JPH0575810B2 - - Google Patents
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- JPH0575810B2 JPH0575810B2 JP63039497A JP3949788A JPH0575810B2 JP H0575810 B2 JPH0575810 B2 JP H0575810B2 JP 63039497 A JP63039497 A JP 63039497A JP 3949788 A JP3949788 A JP 3949788A JP H0575810 B2 JPH0575810 B2 JP H0575810B2
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- Dental Preparations (AREA)
- Ceramic Products (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、歯科用の新規なパラジウム合金を提
供する。 〔従来技術及び本発明が解決しようとする問題
点〕 歯科用パラジウム合金は歯科陶材焼付用として
使用される合金であり、該陶材焼付用合金とは、
歯科補綴物の一種である金属焼付陶材の基体部分
が作る金属のことである。また金属焼付陶材と
は、金属基体上に陶材を接合した補綴物である。
陶材と金属基体とを接合する方法は、一般的には
まず金属基体を高温に保持し該金属基体表面に酸
化被膜を形成させ、次いで該酸化被膜に覆われた
金属基体上に陶材粉末を水で溶いた泥状物を築盛
し、乾燥させた後高温で焼成し、同時に該金属基
体と接合せしめるという方法である。従つて、歯
科用合金特に陶材焼付用合金は、歯科用合金に要
求される強度、耐食性、生体親和性を有すること
はもちろんのこと、陶材と熱膨張係数が一致し、
かつ陶材と強固に接合すること、また高温強度が
高いこと、さらには高強度、高弾性率で変形しに
くいこと等が要求される。 現在使用されている陶材焼付用合金は、Au−
Pt−Pd−あるいはAu−Pd−Agを主成分とする
貴金属系合金が主流である。ところが該貴金属系
合金は、Au及びPtが高価で経済的に不利である
こと、及び合金強度が不十分であるという問題点
がある。そこでこのような問題点を解決したPd
系合金が開発され、提案(特開昭59−28545ある
いは特開昭61−186437に示されるようなPd−Cu
−Gaを主成分とするPd合金されている。これら
Cu、Gaを主添加元素とするPd合金は、比較的低
価格で高強度、高耐食性、生体為害性が少ないと
いう点で優れた合金である。しかし該合金は硬く
比較的脆いため、実用上大きな外力が加わつたと
きに破折する場合があるうえ、研削あるいは圧延
等の加工がしにくく、また、該合金は融点が低い
ため鋳造性は良いが、一方で高温強度が十分とは
言えず、陶材を接合するための、前処理を含めた
熱処理中に変形を生じ易いという問題点があり、
精度を要求される歯科補綴物においては適合が悪
くなるという欠点を有している。 また特開昭61−295348号には、“パラジウム60
〜80%、金0〜8%、白金0〜5%、ルテニウム
および/またはレニウム0〜1%、銅2〜20%、
錫および/またはインジウム1〜12%、タングス
テン、モリブデン、ニオブおよびタンタルなる元
素の1種以上0.2〜5%およびコバルト0〜15%
から成り、錫およびインジウムの全含有量が5〜
14%でなければならない組成を有する銀不含パラ
ジウム合金を使用する歯科用陶材溶着用材料”が
提案されている。上記材料は高強度であり且つ比
較的大きな伸びを有し、また融点も低過ぎること
もない優れたものである。 しかし、該材料は弾性率が比較的低いため、外
力が加わつた場合比較的大きな歪を生ずる。従つ
て、該材料に陶材を接合した状態で外力が加わつ
た場合、ほとんど伸びを示さない該陶材が上記歪
に耐えきれず割れるという場合が生ずるケースが
あり、改良の余地があつた。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、合金強度が高く高弾性率であ
り、かつ適度に大きな伸びを有し、陶材との接合
強度が高く、また融点が作業性を損わない程度に
適度に高く従つて熱処理による変形の少ない、前
記諸問題のない歯科用合金を得るため鋭意研究し
て来た。その結果、本発明を完成するに至つた。 即ち、本発明は、銅5〜15重量%;錫8〜18重
量%;ゲルマニウム2〜4重量%及び残部がパラ
ジウムからなる歯科用パラジウム合金である。 また、本発明は、銅5〜15重量%;錫8〜18重
量%;ゲルマニウム1〜4重量%:インジウム、
鉄及びコバルトよりなる群から選ばれた少くとも
1種を合計0.001〜5重量%及び残部がパラジウ
ムからなる歯科用パラジウム合金をも提供するも
のである。 本発明の歯科用合金にあつては、合金を構成す
る成分とその組成比が本発明の目的を達成するた
めに極めて重要な要件である。 本発明の合金を構成する成分の1つは銅であ
る。該銅(Cu)は得られる合金の融点及び熱膨
張係数の調整と合金強度の向上、及び陶材とのぬ
れが良い緻密な外部酸化被膜の形成に効果的であ
る。該銅の組成比は合金中に5〜15重量%存在せ
しめると好適である。 該銅の含有量が5重量%未満になると融点が高
くなり作業性が劣るとともに、合金強度が低くな
り実用に耐えない。反対に該銅の含有量が15重量
%をこえると外部酸化被膜が厚くなり合金素地と
の密着性が悪くなるため、陶材との接合強度の低
下をまねき、かつ該外部酸化被膜の色が黒色化
し、審美性を損うので好ましくない。 本発明の合金を構成する成分の他の1つは錫
(Sn)である。該錫はゲルマニウムと特定割合と
なるように複合添加することによつて極めて効果
的な成果を発揮する。即ち合金中に、錫を8〜18
重量%好ましくは10〜15重量%と比較的多量に含
有させ、かつゲルマニウムを共存させることによ
り、高強度、高弾性率、大きな伸び及び適切な融
点が得られる。また、錫は熱膨張係数を調整する
効果、さらには、合金表面直下に内部酸化層を形
成し、後述する銅の外部酸化被膜の厚さを制御
し、該外部酸化被膜と合金素地の結合性を高める
効果がある。合金中の錫の含有量が8重量%未満
であると合金強度が低下し、かつ融点が高くなり
鋳造が容易でなくなる傾向があり、また、上記内
部酸化層が不完全となり、外部酸化被膜の厚さを
適切に制御し難くなり、陶材との接合強度が低下
するので好ましくない。反対に合金中の錫の含有
量が18重量%をこえると、外部酸化被膜に悪影響
を及ぼし陶材との接合強度が低下するとともに、
合金が脆化し始めるので好ましくない。 本発明の合金を構成する更に他の1つはゲルマ
ニウム(Ge)である。本発明の合金中には該ゲ
ルマニウムは2〜4重量%の範囲で含有されるの
が好ましい。該ゲルマニウムは前記のように比較
的多量含まれる錫との共存によつて本発明の優れ
た効果が発揮される。即ち、該ゲルマニウム
(Ge)は少量の添加で、合金を脆化させることな
く合金強度、弾性率を高め、かつ融点を適度に下
げ溶解時の溶湯の性状を良くし鋳造性を向上する
効果がある。また、前述の内部酸化層を微細化、
緻密化し後述する外部酸化被膜の厚さ、性状をよ
り最適に制御する効果も発揮する。 該合金中に含まれるゲルマニウムが2重量%未
満であると上記の全ての効果がバランス良く発現
し難くなり、逆に4重量%をこえると合金が脆化
する傾向があるので好ましくない。 但し、更にインジウム、鉄、及びコバルトより
なる群から選ばれた少なくとも1種の金属を添加
させる合金においては、ゲルマニウム含量は1重
量%以上4重量%以下であれば上記効果が十分発
現する上に添加による新たな効果も生じる。 本発明の合金は前記各成分及び構成比の残部は
パラジウム(Pd)である。該パラジウムは、本
発明合金のベース元素であり、本発明合金の全て
の性質の基盤となつており、特に合金の耐食性を
高める上で重要な役割を果している。 本発明で提案する特定量の銅、錫、ゲルマニウ
ムを含み残部がパラジウムよりなる合金は前記の
ように歯科用合金として数々の優れた性質を有し
ている。かかる性質を更に優れたものとするため
に上記成分に更に、インジウム、鉄及びコバルト
からなる群から選ばれた少くとも1種の成分を特
定量含有させることはしばしば好適である。 該インジウム(In)は、合金強度の向上及び前
記錫との相互作用により微細な内部酸化層を形成
し、外部酸化被膜の厚さ、性状をより最適に制御
する効果がある。また、鉄(Fe)及びコバルト
(Co)は合金強度の向上及び外部酸化被膜の構成
要素となり陶材との接合強度を高めるとともに該
外部酸化被膜の色を淡くする効果がある。また、
熱膨張係数を高める効果もあり、より熱膨張係数
の大きい陶材に対応することも出来る。 本発明の合金中に上記インジウム、鉄及びコバ
ルトは必要に応じて1成分でもよく、2成分或い
は3成分を含有させてもよい。該インジウム、鉄
及びコバルトから群から選ばれた少くとも1種の
成分な合金中に最大5重量%までの含有量にとど
めると好ましい。一般には該成分を0.001〜5重
量%の範囲で含有させれば好適である。該成分の
含有量が合金中に5重量%を越えると合金が脆化
する傾向が生ずるので好ましくない。 本発明の合金の製造方法は特に限定されるもの
ではない。一般に例えば本発明の合金成分例えば
Pd、Cu、Sn、Ge、In、Co、Feをそれぞれ単体、
あるいはこれら元素群から選ばれた2種あるいは
それ以上をあらかじめ合金化した母合金をも含め
て原料とし、これらを真空中、不活性ガス中、大
気中を問わず、アーク溶解、高周波溶解、炉内溶
解等を用いたいかなる溶解法によつて合金化して
もよい。尚溶製順序は一般的には、量が多く融点
が適度でありさほど活性でない原料から溶解さ
せ、順次、少量あるいは活性な原料を添加してゆ
く方法がとられる。本発明合金においては、例え
ば、Pd、Co、Fe、Cu、Sn、Ge、Inの順序で添
加、溶製してゆくことになるが、この順序に限定
されることはなく、また2種以上の原料を同時に
添加してもよく、さらには全原料を一括して同時
に溶製してもよい。また、各元素単体の粉末、あ
るいは母合金粉末を含めた各原料粉末を混合した
後焼成、焼結させる粉末治金法等により作製して
もよい。 〔発明の効果〕 本発明の合金はどのような陶材に対しても優れ
た機能を発揮する。特に歯科用陶材例えばSiO2
が40〜70重量%、Al2O3が10〜20重量%、K2Oが
1〜10重量%、Na2Oが3〜7重量%、SnO2が0
〜15重量%、CaOが0〜7重量%、ZrOが0〜5
重量%、TiO2が0〜3重量%、B2O30〜10重量
%、ZnOが0〜1重量%等の組成を有するフリツ
トガラスに対して優れた機能を発揮する。 また本発明の合金は、高強度、高弾性率、大き
な伸び及び適切な融点を有し、かつ陶材との接合
強度が高い。さらに本発明の合金は一般的に歯科
用合金に要求される諸物性を満足しており、口腔
内に長期間、安全かつ安定に維持できる補綴物例
えば鋳造歯冠、橋義歯、義歯床に使用することが
できるし、人工骨やインプラント等の生体材料等
の歯科用材料としてもすぐれた合金となる。 〔実施例〕 本発明をより具体的に説明するために以下、実
施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。また、
各実施例及び比較例の結果は表1にそれぞれ、各
合金の組成、融点、硬度、引張強度、伸び、弾性
率及び合金と陶材との接合強度をまとめて示し
た。それぞれの測定法は以下に示すとおりであ
る。 (1) 合金の融点 熱分析装置(DTA)により測定した合金の
液相点温度を融点とした。 (2) 合金の強度 10mm×10mmの板状試験片を鋳造し、表面を鏡
面研磨した後マイクロビツカース硬度計を用
い、荷重500g、保持時間15秒の条件で測定し
た。 (3) 合金の引張強度、伸び及び弾性率 直径φ2.3mm、標点間距離15mmの棒状試験片を
鋳造し、表面をエメリーペーパー#1500で仕上
げた後、これを引張り破断させ、この時の破断
強度を引張強度とし、この時の標点間の伸び率
を伸びとした。また、この試験により得られる
応力−歪曲線から弾性率を求めた。 (4) 合金と陶材との接合強度 長さ25m、幅6mm、厚さ1mmの2枚の試験片
の表面を鏡面状に研磨した後、980℃の大気中
で5分間加熱し、合金表面に酸化皮膜を形成さ
せた。次に、一方の試験片の端から長さ4mm、
幅6mmの部分に水を加えて泥状にしたVITA社
製のオペーク陶材(VMK68、511、A2)を盛
り、この厚さが0.1mmになるようにして、他方
の試験片ではさんだ。なお、2枚の試験片は、
水平方向に互いに逆向きに重ね合せた。陶材を
乾燥させた後、重ね合わせた試験片を800℃の
電気炉に入れ、真空中で980℃まで毎分5℃で
昇温して陶材と試験片を焼付けた。両試験片を
引張試験機で、水平方向に互いに反対側に引張
つてこれを破断させ、この時の平均応力を陶材
と金属との接合強度とした。
供する。 〔従来技術及び本発明が解決しようとする問題
点〕 歯科用パラジウム合金は歯科陶材焼付用として
使用される合金であり、該陶材焼付用合金とは、
歯科補綴物の一種である金属焼付陶材の基体部分
が作る金属のことである。また金属焼付陶材と
は、金属基体上に陶材を接合した補綴物である。
陶材と金属基体とを接合する方法は、一般的には
まず金属基体を高温に保持し該金属基体表面に酸
化被膜を形成させ、次いで該酸化被膜に覆われた
金属基体上に陶材粉末を水で溶いた泥状物を築盛
し、乾燥させた後高温で焼成し、同時に該金属基
体と接合せしめるという方法である。従つて、歯
科用合金特に陶材焼付用合金は、歯科用合金に要
求される強度、耐食性、生体親和性を有すること
はもちろんのこと、陶材と熱膨張係数が一致し、
かつ陶材と強固に接合すること、また高温強度が
高いこと、さらには高強度、高弾性率で変形しに
くいこと等が要求される。 現在使用されている陶材焼付用合金は、Au−
Pt−Pd−あるいはAu−Pd−Agを主成分とする
貴金属系合金が主流である。ところが該貴金属系
合金は、Au及びPtが高価で経済的に不利である
こと、及び合金強度が不十分であるという問題点
がある。そこでこのような問題点を解決したPd
系合金が開発され、提案(特開昭59−28545ある
いは特開昭61−186437に示されるようなPd−Cu
−Gaを主成分とするPd合金されている。これら
Cu、Gaを主添加元素とするPd合金は、比較的低
価格で高強度、高耐食性、生体為害性が少ないと
いう点で優れた合金である。しかし該合金は硬く
比較的脆いため、実用上大きな外力が加わつたと
きに破折する場合があるうえ、研削あるいは圧延
等の加工がしにくく、また、該合金は融点が低い
ため鋳造性は良いが、一方で高温強度が十分とは
言えず、陶材を接合するための、前処理を含めた
熱処理中に変形を生じ易いという問題点があり、
精度を要求される歯科補綴物においては適合が悪
くなるという欠点を有している。 また特開昭61−295348号には、“パラジウム60
〜80%、金0〜8%、白金0〜5%、ルテニウム
および/またはレニウム0〜1%、銅2〜20%、
錫および/またはインジウム1〜12%、タングス
テン、モリブデン、ニオブおよびタンタルなる元
素の1種以上0.2〜5%およびコバルト0〜15%
から成り、錫およびインジウムの全含有量が5〜
14%でなければならない組成を有する銀不含パラ
ジウム合金を使用する歯科用陶材溶着用材料”が
提案されている。上記材料は高強度であり且つ比
較的大きな伸びを有し、また融点も低過ぎること
もない優れたものである。 しかし、該材料は弾性率が比較的低いため、外
力が加わつた場合比較的大きな歪を生ずる。従つ
て、該材料に陶材を接合した状態で外力が加わつ
た場合、ほとんど伸びを示さない該陶材が上記歪
に耐えきれず割れるという場合が生ずるケースが
あり、改良の余地があつた。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、合金強度が高く高弾性率であ
り、かつ適度に大きな伸びを有し、陶材との接合
強度が高く、また融点が作業性を損わない程度に
適度に高く従つて熱処理による変形の少ない、前
記諸問題のない歯科用合金を得るため鋭意研究し
て来た。その結果、本発明を完成するに至つた。 即ち、本発明は、銅5〜15重量%;錫8〜18重
量%;ゲルマニウム2〜4重量%及び残部がパラ
ジウムからなる歯科用パラジウム合金である。 また、本発明は、銅5〜15重量%;錫8〜18重
量%;ゲルマニウム1〜4重量%:インジウム、
鉄及びコバルトよりなる群から選ばれた少くとも
1種を合計0.001〜5重量%及び残部がパラジウ
ムからなる歯科用パラジウム合金をも提供するも
のである。 本発明の歯科用合金にあつては、合金を構成す
る成分とその組成比が本発明の目的を達成するた
めに極めて重要な要件である。 本発明の合金を構成する成分の1つは銅であ
る。該銅(Cu)は得られる合金の融点及び熱膨
張係数の調整と合金強度の向上、及び陶材とのぬ
れが良い緻密な外部酸化被膜の形成に効果的であ
る。該銅の組成比は合金中に5〜15重量%存在せ
しめると好適である。 該銅の含有量が5重量%未満になると融点が高
くなり作業性が劣るとともに、合金強度が低くな
り実用に耐えない。反対に該銅の含有量が15重量
%をこえると外部酸化被膜が厚くなり合金素地と
の密着性が悪くなるため、陶材との接合強度の低
下をまねき、かつ該外部酸化被膜の色が黒色化
し、審美性を損うので好ましくない。 本発明の合金を構成する成分の他の1つは錫
(Sn)である。該錫はゲルマニウムと特定割合と
なるように複合添加することによつて極めて効果
的な成果を発揮する。即ち合金中に、錫を8〜18
重量%好ましくは10〜15重量%と比較的多量に含
有させ、かつゲルマニウムを共存させることによ
り、高強度、高弾性率、大きな伸び及び適切な融
点が得られる。また、錫は熱膨張係数を調整する
効果、さらには、合金表面直下に内部酸化層を形
成し、後述する銅の外部酸化被膜の厚さを制御
し、該外部酸化被膜と合金素地の結合性を高める
効果がある。合金中の錫の含有量が8重量%未満
であると合金強度が低下し、かつ融点が高くなり
鋳造が容易でなくなる傾向があり、また、上記内
部酸化層が不完全となり、外部酸化被膜の厚さを
適切に制御し難くなり、陶材との接合強度が低下
するので好ましくない。反対に合金中の錫の含有
量が18重量%をこえると、外部酸化被膜に悪影響
を及ぼし陶材との接合強度が低下するとともに、
合金が脆化し始めるので好ましくない。 本発明の合金を構成する更に他の1つはゲルマ
ニウム(Ge)である。本発明の合金中には該ゲ
ルマニウムは2〜4重量%の範囲で含有されるの
が好ましい。該ゲルマニウムは前記のように比較
的多量含まれる錫との共存によつて本発明の優れ
た効果が発揮される。即ち、該ゲルマニウム
(Ge)は少量の添加で、合金を脆化させることな
く合金強度、弾性率を高め、かつ融点を適度に下
げ溶解時の溶湯の性状を良くし鋳造性を向上する
効果がある。また、前述の内部酸化層を微細化、
緻密化し後述する外部酸化被膜の厚さ、性状をよ
り最適に制御する効果も発揮する。 該合金中に含まれるゲルマニウムが2重量%未
満であると上記の全ての効果がバランス良く発現
し難くなり、逆に4重量%をこえると合金が脆化
する傾向があるので好ましくない。 但し、更にインジウム、鉄、及びコバルトより
なる群から選ばれた少なくとも1種の金属を添加
させる合金においては、ゲルマニウム含量は1重
量%以上4重量%以下であれば上記効果が十分発
現する上に添加による新たな効果も生じる。 本発明の合金は前記各成分及び構成比の残部は
パラジウム(Pd)である。該パラジウムは、本
発明合金のベース元素であり、本発明合金の全て
の性質の基盤となつており、特に合金の耐食性を
高める上で重要な役割を果している。 本発明で提案する特定量の銅、錫、ゲルマニウ
ムを含み残部がパラジウムよりなる合金は前記の
ように歯科用合金として数々の優れた性質を有し
ている。かかる性質を更に優れたものとするため
に上記成分に更に、インジウム、鉄及びコバルト
からなる群から選ばれた少くとも1種の成分を特
定量含有させることはしばしば好適である。 該インジウム(In)は、合金強度の向上及び前
記錫との相互作用により微細な内部酸化層を形成
し、外部酸化被膜の厚さ、性状をより最適に制御
する効果がある。また、鉄(Fe)及びコバルト
(Co)は合金強度の向上及び外部酸化被膜の構成
要素となり陶材との接合強度を高めるとともに該
外部酸化被膜の色を淡くする効果がある。また、
熱膨張係数を高める効果もあり、より熱膨張係数
の大きい陶材に対応することも出来る。 本発明の合金中に上記インジウム、鉄及びコバ
ルトは必要に応じて1成分でもよく、2成分或い
は3成分を含有させてもよい。該インジウム、鉄
及びコバルトから群から選ばれた少くとも1種の
成分な合金中に最大5重量%までの含有量にとど
めると好ましい。一般には該成分を0.001〜5重
量%の範囲で含有させれば好適である。該成分の
含有量が合金中に5重量%を越えると合金が脆化
する傾向が生ずるので好ましくない。 本発明の合金の製造方法は特に限定されるもの
ではない。一般に例えば本発明の合金成分例えば
Pd、Cu、Sn、Ge、In、Co、Feをそれぞれ単体、
あるいはこれら元素群から選ばれた2種あるいは
それ以上をあらかじめ合金化した母合金をも含め
て原料とし、これらを真空中、不活性ガス中、大
気中を問わず、アーク溶解、高周波溶解、炉内溶
解等を用いたいかなる溶解法によつて合金化して
もよい。尚溶製順序は一般的には、量が多く融点
が適度でありさほど活性でない原料から溶解さ
せ、順次、少量あるいは活性な原料を添加してゆ
く方法がとられる。本発明合金においては、例え
ば、Pd、Co、Fe、Cu、Sn、Ge、Inの順序で添
加、溶製してゆくことになるが、この順序に限定
されることはなく、また2種以上の原料を同時に
添加してもよく、さらには全原料を一括して同時
に溶製してもよい。また、各元素単体の粉末、あ
るいは母合金粉末を含めた各原料粉末を混合した
後焼成、焼結させる粉末治金法等により作製して
もよい。 〔発明の効果〕 本発明の合金はどのような陶材に対しても優れ
た機能を発揮する。特に歯科用陶材例えばSiO2
が40〜70重量%、Al2O3が10〜20重量%、K2Oが
1〜10重量%、Na2Oが3〜7重量%、SnO2が0
〜15重量%、CaOが0〜7重量%、ZrOが0〜5
重量%、TiO2が0〜3重量%、B2O30〜10重量
%、ZnOが0〜1重量%等の組成を有するフリツ
トガラスに対して優れた機能を発揮する。 また本発明の合金は、高強度、高弾性率、大き
な伸び及び適切な融点を有し、かつ陶材との接合
強度が高い。さらに本発明の合金は一般的に歯科
用合金に要求される諸物性を満足しており、口腔
内に長期間、安全かつ安定に維持できる補綴物例
えば鋳造歯冠、橋義歯、義歯床に使用することが
できるし、人工骨やインプラント等の生体材料等
の歯科用材料としてもすぐれた合金となる。 〔実施例〕 本発明をより具体的に説明するために以下、実
施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。また、
各実施例及び比較例の結果は表1にそれぞれ、各
合金の組成、融点、硬度、引張強度、伸び、弾性
率及び合金と陶材との接合強度をまとめて示し
た。それぞれの測定法は以下に示すとおりであ
る。 (1) 合金の融点 熱分析装置(DTA)により測定した合金の
液相点温度を融点とした。 (2) 合金の強度 10mm×10mmの板状試験片を鋳造し、表面を鏡
面研磨した後マイクロビツカース硬度計を用
い、荷重500g、保持時間15秒の条件で測定し
た。 (3) 合金の引張強度、伸び及び弾性率 直径φ2.3mm、標点間距離15mmの棒状試験片を
鋳造し、表面をエメリーペーパー#1500で仕上
げた後、これを引張り破断させ、この時の破断
強度を引張強度とし、この時の標点間の伸び率
を伸びとした。また、この試験により得られる
応力−歪曲線から弾性率を求めた。 (4) 合金と陶材との接合強度 長さ25m、幅6mm、厚さ1mmの2枚の試験片
の表面を鏡面状に研磨した後、980℃の大気中
で5分間加熱し、合金表面に酸化皮膜を形成さ
せた。次に、一方の試験片の端から長さ4mm、
幅6mmの部分に水を加えて泥状にしたVITA社
製のオペーク陶材(VMK68、511、A2)を盛
り、この厚さが0.1mmになるようにして、他方
の試験片ではさんだ。なお、2枚の試験片は、
水平方向に互いに逆向きに重ね合せた。陶材を
乾燥させた後、重ね合わせた試験片を800℃の
電気炉に入れ、真空中で980℃まで毎分5℃で
昇温して陶材と試験片を焼付けた。両試験片を
引張試験機で、水平方向に互いに反対側に引張
つてこれを破断させ、この時の平均応力を陶材
と金属との接合強度とした。
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 銅5〜15重量%;錫8〜18重量%;ゲルマニ
ウム2〜4重量%及び残部がパラジウムからなる
歯科用パラジウム合金。 2 銅5〜15重量%;錫8〜18重量%;ゲルマニ
ウム1〜4重量%;インジウム、鉄及びコバルト
よりなる群から選ばれた少くとも1種を合計
0.001〜5重量%及び残部がパラジウムからなる
歯科用パラジウム合金。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3949788A JPH01215938A (ja) | 1988-02-24 | 1988-02-24 | 歯科用パラジウム合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3949788A JPH01215938A (ja) | 1988-02-24 | 1988-02-24 | 歯科用パラジウム合金 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
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| JPH01215938A JPH01215938A (ja) | 1989-08-29 |
| JPH0575810B2 true JPH0575810B2 (ja) | 1993-10-21 |
Family
ID=12554685
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3949788A Granted JPH01215938A (ja) | 1988-02-24 | 1988-02-24 | 歯科用パラジウム合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH01215938A (ja) |
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Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1988
- 1988-02-24 JP JP3949788A patent/JPH01215938A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01215938A (ja) | 1989-08-29 |
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