JPH055418A - 4サイクル多気筒エンジン - Google Patents

4サイクル多気筒エンジン

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JPH055418A
JPH055418A JP15060391A JP15060391A JPH055418A JP H055418 A JPH055418 A JP H055418A JP 15060391 A JP15060391 A JP 15060391A JP 15060391 A JP15060391 A JP 15060391A JP H055418 A JPH055418 A JP H055418A
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Hiroyuki Takatsu
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、エンジンの全回転数域に亘りエン
ジン出力を大幅に向上させることができるようにしてい
る。 【構成】4サイクル多気筒エンジンの各気筒のそれぞれ
から導出された複数本の排気管17が連結管52によっ
て連通され、この連結管にエンジン回転数に応じて開閉
制御される排気系制御バルブ57が設置されて排気系制
御装置が構成されるとともに、上記4サイクル多気筒エ
ンジンの吸・排気バルブを駆動する動弁装置が、ロッカ
シャフトに直接嵌挿されて低速用カムにより駆動される
低速用ロッカアームと、上記ロッカシャフトのエキセン
トリック大径部に嵌挿されて中高速用カムにより駆動さ
れる中高速用ロッカアームとを有して成り、上記低速用
カムによる上記低速用ロッカアームの作動と上記中高速
用カムによる上記中高速用ロッカアームの作動とが、エ
ンジン回転数に応じた上記ロッカシャフトの回動により
択一的に切り替るよう構成され、上記排気系制御バルブ
の開閉と上記動弁装置のカムの切替とが関連して制御さ
れたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、4サイクル多気筒エ
ンジンに係り、各気筒から導出された排気管に排気系制
御装置が設置された4サイクル多気筒エンジンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の4サイクル多気筒エンジンには、
各気筒から導出された排気管に排気系制御装置が設置さ
れたものがある。この排気系制御装置は、複数の排気管
を連結管で連通し、この連結管内に排気系制御バルブを
設置したものである。この排気系制御装置では、上記排
気系制御バルブをエンジン回転数に応じて開閉し、開弁
時に排気圧脈動波の相互干渉によってエンジンの出力特
性を向上させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
な排気系制御装置が設置された4サイクル多気筒エンジ
ンでは、エンジン出力を向上させることができるが、単
独で、エンジンの全回転数域に亘りエンジン出力を大幅
に向上させることはできない。
【0004】この発明は、上述の事情を考慮してなされ
たものであり、エンジンの全回転数域に亘りエンジン出
力を大幅に向上させることができる4サイクル多気筒エ
ンジンを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、4サイクル
多気筒エンジンの各気筒のそれぞれから導出された複数
本の排気管が連結管によって連通され、この連結管にエ
ンジン回転数に応じて開閉制御される排気系制御バルブ
が設置されて排気系制御装置が構成されるとともに、上
記4サイクル多気筒エンジンの吸・排気バルブを駆動す
る動弁装置が、ロッカシャフトに直接嵌挿されて低速用
カムにより駆動される低速用ロッカアームと、上記ロッ
カシャフトのエキセントリック大径部に嵌挿されて中高
速用カムにより駆動される中高速用ロッカアームとを有
して成り、上記低速用カムによる上記低速用ロッカアー
ムの作動と上記中高速用カムによる上記中高速用ロッカ
アームの作動とが、エンジン回転数に応じた上記ロッカ
シャフトの回動により択一的に切り替るよう構成され、
上記排気系制御バルブの開閉と上記動弁装置のカムの切
替とが関連して制御されたことを特徴とするものであ
る。
【0006】
【作用】したがって、この発明に係る4サイクル多気筒
エンジンによれば、排気系制御バルブはエンジン低回転
時に開弁して複数の排気管を連通させ、その排気圧脈動
波の相互干渉を利用して排気効率および充填効率を向上
させ、エンジン出力を向上させるものである。また、動
弁装置は、エンジン回転数に応じてカムの種類を切り替
え、エンジン全回転数に適した吸・排気バルブのバルブ
タイミングおよびバルブリフト量を実現して、エンジン
出力を向上させるものである。これらの排気系制御バル
ブの開閉および動弁装置のカムの切替を関連して制御し
たことにより、エンジン出力をこれら単独での場合に比
べ大幅に向上させることができる。
【0007】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
【0008】図2は、この発明に係る4サイクル多気筒
エンジンの一実施例を示す側面図である。
【0009】エンジンユニット1は、クランクケース2
と、このクランクケース2の上部に直立し車両幅方向に
延びるシリンダ3と、を有して構成される。このシリン
ダ3は、下方からシリンダブロック4、シリンダヘッド
5およびヘッドカバー6が順次組み合されて構成された
ものであり、シリンダブロック4に1または複数の図示
しない気筒が形成される。この実施例では、シリンダブ
ロック4に直立4気筒が形成されている。
【0010】シリンダヘッド5には、各気筒毎に燃焼室
7(図3、図4)が形成され、さらに各燃焼室7に吸気
ポート8および排気ポート9がそれぞれ2個ずつ開口さ
れる。また、このシリンダヘッド5には、吸気ポート
8、排気ポート9にそれぞれ連なる吸気通路10、排気
通路11が、各燃焼室7毎にそれぞれ形成される。これ
らの吸気通路10、排気通路11には、吸気ポート8、
排気ポート9の付近において仕切壁12,13がそれぞ
れ形成され、この仕切壁12,13により分岐通路とし
て構成される。
【0011】シリンダヘッド5に形成された4つの吸気
通路10の上流端には、図2に示す吸気管14を経て、
キャブレタ15およびエアクリーナ16が順次接続さ
れ、これら15および16が吸気通路10を経て燃焼室
7内へ混合気を導入する。
【0012】また、シリンダヘッド5に形成された4つ
の排気通路の下流端には、図2に示す排気管17がそれ
ぞれ接続される。各排気管17は、エンジンユニット1
の前方から下降して後方へ湾曲し、エンジンユニット1
の下方で集合管18に接続された後、左右のマフラ19
に分かれて後方へ開放する。
【0013】ところで、図3および図4に示すように、
前記吸気ボート8、排気ポート9は、それぞれ吸気バル
ブ21、排気バルブ22により開閉される。これらの吸
気バルブ21および排気バルブ22は、シリンダヘッド
5に設置されたバルブガイド23に摺動自在に挿通され
るとともに、バルブスプリング24によって常時上方へ
付勢されている。これらの吸気バルブ21および排気バ
ルブ22の開閉を制御するのが、図5にも示すバルブ特
性可変動弁装置20である。
【0014】このバルブ特性可変動弁装置20は、シリ
ンダヘッド5のカムシャフトジャーナル部25およびカ
ムシャフトジャーナルハウジング(図示せず)間に回動
可能に支持されて、低速用カム27並びに中高速用カム
28および29を備えたカムシャフト30と、シリンダ
ヘッド5のカムシャフトジャーナル部25下部に回転可
能に嵌挿されて、エキセントリック大径部が形成された
ロッカシャフト31と、このロッカシャフト31に直接
嵌挿された低速用ロッカアーム32と、ロッカシャフト
31において低速用ロッカアーム32の両側で、かつエ
キセントリック大径部に嵌挿された中高速用ロッカアー
ム33および34と、上記ロッカシャフト31を回動さ
せるロッカシャフト回動駆動源としての油圧シリンダ3
5と、を有して構成される。
【0015】カムシャフト30は、シリンダヘッド5の
車両前後に1本ずつ計2本が、車両幅方向に延びて配置
され、前方のカムシャフト30が排気バルブ22の駆動
用、後方のカムシャフト30が吸気バルブ21の駆動用
である。各カムシャフト30には、低速用カム27を挟
んでその両側に中高速用カム28および29が配置され
た1組のカムユニットが気筒の数(すなわち燃焼室7の
数)だけ形成されており、この実施例では4組形成され
ている。各カムシャフト30は、エンジンユニット1の
クランクケース2内に収容されたクランクシャフト(図
示せず)により、図示しないカムチェーンを介して回転
される。
【0016】中高速用カム28および29は同一のカム
プロフィールに形成される。また低速用カム27は、中
高速用カム28および29のカムプロフィールと異なっ
たカムプロフィールに形成される。つまり、低速用カム
27は、エンジンが低回転数域で運転されているときに
適したバルブリフト量およびバルブリフトタイミングが
得られるように、そのカムプロフィールが形成される。
また、中高速用カム28および29は、エンジンが中・
高回転数域で運転されているときに適したバルブリフト
量およびバルブリフトタイミングが得られるようにその
カムプロフィールが形成される。
【0017】また、ロッカシャフト31は、シリンダヘ
ッド5の車両前後のそれぞれに車両幅方向左右に1本ず
つ計4本が配置され、カムシャフト30の直下で、この
カムシャフト30と同方向に延在して設けられる。低速
用ロッカアーム32並びに中高速用ロッカアーム33お
よび34は、1本のロッカシャフト31に2組設置され
る。各組の低速用ロッカアーム32並びに中高速用ロッ
カアーム33および34は、ロッカシャフト31に介在
された位置決めスプリング(図示せず)によって、ロッ
カシャフト31と共にその位置が規制される。
【0018】図5および図6に示すように、低速用ロッ
カアーム32の先端は2つに分岐し、これら両分岐先端
部32bは、吸気バルブ21または排気バルブ22にシ
ム37を介して当接される。また、低速用ロッカアーム
32の支持部32aはロッカシャフト31に直接嵌挿さ
れると共に、低速用ロッカアーム32には、分岐先端部
32bと支持部32aとの間にカムフロア面32cが形
成される。
【0019】中高速用ロッカアーム33の支持部33a
は、ロッカシャフト31よりも大径の偏心ブッシュ38
を介して、ロッカシャフト31に対し回転可能に嵌挿さ
れる。この偏心ブッシュ38は、図3および図4に示す
ように、外周面の軸心がロッカシャフト31の中心から
偏心しており、位置決め固定ピン40によってロッカシ
ャフト31に着脱自在に固定される。したがって、偏心
ブッシュ38は、ロッカシャフト31におけるエキセン
トリック大径部として機能する。
【0020】図6に示すように、中高速用ロッカアーム
34の支持部34aも、上記偏心ブッシュ38と同一の
形状を有し、かつ同一方向に偏心する偏心ブッシュ39
を介して、ロッカシャフト31に対し回転可能に嵌挿さ
れる。この偏心ブッシュ39も、位置決め固定ピン40
(図3、図4)によりロッカシャフト31に着脱自在に
固定されて、エキセントリック大径部として機能する。
【0021】また、中高速用ロッカアーム33,34の
各先端部33b,34bの下面は、低速用ロッカアーム
32の分岐先端部32bにおける一方あるいは他方に、
シム41を介してそれぞれ当接される。中高速用カム3
3,34のそれぞれには、先端部33b,34bと支持
部33a,34aとの間にカムフロア面33c,34c
が形成される。上記低速用ロッカアーム32の分岐先端
部32bと、中高速用ロッカアーム33および34の先
端部33bおよび34bとの接触点は、吸気バルブ21
または排気バルブ22の略軸線上に設定される。
【0022】したがって、図3に示すように、低速用カ
ム27が低速用ロッカアーム32のカムフロア面32c
を押し下げて、その各分岐先端部32bを下降させた低
速用カム27の作動時には、ロッカアーム33および3
4の各先端部33bおよび34bは、重力によりこの分
岐先端部32bに追従して下降する。一方、図4に示す
ように、中高速用カム28および29が中高速用ロッカ
アーム33および34のカムフロア面33cおよび34
cをそれぞれ押し下げた中高速用カム28および29の
作動時には、これらの中高速用ロッカアーム33および
34の先端部33bおよび34bが低速用ロッカアーム
32の各分岐先端部32bを押し下げることから、この
分岐先端部32bが強制的に下降される。
【0023】図5に示す前記油圧シリンダ35は、シリ
ンダヘッド5におけるカムチェーン室(図示せず)に設
置される。この油圧シリンダ35には、ロッカシャフト
31と同数のピストン(図示せず)が収容され、各ピス
トンにラック43が連結される。これらのラック43
は、ロッカシャフト31の一端部に形成されたピニオン
44に噛み合される。また、油圧シリンダ35には、低
速用油圧ポート45および中高速用油圧ポート46がそ
れぞれ設られ、それぞれのポート45,46へエンジン
からの油圧が択一的に導かれて、各ピストンすなわちラ
ック43が往復運動する。
【0024】エンジン回転数が低回転数域にあるときに
は、低速用油圧ポート45へ油圧が供給され、ラック4
3は引き戻され、ピニオン44は矢印O方向(図5)に
回動されて、偏心ブッシュ38および39は図3に示す
ように、その厚肉頂部38aおよび39aがエンジンの
前後方向中央へ位置するよう回動する。これにより、中
高速用ロッカアーム33および34のカムフロア面33
cおよび34cが低速用ロッカアーム33のカムフロア
面33cに対し相対的に下方へ移動し、中高速用カム2
8および29の周面と中高速用ロッカアーム33および
34のカムフロア面33cおよび34cとの間に隙間が
形成される。この結果、中高速用カム4および5が空転
し、低速用カム27のみが低速用ロッカアーム32のカ
ムフロア面32cと当接して回転する。このため、吸気
バルブ21、排気バルブ22は、この低速用カム27お
よび低速用ロッカアーム32の作動によって、エンジン
低回転数域に適したバルブリフトタイミングおよびバル
ブリフト量で吸気ポート8、排気ポート9のそれぞれを
開閉する。
【0025】また、エンジン回転数が中高回転数域にあ
るときには、中高速用油圧ポート46(図5)へ油圧が
供給されて、ラック43は押し出され、ピニオン44は
矢印P方向(図5)へ回動されて、偏心ブッシュ38お
よび39は図4に示すように、その厚肉頂部38aおよ
び39aがエンジンの前後方向外方へ位置するよう回動
する。これにより、中高速用ロッカアーム33および3
4のカムフロア面33cおよび34cが低速用ロッカア
ーム32のカムフロア面32cに対し相対的に略上方ま
たは同一位置まで移動し、このカムフロア面33cおよ
び34cがそれぞれ中高速用カム28および29の周面
に当接する。ここで、中高速用カム28および29は低
速用カム27よりもカムリフト量が大きく形成されてい
るので、上記状態では低速用カム27が空転し、一方、
中高速用カム28および29が中高速用ロッカアーム3
3および34のカムフロア面33cおよび34cにそれ
ぞれ当接して回転する。この結果、吸気バルブ21、排
気バルブ22は、上記中高速用カム28,29および中
高速用ロッカアーム33,34の作動により、エンジン
の中高回転数域に適したバルブリフトタイミングおよび
バルブリフト量で吸気ポート8、排気ポート9をそれぞ
れ開閉する。
【0026】さて、排気管17を図7に示すように、シ
リンダ3内の気筒の並列に合せて一側から#1,#2,
#3,#4とする。この#2および#3の排気管17は
連結管51によって連結され、#1および#4の排気管
は連結管52によって連結され、この連結管52に排気
系制御バルブ機構52A(図1)が設置される。排気系
制御装置50は、上記連結管51、連結管52および排
気系制御バルブ機構52Aを備えて構成される。
【0027】連結管51は、図8に示すように、排気管
17の#2および#3の対向する側面に固着され、これ
らの両側面に開口53が形成される。排気管17の#2
および#3は、これらの開口53および連結管51によ
って連通される。
【0028】また、連結管52は、図1に示すように、
排気管17の#1および#4の対向する側面に固着さ
れ、これら両側面に開口54が形成される。排気管17
の#1および#4は、これらの開口54および連結管5
2によって連通される。
【0029】排気系制御バルブ機構52Aは、サーボー
タ55と、このサーボモータ55の回転軸56に固定さ
れた排気系制御バルブ57と、を備えて構成される。サ
ーボモータ55は、連結管52に固着された取付座58
に、断熱材59を介しボルト固定されて、回動軸56の
回動により排気系制御バルブ57を開閉する。この回動
軸56の先端部は、連結管52により支持される。
【0030】サーボモータ55の回動制御は、図9に示
すイグナイタ60からのサーボモータ制御信号dによっ
てなされる。イグナイタ60は、ピックアップコイル6
1からのエンジン回転数信号aおよびキャブレタセンサ
62からのキャブレタ開度信号bを入力してエンジン点
火信号eを出力するとともに、上記サーボモータ制御信
号dおよびカム切替信号cを油圧シリンダ35へ出力す
る。このカム切替信号cによって、油圧シリンダ35の
低速用油圧ポート45(図5)または中高速用油圧ポー
ト46への油圧の切替が制御され、低速用カム27の作
動あるいは中高速用カム28,29の作動が切り替わ
る。また、サーボモータ制御信号dによって、サーボモ
ータ55の正逆転およびその回動量が制御され、排気系
制御バルブ57(図1)の開閉がコントロールされる。
【0031】つまり、イグナイタ60は、図10に示す
ように、エンジン回転数の上昇時に、エンジン回転数N
arpmにおいて排気系制御バルブ57を開弁状態から
閉弁状態へと排気系制御バルブ57の開閉を制御し、エ
ンジン回転数Nb(Nb>Na)rpmにおいて低速用
カム27の作動から中高速用カム28および29の作動
へとカムの切替を制御する。なお、イグナイタ60は、
エンジン回転数下降時には、エンジン回転数Nbrpm
より若干低い回転数で中高速用カム28および29の作
動から低速用カム27の作動へとカムを切り替え、また
エンジン回転数Narpmより若干低い回転数で排気系
制御バルブ57を閉弁状態から開弁状態へと制御して、
ハンチングの防止を図っている。
【0032】この図10において、破線63は、低速用
カム27の作動時で排気系制御バルブ57の開弁時にお
けるエンジン出力特性であり、一点鎖線64は、低速用
カム27の作動時で排気系制御バルブ57の閉弁時にお
けるエンジン出力特性である。また、二点鎖線65は、
中高速用カム28および29の作動時で排気系制御バル
ブ57の開弁時におけるエンジン出力特性であり、実線
66は、中高速用カム28および29の作動時で排気系
制御バルブ57の閉弁時におけるエンジン出力特性であ
る。
【0033】したがって、イグナイタ60が上述のよう
に排気系制御バルブ57の開閉およびカム27,28,
29の切替を制御すると、エンジン出力特性は、エンジ
ン回転数Narpm以下で破線63に示す出力特性、エ
ンジン回転数NarpmからNbrpmにおいて一点鎖
線64に示す出力特性、エンジン回転数Nbrpm以上
で実線66に示すエンジン出力特性を呈する。このよう
に、イグナイタ60が低速域から高速域まで最良の出力
特性を選択するよう制御するので、エンジン出力を全体
として大幅に向上させることができる。
【0034】ここで、排気系制御バルブ57の開閉によ
りエンジン出力特性が向上する理由を次に述べる。
【0035】図7の排気管17に流れる排気は、シリン
ダ3の点火順序に応じて、クランクシャフト回転角の1
80°間隔で、#1→#2→#4→#3の順に実施され
る。したがって、連結管51により連通された#2およ
び#3の排気管17も、連結管52および排気系制御バ
ルブ57により連通された#1および#4の排気管17
も、共にクランクシャフト回転角の360°だけ排気時
期がずれたものとなる。これ故、エンジン低回転時(エ
ンジン回転数Narpm以下)に連結管51により#2
および#3の排気管17が連通し、さらに排気系制御バ
ルブ57が全開して連結管52により#1および#4の
排気管17が連通すると、排気圧脈動波の相互干渉によ
り排気効率および充填効率が高まるので、エンジンの出
力が向上する。一方、エンジン中高回転時(エンジン回
転数Narpm以上)に排気系制御バルブ57を全閉し
て、#1および#4の排気管17の連通を遮断すると、
これら#1および#4の排気管17が独立し排気がスム
ーズに流れるようになるので、排気流速の増大に対応で
き、エンジン出力が大幅に向上するのである。
【0036】上記実施例によれば、上述のようにカム2
7,28,29の切替と排気系制御バルブ57の開閉に
よる連結管52の連通および遮断とにより、エンジンの
出力特性を全回転数域に亘り大幅に向上させることがで
きる。
【0037】また、上記実施例では、連結管52が#2
および#3の排気管において隠された位置にあるので、
連結管52の後方に排気系制御バルブ機構52Aを設置
してもデザイン上支障がない。
【0038】なお、上記実施例では、排気系制御バルブ
57の開閉を変化させるエンジン回転数Narpmと、
カム27,28,29を切り替えるエンジン回転数Nb
rpmとが異なる場合を述べたが、エンジン回転数Na
rpmを廃止し、エンジン回転数Nbrpmにおいてカ
ム27,28,29の切替と排気系制御バルブ57の開
閉を同時に実施させてもよい。この場合には、エンジン
出力特性が若干低下するが、油圧シリンダ35およびサ
ーボモータ55へ出力される信号が1つでよいので装置
を簡素化でき、さらに排気系制御バルブ機構52Aをオ
プションとして追加装備できる。
【0039】また、上記実施例は、連結管52のみに排
気系制御バルブ機構52Aを設置するものを述べたが、
連結管51にも排気系制御バルブ機構52Aと同様な排
気系制御バルブ機構を設置して、エンジン出力をより一
層向上させるようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る4サイク
ル多気筒エンジンによれば、4サイクル多気筒エンジン
の各気筒のそれぞれから導出された複数本の排気管が連
結管によって連通され、この連結管にエンジン回転数に
応じて開閉制御される排気系制御バルブが設置されて排
気系制御装置が構成されるとともに、上記4サイクル多
気筒エンジンの吸・排気バルブを駆動する動弁装置が、
ロッカシャフトに直接嵌挿されて低速用カムにより駆動
される低速用ロッカアームと、上記ロッカシャフトのエ
キセントリック大径部に嵌挿されて中高速用カムにより
駆動される中高速用ロッカアームとを有して成り、上記
低速用カムによる上記低速用ロッカアームの作動と上記
中高速用カムによる上記中高速用ロッカアームの作動と
が、エンジン回転数に応じた上記ロッカシャフトの回動
により択一的に切り替るよう構成され、上記排気系制御
バルブの開閉と上記動弁装置のカムの切替とが関連して
制御されたので、エンジンの全回転数域に亘りエンジン
出力を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図7のI−I線に沿う断面図。
【図2】この発明に係る4サイクル多気筒エンジンの一
実施例を示す側面図。
【図3】図2のシリンダヘッドの断面図であり、動弁装
置のエンジン低回転時における作動状態を示す図。
【図4】図2のシリンダヘッドの断面図であり、動弁装
置のエンジン中高回転時における作動状態を示す図。
【図5】図3および図4に示す動弁装置の斜視図。
【図6】図5の動弁装置の平面図。
【図7】図2のVII 矢視図。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿う断面図。
【図9】図1の排気系制御バルブ機構および図5の動弁
装置を制御する制御系のブロック図。
【図10】図2に示すエンジン出力をエンジン回転数と
共に示すグラフ。
【符号の説明】
1 エンジンユニット 17 排気管 20 バルブ特性可変動弁装置 21 吸気バルブ 22 排気バルブ 27 低速用カム 28,29 中高速用カム 31 ロッカシャフト 32 低速用ロッカアーム 33,34 中高速用ロッカアーム 35 油圧シリンダ 38,39 偏心ブッシュ 50 排気系制御装置 51,52 連結管 52A 排気系制御バルブ機構 57 排気系制御バルブ 60 イグナイタ a エンジン回転数信号

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 4サイクル多気筒エンジンの各気筒のそ
    れぞれから導出された複数本の排気管が連結管によって
    連通され、この連結管にエンジン回転数に応じて開閉制
    御される排気系制御バルブが設置されて排気系制御装置
    が構成されるとともに、上記4サイクル多気筒エンジン
    の吸・排気バルブを駆動する動弁装置が、ロッカシャフ
    トに直接嵌挿されて低速用カムにより駆動される低速用
    ロッカアームと、上記ロッカシャフトのエキセントリッ
    ク大径部に嵌挿されて中高速用カムにより駆動される中
    高速用ロッカアームとを有して成り、上記低速用カムに
    よる上記低速用ロッカアームの作動と上記中高速用カム
    による上記中高速用ロッカアームの作動とが、エンジン
    回転数に応じた上記ロッカシャフトの回動により択一的
    に切り替るよう構成され、上記排気系制御バルブの開閉
    と上記動弁装置のカムの切替とが関連して制御されたこ
    とを特徴とする4サイクル多気筒エンジン。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104929716A (zh) * 2015-05-24 2015-09-23 聂瑜 气压差值控制式错位受力装置
CN104929782A (zh) * 2015-05-24 2015-09-23 周吉文 两杆定点铰接移动系统
JP2020002840A (ja) * 2018-06-27 2020-01-09 スズキ株式会社 エンジンの排気装置

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