JPH0579657B2 - - Google Patents
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- JPH0579657B2 JPH0579657B2 JP10037385A JP10037385A JPH0579657B2 JP H0579657 B2 JPH0579657 B2 JP H0579657B2 JP 10037385 A JP10037385 A JP 10037385A JP 10037385 A JP10037385 A JP 10037385A JP H0579657 B2 JPH0579657 B2 JP H0579657B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01B—NON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
- C01B21/00—Nitrogen; Compounds thereof
- C01B21/20—Nitrogen oxides; Oxyacids of nitrogen; Salts thereof
- C01B21/24—Nitric oxide (NO)
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、硝酸を使用してシクロアルカノール
および/またはシクロアルカノンを酸化してジカ
ルボン酸を製造するに際し、副生するN2Oを含
む排ガスを処理して、このまゝでは利用価値のな
い、該排ガス中のN2Oを効率的に有価な硝酸に
転換し、再利用することによつて、製造コストが
低減できる有利なジカルボン酸製造法に関する。 (従来の技術) 硝酸を使用してシクロアルカノールおよび/ま
たはシクロアルカノンを酸化してジカルボン酸を
製造するに際し、副生するガスは、一般に、N2
O,NO,NO2,O2,CO2,H2O,HNO3,N2
からなる。このうち、NOおよびNO2は空気酸化
の後、水による吸収反応によつて、硝酸として回
収するが、N2Oはこのままでは回収できないた
め、接触分解によつて、N2とO2に分解した後、
その他の排ガスとともに大気に放棄している。 ジカルボン酸の製造時に発生する排ガスとは直
接関係ないが、N2Oを含む排ガスの接触分解に
よる処理方法に関しては、公知技術は多数あり、
最近では米国特許4259303(′81)等がある。これ
によると、廃麻酔ガス中のN2Oの処理に際し、
NiO,Fe2O3等を触媒に利用し、反応温度350〜
550℃、滞留時間4〜9秒で接触分解反応を行な
わせると、N2Oはほゞ100%N2とO2に分解でき
る。 しかしながら、これらの接触分解技術では、
N2Oを含む排ガスをN2とO2に無害化処理するに
とゞまり、N2Oの有効利用には値しない。 一方、N2Oは無触媒で熱分解反応を行なわせ
ると、 (1) N2O→N2+1/2O2 (2) N2O→NO+1/2N2 の並発反応になることはよく知られており、NO
から硝酸を回収することが検討された。エフ・ジ
エイ・リンダース(F.J.LINDARS)らプロシー
デイング・オブ・ザ・ロイヤル・ソサイアテイ
(ロンドン)〔Proc.Roy.Soc.(London)〕A231,
162,(′55)によると、反応温度720℃、滞留時間
1830秒で、N2O→NO+1/2N2の分解反応が約5 %進むと報告している。 (発明が解決しようとする問題点) 従来技術記載の方法で、N2Oを含む排ガスを
接触分解によつて処理することは、N2Oを価値
のないN2,O2に分解することになり、N2Oの有
効利用という目的を満足しない。 一方、N2OをNOに転換し、これから硝酸を得
ることが可能な無触媒、熱分解反応に関する過去
の技術は、NO収率が低く、経済的にも問題が多
い。 また、本発明者らによれば、従来技術は、シク
ロアルカノールおよび/またはシクロアルカノン
の硝酸酸化によつてジカルボン酸を製造する際に
副生するN2Oを含む酸化排ガス(以下、単に
「該酸化排ガス」と云う)のような場合には、多
量の共存ガス(NO,NO2,CO2,HNO3,O2,
N2)を含むため適用できない。 本発明の目的は、かかる問題点を解決し、該排
ガス中のN2Oの高収率でNOに転換し、得られた
NOをさらに硝酸として、経済的に有利に回収
し、ジカルボン酸製造の原料に再利用する方法を
提供するにある。 (問題点を解決するための手段および作用) 上記目的を達成する本発明は、シクロアルカノ
ールおよび/またはシクロアルカノンを硝酸酸化
してジカルボン酸を製造するに際し、副生する
N2O,NO,NO2を含む排ガス中のNOおよび
NO2を合わせて10%以下にした後、該排ガスを
実質的に押出し流れ状態で無触媒熱分解すること
によつて、該排ガス中のN2OをNOに転換し、さ
らにNOを水に吸収させて硝酸に転換し、該回収
硝酸を再びジカルボン酸製造の原料に供すること
を特徴とする。 すなわち、N2Oの熱分解反応は (1) N2O→N2+1/2O2+19.5 Kca/mo・N2 O (2) N2O→NO+1/2N2−1.96 Kca/mo・ N2O の並発反応であるが、触媒を使用して接触分解を
行うと、ほとんど(1)の反応だけが起こるため、(2)
は得られない。一方、無触媒の高温領域では、相
対的に(1)(2)の反応速度が近づいてくるため、NO
の生成が認められてくる。 本発明は、該酸化排ガスの処理にあたり、無触
媒で加熱分解し、N2OをNOに転換し、さらに、
これを有価な硝酸として回収することを特徴とす
る。 本発明者らは、該酸化排ガス中のN2Oの熱分
解反応によるNOへの転化率について、回分式の
槽型反応器を用いて共存ガスの影響を克明に検討
し、共存ガスのうち従来知られていたNOの他
に、NO2の存在は、第1図に示すように、NO転
化率を大きく妨害することを見い出した。 NOおよびNO2は、該酸化排ガス中に多量含ま
れる他、N2Oの熱分解によりNOが生成し、これ
はやはりN2Oの分解で得られたO2と反応し、一
部NO2になるため、熱分解生成ガス中にもNOお
よびNO2が含まれる。そのためN2Oの反応ゾー
ンにおけるNOおよびNO2の存在量は、第2図に
示すように、反応器の型式により大きな影響を受
ける。すなわち、完全混合流れでは、N2Oを含
む該酸化排ガス中に同伴するNO,NO2およびN2
Oの分解で生成したNO,NO2が均一に混合する
ため、妨害作用は最も大きい。 一方、押出し流れでは、流れの進行方向に混合
作用がないため、N2Oの熱分解で生成したNO,
NO2の妨害は排除できる。しかし、該酸化排ガ
ス中にはじめから同伴するNO,NO2の妨害作用
は、完全混合流れに比べると小さいが、同伴量が
あまり多いと好ましいことではなく、該酸化排ガ
ス中に含まれるNOおよびNO2を合わせて10%以
下に、予め除去することが好ましい。 該酸化排ガス中に含まれるNOおよびNO2の除
去は、空気酸化の後、低温で水による吸収反応を
行なえば、N2Oはそのままで、NO,NO2は容易
に硝酸として除去できるが、N2Oの加熱分解で
得られるNOおよびNO2は高温のため、このまま
では容易に除去できない。そのため、反応炉が完
全混合型の時は、生成NOおよびNO2がN2Oと混
合するため、直接影響を受け、高いNO収率は得
られない。 これらのことから、反応炉は押出し流れにする
ことが不可欠である。すなわち、本発明は、該酸
化排ガス中に含まれるNOおよびNO2を合わせて
10%以下に除去した後、排ガス中のN2Oを流れ
の進行方向に混合作用のない、実質的に押出し流
れで熱分解することによつて、共存ガスの影響を
排除し、高いNO収率を得ることを特徴とする。 本発明において使用する押出し流れ反応器の一
つのモデルを第3図に示した。 第3図は、生成ガスと熱交換の可能な管式反応
器である。該酸化排ガスは導管1を経て反応管2
に導かれ、はじめ分解生成ガスで予熱され次第に
昇温すると約900℃で反応が始まり、分解熱を発
生する。分解熱でさらに昇温され、N2Oが反応
管2出口に達するまでに反応は完結する。高温の
分解生成ガスは、連絡管3を経て反応炉4に戻さ
れ、該酸化排ガスと熱交換した後、反応炉出口5
に達する。なお、最初の昇温は、別に設けた熱風
発生機で行い、反応炉4は蓄熱できる構造になつ
ている。 管式反応器は理想的な押出し流れが実現できる
他、ガス線速を大きくとれるため、伝熱係数が大
きく、反応温度の調節にも有効である。しかしな
がら、本発明によれば、反応器の型式は実質的に
押出し流れならばどんな型式でもよく、管式反応
器に限定するものではない。 N2Oを含む排ガスの熱分解において、N2Oの
NOへの転化率を左右するその他の重要な因子
は、反応温度と滞留時間である。押出し流れの反
応炉においては、反応温度の上昇とともにNOへ
の転化率が上昇するが、約1200℃以上になると、
第4図に示すように、ほとんど変わらなくなる。
N2O初濃度は高いほどN2Oの分解速度は速くな
るが、NOへの転化率は僅かに上昇する程度であ
る。 滞留時間はN2Oの分解率を維持するため、N2
O分圧、反応温度と関連して、必要な滞留時間は
とらねばならないが、あまり長くなると、第5図
に示すように、NO収率は悪化する。この原因
は、滞留時間が長くなると、発生したNOがさら
にNO→1/2N2+1/2O2に反応が進行するためと 考えられる。 これらのことから、N2OのNOへの転化率を最
大ならしめる熱分解条件として可能な範囲は、該
酸化排ガスに同伴されるNOおよびNO2を合わせ
て10%以下に処理した後、実質的に押出し流れで
反応温度1000〜1300℃、滞留時間0.01〜100秒を
選べばよく、さらに好ましくは、NOおよびNO2
を合わせて5%以下に処理した後、実質的に押出
し流れで、反応温度1100〜1200℃、滞留時間0.01
〜10秒を選ぶのがよく、この条件では経済的で、
設備費的にも極めて有利になる。 本発明は、該酸化排ガス中のN2Oを加熱分解
するに際し、自己分解熱で反応温度を維持しなが
ら、N2OをNOに転換し、さらに、それを連続的
に硝酸として回収し、ジカルボン酸の原料として
再利用する経済的に有利なシステムを提供する。 例えば、シクロヘキサノールおよび/またはシ
クロヘキサノンを硝酸酸化してアジピン酸を製造
するプロセスにおいて発生する排ガスは、一般に
N2O40〜60%,NO5〜10%,NO210〜20%,CO2
5〜10%,H2O20〜30%,HNO31〜5%,N2
1〜5%から成る。該排ガス中のN2Oを熱分解
し、得られたNOを硝酸として回収し、再び酸化
反応に供与するプロセスについて、基本的流れを
示すブロツク系統図(第6図)に基いて、以下に
詳しく説明する。 アジピン酸の主要な製造工程は、反応工程8、
晶析分離工程9、洗浄工程10、乾燥工程11、
製品化工程12からなる反応器8において、シク
ロヘキサノールおよび/またはシクロヘキサノン
6と硝酸7と反応させると、アジピン酸の生成と
ともに、N2O,NO,NO2,CO2等の副生ガスが
多量発生する。副生ガス14は所定量の空気15
とともに、排ガス処理工程に導かれる。 該酸化排ガスは、まず、水封式ポンプ16で1
〜2Kg/cm2・Gに加圧し、酸化塔17で含有する
NOをNO2に酸化した後、吸収塔18に導き、
NO,NO2を硝酸に転換する。NO,NO2を除去
した該排ガスは、予め熱風発生機で昇温されたピ
ストン流反応器19に導き、N2Oの熱分解反応
を行う。該反応器において、N2Oを含む排ガス
は、N2Oが分解してできた高温の生成ガスと熱
交換できる構造になつており、排ガス中のN2O
は、この熱分解生成ガスによつて、はじめ予熱さ
れ、約900℃に昇温した点で分解反応が始まる。
分解熱によつてさらに温度が上昇し、反応管出口
で丁度分解反応が完結する。反応温度は、高温の
分解生成ガスの熱交換量をバイパスラインを使用
して調節することにより、一定に保たれる。 N2Oを含む排ガスの予熱に使用した後の分解
生成ガスは、なお温度が高いため、ボイラー2
0,21に導き、分解生成ガスの保有熱で水を蒸
気に変換する。発生した蒸気23は、アジピン酸
製造プロセスに利用する。また、ボイラーには発
生した蒸気に見合う補給水22を供給する。その
後、熱分解生成ガスは、熱交換機24に導き冷却
水25でほぼ常温まで冷却し、吸収塔27に導き
熱分解生成ガス中のNO,NO2を吸収水26と反
応させることによつて、硝酸に転換する。 NO,NO2を硝酸として回収した残りの排ガス
は、主として、N2,O2,CO2,H2Oからなり、
大気に放棄される。一方、N2Oの熱分解で得ら
れたNO,NO2は、硝酸として回収し、さらに吸
収塔18の吸収液に利用した後、新硝酸13と混
合し、シクロヘキサノールおよび/またはシクロ
ヘキサノンの酸化反応に再び利用する。 (実施例) 以下、本発明を実施例により説明する。 実施例 1 シクロヘキサノールとシクロヘキサノンの混合
物(60/40w/w)を硝酸酸化してアジピン酸を
製造するプロセスにおいて発生する酸化排ガス
を、第6図に示したプロセスフローにしたがつ
て、まず、吸収塔に導き、共存するNO,NO2を
除去する。 NO,NO2を除去した後のガス組成を表1に示
す。
および/またはシクロアルカノンを酸化してジカ
ルボン酸を製造するに際し、副生するN2Oを含
む排ガスを処理して、このまゝでは利用価値のな
い、該排ガス中のN2Oを効率的に有価な硝酸に
転換し、再利用することによつて、製造コストが
低減できる有利なジカルボン酸製造法に関する。 (従来の技術) 硝酸を使用してシクロアルカノールおよび/ま
たはシクロアルカノンを酸化してジカルボン酸を
製造するに際し、副生するガスは、一般に、N2
O,NO,NO2,O2,CO2,H2O,HNO3,N2
からなる。このうち、NOおよびNO2は空気酸化
の後、水による吸収反応によつて、硝酸として回
収するが、N2Oはこのままでは回収できないた
め、接触分解によつて、N2とO2に分解した後、
その他の排ガスとともに大気に放棄している。 ジカルボン酸の製造時に発生する排ガスとは直
接関係ないが、N2Oを含む排ガスの接触分解に
よる処理方法に関しては、公知技術は多数あり、
最近では米国特許4259303(′81)等がある。これ
によると、廃麻酔ガス中のN2Oの処理に際し、
NiO,Fe2O3等を触媒に利用し、反応温度350〜
550℃、滞留時間4〜9秒で接触分解反応を行な
わせると、N2Oはほゞ100%N2とO2に分解でき
る。 しかしながら、これらの接触分解技術では、
N2Oを含む排ガスをN2とO2に無害化処理するに
とゞまり、N2Oの有効利用には値しない。 一方、N2Oは無触媒で熱分解反応を行なわせ
ると、 (1) N2O→N2+1/2O2 (2) N2O→NO+1/2N2 の並発反応になることはよく知られており、NO
から硝酸を回収することが検討された。エフ・ジ
エイ・リンダース(F.J.LINDARS)らプロシー
デイング・オブ・ザ・ロイヤル・ソサイアテイ
(ロンドン)〔Proc.Roy.Soc.(London)〕A231,
162,(′55)によると、反応温度720℃、滞留時間
1830秒で、N2O→NO+1/2N2の分解反応が約5 %進むと報告している。 (発明が解決しようとする問題点) 従来技術記載の方法で、N2Oを含む排ガスを
接触分解によつて処理することは、N2Oを価値
のないN2,O2に分解することになり、N2Oの有
効利用という目的を満足しない。 一方、N2OをNOに転換し、これから硝酸を得
ることが可能な無触媒、熱分解反応に関する過去
の技術は、NO収率が低く、経済的にも問題が多
い。 また、本発明者らによれば、従来技術は、シク
ロアルカノールおよび/またはシクロアルカノン
の硝酸酸化によつてジカルボン酸を製造する際に
副生するN2Oを含む酸化排ガス(以下、単に
「該酸化排ガス」と云う)のような場合には、多
量の共存ガス(NO,NO2,CO2,HNO3,O2,
N2)を含むため適用できない。 本発明の目的は、かかる問題点を解決し、該排
ガス中のN2Oの高収率でNOに転換し、得られた
NOをさらに硝酸として、経済的に有利に回収
し、ジカルボン酸製造の原料に再利用する方法を
提供するにある。 (問題点を解決するための手段および作用) 上記目的を達成する本発明は、シクロアルカノ
ールおよび/またはシクロアルカノンを硝酸酸化
してジカルボン酸を製造するに際し、副生する
N2O,NO,NO2を含む排ガス中のNOおよび
NO2を合わせて10%以下にした後、該排ガスを
実質的に押出し流れ状態で無触媒熱分解すること
によつて、該排ガス中のN2OをNOに転換し、さ
らにNOを水に吸収させて硝酸に転換し、該回収
硝酸を再びジカルボン酸製造の原料に供すること
を特徴とする。 すなわち、N2Oの熱分解反応は (1) N2O→N2+1/2O2+19.5 Kca/mo・N2 O (2) N2O→NO+1/2N2−1.96 Kca/mo・ N2O の並発反応であるが、触媒を使用して接触分解を
行うと、ほとんど(1)の反応だけが起こるため、(2)
は得られない。一方、無触媒の高温領域では、相
対的に(1)(2)の反応速度が近づいてくるため、NO
の生成が認められてくる。 本発明は、該酸化排ガスの処理にあたり、無触
媒で加熱分解し、N2OをNOに転換し、さらに、
これを有価な硝酸として回収することを特徴とす
る。 本発明者らは、該酸化排ガス中のN2Oの熱分
解反応によるNOへの転化率について、回分式の
槽型反応器を用いて共存ガスの影響を克明に検討
し、共存ガスのうち従来知られていたNOの他
に、NO2の存在は、第1図に示すように、NO転
化率を大きく妨害することを見い出した。 NOおよびNO2は、該酸化排ガス中に多量含ま
れる他、N2Oの熱分解によりNOが生成し、これ
はやはりN2Oの分解で得られたO2と反応し、一
部NO2になるため、熱分解生成ガス中にもNOお
よびNO2が含まれる。そのためN2Oの反応ゾー
ンにおけるNOおよびNO2の存在量は、第2図に
示すように、反応器の型式により大きな影響を受
ける。すなわち、完全混合流れでは、N2Oを含
む該酸化排ガス中に同伴するNO,NO2およびN2
Oの分解で生成したNO,NO2が均一に混合する
ため、妨害作用は最も大きい。 一方、押出し流れでは、流れの進行方向に混合
作用がないため、N2Oの熱分解で生成したNO,
NO2の妨害は排除できる。しかし、該酸化排ガ
ス中にはじめから同伴するNO,NO2の妨害作用
は、完全混合流れに比べると小さいが、同伴量が
あまり多いと好ましいことではなく、該酸化排ガ
ス中に含まれるNOおよびNO2を合わせて10%以
下に、予め除去することが好ましい。 該酸化排ガス中に含まれるNOおよびNO2の除
去は、空気酸化の後、低温で水による吸収反応を
行なえば、N2Oはそのままで、NO,NO2は容易
に硝酸として除去できるが、N2Oの加熱分解で
得られるNOおよびNO2は高温のため、このまま
では容易に除去できない。そのため、反応炉が完
全混合型の時は、生成NOおよびNO2がN2Oと混
合するため、直接影響を受け、高いNO収率は得
られない。 これらのことから、反応炉は押出し流れにする
ことが不可欠である。すなわち、本発明は、該酸
化排ガス中に含まれるNOおよびNO2を合わせて
10%以下に除去した後、排ガス中のN2Oを流れ
の進行方向に混合作用のない、実質的に押出し流
れで熱分解することによつて、共存ガスの影響を
排除し、高いNO収率を得ることを特徴とする。 本発明において使用する押出し流れ反応器の一
つのモデルを第3図に示した。 第3図は、生成ガスと熱交換の可能な管式反応
器である。該酸化排ガスは導管1を経て反応管2
に導かれ、はじめ分解生成ガスで予熱され次第に
昇温すると約900℃で反応が始まり、分解熱を発
生する。分解熱でさらに昇温され、N2Oが反応
管2出口に達するまでに反応は完結する。高温の
分解生成ガスは、連絡管3を経て反応炉4に戻さ
れ、該酸化排ガスと熱交換した後、反応炉出口5
に達する。なお、最初の昇温は、別に設けた熱風
発生機で行い、反応炉4は蓄熱できる構造になつ
ている。 管式反応器は理想的な押出し流れが実現できる
他、ガス線速を大きくとれるため、伝熱係数が大
きく、反応温度の調節にも有効である。しかしな
がら、本発明によれば、反応器の型式は実質的に
押出し流れならばどんな型式でもよく、管式反応
器に限定するものではない。 N2Oを含む排ガスの熱分解において、N2Oの
NOへの転化率を左右するその他の重要な因子
は、反応温度と滞留時間である。押出し流れの反
応炉においては、反応温度の上昇とともにNOへ
の転化率が上昇するが、約1200℃以上になると、
第4図に示すように、ほとんど変わらなくなる。
N2O初濃度は高いほどN2Oの分解速度は速くな
るが、NOへの転化率は僅かに上昇する程度であ
る。 滞留時間はN2Oの分解率を維持するため、N2
O分圧、反応温度と関連して、必要な滞留時間は
とらねばならないが、あまり長くなると、第5図
に示すように、NO収率は悪化する。この原因
は、滞留時間が長くなると、発生したNOがさら
にNO→1/2N2+1/2O2に反応が進行するためと 考えられる。 これらのことから、N2OのNOへの転化率を最
大ならしめる熱分解条件として可能な範囲は、該
酸化排ガスに同伴されるNOおよびNO2を合わせ
て10%以下に処理した後、実質的に押出し流れで
反応温度1000〜1300℃、滞留時間0.01〜100秒を
選べばよく、さらに好ましくは、NOおよびNO2
を合わせて5%以下に処理した後、実質的に押出
し流れで、反応温度1100〜1200℃、滞留時間0.01
〜10秒を選ぶのがよく、この条件では経済的で、
設備費的にも極めて有利になる。 本発明は、該酸化排ガス中のN2Oを加熱分解
するに際し、自己分解熱で反応温度を維持しなが
ら、N2OをNOに転換し、さらに、それを連続的
に硝酸として回収し、ジカルボン酸の原料として
再利用する経済的に有利なシステムを提供する。 例えば、シクロヘキサノールおよび/またはシ
クロヘキサノンを硝酸酸化してアジピン酸を製造
するプロセスにおいて発生する排ガスは、一般に
N2O40〜60%,NO5〜10%,NO210〜20%,CO2
5〜10%,H2O20〜30%,HNO31〜5%,N2
1〜5%から成る。該排ガス中のN2Oを熱分解
し、得られたNOを硝酸として回収し、再び酸化
反応に供与するプロセスについて、基本的流れを
示すブロツク系統図(第6図)に基いて、以下に
詳しく説明する。 アジピン酸の主要な製造工程は、反応工程8、
晶析分離工程9、洗浄工程10、乾燥工程11、
製品化工程12からなる反応器8において、シク
ロヘキサノールおよび/またはシクロヘキサノン
6と硝酸7と反応させると、アジピン酸の生成と
ともに、N2O,NO,NO2,CO2等の副生ガスが
多量発生する。副生ガス14は所定量の空気15
とともに、排ガス処理工程に導かれる。 該酸化排ガスは、まず、水封式ポンプ16で1
〜2Kg/cm2・Gに加圧し、酸化塔17で含有する
NOをNO2に酸化した後、吸収塔18に導き、
NO,NO2を硝酸に転換する。NO,NO2を除去
した該排ガスは、予め熱風発生機で昇温されたピ
ストン流反応器19に導き、N2Oの熱分解反応
を行う。該反応器において、N2Oを含む排ガス
は、N2Oが分解してできた高温の生成ガスと熱
交換できる構造になつており、排ガス中のN2O
は、この熱分解生成ガスによつて、はじめ予熱さ
れ、約900℃に昇温した点で分解反応が始まる。
分解熱によつてさらに温度が上昇し、反応管出口
で丁度分解反応が完結する。反応温度は、高温の
分解生成ガスの熱交換量をバイパスラインを使用
して調節することにより、一定に保たれる。 N2Oを含む排ガスの予熱に使用した後の分解
生成ガスは、なお温度が高いため、ボイラー2
0,21に導き、分解生成ガスの保有熱で水を蒸
気に変換する。発生した蒸気23は、アジピン酸
製造プロセスに利用する。また、ボイラーには発
生した蒸気に見合う補給水22を供給する。その
後、熱分解生成ガスは、熱交換機24に導き冷却
水25でほぼ常温まで冷却し、吸収塔27に導き
熱分解生成ガス中のNO,NO2を吸収水26と反
応させることによつて、硝酸に転換する。 NO,NO2を硝酸として回収した残りの排ガス
は、主として、N2,O2,CO2,H2Oからなり、
大気に放棄される。一方、N2Oの熱分解で得ら
れたNO,NO2は、硝酸として回収し、さらに吸
収塔18の吸収液に利用した後、新硝酸13と混
合し、シクロヘキサノールおよび/またはシクロ
ヘキサノンの酸化反応に再び利用する。 (実施例) 以下、本発明を実施例により説明する。 実施例 1 シクロヘキサノールとシクロヘキサノンの混合
物(60/40w/w)を硝酸酸化してアジピン酸を
製造するプロセスにおいて発生する酸化排ガス
を、第6図に示したプロセスフローにしたがつ
て、まず、吸収塔に導き、共存するNO,NO2を
除去する。 NO,NO2を除去した後のガス組成を表1に示
す。
【表】
該処理ガスを下記の条件で熱分解を行つたとこ
ろ、表2の結果を得た。なお、ガス組成は乾きガ
ス組成を示す。 〈分解条件〉 温度1054℃、圧力0.5Kg/cm2G 実ガス線速44.7cm/sec 滞留時間1.2sec ガス流量2.87Nm3/Hr
ろ、表2の結果を得た。なお、ガス組成は乾きガ
ス組成を示す。 〈分解条件〉 温度1054℃、圧力0.5Kg/cm2G 実ガス線速44.7cm/sec 滞留時間1.2sec ガス流量2.87Nm3/Hr
【表】
これよりN2OのNOへの転化率は25.4%とな
り、残りはN2,O2に分解し、未反応N2Oは認め
られなかつた。 なお、分解後ガス組成で、NOよりNO2が多い
のは、生成したNOは直ちに酸化され、一部NO2
になるためである。 N2Oの熱分解により得られたNO,NO2は、吸
収塔で硝酸として回収される。回収された硝酸は
1044g/hrであつた。 実施例 2 実施例1と同様に酸化排ガスに含まれるNO,
NO2を処理した後、下記の条件で熱分解を行つ
たところ、表3の結果を得た。 〈分解条件〉 温度1210℃、圧力0.2Kg/cm2・G 実ガス線速10.4cm/sec 滞留時間37.8sec ガス流量2.03Nm3/Hr
り、残りはN2,O2に分解し、未反応N2Oは認め
られなかつた。 なお、分解後ガス組成で、NOよりNO2が多い
のは、生成したNOは直ちに酸化され、一部NO2
になるためである。 N2Oの熱分解により得られたNO,NO2は、吸
収塔で硝酸として回収される。回収された硝酸は
1044g/hrであつた。 実施例 2 実施例1と同様に酸化排ガスに含まれるNO,
NO2を処理した後、下記の条件で熱分解を行つ
たところ、表3の結果を得た。 〈分解条件〉 温度1210℃、圧力0.2Kg/cm2・G 実ガス線速10.4cm/sec 滞留時間37.8sec ガス流量2.03Nm3/Hr
【表】
これよりN2OのNOへの転化率は20.5%にな
る。また、生成NOから得られた回収硝酸は539
g/Hrであつた。 実施例 3 実施例1と同様に酸化排ガスに含まれるNO,
NO2を処理した後、下記の条件で熱分解を行つ
たところ、表4の結果を得た。 〈分解条件〉 温度985℃、圧力1.2Kg/cm2・G 実ガス線速82.8cm/sec 滞留時間0.15sec ガス流量3.67Nm3/Hr
る。また、生成NOから得られた回収硝酸は539
g/Hrであつた。 実施例 3 実施例1と同様に酸化排ガスに含まれるNO,
NO2を処理した後、下記の条件で熱分解を行つ
たところ、表4の結果を得た。 〈分解条件〉 温度985℃、圧力1.2Kg/cm2・G 実ガス線速82.8cm/sec 滞留時間0.15sec ガス流量3.67Nm3/Hr
【表】
【表】
これよりN2OのNOへの転化率は23.4%にな
る。また、生成NOから得られた回収硝酸は1217
g/Hrであつた。 (発明の効果) 従来、シクロアルカノールおよび/またはシク
ロアルカノンを硝酸酸化してジカルボン酸を製造
するに際し、大量に副生するN2Oは、このまま
では回収できないため、そのまま、あるいは接触
分解により、N2,O2に転換し、廃棄していた。 本発明によれば、該酸化排ガス中のN2Oを詳
細に説明した熱分解条件で高収率でNOに転換
し、これを空気酸化した後、水による吸収反応に
よつて硝酸に回収し、該回収硝酸を再びジカルボ
ン酸の原料として再利用することによつて、ジカ
ルボン酸の製造コストを大きく改善できる。ま
た、高濃度のN2Oは麻酔作用があるため、直接
廃棄することは好ましいことではないが、本発明
によれば、N2Oは完全に分解でき、NO,N2,
O2に転換するため、NOを硝酸として回収できる
と同時に、無害化も達成できる。さらに分解に伴
つて発生する高い分解熱を利用すれば、これを蒸
気エネルギーに変換することも可能である。
る。また、生成NOから得られた回収硝酸は1217
g/Hrであつた。 (発明の効果) 従来、シクロアルカノールおよび/またはシク
ロアルカノンを硝酸酸化してジカルボン酸を製造
するに際し、大量に副生するN2Oは、このまま
では回収できないため、そのまま、あるいは接触
分解により、N2,O2に転換し、廃棄していた。 本発明によれば、該酸化排ガス中のN2Oを詳
細に説明した熱分解条件で高収率でNOに転換
し、これを空気酸化した後、水による吸収反応に
よつて硝酸に回収し、該回収硝酸を再びジカルボ
ン酸の原料として再利用することによつて、ジカ
ルボン酸の製造コストを大きく改善できる。ま
た、高濃度のN2Oは麻酔作用があるため、直接
廃棄することは好ましいことではないが、本発明
によれば、N2Oは完全に分解でき、NO,N2,
O2に転換するため、NOを硝酸として回収できる
と同時に、無害化も達成できる。さらに分解に伴
つて発生する高い分解熱を利用すれば、これを蒸
気エネルギーに変換することも可能である。
第1図は該酸化排ガス中のN2Oの熱分解反応
によるNOへの転化率に及ぼすNOおよびNO2の
影響を示すグラフ、第2図は同じくNOおよび
NO2の存在量と反応炉型式による影響を示すグ
ラフ、第3図は本発明において使用する管式反応
器の説明図、第4図はNOへの転化率に及ぼす温
度の影響を示すグラフ、第5図はNOへの転化率
に及ぼす滞留時間の影響を示すグラフ、第6図は
本発明の基本的流れを示すブロツク系統図であ
る。
によるNOへの転化率に及ぼすNOおよびNO2の
影響を示すグラフ、第2図は同じくNOおよび
NO2の存在量と反応炉型式による影響を示すグ
ラフ、第3図は本発明において使用する管式反応
器の説明図、第4図はNOへの転化率に及ぼす温
度の影響を示すグラフ、第5図はNOへの転化率
に及ぼす滞留時間の影響を示すグラフ、第6図は
本発明の基本的流れを示すブロツク系統図であ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 シクロアルカノールおよび/またはシクロア
ルカノンを硝酸酸化してジカルボン酸を製造する
に際し、副生する亜酸化窒素(N2O)、酸化窒素
(NO)、二酸化窒素(NO2)を含む排ガス中の酸
化窒素および二酸化窒素を合わせて10%以下にし
た後、該排ガスを実質的に押出し流れ状態で無触
媒熱分解することによつて、該排ガス中の亜酸化
窒素を酸化窒素に転換し、さらに酸化窒素を水に
吸収させて硝酸に転換し、該回収硝酸を再びジカ
ルボン酸製造の原料に供することを特徴とするジ
カルボン酸の製造法。 2 該酸化排ガス中に含まれる酸化窒素(NO)
および二酸化窒素(NO2)は合わせて5%以下
に処理し、亜酸化窒素(N2O)の熱分解条件は
実質的に押出し流れ状態で、かつ反応温度1000〜
1300℃、滞留時間0.01〜100秒である特許請求の
範囲第1項記載のジカルボン酸の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10037385A JPS61257940A (ja) | 1985-05-13 | 1985-05-13 | ジカルボン酸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10037385A JPS61257940A (ja) | 1985-05-13 | 1985-05-13 | ジカルボン酸の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61257940A JPS61257940A (ja) | 1986-11-15 |
| JPH0579657B2 true JPH0579657B2 (ja) | 1993-11-04 |
Family
ID=14272230
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10037385A Granted JPS61257940A (ja) | 1985-05-13 | 1985-05-13 | ジカルボン酸の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61257940A (ja) |
Families Citing this family (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE4128629A1 (de) * | 1991-08-29 | 1993-03-04 | Basf Ag | Silberhaltiger traegerkatalysator und verfahren zur katalytischen zersetzung von distickstoffmonoxid |
| FR2687138A1 (fr) † | 1992-02-07 | 1993-08-13 | Hoechst France | Procede d'oxydation thermochimique de l'oxyde de diazote. |
| FR2709748B1 (fr) * | 1993-09-10 | 1995-10-27 | Rhone Poulenc Chimie | Procédé de transformation plasmachimique de N2O en NOx et/ou en ses dérivés. |
| US5472680A (en) * | 1994-01-26 | 1995-12-05 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Production of NO from N2 O |
| WO1999025461A1 (fr) * | 1997-11-18 | 1999-05-27 | Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha | Procede et dispositif de prevention contre le rechauffement general de la planete |
| TWI238157B (en) | 2001-01-25 | 2005-08-21 | Asahi Kasei Corp | Process for producing alkanedicarboxylic acid |
| US8920539B2 (en) * | 2010-09-22 | 2014-12-30 | Koninklijke Philips N.V. | Method and arrangement for generating oxygen and nitric oxide |
| CN103649029B (zh) * | 2011-07-12 | 2015-10-14 | 旭化成化学株式会社 | 环己醇、环己醇的制造方法和己二酸的制造方法 |
| CN102826521B (zh) * | 2012-08-30 | 2014-03-12 | 安徽淮化股份有限公司 | 一种二氧化氮含量的控制系统 |
| US10723624B2 (en) * | 2017-12-05 | 2020-07-28 | Ascend Performance Materials Operations Llc | Process for preparation of nitrogen oxides and nitric acid from nitrous oxide |
| CN116764372A (zh) * | 2021-12-27 | 2023-09-19 | 孙碧婷 | 一种高浓度氮氧化物三级尾气净化塔 |
-
1985
- 1985-05-13 JP JP10037385A patent/JPS61257940A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61257940A (ja) | 1986-11-15 |
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|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |