JPH0559998B2 - - Google Patents
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- JPH0559998B2 JPH0559998B2 JP20798787A JP20798787A JPH0559998B2 JP H0559998 B2 JPH0559998 B2 JP H0559998B2 JP 20798787 A JP20798787 A JP 20798787A JP 20798787 A JP20798787 A JP 20798787A JP H0559998 B2 JPH0559998 B2 JP H0559998B2
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- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Description
産業上の利用分野
この発明は自動車のボデイパネル等に使用され
る塗装用のAl合金板に関し、特に塗装前処理と
してアルカリ脱脂処理を施したAl合金板に関す
るものである。 従来の技術 従来一般に自動車のボデイパネルとしては鋼板
を用いるのが通常であつたが、最近では寒冷地に
おける凍結防止剤散布による腐食防止のための耐
食性向上の要求や燃費向上のための軽量化の要求
がますます強くなつてきており、そこで例えば
ZnめつきやZn合金めつき等の金属めつきを施し
た表面処理鋼板や、薄くて強度の高い高張力鋼板
を自動車のボデイパネルに適用することなどが進
められている。しかしながら鋼を素材としている
限りは、耐食性向上や軽量化も限界があるのが実
情である。 そこで鋼板に代えて、鋼よりも材料特性として
耐食性が優れかつ軽量であるアルミニウム合金を
自動車用ボデイパネル等に適用することが考えら
れ、一部では実用化も開始されている。 ところで自動車のボデイパネルは塗装を施して
用いるのが通常であり、アルミニウム合金板をボ
デイパネルに使用する場合、先ず前処理として板
表面に付着している圧延油や油脂類を除去するた
めに脱脂処理を行ない、次いで水洗した後塗膜の
下地に対する密着性向上および塗装下地の耐食性
向上のために化成処理を行なつて化成皮膜を生成
させ、その後電着塗装を行ない、さらに中塗り塗
装および仕上塗り塗装を施すのが一般的である。
ここで、従来アルミニウム合金板の脱脂処理には
アルカリ脱脂処理液としてケイ酸ソーダ(Na2
SiO3)を用いるのが一般的であり、また化成処
理としてはクロメート処理および/またはリン酸
亜鉛処理を施して化成皮膜を生成するのが一般的
である。 発明が解決すべき問題点 アルミニウム合金はそれ自体で鋼よりも耐食性
が優れており、したがつて塗装を施した板として
もアルミニウム合金塗装板は鋼板塗装板より耐食
性が優れてはいるが、自動車用ボデイパネルとし
て考慮した場合、アルミニウム合金塗装板は未だ
満足できる程度に耐食性が優れているとは言えな
かつた。すなわち、自動車ボデイパネルとして使
用した場合、凍結防止剤が散布された道路や海浜
地区など極めて苛酷な腐食環境下で長時間使用す
れば、アルミニウム合金塗装板であつても糸錆が
発生し易く、特に美的外観が強く求められる自動
車用ボデイパネルとしては未だ耐食性が充分とは
言えなかつたのたが実情でる。 そこでアルミニウム合金塗装板の耐食性、特に
耐糸錆性の向上を図る技術の開発が強く求められ
ており、素材であるアルミニウム合金の成分面で
の改良や塗装下地皮膜である化成皮膜についての
改良、あるいは塗装技術、塗料の改良などが試み
られてはいるが、いずれもその効果に限界があつ
た。 ところで塗装前処理としての脱脂処理は、従来
は要はアルミニウム合金板表面に付着している防
錆油や圧延油等の油脂類さえ除去できれば良いと
考えられ、表面の油脂類が完全に除去れるような
脱脂処理であれば、塗装板の耐食性を劣化させる
要因は脱脂処理には特に存在しないと考えられて
いた。しかしながら本発明者等がアルミニウム合
金板の脱脂処理について詳細に実験・検討を重ね
たところ、脱脂処理直後の板の表面状況が塗装板
における糸錆の発生に大きく影響していることを
見出し、この発明をなすに至つたのである。 したがつてこの発明は、自動車のボデイパネル
等に使用される塗装板とした状態で優れた耐糸錆
性を示すことが可能な、塗装用アルミニウム合金
脱脂処理板を提供することを目的とするものであ
る。 問題点を解決するための手段 この発明の塗装用アルミニウム合金脱脂処理板
は、アルカリ脱脂処理が施された塗装用Al合金
板であつてかつ表面に残存するケイ酸塩がSiO2
換算で50mg/m2以下であることを特徴とするもの
である。 作 用 先ずアルミニウム合金塗装板における耐糸錆性
と、脱脂処理後のアルミニウム合金板の表面状況
との関係について、本発明者等が新規に見出した
知見について説明する。 既に述べたように従来のアルミニウム合金板の
脱脂処理にはアルカリ脱脂処理剤としてケイ酸ソ
ーダを用いているが、この場合脱脂処理中に処理
剤から由来するケイ酸塩(xSiO2・yM2Oであら
わされるもの:x、yは整数、MはNa、K等の
金属)が板表面に生成されたり、吸着されたりし
て、脱脂処理後にも相当量のケイ酸塩が板表面に
残存付着していることが知見された。一方、ケイ
酸ソーダによる脱脂処理後、化成処理を施してか
ら電着塗装、中塗り塗装、上塗り塗装を施したア
ルミニウム合金塗装板について、耐糸錆性を評価
し、脱脂処理後の板表面のケイ酸塩残存付着量と
塗装板での耐糸錆性との関係を調べたところ、脱
脂処理後のケイ酸塩残存付着量が多いほど耐糸錆
性が低下し、特にケイ酸塩の付着量がSiO2に換
算して片面当り50mg/m2を越えると耐糸錆性が劣
ることを新規に見出した。このことから、脱脂処
理後のアルミニウム合金板表面におけるケイ酸塩
残存量がSiO2換算で片面当り50mg/m2以下とな
るようなアルカリ脱脂処理を行なうことによつて
塗装板における耐糸錆性の向上を図り得ることを
見出し、この発明の完成に至つたのである。 上述のようにアルカリ脱脂処理後の板表面のケ
イ酸塩の残存量をSiO2換算で50mg/m2以下とす
ることによつて塗装板での耐糸錆性を向上させ得
る理由は次のように考えられる。 アルミニウム合金板の塗装処理工程において、
脱脂処理後に生成される化成処理皮膜はアルミニ
ウム合金板基材と塗膜との密着性向上に大きな役
割を果たしている。化成処理皮膜が均一にむらな
く緻密に形成されていれば、次工程の電着塗装に
おいて塗膜が均一に高い密着性で生成され、この
場合には塗装板で耐食性が良好となり、糸錆の発
生のおそれは少なくなる。これに対し化成処理皮
膜にむらがあれば、塗膜の密着性が劣る部分が生
じたり塗膜欠陥が生じたりし、このような塗膜の
密着性が劣る部分や塗膜欠陥の部分で糸錆が発生
する。しかるに、化成処理前の脱脂処理板の状態
でアルミニウム合金板の表面にケイ酸塩が多量に
残存付着していればそのケイ酸塩に阻害されて次
の化成処理工程において皮膜生成が均一に進行せ
ず、そのためむらのある不均一な化成処理皮膜が
生成されてしまい、これにより塗膜にも密着性の
劣る部分や塗膜欠陥が生じ、その部分で糸錆が発
生し易くなる。脱脂処理後のケイ酸塩付着量が
SiO2換算で50mg/m2以下であれば、化成処理皮
膜をほぼ均一にむらなく生成させることができ、
そのため塗膜の密着性も均一かつ良好でまた塗膜
欠陥も少なくなり、糸錆発生のおそれが少なくな
るものである。 なおアルミニウム合金板に対する脱脂処理剤と
しては、Alが両性であるところから、酸性のも
の、アルカリ性のものの両者いずれも適用可能と
考えられるが、この発明ではアルカリ脱脂を行な
うものとする。すなわち、アルカリ性処理剤は、
材料表面に存在する防錆油や圧延油等の油脂類を
ケン化によつて除去するだけではなく、表面の酸
化物層や油焼付層、その他の汚染層をエツチング
溶解によつて除去し、アルミニウム合金板表面に
活性な面を露呈させて、次工程で化成処理皮膜を
均一にむらなく生成させ、ひいては塗膜の密着性
を均一かつ良好にして、糸錆発生を防止するに寄
与する。また、アルカリ性の脱脂処理液を用いた
場合には溶解エツチングにより表面の微細な凹凸
が生じ、この凹凸は、表面積を増加させるととも
に後工程の電着塗装でのアンカー効果を担う役割
を果たし、したがつてこのことも塗膜の密着性の
向上、ひいては耐糸錆性向上に寄与する。 但し、既に述べたようにアルカリ脱脂処理であ
つても脱脂後の表面のケイ酸塩残存量が多いよう
な脱脂処理では、そのケイ酸塩が均一な化成処理
皮膜の生成に悪影響を及ぼすから、ケイ酸塩残存
量はSiO2換算で50mg/m2以下に規制しなければ
ならない。ここで前述のようにアルカリ脱脂処理
によりエツチング溶解させることと、脱脂処理後
のケイ酸塩残存量を少量に規制することとは相互
に関連している。すなわち、ケイ酸塩残留付着量
が多いような脱脂処理では、その脱脂処理中も表
面のケイ酸塩によつてエツチング溶解の進行が阻
害され、エツチング溶解による活性な面や凹凸が
生じにくくなり、活性な面や凹凸による耐糸錆性
向上効果が得られにくくなるが、ケイ酸塩残留付
着量が50mg/m2以下と少量となるような脱脂処理
であれば、エツチング溶解が進行し、活性な面お
よび凹凸が得られ、前述のような耐糸錆性向上効
果が得られるようになるのである。 第1図および第2図に、Al−Mg系アルミニウ
ム合金であるJIS 5182合金、およびAl−Mg−Si
系アルミニウム合金であるJIS 6061合金につい
て、脱脂処理後にケイ酸塩が多量に残存するよう
な脱脂処理を行なつた場合、すなわち脱脂処理剤
としてケイ酸ソーダ系処理剤を用いた場合と、脱
脂処理後にケイ酸塩がほとんど残らないような脱
脂処理を行なつた場合、すなわち脱脂処理剤とし
てリン酸ソーダ系処理剤を用いた場合とについ
て、板表面のエツチング溶解量を処理時間を関数
として示す。なおここでケイ酸ソーダ系処理剤と
しては、ケイ酸ナトリウムを30%含有する液温45
℃のものを用い、リン酸ソーダ系処理剤としては
リン酸ナトリウムを2%含有する液温70℃のもの
を用いた。 第1図、第2図に示したようにケイ酸ソーダ系
処理剤を用いた場合は、処理時間を長くしてもエ
ツチング溶解は極めてわずかしか進行しなかつた
のに対し、リン酸ソーダ系処理剤を用いた場合は
処理時間が長くなるに従つてエツチング溶解量は
著しく多くなつている。ちなみに、ケイ酸ソーダ
系処理剤を用いた場合に板表面に残留するケイ酸
塩残留量は(SiO2換算)は、後述する実施例に
も示しているように、通常60mg/m2〜数100mg/
m2であり、一方リン酸塩系処理剤を用いた場合は
10mg/m2程度以下であり、このことからも、ケイ
酸塩皮膜のエツチング溶解に対する影響が大きい
ことが明らかでる。 なお既に述べたようにこの発明の場合はアルカ
リ脱脂処理後の板表面のケイ酸塩残留量が50mg/
m2以下であれば、塗装板において良好な耐糸錆性
が得られるが、別に本発明者等が脱脂処理でのエ
ツチング溶解量と塗装板における糸錆性との関係
について調べたところ、エツチング溶解量(平
均)が、0.05μm以上であれば塗装板において優
れた耐糸錆性が得られることが判明している。 発明の実施のための具体的な説明 この発明において対象となるアルミニウム合金
の種類は特に問わず、全てのアルミニウム合金に
適用可能であるが、自動車用ボデイパネル等に適
用されることが考えられるAl−Mg系合金(JIS
5000番系合金)およびAl−Mg−Si系合金(JIS
6000番系合金)のうちでは、特にAl−Mg−Si系
合金の場合にケイ酸塩残留による耐糸錆性の低下
が顕著であり、したがつてAl−Mg−Si系合金の
場合が最もこの発明で有効となる。 アルカリ脱脂処理は、要は脱脂処理後の板表面
のケイ酸塩残留量がSiO2換算で50mg/m2以下と
なるように行えば良く、そのためにはアルカリ脱
脂処理液として、ケイ酸を実質的に含まないよう
なものを用いれば良い。具体的には、リン酸ナト
リウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、硫酸ナトリウ
ム(Na2SO4・10H2O)、セスキ硫酸ナトリウム
(Na2CO3・NaHCO3・2H2O)、あるいはそれら
の2種類以上を含有するものを処理液として用い
れば良い。なおケイ酸ソーダ以外の処理液を用い
た場合でも、希釈のための工業用水には若干の
SiO2が含まれているのが通常であり、したがつ
てその場合でも処理後の表面にはわずかにケイ酸
塩が残留することが多いが、既に述べたようにそ
の量がSiO2換算で50mg/m2以下であれば支障は
ない。但し多量のSiO2を含む水を希釈水として
使用することは避けるべきである。 アルカリ脱脂処理における処理液のPHは8以上
であれば良く、またその濃度も特に限定はしない
が、通常は1〜3%の濃度で使用することが望ま
しい。 なおこの発明による脱脂処理板について実際に
塗装を施すにあたつては、上述のような脱脂処理
を行なつた後、水洗し、次いでクロメート処理お
よび/またはリン酸亜鉛処理によつて化成処理を
施し、さらに水洗した後、電着塗装を行ない、さ
らに必要に応じて1層または2層以上の焼付け塗
装を行なうのが通常である。 実施例 Al−Mg系合金であるJIS 5182合金、およびAl
−Mg−Si系合金であるJIS 6061合金の試験片に
ついて、第1表に示すような種々の条件でアルカ
リ脱脂処理を行なつた。脱脂処理後、水洗し、さ
らに化成処理としてクロメート処理を施し、次い
で水洗および純水洗を行なつた後、エポキシ樹脂
のカチオン電着塗装(180℃×20分)を厚さ20μm
で行ない、さらに中塗り塗装としてメラミンアル
キド樹脂の焼付塗装(140℃×30分)を厚さ35μm
で行ない、その後上塗り塗装としてメラミンアル
キド樹脂の焼付塗装(140℃×30分)を厚さ35μm
で行なつた。 このようにして得られた塗装試験片について次
のような条件の試験を行ない、耐糸錆性の評価を
行なつた。 すなわち先ず塗膜にクロスカツトを入れて、
JIS Z2371に準拠した塩水噴霧試験を24時間行な
い、続いて湿潤試験として、温度25℃、湿度85%
RHの湿潤雰囲気に42日間放置し、表面に発生し
た糸錆の長さにより耐糸錆性を評価した。その結
果を第1表に示す。なおここで、耐糸錆性評価
は、糸錆の長さが1.0mm以下では良好として◎印、
1.0〜2.0mmでやや良好として○印、2.0〜4.0mmで
やや不良として△印、4mm以上で不良として×印
を付した。
る塗装用のAl合金板に関し、特に塗装前処理と
してアルカリ脱脂処理を施したAl合金板に関す
るものである。 従来の技術 従来一般に自動車のボデイパネルとしては鋼板
を用いるのが通常であつたが、最近では寒冷地に
おける凍結防止剤散布による腐食防止のための耐
食性向上の要求や燃費向上のための軽量化の要求
がますます強くなつてきており、そこで例えば
ZnめつきやZn合金めつき等の金属めつきを施し
た表面処理鋼板や、薄くて強度の高い高張力鋼板
を自動車のボデイパネルに適用することなどが進
められている。しかしながら鋼を素材としている
限りは、耐食性向上や軽量化も限界があるのが実
情である。 そこで鋼板に代えて、鋼よりも材料特性として
耐食性が優れかつ軽量であるアルミニウム合金を
自動車用ボデイパネル等に適用することが考えら
れ、一部では実用化も開始されている。 ところで自動車のボデイパネルは塗装を施して
用いるのが通常であり、アルミニウム合金板をボ
デイパネルに使用する場合、先ず前処理として板
表面に付着している圧延油や油脂類を除去するた
めに脱脂処理を行ない、次いで水洗した後塗膜の
下地に対する密着性向上および塗装下地の耐食性
向上のために化成処理を行なつて化成皮膜を生成
させ、その後電着塗装を行ない、さらに中塗り塗
装および仕上塗り塗装を施すのが一般的である。
ここで、従来アルミニウム合金板の脱脂処理には
アルカリ脱脂処理液としてケイ酸ソーダ(Na2
SiO3)を用いるのが一般的であり、また化成処
理としてはクロメート処理および/またはリン酸
亜鉛処理を施して化成皮膜を生成するのが一般的
である。 発明が解決すべき問題点 アルミニウム合金はそれ自体で鋼よりも耐食性
が優れており、したがつて塗装を施した板として
もアルミニウム合金塗装板は鋼板塗装板より耐食
性が優れてはいるが、自動車用ボデイパネルとし
て考慮した場合、アルミニウム合金塗装板は未だ
満足できる程度に耐食性が優れているとは言えな
かつた。すなわち、自動車ボデイパネルとして使
用した場合、凍結防止剤が散布された道路や海浜
地区など極めて苛酷な腐食環境下で長時間使用す
れば、アルミニウム合金塗装板であつても糸錆が
発生し易く、特に美的外観が強く求められる自動
車用ボデイパネルとしては未だ耐食性が充分とは
言えなかつたのたが実情でる。 そこでアルミニウム合金塗装板の耐食性、特に
耐糸錆性の向上を図る技術の開発が強く求められ
ており、素材であるアルミニウム合金の成分面で
の改良や塗装下地皮膜である化成皮膜についての
改良、あるいは塗装技術、塗料の改良などが試み
られてはいるが、いずれもその効果に限界があつ
た。 ところで塗装前処理としての脱脂処理は、従来
は要はアルミニウム合金板表面に付着している防
錆油や圧延油等の油脂類さえ除去できれば良いと
考えられ、表面の油脂類が完全に除去れるような
脱脂処理であれば、塗装板の耐食性を劣化させる
要因は脱脂処理には特に存在しないと考えられて
いた。しかしながら本発明者等がアルミニウム合
金板の脱脂処理について詳細に実験・検討を重ね
たところ、脱脂処理直後の板の表面状況が塗装板
における糸錆の発生に大きく影響していることを
見出し、この発明をなすに至つたのである。 したがつてこの発明は、自動車のボデイパネル
等に使用される塗装板とした状態で優れた耐糸錆
性を示すことが可能な、塗装用アルミニウム合金
脱脂処理板を提供することを目的とするものであ
る。 問題点を解決するための手段 この発明の塗装用アルミニウム合金脱脂処理板
は、アルカリ脱脂処理が施された塗装用Al合金
板であつてかつ表面に残存するケイ酸塩がSiO2
換算で50mg/m2以下であることを特徴とするもの
である。 作 用 先ずアルミニウム合金塗装板における耐糸錆性
と、脱脂処理後のアルミニウム合金板の表面状況
との関係について、本発明者等が新規に見出した
知見について説明する。 既に述べたように従来のアルミニウム合金板の
脱脂処理にはアルカリ脱脂処理剤としてケイ酸ソ
ーダを用いているが、この場合脱脂処理中に処理
剤から由来するケイ酸塩(xSiO2・yM2Oであら
わされるもの:x、yは整数、MはNa、K等の
金属)が板表面に生成されたり、吸着されたりし
て、脱脂処理後にも相当量のケイ酸塩が板表面に
残存付着していることが知見された。一方、ケイ
酸ソーダによる脱脂処理後、化成処理を施してか
ら電着塗装、中塗り塗装、上塗り塗装を施したア
ルミニウム合金塗装板について、耐糸錆性を評価
し、脱脂処理後の板表面のケイ酸塩残存付着量と
塗装板での耐糸錆性との関係を調べたところ、脱
脂処理後のケイ酸塩残存付着量が多いほど耐糸錆
性が低下し、特にケイ酸塩の付着量がSiO2に換
算して片面当り50mg/m2を越えると耐糸錆性が劣
ることを新規に見出した。このことから、脱脂処
理後のアルミニウム合金板表面におけるケイ酸塩
残存量がSiO2換算で片面当り50mg/m2以下とな
るようなアルカリ脱脂処理を行なうことによつて
塗装板における耐糸錆性の向上を図り得ることを
見出し、この発明の完成に至つたのである。 上述のようにアルカリ脱脂処理後の板表面のケ
イ酸塩の残存量をSiO2換算で50mg/m2以下とす
ることによつて塗装板での耐糸錆性を向上させ得
る理由は次のように考えられる。 アルミニウム合金板の塗装処理工程において、
脱脂処理後に生成される化成処理皮膜はアルミニ
ウム合金板基材と塗膜との密着性向上に大きな役
割を果たしている。化成処理皮膜が均一にむらな
く緻密に形成されていれば、次工程の電着塗装に
おいて塗膜が均一に高い密着性で生成され、この
場合には塗装板で耐食性が良好となり、糸錆の発
生のおそれは少なくなる。これに対し化成処理皮
膜にむらがあれば、塗膜の密着性が劣る部分が生
じたり塗膜欠陥が生じたりし、このような塗膜の
密着性が劣る部分や塗膜欠陥の部分で糸錆が発生
する。しかるに、化成処理前の脱脂処理板の状態
でアルミニウム合金板の表面にケイ酸塩が多量に
残存付着していればそのケイ酸塩に阻害されて次
の化成処理工程において皮膜生成が均一に進行せ
ず、そのためむらのある不均一な化成処理皮膜が
生成されてしまい、これにより塗膜にも密着性の
劣る部分や塗膜欠陥が生じ、その部分で糸錆が発
生し易くなる。脱脂処理後のケイ酸塩付着量が
SiO2換算で50mg/m2以下であれば、化成処理皮
膜をほぼ均一にむらなく生成させることができ、
そのため塗膜の密着性も均一かつ良好でまた塗膜
欠陥も少なくなり、糸錆発生のおそれが少なくな
るものである。 なおアルミニウム合金板に対する脱脂処理剤と
しては、Alが両性であるところから、酸性のも
の、アルカリ性のものの両者いずれも適用可能と
考えられるが、この発明ではアルカリ脱脂を行な
うものとする。すなわち、アルカリ性処理剤は、
材料表面に存在する防錆油や圧延油等の油脂類を
ケン化によつて除去するだけではなく、表面の酸
化物層や油焼付層、その他の汚染層をエツチング
溶解によつて除去し、アルミニウム合金板表面に
活性な面を露呈させて、次工程で化成処理皮膜を
均一にむらなく生成させ、ひいては塗膜の密着性
を均一かつ良好にして、糸錆発生を防止するに寄
与する。また、アルカリ性の脱脂処理液を用いた
場合には溶解エツチングにより表面の微細な凹凸
が生じ、この凹凸は、表面積を増加させるととも
に後工程の電着塗装でのアンカー効果を担う役割
を果たし、したがつてこのことも塗膜の密着性の
向上、ひいては耐糸錆性向上に寄与する。 但し、既に述べたようにアルカリ脱脂処理であ
つても脱脂後の表面のケイ酸塩残存量が多いよう
な脱脂処理では、そのケイ酸塩が均一な化成処理
皮膜の生成に悪影響を及ぼすから、ケイ酸塩残存
量はSiO2換算で50mg/m2以下に規制しなければ
ならない。ここで前述のようにアルカリ脱脂処理
によりエツチング溶解させることと、脱脂処理後
のケイ酸塩残存量を少量に規制することとは相互
に関連している。すなわち、ケイ酸塩残留付着量
が多いような脱脂処理では、その脱脂処理中も表
面のケイ酸塩によつてエツチング溶解の進行が阻
害され、エツチング溶解による活性な面や凹凸が
生じにくくなり、活性な面や凹凸による耐糸錆性
向上効果が得られにくくなるが、ケイ酸塩残留付
着量が50mg/m2以下と少量となるような脱脂処理
であれば、エツチング溶解が進行し、活性な面お
よび凹凸が得られ、前述のような耐糸錆性向上効
果が得られるようになるのである。 第1図および第2図に、Al−Mg系アルミニウ
ム合金であるJIS 5182合金、およびAl−Mg−Si
系アルミニウム合金であるJIS 6061合金につい
て、脱脂処理後にケイ酸塩が多量に残存するよう
な脱脂処理を行なつた場合、すなわち脱脂処理剤
としてケイ酸ソーダ系処理剤を用いた場合と、脱
脂処理後にケイ酸塩がほとんど残らないような脱
脂処理を行なつた場合、すなわち脱脂処理剤とし
てリン酸ソーダ系処理剤を用いた場合とについ
て、板表面のエツチング溶解量を処理時間を関数
として示す。なおここでケイ酸ソーダ系処理剤と
しては、ケイ酸ナトリウムを30%含有する液温45
℃のものを用い、リン酸ソーダ系処理剤としては
リン酸ナトリウムを2%含有する液温70℃のもの
を用いた。 第1図、第2図に示したようにケイ酸ソーダ系
処理剤を用いた場合は、処理時間を長くしてもエ
ツチング溶解は極めてわずかしか進行しなかつた
のに対し、リン酸ソーダ系処理剤を用いた場合は
処理時間が長くなるに従つてエツチング溶解量は
著しく多くなつている。ちなみに、ケイ酸ソーダ
系処理剤を用いた場合に板表面に残留するケイ酸
塩残留量は(SiO2換算)は、後述する実施例に
も示しているように、通常60mg/m2〜数100mg/
m2であり、一方リン酸塩系処理剤を用いた場合は
10mg/m2程度以下であり、このことからも、ケイ
酸塩皮膜のエツチング溶解に対する影響が大きい
ことが明らかでる。 なお既に述べたようにこの発明の場合はアルカ
リ脱脂処理後の板表面のケイ酸塩残留量が50mg/
m2以下であれば、塗装板において良好な耐糸錆性
が得られるが、別に本発明者等が脱脂処理でのエ
ツチング溶解量と塗装板における糸錆性との関係
について調べたところ、エツチング溶解量(平
均)が、0.05μm以上であれば塗装板において優
れた耐糸錆性が得られることが判明している。 発明の実施のための具体的な説明 この発明において対象となるアルミニウム合金
の種類は特に問わず、全てのアルミニウム合金に
適用可能であるが、自動車用ボデイパネル等に適
用されることが考えられるAl−Mg系合金(JIS
5000番系合金)およびAl−Mg−Si系合金(JIS
6000番系合金)のうちでは、特にAl−Mg−Si系
合金の場合にケイ酸塩残留による耐糸錆性の低下
が顕著であり、したがつてAl−Mg−Si系合金の
場合が最もこの発明で有効となる。 アルカリ脱脂処理は、要は脱脂処理後の板表面
のケイ酸塩残留量がSiO2換算で50mg/m2以下と
なるように行えば良く、そのためにはアルカリ脱
脂処理液として、ケイ酸を実質的に含まないよう
なものを用いれば良い。具体的には、リン酸ナト
リウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、硫酸ナトリウ
ム(Na2SO4・10H2O)、セスキ硫酸ナトリウム
(Na2CO3・NaHCO3・2H2O)、あるいはそれら
の2種類以上を含有するものを処理液として用い
れば良い。なおケイ酸ソーダ以外の処理液を用い
た場合でも、希釈のための工業用水には若干の
SiO2が含まれているのが通常であり、したがつ
てその場合でも処理後の表面にはわずかにケイ酸
塩が残留することが多いが、既に述べたようにそ
の量がSiO2換算で50mg/m2以下であれば支障は
ない。但し多量のSiO2を含む水を希釈水として
使用することは避けるべきである。 アルカリ脱脂処理における処理液のPHは8以上
であれば良く、またその濃度も特に限定はしない
が、通常は1〜3%の濃度で使用することが望ま
しい。 なおこの発明による脱脂処理板について実際に
塗装を施すにあたつては、上述のような脱脂処理
を行なつた後、水洗し、次いでクロメート処理お
よび/またはリン酸亜鉛処理によつて化成処理を
施し、さらに水洗した後、電着塗装を行ない、さ
らに必要に応じて1層または2層以上の焼付け塗
装を行なうのが通常である。 実施例 Al−Mg系合金であるJIS 5182合金、およびAl
−Mg−Si系合金であるJIS 6061合金の試験片に
ついて、第1表に示すような種々の条件でアルカ
リ脱脂処理を行なつた。脱脂処理後、水洗し、さ
らに化成処理としてクロメート処理を施し、次い
で水洗および純水洗を行なつた後、エポキシ樹脂
のカチオン電着塗装(180℃×20分)を厚さ20μm
で行ない、さらに中塗り塗装としてメラミンアル
キド樹脂の焼付塗装(140℃×30分)を厚さ35μm
で行ない、その後上塗り塗装としてメラミンアル
キド樹脂の焼付塗装(140℃×30分)を厚さ35μm
で行なつた。 このようにして得られた塗装試験片について次
のような条件の試験を行ない、耐糸錆性の評価を
行なつた。 すなわち先ず塗膜にクロスカツトを入れて、
JIS Z2371に準拠した塩水噴霧試験を24時間行な
い、続いて湿潤試験として、温度25℃、湿度85%
RHの湿潤雰囲気に42日間放置し、表面に発生し
た糸錆の長さにより耐糸錆性を評価した。その結
果を第1表に示す。なおここで、耐糸錆性評価
は、糸錆の長さが1.0mm以下では良好として◎印、
1.0〜2.0mmでやや良好として○印、2.0〜4.0mmで
やや不良として△印、4mm以上で不良として×印
を付した。
【表】
【表】
第1表に示されるように、脱脂処理板における
ケイ酸塩の残留量が50mg/m2を越えるNo.13,No.14
の比較例では、特にAl−Mg−Si系合金の場合に
塗装板での耐糸錆性が劣つていた。これに対し脱
脂処理板においけるケイ酸塩の残留量が50mg/m2
以下の本発明例(No.1〜No.12)ではいずれも塗装
板で良好な耐糸錆性を示すことが判明した。 発明の効果 この発明の塗装用脱脂処理板は、アルカリ脱脂
処理後の板表面に残存するケイ酸塩がSiO2換算
で50mg/m2以下のものであり、このようなケイ酸
塩残留量を規制することによつて、塗装板の状態
で著しく優れた耐糸錆性を得ることができる。し
たがつてこの発明の脱脂処理板を用いた塗装板
は、凍結防止剤が散布された道路あるいは海浜地
区の如く苛酷な腐食環境下で長時間使用しても糸
錆発生のおそれが少なく、自動車用ボデイパネル
や各種自動車部品等に使用される塗装板に最適で
ある。
ケイ酸塩の残留量が50mg/m2を越えるNo.13,No.14
の比較例では、特にAl−Mg−Si系合金の場合に
塗装板での耐糸錆性が劣つていた。これに対し脱
脂処理板においけるケイ酸塩の残留量が50mg/m2
以下の本発明例(No.1〜No.12)ではいずれも塗装
板で良好な耐糸錆性を示すことが判明した。 発明の効果 この発明の塗装用脱脂処理板は、アルカリ脱脂
処理後の板表面に残存するケイ酸塩がSiO2換算
で50mg/m2以下のものであり、このようなケイ酸
塩残留量を規制することによつて、塗装板の状態
で著しく優れた耐糸錆性を得ることができる。し
たがつてこの発明の脱脂処理板を用いた塗装板
は、凍結防止剤が散布された道路あるいは海浜地
区の如く苛酷な腐食環境下で長時間使用しても糸
錆発生のおそれが少なく、自動車用ボデイパネル
や各種自動車部品等に使用される塗装板に最適で
ある。
第1図はAl−Mg系合金(JIS 5182合金)につ
いてリン酸ソーダ系処理剤もしくはケイ酸ソーダ
系処理剤を用いて脱脂処理した場合の処理時間と
合金のエツチング溶解量との関係を示すグラフ、
第2図はAl−Mg−Si系合金(JIS 6061合金)に
ついてリン酸ソーダ系処理剤もしくはケイ酸ソー
ダ系処理剤を用いて脱脂処理した場合の処理時間
と合金のエツチング溶解量との関係を示すグラフ
である。
いてリン酸ソーダ系処理剤もしくはケイ酸ソーダ
系処理剤を用いて脱脂処理した場合の処理時間と
合金のエツチング溶解量との関係を示すグラフ、
第2図はAl−Mg−Si系合金(JIS 6061合金)に
ついてリン酸ソーダ系処理剤もしくはケイ酸ソー
ダ系処理剤を用いて脱脂処理した場合の処理時間
と合金のエツチング溶解量との関係を示すグラフ
である。
Claims (1)
- 1 アルカリ脱脂処理が施された塗装用Al合金
板であつてかつ表面に残存するケイ酸塩がSiO2
換算で50mg/m2以下であることを特徴とする塗装
用Al合金脱脂処理板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20798787A JPS6452091A (en) | 1987-08-21 | 1987-08-21 | Degreased al alloy sheet for coating |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20798787A JPS6452091A (en) | 1987-08-21 | 1987-08-21 | Degreased al alloy sheet for coating |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6452091A JPS6452091A (en) | 1989-02-28 |
| JPH0559998B2 true JPH0559998B2 (ja) | 1993-09-01 |
Family
ID=16548806
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20798787A Granted JPS6452091A (en) | 1987-08-21 | 1987-08-21 | Degreased al alloy sheet for coating |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6452091A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0715149B2 (ja) * | 1991-10-21 | 1995-02-22 | 新日本製鐵株式会社 | 耐糸▲錆▼性に優れたアルミニウム板 |
| CN104372366B (zh) * | 2014-09-30 | 2017-01-25 | 苏州长盛机电有限公司 | 一种多功能金属表面处理剂及其制备方法 |
-
1987
- 1987-08-21 JP JP20798787A patent/JPS6452091A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6452091A (en) | 1989-02-28 |
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