JPH0562555A - 電気接点材料とその製造方法 - Google Patents
電気接点材料とその製造方法Info
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- JPH0562555A JPH0562555A JP22403491A JP22403491A JPH0562555A JP H0562555 A JPH0562555 A JP H0562555A JP 22403491 A JP22403491 A JP 22403491A JP 22403491 A JP22403491 A JP 22403491A JP H0562555 A JPH0562555 A JP H0562555A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐摩耗性,耐食性,加工性が優れている電気
接点材料を提供する。 【構成】 接点基材と、前記接点基材の表面に形成され
たNiもしくはCoまたは両者の合金から成る下地層
と、前記下地層の表面に形成されたAg−Sn合金層
と、前記Ag−Sn合金層の表面に形成されたPdまた
はPd合金から成る表面層とを備え、前記Ag−Sn合
金層におけるSnの平均濃度は10重量%未満であり、
かつ前記Ag−Sn合金層におけるSnの濃度は前記下
地層との界面から前記Ag−Sn合金層の表層部にかけ
て増大する濃度勾配で変化している電気接点材料。前記
Ag−Sn合金層は下地層の上に形成されたAgめっき
層とSnめっき層の拡散熱処理によって形成される。 【効果】 各めっき層の厚みが薄いので使用Ag量を節
約でき、まためっき法は低廉かつ連続化できるので、全
体としての製造コストは大幅に低減する。表面は、Sn
の平均濃度が10重量%未満のAg−Sn合金層とそれ
を被覆するPdまたはPd合金層なので、耐摩耗性,耐
食性,加工性が優れている。
接点材料を提供する。 【構成】 接点基材と、前記接点基材の表面に形成され
たNiもしくはCoまたは両者の合金から成る下地層
と、前記下地層の表面に形成されたAg−Sn合金層
と、前記Ag−Sn合金層の表面に形成されたPdまた
はPd合金から成る表面層とを備え、前記Ag−Sn合
金層におけるSnの平均濃度は10重量%未満であり、
かつ前記Ag−Sn合金層におけるSnの濃度は前記下
地層との界面から前記Ag−Sn合金層の表層部にかけ
て増大する濃度勾配で変化している電気接点材料。前記
Ag−Sn合金層は下地層の上に形成されたAgめっき
層とSnめっき層の拡散熱処理によって形成される。 【効果】 各めっき層の厚みが薄いので使用Ag量を節
約でき、まためっき法は低廉かつ連続化できるので、全
体としての製造コストは大幅に低減する。表面は、Sn
の平均濃度が10重量%未満のAg−Sn合金層とそれ
を被覆するPdまたはPd合金層なので、耐摩耗性,耐
食性,加工性が優れている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気接点材料とその製造
方法に関し、更に詳しくは、耐摩耗性,耐食性,加工性
が優れている電気接点材料とそれを極めて安価に製造す
る方法に関する。
方法に関し、更に詳しくは、耐摩耗性,耐食性,加工性
が優れている電気接点材料とそれを極めて安価に製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種金属線条の表面をAgまたはAg合
金で被覆して成る材料は、その基材である金属線条が具
備する特性に加えて、AgまたはAg合金が備えている
優れた耐食性,半田付け性,電気接続性などの特性も発
現するので、従来から各種の用途に用いられている。
金で被覆して成る材料は、その基材である金属線条が具
備する特性に加えて、AgまたはAg合金が備えている
優れた耐食性,半田付け性,電気接続性などの特性も発
現するので、従来から各種の用途に用いられている。
【0003】例えば、Cu合金条の表面を厚み0.5〜2
0μmのAg層で被覆して成る材料は、Cu合金の優れ
た機械的特性に加えて、Agが有する優れた耐食性,半
田付け性,電気接続性等も同時に発現する経済的な高性
能導体として知られており、電気・電子機器分野におけ
る接触部品やリードの材料として広く用いられている。
ところで、これら材料のうち、例えばスイッチは固定
接点と可動接点を組合せて構成されているが、これら両
接点の材料には、いずれも、上記したAgまたはAg合
金で基材を被覆した材料が通常用いられている。
0μmのAg層で被覆して成る材料は、Cu合金の優れ
た機械的特性に加えて、Agが有する優れた耐食性,半
田付け性,電気接続性等も同時に発現する経済的な高性
能導体として知られており、電気・電子機器分野におけ
る接触部品やリードの材料として広く用いられている。
ところで、これら材料のうち、例えばスイッチは固定
接点と可動接点を組合せて構成されているが、これら両
接点の材料には、いずれも、上記したAgまたはAg合
金で基材を被覆した材料が通常用いられている。
【0004】この場合、Ag層の厚みが0.2〜5.0μm
のときは、通常、基材にAgを電気めっきしたものが用
いられ、またAg層の厚みが5μm以上の厚みのとき
は、基材とAg箔をクラッドしたものが用いられてい
る。そして、Ag合金層で表面層が構成されている接点
の場合は、通常、Ag合金箔と基材とをクラッドして製
造した材料が用いられている。
のときは、通常、基材にAgを電気めっきしたものが用
いられ、またAg層の厚みが5μm以上の厚みのとき
は、基材とAg箔をクラッドしたものが用いられてい
る。そして、Ag合金層で表面層が構成されている接点
の場合は、通常、Ag合金箔と基材とをクラッドして製
造した材料が用いられている。
【0005】ところで、上記した接点材料のうち、表面
層がAg合金層のものは、Ag層のものに比べて、耐摩
耗性と耐アーク性に優れている。しかし、層の厚みは5
μm以上であるため高価なAg合金の使用量は多くな
り、しかもめっき法で層を成膜することが困難であるた
めクラッド法を適用せざるを得ず、結果として製造コス
トが大幅に上昇するという欠点がある。
層がAg合金層のものは、Ag層のものに比べて、耐摩
耗性と耐アーク性に優れている。しかし、層の厚みは5
μm以上であるため高価なAg合金の使用量は多くな
り、しかもめっき法で層を成膜することが困難であるた
めクラッド法を適用せざるを得ず、結果として製造コス
トが大幅に上昇するという欠点がある。
【0006】この欠点の解決を目的として、例えば、特
公昭54−13215号公報には次のような電気接点材
料が開示されている。すなわち、この接点は、Cuまた
はCu合金から成る基材の上に直接Agめっき層を成膜
し、更にその上にSnめっき層を成膜したのち全体に拡
散処理を施すことにより前記Agめっき層とSnめっき
層を合金化して、上記公報記載の第2図によれば、基材
−Ag層−Ag−Sn合金層の3層構成にしたものであ
る。そして、この場合のAg−Sn合金層におけるSn
濃度は10〜30重量%とされている。
公昭54−13215号公報には次のような電気接点材
料が開示されている。すなわち、この接点は、Cuまた
はCu合金から成る基材の上に直接Agめっき層を成膜
し、更にその上にSnめっき層を成膜したのち全体に拡
散処理を施すことにより前記Agめっき層とSnめっき
層を合金化して、上記公報記載の第2図によれば、基材
−Ag層−Ag−Sn合金層の3層構成にしたものであ
る。そして、この場合のAg−Sn合金層におけるSn
濃度は10〜30重量%とされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した接点材料は、
クラッド法で製造する従来の材料に比べて安価になると
いう利点を備えているが、その反面、Ag−Sn合金層
におけるSn濃度が高すぎるため、その合金層は硬くて
脆性であり、例えば曲げ加工を施したときにクラックな
どが生じやすく、また、耐硫化性もAg単独の場合に比
べて劣化するという問題がある。
クラッド法で製造する従来の材料に比べて安価になると
いう利点を備えているが、その反面、Ag−Sn合金層
におけるSn濃度が高すぎるため、その合金層は硬くて
脆性であり、例えば曲げ加工を施したときにクラックな
どが生じやすく、また、耐硫化性もAg単独の場合に比
べて劣化するという問題がある。
【0008】更に、このAg−Sn合金層を5μm以下
の薄層にすると、拡散処理時に、このAg−Sn合金層
が基材成分であるCuまたはCu合金の拡散によって汚
染され、その結果、Ag−Sn合金層の接触抵抗の増大
が引き起こされてしまう。本発明は表面がAg合金で構
成されている上記電気接点材料における上記した問題を
解決し、クラッド法で製造する接点材料に比べて極めて
安価に製造することができ、耐磨耗性,耐食性,加工性
が優れた電気接点材料と、その製造方法の提供を目的と
する。
の薄層にすると、拡散処理時に、このAg−Sn合金層
が基材成分であるCuまたはCu合金の拡散によって汚
染され、その結果、Ag−Sn合金層の接触抵抗の増大
が引き起こされてしまう。本発明は表面がAg合金で構
成されている上記電気接点材料における上記した問題を
解決し、クラッド法で製造する接点材料に比べて極めて
安価に製造することができ、耐磨耗性,耐食性,加工性
が優れた電気接点材料と、その製造方法の提供を目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段・作用】上記した目的を達
成するために、本発明においては、接点基材と、前記接
点基材の表面に形成されたNiもしくはCoまたは両者
の合金から成る下地層と、前記下地層の表面に形成され
たAg−Sn合金層と、前記Ag−Sn合金層の表面に
形成されたPdまたはPd合金から成る表面層とを備
え、前記Ag−Sn合金層におけるSnの平均濃度は1
0重量%未満であり、かつ前記Ag−Sn合金層におけ
るSnの濃度は前記下地層との界面から前記Ag−Sn
合金層の表層部にかけて増大する濃度勾配で変化してい
ることを特徴とする電気接点材料が提供され、また、接
点基材の表面に、めっき法で、NiもしくはCoまたは
両者の合金からなる下地めっき層を成膜する工程(以
下、第1工程という);前記下地めっき層の表面に、め
っき法で、Agめっき層を成膜する工程(以下、第2工
程という);前記Agめっき層の表面に、めっき法で、
Snめっき層を成膜する工程(以下、第3工程とい
う);非酸化性雰囲気中で加熱して、前記Agめっき層
と前記Snめっき層に拡散処理を施して両層をAg−S
n合金層に転化する工程(以下、第4工程という);お
よび、前記Ag−Sn合金層の表面に、めっき法で、P
dまたはPd合金層を成膜する工程(以下、第5工程と
いう);を備えていることを特徴とする前記電気接点材
料の製造方法が提供される。
成するために、本発明においては、接点基材と、前記接
点基材の表面に形成されたNiもしくはCoまたは両者
の合金から成る下地層と、前記下地層の表面に形成され
たAg−Sn合金層と、前記Ag−Sn合金層の表面に
形成されたPdまたはPd合金から成る表面層とを備
え、前記Ag−Sn合金層におけるSnの平均濃度は1
0重量%未満であり、かつ前記Ag−Sn合金層におけ
るSnの濃度は前記下地層との界面から前記Ag−Sn
合金層の表層部にかけて増大する濃度勾配で変化してい
ることを特徴とする電気接点材料が提供され、また、接
点基材の表面に、めっき法で、NiもしくはCoまたは
両者の合金からなる下地めっき層を成膜する工程(以
下、第1工程という);前記下地めっき層の表面に、め
っき法で、Agめっき層を成膜する工程(以下、第2工
程という);前記Agめっき層の表面に、めっき法で、
Snめっき層を成膜する工程(以下、第3工程とい
う);非酸化性雰囲気中で加熱して、前記Agめっき層
と前記Snめっき層に拡散処理を施して両層をAg−S
n合金層に転化する工程(以下、第4工程という);お
よび、前記Ag−Sn合金層の表面に、めっき法で、P
dまたはPd合金層を成膜する工程(以下、第5工程と
いう);を備えていることを特徴とする前記電気接点材
料の製造方法が提供される。
【0010】まず、本発明における接点基材の材料とし
ては、例えば、Cuや各種のCu合金;鋼材,アルミニ
ウム材のような材料の表面をCuまたはCu合金で被覆
して成る複合材料;または、NiやFe,もしくはこれ
らの合金;などをあげることができる。この接点基材の
形状は、格別限定されるものではなく、例えば、線材,
条材,棒材,管材などをあげることができる。
ては、例えば、Cuや各種のCu合金;鋼材,アルミニ
ウム材のような材料の表面をCuまたはCu合金で被覆
して成る複合材料;または、NiやFe,もしくはこれ
らの合金;などをあげることができる。この接点基材の
形状は、格別限定されるものではなく、例えば、線材,
条材,棒材,管材などをあげることができる。
【0011】本発明の電気接点材料の製造方法におい
て、まず、第1工程は、接点基材の表面にめっき法でN
i,Coまたは両者の合金から成る下地めっき層を成膜
する工程である。この下地めっき層は、後述する第4工
程の拡散処理時に、下地めっき層の下に位置する接点基
材の構成元素が、この下地めっき層の上に成膜されてい
るAgめっき層およびSnめっき層に拡散することを防
止するためのバリア層として機能する。
て、まず、第1工程は、接点基材の表面にめっき法でN
i,Coまたは両者の合金から成る下地めっき層を成膜
する工程である。この下地めっき層は、後述する第4工
程の拡散処理時に、下地めっき層の下に位置する接点基
材の構成元素が、この下地めっき層の上に成膜されてい
るAgめっき層およびSnめっき層に拡散することを防
止するためのバリア層として機能する。
【0012】この下地層は、電気めっき法や無電解めっ
き法などによって形成される。コストの点からすると、
電気めっき法が好適である。この下地層は、前記したよ
うに、基材の構成元素の拡散バリアとして機能させるの
で、その厚みは、この機能を達成できる程度の厚みであ
ればよく、具体的には0.1μm以上、好ましくは0.5μ
m以上であればよい。しかし、あまり厚くしても無意味
であり、しかも材料コストを高めるので、とくに好まし
くは0.5〜2.0μm程度である。
き法などによって形成される。コストの点からすると、
電気めっき法が好適である。この下地層は、前記したよ
うに、基材の構成元素の拡散バリアとして機能させるの
で、その厚みは、この機能を達成できる程度の厚みであ
ればよく、具体的には0.1μm以上、好ましくは0.5μ
m以上であればよい。しかし、あまり厚くしても無意味
であり、しかも材料コストを高めるので、とくに好まし
くは0.5〜2.0μm程度である。
【0013】第2工程は、第1工程と同じくめっき法に
よって、上記下地めっき層の表面にAgめっき層を成膜
する工程である。その厚みは格別限定されないが、0.2
μm以上であることが好ましい。また、接点としての特
性低下を招かず、また、材料コストとの関係からすると
0.5〜3.0μm程度であることがとくに好ましい。第3
工程は、第2工程で成膜したAgめっき層の表面に同じ
くめっき法で、Snめっき層を成膜する工程である。
よって、上記下地めっき層の表面にAgめっき層を成膜
する工程である。その厚みは格別限定されないが、0.2
μm以上であることが好ましい。また、接点としての特
性低下を招かず、また、材料コストとの関係からすると
0.5〜3.0μm程度であることがとくに好ましい。第3
工程は、第2工程で成膜したAgめっき層の表面に同じ
くめっき法で、Snめっき層を成膜する工程である。
【0014】このSnめっき層は、前記したAgめっき
層と一緒になって、後述する第4工程における拡散処理
を受けることにより、既に第2工程で成膜されていたA
gめっき層に拡散して、下地層側にいくほどSn濃度が
低くなるSnの濃度勾配を有するAg−Sn合金層、逆
にいえば、下地層側にいくほどAg濃度が高くなるAg
の濃度勾配を有するAg−Sn合金層を形成するために
設けられる。
層と一緒になって、後述する第4工程における拡散処理
を受けることにより、既に第2工程で成膜されていたA
gめっき層に拡散して、下地層側にいくほどSn濃度が
低くなるSnの濃度勾配を有するAg−Sn合金層、逆
にいえば、下地層側にいくほどAg濃度が高くなるAg
の濃度勾配を有するAg−Sn合金層を形成するために
設けられる。
【0015】このSnめっき層の厚みは、その下に位置
するAgめっき層と合金化してAg−Sn合金層になっ
たときに、そのAg−Sn合金層におけるSnの平均濃
度が10重量%未満となるような厚みに設定される。S
nの平均濃度が10重量%以上となるような厚みの場合
は、後述の第4工程で、得られたAg−Sn合金層にA
g3 Snのような金属間化合物が生成するようになり、
Ag−Sn合金層が硬くて脆性になってその加工性が著
しく劣化する。また、Snの平均濃度が10重量%以上
のAg−Sn合金層は、それを硫化雰囲気に曝すと、A
gとSnの間で局部電池が形成され、Agより卑な電位
のSnがアノードになって酸化が著しく進行してしまう
からである。
するAgめっき層と合金化してAg−Sn合金層になっ
たときに、そのAg−Sn合金層におけるSnの平均濃
度が10重量%未満となるような厚みに設定される。S
nの平均濃度が10重量%以上となるような厚みの場合
は、後述の第4工程で、得られたAg−Sn合金層にA
g3 Snのような金属間化合物が生成するようになり、
Ag−Sn合金層が硬くて脆性になってその加工性が著
しく劣化する。また、Snの平均濃度が10重量%以上
のAg−Sn合金層は、それを硫化雰囲気に曝すと、A
gとSnの間で局部電池が形成され、Agより卑な電位
のSnがアノードになって酸化が著しく進行してしまう
からである。
【0016】具体的には、Agめっき層の厚み1μmに
対し、Snめっき層の厚みを0.14μm以下とすること
が好ましい。第4工程は前記したSnめっき層とAgめ
っき層に拡散処理を施して、両者をAg−Sn合金層に
する工程である。拡散処理は、接点材料の酸化を防止す
るために、窒素,アルゴン,水素のような非酸化性雰囲
気中で行われる。
対し、Snめっき層の厚みを0.14μm以下とすること
が好ましい。第4工程は前記したSnめっき層とAgめ
っき層に拡散処理を施して、両者をAg−Sn合金層に
する工程である。拡散処理は、接点材料の酸化を防止す
るために、窒素,アルゴン,水素のような非酸化性雰囲
気中で行われる。
【0017】この拡散処理時の温度と時間は、Snめっ
き層とAgめっき層の厚み、基材の材質、断面積によっ
て適宜に選定されるが、概ね、処理温度は300℃以
上,処理時間は10秒以上であればよい。Snめっき層
やAgめっき層が前記した仕様のめっき層である場合に
は、上記処理条件の拡散処理によって、形成されたAg
−Sn合金層は、下地層側にいくほどSn濃度が低くな
るSnの濃度勾配を有する層にすることができる。
き層とAgめっき層の厚み、基材の材質、断面積によっ
て適宜に選定されるが、概ね、処理温度は300℃以
上,処理時間は10秒以上であればよい。Snめっき層
やAgめっき層が前記した仕様のめっき層である場合に
は、上記処理条件の拡散処理によって、形成されたAg
−Sn合金層は、下地層側にいくほどSn濃度が低くな
るSnの濃度勾配を有する層にすることができる。
【0018】このときのSnの濃度勾配は、Ag−Sn
合金層と下地層との界面におけるSn濃度(任意単位)
を1としたときに、Ag−Sn合金層の表層部における
Sn濃度が1.1〜5となっているような濃度勾配である
ことが好ましい。この濃度勾配が5/1を超える場合
は、Ag−Sn合金層の表層部と前記下地層との界面間
における接点特性に差異が生ずるようになるとともに、
表層部におけるSn濃度が高くなることはAg−Sn合
金層の耐食性と加工性の劣化を引き起こすからである。
また、濃度勾配が1.1/1未満の場合は、Ag−Sn合
金層と下地層との界面におけるSn濃度が相対的に高く
なっているので、そのSnが下地層のNi,Coまたは
両者の合金と合金化するようになり、加工性の劣化を招
くからである。
合金層と下地層との界面におけるSn濃度(任意単位)
を1としたときに、Ag−Sn合金層の表層部における
Sn濃度が1.1〜5となっているような濃度勾配である
ことが好ましい。この濃度勾配が5/1を超える場合
は、Ag−Sn合金層の表層部と前記下地層との界面間
における接点特性に差異が生ずるようになるとともに、
表層部におけるSn濃度が高くなることはAg−Sn合
金層の耐食性と加工性の劣化を引き起こすからである。
また、濃度勾配が1.1/1未満の場合は、Ag−Sn合
金層と下地層との界面におけるSn濃度が相対的に高く
なっているので、そのSnが下地層のNi,Coまたは
両者の合金と合金化するようになり、加工性の劣化を招
くからである。
【0019】第5工程は、第4工程で形成したAg−S
n合金層の表面に、めっき法で、PdまたはPd合金層
を成膜する工程である。めっき法としては、電気めっき
法や無電解めっき法のいずれをも採用できるが、コスト
の点から電気めっき法が好適である。このめっき層は、
前記したAg−Sn合金層の接触抵抗を改善して接点と
しての摺動性を高めるために形成される。したがって、
その厚みは、0.01〜0.2μm程度であればよい。この
厚みが0.01μmより薄い場合は上記効果が充分に得ら
れず、また0.2μmより厚くしても、効果は飽和状態に
達するので、徒にコストアップを招くだけになるからで
ある。
n合金層の表面に、めっき法で、PdまたはPd合金層
を成膜する工程である。めっき法としては、電気めっき
法や無電解めっき法のいずれをも採用できるが、コスト
の点から電気めっき法が好適である。このめっき層は、
前記したAg−Sn合金層の接触抵抗を改善して接点と
しての摺動性を高めるために形成される。したがって、
その厚みは、0.01〜0.2μm程度であればよい。この
厚みが0.01μmより薄い場合は上記効果が充分に得ら
れず、また0.2μmより厚くしても、効果は飽和状態に
達するので、徒にコストアップを招くだけになるからで
ある。
【0020】なお、上記した第5工程の終了後、得られ
た接点材料に、更に圧延加工を施すと、Ag−Sn合金
層の硬度が増大してその耐磨耗性の向上が実現されるの
で有用である。本発明の製造方法においては、下地層用
のめっき槽,Agめっき層用のめっき槽,Snめっき層
用のめっき槽をシリーズに配列し、ここに接点基材の条
や線を連続的に走行させることにより、接点基材の表面
に、下地めっき層,Agめっき層,Snめっき層を順次
連続的に成膜し、更にSnめっき層用のめっき槽につづ
けて熱処理ラインをシリーズに接続して、ここで拡散処
理を行い、更に、熱処理ラインにつづけてPdまたはP
d合金のめっき槽をシリーズに配列してここに拡散処理
を施した基材を連続的に走行させ、必要に応じてそのめ
っき槽の後段に圧延ラインを配置することにより、一貫
した生産ラインの下での連続生産が可能になる。
た接点材料に、更に圧延加工を施すと、Ag−Sn合金
層の硬度が増大してその耐磨耗性の向上が実現されるの
で有用である。本発明の製造方法においては、下地層用
のめっき槽,Agめっき層用のめっき槽,Snめっき層
用のめっき槽をシリーズに配列し、ここに接点基材の条
や線を連続的に走行させることにより、接点基材の表面
に、下地めっき層,Agめっき層,Snめっき層を順次
連続的に成膜し、更にSnめっき層用のめっき槽につづ
けて熱処理ラインをシリーズに接続して、ここで拡散処
理を行い、更に、熱処理ラインにつづけてPdまたはP
d合金のめっき槽をシリーズに配列してここに拡散処理
を施した基材を連続的に走行させ、必要に応じてそのめ
っき槽の後段に圧延ラインを配置することにより、一貫
した生産ラインの下での連続生産が可能になる。
【0021】このようにして得られた電気接点材料は、
接点基材の表面にNi,Coまたはその合金から成る層
が配置され、この層の上に、Ag(Sn)の濃度勾配を
有するAg−Sn合金層が形成され、更に、その上にP
dまたはPd合金層が形成されている。
接点基材の表面にNi,Coまたはその合金から成る層
が配置され、この層の上に、Ag(Sn)の濃度勾配を
有するAg−Sn合金層が形成され、更に、その上にP
dまたはPd合金層が形成されている。
【0022】
【実施例】下地めっき層用のめっき槽,Agめっき層用
のめっき槽,Snめっき層用のめっき槽、窒素ガス雰囲
気焼鈍炉および表面層用のめっき槽を直列に配置した生
産ラインに、表面に前処理を施した純銅条(幅30mm,
厚み0.3mm)を連続的に走行させて、表1で示したよう
な各めっき層を成膜し、また、表1の条件で拡散処理を
行った。なお、表1中の圧延加工は、厚み0.3mmから厚
み0.2mmへの圧延(減面率33%)である。
のめっき槽,Snめっき層用のめっき槽、窒素ガス雰囲
気焼鈍炉および表面層用のめっき槽を直列に配置した生
産ラインに、表面に前処理を施した純銅条(幅30mm,
厚み0.3mm)を連続的に走行させて、表1で示したよう
な各めっき層を成膜し、また、表1の条件で拡散処理を
行った。なお、表1中の圧延加工は、厚み0.3mmから厚
み0.2mmへの圧延(減面率33%)である。
【0023】拡散処理後のAg−Sn合金層につき、表
面層との界面および下地層との界面におけるSnの存在
量(重量%)を測定して拡散状態を調査した。その結果
を表1に示した。また、これらの各接点材料につき、下
記の仕様で耐摩耗性,曲げ加工性,耐食性の評価を行な
った。その結果も表1に併記した。
面層との界面および下地層との界面におけるSnの存在
量(重量%)を測定して拡散状態を調査した。その結果
を表1に示した。また、これらの各接点材料につき、下
記の仕様で耐摩耗性,曲げ加工性,耐食性の評価を行な
った。その結果も表1に併記した。
【0024】耐摩耗性(動摩擦係数):ヘッド頭部半径
5mmのAg棒、荷重10g、摺動距離10mm、摺動回数
200回。 曲げ加工性:Vブロック法、内側半径0.3R、倍率10
0倍の実体顕微鏡で割れの状態を観察。 耐食性(硫化試験):H2 S 3ppm、温度40℃の
雰囲気に2時間放置したのち、10g,10mAで接触
抵抗(mΩ)を測定。
5mmのAg棒、荷重10g、摺動距離10mm、摺動回数
200回。 曲げ加工性:Vブロック法、内側半径0.3R、倍率10
0倍の実体顕微鏡で割れの状態を観察。 耐食性(硫化試験):H2 S 3ppm、温度40℃の
雰囲気に2時間放置したのち、10g,10mAで接触
抵抗(mΩ)を測定。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
電気接点材料は、耐摩耗性,耐食性(耐硫化性),加工
性が優れている。また、本発明の電気接点材料は、低廉
なコストで行なえるめっき法で成膜した薄いめっき層を
拡散熱処理することによってAg−Sn合金層を製造す
ることができ、また、このAg−Sn合金層を被覆する
表面層のPdまたはPd合金の働きでAg−Sn合金層
の耐食性も向上しているので、Agの使用量を節約で
き、また工程数が少ない一貫した生産ラインで製造する
ことができるので、その製造コストの大幅な低下が可能
になる。
電気接点材料は、耐摩耗性,耐食性(耐硫化性),加工
性が優れている。また、本発明の電気接点材料は、低廉
なコストで行なえるめっき法で成膜した薄いめっき層を
拡散熱処理することによってAg−Sn合金層を製造す
ることができ、また、このAg−Sn合金層を被覆する
表面層のPdまたはPd合金の働きでAg−Sn合金層
の耐食性も向上しているので、Agの使用量を節約で
き、また工程数が少ない一貫した生産ラインで製造する
ことができるので、その製造コストの大幅な低下が可能
になる。
Claims (4)
- 【請求項1】 接点基材と、前記接点基材の表面に形成
されたNiもしくはCoまたは両者の合金から成る下地
層と、前記下地層の表面に形成されたAg−Sn合金層
と、前記Ag−Sn合金層の表面に形成されたPdまた
はPd合金から成る表面層とを備え、前記Ag−Sn合
金層におけるSnの平均濃度は10重量%未満であり、
かつ前記Ag−Sn合金層におけるSnの濃度は前記下
地層との界面から前記Ag−Sn合金層の表層部にかけ
て増大する濃度勾配で変化していることを特徴とする電
気接点材料。 - 【請求項2】 前記下地層との界面におけるSn濃度を
1としたとき、前記Ag−Sn合金層の前記表面層との
界面におけるSn濃度が1.1〜5になっている請求項1
の電気接点材料。 - 【請求項3】 接点基材の表面に、めっき法で、Niも
しくはCoまたは両者の合金からなる下地めっき層を成
膜する工程;前記下地めっき層の表面にめっき法で、A
gめっき層を成膜する工程;前記Agめっき層の表面
に、めっき法で、Snめっき層を成膜する工程;非酸化
性雰囲気中で加熱して、前記Agめっき層と前記Snめ
っき層に拡散処理を施して両層をAg−Sn合金層に転
化する工程;および、前記Ag−Sn合金層の表面に、
めっき法で、PdまたはPd合金層を成膜する工程;を
備えていることを特徴とする請求項1の電気接点材料の
製造方法。 - 【請求項4】 前記PdまたはPd合金層を成膜したの
ち、更に圧延加工を施す請求項3の電気接点材料の製造
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22403491A JPH0562555A (ja) | 1991-09-04 | 1991-09-04 | 電気接点材料とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22403491A JPH0562555A (ja) | 1991-09-04 | 1991-09-04 | 電気接点材料とその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0562555A true JPH0562555A (ja) | 1993-03-12 |
Family
ID=16807559
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22403491A Pending JPH0562555A (ja) | 1991-09-04 | 1991-09-04 | 電気接点材料とその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0562555A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| RU2629954C2 (ru) * | 2015-12-28 | 2017-09-05 | Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Рязанский государственный радиотехнический университет" | Градиентное защитное покрытие |
-
1991
- 1991-09-04 JP JP22403491A patent/JPH0562555A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| RU2629954C2 (ru) * | 2015-12-28 | 2017-09-05 | Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Рязанский государственный радиотехнический университет" | Градиентное защитное покрытие |
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