JPH0567611B2 - - Google Patents

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JPH0567611B2
JPH0567611B2 JP1108116A JP10811689A JPH0567611B2 JP H0567611 B2 JPH0567611 B2 JP H0567611B2 JP 1108116 A JP1108116 A JP 1108116A JP 10811689 A JP10811689 A JP 10811689A JP H0567611 B2 JPH0567611 B2 JP H0567611B2
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JP
Japan
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fraction
culture
lem
substance
soluble
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JP1108116A
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Chokichi Iizuka
Shozo Toda
Naoki Yamamoto
Seizaburo Niwayama
Kenji Abe
Nobuhiko Sugano
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NODA SHOKKIN KOGYO
Original Assignee
NODA SHOKKIN KOGYO
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Publication date
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Priority to JP1108116A priority Critical patent/JPH02286623A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
「産業上の利用分野」 本発明は、担子菌の菌糸体培養物から得られる
抗ウイルス物質及びその製法に関する。 「従来の技術」 近年、例えばB型肝炎ウイルス、エイズウイル
ス、ヘルペスウイルスなどの各種ウイルスに感染
して引き起こされる極めて治りにくい病気が重大
な問題となつている。 例えば、B型肝炎ウイルスは、DNAウイルス
であるが、感染者に肝障害を引き起こし、急性肝
炎又は慢性肝炎から肝硬変、更には肝癌へと進行
させて、患者を死に至らせる。 また、エイズウイルスは、レトロウイルス科レ
チンウイルス亜科に属するヒトのRNAウイルス
であるが、T4陽性T細胞に親和性を持ち、これ
を感染死滅させるため、患者は免疫不全を来し、
後天性免疫不全症候群を引き起こす。 更に、ヘルペスウイルスのうち、単純ヘルペス
ウイルスには、1型と2型が知られているが、前
者は主に口内炎を、後者は主に陰部ヘルペスを引
き起こすといわれている。 このようなウイルス病に対する治療薬は、現在
のところ極めて少ないのが現状である。例えばア
デニンアラビノシド、アシクロビルなどの治療薬
が知られているが、いずれも毒性が高く副作用が
強いという問題があつた。 一方、本発明者らは、長年に亙つて椎茸等の担
子菌の菌糸体培養物から抽出した物質について研
究を続けてきた。そして、上記培養物から抽出さ
れた物質が免疫賦活作用を有すること(特公昭53
−23392号)、上記培養物から抽出された分子量
600万〜150万(A画分)及び150万〜80万(B画
分)の物質がB型慢性肝炎に有効であること(特
開昭62−70532号)、上記培養物から抽出された多
糖及びゼアチン関連物質を主体とするサイトカイ
ニン系活性物質の複合体が抗ウイルス剤として有
効であること(特公昭62−36009号)などを既に
見いだしている。 「発明が解決しようとする課題」 椎茸等の担子菌の菌糸体培養物から抽出された
物質は、毒性が殆どなく副作用の心配がない上に
優れた抗ウイルス効果を示す点で、アデニンアラ
ビノシド、アシクロビルなどの公知の抗ウイルス
物質に比べて優れてる。 しかし、上記菌糸体培養物から抽出された物質
は、低分子から高分子に至る複雑な物質群で構成
されており、その有効成分を確定することが極め
て困難であつた。このため、有効成分のみを取り
出してその効果を高めることができなかつた。 したがつて、本発明の目的は、椎茸等の担子菌
の菌糸体培養物から抗ウイルス作用を示す有効成
分を取り出して、より効果の高い抗ウイルス物質
及びその製法を提供することにある。 「課題を解決するための手段」 本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研
究した結果、椎茸等の担子菌の菌糸体培養物中に
含まれる抗ウイルス作用を示す有効成分が、糖
質、蛋白質及び変性水溶性リグニンを主成分とす
る物質であることを見出し、本発明を完成するに
至つた。 すなわち、本発明による抗ウイルス物質は、植
物繊維成分を含有する培地を用いて担子菌の菌糸
体を培養し、この培養物の温水抽出物から、アル
コール濃度37.5%可溶、50%不溶画分を分取し、
更にこの画分をフエニルセフアロースカラムにか
けて75%エチレングリコールで溶出してくる画分
であつて、分子量が1万〜150万で、糖質12〜20
%、蛋白質2〜5%、変性水溶性リグニン70〜85
%を含有する物質からなることを特徴とする。 また、本発明による抗ウイルス物質の製法は、
植物繊維成分を含有する培地を用いて担子菌の菌
糸体を培養し、この培養物から水溶性成分を温水
抽出し、この抽出物からアルコール濃度37.5%可
溶、50%不溶画分を分取し、更にこの画分をフエ
ニルセフアロースカラムにかけて75%エチレング
リコールで溶出してくる画分を採取することを特
徴とする。 以下、本発明について好ましい態様を挙げて更
に詳細に説明する。 本発明で使用する担子菌としては、例えば椎
茸、カワラ茸、ヒラ茸、エノキ茸、マンネン茸、
マイ茸などの、各種の食用茸や薬用茸が挙げられ
るが、この中でも特に椎茸が好ましい。 培地として固体培地、液体培地のいずれも使用
できるが、培地成分中に植物繊維成分を含有させ
ることが必要である。植物繊維成分としては、例
えばバガス、ビート粕、麦わら、稲わら、とうも
ろこしの茎葉、米糠、小麦ふすまなどが挙げられ
るが、特にバガスが好ましい。本発明では、植物
繊維成分が担子菌の菌糸体によつて資化され、こ
れらが担子菌の菌糸体成分と一緒になつて、抗ウ
イルス作用を示す物質を形成するものと考えられ
る。なお、培地中には、多の栄養成分として、鋸
屑、ペプトン、イースト、甘蔗廃糖蜜などを添加
混合してもよい。なお、培地は、オートクレーブ
などで滅菌処理することが好ましい。 担子菌の菌糸体の培養は、例えば担子菌の胞子
を液体培養して得られる菌糸体ペレツトを上記の
ような培地に接種して行なう。菌糸体を接種した
後、固体培地の場合は、例えば温度18〜25℃、湿
度50〜90%程度に空調された培養室で3カ月〜6
カ月程度培養する。最も理想的には、温度20〜25
℃、温度60%に空調した培養室で4カ月〜6カ月
程度培養する。こうして菌糸体が蔓延した培地
は、温度処理室に移して変温処理を行なうことが
好ましい。変温処理は、例えば最初に32〜34℃で
24〜48時間加温し、次に低温処理室に移して4〜
8℃、湿度85%にて5〜7日間低温処理を行な
う。この変温処理は、製品の品質の安定上好まし
く採用されるが、必ずしも必要なものではない。
その後、培地を栽培室に移して放置すると、子実
体の発生が始まるが、この時点で培養を終了し、
後述するような培養物を粉砕機により粉砕する。
一方、液体培地の場合は、通気培養もしくは振と
う培養により、15〜30℃の温度条件で1週間〜1
カ月程度培養を行なう。培養は、培地中に菌糸体
が蔓延した状態で終了する。 培養終了後、菌糸体に内在する酵素を利用して
菌糸体を自己消化させるとともに、代謝産物を抽
出する。その好ましい方法として、固体培地の場
合は、まず、培養が終了した培養物を粉砕し、粉
砕物を40〜90℃で3〜6時間程度処理して菌糸体
の酵素によつて自己消化させる。最も好ましく
は、80℃前後で3〜4時間、通気加熱し、酵素反
応を促進させ、自己消化させると共に、水分3〜
5%程度まで乾燥させる。次に、この粉砕物に40
℃以上の温水又は熱水を注いで有効成分を抽出す
る。最も好ましい態様を挙げると、上記粉砕物
600gに対して約5の水を加え、約1時間煮沸
すると共に攪拌する。この攪拌によつて菌糸体の
代謝産物および菌糸体細胞液中に含有されている
有効成分が熱水に溶脱される。こうして得られた
懸濁液を例えばネル布地の濾過袋に充填し、これ
を加圧、濾過し、この濾液を更にメンブランフイ
ルタで濾過して除菌し、有効成分が含有された抽
出液を得る。一方、液体培地の場合は、必要に応
じて菌糸体を破砕した後、40〜60℃に加熱して自
己消化を行なわせ、菌糸体が溶解した液状の懸濁
培養物を得る。この培養物を上記と同様に濾過、
除菌して抽出液を得ることができる。得られら抽
出液は、必要に応じて限外濾過膜、エバポレータ
等の手段で濃縮し、これを凍結乾燥等にて褐色の
粉末体とすることができる。 本発明で、こうして得られた抽出液又はその乾
燥粉末に、更にアルコール分別沈殿、クロマト分
画を施して、その有効成分を分取する。この分離
方法としては、次のような方法を採用することが
できる。 上記乾燥粉末に、好ましくは10倍量程度の水を
加え、懸濁液をPH7.2程度に調製し、この懸濁液
にエチルアルコール(他の低級アルコールでもよ
い)を加え、沈殿物を得る。後述する実施例から
も明らかなように、ウイルスに対する増殖抑制作
用は、アルコール濃度37.5%で可溶であり、アル
コール濃度50%で不溶となる画分に強く認められ
る。したがつて、アルコール濃度37.5%可溶、50
%不溶画分を採取する。 こうして得られたアルコール沈殿物をフエニル
セフアロースカラムにかけて活性画分を分取す
る。すなわち、上記アルコール沈殿物を1M硫安
を含むリン酸緩衝液(PH7.2)に溶解し、フエニ
ルセフアロースカラムにかけて素通りしてくる画
分を分離し、続いてリン酸緩衝液(PH7.2)を流
して溶出する画分を分離し、更に75%エチレング
リコールで溶出する画分を分取する。こうして、
得られた画分のうち、最後に75%エチレングリコ
ールで溶出する画分に、より顕著な抗ウイルス作
用が認められる。 この75%エチレングリコールで溶出される画分
の分析例を以下に示す。 糖質:15.9%、蛋白質:3.2% 元素分析値:炭素44.97%、水素3.81%、窒素1.88
%、灰分5.7% 無機成分:P0.52%、S0.34%、Mg0.03%、
Ca0.21%、K0.34%、Na2.17% 本画分は、280nmの強い紫外部吸収を示すに
もかかわらず、蛋白含量が少ない、疎水性が高い
(フエニルセフアロースで吸着される)、水素及び
窒素を殆ど含まない不飽和度の高い有機物であ
る、褐色を呈する、などの特性を有しているた
め、上記における糖、蛋白以外の有機物は、水溶
性リグニンであるという可能性が考えられた。 リグニンの比色定量法として一般的に用いられ
るていアセチルブロマイド法は、リグニン以外の
芳香環を持つ物質、即ち蛋白質中のチロシンや加
水分解型タンニン等の影響を殆ど受けず、リグニ
ンにかなり特異的な定量法であるが、本法により
エチレングリコール溶出画分を定量した結果、約
80%の値が得られ、糖、蛋白を差し引いた値にほ
ぼ一致した。 また、IRスペクトル、NMRスペクトルなどで
本物質を解析した結果、植物より得られたnative
リグニンとほぼ同じスペクトルを与えたが、
nativeリグニンに比べカルボキシル基を多く有
し、芳香環に縮合構造を多く持つた変性した水溶
性リグニンであることが判明した。IRスペクト
ルの結果を第1図に示す。図において、実線は本
物質を示し、破線は麦ワラのリグニンを示してい
る。 これらの結果から、最後にエチレングリコール
で溶出された画分は、次のような分子量及び組成
を有するものであることが確認された。 分子量:1万〜150万 化学組成 糖質:12〜20% 蛋白質:2〜5% 変性水溶性リグニン:70〜85% 以上の結果から、本発明の抗ウイルス物質は、
培地中に含まれる食物繊維成分を担子菌が資化し
て得られた変性水溶性リグニンを主成分とし、こ
れに糖質、蛋白質及びP、S、Mg、Ca、K、
Naなどの微量の無機質が結合したものからなつ
ていることことがわかつた。 「作用」 本発明の抗ウイルス物質は、後述する実施例か
ら明らかにように、各種ウイルスに対する優れた
感染阻止効果を有しており、しかも、天然物から
得られたものであるため、合成化学薬品などにお
ける副作用の心配は全くない。 本発明の抗ウイルス物質が各種ウイルスに対す
る優れた感染阻止効果を有する理由は、未だ詳細
にはわかならいが、推測によれば、本発明の抗ウ
イルス物質が各種ウイルスの宿主細胞に対する吸
着阻害および逆転写酵素活性を阻害するための考
えられる。 また、本発明の抗ウイルス押出物質の製法によ
れば、抗ウイルス作用を有する有効成分を効果的
に抽出し、分離することができる。 「実施例」 実施例 1 (1) 椎茸菌糸体の培養 バガス90%、米糠5%、ふすま糖の栄養源5
%を配合した固体培地を常法により殺菌し、こ
れに椎茸の種菌を接種する。その後、培地を温
度20〜25℃、湿度60%に空調した培養室内に移
して4〜6カ月培養する。培地中に菌糸体が蔓
延した後、温度処理室に移して32〜34℃で24〜
48時間加温し、次に低温処理室に移して5〜8
℃、湿度85%にて5〜7日間低温処理を行な
う。その後、培地を栽培室に移して放置し、培
地表面から子実体が発生し始めたら、培地を取
り出して粉砕機で破砕する。 (2) 培養物からの有効成分の抽出 上記破砕物を80℃前後で3〜4時間通気加熱
し酵素反応を促進させ、菌糸体の自己消化を行
なうと共に、水分3〜5%まで乾燥する。この
破砕物600gに対する約5の水を加え、約1
時間煮沸すると共に攪拌する。この攪拌によつ
て菌糸体の代謝産物および菌糸体細胞液中に含
有されている有効成分が水に溶脱される。 こうして得られた懸濁液をネル布地の濾過袋
に充填し、これを加圧、濾過して濾液を得る。
この濾液をメンブランフイルタで濾過して除菌
し抽出液を得る。この抽出液を限外濾過膜等に
よつて加圧濃縮し、凍結乾燥等にて褐色の粉末
を得る。以下、この粉末をLEMとする。 上記LEMの成分を分析した結果、糖:34.0
%、蛋白質:10.8%、水溶性リグニン:43.0
%、その他:12.2%であつた。なお、糖はフエ
ノール/硫酸法で定量し、蛋白質はセミミクロ
ケルダール法で定量し、リグニンはアセチルブ
ロマイド法で定量した。 また、LEMの主要成分をなす多糖成分の糖
組成をガスクロマトグラフイーによつて定量し
た結果、グルコース:18.1%、ガラクトース:
5.4%、マンノース:7.7%、キシロース:29.9
%、アラビノース:37.6%、フコース+ラムノ
ース:1.2%であつた。 このLEMの安全性を試験した結果、次の通
りであつた。 (a) 急性毒性(LD50mg/Kg) 経口7日 マウス ♂19600 ♀17700 ラツト ♂16400 ♀15600 腹腔内 マウス ♂5500 ♀4920 ラツト ♂2490 ♀2270 (b) 亜急性毒性(経口90日) 最大無作用量(mg/Kg) マウス ♂6740 ♀9100 ラツト ♂3840 ♀7910 (3) LEMの分画 LEMの10倍量の水を加え、この懸濁液をPH
7.2に調整する。 この懸濁液にエチルアルコールを加えてア
ルコール濃度80鵜とし、生成した沈殿を分離
してLAPとした。 また、上記懸濁液にエチルアルコールを加
えてアルコール濃度50%とし、生成した沈殿
を分離してP−LEMとした。 更に、上記懸濁液にエチルアルコールを加
えてアルコール濃度37.5%とし、生成した沈
殿を除去した後、エチルアルコールを等に加
えてアルコール濃度50%とし、生成した沈殿
を分離してneoPPTとした。 neoPPTを1M硫安を含むリン酸緩衝液
(PH7.2)に溶解し、これをフエニルセフアロ
ースCL−4Bカラムにかけて素通りしてくる
画分をP1とした。 上記カラムにリン酸緩衝液(PH7.2)を流
して溶出してくる画分をP2とした。 更に上記カラムに75%エチレングリコール
を流して溶出してくる画分をP3とした。 このP3についてその分子量及び組成を分析し
た結果は、前述した通りである。 試験例 1 (1) エイズウイルス(HIV)の培養ヒトT細胞
系におけるLEMの感染阻止効果 実験方法 HTEV−1陽性のMT−4細胞(培養ヒ
トT細胞系)に、HIVを感染多重度0.001(細
胞1000に対しウイルス1の割合)で感染さ
せ、細胞数を10%FCS加RPMI−1640培養液
で2×105/mlに調整した後、これを24穴の
組成培養プレートの所定のウエルにそれぞれ
分注する。一方、P−LEM(LEMの50%
EtOH沈殿画分)を最終濃度0.1mg/ml、0.2
mg/ml、0.3mg/ml、0.4mg/ml、0.5mg/mlと
なるように上記プレートの所定のウエルにそ
れぞれ注入し5%CO2加の加湿空気中に37℃
で維持した。培地は3日毎に交換し、P−
LEMはその度毎に培地に添加した。3日毎
に間接蛍光抗体法により、HIV抗原の発現
した細胞数を測定し、P−LEMを添加しな
い照射群と比較した。 実験結果は、第2図に示す通りである。な
お、第1図中、縦軸は蛍光陽性の細胞の割合
(%)、横軸は感染後の日数を表わしている。
なお、図中、−★−は対照郡、−△−は0.1mg
添加群、−○−は0.2mg添加群、−▲−は0.3mg
添加群、−■−は0.4mg添加群、−□−は0.5mg
添加群を表わしている。 対照群は培養3日目には90%の細胞が
HIV抗原陽性となり、培養9日目で殆んど
死滅したがP−LEMは、HIVのMT−4細
胞に対する感染に対し、用量依存的に阻止効
果が認められた。この感染阻止効果は、0.2
mg/mlの濃度において12日間ほぼ完全に阻止
することができた。 (2) P−LEM、P−2、P−3の抗エイズウイ
ルス作用の実験 次に、HIV持続産生細胞(MOLT−4/
HIV)と、HIV未感染細胞(MOLT−4)と
を1:1で混合し、巨細胞形成抑制(ウイルス
のために感染細胞は融合し、多核巨細胞を誘発
する)の試験を行なつた。 実験方法 上記の細胞混合物を5×105/mlに調整し、
組織培養プレートの個々のウエルに接種し
て、種々の濃度になるように試料を添加し、
5%CO2の加湿空気中で37℃で培養した。ま
た、対照として、試料を加えないで、同様に
培養した。培養後、経時的に顕微鏡で観察
し、生細胞の数を計測し、試料添加群の細胞
融合阻止率を計算した。 実験結果 培養20時間後には、試料無添加の対照は、
95%以上の細胞融合が観察されたが、P−
LEMは200μg/mlで86%の細胞融合阻止を
示した。また、P2(フエニルセフアロースカ
ラムにリン酸緩衝液(PH7.2)を流して溶出
してくる画分)は、6.25μg/mlで14.5%、
12.5μg/mlで70%、25μg/ml以上では82.6
%以上の細胞融合阻止を示した。更に、P3
(フエニルセフアロースカラムに75%エチレ
ングリコールを流して溶出してくる画分)
は、6.25μg/mlで65.2%、12.5μg/ml以上
では90%以上の細胞融合阻止を示した。 これらの結果から、特にP3の画分に強い
抗ウイルス作用が認められることがわかる。 (3) 逆転写酵素に対する阻害効果 次に、本発明の抗ウイルス物質のエイズウイ
ルスなどのレトロウイルスに対する作用機序を
解明するために、精製トリ骨髄芽球症ウイルス
(AMV)の逆転写酵素(Reverse
Transcriptase、RT)活性に対する阻害効果
について試験した。 実験方法 精製トリ骨髄芽球症ウイルス(AMV)か
ら調製した逆転写酵素(RT)に、P−LEM
を0〜500μg/mlの種々の濃度となるよう
に添加し、それぞれの濃度における逆転写酵
素(RT)の活性を測定した。 実験結果 実験結果を第3図に示す。図の縦軸は逆転
写酵素活性の阻害率を表わし、横軸はP−
LEMの濃度を表わしている。 この結果から、本発明の抗ウイルス物質
は、レトロウイルスの宿主細胞における
RNAゲノムからDNAに転写する逆転写酵素
の活性を阻害することにより、抗ウイルス作
用を発現するものと考えられる。 試験例 2 次に、LEM及びLAP(LEMの80%EtOH沈殿
画分)を用いて、単純ヘルペスウイルス1型に対
する抗ウイルス作用について調べた。 実験方法 ヒト癌細胞由来の培養ヒーラ細胞229株を組
織培養用の24穴プレートに成育させ、単純ヘル
ペスウイルスル1型(HSV−1)を感染多重
度(m.o.i)0.1〜0.01(ウイルス1に対して細胞
数10〜100の割合)となるように室温で1時間
感染させた後、種々の濃度のLEM又はLAPを
加えたMEM(2%FBS添加)培地で4日間培
養した。 4日後にヒーラ細胞を凍結融解し、得られた
懸濁液を毎分3000回転で10分間遠心分離し、上
清中のウイルス量をヒーラ細胞のプラーク形成
により測定した。 プラーク形成は、遠心上清のウイルスをヒー
ラ細胞に1時間吸着させた後、直径35mmのプラ
スチツクペトリ皿に1%の寒天を含む上記
MEM培地でヒーラ細胞229株を重層固化し、
2日間炭酸ガス孵卵器中で培養した。更に、
0.005%ニユートラルレツドを含むMEM寒天培
地を重層し、24時間培養後に生じたプラークを
カウントした。 実験結果 この実験結果を第4図に示す。図の縦軸は、
LEM又はLAPを含む培地で培養した細胞から
得られたプラークの数を、LEM又はLAPを含
まない培地で培養した細胞で得られたプラーク
の数で除した百分率を示し、横軸は、試料の濃
度を示す。 LEM及びLAPのいずれも濃度依存的に単純
ヘルペスウイルス1型の増殖を抑制し、特に
LAPでは10μg/mlの濃度で40%以下の増殖抑
制を示した。 試験例 3 LEMを用いて単純ヘルペスウイルス1型に対
するin vivoでの増殖抑制効果を試験した。 実験方法 雄性ゴールデンハムスター(5〜6週令、体
重約60g)の左眼を注射針で傷をつけ、HSV
−1を8×105PFU(プラーク形成単位)/10μ
の量で感染させ、11日間飼育した。 LEMを1日2回、朝と夕方にゾンデで経口
投与し、11日後の動物の生存数を対照群と比較
した。 実験結果 この実験結果を第1表に示す。LEM投与群
は対照群に比べ有意に動物が依存し、動物での
経口投与においてLEMが抗ウイルス効果を有
することが確認された。
【表】 試験例 4 ウツドチヤツク肝炎ウイルス(WHV)に対す
るLEMの投与効果 ウツドチヤツク(Marmota monax)は、ア
メリカ東部からカナダにかけて広く生育する齧歯
目リス科の動物であるが、ヒトB型肝炎ウイルス
(HBV)と同じヘパドナウイルス群に属するウツ
ドチヤツク肝炎ウイルス(WHV)の自然宿主で
あり、WHVはHBVと極めて生物学的特徴が類
似し、ヒトB型肝炎の実験モデルとして近年注目
されている。そこで、WHV持続陽性のウツドチ
ヤツク(体重2〜4Kg、推定年令1〜3才)に
LEMを水に溶解し、1日3g経口投与した。 投与は18週間及び40週間各々2匹連続投与し、
適当な間隔をおいて採血し血清生化学検査及び
WHVのウイルス学的マーカー(DNAポリメラ
ーゼ、WHV−DNA)を測定した。 その結果、LEMの18週間投与群では肝機能異
常の改善、DNAポリメラーゼ及びWHV−DNA
の軽度の下降を認めた。また、40週間投与群で
は、DNAポリメラーゼ、WHV−DNAの著減を
認めた。40週間投与群の結果を第5図に示す。図
中、□−□及び○−○は、ウツドチヤツクNo.1及
びNo.2のDNAポリメラーゼの測定値を表わし、
□…□及び○…○は、ウツドチヤツクNo.1及びNo.
2のWHV−DNAの測定値を表わしている。 これらの結果は、ヒトのB型慢性肝炎に対して
もLEMの経口投与で十分な効果が期待できるこ
とを裏付けている。 試験例 5 e抗原陽性[HBeAg(+)]の慢性B型肝炎患
者66例に、LEMを朝夕3gずつ1日6gを16週
間連続して経口投与し、自・他覚症状、血液生化
学検査、ウイルス学的検査を調査した。 その結果、主治医の判定結果のうち、全般改善
度では、著名改善13例(19.7%)、改善5例(7.6
%)、軽度改善13例(19.7%)で何らかの改善が
認められた例は47%であつた。肝機能改善度にお
いても著名改善11例(16.7%)を含め、何らかの
改善が31例(47%)に認められた。 また、解析可能な47例について投与開始時と投
与後の血中のウイルスe抗原について統計学的解
析を行なつた結果、e抗原は、投与開始時の4.77
(cut of idexで表示)から16週間後には3.64とな
り、有意に減少した。同様に、46例についてe抗
体を解析した結果、投与開始時には9.28%(阻止
率で表示)であつたが、16週間後には19.30%と
有意に増加しており、上記に示した総合的判定を
裏付けた。 なお、副作用については、2例(3%)に軽度
の腹部膨満感、消化不良症状が見られた程度で、
安全率は非常に高かつた。 これらの結果から、本発明の抗ウイルス物質
は、B型肝炎に対してもその症状を十分改善する
効果があることがわかる。 実施例 2 とうもろこしの茎葉90%、米糠10%を配合し、
水分70%となるように調製した固体培地を殺菌
し、マンネンタケの菌糸を接種した後、25℃で4
箇月間培養した。 培養後、培地を破砕し、80℃で3時間乾燥し、
水を加えて80℃で6時間抽出し、濾液を凍結乾燥
した。 この粉末に10倍量の水を加えて懸濁液を調製
し、この懸濁液にエチルアルコールを加えてアル
コール濃度37.5%とした後、生成した沈殿を除去
した。その問、エチルアルコールを更に加えてア
ルコール濃度50%とした後、生成した沈殿を分離
して、アルコール濃度37.5%可溶、50%不溶画分
を得た。 この画分を1M硫安を含むリン酸緩衝液(PH
7.2)に溶解し、これをフエニルセフアロースCL
−4Bカラムにかけて、前記実施例と同様に75%
エチレングリコール溶出画分を得た。 この物質を分析したところ、糖質18.1%、蛋白
質4.6%、変性水溶性リグニン73.4%であつた。 試験例 6 上記実施例2で得られた物質について、エイズ
ウイルス(HIV)、単純ヘルペスウイルス1型、
単純ヘルペスウイルス2型、ポリオウイルス及び
麻疹ウイルスに対する抗ウイルス作用を調べた。 HIVについては、前記試験例1の(2)に記載し
た方法で実験を行い、細胞融合阻止率を測定し
た。また、その他のウイルスについては、ヒーラ
細胞の代りにVero(アフリカミドリザル腎由来)
細胞を用いた他は、試験例2と同様な方法で実験
を行い、プラーク形成率を測定した。 これらの結果を第2表に示す。
【表】
【表】 第2表の結果から、実施例2で得られた物質
は、各種のウイルスに対して優れた抗ウイルス作
用を有していることがわかる。 「発明の効果」 以上説明したように、本発明の抗ウイルス物質
は、各種ウイルスに対してその増殖を抑制する効
果かあることが確認された。また、本発明におい
て特筆すべきことは、従来の抗ウイルス作用を有
する物質は強烈な毒性を有し、副作用があるため
実用化を断念せざるを得なかつた場合が多かつた
が、本発明の物質は100%天然物から抽出したも
のであるため、安全性が非常に高いという点であ
る。本発明の物質は、低濃度においてもウイルス
の逆転写酵素の活性を阻害するので、これによつ
てレトロウイルスの増殖を抑制し、各種ウイルス
病に対する優れた予防あるいは治療効果を期待す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の物質と麦ワラのリグニンの
IRスペクトルを示す図、第2図はエイズウイル
スに対するLEMの感染抑制効果を示す図、第3
図はP−LEMの精製トリ骨髄芽球症ウイルスの
逆転写酵素活性に対する阻害効果を示す図、第4
図は単純ヘルペルスイルス1型に対するLEM及
びLAPの感染抑制効果を示す図、第5図はWHV
持続陽性のウツドチヤツクにLEMを40週間連続
投与した場合のDNAポリメラーゼ、WHV−
DNAの測定値を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 植物繊維成分を含有する培地を用いて担子菌
    の菌糸体を培養し、この培養物の温水抽出物か
    ら、アルコール濃度37.5%可溶、50%不溶画分を
    分取し、更にこの画分をフエニルセフアロースカ
    ラムにかけて75%エチレングリコールで溶出して
    くる画分であつて、分子量が1万〜150万で、糖
    質12〜20%、蛋白質2〜5%、変性水溶性リグニ
    ン70〜85%を含有する物質からなることを特徴と
    する抗ウイルス物質。 2 植物繊維成分を含有する培地を用いて担子菌
    の菌糸体を培養し、この培養物から水溶性成分を
    温水抽出し、この抽出物からアルコール濃度37.5
    %可溶、50%不溶画分を分取し、更にこの画分を
    フエニルセフアロースカラムにかけて75%エチレ
    ングリコールで溶出してくる画分を採取すること
    を特徴とする抗ウイルス物質の製法。
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