JPH0565441A - 電子線滅菌用インジケータインキ - Google Patents

電子線滅菌用インジケータインキ

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JPH0565441A
JPH0565441A JP3226700A JP22670091A JPH0565441A JP H0565441 A JPH0565441 A JP H0565441A JP 3226700 A JP3226700 A JP 3226700A JP 22670091 A JP22670091 A JP 22670091A JP H0565441 A JPH0565441 A JP H0565441A
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Masao Mikumo
昌夫 三雲
Kimitoshi Andou
君寿 安藤
Akira Hashimoto
章 橋本
Hideyuki Toyoda
秀之 豊田
Yuji Kumada
祐治 熊田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子線照射によって変色する電子線照射イン
ジケータを、塗布・印刷などによって構成するためのイ
ンジケータインキを改良し、医療用器材類の電子線照射
滅菌に実用されている低レベルの照射線量(1.5メガ
ラド程度)を検出できるようにする。 【構成】 pH指示薬と、電子線照射で塩化水素を発生
する物質とを有機溶剤で溶解したインジケータインキ
に、ビスフェノール化合物を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子線の照射を受けた
とき色調を変化させて電子線照射経歴の有無を表示する
文字,記号および図形、又はこれらの組合せよりなるマ
ークを印刷表示するためのインキに関するものである。
【0002】
【従来の技術】医療用器材の滅菌に電子線照射が用いら
れる。滅菌に必要な最低照射線量はその医療用器材の種
類,使用目的,および菌による汚染の程度などを考慮し
て定められるが、他の産業分野における電子線照射(例
えば電線被覆材料の化学的架橋やフォトレジストの作成
など)に比して比較的低レベルであって、通常1.5〜
2.5メガラドの範囲が用いられる。すなわち医療用器
材の電子線滅菌における最低必要照射線量を1.5メガ
ラドに設定される場合も有り、また2.5メガラドに設
定される場合も有り、一般にこの間の数値に設定され
る。一方、電子線照射による滅菌操作の実務面において
は、作業管理用のインジケータが用いられる。一般にこ
の種の業務においては、電子線照射によって変色するラ
ベル状の電子線滅菌用インジケータを対象器材の包装材
料など適当な個所に貼着しておいて、電子線滅菌操作に
伴う変色状況を目視して、一つには電子線照射が行われ
たか否か、二つには、その電子線照射量が最低基準量以
上であったか否かを判定する。上記の、電子線照射によ
って変色するラベル状のインジケータは、電子線照射を
受けて変色するインジケータインキで印刷される。公知
のインジケータインキとしては、pH指示薬、および電
子線照射を受けて塩化水素を放出する高分子物質よりな
るものが有る。このインジケータインキで印刷された塗
膜が電子線照射を受けると、前記高分子物質の一部が分
解して塩化水素を放出し、放出された塩化水素がpH指
示薬を変色させる。現在市販されている電子線滅菌用イ
ンジケータを構成しているインジケータインキの一例に
おいては、pH指示薬としてメチルイェローが用いら
れ、塩化水素放出高分子物質として塩化ビニル樹脂が用
いられている。そして、このインジケータインキによっ
て基材上に厚さ寸法15〜50μmの塗膜を形成してい
る。この塗膜は電子線照射前は黄色であり、約2.5メ
ガラドの電子線照射を受けると赤色になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】インジケータによって
医療器材類の電子線滅菌作業を管理する場合、 イ.電子線照射を受ける前にインジケータが変色しない
こと、 ロ.医療器材類の電子線滅菌の最低照射線量である1.
5メガラドでインジケータが変色すること、 ハ.上記の1.5メガラドの照射による変色が速やかに
進行すること、 ニ.電子線照射によって変色したインジケータが経時的
に褪色しないことなどを必要とするが、さらに「かぶ
り」と呼ばれる変色を生じないこと、並びに、塗膜厚さ
寸法が小さくても電子線照射に対して良好な変色性を示
すことが望まれる。 次に、上記の照射前変色、および「かぶり」について説
明する。例えば電子線照射によって塩化水素を発生する
高分子物質として塩化ビニリデン樹脂を用いた場合、こ
の塩化ビニリデン樹脂は電子線のみでなく紫外線によっ
ても分解されて塩化水素を発生し易い性質をゆ有してい
るため、室内の散光によっても変色するおそれが有る。
さらに、この塩化ビニリデン樹脂は分解しなくても若干
量の塩化水素を含んでいるため、電子線照射を受けなく
てもpH指示薬を変色させ易い。このため、塩化ビニリ
デン樹脂とメチルイェローとを溶剤で溶解したインジケ
ータインキで基材上にマークを印刷し又は塗布して乾燥
させたとき、メチルイェローは赤色には変色しないが橙
黄色となり、いわゆる「かぶり」を生ずる。このような
「かぶり」を防止するため、インジケータインキにアン
モニアや揮発性のアミン類を配合して酸性を弱めたり、
原料の塩化ビニリデン樹脂の事前処理として塩化水素の
抽出,除去を行う技術も公知であるが、塩化ビニリデン
樹脂の溶剤に対する溶解性が低下してゲル化するので好
ましくない。シート上の電子線滅菌用インジケータはイ
ンジケータインクを用いて構成され、塗装や印刷が用い
られる。この場合、例えばグラビア印刷の技法を適用す
ると、印刷された皮膜は非常に薄いものとなり、薄い皮
膜は厚い皮膜に比して変色の視認が容易でない。このた
め薄い皮膜を形成した場合にも良好な変色性を示すイン
ジケータインキであることが望まれる。本発明は上述の
事情に鑑みて為されたもので、 イ.電子線照射を受ける前にインジケータが変色せず。
【0004】ロ.1.5メガラド程度の低レベルの電子
線照射量で充分に変色し、 ハ.電子線照射後の色調が褪色しない(経時安定性のよ
い)、 ニ.薄い被膜のインジケータを形成しても電子線照射に
よる変色性が良好な、電子線滅菌用インジケータインキ
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの構成として本発明に係るインジケータインキは、
(a)pHの変化に伴って色調の変化を生じる有色色素
と、(b)分子中に35重量%以上の塩素を含む高分子
物質、(c)ビスフェノール化合物と、(d)これらの
薬剤を溶解し得る有機溶剤とよりなることを特徴とす
る。前記のpH変化で変色する有色色素としては、pH
2.0〜6.0の範囲で明瞭な色調変化を示すものであ
ることが望ましい。また、電子線照射後における色調の
経時安定性を良くするため、発生した塩化水素をある程
度化学的に固定し得るアミノ基や低級アルキル基置換ア
ミノ基などを分子構造中に含んでいる色素であることが
望ましい。すなわち、次記の(1)式ないし(3)式の
何れかの一般式で表わされる色素が推奨される。
【0006】
【化4】
【0007】ただし、R1は、C1〜C4の低級アルキル
基を表わし、R2は水素原子またはC1〜C4の低級アル
キル基を表わし、R3はR2と独立に、水素原子またはC
1〜C4の低級アルキル基を表わす。前記の一般式(1)
で表わされる色素中には、pH指示薬として広く使われ
ているメチルイェローやエチルイェローが有り、中性で
は黄色を示し酸性になると赤色に変わる。前記の一般式
(2)に表わされる色素は、従来pH指示薬として使用
されていなかったが中性ではほぼ赤色を呈しており、酸
性になると紫色ないし青系統の色に変わる。また前記の
一般式(3)で表わされる色素も、従来pH指示薬とし
ては知られていないが、中性では赤色、酸性では青紫色
を呈する。前記の分子中に35%以上の塩素を含む高分
子物質は電子線の照射を受けたときに塩化水素の発生源
になるとともに、インジケータインキ中においてバイン
ダとしての役目も果たす。この種の高分子物質としては
塩化ビニル樹脂、及び、塩化ビニルモノマーを主体と
し、酢酸ビニルや塩化ビニリデンなどのモノマーを少量
重合した共重合樹脂などが好適である。上記の共重合樹
脂は紫外線に対して比較的に安定であるため、電子線照
射前に変色を生じにくい。前記のビスフェノール化合物
は、電子線照射による変色反応の感度を上げる作用を有
する。本発明を実施する際に好適なビスフェノール樹脂
を表1及び表2に示す。
【0008】
【表1】
【0009】
【表2】
【0010】
【作用】前記の構成よりなるインジケータインキによっ
て構成された薄膜が電子線照射を受けると、塩素を含む
高分子物質の一部が分解して塩化水素を放出する。これ
によってpHが変化し、有色色素が変色してインジケー
タとしての機能を果たす。ここにおいて塩素を含む高分
子物質の選定に大きい自由度が有るが、電子照射によっ
て変色し易いものは電子照射前の安定性が悪いとか、電
子照射前の安定性の良いものは電子照射による変色性が
充分でないなどというように、万全の含塩素高分子物質
は見当らない。そして前記の構成のようにビスフェノー
ル化合物を加えると、照射前安定性を阻害することなく
照射時変色性が著しく改善される。本発明者はビスフェ
ノール以外の薬剤(例えばマロン酸,0−フタル酸,ナ
フテン酸,サリチル酸,2−オキシー3−ナフトエ酸,
ジフェノール酸などカルボキシル基を含むもの)につい
てもテストを行ったが、これらの薬剤を添加すると所謂
「かぶり」を生ずるおそれが有り、「かぶり」を生じな
い程度の分量にすると変色性改善効果は極めて微弱であ
った。ビスフェノール化学物は「かぶり」を生じるおそ
れが少なく、電子線照射による変色性を改善し、電子線
照射前・後の経時安定性を向上させるが、多数のビスフ
ェノール化合物の中ではその種類によって優劣が有る。
表1に例示したNo1〜No13のビスフェノール化合
物の中でNo10のビス(4−ヒドロキシフェニル)ス
ルファイド、およひNo11の2.2′チオビス(4−
クロルフェノール)は、相対的に保存安定性の改善が少
なく、直射日光を受けると変色する。しかし、直射日光
を避けて保存することを励行すれば実用価値が有る。ま
た表1中、No1の2.2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、No4の1.1ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン、No9のビス(4−ヒドロ
キシフェニル)スルホン、およびNo11の2.2′−
メチレンビス(4−クロルフェノール)は、電子線照射
前・後の経時安定性の改善効果が著しい。なお、前記の
本発明に係るインジケータインキの構成に加えて、電子
線照射によって酸やフリーラジカルを発生する公知の物
質(例えばトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロフ
ォスフェート、フェニルトリブロモメチルスルホンな
ど)を配合して電子線照射時の変色性をさらに改善する
ことも可能である。また、紫外線吸収剤を配合して電子
線照射前の経時安定性(日光による変色防止)をさらに
改善することも可能である。
【0011】
【実施例】次に実施例1〜同11および比較例1〜同1
1を順次に説明する。 (実施例1)pHの変化に伴って色調の変化を生じる有
色色素としてメチルイェロー1部、分子中に35重量%
以上の塩素を含む高分子物質として、平均重合度約50
0の塩化ビニル樹脂100部、および、ビスフェノール
化合物として2−2ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン25部、を、これらを溶解し得る有機溶剤として
のテトラヒドロフラン500部に溶解して電子線滅菌用
インジケータインキを作成した。ポリエステルフイルム
(厚さ12μm)と紙(厚さ100μm)とを積層して
作成した基紙のポリエステルフイルム側に前記のように
作成したインジケータインクをマイヤーバーで塗布(厚
さ0.45mm)し、60℃で乾燥して、黄色の電子線滅
菌用インジケータを得た。
【0012】この電子線滅菌用インジケータインキに、
加速電圧10メガエレクトロンボルトの電子線を1.5
メガラド照射したところ該インジケータの色調が赤色に
なった。また、このインジケータを電子線照射前と照射
後のそれぞれにおいて直射日光に2時間曝露し、あるい
は40℃,90%RHに5日間保ったが、照射前の変色
も照射後の褪色も見られなかった。以下、説明の便宜
上、上述のような10メガエレクトロンボルト,1.5
メガラドの電子線照射を基準条件の電子線照射テストと
いい、直射日光に2時間曝露することを基準条件の耐光
性テストといい、40℃,90%RHに5日間保つこと
を基準条件の耐湿性テストという。
【0013】(比較例1)実施例1のインジケータイン
キの組成から2.2ビス(4−ヒドロキシフエニル)プ
ロパンを除いたこと以外は全く実施例1におけると同様
にして電子線滅菌用インジケータインキを作成し、実施
例1におけると同様に基紙に塗布,乾燥して黄色の電子
線滅菌用インジケータを得た。この電子線滅菌用インジ
ケータに、基準条件の電子線照射テストおよび耐光性テ
スト並びに耐湿性テストを施したところ、電子線照射テ
ストによって黄橙色に変色したのみで変色性が不充分で
あり、実用性無しと判断された。また、耐湿性テスト結
果はやや不良(やや褪色が認められる)であった。
【0014】(比較例2)pHの変化に伴って色調の変
化を生じる有色色素として前記実施例1および比較例1
におけると同様のメチルイェロー1部、分子中に35重
量%以上の塩素を含む高分子物質として塩化ビニリデン
樹脂150部を用い、これらをテトラヒドロフラン50
0部に溶解して電子線滅菌用インジケータインキを作成
した。このインジケータインキを用い、実施例1におけ
ると同様にして電子線滅菌用インジケータを得た。この
インジケータは「かぶり」を生じて、電子線照射前に既
に橙黄色を呈していた。これに基準条件の電子線照射テ
ストおよび耐光性テストを施したところ、橙黄色から赤
色に変色したが色差が少なく、また、耐光性テストによ
っても橙黄色から橙赤色に変色したので実用性無しと判
断される。
【0015】(実施例2)pHの変化に伴って色調の変
化を生じる有色色素として、次に示す4−メチルチアゾ
ール−2−イル−アゾ−ジエチルアミノ−m−トルイジ
ン1部
【0016】
【化5】
【0017】分子中に35重量%以上の塩素を含む高分
子物質として、平均重合度約400の塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体(酢酸ビニル約10重量%)100部、
および、ビスフェノール化合物として1.1ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン25部を、これら
を溶解し得る有機溶剤としてのメチルエチルケトン50
0部に溶解して電子線滅菌用インジケータインキを作成
した。このインジケータインキを用いて、滅菌包装材料
であるポリエチレン系高密度スパンボンド不織布にグラ
ビア印刷(版深度70μm)し60℃で乾燥して、ほぼ
赤色の電子線滅菌用インジケータを得た。このインジケ
ータについて基準条件で電子線照射テストを行ったとこ
ろ紫色に変色した。また、基準条件の耐光性テストおよ
び耐湿性テストについても良好な結果が得られた。
【0018】(比較例3)実施例2のインジケータイン
キの組成からビスフェノール化合物としての1.1ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンを除いたこ
と以外は全く実施例2におけると同様にして電子線滅菌
用インジケータインキを作成し、実施例2と同様にして
グラビア印刷を行い、60℃で乾燥してほぼ赤色の電子
線滅菌用インジケータを得た。このインジケータに基準
条件の電子線照射テストを施したところ、赤色から茶色
に変色したものの色調変化が明瞭でなく、耐光性,耐湿
性テストに及ばず実用性無しと判断された。
【0019】(実施例3)pHの変化に伴って色調の変
化を生じる有色色素として、次の構造式によって表わさ
れる色素1部、
【0020】
【化6】
【0021】分子中に35重量%以上の塩素を含む高分
子物質として、平均重合度約400の塩化ビニル−塩化
ビニリデン共重合体樹脂(塩化ビニリデン約10重量
%)100部、および、ビスフェノール化合物として、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン25部を、混
合溶剤(テトラヒドロフランとメチルエチルケトンとの
1:2混合液)1000部に溶解して電子線滅菌用イン
ジケータインキを作成した。このインジケータインキを
用い、実施例1と同様にして基紙に塗布,乾燥して赤色
の電子線滅菌用インジケータを得た。この電子線滅菌用
インジケータについて基準条件で電子線照射テストを行
ったところ、帯青紫色に変色した。また、基準条件での
耐光性テストおよび耐湿性テストにより良好な耐光性,
耐湿性が確認された。
【0022】(比較例4)実施例3のインジケータイン
キの組成からビスフェノール化合物としてのビス(4−
ヒドロキシフェニル)スルホンを除いたこと以外は全く
実施例3と同様にしてインジケータインキを作成し、実
施例3と同様に基紙に塗布,乾燥してほぼ赤色の電子線
滅菌用インジケータを得た。このインジケータについて
基準条件で電子線照射テストを行ったところ、赤色から
暗褐色に変色したのみで色調変化が明瞭でなく、耐光性
テストや耐湿性テストに及ばず実用性無しと判断され
た。
【0023】(実施例4)pH変化に伴って色調の変化
を生じる有色色素として、実施例2におけると同様に4
−メチルチアゾール−2−イル−アゾ−ジエチルアミノ
−m−トルイジン1部、pHの変化に伴って変色しない
黄色系の色素であるカヤセットイェロー476(日本化
薬株式会社製)1.5部、分子中に35重量%以上の塩
素を含む高分子物質である塩化ビニル樹脂(平均重合度
約500)100部、および、ビスフェノール化合物で
ある2.2′−メチレンビス(4−クロルフェノール)
20部を、これらを溶解し得る有機溶剤であるテトラヒ
ドロフラン500部に溶解して電子線滅菌用インジケー
タインキを作成した。このインジケータインキを用い
て、実施例1におけると同様にして基紙に塗布,乾燥し
て、やや暗い赤色の色調を呈する電子線滅菌用インジケ
ータを得た。このインジケータについて基準条件で電子
線照射テストを行ったところ暗緑色に変化した。また、
基準条件での耐光性テストおよび耐湿性テストについて
も良好な結果が確認された。
【0024】(実施例5〜11,比較例5〜11)これ
らの実施例および比較例は、本発明に係るインジケータ
インキにおける必須構成要件であるビスフェノール化合
物について、ビスフェノール化合物に属する各種化合物
のそれぞれが、本発明の効果を奏することができるか、
および、ビスフェノール化合物以外の各種有機酸では本
発明の効果を奏し得ないか、を確認するために行った実
験である。
【0025】予め、メチルイェローと塩化ビニル−塩化
ビニリデン共重合体樹脂を混合溶剤に溶解した。同一組
成の溶液を14個に汲み分けた。詳しくは次の如くであ
る。pHの変化に伴って色調の変化を生じる有色色素と
してのメチルイェロー1部と、分子中に35重量%以上
の塩素を含む高分子物質としての塩化ビニル−塩化−ビ
ニリデン共重合体樹脂(平均重合度約400、塩化ビニ
リデン約10%)100部とを、テトラヒドロフランと
メチルエチルケトンとの混合溶剤(1:2)500部に
溶解して、実施例5〜11用の7個と比較例5〜11用
の7個との計14個に区分した。これら14個中の7個
のそれぞれに対して、表2に示すように7種類のビスフ
ェノール化合物を配合,溶解して実施例5〜11の電子
線滅菌用インジケータインキを作成するとともに、残り
7個中の6個のそれぞれに対して各種有機酸を配合、溶
解して比較例6〜11の電子線滅菌用インジケータイン
キを作成した。これらの実施例,比較例におけるビスフ
ェノール化合物その他の有機酸類の配合量は、著しい
「かぶり」を生じない範囲内の最大量とした。比較例5
は有機酸を配合していない。
【0026】これらの各実施例,比較例の電子線滅菌用
インジケータインキを、実施例2や比較例3と同様にし
てグラビヤ印刷を行い、電子線滅菌用インジケータを作
成した。これらの実施例5〜11,比較例5〜11の電
子線滅菌用インジケータは、いずれもほぼ黄色を呈して
いた。これらに対して基準条件で電子線照射テストを行
った結果の変色状態は、それぞれ表2に示すごとくであ
る。
【0027】
【表3】
【0028】実施例5,6および8〜11は、いずれも
黄色から赤色に変化し、その色調変化が明瞭であった。
実施例7は黄色から橙赤色に変化し、色調変化の明瞭さ
はほぼ良好であった。 比較例5(有機酸無配合)は、黄色から僅かに橙色味を
帯びた程度であって、その色調変化は不明瞭であった。 比較例6〜11のそれぞれは、黄色から黄橙色に変化し
たが、これらを比較例5に対比して見ると、ビスフェノ
ール化合物以外の有機酸の配合による変色性の改良効果
はいずれも微弱であった。
【0029】上記実施例5〜11および比較例5(有機
酸無配合)について、基準条件で耐光性テストおよび耐
湿性テストを行った結果は表3のごとくである。
【0030】
【表4】
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明を適用して
構成した電子線滅菌用インジケータインクは、薄い皮膜
のインジケータを形成しても1.5メガラド程度の電子
線照射によって明瞭に変色し、しかも、電子線照射前に
直射日光に曝露しても変色が進行しにくくて耐光性に優
れ、かつ、電子線照射によって変色した後、高温高湿の
状態に放置しても褪色しにくくて耐湿性に優れている。
特に、1.5メガラド程度といった比較的低レベルの照
射線量を確実に検出することができるので、このレベル
付近で滅菌操作が行われる医療器材類の滅菌作業管理に
おいて実用価値が大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 豊田 秀之 茨城県牛久市牛久町298番地 株式会社ホ ギメデイカル研究開発部内 (72)発明者 熊田 祐治 茨城県牛久市牛久町298番地 株式会社ホ ギメデイカル研究開発部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)pHの変化に伴って色調の変化を
    生じる有色色素、(b)分子中に35重量%以上の塩素
    を含む高分子物質、(c)ビスフェノール化合物、およ
    び(d)上記各物質を溶解し得る有機溶剤よりなること
    を特徴とする電子線滅菌用インジケータインキ。
  2. 【請求項2】 前記の有色色素は次の一般式(1)で表
    わされる色素であることを特徴とする、請求項1に記載
    の電子線滅菌用インジケータインキ。 【化1】 ただし、上記のR1はC1〜C4の低級アルキル基を表わ
    す。
  3. 【請求項3】 前記の有色色素は次の一般式(2)で表
    わされる色素であることを特徴とする、請求項1に記載
    の電子線滅菌用インジケータインキ。 【化2】 ただし、R2は水素原子またはC1〜C4の低級アルキル
    基、R3はR2と独立に水素原子またはC1〜C4の低級ア
    ルキル基を表わす。
  4. 【請求項4】 前記の有色色素は次の一般式(3)で表
    わされる色素であることを特徴とする。請求項1に記載
    の電子線滅菌用インジケータインキ。 【化3】
  5. 【請求項5】 前記のビスフェノール化合物は、フェノ
    ール性水酸基に対するオルト位の少なくとも一つに置換
    基を有せず、かつ分子中にカルボキシル基を含まないも
    のであることを特徴とする、請求項1ないし請求項4の
    内の何れか一つに記載の電子線滅菌用インジケータイン
    キ。
JP3226700A 1991-09-06 1991-09-06 電子線滅菌用インジケータインキ Expired - Lifetime JPH0692549B2 (ja)

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WO1998046279A1 (fr) * 1997-04-17 1998-10-22 Johnson & Johnson Medical Kabushiki Kaisha Feuilles indicateurs chimiques et poches pour sterilisation utilisant lesdites feuilles
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