JPH056904A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JPH056904A
JPH056904A JP26450391A JP26450391A JPH056904A JP H056904 A JPH056904 A JP H056904A JP 26450391 A JP26450391 A JP 26450391A JP 26450391 A JP26450391 A JP 26450391A JP H056904 A JPH056904 A JP H056904A
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layer
semiconductor layer
channel
semiconductor
forming
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Withdrawn
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JP26450391A
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Hiroshi Arimoto
宏 有本
Masahiko Sasa
誠彦 佐々
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、超高密度化及び超高速化を可能にす
る干渉性の高い量子干渉効果トランジスタ及びその製造
方法を提供することを目的とする。 【構成】n型の第1の半導体層2a、第2の半導体層4
a、n型の第3の半導体層6aがダブルへテロ構造をな
し、層厚が極めて薄い第2の半導体層4aに2次元電子
チャネルが形成されている。ソース領域8とドレイン領
域10とに挟まれた第2の半導体層4aの中央部上方に
ゲート電極14が設けられている。第2の半導体層4a
の中央部の層厚がソース領域8近傍及びドレイン領域1
0近傍の層厚より厚いため、中央部における第2の半導
体層4aの量子井戸の幅が相対的に広くなって伝導帯下
端Ecの曲りが大きくなり、電子の確率密度分布が第1
の半導体層2a側の界面近傍と第3の半導体層6a側の
界面近傍とに局在することにより、第2の半導体層4a
の2次元電子チャネルが2分割される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置及びその製造
方法に係り、特にアハロノフ−ボーム効果(Aharonov-B
ohm 効果、以下AB効果と略す。)を利用する量子干渉
効果トランジスタ及びその製造方法に関する。近年、電
子計算機等の電子機器の高度化に伴い、高速半導体デバ
イスが要求されている。そしてこの要求に答えるデバイ
スの一つとして、電子の量子力学的な波の性質を利用
し、その量子力学的な干渉効果を用いた極めて高速の量
子干渉効果トランジスタが提案されている。
【0002】このような電子の波としての性質を利用す
る量子干渉効果トランジスタは、半導体集積回路の超高
密度化、超高速化、超高機能化を実現することができる
可能性を有しており、産業界への影響は計り知れないも
のがある。
【0003】
【従来の技術】電子の波としての性質により、2つのチ
ャネルを通り抜けた電子が電場や磁場の影響を受け、互
いの位相に差が生じて干渉し合う際に、量子力学的な干
渉効果としてAB効果が現われる。このAB効果を用い
た電子波干渉デバイスの一つとして、図13に示される
ように、GaAs/AlGaAsヘテロ構造における2
次元電子ガスを利用した電子波の量子力学的な干渉効果
を利用する量子干渉効果トランジスタが提案されてい
る。
【0004】即ち、バッファ層82上には、ヘテロ構造
を有するGaAsチャネル層84及びn型AlGaAs
電子供給層86が設けられている。そしてこのGaAs
チャネル層84には、キャリアとなる2次元電子88が
誘起されている。これらのGaAsチャネル層84及び
n型AlGaAs電子供給層86は、中間をドーナツ状
に抜いてリングを形成して、パスを2つに分岐してい
る。
【0005】また、2つに分岐されたGaAsチャネル
層84及びn型AlGaAs電子供給層86の一方のパ
ス上方には、ゲート電極90が設けられている。更に、
リング状のパスを有するGaAsチャネル層84を間に
挟んで、ソース電極92及びドレイン電極94が設けら
れている。いま、このゲート電極90に電圧を印加する
と、この電圧が印加された方のパスを通る電子波の波動
が変化し、その結果として2つのパスを通過した電子波
間に位相差が生じる。2つのパスを通過した電子波間の
干渉は電子波の位相差に依存してドレイン電流を変化さ
せる。電子波の位相差はゲート電極90に印加される電
圧に依存するため、ゲート電極90の印加電圧の変調に
るドレイン電流の変調等の機能を実現することができ
る。
【0006】しかし、このような干渉効果が十分に引き
起こされるためには、電子が非弾性散乱を受けないよう
にするだけでなく、弾性散乱を受けないようにすること
も必要である。ところが、この量子干渉効果トランジス
タにおいては、チャネルを寸法精度よく形成し、ソー
ス、ドレイン間の距離を短くすることは、甚だ困難であ
る。しかも、電子波の通過するパスが曲線形状になって
いるため、パス内で弾性散乱が起り易く、干渉効果を十
分に利用することができない。従って、この干渉効果に
よるドレイン電流の変調は、極めて小さいのものに止ま
っている。
【0007】また、弾性散乱が起り難くするために、電
子波の通過する通路の形状をなるべく直線的にした構造
の量子干渉効果トランジスタも提案されている。図14
において、半絶縁性GaAs基板96上に、GaAsバ
ッファ層98を介して、上下をAlGaAs層100,
102に挟まれたGaAsチャネル層104、106が
設けられている。
【0008】また、このGaAsチャネル層104、1
06の間には、AlGaAsチャネル分離帯層108が
設けられ、GaAsチャネル層104とGaAsチャネ
ル層106とに2分割している。こうして2重のダブル
ヘテロ接合構造が形成されている。また、2つのGaA
sチャネル層104、106の両端にはそれぞれソー
ス、ドレイン領域となるn+ 型アロイ・コンタクト領域
110、112が形成されており、更にこれらの上には
それぞれソース電極114及びドレイン電極116が設
けられている。そしてAlGaAs層100上には、G
aAsチャネル層104、106を流れるドレイン電流
を制御するためのゲート電極118が設けられている。
【0009】この2重のダブルヘテロ接合構造を有する
量子干渉効果トランジスタにおいては、n+ 型アロイ・
コンタクト領域110から発した電子波がGaAsチャ
ネル層104、106に分かれた後、ゲート電極118
への印加電圧による制御を受けて、2つのチャネルに分
かれた電子波間に位相差が生じる。そしてこの位相差を
生じた電子波がn+ 型アロイ・コンタクト領域112に
達して干渉を起こし、電子波の位相差に依存してドレイ
ン電流を変化させる。
【0010】このとき、GaAsチャネル層104、1
06は直線的であるため、ここでの弾性散乱は小さい
が、しかし、n+ 型アロイ・コンタクト領域110、1
12で非弾性散乱を受けた場合、2つのGaAsチャネ
ル層104、106を通過する電子波の位相差はランダ
ムになってしまい、いくらゲート電極118によって制
御しても、有意義な干渉情報を得ることはできない。
【0011】従って、干渉効果によってドレイン電流を
変化させることができる電子波は、n+ 型アロイ・コン
タクト領域110、112で非弾性散乱を受けないもの
に限られてしまうため、その効率は極めて悪くなる。更
に、他の例として、図15に示されるような量子干渉効
果トランジスタも提案されている。
【0012】即ち、半導体基板120上に、バッファ層
122を介して、上下をn型AlGaAs層124,1
26に挟まれたGaAsチャネル層128が設けられて
いる。そしてこのGaAsチャネル層128には、Ga
Asを用いたヘテロ接合構造により、キャリアとなる2
次元電子が誘起されている。また、このGaAsチャネ
ル層128中に島状のAlGaAsチャネル分離帯層1
30が設けられ、GaAsチャネル層128の中央部を
二分している。この二分されたGaAsチャネル層12
8上方には、n型AlGaAs126を介して、二分さ
れたGaAsチャネル層128を流れるドレイン電流を
制御するためのゲート電極132が設けられている。そ
してGaAsチャネル層128の両端には、それぞれソ
ース電極134及びドレイン電極136が設けられてい
る。
【0013】この量子干渉効果トランジスタにおいて
は、AlGaAsチャネル分離帯層130及びこのAl
GaAsチャネル分離帯層130を囲むGaAsチャネ
ル層128の部分を形成するには、GaAsチャネル層
128上に形成したAlGaAsチャネル分離帯層13
0を選択的なエッチングによって島状に残存させた後、
更にその上にGaAsチャネル層128を再成長しなけ
ればならない。
【0014】しかし、このようなエッチングと結晶成長
を繰り返す場合には、エッチングを行なうために成長を
中断する必要があるが、このときAlGaAs層が大気
等に露出されると、AlGaAs層の表面は非常に酸化
され易く、また炭素原子の吸着による汚染もされ易いた
めに、GaAsチャネル層128との間に不純物による
界面準位が多数形成される。このため、GaAsチャネ
ル層128を走行する電子がトラップされたり、また散
乱されたりして、効率的な干渉が起こらなくなってしま
う。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記従来
の量子干渉効果トランジスタにおいては、十分な電子波
の干渉を生じさせることが困難であり、また電子波に干
渉が生じても効果的な干渉が得られずドレイン電流を大
きく制御できないという問題があった。そこで本発明
は、超高密度化及び超高速化を可能にする干渉性の高い
量子干渉効果トランジスタ及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理を説
明するための量子干渉効果トランジスタを示す断面図で
ある。n型の第1の半導体層2と、チャネル層としての
第2の半導体層4と、n型の第3の半導体層6とが順に
積層されている。第2の半導体層4は、第1及び第3の
半導体層2、6よりも電子親和力が大きく、ダブルへテ
ロ構造をなしている。
【0017】また、第1及び第3の半導体層2、6はn
型にドープされているため第2の半導体層4には電子が
誘起され、第2の半導体層4には2次元電子が走行する
チャネルが形成されている。また、第2の半導体層4の
両端には、ソース領域8とドレイン領域10とが相対し
て形成されている。そしてこれらソース領域8及びドレ
イン領域10上には、それぞれソース電極12及びドレ
イン電極14が形成されている。
【0018】更に、これらソース領域8及びドレイン領
域10に挟まれた第2の半導体層4の中央部上方の第3
の半導体層6上にはゲート電極16が形成され、第2の
半導体層4に流れるドレイン電流を制御している。そし
て図中の矢印に示すように、第2の半導体層4に形成さ
れた2次元電子からなるチャネルが、その中央部におい
て、第1の半導体層2側の界面近傍と第3の半導体層6
側の界面近傍とに2分割されることに、本発明の特徴が
ある。
【0019】次に、本発明の原理による第1の構造の量
子干渉効果トランジスタを、図2に示す。なお、図1の
量子干渉効果トランジスタと同一の構成要素には同一の
符号を付して説明を省略する。図2(a)において、第
2の半導体層4aは、第1の半導体層2a及び第3の半
導体層6aによって、その積層方向、即ち上下方向に挟
まれている。そしてソース領域8及びドレイン領域10
によって水平方向に挟まれた第2の半導体層4aの中央
部における層厚が、第2の半導体層4aのソース領域8
近傍及びドレイン領域10近傍における層厚よりも厚く
なっている。
【0020】このときの第2の半導体層4aのソース領
域8近傍のAA´線断面及び中央部のBB´線断面にお
ける第2の半導体層4aのエネルギーバンド図を、それ
ぞれ図2(b)、(c)に示す。ソース領域8近傍にお
いては、第2の半導体層4aの層厚が十分に薄く、従っ
て第2の半導体層4aによって形成される量子井戸の幅
が十分に狭いため、図2(b)に示されるように、第2
の半導体層4aの伝導帯下端Ecの曲りは小さく、第2
の半導体層4aの全体に渡って電子の2次元サブバンド
E0 がフェルミ準位Efの下に形成される。このときの
電子の確率密度分布は第2の半導体層4aの中央に集中
する。
【0021】他方、ゲート電極16下方の中央部におい
ては、第2の半導体層4aの層厚が相対的に厚く、従っ
て第2の半導体層4aによって形成される量子井戸の幅
が相対的に広くなっているため、図2(c)に示される
ように、第2の半導体層4aの伝導帯下端Ecの曲りは
大きくなり、第1の半導体層2a側の界面近傍と第3の
半導体層6a側の界面近傍との2か所において電子の2
次元サブバンドE0 及びE1 がフェルミ準位Efの下に
形成される。
【0022】従って、電子の確率密度分布はこれら第1
の半導体層2a側の界面近傍と第3の半導体層6a側の
界面近傍との2か所に別れて局在する。こうして、第2
の半導体層4aにおける2次元電子からなるチャネル
が、ソース領域8近傍における1つのチャネルから、ゲ
ート電極16下方の中央部において2分割され、再びド
レイン領域10近傍における1つのチャネルへと合流す
ることになる。
【0023】次に、本発明の原理による第2の構造の量
子干渉効果トランジスタを、図3に示す。なお、図1の
量子干渉効果トランジスタと同一の構成要素には同一の
符号を付して説明を省略する。図3(a)において、第
2の半導体層4bに隣接する第1の半導体層2b及び第
3の半導体層6bの中央部に、それぞれ高濃度のn+ 型
不純物領域18、20が形成されている。そしてこのと
きの第2の半導体層4bのソース領域8近傍のAA´線
断面及び中央部のBB´線断面における第2の半導体層
4bのエネルギーバンド図を、それぞれ図3(b)、
(c)に示す。
【0024】ソース領域8近傍においては、第1の半導
体層2b及び第3の半導体層6bのn型キャリア濃度が
低いため、図3(b)に示されるように、第2の半導体
層4bの伝導帯下端Ecの曲りは小さく、第2の半導体
層4bの全体に渡って電子の2次元サブバンドE0 がフ
ェルミ準位Efの下に形成される。このときの電子の確
率密度分布は第2の半導体層4bの中央に集中する。
【0025】他方、ゲート電極16下方の中央部におい
ては、第2の半導体層4bを上下に挟むn+ 型不純物領
域18、20のn型キャリア濃度が相対的に高くなって
いるため、図3(c)に示されるように、第2の半導体
層4bの伝導帯下端Ecの曲りは大きくなり、第1の半
導体層2b側の界面近傍と第3の半導体層6b側の界面
近傍との2か所において電子の2次元サブバンドE0 及
びE1 がフェルミ準位Efの下に形成される。
【0026】従って、電子の確率密度分布はこれら第1
の半導体層2b側のn+ 型領域18との界面近傍と、第
3の半導体層6b側のn+ 型領域20との界面近傍との
2か所に別れて局在する。こうして、第2の半導体層4
bにおける2次元電子からなるチャネルが、ソース領域
8近傍における1つのチャネルから、ゲート電極16下
方の中央部において2分割され、再びドレイン領域10
近傍における1つのチャネルへと合流することになる。
【0027】次に、本発明の原理による第3の構造の量
子干渉効果トランジスタを、図4に示す。なお、図3の
量子干渉効果トランジスタと同一の構成要素には同一の
符号を付して説明を省略する。図4において、ゲート電
極16下方の第2の半導体層4bに隣接する第1の半導
体層2bの中央部のみに、高濃度のn+型不純物領域1
8が形成されている。そして第3の半導体層6b上に、
ゲート電極16を挟んでそれぞれソース領域8側及びド
レイン領域10側にチャネル制御電極22、24が設け
られている。
【0028】このとき、ソース領域8及びドレイン領域
10近傍においては、チャネルにおける電子の確率密度
分布は、第3の半導体層6b側との界面近傍のみに局在
するが、更にゲート電極16の両側のチャネル制御電極
22、24に所定のバイアスを印加することにより、第
2の半導体層4bの伝導帯下端Ecの曲りは小さくな
り、電子の確率密度分布は第2の半導体層4bの中央に
集中する。また、ゲート電極16下方の中央部において
は、第1の半導体層2bのn+ 型不純物領域18によ
り、チャネルにおける電子の確率密度分布は、第1の半
導体層2b側の界面近傍と第3の半導体層6b側の界面
近傍との2か所に別れて局在する。従って、上記図3に
示される場合と同様に作用させることができる。
【0029】次に、本発明の原理による第4の構造の量
子干渉効果トランジスタを、図5に示す。なお、図1の
量子干渉効果トランジスタと同一の構成要素には同一の
符号を付して説明を省略する。図5(a)において、第
1の半導体層2c及び第3の半導体層6cが第2の半導
体層4cを上下に挟んでいる。ここで、第2の半導体層
4cの層厚が、上記図2における第2の半導体層4aの
中央部における層厚程度の厚さを有しているか、又は、
第1の半導体層2c及び第3の半導体層6cのn型不純
物濃度が、上記図3におけるn+ 型不純物領域18、2
0のn型不純物濃度程度の濃度を有している。
【0030】また、ソース領域8近傍の第2の半導体層
4cと第1の半導体層2c及び第3の半導体層6cとの
ヘテロ界面には、それぞれ第2の半導体層4cの伝導帯
下端と第1の半導体層2cの伝導帯下端との不連続が傾
斜をなす変成層25b及び第2の半導体層4cの伝導帯
下端と第3の半導体層6cの伝導帯下端との不連続が傾
斜をなす変成層25aが設けられている。
【0031】同様にして、ドレイン領域10近傍の第2
の半導体層4cと第1の半導体層2c及び第3の半導体
層6cとのヘテロ界面には、それぞれ第2の半導体層4
cの伝導帯下端と第1の半導体層2c及び第3の半導体
層6cの伝導帯下端との不連続が傾斜をなす変成層25
d、25cが設けられている。そしてこのときの変成層
25a、25bが設けられているソース領域8近傍のA
A´線断面及び変成層が設けられていない中央部のBB
´線断面における第2の半導体層4cのエネルギーバン
ド図を、それぞれ図5(b)、(c)に示す。
【0032】変成層が設けられていない中央部の第2の
半導体層4cと第1の半導体層2c及び第3の半導体層
6cとのヘテロ界面においては、伝導帯下端Ecの不連
続が原子層程度の揺らぎの急俊さをもっているが、これ
にに対して、ソース領域8近傍においては、ヘテロ界面
に変成層25a、25bが設けられていることにより、
図5(b)に示されるように、伝導帯下端Ecの不連続
が一定の緩やかさをもって傾斜しているため、ヘテロ界
面近傍における第2の半導体層4cの伝導帯下端Ecの
曲りは小さく、第2の半導体層4cの全体に渡って電子
の2次元サブバンドE0 がフェルミ準位Efの下に形成
される。このときの電子の確率密度分布は第2の半導体
層4cの中央に集中する。
【0033】他方、ゲート電極16下方の中央部におい
ては、第2の半導体層4cの層厚が上記図2に示す第2
の半導体層4aの中央部における層厚程度に厚いか、又
は、第2の半導体層4cを上下に挟む第1の半導体層2
c及び第3の半導体層6cのn型不純物濃度が上記図3
に示すn+ 型不純物領域18、20の不純物濃度程度に
高くなっているため、図5(c)に示されるように、第
2の半導体層4cの伝導帯下端Ecの曲りは大きくな
り、第1の半導体層2c側の界面近傍と第3の半導体層
6c側の界面近傍との2か所において電子の2次元サブ
バンドE0 及びE1 がフェルミ準位Efの下に形成され
る。
【0034】従って、電子の確率密度分布はこれら第1
の半導体層2c側の界面近傍と、第3の半導体層6c側
の界面近傍との2か所に別れて局在する。こうして、第
2の半導体層4cにおける2次元電子からなるチャネル
が、ソース領域8近傍における1つのチャネルから、ゲ
ート電極16下方の中央部において2分割され、再びド
レイン領域10近傍における1つのチャネルへと合流す
ることになる。
【0035】次に、第2の半導体層の中央部にバリア領
域が相対して設けられている場合を、図6を用いて説明
する。図6(a)は、図1に示す量子干渉効果トランジ
スタの第2の半導体層の横断面を示す図である。なお、
図1の量子干渉効果トランジスタと同一の構成要素には
同一の符号を付して説明を省略する。
【0036】図6(a)において、破線で示すゲート電
極16下方の第2の半導体層4の中央部に、バリア領域
26、28が相対して形成されている。そしてこのとき
の第2の半導体層4のバリア領域26、28に挟まれた
スリット部30のAA´線断面におけるエネルギーバン
ド図を図6(b)に示す。バリア領域26、28に挟ま
れたスリット部30はその幅が十分に狭いため、図6
(b)に示されるように、チャネル方向、即ちx方向と
垂直なy方向に量子井戸が形成され、この量子井戸内に
おける電子の2次元サブバンドE0 が形成される。従っ
て、2次元電子が量子化されて一次元のチャネルが形成
されることになる。これにより、干渉効果を更に高める
ことができる。
【0037】なお、ここでは、図1の量子干渉効果トラ
ンジスタについて説明したが、当然、図1乃至図5の量
子干渉効果トランジスタにも適用することができる。
【0038】
【作用】即ち、本発明によれば、ソース領域8から第2
の半導体層4を通って流れるドレイン電流が、ゲート電
極16下方の中央部において2分割され、再び合流して
ドレイン領域10に達する。そしてゲート電極16に所
定の電圧を印加することにより、第2の半導体層4の中
央部において2分割されたチャネルを通る電子波を変化
させ、従って2つのチャネルを通過した電子波間に位相
差を生じさせ、電子波の位相差に依存した干渉効果(A
B効果)を起こさせることができる。
【0039】このとき、第2の半導体層4の層厚は十分
に薄いため、この第2の半導体層4内で2分割されるチ
ャネルは殆ど真っ直ぐであり、従って電子の非弾性散乱
の影響はもとより、弾性散乱の影響も殆ど受けない弾道
的な電子波の干渉を起こすことができる。また、結晶成
長により、2次元化された電子波のチャネルとなる第2
の半導体層4を形成することができるため、電子波のチ
ャネルに沿った層厚に揺らぎがないようにすることがで
き、従って電子波のモードを容易に単一化することがで
きる。
【0040】更に、第2の半導体層4の中央部にバリア
領域26、28が相対して形成し、これらバリア領域2
6、28に挟まれたスリット部30の幅を十分に狭くす
ることにより、このスリット部30を通過する電子を一
次元に閉じ込めることで一次元チャネルを形成すること
ができる。これにより、干渉効果を更に高めることがで
きる。
【0041】こうして、電子波の干渉性が極めて高い量
子干渉効果トランジスタを実現することができる。
【0042】
【実施例】本発明の第1の実施例による量子干渉効果ト
ランジスタの構成及びその製造方法を、図7及び図8を
用いて説明する。図7は本実施例による量子干渉効果ト
ランジスタの平面図、図8はそのAA´線断面図であ
る。
【0043】半絶縁性GaAs基板32上に、層厚1μ
mのノンドープGaAsバッファ層34及び層厚0.3
μmのノンドープAlGaAsバッファ層36を介し
て、層厚0.02μm、濃度5E17/cm3 のn型A
lGaAs層38が形成されている。また、このn型A
lGaAs層38上には、層厚0.006μmのノンド
ープAlGaAs層40を介して、ノンドープGaAs
チャネル層42が形成されている。
【0044】これらGaAsバッファ層34、AlGa
Asバッファ層36、n型AlGaAs層38、AlG
aAs層40及びGaAsチャネル層42は、例えばM
BE(分子線エピタキシー)結晶成長法又はMOCVD
(有機金属気相エピタキシャル)結晶成長法を用いて、
順に成長させる。GaAsチャネル層42は、その中央
部のチャネル方向、即ちx方向の長さが0.2μmで層
厚が0.05μmであり、中央部以外の層厚は0.01
μmである。このように、GaAsチャネル層42の中
央部のみがその両側部分よりも厚い膜厚となっている点
に本実施例の特徴がある。
【0045】このGaAsチャネル層42のパターニン
グは、層厚0.05μmのGaAsチャネル層42を成
長させた後、GaAsチャネル層42の部分的エッチン
グによって行なう。また、GaAsチャネル層42上に
は、層厚0.006μmのノンドープAlGaAs層4
4を介して、層厚0.1μm、濃度5E17/cm3
n型AlGaAs層46が形成され、更にこのn型Al
GaAs層46上には、層厚0.01μm、濃度1E1
8/cm3 のn型GaAs層48が形成されている。
【0046】これらAlGaAs層44、n型AlGa
As層46及びn型GaAs層48も、同様にMBE結
晶成長法を用いて、順に成長させる。そしてトランジス
タ作製のためにデバイス部分を残して全体をメサ型にエ
ッチングする。また、GaAsチャネル層42の両端に
は、それぞれソース領域50及びドレイン領域52が形
成され、これらソース領域50及びドレイン領域52上
には、それぞれAuGe/Auからなるソース電極54
及びドレイン電極56が形成されている。
【0047】これらの製造方法は、まずn型GaAs層
48上にソース電極54及びドレイン電極56を形成し
た後、合金化法を用いて、例えば温度450℃、1分の
条件で熱処理を行ない、GaAsチャネル層42に達す
るアロイ領域を形成することにより、ソース領域50及
びドレイン領域52を形成する。従って、GaAsチャ
ネル層42に発生する2次元電子が、これらソース領域
50及びドレイン領域52を介してソース電極54及び
ドレイン電極56にコンタクトされる。
【0048】また、GaAsチャネル層42の中央部に
は、幅0.2μmのバリア領域58、60が間隔0.0
5μmをおいて相対して設けられている。従って、バリ
ア領域58、60に挟まれたスリット部62のチャネル
方向の長さ及び幅はそれぞれ0.2μm及び0.05μ
mとなる。これらのバリア領域58、60は、Gaの集
束イオンビーム注入法を用いて、加速電圧100ke
V、ドーズ量1E14/cm2 の条件でGaAsチャネ
ル層42にライン状に注入して形成する。なお、このと
き、n型GaAs層48の上方から、n型GaAs層4
8、n型AlGaAs層46及びAlGaAs層44の
各層を通して注入することにより、これらのバリア領域
58、60を形成してもよい。
【0049】更に、GaAsチャネル層42の中央部上
方のn型GaAs層48上に、Alからなるゲート電極
64が形成されている。第1の実施例によれば、MBE
結晶成長の途中でGaAsチャネル層42のエッチング
を行なわなければならないが、成長中断時の結晶表面は
GaAsであり、このGaAs層の表面はAlGaAs
層に比べて酸化され難く、また炭素による吸着汚染も少
ないため、電子トラップや散乱中心が電子波のチャネル
に形成されることが防止される。
【0050】次に、本発明の第2の実施例による量子干
渉効果トランジスタの構成及びその製造方法を、図9を
用いて説明する。図9は本実施例による量子干渉効果ト
ランジスタの断面図である。なお、図8の量子干渉効果
トランジスタと同一の構成要素には同一の符号を付して
その説明を省略する。
【0051】半絶縁性GaAs基板32上に、GaAs
バッファ層34及び層厚0.6μmのノンドープAlG
aAsバッファ層36aを介して、層厚0.02μm、
濃度5E16/cm3 のn型AlGaAs層38aが形
成されている。これらGaAsバッファ層34、AlG
aAsバッファ層36a及びn型AlGaAs層38a
は、例えばMBE結晶成長法又はMOCVD結晶成長法
を用いて、順に成長させる。
【0052】そしてn型AlGaAs層38aの中央部
に、高濃度のn+ 型不純物領域66が設けられている点
に本実施例の特徴がある。このn+ 型不純物領域66
は、試料を超高真空中で集束イオンビーム注入機に移動
し、Si集束イオンビームを用いて0.2μm幅でライ
ン状に注入することにより形成する。このときの注入条
件は、加速電圧10〜40keV、ドーズ量1E12/
cm2 である。
【0053】また、n型AlGaAs層38a及びn+
型不純物領域66上には、層厚0.01μmのノンドー
プAlGaAs層40aを介して、層厚0.04μmの
ノンドープGaAsチャネル層42aが形成され、更に
このGaAsチャネル層42a上には、層厚0.01μ
mのノンドープAlGaAs層44a、層厚0.07μ
m、濃度5E17/cm3 のn型AlGaAs層46a
及び層厚0.01μm、濃度1E18/cm3 のn型G
aAs層48aが形成されている。
【0054】これらのAlGaAs層40a、GaAs
チャネル層42a、AlGaAs層44a、n型AlG
aAs層46a及びn型GaAs層48aは、イオン注
入の後、再び試料を成長室に戻し、再びMBE結晶成長
法を用いて、順に成長させる。そして全体をメサ型にエ
ッチングする。また、GaAsチャネル層42aの両端
に形成されたソース領域50及びドレイン領域52上
に、それぞれソース電極54及びドレイン電極56が形
成されているのは、上記図8と同様である。そして図示
はしないが、GaAsチャネル層42aの中央部にバリ
ア領域が相対して設けられ、これらのバリア領域に挟ま
れたスリット部が形成されていることも、上記図7と同
様である。
【0055】更に、GaAsチャネル層42aの中央部
上方のn型GaAs層48a上に、ゲート電極64のみ
ならず、このゲート電極64を挟んでそれぞれソース電
極54側及びドレイン電極56側にAlからなるチャネ
ル制御電極68、70が形成されていることにも、本実
施例の特徴がある。第2の実施例によれば、GaAsチ
ャネル層42aを結晶成長法を用いて形成することによ
り、電子波のチャネルに沿った層厚に揺らぎがないよう
にすることができるため、電子波のモードを容易に単一
化することができる。
【0056】なお、第2の実施例においては、n型Al
GaAs層38aの中央部にn+ 型不純物領域66を設
け、且つゲート電極64の両側にチャネル制御電極6
8、70を設けているが、この組合わせの代わりに、n
型AlGaAs層38aの中央部にn+ 型不純物領域6
6を設け、且つ同様のn+ 型高濃度領域をn型AlGa
As層46aの中央部にn+ 型不純物領域66に相対さ
せて設けてもよい。このとき、n型AlGaAs層46
aの電子濃度は、n型AlGaAs層38aと同様に5
E16/cm3 とする。この場合も、上記作用の欄で既
に述べたように、同様の作用及び効果を奏することがで
きる。
【0057】次に、本発明の第3の実施例による量子干
渉効果トランジスタの構成を、図10を用いて説明す
る。図10は本実施例による量子干渉効果トランジスタ
の断面図である。なお、図8又は図9の量子干渉効果ト
ランジスタと同一の構成要素には同一の符号を付してそ
の説明を省略する。
【0058】半絶縁性GaAs基板32上に、GaAs
バッファ層34及び層厚0.3μmのノンドープAlG
aAsバッファ層36bを介して、層厚0.03μm、
濃度1E18/cm3 のn型AlGaAs層38bが形
成されている。また、n型AlGaAs層38b上に
は、層厚0.02μmのノンドープAlGaAs層40
bを介して、層厚0.04μmのノンドープGaAsチ
ャネル層42bが形成され、更にこのGaAsチャネル
層42b上には、層厚0.02μmのノンドープAlG
aAs層44b、層厚0.07μm、濃度1E18/c
3 のn型AlGaAs層46b及び層厚0.01μ
m、濃度1E18/cm3 のn型GaAs層48bが形
成されている。
【0059】また、GaAsチャネル層42bの両端
に、ソース領域50及びドレイン領域52が形成されて
いる。そしてソース領域50近傍のGaAsチャネル層
42bと、これを上下に挟むAlGaAs層44b、4
0bとのヘテロ界面に、GaAsチャネル層42bの伝
導帯下端とAlGaAs層44b、40bの伝導帯下端
との不連続が傾斜している厚さ5〜7nmの変成層72
a、72bがそれぞれ形成されている。
【0060】同様に、ドレイン領域52近傍のGaAs
チャネル層42bとAlGaAs層44b、40bとの
ヘテロ界面にも、厚さ5〜7nmの変成層72c、72
dがそれぞれ形成されている。即ち、本実施例は、これ
らの変成層72a、72b、72c、72dが設けられ
ている点に特徴がある。また、ソース領域50及びドレ
イン領域52上に、それぞれソース電極54及びドレイ
ン電極56が形成されているのは、上記図8と同様であ
る。そして図示はしないが、GaAsチャネル層42b
の中央部にバリア領域が相対して設けられ、これらのバ
リア領域に挟まれたスリット部が形成されていること
も、上記図7と同様である。
【0061】更に、変成層が設けられていないGaAs
チャネル層42bの中央部上方のn型GaAs層48b
上に、ゲート電極64が形成されている。次に、図10
に示す量子干渉効果トランジスタの製造方法を、図11
及び図12を用いて説明する。半絶縁性GaAs基板3
2上に、例えばMBE結晶成長法又はMOCVD結晶成
長法を用いて、層厚1μmのGaAsバッファ層34、
層厚0.3μmのノンドープAlGaAsバッファ層3
6b、層厚0.03μm、濃度1E18/cm 3 のn型
AlGaAs層38b、層厚0.02μmのノンドープ
AlGaAs層40b、層厚0.04μmのノンドープ
GaAsチャネル層42b、層厚0.02μmのノンド
ープAlGaAs層44b、層厚0.07μm、濃度1
E18/cm3 のn型AlGaAs層46b及び層厚
0.01μm、濃度1E18/cm 3 のn型GaAs層
48bを、順に成長させる。続いて、全体をメサ型にエ
ッチングする(図11(a)参照)。
【0062】次いで、全面に、Gaを捕獲しやすい性質
をもつ膜厚0.2μmのSiO2 膜74を堆積した後、
このSiO2 膜74を選択的に除去して、ゲート電極形
成予定領域に幅0.5〜1μmの開口部76を形成する
(図11(b)参照)。次いで、全面に、熱処理の際の
Ga及びAsの抜けを防止するための保護膜としてのA
lN膜78を堆積した後、温度900℃、256秒の条
件で熱処理を行なう。
【0063】そしてこの熱処理によって、SiO2 膜7
4は、下地のn型GaAs層48bに歪みを与えつつG
aを捕獲して、SiO2 膜74下方のGaAsチャネル
層42b中にGaの空孔(Vacancy )を発生させる。こ
れにより、n型GaAs層48b上にAlN膜78が直
接に形成されている領域を除き、SiO2 膜74が直接
に形成されている領域下方において、GaAsチャネル
層42bとこれを上下に挟むAlGaAs層44b、4
0bとのヘテロ界面に、構成原子であるGaとAlの熱
的な相互拡散が生じる。
【0064】このGaとAlの相互拡散により、GaA
sチャネル層42bとAlGaAs層44b、40bと
のヘテロ界面において、Ga及びAlの組成比が変化し
て、GaAsチャネル層42bの伝導帯下端とAlGa
As層44bの伝導帯下端との不連続が傾斜している厚
さ5〜7nmの変成層72a、72c及びGaAsチャ
ネル層42bの伝導帯下端とAlGaAs層40bの伝
導帯下端との不連続が傾斜している厚さ5〜7nmの変
成層72b、72dがそれぞれ形成される(図12
(a)参照)。
【0065】次いで、AlN膜78を除去した後、Si
2 膜74を選択的に除去して、変成層72a、72
b、72c、72dを形成したGaAsチャネル層42
b上方のソース電極及びドレイン電極の形成予定領域を
開口する。続いて、これら開口したソース電極及びドレ
イン電極の形成予定領域のn型GaAs層48b上に、
上記第1及び第2の実施例の場合と同様にして、それぞ
れAuGe/Auからなるソース電極54及びドレイン
電極56を形成した後、合金化法を用いて、GaAsチ
ャネル層42に達するアロイ領域を形成することによ
り、ソース領域50及びドレイン領域52を形成する。
【0066】これにより、ソース領域50近傍及びドレ
イン領域52近傍のGaAsチャネル層42bに変成層
72a、72b及び変成層72c、72dがそれぞれ設
けられることになる。そして図示はしないが、GaAs
チャネル層42bの中央部にバリア領域が相対して設け
られ、これらのバリア領域に挟まれたスリット部が形成
されていることも、上記図7と同様である。
【0067】更に、変成層が設けられていないGaAs
チャネル層42bの中央部上方のゲート電極形成予定領
域のn型GaAs層48b上に、ゲート電極64を形成
する(図12(b)参照)。なお、第3の実施例におい
ては、GaAsチャネル層42bの層厚を0.04μm
と十分に厚くすることと、このGaAsチャネル層42
bを上下に挟むn型AlGaAs層46b、38bの不
純物濃度を濃度1E18/cm3 と十分に高くすること
とを組み合わせて、GaAsチャネル層42bに形成さ
れた2次元電子からなるチャネルがn型AlGaAs層
46bとの界面とn型AlGaAs層38bとの界面と
に2分割されるようにしているが、上記第1又は第2の
実施例の場合と同様に、いずれか一方のみを採用しても
よい。
【0068】また、その製造方法において、熱処理によ
り下地のn型GaAs層48bに歪みを与えつつGaを
捕獲する膜として、SiO2 膜74を用いているが、こ
れに限らず、例えばSiOX 1-X 膜やSiNX 膜等を
用いてもよい。また、Gaの抜けを防止するための保護
膜として、AlN膜78を用いているが、これに限ら
ず、n型GaAs層48bと熱膨張係数がほぼ同じでG
a及びAsの抜けを防止するものであれば、例えばSi
Y 1-Y 膜やSiNY 膜等を用いてもよい。
【0069】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、チャネル
層としての第2の半導体層がこの第2の半導体層よりも
電子親和力が小さいn型の第1及び第3の半導体層によ
って積層方向に挟まれ、第2の半導体層の両端にソース
領域及びドレイン領域が設けられ、これらソース領域及
びドレイン領域に挟まれた第2の半導体層の中央部上方
にゲート電極が設けられている半導体装置において、第
2の半導体層の中央部では、第2の半導体層の層厚が一
定の層厚より厚くなっているか、又は第2の半導体層に
隣接する第1又は第3の半導体層の少なくとも一方に高
濃度のn+ 型不純物領域が設けられているか或いは第1
の半導体層又は第3の半導体層事態が高濃度であること
により、第2の半導体層に形成された2次元電子からな
るチャネルが第1の半導体層との界面と第3の半導体層
との界面とに2分割されると共に、第2の半導体層のソ
ース領域近傍及びドレイン領域近傍では、第2の半導体
層の層厚が一定の層厚より薄くなっているか、第2の半
導体層に隣接する第1又は第3の半導体層に高濃度のn
+ 型不純物領域が設けられていないか、又は第2の半導
体層と第1及び第3の半導体層とのヘテロ界面に変成層
が設けられていることにより、第2の半導体層に形成さ
れた2次元電子からなるチャネルが1つのチャネルをな
し、且つこの2つに別れたチャネルはほとんど真っ直ぐ
であるため、電子の非弾性散乱のみならず弾性散乱も殆
ど起こすことなく、弾動的な電子波の干渉を生じること
ができる。
【0070】また、チャネル層としての第2の半導体層
を結晶成長法を用いて形成することにより、電子波のチ
ャネルに沿った層厚に揺らぎがないようにすることがで
きるため、電子波のモードを容易に単一化することがで
きる。更に、第2の半導体層の中央部にバリア領域が相
対して形成することにより、その間のスリット部の幅を
十分に狭くすることができるため、このスリット部を通
過する電子を一次元に閉じ込めて一次元チャネルを形成
することができる。
【0071】これにより、更に干渉効果を高めることが
でき、従って超高密度化及び超高速化を可能にする極め
て電子波の干渉性の高い量子干渉効果トランジスタを実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための量子干渉効果ト
ランジスタを示す断面図である。
【図2】本発明の原理による第1の構造の量子干渉効果
トランジスタを示す断面図である。
【図3】本発明の原理による第2の構造の量子干渉効果
トランジスタを示す断面図である。
【図4】本発明の原理による第3の構造の量子干渉効果
トランジスタを示す断面図である。
【図5】本発明の原理による第4の構造の量子干渉効果
トランジスタを示す断面図である。
【図6】図2乃至図5におけるチャネル層にバリア層を
設けた量子干渉効果トランジスタを示す平面図である。
【図7】本発明の第1の実施例による量子干渉効果トラ
ンジスタを示す平面図である。
【図8】本発明の第1の実施例による量子干渉効果トラ
ンジスタを示す断面図である。
【図9】本発明の第2の実施例による量子干渉効果トラ
ンジスタを示す断面図である。
【図10】本発明の第3の実施例による量子干渉効果ト
ランジスタを示す断面図である。
【図11】図10に示す量子干渉効果トランジスタの製
造方法を説明するための工程図(その1)である。
【図12】図10に示す量子干渉効果トランジスタの製
造方法を説明するための工程図(その2)である。
【図13】従来の量子干渉効果トランジスタを示す斜視
図である。
【図14】従来の量子干渉効果トランジスタを示す断面
図である。
【図15】従来の量子干渉効果トランジスタを示す断面
図である。
【符号の説明】
2、2a、2b、2c…第1の半導体層 4、4a、4b、4c…第2の半導体層 6、6a、6b、6c…第3の半導体層 8、50…ソース領域 10、52…ドレイン領域 12、52、92、114、134…ソース電極 14、54、94、116、136…ドレイン電極 16、64、90、118、132…ゲート電極 18、20、66…n+ 型不純物領域 22、24、68、70…チャネル制御電極 26、28、58、60…バリア領域 30、62…スリット部 32、96…半絶縁性GaAs基板 34、98…GaAsバッファ層 36、36a、36b…AlGaAsバッファ層 38、38a、38b、124、126…n型AlGa
As層 40、40a、40b、100、102…AlGaAs
層 42、42a、42b、84、104、106、128
…GaAsチャネル層 44、44a、44b…AlGaAs層 46、46a、46b…n型AlGaAs層 48、48a、48b…n型GaAs層 72a、72b、72c、72d…変成層 74…SiO2 膜 76…開口部 78…AlN膜 82、122…バッファ層 86…n型AlGaAs電子供給層 88…2次元電子 108、130…AlGaAsチャネル分離帯層 110、112…n+ 型アロイ・コンタクト領域 120…半導体基板

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n型の第1の半導体層と、前記第1の半
    導体層上に設けられ、前記第1の半導体層よりも電子親
    和力が大きい第2の半導体層と、前記第2の半導体層上
    に設けられ、前記第2の半導体層よりも電子親和力が小
    さいn型の第3の半導体層と、前記第1、第2及び第3
    の半導体層の一方の端に設けられたソース領域と、前記
    第1、第2及び第3の半導体層の他方の端に設けられた
    ドレイン領域と、前記ソース領域及び前記ドレイン領域
    に挟まれた前記第2の半導体層の中央部上方の前記第3
    の半導体層上に設けられたゲート電極とを有し、前記第
    2の半導体層に形成された2次元電子からなるチャネル
    が、前記第2の半導体層の前記ソース領域近傍及び前記
    ドレイン領域近傍において、1つのチャネルをなし、前
    記第2の半導体層の中央部において、前記第1の半導体
    層との界面近傍の第1のチャネルと前記第3の半導体層
    との界面近傍の第2のチャネルとに2分割されることを
    特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置において、前
    記ソース領域及び前記ドレイン領域に挟まれた前記第2
    の半導体層の中央部における層厚が、前記第2の半導体
    層の前記ソース領域近傍及び前記ドレイン領域近傍にお
    ける層厚より厚くなっており、前記第2の半導体層に形
    成された2次元電子からなるチャネルが、相対的に層厚
    が薄い前記ソース領域近傍及び前記ドレイン領域近傍に
    おいて、1つのチャネルをなし、相対的に層厚が厚い中
    央部において、量子井戸の幅が相対的に広くなって伝導
    帯下端の曲りが大きくなることにより、電子の確率密度
    分布が前記第1の半導体層側の界面近傍と前記第3の半
    導体層側の界面近傍とに局在して前記第1のチャネルと
    前記第2のチャネルとに2分割されることを特徴とする
    半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の半導体装置において、前
    記第2の半導体層に隣接する前記第1又は第3の半導体
    層の少なくとも一方の中央部に、n型の高濃度不純物領
    域が設けられ、前記第2の半導体層に形成された2次元
    電子からなるチャネルが、前記n型の高濃度不純物領域
    が共に設けられていない前記第1及び第3の半導体層に
    挟まれた前記ソース領域近傍及び前記ドレイン領域近傍
    において、1つのチャネルをなし、前記n型の高濃度不
    純物領域が少なくとも一方に設けられている前記第1及
    び第3の半導体層に挟まれた中央部において、伝導帯下
    端の曲りが大きくなることにより、電子の確率密度分布
    が前記第1の半導体層側の界面近傍と前記第3の半導体
    層側の界面近傍とに局在して前記第1のチャネルと前記
    第2のチャネルとに2分割されることを特徴とする半導
    体装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の半導体装置において、前
    記第2の半導体層の中央部に隣接する前記第1の半導体
    層にn型の高濃度不純物領域が設けられ、且つ前記ゲー
    ト電極を挟んで前記ソース領域側及び前記ドレイン領域
    側にそれぞれチャネル制御電極が設けられていることを
    特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の半導体装置において、前
    記第2の半導体層の層厚が、電子の確率密度分布を前記
    第1の半導体層側の界面近傍と前記第3の半導体層側の
    界面近傍とに局在させて前記第1のチャネルと前記第2
    のチャネルとに2分割する程度に厚い層厚であり、前記
    ソース領域近傍及び前記ドレイン領域近傍の前記第2の
    半導体層と前記第1及び第3の半導体層とのヘテロ界面
    に、前記第2の半導体層と前記第1の半導体層との伝導
    帯下端の不連続が傾斜をなす第1の変成層及び前記第2
    の半導体層と前記第3の半導体層との伝導帯下端の不連
    続が傾斜をなす第2の変成層がそれぞれ設けられている
    ことを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】 請求項1又は5記載の半導体装置におい
    て、前記第2の半導体層を挟む前記第1及び第3の半導
    体層の不純物濃度が、電子の確率密度分布を前記第1の
    半導体層側の界面近傍と前記第3の半導体層側の界面近
    傍とに局在させて前記第1のチャネルと前記第2のチャ
    ネルとに2分割する程度に高い濃度であり、前記ソース
    領域近傍及び前記ドレイン領域近傍の前記第2の半導体
    層と前記第1及び第3の半導体層とのヘテロ界面に、前
    記第2の半導体層と前記第1の半導体層との伝導帯下端
    の不連続が傾斜をなす第1の変成層及び前記第2の半導
    体層と前記第3の半導体層との伝導帯下端の不連続が傾
    斜をなす第2の変成層がそれぞれ設けられていることを
    特徴とする半導体装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の半導
    体装置において、前記第2の半導体層と前記第1又は第
    3の半導体層との間の少なくとも一方に、前記第2の半
    導体層よりも電子親和力が小さいノンドープの第4の半
    導体層が設けられていることを特徴とする半導体装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかに記載の半導
    体装置において、前記第2の半導体層の中央部にバリア
    領域が相対して前記第2の半導体層と平行に設けられ、
    2次元電子のチャネル方向に垂直な方向の運動エネルギ
    ーが量子化される程度の幅を有するスリット部が前記バ
    リア領域に挟まれて形成されていることを特徴とする半
    導体装置。
  9. 【請求項9】 GaAs基板上に、第1のn型AlGa
    As層を形成する工程と、前記第1のn型AlGaAs
    層上に、前記AlGaAs層よりも電子親和力が大きい
    GaAsチャネル層を形成する工程と、前記GaAsチ
    ャネル層の選択的エッチングにより、ソース形成予定領
    域及びドレイン形成予定領域に挟まれた前記GaAsチ
    ャネル層の中央部における層厚を、前記ソース形成予定
    領域近傍及び前記ドレイン形成予定領域近傍における前
    記GaAsチャネル層の層厚よりも厚くする工程と、前
    記GaAsチャネル層上に、第2のn型AlGaAs層
    を形成する工程と、前記第2のn型AlGaAs層上
    に、金属からなるソース電極及びドレイン電極を形成し
    た後、合金化法により、前記GaAsチャネル層に達す
    るソース領域及びドレイン領域を形成する工程と、前記
    GaAsチャネル層の中央部上方の前記第2のn型Al
    GaAs層上に、ゲート電極を形成する工程とを有する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 GaAs基板上に、第1のn型AlG
    aAs層を形成する工程と、集束イオンビーム注入法に
    より、前記第1のn型AlGaAs層の所定の場所にS
    iを注入して、第1のn型高濃度不純物領域を形成する
    工程と、前記第1のn型AlGaAs層上に、前記Al
    GaAs層よりも電子親和力が大きいGaAsチャネル
    層を形成する工程と、前記GaAsチャネル層上に、第
    2のn型AlGaAs層を形成する工程と、集束イオン
    ビーム注入法により、前記第1のn型高濃度不純物領域
    上方の前記第2のn型AlGaAs層にSiを注入し
    て、第2のn型高濃度不純物領域を形成する工程と、前
    記第2のn型AlGaAs層上に、金属からなるソース
    電極及びドレイン電極を形成した後、合金化法により、
    前記GaAsチャネル層に達するソース領域及びドレイ
    ン領域を形成する工程と、前記第2のn型高濃度不純物
    領域上方の前記第2のn型AlGaAs層上に、ゲート
    電極を形成する工程とを有することを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 GaAs基板上に、第1のn型AlG
    aAs層を形成する工程と、集束イオンビーム注入法に
    より、前記第1のn型AlGaAs層の所定の場所にS
    iを注入して、第1のn型高濃度不純物領域を形成する
    工程と、前記第1のn型AlGaAs層上に、前記Al
    GaAs層よりも電子親和力が大きいGaAsチャネル
    層を形成する工程と、前記GaAsチャネル層上に、第
    2のn型AlGaAs層を形成する工程と、前記第2の
    n型AlGaAs層上に、金属からなるソース電極及び
    ドレイン電極を形成した後、合金化法により、前記Ga
    Asチャネル層に達するソース領域及びドレイン領域を
    形成する工程と、前記第1のn型高濃度不純物領域上方
    の前記第2のn型AlGaAs層上に、ゲート電極を形
    成すると共に、前記ゲート電極を挟んで前記ソース領域
    側及び前記ドレイン領域側の前記第2のn型AlGaA
    s層上にそれぞれチャネル制御電極を形成する工程とを
    有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 GaAs基板上に、第1のn型AlG
    aAs層を形成する工程と、前記第1のn型AlGaA
    s層上に、前記AlGaAs層よりも電子親和力が大き
    いGaAsチャネル層を形成する工程と、前記GaAs
    チャネル層上に、第2のn型AlGaAs層を形成する
    工程と、前記第2のn型AlGaAs層上に、Gaを捕
    獲する材料からなる誘電体膜を形成した後、前記誘電体
    膜を選択的に除去してゲート電極形成予定領域に開口部
    を形成する工程と、前記開口部の前記第2のn型AlG
    aAs層上に、Ga及びAsの解離を防止する保護膜を
    形成する工程と、熱処理により、前記誘電体膜下方の前
    記GaAsチャネル層と前記第1及び第2のn型AlG
    aAs層とのヘテロ界面に、前記GaAsチャネル層と
    前記第1のn型AlGaAs層との伝導帯下端の不連続
    が傾斜をなす第1の変成層及び前記GaAsチャネル層
    と前記第2のn型AlGaAs層との伝導帯下端の不連
    続が傾斜をなす第2の変成層をそれぞれ形成する工程
    と、前記保護膜及び前記誘電体膜を除去し、前記変成層
    上方の前記第2のn型AlGaAs層上に、金属からな
    るソース電極及びドレイン電極を形成した後、合金化法
    により、前記GaAsチャネル層に達するソース領域及
    びドレイン領域を形成する工程と、前記ソース電極と前
    記ドレイン電極との間の前記第2のn型AlGaAs層
    上に、ゲート電極を形成する工程とを有することを特徴
    とする半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項9乃至12のいずれかに記載の
    半導体装置の製造方法において、前記ゲート電極を形成
    する工程の前に、集束イオンビーム注入法により、Ga
    を注入して、前記GaAsチャネル層の中央部にバリア
    領域を相対して形成し、前記バリア領域に挟まれたスリ
    ット部を通過する電子の運動がチャネル方向と垂直な方
    向に量子化されるようにする工程を有することを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
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