JPH0568491A - セルロース水分散体の凍結安定化法 - Google Patents

セルロース水分散体の凍結安定化法

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JPH0568491A
JPH0568491A JP3231363A JP23136391A JPH0568491A JP H0568491 A JPH0568491 A JP H0568491A JP 3231363 A JP3231363 A JP 3231363A JP 23136391 A JP23136391 A JP 23136391A JP H0568491 A JPH0568491 A JP H0568491A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 セルロース水分散体に耐凍結解凍安定性を付
与する。 【構成】 微細フィブリルもしくは微細粒子よりなり表
面水和し水中に安定分散したセルロース水分散体に水溶
性アルコール類もしくは水溶性塩基類を添加して凍結す
る。 【効果】 水溶性アルコール類もしくは水溶性塩基類を
添加したセルロース水分散体は解凍後も安定なセルロー
ス水分散体を形成できる。特に食品で多く用いられる安
定剤として有効なセルロース水分散安定体の凍結保存を
可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水を大量に保持しゾルま
たはゲル構造をとるセルロース水分散体を凍結保存する
に際し耐凍結安定性を付与し解凍後元の安定なゾルまた
はゲル構造に復帰させる新規な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースの微細化物は水を大量に保持
しゾルまたはゲル構造を有して一見クリーム状の外観を
呈すことが多く、高い機能を持ち、微細粒子の懸濁安定
化剤、食品のボディー付与剤、食感改良剤、乳化安定
剤、食物繊維等多くの分野で利用されている。この物は
水を大量に含むため腐敗し易くこれを防止するため冷凍
保存を行うと融解時に水分を分離し元のゾルまたはゲル
構造を取ることが出来なくなり塊状の沈澱物となってゾ
ルまたはゲル状分散体としての機能を失ってしまう欠点
を有しておりこれを解決する手段は無かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の水を大
量に保持しゾルまたはゲル構造をとるセルロース水分散
体の凍結保存を可能にし融解後も凍結前のゾルまたはゲ
ル構造を形成し同様の高い機能を再現させることを目的
としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
検討の結果、凍結するに際し水溶性アルコール類もしく
は水溶性塩基類を添加することにより融解時の水分分離
が防止でき、元のゾルまたはゲル構造を再現しかつ元来
の機能を維持できることを見いだし本発明に至った。
【0005】即ち本発明は水を大量に保持しゾルまたは
ゲル構造をとるセルロース水分散体を凍結するに際し、
水溶性アルコール類もしくは水溶性塩基類を添加するこ
とを特徴とするセルロース水分散体の凍結安定化法であ
る。水を大量に保持しゾルまたはゲル構造をとるセルロ
ースの水分散体とは例示すれば、例えばINDUSTR
IAL & ENGINEERING CHEMIST
RY VOL.42 P502〜507に記載されてい
る微結晶セルロースのゲルや、例えばJOURNAL
OF POLYMER SCIENCE:PART C
NO.2 P129−144(1963)に記載のセ
ルロースマイクロクリスタルゲルや、例えばセルロース
繊維を水中でホモジナイザーに掛け強力なシェアにより
フィブリル化させたモノフィブリル化セルロースの未乾
燥製品や、例えばアセトバクター属、シュードモナス
属、アグロバクテリウム属等の微生物がよく生産すると
言われているバクテリアセルロースの未乾燥製品や、例
えば特開昭61−215635に記載されている上記バ
クテリアセルロースより得られるセルロース性微細結晶
の未乾燥水分散体や、例えば特開昭61−241337
に記載されている再生セルローズよりなる微小セルロー
ズ粒子の未乾燥水分散体、や例えば特開平3−5877
0に記載されている水性ペースト状組成物のうちセルロ
ースを主体とするもの等、セルロースの微細粒子又は微
細フィブリルよりなり一種の水和コロイドを形成して水
中に安定に分散もしくは大量に水を保持している水分散
体であれば有効で、これらに共通して言えることはこれ
らを単独で乾燥した場合セルロース粒子もしくは表面で
乾燥時の水素結合が形成され角質化が起こることが特徴
である。一般にこれらセルロース水分散体は湿潤状態で
取り扱われるのが常であって、上記セルロース水分散体
の凍結保存が試みられたが融解時水を分離し安定な水和
構造に帰ることが出来なかった。本発明は上記ゾルまた
はゲル構造を取るセルロースの水和分散体全てに適応可
能である。これらセルロースの水和分散体濃度は固形分
として約0.1重量%から約80重量%程度の範囲内の
ものに対し有効である。
【0006】添加する水溶性アルコール類としては例え
ばぶどう糖、果糖、キシロース、アラビノース、ソルボ
ース、マンノース、シュルクロース、マルトース、グル
クロン酸、ガラクツロン酸、ラクトース、グルコサミ
ン、ガラクトサミン、リボース転化糖等の低分子糖類、
でんぷんの加水分解物であるデキストリン等のオリゴ糖
類、グリセリン、エチレングリコール、等の多価アルコ
ール類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、プロパノール、オクタノール、等の低級アルコー
ル類、水溶性ポリオキシエチレングリコール類、水溶性
ポリオキシプロピレングリコール類、水溶性ポリアルキ
レングリコール誘導体のエステル類及びエーテル類、等
のポリオール類及びそのエーテルエステル誘導体、キサ
ンタンガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、マ
ンナン、グアガム、アルギン酸ソーダ、プルラン、トラ
ガカントガム、アラビアガム、等の天然水溶性多糖類、
カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロ
ース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、
カルボキシメチルでんぷんナトリウム、燐酸化でんぷ
ん、ヒドリキシエチルでんぷん、ヒドロキシエチルグア
ガム、等の水溶性セルロース、でんぷん、その他多糖類
の誘導体類等がある。水溶性アルコール類の添加量はセ
ルロース分を除く水溶液成分中で最低限約0.05重量
%以上必要で、その添加上限は特に限定されるものでは
ないが実用上の見地よりみて決められる。低分子水溶性
アルコール類ではその上限はセルロース分を含む固形分
全重量の約90%程度までが使用可能である。また高分
子水溶性アルコール類では全体系の粘度により決まり、
全体系の粘度で約1000ポイズ程度になるような添加
量までが上限である。好ましい範囲としてはセルロース
分を除く水溶液成分中の約0.1重量%以上の添加濃度
であって、その上限は低分子の水溶性アルコール類の場
合で、セルロースを含む全固形分重量の50%程度以下
である。高分子の水溶性アルコール類の場合で、全体系
の粘度が約10ポイズとなるような濃度以下が推奨され
る。
【0007】水溶性塩基類としては水酸化ナトリウム、
アンモニア水、水酸化カルシウム、ピリジン、エタノー
ルアミン等水に溶け水和して水酸基を持つ塩基性化合物
が使用可能である。塩基性化合物はしばしばセルロース
自体の構造変化を伴うため余り高濃度の使用はできずま
た用途も限定される。およその使用限度範囲は塩基性化
合物の濃度として約0.001重量%以上、約5重量%
以下である。好ましい範囲はセルロース分を除いた水溶
液中の塩基性化合物濃度として0.01重量%以上、1
重量%以下である。
【0008】水溶性アルコール類もしくは水溶性塩基類
を添加するに際しては全系に均一に混合分散されること
が肝要であるが特に添加方法は限定される物ではなく、
セルロース水分散体を作成するとき同時に添加しても、
後から添加しても良い。また直接セルロース水分散体に
加えても良く、マスターバッチを作って添加混合しても
良い。いずれにしても均一に混合するため攪拌もしくは
シェアを十分かけることが必要である。特に高分子の水
溶性アルコール類の場合は溶解分散時間を十分取り、必
要によりシェア、もしくは温度をかけることが望まし
い。
【0009】また、水溶性アルコール類もしくは水溶性
塩基類は一種単独で用いても効果はあるが、水溶性アル
コール類同士、あるいは水溶性塩基類同士、あるいは水
溶性アルコールと水溶性塩基類を合わせた物の中から2
種以上を組み合わせて使用しても良い。水溶性アルコー
ル類もしくは水溶性塩基類を添加したセルロース水分散
体を凍結・融解するに当たっては一般の凍結法、融解法
が自由に使用でき特に限定されることはない。
【0010】融解後若干水分離を起こすことがあるがこ
れは弱い攪拌を施すことにより容易に元の完全なセルロ
ース水分散体に戻すことが可能である。本発明は水を大
量に保持しゾルまたはゲル構造をとるセルロース水分散
体を凍結するに際し水溶性アルコール類もしくは水溶性
塩基類を添加することを特徴とするセルロース水分散体
の凍結安定化法に関するものである。
【0011】
【実施例】以下実施例及び比較例にてさらに詳細に説明
する。
【0012】
【実施例1】平均重合度約1200のレーヨン用溶解パ
ルプ200グラムを1規定濃度の硫酸溶液2リットル中
に入れ還流冷却器を取り付けたガラス容器中にて攪拌し
つゝ98℃で180分間加水分解した。加水分解物を水
酸化ナトリウム溶液にて中和し、水洗ろ過してケーキ状
物を得た。この物を少量採取し乾燥して平均重合度を測
定したところ198であった。このケーキ状物は水分を
61%含んでいた。この操作を2バッチ繰り返し、含水
状態で600グラムのケーキ状物採り品川制作所製万能
攪拌混合器にいれ高粘性用アームを取り付けて30分間
攪拌混合をおこなった。途中約6分毎に攪拌を止め上部
に付着した成分を掻き落としを行った。30分後更に水
400グラムを徐々に加えつゝ10分間攪拌を継続して
白色クリーム状の微結晶セルロースゲルを得た。
【0013】
【実施例2】実施例1の微結晶セルロースゲルを希釈し
て0.5%濃度とした後国産製ローター半径800ミリ
メートルの遠心沈降器にかけ2000RPMで15分間
遠心分離し上層に安定なセルロースコロイド分散液を得
た。
【0014】
【実施例3】平均重合度約1540のセルロースエーテ
ル用溶解パルプ20グラムを採り、家庭用ミキサーにい
れ水800ミリリットルを加えて最初低速で約2分間攪
拌し次いで高速回転で5分間攪拌して繊維スラリーを得
た。これをマントンゴーリン型ホモジナイザーにかけ2
00キログラム/平方センチメートルの圧力で10回パ
スさせて粘凋なモノフィブリル化セルロース水分散体を
得た。
【0015】
【実施例4】アセトバクター・キシリナム菌をD−グル
コース1重量%、ペプトン1重量%、酵母エキス0.3
重量%、塩化ナトリウム0.2重量%、燐酸2ナトリウ
ム0.14重量%、クエン酸0.035重量%を含む培
地に植え付け、培養温度28℃、培地PH6.8にて2
5日間静置培養して培養器表面にこんにゃく様の厚膜状
バクテリアセルロース水分散体を得た。このこんにゃく
様厚膜状バクテリアセルロースを30重量%の砂糖溶液
に一週間浸し厚膜内部の水を砂糖溶液と置換させた後マ
イナス40℃の冷凍室に入れ凍結させたのち室温に戻し
解凍させた。バクテリアセルロースは元のこんにゃく様
厚膜の状態に戻ることが確認された。
【0016】
【実施例5】平均重合度720のレーヨン用溶解パルプ
1キログラムを18重量%、20℃の水酸化ナトリウム
溶液に30分浸し、2.5倍に圧搾した後綿状にほぐし
て酸素濃度40%、40℃の雰囲気中に10時間置き、
次いでセルロースに対し35重量%にあたる二硫化炭素
を添加して25℃で1時間硫化してザンテートを得た。
これを水酸化ナトリウム溶液に溶解しセルローズ濃度8
重量%、水酸化ナトリウム濃度6重量%のビスコース溶
液を得た。このビスコース溶液を2キログラム採り、2
6重量%の硫酸ナトリウム溶液中に攪拌しつゝ投入して
凝固させ次いで特殊機化工業製ホモミキサーで8000
RPMの攪拌しつゝ10重量%の硫酸溶液で再生させ
た。このものをろ過水洗を5回繰り返した後約10重量
%の再生セルローススラリーとし、媒体粉砕機(寿工業
製アペックスミルAM1)に回転数:1600RPM、
供給速度:0.25リッター/分、ビーズ:ジルコニア
製直径2ミリメーターの条件で通過させ、クリーム状の
再生セルロース水分散体を得た。
【0017】
【実施例6】実施例1、実施例2、実施例3、実施例5
にて得られた各々のセルロース水分散体100ミリリッ
トルを300ミリリットルビーカーに採り、表1に示す
様に各種割合で各種化合物を添加し更にラボスターラー
にて約500RPMで30分間攪拌した。そのうち20
ミリリットルを試験管にとりマイナス40℃の冷凍庫に
2時間入れ凍結させた。室温に戻し自然解凍させたのち
の状態を観察した。結果は表1に示す。
【0018】
【実施例7】実施例1の(1)微結晶セルロースゲル水
分散体、及び(2)該微結晶セルロースゲル水分散体に
砂糖5重量%加えた後マイナス20℃で凍結後室温にて
自然融解させた戻し微結晶セルロースゲル水分散体を使
いドレッシングの耐レトルト安定性を見た。基本処方は
植物油:50重量部、食酢:10重量部、食塩:3重量
部、キサンタンガム:0.2重量部、水:38重量部と
し、これに上記(1)微結晶セルロースゲル水分散体、
または(2)凍結後融解させて戻した微結晶セルロース
ゲル水分散体を2重量部加えて各々ドレッシングを作成
し120℃で30分レトルト殺菌を行い3日後の安定性
を見た。(1)、(2)双方共にエマルジョンの分離は
見られず良好な安定性を付与していることが分かった。
【0019】
【比較例1】実施例1、実施例2、実施例3、実施例5
にて得られた各々のセルロース水分散体100ミリリッ
トルを300ミリリットルビーカーに採り、ラボスター
ラーにて約500RPMで30分間攪拌した。そのうち
20ミリリットルを試験管にとりマイナス40℃の冷凍
庫に2時間入れ凍結させた。室温に戻し自然解凍させた
のちの状態を観察した。結果は表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】この表1から明らかなように、水溶性アル
コール類もしくは水溶性塩基類を添加したセルロース水
分散体は凍結融解後も安定性を維持しているに対し無添
加系は水を分離してセルロース物質が凝集沈降して水分
散体を形成出来なくなっていることが分かる。
【0022】
【比較例2】実施例4にて得られたバクテリアセルロー
スを砂糖に浸さずそのまま凍結した物は融解後こんにゃ
く様の性状をなさず特有のぬめり感が消失してスポンジ
状となり元の状態とはならなかった。実施例4、比較例
2の結果よりバクテリアセルロースにおいても水溶性ア
ルコール類の添加により凍結融解安定性が増しているこ
とが分かる。
【0023】
【比較例3】実施例7の処方で前記(1)微結晶セルロ
ースゲル水分散体の代わりに水を2重量%加える他は全
く同じ処方で全く同様の操作をしてドレッシングの安定
性評価を行った。3日後ドレッシングはエマルジョンの
分離が起こり、約20%の層が離水しているのが観察さ
れた。
【0024】
【発明の効果】水溶性アルコール類もしくは水溶性塩基
類を添加したセルロース水分散体は解凍後も安定なセル
ロース水分散体を形成できる。特に食品で多く用いられ
る安定剤として有効なセルロース水分散安定体の凍結保
存を可能にする。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水を大量に保持しゾルまたはゲル構造を
    とるセルロース水分散体を凍結するに際し、水溶性アル
    コール類もしくは水溶性塩基類を添加することを特徴と
    するセルロース水分散体の凍結安定化法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115159651A (zh) * 2022-07-26 2022-10-11 谢亮芽 一种污水处理剂的制备工艺

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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