JPH0564653A - 輸液剤の包装体 - Google Patents

輸液剤の包装体

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JPH0564653A
JPH0564653A JP3182016A JP18201691A JPH0564653A JP H0564653 A JPH0564653 A JP H0564653A JP 3182016 A JP3182016 A JP 3182016A JP 18201691 A JP18201691 A JP 18201691A JP H0564653 A JPH0564653 A JP H0564653A
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JP
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container
oxygen
infusion
agent
package
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JP3182016A
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English (en)
Inventor
Akira Mochizuki
明 望月
Hiroshi Uehara
弘 上原
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の輸液剤の包装体1は、輸液剤3を充
填した袋状の第1容器2を、脱酸素剤4と共に、酸素不
透過性を有する袋状の第2容器5内に密封、収納したも
のである。輸液剤3中には、例えばアミノ酸のような酸
素との接触により変質しうる成分が含まれている。第1
容器2の酸素透過度は、1100ml/m2・day・atm(23
℃、70%RH )以上である。 【効果】 褐変現象等を防止し、輸液剤を長期に渡り良
好な状態で保存することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、輸液剤の包装体、特
に、アミノ酸のような酸素との接触により変質しうる成
分を含有する輸液剤の包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】輸液は、大量の薬液を血管内、皮下、腹
腔内等に投与するものであり、通常は、輸液セットを用
いて輸液剤を静脈内に点滴注射で注入する。
【0003】この輸液剤には、非経腸的な栄養摂取を目
的とした栄養輸液、主に脱水症状の治療および体液改善
を目的とした電解質輸液、および外科手術等の際の血圧
維持を目的とした代用血漿輸液等がある。
【0004】このうち、栄養輸液としては、アミノ酸輸
液剤、糖質輸液剤および脂肪乳剤が広く用いられてお
り、これらは、例えば外科手術における術前術後の体力
改善に用いられ、特に経腸的な食物摂取が不能または困
難な症例に適用して効果をあげている。
【0005】アミノ酸輸液剤は、必須アミノ酸、準必須
アミノ酸および非必須アミノ酸を人体に最も利用され易
い処方で配合したもので、その処方としては、例えば人
乳タン白のアミノ酸組成を基礎としたもの等、数種類が
用いられている。また、アミノ酸輸液剤に後述するよう
な糖質を配合した栄養輸液剤や、さらに電解質を配合し
た栄養輸液剤も用いられている。
【0006】糖質輸液剤としては、グルコース、フルク
トース、マルトース等の還元糖や、キシリトール等の糖
アルコールのような各種糖質が用いられている。
【0007】脂肪乳剤は、主に大豆油等の植物油を生理
的に許容し得る適当な乳化剤を用いて水中油的型(O/
W型)のエマルジョンとしたものである。従って、その
栄養成分は、パルミチン酸、スチアリン酸の飽和脂肪酸
と、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸の不飽和脂肪
酸である。また、栄養学的に重要な不飽和脂肪酸のう
ち、エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸等の植
物油中には含まれていないものを補充添加した脂肪乳剤
も知られている。
【0008】上記のような輸液剤は、適当な容器内に充
填された状態で保存、流通、使用されているが、クロー
ズドシステムに適し、輸液剤の取り出しが容易であるこ
と、包装コストが安価であること、破損が少ないこと、
使い捨てにおいて廃棄が容易であること等の多くの利点
から、近年では輸液剤の容器として、樹脂性シート材よ
りなる袋状のバッグが用いられている。そして、このよ
うなバッグの構成材料としては、主に、ポリ塩化ビニル
または架橋されたエチレン−酢酸ビニル共重合体(架橋
EVA)が用いられている。
【0009】しかしながら、このようなバッグに充填さ
れた輸液剤は、保存中に褐色に変色し(以下、褐変現象
という)、商品価値を低下または喪失するという問題が
ある。
【0010】この褐変現象の原因は、輸液剤中の成分が
溶存酸素等の酸素の影響を受け、保存中に反応を起こす
ためである。特に、輸液剤がアミノ酸および還元糖を含
むものである場合には、それらの間でメイラード反応が
生じ、このメイラード反応が酸素により促進され、激し
い褐変現象が生じる。
【0011】従って、このような褐変現象は、単に外観
上の問題に止まらず、栄養成分であるアミノ酸や脂肪等
の含有量が低下し、また、人体にとって好ましくない反
応生成物を生じることもある。加えて、脂肪乳剤の場合
には、不飽和脂肪酸が過酸化物を経てアルデヒド、ケト
ンまたはカルボン酸に分解されるため、pH値の低下や特
有の酸敗臭の発生をも伴う。
【0012】このような褐変現象を防止する技術として
は、輸液剤を充填した一次容器(内袋)を、脱酸素剤と
ともに酸素不透過性の二次容器(外袋)内に収納してな
る輸液剤の包装体が知られている(特開昭63−275
345号公報、同63−275346号公報、同62−
221352号公報)。
【0013】このうち、特開昭63−275345公報
および同63−275346号公報に記載の発明におい
ては、二次容器としては、酸素透過度が、1.0ml/m2
・day・atm(20℃、60%RH)以下のものが好ましいと
され、一次容器としては、従来使用されているポリ塩化
ビニル製または架橋EVA製のボトルまたはバッグ(酸
素透過度800ml/m2・day・atm(20℃、60%RH)以
下)を用いるとされている。
【0014】しかしながら、このような一次容器では、
酸素透過量が不十分であるため、一次容器内に充填され
た輸液剤中の溶存酸素や気泡中の酸素が一次容器を透過
して二次容器との間に移行し、脱酸素剤に吸収されるま
でに長時間を要し、この間に輸液剤が溶存酸素等の影響
を受けて前記褐変現象等を生じるという問題がある。
【0015】また、特開昭62−221352号公報に
記載の発明では、一次容器内に充填する輸液剤は、例え
ば不活性ガスとの置換により溶存酸素を予め除去したも
のであり、従って一次容器としては、溶存酸素の透過、
放散を考慮しておらず、ガス透過性の低いものが使用さ
れている。
【0016】しかしながら、この発明では、輸液剤中の
溶存酸素をバブリング等により不活性ガスと置換した
り、一次容器内や、一次容器と二次容器との間の空間に
不活性ガスを封入したりする必要があり、その作業に手
間と時間がかかるという欠点がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、輸液
剤を充填した第1容器内の酸素を迅速に排出し、輸液剤
の酸素による影響をより少なくすることができる輸液剤
の包装体を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(6)の本発明により達成される。
【0019】(1) 酸素との接触により変質しうる成
分を含有する輸液剤を充填した少なくとも1つの第1容
器と、脱酸素剤とを、酸素不透過性を有する第2容器内
に収納してなる輸液剤の包装体であって、前記第1容器
の酸素透過度が、1100ml/m2・day・atm(23℃、 7
0%RH)以上であることを特徴とする輸液剤の包装体。
【0020】(2) 前記第2容器の酸素透過度が、1
0ml/m2・day・atm(23℃、 70%RH)以下である上記
(1)に記載の輸液剤の包装体。
【0021】(3) 前記第1容器の有効表面積が25
0〜900cm2 である上記(1)または(2)に記載の
輸液剤の包装体。
【0022】(4) 前記第2容器の有効表面積が35
0〜1200cm2 である上記(1)ないし(3)のいず
れかに記載の輸液剤の包装体。
【0023】(5) 前記酸素との接触により変質しう
る成分は、アミノ酸である上記(1)ないし(4)のい
ずれかに記載の輸液剤の包装体。
【0024】(6) 前記輸液剤を前記第1容器に充填
した際の輸液剤中の溶存酸素量が、1〜9ppm である上
記(1)ないし(5)のいずれかに記載の輸液剤の包装
体。
【0025】
【具体的構成】以下、本発明の輸液剤の包装体を添付図
面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0026】図1は、本発明の輸液剤の包装体の構成例
を示す平面図、図2は、図1中のII−II線での断面図で
ある。
【0027】本発明の輸液剤の包装体1は、輸液剤3が
充填された第1容器2を脱酸素剤4と共に第2容器5内
に収納したものである。
【0028】輸液剤3は、酸素との接触により変質しう
る成分(以下、変質成分という)を含有している。この
変質成分としては、例えば、アミノ酸、糖質、脂肪、酸
素により酸化または加水分解され易い抗生物質等が挙げ
られるが、そのなかでもアミノ酸を含有するものが本発
明を適用するのに特に有効であり好ましい。
【0029】アミノ酸成分としては、例えば、L−イソ
ロイシン、L−ロイシン、L−ジリン、L−メチオニ
ン、L−フェニルアラニン、L−スレオニン、L−バリ
ン、L−チロシン、L−トリプトファン、L−アルギニ
ン、L−ヒスチジン、L−アラニン、L−アスパラギン
酸、L−アミノ酢酸、L−プロリン、L−セリン等が挙
げられる。これらのアミノ酸を適当な処方で配合して用
いてもよく、また特定のアミノ酸を単独で用いてもよ
い。
【0030】糖質としては、グルコース、フルクトー
ス、マルトース等の還元糖、キシリトール、ソルビトー
ル等の糖アルコール等が挙げられる。
【0031】なお、輸液剤3が上記アミノ酸成分と還元
糖とを含む場合には、酸素の存在によってメイラード反
応が促進されるため、本発明の適用するのに有効であり
好ましい。
【0032】また、上記アミノ酸または糖質に加え、電
解質が添加されていてもよい。
【0033】脂肪成分としては、例えば、大豆、サフラ
ワー油等の植物油、リノール酸、リノレン酸、エイコサ
ペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等の不飽和脂肪酸、
これら不飽和脂肪酸のトリグリセリドまたはアルキルエ
ステル等のエステル類、イワシ油、タラ油等の精製魚
油、その他の静脈内投与に適した脂質が挙げられる。
【0034】これらの脂肪成分は、乳化剤により輸液剤
3中に安定的に分散されている(O/W型)。この乳化
剤としては、精製卵黄レシチンまたは精製大豆レシチン
等を用いることができる。
【0035】このような輸液剤3は、第1容器2に充填
する際に、溶存酸素量ができるだけ少ない方が好ましい
が、例えば、不活性ガスをバブリングして置換する等の
脱酸素処理を施す必要はなく、従って、第1容器2に充
填する際の輸液剤3中の溶存酸素量は、1〜9ppm 程度
であってよい。
【0036】本発明は、溶存酸素量がこのような値であ
っても、後述するように第1容器2の酸素透過度が高い
ため、溶存酸素は第1容器2外へ速やかに排出される。
【0037】このような輸液剤3を液密に充填する第1
容器2は、例えば、樹脂製シート材を重ね、その周囲を
融着してシールすることにより得られた、可撓性を有す
る袋状のバッグである。
【0038】この第1容器2には輸液剤3を注入または
排出する口部21が形成され、この口部21は、輸液剤
3の注入または排出を行うとき以外は、蓋体22により
封止されている。
【0039】この第1容器2の酸素透過度は、液密状態
は保持した上で、1100ml/m2・day・atm(23℃、7
0%RH)以上とされ、好ましくは1200ml/m2・day・a
tm以上(23℃、70%RH)、より好ましくは1600
ml/m2・day・atm以上(23℃、70%RH)とされる。こ
の酸素透過度が1100ml/m2・day・atm(23℃、70
%RH)未満では、第1容器2を透過する酸素量が少な
く、輸液剤3中の溶存酸素等を第1容器2外に排出する
速度が遅くなるからである。
【0040】このような酸素透過量を得るための第1容
器2の構成材料およびシート材の厚さは、従来の輸液バ
ッグとは異っており、次のとおりである。
【0041】第1容器2のシート材の構成材料として
は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、
EVAのようなポリオレフィン等が挙げられ、そのなか
でも特にポリ塩化ビニルおよび架橋EVAが好ましい。
【0042】第1容器2のシート材としてポリ塩化ビニ
ルを用いる場合、可塑剤を含有するポリ塩化ビニル、可
塑剤を含有しないポリ塩化ビニル(例えば、東亜合成社
製の無可塑塩ビ、商品名:NP−レジン、セキスイ社製
の無可塑塩ビ、商品名:エスメディカ)のいずれを用い
てもよい。
【0043】この場合、使用可能な可塑剤は特に限定さ
れないが、好ましくは可塑剤としてジ(エチルヘキシ
ル)フタレート(DEHP)やジ−(n−デシル)フタ
レート(DnDP)が好適に用いられる。特に、DnD
Pを用いる場合には、第1容器2の酸素透過性をより向
上することができるので好ましい。
【0044】このような可塑剤の含有量は、ポリ塩化ビ
ニル100重量部に対し、30〜70重量部とするのが
好ましい。30重量部未満であると、バッグの柔軟性が
乏しくなり、また70重量部を超えると、バッグ内に溶
出してくる可塑剤の量が多くなり、また、強度も低下す
るからである。
【0045】また、第1容器2のシート材中には、例え
ばエポキシ系化合物、Ca−Zn系安定剤のような安定
剤や、その他の添加剤を添加することもできる。
【0046】なお、このようなシート材は、充填された
輸液剤3の状態を目視で確認し得るように、透明または
半透明であるのが好ましい。
【0047】第1容器2のシート材の厚さは、シート材
の構成材料により異なり、例えば、ポリ塩化ビニルまた
は架橋EVAの場合には、0.1〜0.6mm程度、特に
0.3〜0.5mm程度とするのが好ましい。シート材の
厚さが0.1mm未満であると、第1容器2の強度が低下
し、破損するおそれが生じ、また0.6mmを超えると、
上記酸素透過度を得ることが困難となるからである。
【0048】このような第1容器2の有効表面積(酸素
透過に関与する部分の面積)は、250〜900cm2
度、特に300〜850cm2 程度とするのが好ましい。
【0049】また、第1容器2内への輸液剤3の充填量
は特に限定されないが、100〜1000ml程度、特に
200〜500ml程度とするのが好ましい。
【0050】脱酸素剤4は、酸素吸収能を有するもので
あればいかなるものでもよく、例えば下記[1]〜[1
0]のようなものが挙げられる。
【0051】[1] 炭化鉄、鉄カルボニル、酸化第一
鉄、水酸化鉄、ケイ素鉄のうちの少なくとも1つをハロ
ゲン化金属で被覆したもの。
【0052】[2] 亜二チオン酸塩と、次のいずれか
との混合物。即ち、混合されるものは、アルカリ土類金
属の水酸化物もしくは炭酸塩、活性炭と水、結晶水を有
する化合物、アルカリ性物質またはアルコール類化合
物。
【0053】[3] アルカリ土類金属の亜硫酸塩と、
次のいずれかとの混合物。即ち、混合される物は、第一
鉄化合物、遷移金属の塩類、アルミニウムの塩類、アル
カリ金属またはアルカリ土類金属を含むアルカリ化合
物、窒素を含むアルカリ化合物またはアンモニウム塩。
【0054】[4] FeまたはZnと、Na2 SO4
・H2 Oとの混合物。
【0055】[5] FeまたはZnと、Na2 SO4
・H2 Oと、ハロゲン化金属との混合物。
【0056】[6] Fe、Cu、Sn、ZnまたはN
iのうちのいずれか1つと、Na2 SO4 ・7H2
と、ハロゲン化金属との混合物。
【0057】[7] Fe、Cu、Sn、ZnまたはN
iのうちのいずれか1つと、Na2 SO4 ・10H2
と、ハロゲン化金属との混合物。
【0058】[8] 周期率表第4周期の遷移金属、S
nまたはSbのうちのいずれか1つと、水との混合物。
【0059】[9] 周期率表第4周期の遷移金属、S
nまたはSbのうちのいずれか1つと、水と、ハロゲン
化金属との混合物。
【0060】[10] アルカリ金属もしくはアンモニ
ウムの亜硫酸塩、亜硫酸水素塩またはピロ亜硫酸塩のう
ちのいずれか1つと、遷移金属の塩類またはアルミニウ
ムの塩類のうちのいずれか1つと、水との混合物。
【0061】このような脱酸素剤4の形態は、特に限定
されず、粉末状、錠剤化されたもの等いかなるものでも
よい。脱酸素剤が粉末状であれば、適当な通気性を有す
る小袋に入れて用いるのが好ましく、また、錠剤化され
ているものであれば、包装せずにそのまま使用してもよ
い。
【0062】なお、脱酸素剤4の具体例としては、三菱
瓦斯化学社製の脱酸素剤、商品名:エージレスを用いる
ことができる。
【0063】このような、酸酸素剤4の使用量は特に限
定されないが、一般に、定常状態で、第2容器5内、即
ち、第2容器5と第1容器2との間の空間53を所定時
間(好ましくは30000時間以上、より好ましくは6
0000時間以上)低酸素状態(乏酸素状態)に保つこ
とができる程度とするのが好ましい。
【0064】上記第1容器2および脱酸素剤4は、第2
容器5内に密封状態で収納される。
【0065】この第2容器5は、例えば、図1および図
2に示すように、2枚の樹脂製シート材を重ね、その4
辺を融着して袋状としたもの(4方シール)、1枚の樹
脂製シート材を折り重ね、その3辺を融着して袋状とし
たもの(3方シール)、またはインフレーション成形等
により筒状に成形されたシート材の両端を融着して袋状
としたもの(2方シール)である。
【0066】また、第2容器5の周縁部のシール部51
には、開封を容易にするための切り欠き(ノッチ)52
が形成されている。
【0067】この第2容器5は、酸素不透過性を有する
もの、即ち、実質的に酸素を透過しないものである。
【0068】第2容器5の酸素透過度は、10ml/m2・d
ay・atm(23℃、70%RH)以下、特に1.0ml/m2・d
ay・atm(23℃、70%RH)以下であるのが好ましい。
この酸素透過度が10ml/m2・day・atm(23℃、70%
RH)を超えると、第2容器5の有効表面積によっては、
空間53を低酸素状態(乏酸素状態)に保つことができ
なくなる場合があるからである。
【0069】第2容器5のシート材の構成材料として
は、高密度ポリエチレン(HDPE)〜低密度ポリエチ
レン(LDPE)あるいは、線状低密度ポリエチレン
(LLDPE)のようなポリエチレン(PE)、ポリプ
ロピレン(PP)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレン
テレフタレート(PBT)のようなポリエステル、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ−
4−メチルペンテン−1、ビニロン、ポリアクリロニト
リル、アイオノマー樹脂、ポリスチレンのようなスチレ
ン系樹脂、ナイロン6、ナイロン8、ナイロン12、ナ
イロン66、あるいはナイロン610等のポリアミド等
およびこれらを主成分とする共重合体が挙げられ、これ
らの材料中のいずれか1種による単層構造か、あるいは
任意の2種以上による多層積層構造(ラミネート共押出
成形)とすることができる。
【0070】なお、このようなシート材は、収納物の視
認性を確保するために、透明または半透明であるのが好
ましい。
【0071】また、第2容器5のシート材は、酸素不透
過性をより向上するために、例えば、アルミニウムのよ
うな比較的軟質な金属泊、あるいはシリカなどのセラミ
ック薄膜を有していてもよい。
【0072】第2容器5は、切り欠き52から図1中上
方向に向けて第2容器を引き裂いて開封するが、この開
封を考慮した場合、第2容器5を、開封方向と同方向に
配向性を有する材料を少なくとも1層有する積層シート
材で構成するのが好ましい。これにより、軽微な力で容
易に第2容器5を破断でき、しかもその破断方向が一定
となるので、予測性をもって確実に開封することができ
る。
【0073】また、第2容器5が図示のごとき4方シー
ルの場合、2枚のシート材のそれぞれが異なる材料、層
構成のものであってもよい。例えば、前記金属泊を有す
るシート材はそれ自体透明ではないが、2枚のシート材
のうち1方をこのシート材とし、他方を透明なシート材
とすれば、優れた酸素不透過性と収納物の視認性との両
方を得ることができる。
【0074】第2容器5のシート材の厚さ(積層体の場
合には、合計厚さ)は、シート材の構成材料や層構成に
より異なるが、通常0.01〜0.5mm程度、特に0.
02〜0.3mm程度とするのが好ましい。
【0075】このような第2容器5の有効表面積は、3
50〜1200cm2 程度、特に400〜1100cm2
度とするのが好ましい。
【0076】なお、第2容器5内に、複数、特に2〜1
0個程度の第1容器2を収納してもよい。
【0077】次に、輸液剤の包装体1の作用について説
明する。
【0078】輸液剤の包装体1の保存中は、空間53の
雰囲気中にある酸素は脱酸素剤4により吸収され、空間
53内には定常的に低酸素状態(乏酸素状態)に維持さ
れる。
【0079】このとき、第2容器5は、前述したように
実質的に酸素を透過しないものであるから、第2容器5
外から空間53内へ酸素が移行することはないか、また
は無視できるほど少ない量である。
【0080】第1容器2内に輸液剤3を注入、充填した
直後は、第1容器2内には、気泡中の酸素や輸液剤3中
に含まれる溶存酸素等の酸素が存在する。例えば、輸液
剤3中の溶存酸素量は、1〜9ppm 程度となっている。
【0081】しかしながら、この第1容器2と脱酸素剤
4とを第2容器5内に封入した後は、比較的短期間で第
1容器2内の酸素は第1容器5を透過して空間5へ移行
し、脱酸素剤4に吸収される。これにより、輸液剤3中
の溶存酸素量は、例えば、0〜1ppm 程度まで低下する
ので、輸液剤3中の前記変質成分が酸素による影響を受
けず、褐変現象が防止され、また変質成分の発生による
輸液剤の機能低下や、人体にとって好ましくない反応生
成物の発生も生じない。
【0082】この場合、第1容器2の酸素透過度が11
00ml/m2・day・atm(23℃、70%RH)以上であるた
め、第1容器2内の酸素量、特に輸液剤3中の溶存酸素
量の低下は、下記表1に示すように、極めて短期間で起
こる。従って、この間に輸液剤3中の変質成分が酸素に
より受ける影響も少なく、全体として上記褐変現象等も
より有効に防止される。
【0083】なお、副次的効果として、空間53内が低
酸素状態(乏酸素状態)に保たれるため、空間53内、
特に第1容器2の表面等にカビが発生することが防止さ
れる。
【0084】以上、本発明の輸液剤の包装体を図示の構
成例について説明したが、本発明は、これに限定されな
いことは言うまでもない。
【0085】
【実施例】以下、本発明の輸液剤の包装体を具体的実施
例に基づいてさらに詳細に説明する。
【0086】(実施例1)輸液剤を充填した第1容器1
個と、脱酸素剤1個とを第2容器内に封入してなる輸液
剤包装体を作製した。各条件は、次の通りである。
【0087】<輸液剤> 処方: L−イソロイシン 5.97g L−ロイシン 11.38g L−バリン 6.90g L−メチオニン 4.33g L−フェニルアラニン 9.74g L−チロシン 0.57g L−スレオニン 5.04g L−アラニン 8.21g L−プロリン 10.63g L−セリン 4.67g グリシン 15.68g L−アスパラギン酸 2.02g L−グルタミン酸 1.02g L−アルギニン塩酸塩 14.88g L−ヒスチジン塩酸塩 7.08g 塩酸リジン 9.80g L−トリプトファン 1.87g L−シスチン 0.23g 亜硫酸水素ナトリウム 0.50g キシリトール 50.00g 水(蒸留水)を加えて 1000mlと
した。 (pH調整剤により pH=6.2に調
整する。)
【0088】このような輸液剤500mlを下記第1容器
内に密封充填した。なお、輸液剤の第1容器への充填時
の溶存酸素量は、8.63ppm であった。
【0089】<第1容器> 構造:2枚のシート材を重ね、その周囲を熱融着してシ
ールした袋体 シート材:軟質ポリ塩化ビニル製フィルム (DnDPをポリ塩化ビニル100重量部に対し50重
量部配合) シート材厚さ:200μm 酸素透過度:1200ml/m2・day・atm(23℃、70%R
H ) 有効表面積:470cm2
【0090】<脱酸素材>三菱瓦斯化学社製の自力反応
型脱酸素剤(商品名:エージレスZ−200)を1個使
用した。
【0091】<第2容器> 構造:2枚のシート材を下記第1層を内側にして重ね、
熱融着により4方シールした袋体 シート材:4層ラミネートフィルム 第1層 ポリプロピレンフィルム 第2層 エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム (EVOH) 第3層 ナイロンフィルム(NY) 第4層 線状低密度ポリエチレンフィルム(LLDP
E) シート材厚さ:100μm (20/15/15/50) 酸素透過度:1.0ml/m2・day・atm(23℃、70%RH
) 有効表面積:750cm2
【0092】(実施例2)第1容器のシート材として厚
さ150μm (←実施例3の厚さと同程度)のDEHP
可塑化軟質ポリ塩化ビニルを用い、第1容器の酸素透過
度を1400ml/m2・day・atm(23℃、70%RH )とし
た以外は実施例1と同様の輸液剤の包装体を作製した。
【0093】(実施例3)第1容器のシート材の厚さ1
50μm として第1容器の酸素透過度を1600ml/m2
・day・atm(23℃、70%RH )とした以外は実施例1と
同様の輸液剤の包装体を作製した。
【0094】(実施例4)第1容器のシート材として厚
さ350μm の架橋EVAシートを用い、第1容器の酸
素透過度を1800ml/m2・day・atm(23℃、70%RH
)とした以外は実施例1と同様の輸液剤の包装体を作
製した。
【0095】(比較例1)第1容器のシート材の厚さ2
40μm として第1容器の酸素透過度を1000ml/m2
・day・atm(23℃、70%RH )とした以外は実施例1と
同様の輸液剤の包装体を作製した。
【0096】(比較例2)第1容器のシート材の厚さ3
40μm として第1容器の酸素透過度を700ml/m2・d
ay・atm(23℃、70%RH )とした以外は実施例2と同
様の輸液剤の包装体を作製した。
【0097】(比較例3)第1容器として、ポリエチレ
ン樹脂製プラボトル(大塚製薬社製、生理食塩水充填用
容器、容量500ml)を用い、その酸素透過度を100
ml/m2・day・atm(23℃、70%RH )とした以外は実施
例1と同様の輸液剤の包装体を作製した。
【0098】上記実施例1〜4および比較例1〜3の各
輸液剤の包装体を常温、常湿下で放置し、溶存酸素計
(飯島精密工業社製、Model MY−900)を用
いて、輸液剤中の溶存酸素量(濃度)の経時変化を調べ
た。その結果を下記表1に示す。
【0099】
【表1】
【0100】表1に示すように、実施例1〜4の本発明
の輸液剤の包装体は、いずれも、輸液剤中の溶存酸素量
が早期に、特に、3日経過時点で、比較例1〜3の半量
程度以下であって、1ppm 以下のレベルにまで減少して
おり、その後も、低酸素濃度を安定的に保っていること
が確認された。
【0101】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の輸液剤の包
装体によれば、第1容器内の酸素量を少ない状態で保存
することができ、特に、輸液剤中の溶存酸素を早期に第
1容器外へ排出することができる。
【0102】その結果、輸液剤の保存中、特に保存初期
において、輸液剤の褐変現象、反応生成物の発生、輸液
剤の機能低下が有効に防止され、輸液剤を長期にわたり
良好な状態で保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の輸液剤の包装体の構成例を示す平面図
である。
【図2】図1中のII−II線での断面図である。
【符号の説明】 1 輸液剤の包装体 2 第1容器 21 口部 22 蓋体 3 輸液剤 4 脱酸素剤 5 第2容器 51 シール部 52 切り欠き 53 空間

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素との接触により変質しうる成分を含
    有する輸液剤を充填した少なくとも1つの第1容器と、
    脱酸素剤とを、酸素不透過性を有する第2容器内に収納
    してなる輸液剤の包装体であって、 前記第1容器の酸素透過度が、1100ml/m2・day・atm
    (23℃、 70%RH)以上であることを特徴とする輸液
    剤の包装体。
  2. 【請求項2】 前記第2容器の酸素透過度が、10ml/
    m2・day・atm(23℃、 70%RH)以下である請求項1に
    記載の輸液剤の包装体。
  3. 【請求項3】 前記第1容器の有効表面積が250〜9
    00cm2 である請求項1または2に記載の輸液剤の包装
    体。
  4. 【請求項4】 前記第2容器の有効表面積が350〜1
    200cm2 である請求項1ないし3のいずれかに記載の
    輸液剤の包装体。
  5. 【請求項5】 前記酸素との接触により変質しうる成分
    は、アミノ酸である請求項1ないし4のいずれかに記載
    の輸液剤の包装体。
  6. 【請求項6】 前記輸液剤を前記第1容器に充填した際
    の輸液剤中の溶存酸素量が、1〜9ppm である請求項1
    ないし5のいずれかに記載の輸液剤の包装体。
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