JPH0559607A - 涼感性を有する繊維および布帛 - Google Patents

涼感性を有する繊維および布帛

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JPH0559607A
JPH0559607A JP3240412A JP24041291A JPH0559607A JP H0559607 A JPH0559607 A JP H0559607A JP 3240412 A JP3240412 A JP 3240412A JP 24041291 A JP24041291 A JP 24041291A JP H0559607 A JPH0559607 A JP H0559607A
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由明 來島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 盛夏に着用しても優れた涼感性を有する繊維
および布帛を提供する。 【構成】 チタン酸アルカリ金属またはチタン酸アルカ
リ土金属を含有する繊維並びに該繊維から構成されてな
る布帛。 【効果】 太陽光を遮り,衣服が昇温するのを抑える性
能を有する涼感性の優れた繊維および布帛が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,盛夏に着用しても太陽
光を遮り,優れた涼感性を有する繊維および布帛に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より,涼感性を有する繊維布帛の製
法が種々提案されている。例えば,レーヨンや綿等の高
吸水率繊維を肌側に用いて人体から発生する汗を衣服外
へ放出する方法や,強撚糸を肌側に用いて人体との接触
面積を小さくする方法,あるいは高熱伝導率を有する繊
維を肌側に用いたり,高熱伝導率を有する物質を含有す
る樹脂を繊維布帛の裏面にプリントしたりして体熱を奪
い取り,体外へ熱を逃がす方法が挙げられる。しかしな
がら,盛夏に暑さを感じるのは,衣服や人体が太陽光を
吸収して昇温する昇温作用による因子が大きく,上記方
法では優れた涼感性を得ることができない。
【0003】上記問題を解決するために,従来より繊維
布帛の表面にアルミニウムを蒸着して太陽光を反射する
方法や,繊維中に酸化チタンを練り込んで太陽光中の可
視光線を反射する方法等が提案されている。しかしなが
ら,前者の方法では,繊維表面が凹凸状をしているた
め,アルミニウムを蒸着させても太陽光を乱反射し,衣
服温度および衣服内温度が上昇するという問題があっ
た。また,後者の方法では,酸化チタンの隠蔽力が強い
ため,太陽光に対する繊維布帛の透過率が低下し,衣服
内温度の上昇が抑えられるとはいうものの,酸化チタン
自身が太陽光を吸収してこれを熱エネルギーに変換する
ので,衣服の温度が上昇するという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,このような
現状に鑑みて行われたものであり,太陽光による衣服温
度および衣服内温度の上昇の少ない,優れた涼感性を有
する繊維および布帛を得ることを目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記目的を達
成するもので,次の構成よりなるものである。すなわち
本発明は,「チタン酸アルカリ金属またはチタン酸アル
カリ土金属のうちの少なくとも1種のセラミツク微粒子
を含有してなる涼感性を有する繊維」並びに「チタン酸
アルカリ金属またはチタン酸アルカリ土金属のうちの少
なくとも1種のセラミツク微粒子を含有する繊維から構
成されてなることを特徴とする涼感性を有する布帛」を
要旨とするものである。以下,本発明を詳細に説明す
る。
【0006】本発明で用いるチタン酸アルカリ金属やチ
タン酸アルカリ土金属は,酸化チタンとアルカリ金属炭
酸塩もしくはアルカリ土金属炭酸塩等とを1000℃前
後で焼成することにより得られる繊維状もしくは板状の
形態を有する複合セラミツクであり,チタン酸アルカリ
金属としては,Li2Ti6O13 ,Na2Ti4O9,Na2Ti6O13 ,K2
Ti2O5 ,K2Ti8O17,Rb2Ti6O13 ,Cs2Ti4O9,Fr2Ti6O13
等が挙げられ,チタン酸アルカリ土金属としては,CaTi
O3,SrTiO3,BaTiO3,BeTiO3,MgTiO3等が挙げられる。
本発明では,これらのセラミツクを単独で,または2種
以上を併用して使用する。
【0007】本発明で用いる繊維状または板状のセラミ
ツク微粒子の粒度は,長さ方向で好ましくは50μm以
下,さらに好ましくは20μm以下,厚み方向で好まし
くは5μm以下,さらに好ましくは1μm以下である。
一般に球状または無定形状の微粒子を繊維に含有させる
場合の粒度は,好ましくは10μm以下,さらに好まし
くは1μm以下であるが,本セラミツク微粒子は,繊維
に含有させる際にセラミツクの長さ方向が糸方向に配列
しやすいため,球状または無定形状の微粒子に比べ比較
的粒度が大きくても差し支えないが,本セラミツク微粒
子の粒度が上記範囲を超えると,製糸工程の濾材におけ
る目塞りや糸切れ等による可紡性の低下等の問題が生
じ,たとえ紡糸を行うことができても,延伸工程での糸
切れ発生の問題が生じるので好ましくない。
【0008】本発明における繊維としては,ナイロン,
ポリエステル,アクリル,ビニロン等の合成繊維,レー
ヨン等の再生繊維,アセテート等の半合成繊維等を挙げ
ることができる。
【0009】上記セラミツク微粒子の含有量は,繊維重
量に対して0.1重量%以上,20重量%以下,好ましく
は1重量%以上,10重量%以下が適当である。セラミ
ツク微粒子の含有量が0.1重量%より少ない場合には,
目的とする涼感性が得られず,20重量%を超える場合
には,涼感性の効果が飽和に達するばかりか,繊維の生
産性が悪くなり,しかも糸質的に十分な強伸度が得られ
ない。
【0010】セラミツク微粒子を繊維に含有せしめる方
法としては,原料ポリマーに直接混合して紡糸する方
法,予め原料ポリマーの一部を用いて高濃度に含有せし
めたマスターバツチを製造し,これを紡糸時に所定の濃
度に希釈調整してから紡糸する方法等がある。
【0011】ここで,繊維へセラミツク微粒子を含有せ
しめた状態の一例を繊維の断面図によって説明する。図
1は,いずれも本発明の涼感性を有する繊維の断面を示
すものであり,(1)は繊維1にセラミツク微粒子を均
一に含有せしめた状態を示し,(2)〜(3)はいずれ
も芯鞘構造糸で,(2)は芯部2に,また,(3)は鞘
部4にそれぞれセラミツク微粒子を均一に含有せしめた
状態,(4)は断面の3箇所6に含有せしめた状態,
(5)は分割糸で,16分割のうち8分割部8に含有せ
しめた状態,(6)は3層構造糸で,中層部10に含有
せしめた状態,(7)はサイド・バイ・サイド糸の中央
部12に含有せしめた状態,(8)は海島構造糸の島部
14に含有せしめた状態を示す。
【0012】これらの各断面構造の繊維のうち,(1)
に示す繊維は,その断面の全面にセラミツク微粒子を含
有しているので,ある程度強力的に低い水準の繊維とな
るのは止むを得ないが,この点(2)〜(8)に示す繊
維は,それぞれセラミツク微粒子を含有していない部分
3,5,7,9,11,13,15を有しているので,
その程度に応じてセラミツク微粒子を含有することによ
る強度低下が軽減される利点を有している。また,
(2),(6),(8)に示す繊維は,セラミツク微粒
子を含有している部分2,10,14がそれぞれ繊維の
内部にあって表面に露出していないので,繊維の製造時
や織編物の製造時に繊維中のセラミツク微粒子が紡糸機
や織機,編機のローラーやガイド等を摩擦によって損傷
したりすることがないという利点も有している。
(4),(5),(7)の繊維は,セラミツク微粒子を
含有している部分6,8,12がそれぞれ繊維の表面に
露出しているとはいえ,露出の程度が(1)に示す繊維
よりはるかに少ないので,その程度に応じて上記摩擦損
傷の問題も低減される。 (2)〜(8)に示す繊維では,セラミツク微粒子を含
有している部分とそうでない部分が異種のポリマーであ
ってもいっこうに差し支えない。
【0013】繊維へのセラミツク微粒子の含有は,
(1)〜(8)の形状のほかにも種々の形状で可能であ
る。本発明の布帛は,上記セラミツク微粒子を含有する
繊維による織物,編物,不織布をいい,該セラミツク含
有の異種繊維またはセラミツクを含有しない繊維との混
繊,混紡,混編,交織,交編等によるものでもよい。本
発明の布帛は,そのまま,あるいは染色,樹脂加工して
用いられる。本発明は,以上の構成よりなるものであ
り,本発明によれば,優れた涼感性を有する繊維および
布帛を得ることができる。
【0014】
【作 用】何故に本発明の繊維および布帛が高度の涼感
性を有するのか,本発明者らはその理由について次のよ
うに考えている。本発明の涼感性を有する繊維および布
帛は,繊維内部にチタン酸アルカリ金属またはチタン酸
アルカリ土金属よりなるセラミツク微粒子を含有せしめ
たものであり,本セラミツクは,隠蔽力が強く,かつ太
陽光中の可視光線や近赤外線を反射する性質を有してい
る。上記性質を有する物質として,従来から酸化チタン
や硫化亜鉛等が用いられてきたが,酸化チタンや硫化亜
鉛は無定形粒子であり,これらを繊維内部に含有せしめ
ると,太陽光中の可視光線や近赤外線を乱反射し,繊維
自身が昇温する結果,優れた涼感性は得られないが,本
発明で用いるチタン酸アルカリ金属またはチタン酸アル
カリ土金属よりなるセラミツク微粒子は,繊維状または
板状粒子であり,これを繊維内部に含有せしめると,本
セラミツク微粒子の長さ方向が繊維の糸方向に一致して
配列するため,太陽光の乱反射が少なく,セラミツク自
身が有する反射性能を損なわない結果,高度な涼感性を
発揮するようになる。
【0015】
【実施例】以下,実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが,実施例における繊維布帛の性能の測定評
価は,次の方法で行った。 (1)衣服温度 温度30℃,湿度60%の恒温恒湿の室内に,エネルギ
ー源として中心波長1μmの写真用100W白色光源を
用い,繊維布帛の表面に白色光源を照射して,30分照
射後の繊維布帛の裏面温度をサーモビユア(赤外線セン
サー,日本電子株式会社製品)にて測定した。 (2)衣服内温度 温度30℃,湿度60%の恒温恒湿の室内に図2に側断
面図で示すごとき温度測定装置を設置し,エネルギー源
として中心波長1μmの写真用100W白色光源16を
用いて,光源16から60cmの位置にある被測定繊維布
帛17の表面に白色光を10分間照射した時点で,布帛
17の裏面から5mm離れた位置にあり,黒色ポリエステ
ル織物19の手前にある温度センサー18によって温度
を測定し,繊維布帛17の光遮蔽性を評価した。
【0016】実施例1 m−クレゾール溶媒中で,濃度0.5g/デシリツトル,
温度20℃にて測定した相対粘度2.6の6ナイロン95
重量部と,長さ方向の最大粒子径が20μm,厚み方向
の最大粒子径が0.3μmのNa2Ti6O13 微粒子5重量部と
を溶融混合したものを芯成分とし,Na2Ti6O13 微粒子を
添加しない同じ6ナイロンを鞘成分として,芯/鞘重量
比が70/30の同心円型芯鞘複合繊維を溶融紡糸し
た。この際,紡糸温度を250℃とし,1500m/分
の速度で引き取り,続いて,延伸温度85℃,延伸倍率
2.6倍,熱処理温度165℃にて延伸,熱処理し,本発
明のマルチフイラメント糸70d/24fを得た。
【0017】得られたフイラメント糸を経糸,緯糸に用
いて,経糸密度115本/吋,緯糸密度90本/吋の平
織物を製織した。この生機を常法により精練,プレセツ
ト後,Suminol Fast Yellow 2GP ( 住友化学株式会社
製,酸性染料)1%owf にて黄色に染色し,本発明の涼
感性を有する布帛を得た。
【0018】本発明との比較のため,本実施例において
鞘成分として用いた6ナイロンを芯成分および鞘成分の
両方に用いるほかは,本実施例1と全く同一の方法によ
り比較用の布帛(比較例1とする)を得た。
【0019】また,本実施例1においてNa2Ti6O13 微粒
子に代えて最大粒径1.2μmの酸化チタン微粒子を使用
するほかは,本実施例と全く同一の方法により比較用の
布帛(比較例2とする)を得た。
【0020】上述のごとくして得られた本発明および比
較用の布帛の性能を測定し,その結果を併せて表1に示
した。
【表1】
【0021】表1から明らかなごとく,本発明の布帛
は,衣服温度,衣服内温度ともに光による昇温が少な
く,優れた涼感性を有していることがわかる。
【0022】実施例2 フエノールとテトラクロロエタンの等重量混合溶媒中
で,濃度0.5g/デシリツトル,温度25℃にて測定し
た相対粘度1.38のポリエチレンテレフタレート92重
量部と,長さ方向の最大粒子径が25μm,厚み方向の
最大粒子径が0.5μmのK2Ti4O9 微粒子5重量部と,長
さ方向の最大粒子径が10μm,厚み方向の最大粒子径
が0.2μmのMgTiO3微粒子3重量部とを溶融混合したも
のを芯成分とし,K2Ti4O9 微粒子とMgTiO3微粒子を添加
しない同じポリエチレンテレフタレートを鞘成分とし
て,芯/鞘重量比が60/40の同心円型芯鞘複合繊維
を溶融紡糸した。この際,紡糸温度を260℃とし,3
000m/分の速度で引き取り,続いて,延伸温度12
0℃,延伸倍率1.5倍,熱処理温度160℃にて延伸,
熱処理し,本発明のマルチフイラメント糸75d/24
fを得た。
【0023】得られたフイラメント糸を経糸,緯糸に用
いて,経糸密度120本/吋,緯糸密度90本/吋の平
織物を製織した。この生機を常法により精練,プレセツ
ト後,Kayalon Polyester Blue 2R-SE(日本化薬株式会
社製,分散染料)2%owf にて青色に染色し,本発明の
涼感性を有する布帛を得た。
【0024】本発明との比較のため,本実施例において
鞘成分として用いたポリエチレンテレフタレートを芯成
分および鞘成分の両方に用いるほかは,本実施例と全く
同一の方法により比較用の布帛(比較例3とする)を得
た。
【0025】上述のごとくして得られた本発明および比
較用の布帛の性能を測定し,その結果を併せて表2に示
した。
【表2】
【0026】表2から明らかなごとく,本発明の布帛
は,優れた涼感性を有していることがわかる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば,太陽光直射下で衣服温
度,衣服内温度の昇温を抑える涼感性の良好な繊維およ
び布帛を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(1)〜(8)のいずれも,本発明のセラミツ
ク微粒子を含有する繊維の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の涼感繊維布帛の衣服内温度を測定する
装置の要部の側断面図である。
【符号の説明】 1 セラミツク微粒子を含有している部分 2 セラミツク微粒子を含有している部分 3 セラミツク微粒子を含有していない部分 4 セラミツク微粒子を含有している部分 5 セラミツク微粒子を含有していない部分 16 写真用100W白色光源 17 本発明の繊維布帛 18 温度センサー 19 黒色染色ポリエステル織物(経糸,緯糸ともに7
5d/36f,経糸密度110本/吋,緯糸密度80本
/吋) 20 20mm厚の発泡ポリスチレン(断熱材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D03D 15/00 E 7199−3B

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン酸アルカリ金属またはチタン酸ア
    ルカリ土金属のうちの少なくとも1種のセラミツク微粒
    子を含有してなる涼感性を有する繊維。
  2. 【請求項2】 チタン酸アルカリ金属またはチタン酸ア
    ルカリ土金属のうちの少なくとも1種のセラミツク微粒
    子を含有する繊維から構成されてなることを特徴とする
    涼感性を有する布帛。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114990716A (zh) * 2022-06-02 2022-09-02 青岛新维纺织研究院有限公司 一种凉感纤维及其制备方法
CN116043345A (zh) * 2022-12-08 2023-05-02 西纺新材料科技(诸暨)有限公司 冰凉锦纶纱丕纱生产设备

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CN116043345A (zh) * 2022-12-08 2023-05-02 西纺新材料科技(诸暨)有限公司 冰凉锦纶纱丕纱生产设备

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