JPH0568353B2 - - Google Patents
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- JPH0568353B2 JPH0568353B2 JP60253310A JP25331085A JPH0568353B2 JP H0568353 B2 JPH0568353 B2 JP H0568353B2 JP 60253310 A JP60253310 A JP 60253310A JP 25331085 A JP25331085 A JP 25331085A JP H0568353 B2 JPH0568353 B2 JP H0568353B2
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- Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
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Description
〈発明の利用分野〉
本発明は、高分子シート状構造物の表面にフツ
素化合物の重合薄膜を形成した多層シート状構造
物ならびにその製造方法に関するものである。 〈従来の技術〉 従来、高分子シート状構造物は、一般にその製
造が容易でかつ安価に大量生産出来ることから、
食品、薬品、衣料などの包装用として、また磁気
テープ、写真フイルム、光記録材料、テント、電
気絶縁用等として大量に使用されているが、撥水
性、防汚性、耐薬品性、耐摩耗性、耐候性、防ブ
リードアウト性、防曇性、耐熱性、耐水性、耐吸
湿性、耐ブロツキング性等に欠点を有している場
合が多い。 従来これらの欠点を構造物の表面に薬剤を塗布
したり、構造物内部に薬剤を練り込んだりして解
決しようとしてきた。 例えば、撥水性改善のためのフツ素系樹脂、防
汚性向上のためにフツ素系樹脂又は/及びポリア
ルキレングリコール系化合物、耐薬品性改善のた
めにフツ素樹脂、耐摩耗性改善のためにアクリル
系樹脂又は含ケイ素化合物、耐候性向上のために
紫外線吸収剤、防曇性改善のために親水性樹脂又
は非イオン性オルガノケイ素化合物、耐熱性、耐
水性、耐吸湿性改善のためにフツ素系樹脂、耐ブ
ロツキング性向上のためにフツ素系樹脂や微粒子
エマルジヨン、防ブリードアウト性向上のために
フツ素樹脂を用い、これらの薬剤を塗布あるいは
練り込むことが行なわれている。 しかしこれらの方法で製造された高分子シート
状構造物は、本来の物性を損なつたり、耐久性が
極端に劣つたりして十分に満足出来るものではな
かつた。 また従来、低温プラズマ重合法を利用して、高
分子シート状構造物表面に、オルガノシランやフ
ツ素化合物より成る重合薄膜を形成して、前記欠
点を改善する試みがなされているが、いずれも改
善効果が低いばかりでなく処理に要する時間も非
常に長く実用化には不適当な方法であつた。 〈発明が解決しようとする問題点〉 本発明は高分子シート状構造物の種々の改善を
行なわんとするものであり、しかもその改善効果
が大きく、シート状構造物本来の物性を損なわ
ず、かつその耐久性が高く、更には工業的に短時
間で処理可能な処理法並びに、それから得られた
優れたシート状構造物を提供せんとするものであ
る。 〈問題点を解決するための手段〉 本発明者らは、高分子シート状構造物の表面
に、低温プラズマ重合法によりフツ素化合物の重
合膜を形成させる技術につき研究し、フツ素化合
物を数多く試験し、その中から、C2F4、C3F6、
C3F8、C4F8、C3F6O、C2H4F2の1種またはそれ
以上を用いると低温プラズマ重合法による前記多
層シート状構造物の製造が、容易に、安価で、可
能なことを見い出すに至つた。これら以外のフツ
素化合物は前記性能が劣つたり、処理が非常に困
難であつたり、効果な処理になつたりする。 また前記製造にあたり、低温プラズマ放電の放
電エネルギーを20〜1200ワツト・秒/cm2にするこ
とが性能の良好な多層シート状構造物を容易かつ
安価に大量生産するために必須であることをつき
とめた。低温プラズマ重合法により前記フツ素化
合物を用いて前記放電エネルギーで処理し、以下
に述べる重合膜の膜厚と特定されたフツ素化度、
酸素化度をもたせることにより、前述各種性能を
有する多層シート状構造物が工業的に容易に得ら
れることを見い出したものである。 即ち、本発明は、 1 高分子シート状構造物の少なくとも片面にフ
ツ素化合物の重合膜が500〜10000Åの薄膜層と
して形成され、その薄膜がフツ素化度αにおい
て、0.2≦α=F/C≦1.8であることを特徴と
する多層シート状構造物。 ここでフツ素化度αとは、X線光電子分光法
(X−ray Photoelectron Spectroscopy)によ
り測定されるフツ素F1Sのピーク面積から計算
されるフツ素原子数を、同様に測定される炭素
C1S原子数で割つた値である。 2 薄膜が、フツ素化度αにおいて0.2≦α=
F/C≦1.3、酸素化度βにおいて0.05<β=
O/C≦0.35であることを特徴とする特許請求
の範囲第1項記載の多層シート状構造物。 ここで酸素化度βとは、X線光電子分光法に
より測定されるO1Sのピーク面積から計算され
る酸素原子数を、同様に測定される炭素C1S原
子数で割つた値である。 3 薄膜が、下記で定義されるA,B,C,D,
Eにおいて、10%<A<70%、10%<B<35
%、10%<C<35%、5%<D<30%、0%<
E<20%であることを特徴とする特許請求の範
囲第1項又は第2項記載の多層シート状構造
物。 ここでAとは、X線光電子分光法により測定
される炭素C1Sのチヤートの、285エレクトロン
ボルト(eV)付近にピークをもつC−Hに代
表されるピーク面積を、C1Sの総ピーク面積で
割つた値に100を乗じてパーセント(%)表示
した値、 Bは同じく、287±0.5eV付近にピークをも
つC−CFnに代表されるピーク面積に対して同
様に%表示した値、 Cは同じく、289.2±0.5eV付近にピークをも
つCF−CFnに代表されるピーク面積に対して
同様に%表示した値、 Dは同じく、291.6±0.5eV付近にピークをも
つCF2に代表されるピーク面積に対して同様に
%表示した値、 Eは同じく、293±0.5eV付近にピークをも
つCF3に代表されるピーク面積に対して同様に
%表示した値、 である。 4 薄膜が、(B+8)%>(C+3)%>D%>
E%かつB%>(E+6)%であることを特徴
とする特許請求の範囲第1項ないし第3項記載
の多層シート状構造物。 5 高分子シート状構造物がポリエステル系重合
物よりなることを特徴とする特許請求の範囲第
1項ないし第4項記載の多層シート状構造物。 6 高分子シート状構造物が、ポリ塩化ビニール
系重合物よりなることを特徴とする特許請求の
範囲第1項ないし第4項記載の多層シート状構
造物。 7 高分子シート状構造物が、ポリビニルアルコ
ール系重合物よりなることを特徴とする特許請
求の範囲第1項ないし第4項記載の多層シート
状構造物。 8 高分子シート状構造物が、エチレン−ビニル
アルコール共重合系重合物よりなることを特徴
とする特許請求の範囲第1項ないし第4項記載
の多層シート状構造物。 9 高分子シート状構造物が、ポリメタクリル酸
メチル系重合物よりなることを特徴とする特許
請求の範囲第1項ないし第4項記載の多層シー
ト状構造物。 10 高分子シート状構造物の表面に、低温プラズ
マ重合法によりフツ素化合物の重合膜を形成さ
せるに際して、真空系内に、C2F4、C3F6、C3
F8、C4F8、C3F6O、C2H4F2から選ばれた1種
またはそれ以上のフツ素化合物を導入し、放電
エネルギー20〜1200ワツト・秒/cm2で、該シー
ト状構造物を処理することを特徴とする多層シ
ート状構造物の製造方法。 11 高分子シート状構造物の表面に、低温プラズ
マ重合法によりフツ素化合物の重合膜を形成さ
せるに際して、真空系内に、C2F4、C3F6、C3
F8、C4F8、C3F6O、C2H4F2から選ばれた1種
またはそれ以上のフツ素化合物を導入し、さら
に水素または非重合性ガスを導入併存させ、放
電エネルギー20〜1200ワツト・秒/cm2で、該シ
ート状構造物を処理することを特徴とする多層
シート状構造物の製造方法。 12 高分子シート状構造物の低温プラズマ重合法
処理を、電極が缶体に対して絶縁された非接地
式電極を有する低温プラズマ装置にて行うこと
を特徴とする特許請求の範囲第10項又は第1
1項記載の多層シート状構造物の製造方法。 に関するものである。 本発明でいう高分子シート状構造物とは、付加
重合系高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン、
塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチ
レン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ア
クリロトリル−ブタジエン−スチレン3元共重合
体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポ
リアクリルアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリビニー
ルアルコールなど)、重縮合系高分子(アルキツ
ド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエチレン
テレフタレートや、ポリブチレンテレフタレート
等のポリエステル及び芳香族ポリエステル、ポリ
カーボネイト、ポリフエニレンオキシド、ポリイ
ミド、ポリアミド芳香族ポリアミド、シリコーン
樹脂など)、付加縮合系高分子(フエノール樹脂、
尿素樹脂、メラミン樹脂など)、重付加系高分子
(ポリウレタン、エポキシ樹脂など)、開環重合系
高分子(ポリアセタール、ポリエーテル樹脂な
ど)、炭素繊維などを単独あるいは複合して原料
とし圧縮成形、移送成形、射出成形、押出し成
形、吹込成形、真空成形、カレンダー加工などの
成形法及び湿式紡糸、乾式紡糸、乾湿式紡糸、溶
融紡糸等の紡糸法で得られたフイルム状あるいは
布帛状又はシート状構造物である。 本発明でいうフツ素化合物とは、C2F4、C3F6
で代表されるCnHmClpF2n−m−pタイプ(n
≧2,m≧0,p≧0,2n−m−p≧1の整
数)、CF4、C2F6、C3F8で代表される
CnHmClpBrqF2o+2−m−p−qタイプ(n≧
1,m≧0,p≧0,q≧0,2n+2−m−p
−q≧1の整数)、C4F8で代表される
CnHmClpF2n−m−pの環状タイプ(n≧3,
m≧0,p≧0,2n−m−p≧1の整数)、C4F6
で代表されるCnHmClpF2o-2−m−pの二重結合
を有する環状タイプ(n≧4,m≧0,p≧0,
2n−2−m−p≧1の整数)、C3F6Oで代表され
るタイプ、NF3,SF6,WF6で代表されるタイプ
等各種存在する。 これらの中で成膜速度が大きく工業的に好まし
いものとしてはC2F4、C3F6、C3F8、C4F8、C3F6
O、C2H4F2等であるが、運搬上の安全性、成膜
速度、前記各種効果などからさらに好ましくは
C3F6、C4F8、C3F6Oである。 またこれらのフツ素化合物の中には単独では成
膜能力の低い物も、少量の水素ガス又は非重合性
ガスと混合してプラズマ重合させると成膜速度が
著しく向上するものがある。水素ガスとの混合で
成膜速度が著しく向上するものとしてはCF4、C2
F6、C3F8、C2H4F2が代表的であり、非重合性ガ
スと混合して成膜速度が向上するものとしては
C2F4、C3F6、C4F8、C3F6O等が代表的である。
非重合性ガスの内効果の大きいのは不活性ガス類
であり、アルゴンガスは特に効果的である。フツ
素系化合物は水素、塩素、臭素等の原子を含んで
もさしつかえない。 本発明は低温プラズマ重合を行なわせる真空系
内にこれらの化合物を導入し、高分子シート状構
造物の少なくとも片面に膜厚500〜10000Åの、フ
ツ素化度αが0.2≦α=F/C≦1.8であるプラズ
マ重合薄膜を形成させるものである。これによつ
て得られた少なくとも二層構造からなるシート状
構造物は、まつたく新規な構造物である。プラズ
マ重合法によつてのみ得られる500〜10000Åの薄
膜はバルク特性、外観をそこなわないばかりか前
記フツ素化度αの範囲で高分子シート状物の撥水
性、防汚性、耐薬品性、耐摩耗性、耐候性、防ブ
リードアウト性、耐熱性、耐水性、耐吸湿性、密
着防止性等を大巾に向上させることができる。 膜厚が10000Åを超えると薄膜にクラツクが生
じやすくなり耐久性に劣るようになる。500Åよ
り小となると摩擦、すれなどにより膜が破損した
りして前記性能がそこなわれやすい。即ち膜厚は
500〜10000Åが好ましく、より好ましくは500〜
3000Åである。フツ素化度が上記範囲を外れると
前述の改善は出来ない。即ち、その薄膜において
フツ素化度αが、0.2≦α=F/C≦1.8であるこ
とが前記欠点を改善するためには必須である。 さらにまたフツ素化度αが0.2≦α≦1.3で、か
つ酸素化度βが0.05<β=O/C≦0.35とした薄
膜を有する多層シート状構造物とすれば、より優
れた性能を有すると共に、かつ本来の高分子シー
ト状構造物の物性が損なわれない、極めて優れた
ものとなるものである。 従来、本発明のようにフツ素化合物の重合膜が
500〜10000Åの薄膜で、かつフツ素化度αが0.2
≦α≦1.8である多層シート状物が、本来の高分
子シート状構造物の各種欠点を大巾に改善出来る
こと、又フツ素化合物の重合膜のフツ素化度α並
びに酸素化度βとがある限定された範囲において
前記各種性能がより一段と発現することは報告さ
れておらず、本発明はその点を始めて見出したも
のである。 薄膜が、低温プラズマ下で合成されるに際し、
系内に導入されたフツ素化合物モノマーは、各種
の状態に励起、分解して重合反応を引き起こし主
鎖を形成したり、枝分かれ構造や架橋構造を形成
する。これらの反応には、フツ素の脱離が非常に
大事な役割を果していると考えられる。 フツ素の脱離によつて得られる活性化炭素は、
系内の残存空気をとりこんだり、重合後試料を系
外にとり出す際空気と接触することにより酸素と
反応する。 以上、低温プラズマ下で、フツ素化合物モノマ
ーより合成された薄膜は必ず酸素が含有すること
が容易に推定される。 XPS分析によりα=F/Cの小さい薄膜、す
なわち、フツ素の脱離が多いものは架橋や枝分か
れが進行すると同時に、活性化炭素も多く残存す
るため、系内外で酸素と反応し酸素含有量が多く
なる。 本発明者らは、XPS分析により得られたF/
C,O/Cが定められた範囲にあるプラズマ重合
薄膜が前記効果に非常に優れていることを見い出
した。 薄膜がXPS分析によりα=F/C<0.2の場合
フツ素の絶対量不足のため前記効果は著しく劣
る。この際β=O/Cは0.35より大になる。すな
わち薄膜はフツ素の多くが脱離し高度に枝分か
れ、架橋した上、多くの酸素をとりこみ前記効果
は殆んど発現しない。 薄膜がXPS分析によりα=F/C>1.8の場合、
生成したポリマーはテフロンに近く(テフロンの
XPS分析の結果F/C=1.98)、ほとんど枝分か
れ、架橋していないリニア(linea)な重合物で
あると予想され、架橋構造が少ないためか前記効
果は劣る。 さらにこの際β=O/Cは0.05以下となる。こ
のことは、プラズマ重合下での活性化炭素が極端
に少ないことを暗示している。実際このような薄
膜を得るためには特殊な装置を用いて長時間の処
理をしない限り困難である。このように0.2≦α
≦1.8であることが必要である。 薄膜形成のスピード(コストパーフオーマン
ス)及び薄膜の性能を考慮すると、さらに好まし
くは薄膜が0.2≦α=F/C≦1.3かつ0.05≦β=
O/C≦0.35であれば前記効果の非常に優れた多
層シート状構造物が得られる。 本発明者らは、前記効果のある薄膜をXPSに
て詳細に解析した結果、より詳しくは、10%<A
<70%、10%<B<35%、10%<C<35%、5%
<D<30%、0%<E<20%の条件を満足する薄
膜が望ましく、さらに望ましくは上記条件と(B
+8)%>(C+3)%>D%>E%、及びB%
>(E+6)%なる条件が満足される薄膜が最つ
とも好ましいことがわかつた。 ここでこれらA,B,C,D,Eは薄膜を
XPSにより解析した場合に得られる炭素C1Sのチ
ヤートを、ピークの存在する結合エネルギーを中
心とするいくつかの波形に分離する操作(波形分
離法)を行ない、それらの各波形面積をC1Sの総
面積で割つた値に100を乗じて%表示したもので
ある。 これらの波形の内、 285eVを中心とした波形の%表示した値をA、
287±0.5eVを中心とした波形の%表示した値を
B、289±0.5eVを中心とした波形の%表示した
値をC、291.6±0.5eVを中心とした波形の%表示
した値をD、293.8±0.5eVを中心とした波形の%
表示した値をE、とする。通常のテフロン膜はA
=19.3%、D=80.7%であつた。 Aはフツ素のついていない炭素に代表される量
比、Bはとなりの炭素にフツ素がついている炭素
に代表される量比、Cはフツ素を有しさらにとな
りの炭素にもフツ素がついている炭素に代表され
る量比、Dはフツ素を2個有している炭素に代表
される量比、Eはフツ素を3個有している炭素に
代表される量比と考えてもさしつかえない。 ESCAあるいはXPSと略称されているX線光電
子分光法によるF/C比、O/C比の測定に用い
た装置は島津ESCA750で、解析にはESPAC−
100を用いた。各試料を6mm径に打ち抜き両面テ
ープにより試料台に貼り付け分析に供した。線源
には、MgKα線(1253.6eV)を用い、装置内真
空度は10-7Torrとした。測定はC1S,F1S,O1Sピ
ークに対して行ない、各ピークをESPAC100(J.
H.Scofieldによる補正法に基づく)を用い、補正
解析し、各ピーク面積を求める。得られた面積は
C1Sについては1.00、O1Sに対しては2.85、F1Sに対
しては4.26の相対強度を乗じたものであり、その
面積から直接表面(酸素/炭素、フツ素/炭素)
原子数比を%で算出する。チヤーヂ補正は試料上
の金蒸着膜のAu4f7/2スペクトル(83.8eV)を基
準にして行なつた。 本発明でいうポリエステル系重合物とは、テレ
フタル酸、イソフタル酸、ナフタリン−2,6−
ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、フター
ル酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカ
ルボン酸またはこれらのエステル類とエチレング
リコール、ジエチレングリコール、1−4−ブタ
ンジオール、ネオぺンチルグリコール、ジクロル
ヘキサン−1,4−ジメタノールなどのジオール
化合物とから合成されるポリエステルであり、特
に反復構造単位の80%以上がエチレンテレフタレ
ート単位であるポリエステルが好ましい。また上
記ポリエステル成分にポリアルキレングリコー
ル、グリセリン、ペンタエリスリトール、メトキ
シポリアルキレングリコール、ビスフエノール
A、スルホイソフタル酸などを共重合したものあ
るいは艷消剤、熱安定剤、顔料等を混合したもの
でもよく、当然これらに限定されるものではな
い。 全芳香族ポリエステルとは、テレフタル酸およ
び/またはイソフタル酸および/またはこれらの
誘導体と、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフエニ
ル)プロパンまたはその誘導体より製造されるポ
リエステルのことを言う。これらのポリエステル
系重合物のシート状物は本発明により撥水性、防
汚性、耐薬品性、耐摩耗性等が飛躍的に改善され
る。 本発明でいうポリ塩化ビニール系重合物とは、
ポリ塩化ビニール及び塩化ビニールを主体とする
共重合体を意味する。塩化ビニールと共重合しう
るモノマーとしては、ビニルエステル類、ビニー
ルエーテル類、アクリル酸、又はメタクリル酸及
びこれらのエステル類、マレイン酸又はフマール
酸及びこれらのエステル類、ならびに無水マレイ
ン酸、芳香族ビニル化合物、ハロゲン化ビニリデ
ン化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、エチレン、プロピレンなどが挙げられる。上
記塩化ビニール系重合物は、可塑剤を配合し軟質
化する。使用しうる可塑剤としてはジオクチルフ
タレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジル
フタレート等のフタル酸エステル類、アジピン酸
ジオクチル、アジピン酸ジ−n−ブチル等の脂肪
族二塩基酸エステル類、ペンタエリスリトールエ
ステル等のグリコールエステル類、アセチルリシ
ノール酸メチル等の脂肪族エステル類、トリクレ
ジルホスフエート等のりん酸エステル類、エポキ
シ化大豆油等のエポキシ化油、アセチルトリブチ
ルシトレート等のクエン酸エステル類、トリアル
キルトリメリテート、その他ポリエステル系等の
種々の構造の可塑剤があげられる。 ポリ塩化ビニール系重合物には、可塑剤のほか
必要に応じて通常の各種添加物、例えば、熱安定
剤、滑剤、防曇剤、紫外線吸収剤、充填剤、顔
料、染料等を配合することができる。 この高分子シート状物は一般に可塑剤等がブリ
ードアウトし、硬化したり汚染したりすることが
ある。しかし本発明に施せば防ブリードアウト性
は大巾に向上しかつ撥水性や防汚性、耐薬品性、
耐候性、耐ブロツキング性等も大巾に改善され
る。 本発明でいうポリビニールアルコール系重合物
とはビニルアルコールと酢酸ビニールの共重合体
でそのケン化度が20〜100モル%、重合度が100〜
10000である。また、ビニルアルコール及び酢酸
ビニルと他のビニル化合物の共重合体でもよい。
さらにシート、フイルム等に成形する際グリセリ
ン、エチレングリコール等の可塑剤を8〜15%混
入してもなんらさしつかえない。 該ポリビニルアルコール系重合物のシート状構
造物は、吸湿性でかつ水に濡れやすい。さらにシ
ート状物同志が密着(ブロツキング)したり可塑
剤がブリードアウトしたりする欠点を有してい
る。本発明を施せば撥水性、防汚性、耐薬品性、
耐摩耗性、防ブリードアウト性、耐水性、耐吸湿
性、耐ブロツキング性は大巾に改善される。 本発明でいうエチレン−ビニルアルコール共重
合体系重合物とは、エチレン含有率25〜50モル
%、ケン化度96%以上のエチレン−ビニルアルコ
ール共重合物をいう。この重合物にグリセリン、
ジグリセリン等の可塑剤を配合してフイルム及び
シートに成形してもよい。またエチレン、ビニル
アルコールと共重合可能な他のビニル化合物や可
塑剤以外の添加剤を加えてもなんらさしつかえな
い。 該シート状構造物は酸素バリアー性い非常に優
れているが吸湿性等の欠点を有している。本発明
を施せば、酸素バリアー性を損わずに耐吸湿性を
向上させることが出来る。また撥水性、防汚性、
耐薬品性、耐候性、耐熱性等を大巾に向上させる
ことが出来る。 本発明でいうポリメタクリル酸メチル系重合物
とは、メタクリル酸メチル80〜100重量%および
メタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステ
ル0〜20%を主成分として、他にこれらと共重合
可能な他のビニル単量体あるいは炭化水素類を0
〜10%を共重合してなる樹脂である。 この高分子シート状構造物は透明性ならびに耐
候性に極めて特性を有しており、看板、証明機器
部品、情報記録用材料として使用されている。し
かし、ポリオレフインやポリスチレン系の対抗品
に比して比較的吸湿性が大きく、吸湿による寸法
変化、成形品のそり、あるいは吸湿と乾燥の長期
のくり返しサイクルによるクラツク発生などを生
じることがある。該シート状物に本発明を施せ
ば、耐吸湿性、耐水性、撥水性、耐候性等を大巾
に改善することが出来る。 また、本発明で言う低温プラズマ重合法とは低
温プラズマを利用した重合法をいい、放電時にモ
ノマーを1種以上供給し、非重合性ガスの存在下
又は非存在下で1段重合させる場合(A法)、又
はシート状構造物を非重合性ガスの存在下低温プ
ラズマ放電しラジカルを発生させ、酸素にあまり
ふれさせることなく1種以上の重合性モノマーを
含む雰囲気中に導き重合させる場合(B法)、又
はシート状構造物を酸素ガス又は非重合性ガスの
存在下低温プラズマ放電させ酸素を含む雰囲気中
にさらしラジカルをパーオキサイド類に変化さ
せ、1種以上の重合性モノマーを含む雰囲気中に
導き、重合させる場合等のパーオキサイド法(C
法)等を含む。 低温プラズマとは、放電中で生成されるプラズ
マが平均電子エネルギー10eV(104〜105K)、電
子密度109〜1012cm-3で特徴づけられると同時に、
電子温度とガス温度との間に平衡が成立しない由
に、非平衡プラズマとも言われる。放電では生成
されるプラズマ中には電子、イオン、原子、分子
等が混在している。 電圧をかける電源としては任意の周波数のもの
が使用できる。放電の持続性及び均一性から言う
と1KHz〜10GHzが望ましい。また電極の巾方向
のプラズマ均一性から言うと1KHz〜1MHzが好ま
しく、1MHzを超えると電極の長さが1mを越え、
長さ方向に重合膜の厚さ斑が生じやすくなる。ま
た100Hz以下は電極のエツヂ効果が生じやすく、
エツヂ部分でアーク放電が生じやすい。また電流
としては交流、直流、バイアスをかけた交流、パ
ルス波等が使用できる。電極は真空系内に配置さ
れた内部電極方式と真空系外に配置された外部電
極方式とにわかれるが、外部電極方式は装置が大
型化すると、特に被処理物表面にプラズマが移動
している間に活性を失なつたり、プラズマが散乱
しプラズマ濃度が希釈されるため処理効果が少な
い。一方内部電極方式は被処理物の近くに放電電
極を設置させることが可能なため、外部電極方式
に比較すると処理効果は大きい。 電極形状は対称と非対称にわけられる。被処理
物の処理巾が大きく、従つて大きな電極が必要と
なる大型のプラズマ処理装置の場合は対称電極の
方がデメリツトが多い。例えば、大きな電極間に
ガスを均一に流すことはほとんど不可能に近く、
さらに大きな電極の端部が電界が乱れたりして、
処理斑が生じやすい。そのため大型のプラズマ処
理装置の場合は、非対称電極が好ましいことがわ
かつた。被処理物は前記電極間の任意の位置にセ
ツトして移動させることができるが、一方の電極
に接した方がしわ発生が少なく処理効果が大きい
場合がある。 被処理物が接触しない側の電極の形状としては
円柱状のもの、あるいは鋭角な断面を有する断面
多角形の棒状のもの等を1本以上任意に選定でき
るが、電極本数によつても処理効果は異なり、少
なすぎると処理効果は小さくなる。形状は円柱状
のものが好ましい。また被処理物が接触する可能
性のある側の電極の形状としては、ドラム状のも
の、あるいは板状のもの、あるいはそれらの変形
形状のもの等を用いることができるが、その形状
もその組合せもこれらに限定されるものではな
い。また電極の材質はステンレス、銅、鉄、アル
ミニウム等の金属が使用でき、必要に応じてガラ
ス、セラミツク等でコーテイングしてもよい。当
然必要に応じてこれらの電極は水冷されてもよ
く、その冷却温度は被処理物によつて適宜選ばれ
る。冷却水は、できる限り不純物の少ない水が望
ましいが、これら不純物による電気漏洩がさほど
問題にならない場合には特にこの限りではない。 次に真空系に導入するガスは、真空ポンプによ
る排気口より、なるべく遠くに供給口をつけて必
要に応じて分配しながら導入すべきである。また
電極間に導入してもよい。これは真空系内でのガ
スのシヨートパスさける意味で重要であると同時
に、被処理物の処理斑を生じさせないためにも重
要である。 真空系に導入するモノマーを含むガスは、モノ
マーのガス、モノマーのガスと非重合性ガス、モ
ノマーのガスと重合性ガスのいずれでもよい。モ
ノマーのガスは、常温ですでにガス状のもの、液
体状のものいずれでも良い。非重合性ガスあるい
は重合性ガスとモノマーガスの混合は、モノマー
ガスの反応性、形成した薄膜の性能等により任意
に選択することが出来る。モノマーガス同志及び
モノマーガスとその他のガスは、真空系に別々に
導入して系内で混合したり、あらかじめ混合して
おいて、同時に導入してもなんらさしつかえない
し、非重合性ガスでの放電下、モノマーガスを導
入してもよい。 低温プラズマを生じさせる真空度としては、通
常0.001〜50Torrが用いられるが、本発明者等の
検討結果によると0.001〜5.0Torrが望ましい。真
空度が0.01Torr以下になるとイオン、電子の平
均自由工程は大きくなり加速粒子のエネルギーは
増大するが、被処理物へ到達する加速粒子個数の
総数が少なく、処理効率はやや低くなる。しかも
大型の処理室をガスを導入しながら0.01Torr未
満に保つには非常に排気量の大きい真空ポンプが
必要となり、設備コストから考えても望ましいも
のでない。真空度が5Torrを越えると、イオン、
電子等の平均自由工程は小さくなり、加速粒子の
エネルギーは小さくなり、加速粒子個数の総数は
多いにもかかわらず処理効率は低くなる。 さらに電極間に配置するシート状構造物の相対
的な位置については前にも述べたが、一方の電極
に接触して配置させるのが一般的には処理効率は
良い。また構造物に張力をあまりかけたくない場
合や、構造物にシワを入れたくない場合は、構造
物と電極が一緒に移動できるタイプのもの、例え
ばドラム電極上に構造物を接触させて配置し、ド
ラムを回転させながら構造物を移動させるような
ものが望ましい。実際微少なシワが処理斑を引き
おこすことがよくある。張力やシワにあまり注意
をはらわなくてよい場合には、例えばプレート電
極上に構造物を接触して配置し、構造物を電極上
を滑らせて走行移動させてもよい。当然片面処理
後さらに電極を構造物に対して逆配置した所を通
せば両面処理が可能となる。通常の場合、片面の
みの処理効果で十分な場合が多いのでこのタイプ
が処理効率から言つても望ましい。しかしどうし
ても両面の処理効果を1対の電極のみで得ようと
すれば両電極間の間の位置にシート状構造物を配
置し、構造物を走行移動させればよい。この場合
は、電極に接して配置した場合に比較して処理効
果は一般的に小さくなる。この現象を放電特性か
ら考えてみると、両電極間の電圧降下特性で説明
できる。両電極間の電圧降下特性は、低電圧側電
極付近がもつとも大きく、次いで高電圧側であ
り、両電極の中間付近の電圧降下は少ないと言わ
れており、この電圧降下がすなわち電界の強さに
比例しており、電圧降下の大きい部分の方が荷電
粒子により大きなエネルギーを与えることができ
るからであろう。直流方式の場合は、低電圧側電
極と高電圧側電極とが容易に決定されるが、交流
方式の場合は、低電圧側と高電圧側とが時間的に
入れかわるため、低電圧側電極と高電圧側電極と
を区別して言えない。しかしいずれにしろ電極に
近いほど電圧降下が大きく処理効果は大となると
考えられる。 次に処理の均一性の面から言うと、両電極は平
行に保持される必要があり、しかも被処理シート
状構造物は進行方向に直角に配置されなければな
らない。この条件が満足されないと、構造物の巾
方向に処理斑を生じさせることになる。 さらに両電極の巾は被処理シート状構造物の巾
より少なくとも5cm以上長くしておく必要があ
る。これは電極の端部の電界不均一性を除くため
である。この長さが5cm以下になると構造物の巾
方向、特に両サイドが中央付近と比較して処理効
果が異なり好ましくない。 本発明で言うシート状構造物が移動するという
ことは、この装置が大気にあるシート状構造物を
連続的に真空系内に移動して処理できるもの及び
シート状構造物が予備真空系内に配置され処理室
に移動できるもの、さらには処理室内にシート状
構造物が間仕切りして配置されてるもの等を言う
が、要するにシート状構造物が連続的に移動でき
るものであればよい。プラズマ出力は放電部分に
作用する出力として0.1〜5ワツト/cm2が望まし
い。この場合、放電部面積としては、放電部に存
在するシート状構造物の面積、あるいは対電極の
どちらかの表面積でプラズマ放電部出力の値を割
つた場合にどれかの数値が0.1〜5ワツト/cm2に
なればよい。放電部出力は放電部の電圧、電流を
測定すれば容易に算出できるが、一つの目安とし
てプラズマ電源の出力の30〜70%と考えてもよ
い。プラズマ出力が0.1ワツト/cm2未満の場合プ
ラズマ重合処理に時間がかかるし、重合膜の厚さ
も十分ではない。プラズマ出力が5ワツト/cm2を
越えるとやや放電が不安定になり、重合以外にエ
ツチングもおこりやすくなる。フツ素系プラズマ
重合の長時間放電安定性から言うと、0.1ワツ
ト/cm2以上2ワツト/cm2以下が最つとも好まし
い。 処理時間は5〜600秒程度が望ましいが、この
範囲に必ずしも限定されるものではない。5秒未
満の処理では、重合膜の膜厚がやあ低く、600秒
を越えると重合膜の膜厚は十分であるが、着色し
たり、やや表面が硬くなつたり、もろくなつてシ
ート状構造物本来の性能と違つてくる場合があ
る。放電エネルギー量(ワツト・秒/cm2)とは、
放電部出力×処理時間で示される。放電エネルギ
ー量は20〜1200ワツト・秒/cm2が最つとも好まし
い。 前記方法により形成した薄膜の膜厚は多重干渉
顕微鏡又は電子顕微鏡により測定した。 その結果フツ素化合物を使用し500〜10000Åの
膜厚を有する薄膜であれば、その薄膜を有する高
分子多層シート状構造物は撥水性、防汚性、耐薬
品性、耐摩耗性、耐候性、防ブリードアウト性、
防曇性、耐熱性、耐水性、耐吸湿性、耐ブロツキ
ング性等に極めて有効であることが判明した。 本発明で言う非接地式電極は、放電電極及び放
電回路が接地された缶体から絶縁され、非接地状
態となつているものである。この場合はシート状
構造物と接触している電極電位と缶体の電位(接
地してあるので大地電位)は異なり、缶体が電極
として作用することはなく、放電は両電極間内で
主におこる。そのためプラズマは有効に希釈され
ることなくシート状構造物に作用し処理効果は著
しく上ると同時に、少ない放電電力で処理効果は
従来の接地方式に比較して著しく大きく、短時間
の処理で所定の効果が得られるため、装置の小型
化、言いかえると設備費用も少なくてよく、しか
も放電電力が少なくてすむためランニングコスト
も数分の1程度になる。 〈実施例〉 以下実施例によつて詳細な説明を行う。実施例
及び比較例に使用したプラズマ装置は、ベルジヤ
ー型タイプで500KHzの高周波を電源に採用し、
電極は対称円盤電極である。また真空系内に導入
するフツ素系化合物及び非重合性ガスの種類、な
らびに低温プラズマ重合条件は第1表に示した。
さらに、薄膜の厚みは被試験物と同一のバツチで
処理したガラス板上の重合膜を多重干渉顕微鏡で
測定したものである。 また、実施裏絵及び比較例で使用したポリエス
テルフイルム、ポリテトラフルオロエチレンシー
ト、ポリ塩化ビニルシート、ポリビニルアルコー
ルフイルム、エチレン・ビニルアルコール共重合
体フイルム、ポリメタクリル酸メチル板は、全て
市販のものを用いた。 実施例1〜2及び比較例1〜8 実施例1及び2は低温プラズマ重合を行わない
比較例7に比べて撥水性耐薬品性、耐摩耗性、防
汚性などが飛躍的に向上していた。 撥水性は、水に対する接触角で判断した。すな
わち、実施例1及び2の接触角は共に125°であ
り、比較例7の接触角70°よりはるかに向上して
おり、比較例8におけるポリテトラフルオロエチ
レンシートの接触角120°並みあるいはそれ以上で
あつた。 耐薬品性は10%硫酸水溶液、10%NaOH水溶
液、ジメチルホルアミドの3種類の溶液と重合処
理面とを80℃で1時間接触させた後の強度保持率
で判断した。実施例1及び2ともに強度保持率は
95%以上であつたが、比較例7の強度保持率は70
%であつた。 耐摩耗性は重合処理面および未処理面を学振型
摩擦試験機を用いて、荷重1Kgで往復500回摩擦
した時の摩擦減量率で判断した。実施例1及び2
は減量率が0%であつたが、比較例7では減量率
が10%であつた。 防汚性は重合処理面及び未処理面に、自動車エ
ンジンオイルの汚れたものをビユレツトにて
1cc/分の速度で1cc滴下し、余分のオイルを軽く
拭き取つた後汚れの程度をJIS汚染用グレースケ
ールで判定した。実施例1及び2は5級、比較例
7は3級であり、実施例1及び2のものはポリテ
トラフルオロエチレンシート並みに改善されてい
た。 比較例1は、放電エネルギーが1440ワツト・
秒/cm2で、膜厚9000Åの重合膜を形成したが、α
=0.26、β=0.42となり、撥水性、耐薬品性、防
汚性において、実施例1及び2のものと比べて非
常に劣つていた。 比較例2は、放電エネルギーが10ワツト・秒/
cm2で、膜厚460Åの重合膜を形成したが、膜厚が
薄く、撥水性の点での改善効果はほとんど見られ
なかつた。 比較例3は、放電エネルギーが1200ワツト・
秒/cm2で、膜厚1130Åの重合膜を形成したが、膜
厚が厚く、逆に撥水性、耐薬品性が実施例1及び
2に比較して劣るばかりか着色が生じていた。ま
た、走査型電子顕微鏡で重合膜を観察すると、ヒ
ビ割れやクラツクが一部生じていた。 比較例4は、処理能力が極端に高いためαが
0.12と極端に低く、かつβが0.53と極端に高かつ
た。そのため上記の効果は全くなかつた。 比較例5は、処理能力を極端に低くして長時間
重合を続けたところ、αが1.93、βが0.08と非常
にフツ素含量の多い重合膜が形成されていたが、
処理時間が1200ワツト秒と長く、実用化は困難で
あつた。 比較例6は、重合膜の膜厚が430Åと薄く、か
つβが0.02であつたため、耐久性に劣り、またβ
をこの値まで低くするためには予め予備排気を
10-7Torrまで行わなければならず、実用性に欠
けていた。 実施例 3〜6 フツ素化合物としてC3F6、C2F4、C3F6O、及
びC3F8を用いて重合薄膜を形成した。実施例1
及び2で得られたものと比較して撥水性、耐薬品
性、防汚性共に遜色のないものであつた。 実施例7及び比較例9 実施例7はフツ素化合物C2H4F2とH2とを混合
して重合薄膜を形成した。同じ処理条件でフツ素
化合物C2H4F2単独で処理した場合の比較例9と
比べて成膜性は向上しており、その効果も実施例
1と同程度であつた。 実施例 8〜10 接地式の電極を使用して処理し、真空度を0.05
〜1.0Torrに変えて重合薄膜を形成した。非接地
式の電極を使用して処理した実施例3と比べても
効果の点では遜色はなかつた。また、真空度が異
なれば成膜速度、α値、β値に影響が出るが、と
くに問題となるほどではなかつた。 実施例11及び比較例10 重合薄膜の有無により撥水性の指針である接触
角は110°(実施例11)、74°(比較例10)であつた。
また、耐薬品性の指針である強度保持率は95%以
上(実施例11)、50%(比較例10)であつた。さ
らに、防汚性は5級(実施例11)、2級(比較例
10)であつた。 耐候性はJIS0843に準拠して処理した後強度保
持率を測定して評価した。その結果、実施例11で
は95%以上、比較例10では50%であつた。 耐ブロツキング性は、同一条件下に10cm×10cm
の大きさの試料を多数積層し、1Kgの加重下に24
時間放置した後、各層の密着の状態を判定した。
比較例10では完全に密着し、一枚の板状となり、
使用不可であつた。一方、実施例11では密着して
おらず、耐ブロツキング性が良好であつた。 防ブリードアウト性は、試料の処理面をn−ヘ
キサンと接触させた状態で40℃、2時間放置した
後の重量減少で評価した。比較例10では重量減少
が21%であつたが、実施例11ではわずか1.9%で
あつた。 実施例12及び比較例11 実施例12において撥水性の指針である接触角は
105°であつたが、比較例11では、水滴を滴下した
途端に膨潤してしまい測定不能であつた。本発明
はただちに膨潤してしまうポリビニルアルコール
フイルムに撥水性を付与することができる。 耐水性は、重合処理面および未処理面を水と24
時間接触させた後の重量増加率によ り評価し
た。実施例12では重量増加率が1%であつたが、
比較例11では30%であつた。 耐薬品性、耐摩耗性も実施例12では大きく向上
していた。また耐ブロツキング性も重合膜を形成
させることにより大きく改善されていた。 さらに、ブリードアウト性は、重合処理面をn
−ブチルアルコールで処理し、重量減少率に評価
したところ、実施例12では1%であつたのに対し
比較例11では9%であつた。可塑剤のブリードア
ウト性が改善されていることがわかる。 吸湿性は、20℃、65%RHの条件下に24時間放
置した後の重量増加率で評価した。実施例12では
重量増加率は1%にすぎなかつたが、比較例11で
は5%も増加していた。 実施例13及び比較例12 実施例13において撥水性の指針である接触角は
110°であつたが、比較例12では、69°であつた。 耐薬品性、耐候性、耐熱性も大きく改善されて
いた。 また、酸素透過量はJISZ1707に準拠して、20
℃、100%RH、24時間の測定結果、比較例12で
は8cc/m2・24hrs・atmであり、実施例13も同じ
値であつたので、重合薄膜の形成による酸素透過
量の変化はなかつた。 20℃、65%RHの条件下には24時間放置下後の
重量増加率で評価した吸湿性は、実施例13では重
量増加率は0.8%にすぎなかつたが、比較例12で
は3.1%であり、本発明により酸素透過量を全く
変えることなく、吸湿性を改善することができ
る。 実施例14及び比較例13 実施例14において撥水性の指針である接触角は
120°であつたが、比較例13では80°であつた。 耐水性、耐候性も大きく改善されていた。 吸水性の指針である重量増加率は、実施例14が
0.05%であるのに対し、比較例13では0.35%であ
つた。 〈発明の効果〉 本発明によれば、高分子シート状物の表面に短
時間でフツ素化合物の重合薄膜を形成させること
ができ、また該重合薄膜が特定のフツ素化度およ
び酸素化度を有することから撥水性、耐薬品性、
耐熱性、耐水性、耐候性、耐ブロツキング性、防
ブリードアウト性等の耐久性を大きく改善させる
ことができる。
素化合物の重合薄膜を形成した多層シート状構造
物ならびにその製造方法に関するものである。 〈従来の技術〉 従来、高分子シート状構造物は、一般にその製
造が容易でかつ安価に大量生産出来ることから、
食品、薬品、衣料などの包装用として、また磁気
テープ、写真フイルム、光記録材料、テント、電
気絶縁用等として大量に使用されているが、撥水
性、防汚性、耐薬品性、耐摩耗性、耐候性、防ブ
リードアウト性、防曇性、耐熱性、耐水性、耐吸
湿性、耐ブロツキング性等に欠点を有している場
合が多い。 従来これらの欠点を構造物の表面に薬剤を塗布
したり、構造物内部に薬剤を練り込んだりして解
決しようとしてきた。 例えば、撥水性改善のためのフツ素系樹脂、防
汚性向上のためにフツ素系樹脂又は/及びポリア
ルキレングリコール系化合物、耐薬品性改善のた
めにフツ素樹脂、耐摩耗性改善のためにアクリル
系樹脂又は含ケイ素化合物、耐候性向上のために
紫外線吸収剤、防曇性改善のために親水性樹脂又
は非イオン性オルガノケイ素化合物、耐熱性、耐
水性、耐吸湿性改善のためにフツ素系樹脂、耐ブ
ロツキング性向上のためにフツ素系樹脂や微粒子
エマルジヨン、防ブリードアウト性向上のために
フツ素樹脂を用い、これらの薬剤を塗布あるいは
練り込むことが行なわれている。 しかしこれらの方法で製造された高分子シート
状構造物は、本来の物性を損なつたり、耐久性が
極端に劣つたりして十分に満足出来るものではな
かつた。 また従来、低温プラズマ重合法を利用して、高
分子シート状構造物表面に、オルガノシランやフ
ツ素化合物より成る重合薄膜を形成して、前記欠
点を改善する試みがなされているが、いずれも改
善効果が低いばかりでなく処理に要する時間も非
常に長く実用化には不適当な方法であつた。 〈発明が解決しようとする問題点〉 本発明は高分子シート状構造物の種々の改善を
行なわんとするものであり、しかもその改善効果
が大きく、シート状構造物本来の物性を損なわ
ず、かつその耐久性が高く、更には工業的に短時
間で処理可能な処理法並びに、それから得られた
優れたシート状構造物を提供せんとするものであ
る。 〈問題点を解決するための手段〉 本発明者らは、高分子シート状構造物の表面
に、低温プラズマ重合法によりフツ素化合物の重
合膜を形成させる技術につき研究し、フツ素化合
物を数多く試験し、その中から、C2F4、C3F6、
C3F8、C4F8、C3F6O、C2H4F2の1種またはそれ
以上を用いると低温プラズマ重合法による前記多
層シート状構造物の製造が、容易に、安価で、可
能なことを見い出すに至つた。これら以外のフツ
素化合物は前記性能が劣つたり、処理が非常に困
難であつたり、効果な処理になつたりする。 また前記製造にあたり、低温プラズマ放電の放
電エネルギーを20〜1200ワツト・秒/cm2にするこ
とが性能の良好な多層シート状構造物を容易かつ
安価に大量生産するために必須であることをつき
とめた。低温プラズマ重合法により前記フツ素化
合物を用いて前記放電エネルギーで処理し、以下
に述べる重合膜の膜厚と特定されたフツ素化度、
酸素化度をもたせることにより、前述各種性能を
有する多層シート状構造物が工業的に容易に得ら
れることを見い出したものである。 即ち、本発明は、 1 高分子シート状構造物の少なくとも片面にフ
ツ素化合物の重合膜が500〜10000Åの薄膜層と
して形成され、その薄膜がフツ素化度αにおい
て、0.2≦α=F/C≦1.8であることを特徴と
する多層シート状構造物。 ここでフツ素化度αとは、X線光電子分光法
(X−ray Photoelectron Spectroscopy)によ
り測定されるフツ素F1Sのピーク面積から計算
されるフツ素原子数を、同様に測定される炭素
C1S原子数で割つた値である。 2 薄膜が、フツ素化度αにおいて0.2≦α=
F/C≦1.3、酸素化度βにおいて0.05<β=
O/C≦0.35であることを特徴とする特許請求
の範囲第1項記載の多層シート状構造物。 ここで酸素化度βとは、X線光電子分光法に
より測定されるO1Sのピーク面積から計算され
る酸素原子数を、同様に測定される炭素C1S原
子数で割つた値である。 3 薄膜が、下記で定義されるA,B,C,D,
Eにおいて、10%<A<70%、10%<B<35
%、10%<C<35%、5%<D<30%、0%<
E<20%であることを特徴とする特許請求の範
囲第1項又は第2項記載の多層シート状構造
物。 ここでAとは、X線光電子分光法により測定
される炭素C1Sのチヤートの、285エレクトロン
ボルト(eV)付近にピークをもつC−Hに代
表されるピーク面積を、C1Sの総ピーク面積で
割つた値に100を乗じてパーセント(%)表示
した値、 Bは同じく、287±0.5eV付近にピークをも
つC−CFnに代表されるピーク面積に対して同
様に%表示した値、 Cは同じく、289.2±0.5eV付近にピークをも
つCF−CFnに代表されるピーク面積に対して
同様に%表示した値、 Dは同じく、291.6±0.5eV付近にピークをも
つCF2に代表されるピーク面積に対して同様に
%表示した値、 Eは同じく、293±0.5eV付近にピークをも
つCF3に代表されるピーク面積に対して同様に
%表示した値、 である。 4 薄膜が、(B+8)%>(C+3)%>D%>
E%かつB%>(E+6)%であることを特徴
とする特許請求の範囲第1項ないし第3項記載
の多層シート状構造物。 5 高分子シート状構造物がポリエステル系重合
物よりなることを特徴とする特許請求の範囲第
1項ないし第4項記載の多層シート状構造物。 6 高分子シート状構造物が、ポリ塩化ビニール
系重合物よりなることを特徴とする特許請求の
範囲第1項ないし第4項記載の多層シート状構
造物。 7 高分子シート状構造物が、ポリビニルアルコ
ール系重合物よりなることを特徴とする特許請
求の範囲第1項ないし第4項記載の多層シート
状構造物。 8 高分子シート状構造物が、エチレン−ビニル
アルコール共重合系重合物よりなることを特徴
とする特許請求の範囲第1項ないし第4項記載
の多層シート状構造物。 9 高分子シート状構造物が、ポリメタクリル酸
メチル系重合物よりなることを特徴とする特許
請求の範囲第1項ないし第4項記載の多層シー
ト状構造物。 10 高分子シート状構造物の表面に、低温プラズ
マ重合法によりフツ素化合物の重合膜を形成さ
せるに際して、真空系内に、C2F4、C3F6、C3
F8、C4F8、C3F6O、C2H4F2から選ばれた1種
またはそれ以上のフツ素化合物を導入し、放電
エネルギー20〜1200ワツト・秒/cm2で、該シー
ト状構造物を処理することを特徴とする多層シ
ート状構造物の製造方法。 11 高分子シート状構造物の表面に、低温プラズ
マ重合法によりフツ素化合物の重合膜を形成さ
せるに際して、真空系内に、C2F4、C3F6、C3
F8、C4F8、C3F6O、C2H4F2から選ばれた1種
またはそれ以上のフツ素化合物を導入し、さら
に水素または非重合性ガスを導入併存させ、放
電エネルギー20〜1200ワツト・秒/cm2で、該シ
ート状構造物を処理することを特徴とする多層
シート状構造物の製造方法。 12 高分子シート状構造物の低温プラズマ重合法
処理を、電極が缶体に対して絶縁された非接地
式電極を有する低温プラズマ装置にて行うこと
を特徴とする特許請求の範囲第10項又は第1
1項記載の多層シート状構造物の製造方法。 に関するものである。 本発明でいう高分子シート状構造物とは、付加
重合系高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン、
塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチ
レン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ア
クリロトリル−ブタジエン−スチレン3元共重合
体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポ
リアクリルアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリビニー
ルアルコールなど)、重縮合系高分子(アルキツ
ド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエチレン
テレフタレートや、ポリブチレンテレフタレート
等のポリエステル及び芳香族ポリエステル、ポリ
カーボネイト、ポリフエニレンオキシド、ポリイ
ミド、ポリアミド芳香族ポリアミド、シリコーン
樹脂など)、付加縮合系高分子(フエノール樹脂、
尿素樹脂、メラミン樹脂など)、重付加系高分子
(ポリウレタン、エポキシ樹脂など)、開環重合系
高分子(ポリアセタール、ポリエーテル樹脂な
ど)、炭素繊維などを単独あるいは複合して原料
とし圧縮成形、移送成形、射出成形、押出し成
形、吹込成形、真空成形、カレンダー加工などの
成形法及び湿式紡糸、乾式紡糸、乾湿式紡糸、溶
融紡糸等の紡糸法で得られたフイルム状あるいは
布帛状又はシート状構造物である。 本発明でいうフツ素化合物とは、C2F4、C3F6
で代表されるCnHmClpF2n−m−pタイプ(n
≧2,m≧0,p≧0,2n−m−p≧1の整
数)、CF4、C2F6、C3F8で代表される
CnHmClpBrqF2o+2−m−p−qタイプ(n≧
1,m≧0,p≧0,q≧0,2n+2−m−p
−q≧1の整数)、C4F8で代表される
CnHmClpF2n−m−pの環状タイプ(n≧3,
m≧0,p≧0,2n−m−p≧1の整数)、C4F6
で代表されるCnHmClpF2o-2−m−pの二重結合
を有する環状タイプ(n≧4,m≧0,p≧0,
2n−2−m−p≧1の整数)、C3F6Oで代表され
るタイプ、NF3,SF6,WF6で代表されるタイプ
等各種存在する。 これらの中で成膜速度が大きく工業的に好まし
いものとしてはC2F4、C3F6、C3F8、C4F8、C3F6
O、C2H4F2等であるが、運搬上の安全性、成膜
速度、前記各種効果などからさらに好ましくは
C3F6、C4F8、C3F6Oである。 またこれらのフツ素化合物の中には単独では成
膜能力の低い物も、少量の水素ガス又は非重合性
ガスと混合してプラズマ重合させると成膜速度が
著しく向上するものがある。水素ガスとの混合で
成膜速度が著しく向上するものとしてはCF4、C2
F6、C3F8、C2H4F2が代表的であり、非重合性ガ
スと混合して成膜速度が向上するものとしては
C2F4、C3F6、C4F8、C3F6O等が代表的である。
非重合性ガスの内効果の大きいのは不活性ガス類
であり、アルゴンガスは特に効果的である。フツ
素系化合物は水素、塩素、臭素等の原子を含んで
もさしつかえない。 本発明は低温プラズマ重合を行なわせる真空系
内にこれらの化合物を導入し、高分子シート状構
造物の少なくとも片面に膜厚500〜10000Åの、フ
ツ素化度αが0.2≦α=F/C≦1.8であるプラズ
マ重合薄膜を形成させるものである。これによつ
て得られた少なくとも二層構造からなるシート状
構造物は、まつたく新規な構造物である。プラズ
マ重合法によつてのみ得られる500〜10000Åの薄
膜はバルク特性、外観をそこなわないばかりか前
記フツ素化度αの範囲で高分子シート状物の撥水
性、防汚性、耐薬品性、耐摩耗性、耐候性、防ブ
リードアウト性、耐熱性、耐水性、耐吸湿性、密
着防止性等を大巾に向上させることができる。 膜厚が10000Åを超えると薄膜にクラツクが生
じやすくなり耐久性に劣るようになる。500Åよ
り小となると摩擦、すれなどにより膜が破損した
りして前記性能がそこなわれやすい。即ち膜厚は
500〜10000Åが好ましく、より好ましくは500〜
3000Åである。フツ素化度が上記範囲を外れると
前述の改善は出来ない。即ち、その薄膜において
フツ素化度αが、0.2≦α=F/C≦1.8であるこ
とが前記欠点を改善するためには必須である。 さらにまたフツ素化度αが0.2≦α≦1.3で、か
つ酸素化度βが0.05<β=O/C≦0.35とした薄
膜を有する多層シート状構造物とすれば、より優
れた性能を有すると共に、かつ本来の高分子シー
ト状構造物の物性が損なわれない、極めて優れた
ものとなるものである。 従来、本発明のようにフツ素化合物の重合膜が
500〜10000Åの薄膜で、かつフツ素化度αが0.2
≦α≦1.8である多層シート状物が、本来の高分
子シート状構造物の各種欠点を大巾に改善出来る
こと、又フツ素化合物の重合膜のフツ素化度α並
びに酸素化度βとがある限定された範囲において
前記各種性能がより一段と発現することは報告さ
れておらず、本発明はその点を始めて見出したも
のである。 薄膜が、低温プラズマ下で合成されるに際し、
系内に導入されたフツ素化合物モノマーは、各種
の状態に励起、分解して重合反応を引き起こし主
鎖を形成したり、枝分かれ構造や架橋構造を形成
する。これらの反応には、フツ素の脱離が非常に
大事な役割を果していると考えられる。 フツ素の脱離によつて得られる活性化炭素は、
系内の残存空気をとりこんだり、重合後試料を系
外にとり出す際空気と接触することにより酸素と
反応する。 以上、低温プラズマ下で、フツ素化合物モノマ
ーより合成された薄膜は必ず酸素が含有すること
が容易に推定される。 XPS分析によりα=F/Cの小さい薄膜、す
なわち、フツ素の脱離が多いものは架橋や枝分か
れが進行すると同時に、活性化炭素も多く残存す
るため、系内外で酸素と反応し酸素含有量が多く
なる。 本発明者らは、XPS分析により得られたF/
C,O/Cが定められた範囲にあるプラズマ重合
薄膜が前記効果に非常に優れていることを見い出
した。 薄膜がXPS分析によりα=F/C<0.2の場合
フツ素の絶対量不足のため前記効果は著しく劣
る。この際β=O/Cは0.35より大になる。すな
わち薄膜はフツ素の多くが脱離し高度に枝分か
れ、架橋した上、多くの酸素をとりこみ前記効果
は殆んど発現しない。 薄膜がXPS分析によりα=F/C>1.8の場合、
生成したポリマーはテフロンに近く(テフロンの
XPS分析の結果F/C=1.98)、ほとんど枝分か
れ、架橋していないリニア(linea)な重合物で
あると予想され、架橋構造が少ないためか前記効
果は劣る。 さらにこの際β=O/Cは0.05以下となる。こ
のことは、プラズマ重合下での活性化炭素が極端
に少ないことを暗示している。実際このような薄
膜を得るためには特殊な装置を用いて長時間の処
理をしない限り困難である。このように0.2≦α
≦1.8であることが必要である。 薄膜形成のスピード(コストパーフオーマン
ス)及び薄膜の性能を考慮すると、さらに好まし
くは薄膜が0.2≦α=F/C≦1.3かつ0.05≦β=
O/C≦0.35であれば前記効果の非常に優れた多
層シート状構造物が得られる。 本発明者らは、前記効果のある薄膜をXPSに
て詳細に解析した結果、より詳しくは、10%<A
<70%、10%<B<35%、10%<C<35%、5%
<D<30%、0%<E<20%の条件を満足する薄
膜が望ましく、さらに望ましくは上記条件と(B
+8)%>(C+3)%>D%>E%、及びB%
>(E+6)%なる条件が満足される薄膜が最つ
とも好ましいことがわかつた。 ここでこれらA,B,C,D,Eは薄膜を
XPSにより解析した場合に得られる炭素C1Sのチ
ヤートを、ピークの存在する結合エネルギーを中
心とするいくつかの波形に分離する操作(波形分
離法)を行ない、それらの各波形面積をC1Sの総
面積で割つた値に100を乗じて%表示したもので
ある。 これらの波形の内、 285eVを中心とした波形の%表示した値をA、
287±0.5eVを中心とした波形の%表示した値を
B、289±0.5eVを中心とした波形の%表示した
値をC、291.6±0.5eVを中心とした波形の%表示
した値をD、293.8±0.5eVを中心とした波形の%
表示した値をE、とする。通常のテフロン膜はA
=19.3%、D=80.7%であつた。 Aはフツ素のついていない炭素に代表される量
比、Bはとなりの炭素にフツ素がついている炭素
に代表される量比、Cはフツ素を有しさらにとな
りの炭素にもフツ素がついている炭素に代表され
る量比、Dはフツ素を2個有している炭素に代表
される量比、Eはフツ素を3個有している炭素に
代表される量比と考えてもさしつかえない。 ESCAあるいはXPSと略称されているX線光電
子分光法によるF/C比、O/C比の測定に用い
た装置は島津ESCA750で、解析にはESPAC−
100を用いた。各試料を6mm径に打ち抜き両面テ
ープにより試料台に貼り付け分析に供した。線源
には、MgKα線(1253.6eV)を用い、装置内真
空度は10-7Torrとした。測定はC1S,F1S,O1Sピ
ークに対して行ない、各ピークをESPAC100(J.
H.Scofieldによる補正法に基づく)を用い、補正
解析し、各ピーク面積を求める。得られた面積は
C1Sについては1.00、O1Sに対しては2.85、F1Sに対
しては4.26の相対強度を乗じたものであり、その
面積から直接表面(酸素/炭素、フツ素/炭素)
原子数比を%で算出する。チヤーヂ補正は試料上
の金蒸着膜のAu4f7/2スペクトル(83.8eV)を基
準にして行なつた。 本発明でいうポリエステル系重合物とは、テレ
フタル酸、イソフタル酸、ナフタリン−2,6−
ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、フター
ル酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカ
ルボン酸またはこれらのエステル類とエチレング
リコール、ジエチレングリコール、1−4−ブタ
ンジオール、ネオぺンチルグリコール、ジクロル
ヘキサン−1,4−ジメタノールなどのジオール
化合物とから合成されるポリエステルであり、特
に反復構造単位の80%以上がエチレンテレフタレ
ート単位であるポリエステルが好ましい。また上
記ポリエステル成分にポリアルキレングリコー
ル、グリセリン、ペンタエリスリトール、メトキ
シポリアルキレングリコール、ビスフエノール
A、スルホイソフタル酸などを共重合したものあ
るいは艷消剤、熱安定剤、顔料等を混合したもの
でもよく、当然これらに限定されるものではな
い。 全芳香族ポリエステルとは、テレフタル酸およ
び/またはイソフタル酸および/またはこれらの
誘導体と、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフエニ
ル)プロパンまたはその誘導体より製造されるポ
リエステルのことを言う。これらのポリエステル
系重合物のシート状物は本発明により撥水性、防
汚性、耐薬品性、耐摩耗性等が飛躍的に改善され
る。 本発明でいうポリ塩化ビニール系重合物とは、
ポリ塩化ビニール及び塩化ビニールを主体とする
共重合体を意味する。塩化ビニールと共重合しう
るモノマーとしては、ビニルエステル類、ビニー
ルエーテル類、アクリル酸、又はメタクリル酸及
びこれらのエステル類、マレイン酸又はフマール
酸及びこれらのエステル類、ならびに無水マレイ
ン酸、芳香族ビニル化合物、ハロゲン化ビニリデ
ン化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、エチレン、プロピレンなどが挙げられる。上
記塩化ビニール系重合物は、可塑剤を配合し軟質
化する。使用しうる可塑剤としてはジオクチルフ
タレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジル
フタレート等のフタル酸エステル類、アジピン酸
ジオクチル、アジピン酸ジ−n−ブチル等の脂肪
族二塩基酸エステル類、ペンタエリスリトールエ
ステル等のグリコールエステル類、アセチルリシ
ノール酸メチル等の脂肪族エステル類、トリクレ
ジルホスフエート等のりん酸エステル類、エポキ
シ化大豆油等のエポキシ化油、アセチルトリブチ
ルシトレート等のクエン酸エステル類、トリアル
キルトリメリテート、その他ポリエステル系等の
種々の構造の可塑剤があげられる。 ポリ塩化ビニール系重合物には、可塑剤のほか
必要に応じて通常の各種添加物、例えば、熱安定
剤、滑剤、防曇剤、紫外線吸収剤、充填剤、顔
料、染料等を配合することができる。 この高分子シート状物は一般に可塑剤等がブリ
ードアウトし、硬化したり汚染したりすることが
ある。しかし本発明に施せば防ブリードアウト性
は大巾に向上しかつ撥水性や防汚性、耐薬品性、
耐候性、耐ブロツキング性等も大巾に改善され
る。 本発明でいうポリビニールアルコール系重合物
とはビニルアルコールと酢酸ビニールの共重合体
でそのケン化度が20〜100モル%、重合度が100〜
10000である。また、ビニルアルコール及び酢酸
ビニルと他のビニル化合物の共重合体でもよい。
さらにシート、フイルム等に成形する際グリセリ
ン、エチレングリコール等の可塑剤を8〜15%混
入してもなんらさしつかえない。 該ポリビニルアルコール系重合物のシート状構
造物は、吸湿性でかつ水に濡れやすい。さらにシ
ート状物同志が密着(ブロツキング)したり可塑
剤がブリードアウトしたりする欠点を有してい
る。本発明を施せば撥水性、防汚性、耐薬品性、
耐摩耗性、防ブリードアウト性、耐水性、耐吸湿
性、耐ブロツキング性は大巾に改善される。 本発明でいうエチレン−ビニルアルコール共重
合体系重合物とは、エチレン含有率25〜50モル
%、ケン化度96%以上のエチレン−ビニルアルコ
ール共重合物をいう。この重合物にグリセリン、
ジグリセリン等の可塑剤を配合してフイルム及び
シートに成形してもよい。またエチレン、ビニル
アルコールと共重合可能な他のビニル化合物や可
塑剤以外の添加剤を加えてもなんらさしつかえな
い。 該シート状構造物は酸素バリアー性い非常に優
れているが吸湿性等の欠点を有している。本発明
を施せば、酸素バリアー性を損わずに耐吸湿性を
向上させることが出来る。また撥水性、防汚性、
耐薬品性、耐候性、耐熱性等を大巾に向上させる
ことが出来る。 本発明でいうポリメタクリル酸メチル系重合物
とは、メタクリル酸メチル80〜100重量%および
メタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステ
ル0〜20%を主成分として、他にこれらと共重合
可能な他のビニル単量体あるいは炭化水素類を0
〜10%を共重合してなる樹脂である。 この高分子シート状構造物は透明性ならびに耐
候性に極めて特性を有しており、看板、証明機器
部品、情報記録用材料として使用されている。し
かし、ポリオレフインやポリスチレン系の対抗品
に比して比較的吸湿性が大きく、吸湿による寸法
変化、成形品のそり、あるいは吸湿と乾燥の長期
のくり返しサイクルによるクラツク発生などを生
じることがある。該シート状物に本発明を施せ
ば、耐吸湿性、耐水性、撥水性、耐候性等を大巾
に改善することが出来る。 また、本発明で言う低温プラズマ重合法とは低
温プラズマを利用した重合法をいい、放電時にモ
ノマーを1種以上供給し、非重合性ガスの存在下
又は非存在下で1段重合させる場合(A法)、又
はシート状構造物を非重合性ガスの存在下低温プ
ラズマ放電しラジカルを発生させ、酸素にあまり
ふれさせることなく1種以上の重合性モノマーを
含む雰囲気中に導き重合させる場合(B法)、又
はシート状構造物を酸素ガス又は非重合性ガスの
存在下低温プラズマ放電させ酸素を含む雰囲気中
にさらしラジカルをパーオキサイド類に変化さ
せ、1種以上の重合性モノマーを含む雰囲気中に
導き、重合させる場合等のパーオキサイド法(C
法)等を含む。 低温プラズマとは、放電中で生成されるプラズ
マが平均電子エネルギー10eV(104〜105K)、電
子密度109〜1012cm-3で特徴づけられると同時に、
電子温度とガス温度との間に平衡が成立しない由
に、非平衡プラズマとも言われる。放電では生成
されるプラズマ中には電子、イオン、原子、分子
等が混在している。 電圧をかける電源としては任意の周波数のもの
が使用できる。放電の持続性及び均一性から言う
と1KHz〜10GHzが望ましい。また電極の巾方向
のプラズマ均一性から言うと1KHz〜1MHzが好ま
しく、1MHzを超えると電極の長さが1mを越え、
長さ方向に重合膜の厚さ斑が生じやすくなる。ま
た100Hz以下は電極のエツヂ効果が生じやすく、
エツヂ部分でアーク放電が生じやすい。また電流
としては交流、直流、バイアスをかけた交流、パ
ルス波等が使用できる。電極は真空系内に配置さ
れた内部電極方式と真空系外に配置された外部電
極方式とにわかれるが、外部電極方式は装置が大
型化すると、特に被処理物表面にプラズマが移動
している間に活性を失なつたり、プラズマが散乱
しプラズマ濃度が希釈されるため処理効果が少な
い。一方内部電極方式は被処理物の近くに放電電
極を設置させることが可能なため、外部電極方式
に比較すると処理効果は大きい。 電極形状は対称と非対称にわけられる。被処理
物の処理巾が大きく、従つて大きな電極が必要と
なる大型のプラズマ処理装置の場合は対称電極の
方がデメリツトが多い。例えば、大きな電極間に
ガスを均一に流すことはほとんど不可能に近く、
さらに大きな電極の端部が電界が乱れたりして、
処理斑が生じやすい。そのため大型のプラズマ処
理装置の場合は、非対称電極が好ましいことがわ
かつた。被処理物は前記電極間の任意の位置にセ
ツトして移動させることができるが、一方の電極
に接した方がしわ発生が少なく処理効果が大きい
場合がある。 被処理物が接触しない側の電極の形状としては
円柱状のもの、あるいは鋭角な断面を有する断面
多角形の棒状のもの等を1本以上任意に選定でき
るが、電極本数によつても処理効果は異なり、少
なすぎると処理効果は小さくなる。形状は円柱状
のものが好ましい。また被処理物が接触する可能
性のある側の電極の形状としては、ドラム状のも
の、あるいは板状のもの、あるいはそれらの変形
形状のもの等を用いることができるが、その形状
もその組合せもこれらに限定されるものではな
い。また電極の材質はステンレス、銅、鉄、アル
ミニウム等の金属が使用でき、必要に応じてガラ
ス、セラミツク等でコーテイングしてもよい。当
然必要に応じてこれらの電極は水冷されてもよ
く、その冷却温度は被処理物によつて適宜選ばれ
る。冷却水は、できる限り不純物の少ない水が望
ましいが、これら不純物による電気漏洩がさほど
問題にならない場合には特にこの限りではない。 次に真空系に導入するガスは、真空ポンプによ
る排気口より、なるべく遠くに供給口をつけて必
要に応じて分配しながら導入すべきである。また
電極間に導入してもよい。これは真空系内でのガ
スのシヨートパスさける意味で重要であると同時
に、被処理物の処理斑を生じさせないためにも重
要である。 真空系に導入するモノマーを含むガスは、モノ
マーのガス、モノマーのガスと非重合性ガス、モ
ノマーのガスと重合性ガスのいずれでもよい。モ
ノマーのガスは、常温ですでにガス状のもの、液
体状のものいずれでも良い。非重合性ガスあるい
は重合性ガスとモノマーガスの混合は、モノマー
ガスの反応性、形成した薄膜の性能等により任意
に選択することが出来る。モノマーガス同志及び
モノマーガスとその他のガスは、真空系に別々に
導入して系内で混合したり、あらかじめ混合して
おいて、同時に導入してもなんらさしつかえない
し、非重合性ガスでの放電下、モノマーガスを導
入してもよい。 低温プラズマを生じさせる真空度としては、通
常0.001〜50Torrが用いられるが、本発明者等の
検討結果によると0.001〜5.0Torrが望ましい。真
空度が0.01Torr以下になるとイオン、電子の平
均自由工程は大きくなり加速粒子のエネルギーは
増大するが、被処理物へ到達する加速粒子個数の
総数が少なく、処理効率はやや低くなる。しかも
大型の処理室をガスを導入しながら0.01Torr未
満に保つには非常に排気量の大きい真空ポンプが
必要となり、設備コストから考えても望ましいも
のでない。真空度が5Torrを越えると、イオン、
電子等の平均自由工程は小さくなり、加速粒子の
エネルギーは小さくなり、加速粒子個数の総数は
多いにもかかわらず処理効率は低くなる。 さらに電極間に配置するシート状構造物の相対
的な位置については前にも述べたが、一方の電極
に接触して配置させるのが一般的には処理効率は
良い。また構造物に張力をあまりかけたくない場
合や、構造物にシワを入れたくない場合は、構造
物と電極が一緒に移動できるタイプのもの、例え
ばドラム電極上に構造物を接触させて配置し、ド
ラムを回転させながら構造物を移動させるような
ものが望ましい。実際微少なシワが処理斑を引き
おこすことがよくある。張力やシワにあまり注意
をはらわなくてよい場合には、例えばプレート電
極上に構造物を接触して配置し、構造物を電極上
を滑らせて走行移動させてもよい。当然片面処理
後さらに電極を構造物に対して逆配置した所を通
せば両面処理が可能となる。通常の場合、片面の
みの処理効果で十分な場合が多いのでこのタイプ
が処理効率から言つても望ましい。しかしどうし
ても両面の処理効果を1対の電極のみで得ようと
すれば両電極間の間の位置にシート状構造物を配
置し、構造物を走行移動させればよい。この場合
は、電極に接して配置した場合に比較して処理効
果は一般的に小さくなる。この現象を放電特性か
ら考えてみると、両電極間の電圧降下特性で説明
できる。両電極間の電圧降下特性は、低電圧側電
極付近がもつとも大きく、次いで高電圧側であ
り、両電極の中間付近の電圧降下は少ないと言わ
れており、この電圧降下がすなわち電界の強さに
比例しており、電圧降下の大きい部分の方が荷電
粒子により大きなエネルギーを与えることができ
るからであろう。直流方式の場合は、低電圧側電
極と高電圧側電極とが容易に決定されるが、交流
方式の場合は、低電圧側と高電圧側とが時間的に
入れかわるため、低電圧側電極と高電圧側電極と
を区別して言えない。しかしいずれにしろ電極に
近いほど電圧降下が大きく処理効果は大となると
考えられる。 次に処理の均一性の面から言うと、両電極は平
行に保持される必要があり、しかも被処理シート
状構造物は進行方向に直角に配置されなければな
らない。この条件が満足されないと、構造物の巾
方向に処理斑を生じさせることになる。 さらに両電極の巾は被処理シート状構造物の巾
より少なくとも5cm以上長くしておく必要があ
る。これは電極の端部の電界不均一性を除くため
である。この長さが5cm以下になると構造物の巾
方向、特に両サイドが中央付近と比較して処理効
果が異なり好ましくない。 本発明で言うシート状構造物が移動するという
ことは、この装置が大気にあるシート状構造物を
連続的に真空系内に移動して処理できるもの及び
シート状構造物が予備真空系内に配置され処理室
に移動できるもの、さらには処理室内にシート状
構造物が間仕切りして配置されてるもの等を言う
が、要するにシート状構造物が連続的に移動でき
るものであればよい。プラズマ出力は放電部分に
作用する出力として0.1〜5ワツト/cm2が望まし
い。この場合、放電部面積としては、放電部に存
在するシート状構造物の面積、あるいは対電極の
どちらかの表面積でプラズマ放電部出力の値を割
つた場合にどれかの数値が0.1〜5ワツト/cm2に
なればよい。放電部出力は放電部の電圧、電流を
測定すれば容易に算出できるが、一つの目安とし
てプラズマ電源の出力の30〜70%と考えてもよ
い。プラズマ出力が0.1ワツト/cm2未満の場合プ
ラズマ重合処理に時間がかかるし、重合膜の厚さ
も十分ではない。プラズマ出力が5ワツト/cm2を
越えるとやや放電が不安定になり、重合以外にエ
ツチングもおこりやすくなる。フツ素系プラズマ
重合の長時間放電安定性から言うと、0.1ワツ
ト/cm2以上2ワツト/cm2以下が最つとも好まし
い。 処理時間は5〜600秒程度が望ましいが、この
範囲に必ずしも限定されるものではない。5秒未
満の処理では、重合膜の膜厚がやあ低く、600秒
を越えると重合膜の膜厚は十分であるが、着色し
たり、やや表面が硬くなつたり、もろくなつてシ
ート状構造物本来の性能と違つてくる場合があ
る。放電エネルギー量(ワツト・秒/cm2)とは、
放電部出力×処理時間で示される。放電エネルギ
ー量は20〜1200ワツト・秒/cm2が最つとも好まし
い。 前記方法により形成した薄膜の膜厚は多重干渉
顕微鏡又は電子顕微鏡により測定した。 その結果フツ素化合物を使用し500〜10000Åの
膜厚を有する薄膜であれば、その薄膜を有する高
分子多層シート状構造物は撥水性、防汚性、耐薬
品性、耐摩耗性、耐候性、防ブリードアウト性、
防曇性、耐熱性、耐水性、耐吸湿性、耐ブロツキ
ング性等に極めて有効であることが判明した。 本発明で言う非接地式電極は、放電電極及び放
電回路が接地された缶体から絶縁され、非接地状
態となつているものである。この場合はシート状
構造物と接触している電極電位と缶体の電位(接
地してあるので大地電位)は異なり、缶体が電極
として作用することはなく、放電は両電極間内で
主におこる。そのためプラズマは有効に希釈され
ることなくシート状構造物に作用し処理効果は著
しく上ると同時に、少ない放電電力で処理効果は
従来の接地方式に比較して著しく大きく、短時間
の処理で所定の効果が得られるため、装置の小型
化、言いかえると設備費用も少なくてよく、しか
も放電電力が少なくてすむためランニングコスト
も数分の1程度になる。 〈実施例〉 以下実施例によつて詳細な説明を行う。実施例
及び比較例に使用したプラズマ装置は、ベルジヤ
ー型タイプで500KHzの高周波を電源に採用し、
電極は対称円盤電極である。また真空系内に導入
するフツ素系化合物及び非重合性ガスの種類、な
らびに低温プラズマ重合条件は第1表に示した。
さらに、薄膜の厚みは被試験物と同一のバツチで
処理したガラス板上の重合膜を多重干渉顕微鏡で
測定したものである。 また、実施裏絵及び比較例で使用したポリエス
テルフイルム、ポリテトラフルオロエチレンシー
ト、ポリ塩化ビニルシート、ポリビニルアルコー
ルフイルム、エチレン・ビニルアルコール共重合
体フイルム、ポリメタクリル酸メチル板は、全て
市販のものを用いた。 実施例1〜2及び比較例1〜8 実施例1及び2は低温プラズマ重合を行わない
比較例7に比べて撥水性耐薬品性、耐摩耗性、防
汚性などが飛躍的に向上していた。 撥水性は、水に対する接触角で判断した。すな
わち、実施例1及び2の接触角は共に125°であ
り、比較例7の接触角70°よりはるかに向上して
おり、比較例8におけるポリテトラフルオロエチ
レンシートの接触角120°並みあるいはそれ以上で
あつた。 耐薬品性は10%硫酸水溶液、10%NaOH水溶
液、ジメチルホルアミドの3種類の溶液と重合処
理面とを80℃で1時間接触させた後の強度保持率
で判断した。実施例1及び2ともに強度保持率は
95%以上であつたが、比較例7の強度保持率は70
%であつた。 耐摩耗性は重合処理面および未処理面を学振型
摩擦試験機を用いて、荷重1Kgで往復500回摩擦
した時の摩擦減量率で判断した。実施例1及び2
は減量率が0%であつたが、比較例7では減量率
が10%であつた。 防汚性は重合処理面及び未処理面に、自動車エ
ンジンオイルの汚れたものをビユレツトにて
1cc/分の速度で1cc滴下し、余分のオイルを軽く
拭き取つた後汚れの程度をJIS汚染用グレースケ
ールで判定した。実施例1及び2は5級、比較例
7は3級であり、実施例1及び2のものはポリテ
トラフルオロエチレンシート並みに改善されてい
た。 比較例1は、放電エネルギーが1440ワツト・
秒/cm2で、膜厚9000Åの重合膜を形成したが、α
=0.26、β=0.42となり、撥水性、耐薬品性、防
汚性において、実施例1及び2のものと比べて非
常に劣つていた。 比較例2は、放電エネルギーが10ワツト・秒/
cm2で、膜厚460Åの重合膜を形成したが、膜厚が
薄く、撥水性の点での改善効果はほとんど見られ
なかつた。 比較例3は、放電エネルギーが1200ワツト・
秒/cm2で、膜厚1130Åの重合膜を形成したが、膜
厚が厚く、逆に撥水性、耐薬品性が実施例1及び
2に比較して劣るばかりか着色が生じていた。ま
た、走査型電子顕微鏡で重合膜を観察すると、ヒ
ビ割れやクラツクが一部生じていた。 比較例4は、処理能力が極端に高いためαが
0.12と極端に低く、かつβが0.53と極端に高かつ
た。そのため上記の効果は全くなかつた。 比較例5は、処理能力を極端に低くして長時間
重合を続けたところ、αが1.93、βが0.08と非常
にフツ素含量の多い重合膜が形成されていたが、
処理時間が1200ワツト秒と長く、実用化は困難で
あつた。 比較例6は、重合膜の膜厚が430Åと薄く、か
つβが0.02であつたため、耐久性に劣り、またβ
をこの値まで低くするためには予め予備排気を
10-7Torrまで行わなければならず、実用性に欠
けていた。 実施例 3〜6 フツ素化合物としてC3F6、C2F4、C3F6O、及
びC3F8を用いて重合薄膜を形成した。実施例1
及び2で得られたものと比較して撥水性、耐薬品
性、防汚性共に遜色のないものであつた。 実施例7及び比較例9 実施例7はフツ素化合物C2H4F2とH2とを混合
して重合薄膜を形成した。同じ処理条件でフツ素
化合物C2H4F2単独で処理した場合の比較例9と
比べて成膜性は向上しており、その効果も実施例
1と同程度であつた。 実施例 8〜10 接地式の電極を使用して処理し、真空度を0.05
〜1.0Torrに変えて重合薄膜を形成した。非接地
式の電極を使用して処理した実施例3と比べても
効果の点では遜色はなかつた。また、真空度が異
なれば成膜速度、α値、β値に影響が出るが、と
くに問題となるほどではなかつた。 実施例11及び比較例10 重合薄膜の有無により撥水性の指針である接触
角は110°(実施例11)、74°(比較例10)であつた。
また、耐薬品性の指針である強度保持率は95%以
上(実施例11)、50%(比較例10)であつた。さ
らに、防汚性は5級(実施例11)、2級(比較例
10)であつた。 耐候性はJIS0843に準拠して処理した後強度保
持率を測定して評価した。その結果、実施例11で
は95%以上、比較例10では50%であつた。 耐ブロツキング性は、同一条件下に10cm×10cm
の大きさの試料を多数積層し、1Kgの加重下に24
時間放置した後、各層の密着の状態を判定した。
比較例10では完全に密着し、一枚の板状となり、
使用不可であつた。一方、実施例11では密着して
おらず、耐ブロツキング性が良好であつた。 防ブリードアウト性は、試料の処理面をn−ヘ
キサンと接触させた状態で40℃、2時間放置した
後の重量減少で評価した。比較例10では重量減少
が21%であつたが、実施例11ではわずか1.9%で
あつた。 実施例12及び比較例11 実施例12において撥水性の指針である接触角は
105°であつたが、比較例11では、水滴を滴下した
途端に膨潤してしまい測定不能であつた。本発明
はただちに膨潤してしまうポリビニルアルコール
フイルムに撥水性を付与することができる。 耐水性は、重合処理面および未処理面を水と24
時間接触させた後の重量増加率によ り評価し
た。実施例12では重量増加率が1%であつたが、
比較例11では30%であつた。 耐薬品性、耐摩耗性も実施例12では大きく向上
していた。また耐ブロツキング性も重合膜を形成
させることにより大きく改善されていた。 さらに、ブリードアウト性は、重合処理面をn
−ブチルアルコールで処理し、重量減少率に評価
したところ、実施例12では1%であつたのに対し
比較例11では9%であつた。可塑剤のブリードア
ウト性が改善されていることがわかる。 吸湿性は、20℃、65%RHの条件下に24時間放
置した後の重量増加率で評価した。実施例12では
重量増加率は1%にすぎなかつたが、比較例11で
は5%も増加していた。 実施例13及び比較例12 実施例13において撥水性の指針である接触角は
110°であつたが、比較例12では、69°であつた。 耐薬品性、耐候性、耐熱性も大きく改善されて
いた。 また、酸素透過量はJISZ1707に準拠して、20
℃、100%RH、24時間の測定結果、比較例12で
は8cc/m2・24hrs・atmであり、実施例13も同じ
値であつたので、重合薄膜の形成による酸素透過
量の変化はなかつた。 20℃、65%RHの条件下には24時間放置下後の
重量増加率で評価した吸湿性は、実施例13では重
量増加率は0.8%にすぎなかつたが、比較例12で
は3.1%であり、本発明により酸素透過量を全く
変えることなく、吸湿性を改善することができ
る。 実施例14及び比較例13 実施例14において撥水性の指針である接触角は
120°であつたが、比較例13では80°であつた。 耐水性、耐候性も大きく改善されていた。 吸水性の指針である重量増加率は、実施例14が
0.05%であるのに対し、比較例13では0.35%であ
つた。 〈発明の効果〉 本発明によれば、高分子シート状物の表面に短
時間でフツ素化合物の重合薄膜を形成させること
ができ、また該重合薄膜が特定のフツ素化度およ
び酸素化度を有することから撥水性、耐薬品性、
耐熱性、耐水性、耐候性、耐ブロツキング性、防
ブリードアウト性等の耐久性を大きく改善させる
ことができる。
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 高分子シート状構造物の少なくとも片面にフ
ツ素化合物の重合膜が500〜10000Åの薄膜層とし
て形成され、その薄膜のフツ素化度αが、0.2≦
α=F/C≦1.8であり、酸素化度βが0.05<β
=O/C≦0.35であることを特徴とする多層シー
ト状構造物。 ここでフツ素化度αとは、X線光電子分光法に
より測定されるフツ素F1Sのピーク面積から計算
されるフツ素原子数を、同様に測定される炭素
C1S原子数で除した値であり、酸素化度βとは同
様にして測定されるO1Sのピーク面積から計算さ
れる酸素原子数を、同様に測定される炭素C1S原
子数で除した値である。 2 薄膜が、下記で定義されるA,B,C,D,
Eにおいて、10%<A<70%、10%<B<35%、
10%<C<35%、5%<D<30%、0%<E<20
%であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
記載の多層シート状構造物。 ここでAとは、X線光電子分光法により測定さ
れる炭素C1Sのチヤートの、285エレクトロンボル
ト(eV)付近にピークをもつC−Hに代表され
るピーク面積を、C1Sの総ピーク面積で除した値
に100を乗じてパーセント(%)表示した値であ
り、 Bは同じく、287±0.5eV付近にピークをもつ
C−CFnに代表されるピーク面積に対して同様に
%表示した値であり、 Cは同じく、289.2±0.5eV付近にピークをもつ
C−CFnに代表されるピーク面積に対して同様に
%表示した値であり、 Dは同じく、291.6±0.5eV付近にピークをもつ
CF2に代表されるピーク面積に対して同様に%表
示した値であり、 Eは同じく、293±0.5eV付近にピークをもつ
CF3に代表されるピーク面積に対して同様に%表
示した値である。 3 薄膜が、(B+8)%>(C+3)%>D%>
E%かつB%>(E+6)%であることを特徴と
する特許請求の範囲第1項又は第2項記載の多層
シート状構造物。 4 高分子シート状構造物がポリエステル系重合
物よりなることを特徴とする特許請求の範囲第1
項ないし第3項記載の多層シート状構造物。 5 高分子シート状構造物が、ポリ塩化ビニル系
重合物よりなることを特徴とする特許請求の範囲
第1項ないし第3項記載の多層シート状構造物。 6 高分子シート状構造物が、ポリビニルアルコ
ール系重合物よりなることを特徴とする特許請求
の範囲第1項ないし第3項記載の多層シート状構
造物。 7 高分子シート状構造物が、エチレン−ビニル
アルコール系重合物よりなることを特徴とする特
許請求の範囲第1項ないし第3項記載の多層シー
ト状構造物。 8 高分子シート状構造物が、ポリメタクリル酸
メチル系重合物よりなることを特徴とする特許請
求の範囲第1項ないし第3項記載の多層シート状
構造物。 9 高分子シート状構造物の表面に、低温プラズ
マ重合法によりフツ素化合物の重合膜を形成させ
るに際して、真空系内に、C2F4、C3F6、C3F8、
C4F8、C3F6O、C2H4F2から選ばれた1種又はそ
れ以上のフツ素化合物を導入し、放電エネルギー
20〜1200ワツト・秒/cm2で、該シート状構造物を
処理することを特徴とする多層シート状構造物の
製造方法。 10 高分子シート状構造物の表面に、低温プラ
ズマ重合法によりフツ素化合物の重合膜を形成さ
せるに際して、真空系内に、C2F4、C3F6、C3F8、
C4F8、C3F6O、C2H4F2から選ばれた1種又はそ
れ以上のフツ素化合物を導入し、さらに水素又は
非重合性ガスを導入併存させ、放電エネルギー20
〜1200ワツト・秒/cm2で、該シート状構造物を処
理することを特徴とする多層シート状構造物の製
造方法。 11 高分子シート状構造物の低温プラズマ重合
法処理を、電極が缶体に対して絶縁された非接地
式電極を有する低温プラズマ装置にて行うことを
特徴とする特許請求の範囲第9項又は第10項記
載の多層シート状構造物の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60253310A JPS62111739A (ja) | 1985-11-11 | 1985-11-11 | 多層シ−ト状構造物及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60253310A JPS62111739A (ja) | 1985-11-11 | 1985-11-11 | 多層シ−ト状構造物及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62111739A JPS62111739A (ja) | 1987-05-22 |
| JPH0568353B2 true JPH0568353B2 (ja) | 1993-09-28 |
Family
ID=17249514
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60253310A Granted JPS62111739A (ja) | 1985-11-11 | 1985-11-11 | 多層シ−ト状構造物及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62111739A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| WO2006062314A1 (en) * | 2004-12-07 | 2006-06-15 | Lg Chem, Ltd. | Article having high barrier property |
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| JP7519691B2 (ja) * | 2021-09-06 | 2024-07-22 | 尾池工業株式会社 | フレキシブル基板 |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5316085A (en) * | 1976-07-29 | 1978-02-14 | Kogyo Gijutsuin | Method of prevention of dissolving of additive agents contained in formed product of polyvinyl chloride |
| JPS5599932A (en) * | 1979-01-24 | 1980-07-30 | Hitachi Ltd | Surface treatment of organic high polymer |
| JPS59159806A (ja) * | 1983-02-28 | 1984-09-10 | Daikin Ind Ltd | 含フツ素高分子化合物被膜の形成方法 |
| JPS59179632A (ja) * | 1983-03-31 | 1984-10-12 | Japan Synthetic Rubber Co Ltd | 記録フイルムの製造方法 |
-
1985
- 1985-11-11 JP JP60253310A patent/JPS62111739A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62111739A (ja) | 1987-05-22 |
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