
クロマトグラフイー(展開溶媒クロロホルム:
メタノール:水=65:25:4)にかけ、Rf値
0.62〜0.70のバンドからクロロホルク:メタノ
ール=1:1で抽出後濃縮することにより、イ
ノシトール部分の水酸基を部分的に保護した3
−グリセリルホスホリルイノシトール37.2mgを
得た。 IR:3400、3040、2920、1500cm-1 NMR(CDCl3、ppm):4.64(m)、7.20(s) MS:807〔GPI+5Bzl+Na〕+(TEA+NaCl)
717〔GPI+4Bzl+Na〕+ GPI:3−グリセリルホスホリルイノシトール TEA:トリエチルアミン Bzl:ベンジル基 (c) イノシトール部分の水酸基を保護した3−グ
リセリルホスホリルイノシトールに任意のアシ
ル基を導入する工程 上記(b)の反応物を減圧下に五酸化リンを入れ
たデシケータ中で乾燥後、パルミチン酸無水25
mg、ジメチルアミノピリジン4mgおよびジクロ
ロメタン5gの中で室温下48時間反応させた。
反後後減圧濃縮し、分取溶薄層クロマトグラフ
イー(展開溶媒ヘキサン:エーテル=1:1)
にかけ、Rf値0.27〜0.33のバンドからクロロホ
ルム:メタノール=1:1の溶媒で抽出する。
この抽出液を減圧下で濃縮することにより、
1,2−ジパルミトイル−3−ホスフアチジル
イノシトールの水酸基保護物53.6mgを得た。 IR:3420(weak)、3040、2930、1730、1500cm
-1 NMR(CDCl3、ppm):0.86(t)、1.30(m)、4.64
(s)、7.19(s) MS:1259〔DPPI+5Bzl〕+(Negative、matrix
TEA)1169〔DPPI+4Bzl〕+ DPPI:1,2−ジパルミトイル−3−ホスフ
アチジルイノシトール (d) 保護基を脱離させる工程 上記(c)の反応物に5gのベンゼン、120mgの
10%パラジウム−チヤコールを加え、水素気流
下で40℃に加熱しながら30分間撹拌した。反応
後パラジウム−チヤコールを濾別し、減圧濃縮
した。この濃縮物を分取用薄層クロマトグラフ
イー(展開溶媒クロロホルム:メタノール:水
=65:25:4)にかけ、Rf値0.09〜0.13のバン
ドからクロロホルム:メタノール=1:1で抽
出後、減圧濃縮をかけることにより、1,2−
ジパルミトイル−3−ホスフアチジルイノシト
ール30.3mgを得た。 IR:3360、2950、1730cm-1 NMR(CD3OD、ppm):0.87(t)、1.27(m) 元素分析 C41H79O13P 計算値(%) C:60.07、H:9.82 実測値(%) C:59.89、H:9.51 MS:833〔DPPI+Na+〕(matrix TEA+
NaCl)855〔DPPI+2Na++H〕+ 実施例 2 (a) イノシトール部分の水酸基を保護する工程酵
母から抽出された粗PI300mgをクロロホルム30
gに溶解し、3,4−ジヒドロ−α−ピラン
0.5g、p−トルエンスルホン酸6mgを加え室
温下3時間撹拌後、5%炭酸水素ナトリウム水
溶液50mlで2回洗浄した。無水硫酸ナトリウム
で乾燥後濾過し、減圧濃縮した。この反応物を
シリカゲルカラムクロマトグラフイー(φ2×
10cm)で、溶媒としてクロロホルム:メタノー
ル=9:1を用いて、水酸基を部分的に保護し
たPI371mgを得た。 IR:3410、2930、1742、1028cm-1 NMR(CDCl3、ppm):0.90(m)、1.27(m)、1.56(m) TLC:Rf値0.84(展開溶媒CHCl3:MeOH:
H2O=65:25:4) (b) 脱アシル化工程 上記(a)の工程で得られた反応物を30gのクロ
ロホルムに溶解後、0.33M水酸化カリウム−メ
タノール溶液10mlを加え室温で15分間撹拌し
た。反応終了後、水9mlを加え洗浄し、クロロ
ホルム層の減圧濃縮物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフイー(φ2×10cm)を用い、溶倍に
クロロホルム:メタノール:水=65:25:4を
用い、イノシトール部分の水酸基をテトラヒド
ロピラニール基で部分保護した3−グリセリル
ホスホリルイノシトールを分離し、濃縮して
204mgの反応物を得た。 IR:3400、2920、1021cm-1 MS:609〔GPI+3THP+Na〕+、693〔GPI+
4THP+Na〕+777〔GPI+5THP+Na〕+
(matrix:TEA+NaCl) TLC:Rf値0.17(展開溶媒CHCl3:MeOH:
H2O=65:25:4) THP:テトラヒドロピラニール基 (c) 任意のアシル基を導入する工程 上記(b)の工程で得られた反応物90mgをクロロ
ホルム15gに溶解し、ピリジン40mg、0.073M
塩化パルミトイル−クロロホルム溶液3.0mlを
加え4時間撹拌後、水洗し、減圧濃縮をした。
この濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
イー(φ2×10cm)で溶媒にクロロホルム:メ
タノール=9:1を用いてイノシトール部分を
テトラヒドロピラニール基で部分保護した1,
2−ジパルミトイル−3−ホスフアチジルイノ
シトール124mgを得た。 IR:3410、2920、1715、1460cm-1 NMR(CD3OD、ppm):0.87(t)、1.26(m)、1.55
(m) MS:1061〔DPPI+3THP〕+、1145〔DPPI+
4THP〕+1229〔DPPI+5THP〕+(Negative、
matrix:TEA) TLC:Rf値0.67(展開溶媒CHCl3:MeOH:
H2O=65:25:4) (d) 保護基を脱離させる工程 上記(c)の工程で得られた反応物をクロロホル
ム:メタノール=2:1 10mlに溶解し、氷冷
下で0.5N塩酸200μを滴下し、4時間撹拌し
た。反応終了後30mlの水で2回洗浄し、減圧濃
縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフイー
(φ2×15cm)で溶媒にクロロホルム:メタノー
ル=75:25を用いて精製することにより、1,
2−ジパルミトイル−3−ホスフアチジルイノ
シトール81mgを得た。 IR:3390、2940、1740、1460cm-1 NMR(CDCl3、ppm):0.87(t)、1.25(m) MS:833〔DPPI+Na〕+855〔DPPI+2Na−H〕+
(matrix:TEA+NaCl) 元素分析 C41H79O13P 計算値(%) C:60.07、H:9.82 実測値(%) C:59.66、H:9.79 実施例 3 実施例2の(b)の工程で得られたイノシトール部
分の水酸基を部分的に保護した3−グリセリルホ
スホリルイノシトール90mgをジクロロメタン15g
に溶解し、リノール酸無水物104mg、ジメチルア
ミノピリジン18mgを加え10℃で96時間反応させ
た。反応終了後、反応液をイオン交換樹脂アンバ
ーライト200C(ロームアンドハース社製)のカラ
ムに通し、ジメチルアミノピリジンを除去した。
流出液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムで溶媒に
クロロホルム:メタノール=9:1を用いてイノ
シトール部分を保護した1,2−ジリノレイル−
3−ホスフアチジルイノシトール131mgを得た。 IR:3410、2920、1730、1455cm-1 NMR(CDCl3、ppm):0.87(t)、1.25(m)、1.55(m) MS:1109〔DLPI+3THP〕+、1193〔DLPI+
4THP〕1277〔DLPI+5THP〕+(Negative、
matrix:TEA) このアシル化反応物を実施例2の(d)の工程と同
様に反応し、精製することにより、1,2−ジリ
ノレイル−3−ホスフアチジルイノシトール82.2
mgを得た。 IR:3390、2950、1730、1460cm-1 NMR(CDCl3、ppm):0.87(t)、1.26(m) MS:881〔DLPI+Na〕+903〔DLPI+2Na−H〕+ 元素分析 C45H79O13P 計算値(%) C:62.92、H:9.27 実測値(%) C:62.67、H:9.09 DLPI:1,2−ジリノレイル−3−ホスフアチ
ジルイノシトール 実施例 4 (a) イノシトール部分の水酸基を保護する工程 牛脳から抽出された粗PI500mgをクロロホル
ム30gに溶解し、エチルビニルエーテル2.0ml、
p−トルエンスルホン酸6mgを加え室温下2時
間撹拌後、5%単産水素ナトリウム水溶液50ml
で2回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後
ろ過し、減圧下で濃縮した。この反応物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフイー(φ2×10cm)
で、溶媒としてクロロホルム:メタノール=
9:1を用いて、水酸基を部分的に保護した
PI597mgを得た。 IR:3400、2930、1740、1025cm-1 NMR(CDCl3、ppm):0.90(m)、1.25(m) TLC:Rf値0.81(展開溶媒CHCl3:MeOH:
H2O=65:25:4) (b) 脱アシル化工程 上記(a)の工程で得られた反応物を30gのクロ
ロホルムに溶解後、0.33M水酸化カリウム−メ
タノール溶液15mlを加え室温で15分間撹拌し
た。反応終了後水15mlを加え洗浄し、クロロホ
ルム層の減圧濃縮物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフイー(φ2×10cm)により、溶媒にク
ロロホルム:メタノール:水=65:25:4を用
いて、イノシトール骨格の水酸基を1−エトキ
シエチル基で部分的に保護した3−グリセリル
ホスホリルイノシトールを分離し、濃縮して
154mgの反応物を得た。 IR:3405、2920、1020cm-1 MS:573〔GPI+3EE+Na〕+、645〔GPI+4EE
+Na〕+714〔GPI+5EE+Na〕+(matrix
TEA+NaCl) TLC:Rf値0.17(展開溶媒CHCl3:MeOH:
H2O=65:25:4) EE:1−エトキシエチル基 (c) 任意のアシル基を導入する工程 上記(b)の工程で得られた反応物をジクロロメ
タン20gに溶解し、ドコサヘキサエン酸無水物
310mg、ジメチルアミノピリジン32mgを加え10
℃で48時間反応させた。反応終了後、反応液を
イオン交換樹脂アンバーライト200C(ロームア
ンドハース社製)のカラムに通し、ジメチルア
ミノピリジンを除去した。流出液を減圧濃縮
し、シリカゲルカラムクロマトグラフイー
(φ2×15cm)で溶媒にクロロホルム:メタノー
ル=9:1を用いてイノシトール骨格を部分的
に保護した1,2−ジドコサヘキサノイル−3
−ホスフアチジルイノシトール297mgを得た。 IR:3410、2930、1730、1450cm-1 NMR(CDCl3、ppm):0.86(t)、1.25(m) MS:1202〔DDPI+3EE〕+、1237〔DDPI+
4EE〕+1346〔DDPI+5EE〕+(Negative、
matrix:TEA) DDPI:1,2−ジドコサヘキサノイル−3−
ホスフアチジルイノシトール (d) 保護基を脱離させる工程 上記(c)の工程で得られた反応物をクロロホル
ム20gに溶解し、氷冷下でp−トルエンスルホ
ン酸8mgを加え5時間撹拌した。半後終了後30
mlの水で2回洗浄し、減圧濃縮した。シリカゲ
ルカラムクロマトグラフイー(φ2×15cm)で、
溶媒にクロロホルム:メタノール=75:25を用
いて精製することにより、1,2−ジドコサヘ
キサノイル−3−ホスフアチジルイノシトール
166mgを得た。 IR:3400、2930、1740、1460-1 NMR(CD3OD、ppm):0.85(t)、1.26(m) MS:977〔DDPI+Na〕+999〔DDPI+2Na−H〕
+(matrix:TEA+NaCl) 元素分析 C53H70O13P 計算値(%) C:66.65、H:8.34 実測値(%) C:66.31、H:8.32 TLC:Rf値1.16(展開溶媒CHCl3:MeOH:
H2O=65:25:4)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a) 天然原料の1,2−ジアシル−3−ホス
    フアチジルイノシトール分子内のイノシトール
    部分の水酸基を保護基で保護する工程、 (b) 上記(a)工程で水酸基を保護した1,2−ジア
    シル−3−ホスフアチジルイノシトールを脱ア
    シル化する工程、 (c) 上記(b)工程で脱アシル化した水酸基保護3−
    グリセリルホスホリルイノシトールに任意のア
    シル基を導入する工程、および (d) 上記(c)工程で得られた任意のアシル基を導入
    した水酸基保護1,2−ジアシル−3−ホスフ
    アチジルイノシトールから保護基を脱離させる
    工程 を含むホスフアチジルイノシトール類の製造方
    法。 2 イノシトール部分の水酸基の保護に用いる保
    護基が耐アルカリ性で、還元または酸触媒により
    脱離工程が行われるものである特許請求の範囲第
    1項記載のホスフアチジルイノシトール類の製造
    方法。 3 導入するアシル基が炭素数1〜30の直鎖状、
    分枝状もしくは環状の飽和または不飽和カルボン
    酸である特許請求の範囲第1項または第2項記載
    のホスフアチジルイノシトール類の製造方法。
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