JPH0555467B2 - - Google Patents
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- JPH0555467B2 JPH0555467B2 JP63306801A JP30680188A JPH0555467B2 JP H0555467 B2 JPH0555467 B2 JP H0555467B2 JP 63306801 A JP63306801 A JP 63306801A JP 30680188 A JP30680188 A JP 30680188A JP H0555467 B2 JPH0555467 B2 JP H0555467B2
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- Laminated Bodies (AREA)
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Description
産業上の利用分野
本発明は、炭素繊維炭素複合材の新規な製造方
法に関するものである。さらに詳しくいえば、本
発明は、新素材として有用な軽量で耐熱性に優
れ、かつ高い強度を有する炭素繊維炭素複合材を
効率よく製造する方法に関するものである。 従来の技術 近年、新素材の開発研究が盛んに行われている
が、その中でも炭素繊維炭素複合材は、軽量で耐
熱性に優れ、かつ高い強度を有する素材として注
目されている。 この複合材については、多くの製造方法が知ら
れているが、一般に(1)フエノール樹脂などの合成
樹脂やピツチなどの重質歴青物をマトリツクスと
して、炭素繊維と成形し、この成形体を炭素化す
る方法、及び(2)軟質炭化水素やハロゲン化炭化水
素などを蒸発させて、高温に加熱した繊維上に炭
素を析出させるCVD(化学的気相蒸着)法に大別
することができる。これらの方法を比較した場
合、(1)の方法は量産性や製造コストの面で実用的
であるが、炭素収率が低いために得られる複合材
には気孔が多く、そのため強度が低いという欠点
を有する。(2)の方法は炭素の析出速度が遅くて、
製造に長時間を要し、実用的な方法とはいえな
い。 前記(1)の方法においては、マトリツクスとし
て、従来フエノール樹脂やフルフラール樹脂など
硬化性樹脂が用いられていたが、これらの熱硬化
性樹脂は、炭素繊維との成形が容易であり、かつ
炭素化時に硬化した形状をそのまま保持しうると
いう利点を有するものの、炭素収率が低いために
得られる複合材には気孔が多く、その強度を高く
するためには含浸と焼成を繰り返さなければなら
ないなど、煩雑な操作を必要とし、コスト高にな
るのを免れないという欠点を有することから、最
近ではマトリツクスとして、熱可塑性ではある
が、炭素収率の高いピツチが使用されるようにな
つてきた。 ところで、炭素繊維炭素複合材の強度は、炭素
繊維自体の強度が複合材のそれよりもはるかに高
いために、主としてマトリツクス炭素の強度に依
存することから、該複合材の強度を増加させるに
はマトリツクス炭素の強度を高くする必要があ
り、そのためにはマトリツクスの選択及び炭素繊
維とマトリツクスとから成る成形体の炭素化方法
が重要となる。 一般に、炭素繊維とマトリツクスとから成る成
形体をそのまま焼成して炭素化した場合、この炭
素化過程でマトリツクスが熱分解してガスを生成
するために、かさ密度が小さく、強度の低い複合
材しか得られない。そのため、含浸と焼成操作を
繰り返して、密度及び強度を高める方法が行われ
ているが、この方法は含浸と焼成の操作回数が増
加するに伴い、その効果が低下するという問題が
ある。したがつて、このような含浸と焼成操作の
繰り返しを行わずに、高強度複合材を製造するこ
とがこれまでにいくつか試みられている。例え
ば、ピツチに炭素質粉末を加えたものをマトリツ
クスとし、荷重下、360〜480℃の温度に加熱処理
(第1工程)したのち、さらに荷重下、前記の温
度より高い430〜550℃の範囲の温度で処理する
(第2工程)方法が提案されている(特開昭63−
11570号公報)。この方法は、第1工程においてピ
ツチの熱分解による生成ガス成分の除去を容易に
し、第2工程において、ち密化を行わせて、高強
度複合材を製造する方法であつて、該第1工程を
施すことはピツチの炭素収率の向上にもなり、好
ましい方法といえる。しかしながら、この方法に
おいては、得られる複合材の強度は、炭素繊維の
強度と比較してまだ低く、該第1工程の効果が十
分に発揮されているとはいえない。 発明が解決しようとする課題 本発明は、このような従来の炭素繊維炭素複合
材の製造方法が有する欠点を克服し、軽量で耐熱
性に優れ、かつ高強度を有する炭素繊維炭素複合
材を簡単な操作で効率よく製造する方法を提供す
ることを目的としてなされたものである。 課題を解決するための手段 本発明者らは、前記目的を達成するために、鋭
意研究を重ねた結果、炭素繊維とピツチとから成
るプレートに特定の加熱処理を施すことにより、
その目的を達成しうることを見出し、この知見に
基づいて本発明を完成するに至つた。 すなわち、本発明は、(A)炭素繊維束中に溶融ピ
ツチを含浸させて成形し、炭素繊維とピツチとか
ら成るプレートを作成する工程、(B)前記プレート
を積層し、非酸化性雰囲気中において荷重下に
400〜500℃の温度で加熱処理する一次炭素化工
程、(C)一次炭素化処理したものを酸化性雰囲気中
において、150〜400℃の温度で加熱処理する不融
化工程、(D)不融化処理したものを、非酸化性雰囲
気中において、荷重下に600〜800℃の温度で加熱
処理する二次炭素化工程及び(E)二次炭素化処理し
たものを、非酸化性雰囲気中において、800℃以
上の温度で加熱処理する三次炭素化工程を順次施
すことを特徴とする炭素繊維炭素複合材の製造方
法を提供するものである。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明方法において用いられる炭素繊維として
は、公知の方法によつて得られるピツチ系炭素繊
維又はPAN系炭素繊維のいずれも使用すること
ができる。 本発明方法においては、まず(A)工程において、
炭素繊維束中に溶融ピツチを含浸させて成形し、
炭素繊維とピツチとから成るプレートを作成す
る。この際、ピツチとしては、軟化点が180〜280
℃、好ましくは200〜250℃の範囲にあり、かつ固
定炭素量が65重量%以上のものが好適である。ま
た、その光学的組織については、等方性、異方性
のいずれでもよいが、前記範囲の軟化点及び固定
炭素量から異方性相を多く含有するものが望まし
い。これらの性状は、プレート作成時の炭素繊維
間への浸透と接着性及び複合材中のマトリツクス
炭素量から適宜決められる。 また、炭素繊維束中に前記ピツチを含浸させる
方法については特に制限はなく、例えば溶融ピツ
チを刷毛で塗り付ける方法、溶融ピツチ中に繊維
束をどぶづけする方法、あるいは溶融ピツチ中に
繊維束を連続的に通過させる方法など、適当な方
法を用いることができるが、工業的には溶融ピツ
チ中に繊維束を連続的に通過させる方法が好まし
い。 このようにして、溶融ピツチが含浸された炭素
繊維束は、例えば加熱されたローラー間に通し
て、プレート状に成形され、炭素繊維とピツチと
から成るプレートが得られる。 次に、(B)工程において、前記(A)工程で作成した
プレートを、所望の厚さになるように積層して型
枠に入れ、上部より荷重を加え、非酸化性雰囲気
中において、400〜500℃の範囲の温度で加熱し、
一次炭素化処理を行う。この一次炭素化処理は、
ピツチの炭素化収率を増加させるために重要であ
り、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、あ
るいはこれらの混合ガスなどの非酸化性雰囲気中
において行われる。 この際、加える荷重は、通常0.5〜5Kg/cm2の
範囲で選ばれる。この荷重が0.5Kg/cm2未満では、
得られる複合材はかさ密度が十分に大きくなら
ず、強度の低いものになるおそれがあるし、5
Kg/cm2を超えると溶融したピツチが該プレートよ
り過剰に流出し、得られる複合材はピツチが不足
して強度が低下するとともに、次工程の不融化処
理を困難にするおそれがある。また、温度が400
℃未満ではピツチの熱重合反応が不十分で、炭素
化収率の向上効果は期待できないし、500℃を超
えるとピツチの熱重合反応が急速に進行してピツ
チが固化し、次工程の不融化処理効果が発揮され
なくなる。この一次炭素化処理における最適加熱
温度と保持時間は、使用するピツチの種類により
異なるので、その種類に応じて適宜選ぶことが望
ましい。 本発明方法における(C)工程においては、このよ
うにして一次炭素化処理されたものを、酸化性雰
囲気中において、150〜400℃の範囲の温度におい
て加熱して、不融化処理を行う。酸化性雰囲気と
しては、酸素ガス、酸素と不活性ガスとの混合ガ
ス、空気などが用いられるが、通常は空気が用い
られる。処理温度は前記範囲内で使用するピツチ
の種類に応じて適宜選ばれ、石油系ピツチのよう
にナフテン環を多く含有するものは約200℃と低
い温度でよいが、石炭系のように芳香族環を含む
ピツチでは、約300℃と高くすることが望ましい。 次に、(D)工程において、前記(C)工程で不融化処
理したものを、非酸化性雰囲気中で、荷重下に
600〜800℃の範囲の温度で加熱して二次炭素化処
理を行う。非酸化性雰囲気としては、窒素ガス、
アルゴンガス、ヘリウムガス、あるいはこれらの
混合ガスが用いられ、また荷重は、前記一次炭素
化処理において用いられる荷重より大きくする必
要があり、5〜20Kg/cm2の範囲で選ばれる。この
荷重が5Kg/cm2未満では得られる複合材のかさ密
度が十分に大きくならず、強度が不足するおそれ
があるし、20Kg/cm2を超えるとピツチが流出して
ピツチ不足が生じ、得られる複合材の強度が低下
するおそれがある。 本発明方法においては、このようにして二次炭
素化処理したものを、(E)工程において、窒素ガ
ス、アルゴンガス、ヘリウムガス、あるいはこれ
らの混合ガスなどの非酸化性雰囲気中で、800℃
以上の温度で加熱して三次炭素化処理が行われ
る。この温度が800℃未満では炭素化が十分に進
行せず、得られる複合材の強度が不足するおそれ
がある。このようにして、炭素繊維炭素複合材が
得られるが、必要ならば、さらに2000℃以上の温
度において黒鉛化処理を施すこともできる。 発明の効果 本発明方法によると、炭素繊維とピツチとから
成るプレートに、特定の条件で一次炭素化処理、
不融化処理、二次炭素化処理及び三次炭素化処理
を順次施すことにより、繊維が一方向に配列した
高強度の炭素繊維炭素複合材が、含浸と焼成の操
作を繰り返すことなく容易に得られる。 本発明方法によつて得られる炭素繊維炭素複合
材は、軽量で耐熱性に優れ、かつ高強度を有して
おり、新素材として極めて有用である。 実施例 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によつてなんら限定
されるものではない。 実施例 1 炭素繊維として、引張り強度3.5GPa、弾性率
230GPaの高強度PAN系炭素繊維束(6000本/
束)を、マトリツクスとして、軟化点234℃、固
定炭素量86.6重量%、キノリン不溶分量12.2重量
%の石炭系メソフエースピツチを用いた。 まず、約360℃に加熱したピツチ溜に、前記ピ
ツチを入れて溶融したのち、これに前記炭素繊維
4束を並べて通過させ、次いで350℃に加熱した
幅10mmローラー間を連続的に通過させて、幅約10
mm、厚さ約0.2mmの繊維とピツチとから成るプレ
ートを作成した。 次に、このプレートを長さ100mmに切断し、そ
の5枚を積層して、幅10mm、長さ100mm、両端が
フリーの型枠に設置した。この型枠をステンレス
製円筒容器に入れ、窒素ガスを吹き込みながら、
毎分5℃の昇温速度で450℃まで加熱し、この温
度で30分間保持して、一次炭素化処理した。な
お、この際、型枠上部より、1Kg/cm2の荷重を加
えた。次いで、室温まで冷却して一次炭素化処理
物を型枠から取り出し、空気中において、毎分2
℃の昇温速度で300℃まで加熱し、この温度で60
分間保持して不融化処理を行つた。 さらに、この不融化処理物を再び前記と同様の
型枠に設置し、窒素ガス中、10Kg/cm2の荷重下、
毎分5℃の昇温速度で600℃まで加熱し、60分間
保持して、二次炭素化処理を行つた。次いで二次
炭素化処理したものをタンマン炉によつてアルゴ
ンガス気流中、毎時400℃の昇温速度で2600℃ま
で加熱し、60分間保持して黒鉛化処理し、複合材
を得た。 このようにして得られた複合材を、長さ約50mm
に切断し、これを下部スパン30mm、上部スパン10
mmのじ具により、4点曲げ強度を測定した結果、
平均956MPa、最大1040MPaであつた。また、か
さ密度は1.66g/cm3であつた。 前記と同様の繊維、ピツチを用い、種々の条件
で前記と同様に実施し、2600℃で焼成して製造し
た複合材のかさ密度と強度を、まとめて第1表に
示した。
法に関するものである。さらに詳しくいえば、本
発明は、新素材として有用な軽量で耐熱性に優
れ、かつ高い強度を有する炭素繊維炭素複合材を
効率よく製造する方法に関するものである。 従来の技術 近年、新素材の開発研究が盛んに行われている
が、その中でも炭素繊維炭素複合材は、軽量で耐
熱性に優れ、かつ高い強度を有する素材として注
目されている。 この複合材については、多くの製造方法が知ら
れているが、一般に(1)フエノール樹脂などの合成
樹脂やピツチなどの重質歴青物をマトリツクスと
して、炭素繊維と成形し、この成形体を炭素化す
る方法、及び(2)軟質炭化水素やハロゲン化炭化水
素などを蒸発させて、高温に加熱した繊維上に炭
素を析出させるCVD(化学的気相蒸着)法に大別
することができる。これらの方法を比較した場
合、(1)の方法は量産性や製造コストの面で実用的
であるが、炭素収率が低いために得られる複合材
には気孔が多く、そのため強度が低いという欠点
を有する。(2)の方法は炭素の析出速度が遅くて、
製造に長時間を要し、実用的な方法とはいえな
い。 前記(1)の方法においては、マトリツクスとし
て、従来フエノール樹脂やフルフラール樹脂など
硬化性樹脂が用いられていたが、これらの熱硬化
性樹脂は、炭素繊維との成形が容易であり、かつ
炭素化時に硬化した形状をそのまま保持しうると
いう利点を有するものの、炭素収率が低いために
得られる複合材には気孔が多く、その強度を高く
するためには含浸と焼成を繰り返さなければなら
ないなど、煩雑な操作を必要とし、コスト高にな
るのを免れないという欠点を有することから、最
近ではマトリツクスとして、熱可塑性ではある
が、炭素収率の高いピツチが使用されるようにな
つてきた。 ところで、炭素繊維炭素複合材の強度は、炭素
繊維自体の強度が複合材のそれよりもはるかに高
いために、主としてマトリツクス炭素の強度に依
存することから、該複合材の強度を増加させるに
はマトリツクス炭素の強度を高くする必要があ
り、そのためにはマトリツクスの選択及び炭素繊
維とマトリツクスとから成る成形体の炭素化方法
が重要となる。 一般に、炭素繊維とマトリツクスとから成る成
形体をそのまま焼成して炭素化した場合、この炭
素化過程でマトリツクスが熱分解してガスを生成
するために、かさ密度が小さく、強度の低い複合
材しか得られない。そのため、含浸と焼成操作を
繰り返して、密度及び強度を高める方法が行われ
ているが、この方法は含浸と焼成の操作回数が増
加するに伴い、その効果が低下するという問題が
ある。したがつて、このような含浸と焼成操作の
繰り返しを行わずに、高強度複合材を製造するこ
とがこれまでにいくつか試みられている。例え
ば、ピツチに炭素質粉末を加えたものをマトリツ
クスとし、荷重下、360〜480℃の温度に加熱処理
(第1工程)したのち、さらに荷重下、前記の温
度より高い430〜550℃の範囲の温度で処理する
(第2工程)方法が提案されている(特開昭63−
11570号公報)。この方法は、第1工程においてピ
ツチの熱分解による生成ガス成分の除去を容易に
し、第2工程において、ち密化を行わせて、高強
度複合材を製造する方法であつて、該第1工程を
施すことはピツチの炭素収率の向上にもなり、好
ましい方法といえる。しかしながら、この方法に
おいては、得られる複合材の強度は、炭素繊維の
強度と比較してまだ低く、該第1工程の効果が十
分に発揮されているとはいえない。 発明が解決しようとする課題 本発明は、このような従来の炭素繊維炭素複合
材の製造方法が有する欠点を克服し、軽量で耐熱
性に優れ、かつ高強度を有する炭素繊維炭素複合
材を簡単な操作で効率よく製造する方法を提供す
ることを目的としてなされたものである。 課題を解決するための手段 本発明者らは、前記目的を達成するために、鋭
意研究を重ねた結果、炭素繊維とピツチとから成
るプレートに特定の加熱処理を施すことにより、
その目的を達成しうることを見出し、この知見に
基づいて本発明を完成するに至つた。 すなわち、本発明は、(A)炭素繊維束中に溶融ピ
ツチを含浸させて成形し、炭素繊維とピツチとか
ら成るプレートを作成する工程、(B)前記プレート
を積層し、非酸化性雰囲気中において荷重下に
400〜500℃の温度で加熱処理する一次炭素化工
程、(C)一次炭素化処理したものを酸化性雰囲気中
において、150〜400℃の温度で加熱処理する不融
化工程、(D)不融化処理したものを、非酸化性雰囲
気中において、荷重下に600〜800℃の温度で加熱
処理する二次炭素化工程及び(E)二次炭素化処理し
たものを、非酸化性雰囲気中において、800℃以
上の温度で加熱処理する三次炭素化工程を順次施
すことを特徴とする炭素繊維炭素複合材の製造方
法を提供するものである。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明方法において用いられる炭素繊維として
は、公知の方法によつて得られるピツチ系炭素繊
維又はPAN系炭素繊維のいずれも使用すること
ができる。 本発明方法においては、まず(A)工程において、
炭素繊維束中に溶融ピツチを含浸させて成形し、
炭素繊維とピツチとから成るプレートを作成す
る。この際、ピツチとしては、軟化点が180〜280
℃、好ましくは200〜250℃の範囲にあり、かつ固
定炭素量が65重量%以上のものが好適である。ま
た、その光学的組織については、等方性、異方性
のいずれでもよいが、前記範囲の軟化点及び固定
炭素量から異方性相を多く含有するものが望まし
い。これらの性状は、プレート作成時の炭素繊維
間への浸透と接着性及び複合材中のマトリツクス
炭素量から適宜決められる。 また、炭素繊維束中に前記ピツチを含浸させる
方法については特に制限はなく、例えば溶融ピツ
チを刷毛で塗り付ける方法、溶融ピツチ中に繊維
束をどぶづけする方法、あるいは溶融ピツチ中に
繊維束を連続的に通過させる方法など、適当な方
法を用いることができるが、工業的には溶融ピツ
チ中に繊維束を連続的に通過させる方法が好まし
い。 このようにして、溶融ピツチが含浸された炭素
繊維束は、例えば加熱されたローラー間に通し
て、プレート状に成形され、炭素繊維とピツチと
から成るプレートが得られる。 次に、(B)工程において、前記(A)工程で作成した
プレートを、所望の厚さになるように積層して型
枠に入れ、上部より荷重を加え、非酸化性雰囲気
中において、400〜500℃の範囲の温度で加熱し、
一次炭素化処理を行う。この一次炭素化処理は、
ピツチの炭素化収率を増加させるために重要であ
り、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、あ
るいはこれらの混合ガスなどの非酸化性雰囲気中
において行われる。 この際、加える荷重は、通常0.5〜5Kg/cm2の
範囲で選ばれる。この荷重が0.5Kg/cm2未満では、
得られる複合材はかさ密度が十分に大きくなら
ず、強度の低いものになるおそれがあるし、5
Kg/cm2を超えると溶融したピツチが該プレートよ
り過剰に流出し、得られる複合材はピツチが不足
して強度が低下するとともに、次工程の不融化処
理を困難にするおそれがある。また、温度が400
℃未満ではピツチの熱重合反応が不十分で、炭素
化収率の向上効果は期待できないし、500℃を超
えるとピツチの熱重合反応が急速に進行してピツ
チが固化し、次工程の不融化処理効果が発揮され
なくなる。この一次炭素化処理における最適加熱
温度と保持時間は、使用するピツチの種類により
異なるので、その種類に応じて適宜選ぶことが望
ましい。 本発明方法における(C)工程においては、このよ
うにして一次炭素化処理されたものを、酸化性雰
囲気中において、150〜400℃の範囲の温度におい
て加熱して、不融化処理を行う。酸化性雰囲気と
しては、酸素ガス、酸素と不活性ガスとの混合ガ
ス、空気などが用いられるが、通常は空気が用い
られる。処理温度は前記範囲内で使用するピツチ
の種類に応じて適宜選ばれ、石油系ピツチのよう
にナフテン環を多く含有するものは約200℃と低
い温度でよいが、石炭系のように芳香族環を含む
ピツチでは、約300℃と高くすることが望ましい。 次に、(D)工程において、前記(C)工程で不融化処
理したものを、非酸化性雰囲気中で、荷重下に
600〜800℃の範囲の温度で加熱して二次炭素化処
理を行う。非酸化性雰囲気としては、窒素ガス、
アルゴンガス、ヘリウムガス、あるいはこれらの
混合ガスが用いられ、また荷重は、前記一次炭素
化処理において用いられる荷重より大きくする必
要があり、5〜20Kg/cm2の範囲で選ばれる。この
荷重が5Kg/cm2未満では得られる複合材のかさ密
度が十分に大きくならず、強度が不足するおそれ
があるし、20Kg/cm2を超えるとピツチが流出して
ピツチ不足が生じ、得られる複合材の強度が低下
するおそれがある。 本発明方法においては、このようにして二次炭
素化処理したものを、(E)工程において、窒素ガ
ス、アルゴンガス、ヘリウムガス、あるいはこれ
らの混合ガスなどの非酸化性雰囲気中で、800℃
以上の温度で加熱して三次炭素化処理が行われ
る。この温度が800℃未満では炭素化が十分に進
行せず、得られる複合材の強度が不足するおそれ
がある。このようにして、炭素繊維炭素複合材が
得られるが、必要ならば、さらに2000℃以上の温
度において黒鉛化処理を施すこともできる。 発明の効果 本発明方法によると、炭素繊維とピツチとから
成るプレートに、特定の条件で一次炭素化処理、
不融化処理、二次炭素化処理及び三次炭素化処理
を順次施すことにより、繊維が一方向に配列した
高強度の炭素繊維炭素複合材が、含浸と焼成の操
作を繰り返すことなく容易に得られる。 本発明方法によつて得られる炭素繊維炭素複合
材は、軽量で耐熱性に優れ、かつ高強度を有して
おり、新素材として極めて有用である。 実施例 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によつてなんら限定
されるものではない。 実施例 1 炭素繊維として、引張り強度3.5GPa、弾性率
230GPaの高強度PAN系炭素繊維束(6000本/
束)を、マトリツクスとして、軟化点234℃、固
定炭素量86.6重量%、キノリン不溶分量12.2重量
%の石炭系メソフエースピツチを用いた。 まず、約360℃に加熱したピツチ溜に、前記ピ
ツチを入れて溶融したのち、これに前記炭素繊維
4束を並べて通過させ、次いで350℃に加熱した
幅10mmローラー間を連続的に通過させて、幅約10
mm、厚さ約0.2mmの繊維とピツチとから成るプレ
ートを作成した。 次に、このプレートを長さ100mmに切断し、そ
の5枚を積層して、幅10mm、長さ100mm、両端が
フリーの型枠に設置した。この型枠をステンレス
製円筒容器に入れ、窒素ガスを吹き込みながら、
毎分5℃の昇温速度で450℃まで加熱し、この温
度で30分間保持して、一次炭素化処理した。な
お、この際、型枠上部より、1Kg/cm2の荷重を加
えた。次いで、室温まで冷却して一次炭素化処理
物を型枠から取り出し、空気中において、毎分2
℃の昇温速度で300℃まで加熱し、この温度で60
分間保持して不融化処理を行つた。 さらに、この不融化処理物を再び前記と同様の
型枠に設置し、窒素ガス中、10Kg/cm2の荷重下、
毎分5℃の昇温速度で600℃まで加熱し、60分間
保持して、二次炭素化処理を行つた。次いで二次
炭素化処理したものをタンマン炉によつてアルゴ
ンガス気流中、毎時400℃の昇温速度で2600℃ま
で加熱し、60分間保持して黒鉛化処理し、複合材
を得た。 このようにして得られた複合材を、長さ約50mm
に切断し、これを下部スパン30mm、上部スパン10
mmのじ具により、4点曲げ強度を測定した結果、
平均956MPa、最大1040MPaであつた。また、か
さ密度は1.66g/cm3であつた。 前記と同様の繊維、ピツチを用い、種々の条件
で前記と同様に実施し、2600℃で焼成して製造し
た複合材のかさ密度と強度を、まとめて第1表に
示した。
【表】
【表】
実施例 2
石油系ピツチであるFCCデカントオイルを熱
処理して得られたピツチをマトリツクスとして用
いた。このピツチは軟化点235℃、固定炭素量68
重量%、キノリン不溶分量68重量%、異方性相95
%のメソフエースピツチである。 このピツチと実施例1と同様の炭素繊維とか
ら、同様にして繊維とピツチとから成るプレート
を作成し、実施例1と同様な操作によつて、複合
材を製造した。 一次炭素化処理、不融化処理及び二次炭素化処
理条件を変えて得た複合材のかさ密度及び曲げ強
度の値をまとめて第2表に示す。
処理して得られたピツチをマトリツクスとして用
いた。このピツチは軟化点235℃、固定炭素量68
重量%、キノリン不溶分量68重量%、異方性相95
%のメソフエースピツチである。 このピツチと実施例1と同様の炭素繊維とか
ら、同様にして繊維とピツチとから成るプレート
を作成し、実施例1と同様な操作によつて、複合
材を製造した。 一次炭素化処理、不融化処理及び二次炭素化処
理条件を変えて得た複合材のかさ密度及び曲げ強
度の値をまとめて第2表に示す。
【表】
この表から明らかなように、不融化処理を行わ
ない実験番号26のものは、不融化処理を行つたも
のに比べて強度が低い。また不融化条件によつて
強度が異なり、最適不融化条件のあることが分か
る。
ない実験番号26のものは、不融化処理を行つたも
のに比べて強度が低い。また不融化条件によつて
強度が異なり、最適不融化条件のあることが分か
る。
Claims (1)
- 1 (A)炭素繊維束中に溶融ピツチを含浸させて成
形し、炭素繊維とピツチとから成るプレートを作
成する工程、(B)前記プレートを積層し、非酸化性
雰囲気中において、荷重下に400〜500℃の温度で
加熱処理する一次炭素化工程、(C)一次炭素化処理
したものを酸化性雰囲気中において、150〜400℃
の温度で加熱処理する不融化工程、(D)不融化処理
したものを、非酸化性雰囲気中において、荷重下
600〜800℃の温度で加熱処理する二次炭素化工程
及び(E)二次炭素化処理したものを、非酸化性雰囲
気中において、800℃以上の温度で加熱処理する
三次炭素化工程を順次施すことを特徴とする炭素
繊維炭素複合材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63306801A JPH02153737A (ja) | 1988-12-06 | 1988-12-06 | 炭素繊維炭素複合材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63306801A JPH02153737A (ja) | 1988-12-06 | 1988-12-06 | 炭素繊維炭素複合材の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02153737A JPH02153737A (ja) | 1990-06-13 |
| JPH0555467B2 true JPH0555467B2 (ja) | 1993-08-17 |
Family
ID=17961421
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63306801A Granted JPH02153737A (ja) | 1988-12-06 | 1988-12-06 | 炭素繊維炭素複合材の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH02153737A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5382392A (en) * | 1993-02-05 | 1995-01-17 | Alliedsignal Inc. | Process for fabrication of carbon fiber-reinforced carbon composite material |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2566555B2 (ja) * | 1986-04-18 | 1996-12-25 | 三菱化学株式会社 | 炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法 |
-
1988
- 1988-12-06 JP JP63306801A patent/JPH02153737A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02153737A (ja) | 1990-06-13 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |