JPH0579698B2 - - Google Patents
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- JPH0579698B2 JPH0579698B2 JP60077942A JP7794285A JPH0579698B2 JP H0579698 B2 JPH0579698 B2 JP H0579698B2 JP 60077942 A JP60077942 A JP 60077942A JP 7794285 A JP7794285 A JP 7794285A JP H0579698 B2 JPH0579698 B2 JP H0579698B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は塩化ビニリデン・アクリロニトリル系
の高分子ラテツクスに関するものであり、特に難
燃性、耐光変色性、耐熱変色性、成膜性に優れた
高分子ラテツクスに関するものである。更に、詳
しくは、特定した二種の樹脂成分からなり、産業
資材の難燃加工用の難燃バインダーや難燃剤、コ
ンパウンド、皮膜、フイルム、シート、難燃塗
料、加工品の材料となる高分子ラテツクスに係る
ものである。 〔従来の技術〕 難燃性の優れたラテツクスとして塩化ビニリデ
ン系樹脂ラテツクスは公知である。該ラテツクス
は、その乾燥皮膜が自己消火性であることからフ
アブリツクや壁紙、フオーム等各種産業資材の難
燃規制をクリアーする為の難燃加工に低燃焼性、
難燃性のバインダーとして用いられてきた。該ラ
テツクスの乾燥皮膜が十分な難燃化性能を発揮す
るためには、樹脂中の塩化ビニリデン単位が60重
量%を超えることが必要であつた。しかしなが
ら、該単位の分解に伴うポリエン構造が原因と推
定される黄褐色に変色する欠点があつた。変色を
防止する為には、該単位の含量を40重量%未満に
する必要があり、それではJIS・K・7201におけ
る酸素指数が23未満となつて自己消火性がなくな
つてしまう。そこで、該単位を50〜80重量%含有
する塩化ビニリデン系樹脂ラテツクスを直射日光
や100℃以上の高温度を避けると云う制約下で何
とか使用していたが、特に耐光変色性の悪さが使
用条件範囲を極端に狭めていた。 塩化ビニリデン系樹脂ラテツクスの成分として
のアクリロニトリル単位自体は何ら新規なもので
はなく、特公昭46−13639号、特開昭56−115323
号公報等その他に多数開示されている。しかし該
公報の発明は、プラスチツクフイルム上に薄膜を
形成させてバリアー性を付与させると云う包装材
用途のラテツクスについて開示するものであり、
本発明とは目的を異にしているのみならず、後述
するようにアクリロニトリル単位の局在状態が特
定されている本発明の構成とは異なつており、著
しい変色のために本発明の利用分野には全く応用
できないものであつた。又、ポリ塩化ビニル等の
農業用・屋外用フイルム中に高アクリロニトリル
含量の粒子を分散させて耐光変色性を改良した
り、該粒子をラテツクス状微粒子として用いたり
する技術思想が特開昭55−19350号、特開昭59−
124963号の公報に見られるが、これらの発明の目
的は、難燃用途の塩化ビニリデン系高分子ラテツ
クスを提供しようとする本発明の目的とは異なる
し応用例もない。又、該ラテツクスは、耐熱変色
性の低下、成膜フイルムの白化、コロイド安定性
の低下、樹脂固形分の低下を引き起こし、該公報
のラテツクス状微粒子の応用はできない。 一方、難燃性を目的とした塩化ビニリデン・ア
クリロニトリル単位を含有する組成物としては、
難燃性アクリル繊維が公知である。該繊維は乳化
重合によつて得られた樹脂を有機若しくは無機溶
剤に溶かして紡糸し製品化されていた。しかしな
がら、塩化ビニリデン単位の含量を増すと耐光変
色性、耐熱変色性が共に著しく劣化するばかりで
なく、溶剤にも難溶となるために、実質的に塩化
ビニリデン単位を40重量%以上含有した繊維は製
品化されていないのが現状であつた。更に、乳化
重合によつて得られたラテツクスは高ガラス転移
点に起因して成膜性が悪く、難燃加工用のラテツ
クスとしては全く実用に耐え得なかつた。 上記のごとく、難燃性の付与を目的とした塩
化ビニリデン系樹脂ラテツクス、バリアー性の
付与を目的とした塩化ビニリデン・アクリロニト
リル系樹脂ラテツクス、難燃性繊維用の塩化ビ
ニリデン・アクリロニトリル系樹脂ラテツクスは
公知である。しかしながら、何れの公知ラテツク
スも難燃性、耐光・耐熱変色性、成膜性のバラン
スがとれず、難点を抱えながら多くの使用上の制
約下に甘んじるか、本発明の利用分野である難燃
加工用のバインダーや塗料等には全く応用できな
いかであつた。 〔発明が解決しようとする課題〕 難燃加工用のバインダーや塗料等の分野におい
ては、耐変色性、特に耐光変色性が重視されるた
めに難燃化性能を犠牲にした高分子ラテツクスを
使用せざるを得ず、高価な難燃剤を多量に添加し
てコスト上昇を招いたり、ラテツクスの皮膜強度
低下、光沢低下と言つた難点を生じさせており、
優れた難燃性、耐光・耐熱変色性、成膜性を有す
る高分子ラテツクスが切望されていた。 〔課題を解決するための手段と作用〕 本発明者らは、高度の難燃性と優れた耐光変色
性、耐熱変色性、成膜性を共に満足する高分子ラ
テツクスを提供すべく鋭意検討を重ねた結果、特
定した二種の樹脂成分からなる塩化ビニリデン・
アクリロニトリル系高分子ラテツクスが抜群の難
燃性を有するのみならず極めて優れた耐光変色
性、耐熱変色性、成膜性を有する事実を見い出し
本発明に至つた。 即ち、本発明は、下記組成の樹脂成分(A)65〜95
重量%と樹脂成分(B)5〜35重量%からなり、合計
の塩化ビニリデン単位含量が50〜85重量%、アク
リロニトリル単位含量が4〜25重量%、ビニル系
単量体単位含量が7〜40重量%であることを特徴
とする塩化ビニリデン系高分子ラテツクスに関す
るものである。 記 (A) 塩化ビニリデン単位含量60〜90重量%、アク
リロニトリル単位含量8重量%以下、ビニル系
単量体単位含量5〜40重量%、 (B) アクリロニトリル単位含量30〜70重量%、塩
化ビニリデン単位含量40重量%以下、ビニル系
単量体単位含量10〜50重量%。 本発明のキーポイントは、塩化ビニリデン構成
単位を主構成成分とする樹脂成分(A)と、アクリロ
ニトリル単位を30〜70重量%含有する樹脂成分(B)
との特定した二種の樹脂成分から構成される点に
ある。即ち、アクリロニトリル単位が局在した分
子構造を有する塩化ビニリデン系高分子ラテツク
スが優れた難燃性、耐光・耐熱変色性、成膜性を
発揮する。前述した公知の技術から塩化ビニリデ
ン、アクリロニトリル、成膜性に効果が期待され
るビニル系単量体の各単位を含有した樹脂ラテツ
クスの応用が推測できるが、従来の技術にて得ら
れる樹脂ラテツクスは塩化ビニリデン、アクリロ
ニトリル各単位の存在状態が本発明の高分子ラテ
ツクスとは全く異なり、難燃性、耐光・耐熱変色
性、成膜性のバランスがとれないし、特に耐光変
色性は著しく劣る。 本発明の高分子ラテツクスが高い難燃性と優れ
た耐光変色性の何れをも満足する理由は明確では
ないが、以下のごとくに推定される。 ポリアクリロニトリルの酸素指数(JIS・K・
7201)18が示す如く、アクリロニトリル単位自体
が高分子ラテツクスの難燃性を向上させる効果は
ないが、該ラテツクス樹脂中の塩化ビニリデン単
位と共存することによつて塩化ビニリデン単位の
難燃性を相乗効果に近い形で向上させるものと推
測される。本発明者らは、塩化ビニリデン単位含
量60重量%以上の樹脂成分(A)にはアクリロニトリ
ル単位含量上限を設定し、塩化ビニリデン単位含
量上限が40重量%に満たない樹脂成分(B)に多量の
アクリロニトリル単位を導入することによつて、
トータルの高分子ラテツクスとして乾燥皮膜の耐
熱変色性を損なうことなしに多くの塩化ビニリデ
ン、アクリロニトリル各単位を導入して高度の難
燃性を獲得し得た。 更に驚くべきことには、塩化ビニリデン単位の
高含量に起因して樹脂成分(A)単独からなるラテツ
クスでは、乾燥皮膜の耐光変色性に難点があるに
も拘わらず、樹脂成分(B)と合わせた本発明の高分
子ラテツクスは優れた耐光変色性を示す。この事
実は、樹脂成分(A)と屈折率が適度に異なる樹脂成
分(B)が高分子ラテツクスの平均粒子径以下の単位
にて分散状態にある事に原因する近紫外〜紫外光
の散乱によるものと推測される。高エネルギーを
有する近紫外〜紫外光が散乱によつて樹脂成分(A)
に到達し難いのではないかと考えられるのであ
る。樹脂成分(B)は後述する2工程重合法によつて
導入しても良いし、(A)、(B)各々の樹脂成分からな
るラテツクス同士をブレンドして本発明の高分子
ラテツクスを得ても良いが、耐光変色性に優れた
アクリル酸エステル系ラテツクスを樹脂成分(B)か
らなるラテツクスに替えてブレンドしても希釈効
果のみで大幅な耐光変色性の向上は見られない
し、むろん高度の難燃性も得られない。 本発明で述べる高分子ラテツクスとは、乳化重
合によつて得られる平均重合度100以上の共重合
樹脂の水分散体であり、35%以上の樹脂固形分に
て実質的に安定に存在し得るものを云う。本発明
で用いる「樹脂ラテツクス」「ラテツクス」は、
「高分子ラテツクス」と同義であるが、本発明の
塩化ビニリデン系高分子ラテツクスのみを「高分
子ラテツクス」と称して区別した。 樹脂成分(A)は、塩化ビニリデン単位含量が60〜
90重量%、アクリロニトリル単位含量が8重量%
以下、ビニル系単量体単位含量が5〜40重量%か
らなる。塩化ビニリデン単位が60重量%に達しな
いと難燃性に不足し、90重量%を超えると塩化ビ
ニリデン単位の極度の局在に起因して耐変色性、
特に耐光変色性を損なうし成膜性を著しく低下さ
せる。アクリロニトリル単位は難燃性を向上させ
る点で好ましいが、8重量%を超えて含有される
と耐変色性特に耐熱変色性を著しく損なう。高い
塩化ビニリデン単位含量の下で多くのアクリロニ
トリル単位を隣接させることは、耐熱・耐光変色
性の点で回避される必要がある。 樹脂成分(B)は、アクリロニトリル単位含量が30
〜70重量%、塩化ビニリデン単位含量が40重量%
以下、ビニル系単量体単位含量が10〜50重量%か
らなる。アクリロニトリル単位が30重量%に達し
ないと優れた耐光変色性を示すことができない。
70重量%を超えても耐光変色性は全く向上しない
し、むしろ耐熱変色性、成膜性を損ねたり、樹脂
成分(A)との屈折率差が大きすぎて皮膜が白化し実
用に供し得なくなる。更に、乳化重合時や製品ラ
テツクスとしての安定性が極度に低下し安定生産
できない。前述した特開昭59−124963号公報にお
いて粒径1μ未満のアクリロニトリル系重合体微
粒子をアクリル酸エステル等を主成分とする水系
塗料中に分散させることにより該水系塗料皮膜の
耐候性を改善させる方法が提案されているが、該
公報のアクリロニトリル系重合体微粒子分散液
は、低固形分や粘度上昇の記述及び関連公報(特
開昭55−106269号公報)をも含めた実施例からア
クリロニトリル単位含量は明らかに70重量%を超
えており、本発明の目的には適合しない。塩化ビ
ニリデン単位は難燃性を向上させる点で好ましい
が、40重量%を超えて含有されると耐変色性、特
に耐光変色性を著しく損なう。 ビニル系単量体単位は塩化ビニリデン及び/又
はアクリロニトリルと共重合可能なビニル系単量
体の単位であり、メチルアクリレート(又はメタ
クリレート)等の(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン
酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の
不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステ
ル、(メタ)アクリルアミド等の不飽和カルボン
酸のアミド誘導体、N−メチロール(メタ)アク
リルアミド等の不飽和カルボン酸のN−アルキロ
ールアミド誘導体、(モノ、ジ、又はトリ)エチ
レングリコール−ジ(メタ)アクリレート等のジ
(メタ)アクリレートやトリ(メタ)アクリレー
トの如き不飽和カルボン酸のエステル、更にメタ
クリロニトリル、スチレン、塩化ビニル、ジビニ
ルベンゼン等が挙げられる。 ビニル系単量体単位には、コストパフオーマン
ス又は工業的利用可能なモノマー成分として特に
高難燃性の要求される場合は、以下の含塩素又は
含窒素モノマー成分が好ましい。例えば塩化ビニ
ルやメタクリロニトリル、アクリル酸アミド、メ
タクリル酸アミド、N−フエニルマレイミド等の
窒素含有量が8重量%以上のビニル系モノマーが
好ましい。又、酸アミド基、ニトリル基と同時に
塩素を含有する1−クロロアクリロニトリルやメ
ラミン環を有するビニルモノマーのアリルシアヌ
レート等も使用できる。又、成膜性、耐黄変性が
要求される場合には、メチル、エチル、ブチル、
2−エチルヘキシルアクリレートが好ましい。 ビニル系単量体単位としてグリシジル(メタ)
アクリレートやアリルグリシジルエーテルの如き
オキシラン酸素を含有する単量体を導入すること
は耐変色性の点で好ましく、又特に樹脂成分(B)に
おいて2−エチルヘキシルアクリレート、ブチル
アクリレート等の樹脂のガラス転移点低下に卓効
があるビニル系単量体を導入することが好まし
い。 本発明の高分子ラテツクスは、樹脂成分(A)60〜
95重量%と樹脂成分(B)5〜35重量%の合計100重
量%から構成される。樹脂成分(A)が60重量%に満
たない(樹脂成分(B)が35重量%を超える)と十分
な難燃性を発揮できない。樹脂成分(A)が95重量%
を超えると(樹脂成分(B)が5重量%に満たない)
と耐変色性、特に耐光変色性に不足する。難燃性
と耐変色性とのバランスから本発明の高分子ラテ
ツクスは樹脂成分(A)70〜90重量%、樹脂成分(B)10
〜30重量%からなることが好ましく、合計として
塩化ビニリデン単位50〜85重量%、アクリロニト
リル単位4〜25重量%、ビニル系単量体単位7〜
40重量%を含有することが更に好ましい。 (A)、(B)二つの樹脂成分から構成されてなること
により塩化ビニリデン、アクリロニトリルの各単
位を適度に局在化させる具体的方法としては、以
下が考えられる。 2工程重合法:樹脂成分(A)の構成単量体混合
物を乳化重合させる第1工程と、該工程で生成
したラテツクスの存在下で樹脂成分(B)の構成単
量体混合物を添加し乳化重合させる第2工程と
から目的の高分子ラテツクスを得る方法。 ラテツクスブンレド法:樹脂成分(A)、樹脂成
分(B)の各々単独から構成される2種のラテツク
スを別々に乳化重合にて作成し、これらをブレ
ンドすることによつて目的の高分子ラテツクス
を得る方法。 2工程重合法では、第1工程の重合が完全に終
了した時点もしくは未反応単量体が残つている時
点の何れの時点で第2工程の重合を開始しても、
最終的に得られた高分子ラテツクスが、本発明で
規定する(A)、(B)二つの樹脂成分から構成されてい
れば良い。得られたラテツクス粒子がコア/シエ
ル構造や異種組成構造のごとくにキヤツプ重合さ
れていても、二つの樹脂成分が別粒子を形成して
いても構わない。又、少量の単量体混合物にて予
め種粒子を形成しておくシード重合処方を用いて
も、特開昭59−166517号公報に示されるごとく少
量のガラス転移点低下に効果のある単量体混合物
を最後にキヤツプ重合して成膜性を向上させても
良い。 以上のごとくにして調製された本発明の高分子
ラテツクスは、電子顕微鏡、溶解度分別後の元素
分析、赤外分光、NMR等にて樹脂成分の局在が
観察される。 難燃性、耐光変色性、耐熱変色性、成膜性を更
に発揮させるために、本発明の高分子ラテツクス
に各種の難燃剤や充填剤、老化防止剤、可塑剤、
増粘剤等を添加することは好ましい。アクリル酸
エステル系、エチレン・塩化ビニル系、スチレ
ン・ブダジエン系等の各種樹脂ラテツクスとブレ
ンドして使用しても構わない。 本発明で述べる難燃性とは、高分子ラテツクス
の皮膜自体が酸素指数23以上で優れた自己消火性
を有し、実質的に他の物に難燃性を付与する難燃
化性能を有していることを云う。本発明の高分子
ラテツクスは、該ラテツクス自身で難燃性のバイ
ンダー、難燃剤、フイルム、シートとして用いた
り、難燃コンパウンドのベースラテツクスとした
り、顔料等を加えて難燃塗料として用いたりして
産業資材分野の加工品として広く応用することが
できる。 〔実施例〕 以下に実施例にて本発明を更に詳細に説明する
が、本発明が実施例のみに限定されないことは云
うまでもない。実施例中の各種調製法、評価法、
測定法は以下に示す方法によつた。 高分子ラテツクス調製法: 方法:3の耐圧反応器を用いた。反応器中
に水95重量部、過硫酸ナトリウム0.2重量部、
アルキルジフエニルエーテルジスルホン酸ナ
トリウム(三洋化成、エレミノールMON−
2)0.1重量部を投入し50℃に昇温した。単
量体混合物は合計量で100重量部使用した。
第1工程で使用する単量体混合物所定重量部
数の10重量%を反応器中に一括添加しシード
重合を実施した。次にアルキルジフエニルエ
ーテルジスルホン酸ナトリウム0.7重量部を
25%水溶液にて添加後、単量体混合物の残り
の90重量%を10時間にて連続定量添加した。
内圧が最高圧から0.6Kg/cm2低下した時点で
第1工程とは組成が異なる第2工程の単量体
混合物の所定重量部を一括添加し重合させ
た。反応熱が殆ど無くなつた時点で亜硫酸水
素ナトリウム0.04重量部を3%水溶液にて添
加し重合を完了させた。重合率は99%を超え
ていた。 方法:3の耐圧反応器を用いた。反応器中
に水95重量部、過硫酸ナトリウム0.15重量
部、アルキルジフエニルエーテルジスルホン
酸ナトリウム0.1重量部を投入し50℃に昇温
した。単量体混合物は合計量で100重量部使
用した。単量体混合物の10重量%を一括添加
しシード重合を実施した。次にアルキルジフ
エニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.7
重量部を25%水溶液にて添加後、単量体混合
物の残りの90重量%を一括添加した。反応熱
が殆ど無くなつた時点で亜硫酸水素ナトリウ
ム0.03重量部を3%水溶液にて添加し重合を
完結させた。重合率は99%を超えていた。 成膜性評価方法: アルミニウム平板上に温度勾配を設けた最低
成膜温度(MFT)測定装置を用いた。20℃、
55%RHの雰囲気中にて高分子ラテツクスをア
ルミニウム平板上に塗布し、静置乾燥後に高分
子ラテツクスの透明連続膜形成領域の低温度側
端末表面温度を測定しMFT(℃)として表示し
た。MFTが低いほど成膜性が良好であると判
定した。 キヤストフイルム調製法: 水平に設置したガラス平板上に高分子ラテツ
クスを流延し、50℃雰囲気中で20時間静置して
350±15μ厚のフイルムを作成した。 難燃性試験方法: 高分子ラテツクスのキヤストフイルムを用
い、JIS・K・7201(JIS・D・1201)に準拠し
て酸素指数(L.O.I.)を測定した。酸素指数が
高いものほど難燃性であると判定した。 又、実施例4においては以下の評価を追加し
た。 混抄紙の難燃性:樹脂固形分100重量部に対し
2重量部のアルキルジフエニルエーテルジス
ルホン酸ナトリウムを添加した高分子ラテツ
クスと木材パルプ(NBKP)、水酸化アルミ
ニウム(昭和軽金属、ハイジライトH−31)
を混合し、硫酸アルミニウム水溶液にて定着
後抄造乾燥して坪量150g/m2、 紙組成:パルプ/水酸化アルミニウム/高分子
ラテツクス樹脂分=29/59/12(重量比)の
混抄紙を得た。該混抄紙から幅15mm長さ200
mmの試験片を作成し、炎長1インチの液化石
油ガスバーナー(JIS・K・7201、口径3mm)
上に接炎0.5秒、離炎0.5秒の要領にて垂直に
保持した試験片が炎上するまで繰り返し接炎
させた。難炎後も自己消火せずに燃焼し続け
るまでの「接炎回数」をもつて表示し、接炎
回数が多いほど混抄紙の難燃性が高く、高分
子ラテツクスの難燃化性能が優れていること
を示す。 コンパウンド塗布フアブリツクの難燃性:樹脂
固形分100重量部に対し3重量部のポリオキ
シエチレンノニルフエルエーテル(花王、エ
マルゲン920)を添加した高分子ラテツクス
と水酸化アルミニウム(昭和軽金属、ハイジ
ライトH−42)とを混合し、アルカリ増粘型
増粘剤(日本アクリル・プライマルASE−
60)にて増粘して、高分子ラテツクス樹脂
分/水酸化アルミニウム=60/40(重量比)
のコンパウンドを得た。該コンパウンドをナ
イロン平織のフアブリツク(目付量300g/
m2)裏面にワーナーマチス「コーテイング装
置LFT/SV型」(ドクターナイフ方式)に
て乾燥重量90g/m2塗布乾燥し、JIS・D・
1201(MVSS−302)に準拠して燃焼速度を
測定した。接炎はフアブリツク表面とし、自
己消火性を示すものの内A標線に達するまで
に消火したものをNBと表記して高分子ラテ
ツクスの難燃化性能が特に優れていると判定
した。 耐光変色性評価方法: 高分子ラテツクスのキヤストフイルムを黒板
紙上に固定し、スガ試験機「紫外線ロングライ
フフエードメーターFAL−3H」を用いてブラ
ツクパネル温度63℃にて100時間紫外線を照射
した。照射後のキヤストフイルムは、黄色度、
白色度にて耐変色性を判定した。 耐熱変色性評価方法: 高分子ラテツクスのキヤストフイルムを三英
製作所「ダルトン・ギヤオーブン」を用い150
℃にて3時間熱処理した。処理後のキヤストフ
イルムは、黒つぽく変色するため白色度にて耐
熱変色性を判定した。 黄色度測定方法: JIS・K・7103に準拠し、スガ試験機「カラ
ーコンピユータSM−4−CH」を用いて、キ
ヤストフイルムの黄色度を反射法にて測定し
た。黄色度の算出式は以下の如くであり、黄色
度の値が小さい程耐変色性が優れていることを
示す。 YI=100(1.28X−1.06Z)/Y YI:黄色度 X、Y、Z:標準光Cにおける試験用試料の3
刺激値 白色度測定方法: スガ試験機「カラーコンピユータSM−4−
CH」を用いて、キヤストフイルムの白色度を
反射法にて測定した。白色度は以下のごとくに
ハンター方式にて算出した。白色度の値が大き
いほど耐変色性が優れていることを示す。 W=100−〔(100−L)2+a2+b2)1/2 W:白色度 L:10Y1/2 a=17.5(1.02X−Y)/Y1/2 b=7.0(Y−0.847Z)/Y1/2 X、Y、Z:標準光Cにおける試験用試料の3
刺激値 電子顕微鏡観察法: 高分子ラテツクスのキヤストフイルムを硫酸
銅/硫酸ヒドロキシルアミン水溶液(約90℃)
中にて浸漬染色し乾燥した。該キヤストフイル
ムをミクロトームにて凍結切削し、検鏡用切片
を作成した。日立「H500」を用い、加速電圧
100KVにて透過法で観察した。該方法ではAN
単位が染色されて濃いコントラストを示す。 各単量体単位含量算出法: 実施例の表中における各単量体含量は以下の
ルールに従つて表示した。 「単量体仕込組成」は重合時に使用した各単
量体の重量部数(合計100重量部)を表記した。 「高分子ラテツクス組成」は、1工程重合ラ
テツクス、2工程重合ラテツクス、ブンレンド
ラテツクスの何れの場合も、評価に使用した最
終形態の高分子ラテツクスに関して各単量体単
位含量測定値が仕込組成からの計算値と同一で
あることを確認した上で計算値を表記した。高
分子ラテツクスの各単量体単位含量の測定は、
塩析乾燥樹脂を用いて以下の方法によつて実施
し、計算値との差が±1%以内であれば同一と
見なした。 塩化ビニリデン単位含量:Scho¨nigerの酸素フ
ラスコ法にて測定した塩素量から求めた。 アクリロニトリル単位含量:ミクロケルダール
法にて測定した窒素量から求めた。 なお実施例の表中の各単量体又は各単量体単
位は以下の略号にて表示した。 VDC:塩化ビニリデン AN:アクリロニトリル MA:メチルアクリレート BA:n−ブチルアクリレート 2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート 実施例 1 第1表に示す単量体仕込組成にて第1工程単量
体80重量部、第2工程単量体20重量部からなる高
分子ラテツクスAを方法(第2工程重合法)に
て得た。比較として高分子ラテツクスAと同組成
のラテツクスCを単一の単量体混合物から方法
にて得た。更に高分子ラテツクスAの第1・第2
各工程の組成からなるラテツクスD、Eを各々方
法にて調製し、乾燥樹脂分の重量比にてラテツ
クスD/ラテツクスE:80/20でブレンドして高
分子ラテツクスBを作成した。これらのラテツク
スに関して難燃性、耐光・耐熱変色性、成膜性を
評価した。ラテツクスA、B、Cのキヤストフイ
ルムに関しては電子顕微鏡写真を撮影した。 実施例 2 第2表に示す各単量体仕込組成にて、第1工程
単量体を85重量部、第2工程単量体を15重量部と
して方法(2工程重合法)を用いて各ラテツク
スF〜K及びU〜Xを調製し、難燃性、耐光・耐
熱変色性、成膜性を評価した。 実施例 3 第3表に示す如く、方法にて各々調製した2
種のラテツクス、の各比率にてブンレドして
ラテツクスL〜Pを作成し、難燃性、耐光・耐熱
変色性、成膜性を評価した。 実施例 4 第4表に示す単量体仕込組成にて第1工程単量
体85重量部、第2工程単量体15重量部からなる高
分子ラテツクスQを方法(2工程重合法)にて
得た。比較として、高分子ラテツクスQと同組成
のラテツクスR、塩化ビニリデン単位含量が同一
のラテツクスS、耐光変色性を同じレベルに合わ
せたラテツクスTを各々単一の単量体混合物から
方法にて得た。これらの調製ラテツクスに関し
て、難燃性、耐光・耐熱変色性、成膜性及び混抄
紙、コンパウンド塗布フアブリツクの難燃性を評
価した。 実施例1の結果を第1表に示す。本発明の高分
子ラテツクスA、Bは高い難燃性、優れた耐光・
耐熱変色性、成膜性の何れをも満足した。2種の
樹脂成分を持たないラテツクスCは耐光変色性テ
ストにて黄褐色に変色し実用に供し得ないと判定
され、冬場の常温での成膜性にも問題があると考
えられた。ラテツクスA、B、Cのキヤストフイ
ルムの電子顕微鏡写真を各々第1図、第2図、第
3図に示す。本発明の高分子ラテツクスA、Bか
ら形成されるフイルムはアクリロニトリル単位が
適度に局在化しているのが判る。ラテツクスCで
はアクリロニトリル単位がフイルム全面に均一分
散しており、重合後半の単量体組成のドリフトに
より、アクリロニトリルを含まない塩化ビニリデ
ン主体の単量体から形成されたと推定される非成
膜性粒子が観察される(全体の20重量%以下)。 実施例2の結果を第2表に示す。本発明の高分
子ラテツクスF、Jが優れた難燃性、耐光・耐熱
変色性、成膜性を示したのに対し、樹脂成分(A)又
は(B)の組成が本発明の範囲内に特定されていない
ラテツクスでは各々耐光変色性、耐熱変色性、成
膜性、難燃性の何れかが著しく低く実用に供し得
ないと判定した。又、ラテツクスHは第2工程の
高アクリロニトリル含量に起因して重合中にゲル
化したため、重合後の樹脂固形分が25%になるよ
うに重合水の量を調整してラテツクスを得た。 実施例3の結果を第3表に示す。本発明の高分
子ラテツクスLが優れた難燃性、耐光・耐熱変色
性、成膜性を示したのに対し、樹脂成分(A)組成又
はブレンド比が本発明の範囲内に特定されていな
いラテツクスでは各々難燃性、耐光・耐熱変色
性、成膜性の何れかが著しく低く実用に供し得な
いと判定した。 実施例4の結果を第4表に示す。本発明の高分
子ラテツクスQは優れた難燃性、耐光・耐熱変色
性、成膜性を示し、その加工品も優れた難燃性を
示した。二つの樹脂成分を持たないラテツクスR
では優れた難燃性は有するものの、耐光・耐熱変
色性に著しく劣り、その加工品は実用に耐えない
と判定された。ラテツクスRからアクリロニトリ
ル成分を除いたラテツクスSでは、耐光変色性が
不十分であるだけでなく難燃性も低下した。耐光
変色性が本発明の高分子ラテツクス並となるよう
に調製したラテツクスTでは、該ラテツクスのキ
ヤストフイルム自身は何とか自己消火性を有して
いたが、本実施例の加工品を難燃化することはで
きなかつた。
の高分子ラテツクスに関するものであり、特に難
燃性、耐光変色性、耐熱変色性、成膜性に優れた
高分子ラテツクスに関するものである。更に、詳
しくは、特定した二種の樹脂成分からなり、産業
資材の難燃加工用の難燃バインダーや難燃剤、コ
ンパウンド、皮膜、フイルム、シート、難燃塗
料、加工品の材料となる高分子ラテツクスに係る
ものである。 〔従来の技術〕 難燃性の優れたラテツクスとして塩化ビニリデ
ン系樹脂ラテツクスは公知である。該ラテツクス
は、その乾燥皮膜が自己消火性であることからフ
アブリツクや壁紙、フオーム等各種産業資材の難
燃規制をクリアーする為の難燃加工に低燃焼性、
難燃性のバインダーとして用いられてきた。該ラ
テツクスの乾燥皮膜が十分な難燃化性能を発揮す
るためには、樹脂中の塩化ビニリデン単位が60重
量%を超えることが必要であつた。しかしなが
ら、該単位の分解に伴うポリエン構造が原因と推
定される黄褐色に変色する欠点があつた。変色を
防止する為には、該単位の含量を40重量%未満に
する必要があり、それではJIS・K・7201におけ
る酸素指数が23未満となつて自己消火性がなくな
つてしまう。そこで、該単位を50〜80重量%含有
する塩化ビニリデン系樹脂ラテツクスを直射日光
や100℃以上の高温度を避けると云う制約下で何
とか使用していたが、特に耐光変色性の悪さが使
用条件範囲を極端に狭めていた。 塩化ビニリデン系樹脂ラテツクスの成分として
のアクリロニトリル単位自体は何ら新規なもので
はなく、特公昭46−13639号、特開昭56−115323
号公報等その他に多数開示されている。しかし該
公報の発明は、プラスチツクフイルム上に薄膜を
形成させてバリアー性を付与させると云う包装材
用途のラテツクスについて開示するものであり、
本発明とは目的を異にしているのみならず、後述
するようにアクリロニトリル単位の局在状態が特
定されている本発明の構成とは異なつており、著
しい変色のために本発明の利用分野には全く応用
できないものであつた。又、ポリ塩化ビニル等の
農業用・屋外用フイルム中に高アクリロニトリル
含量の粒子を分散させて耐光変色性を改良した
り、該粒子をラテツクス状微粒子として用いたり
する技術思想が特開昭55−19350号、特開昭59−
124963号の公報に見られるが、これらの発明の目
的は、難燃用途の塩化ビニリデン系高分子ラテツ
クスを提供しようとする本発明の目的とは異なる
し応用例もない。又、該ラテツクスは、耐熱変色
性の低下、成膜フイルムの白化、コロイド安定性
の低下、樹脂固形分の低下を引き起こし、該公報
のラテツクス状微粒子の応用はできない。 一方、難燃性を目的とした塩化ビニリデン・ア
クリロニトリル単位を含有する組成物としては、
難燃性アクリル繊維が公知である。該繊維は乳化
重合によつて得られた樹脂を有機若しくは無機溶
剤に溶かして紡糸し製品化されていた。しかしな
がら、塩化ビニリデン単位の含量を増すと耐光変
色性、耐熱変色性が共に著しく劣化するばかりで
なく、溶剤にも難溶となるために、実質的に塩化
ビニリデン単位を40重量%以上含有した繊維は製
品化されていないのが現状であつた。更に、乳化
重合によつて得られたラテツクスは高ガラス転移
点に起因して成膜性が悪く、難燃加工用のラテツ
クスとしては全く実用に耐え得なかつた。 上記のごとく、難燃性の付与を目的とした塩
化ビニリデン系樹脂ラテツクス、バリアー性の
付与を目的とした塩化ビニリデン・アクリロニト
リル系樹脂ラテツクス、難燃性繊維用の塩化ビ
ニリデン・アクリロニトリル系樹脂ラテツクスは
公知である。しかしながら、何れの公知ラテツク
スも難燃性、耐光・耐熱変色性、成膜性のバラン
スがとれず、難点を抱えながら多くの使用上の制
約下に甘んじるか、本発明の利用分野である難燃
加工用のバインダーや塗料等には全く応用できな
いかであつた。 〔発明が解決しようとする課題〕 難燃加工用のバインダーや塗料等の分野におい
ては、耐変色性、特に耐光変色性が重視されるた
めに難燃化性能を犠牲にした高分子ラテツクスを
使用せざるを得ず、高価な難燃剤を多量に添加し
てコスト上昇を招いたり、ラテツクスの皮膜強度
低下、光沢低下と言つた難点を生じさせており、
優れた難燃性、耐光・耐熱変色性、成膜性を有す
る高分子ラテツクスが切望されていた。 〔課題を解決するための手段と作用〕 本発明者らは、高度の難燃性と優れた耐光変色
性、耐熱変色性、成膜性を共に満足する高分子ラ
テツクスを提供すべく鋭意検討を重ねた結果、特
定した二種の樹脂成分からなる塩化ビニリデン・
アクリロニトリル系高分子ラテツクスが抜群の難
燃性を有するのみならず極めて優れた耐光変色
性、耐熱変色性、成膜性を有する事実を見い出し
本発明に至つた。 即ち、本発明は、下記組成の樹脂成分(A)65〜95
重量%と樹脂成分(B)5〜35重量%からなり、合計
の塩化ビニリデン単位含量が50〜85重量%、アク
リロニトリル単位含量が4〜25重量%、ビニル系
単量体単位含量が7〜40重量%であることを特徴
とする塩化ビニリデン系高分子ラテツクスに関す
るものである。 記 (A) 塩化ビニリデン単位含量60〜90重量%、アク
リロニトリル単位含量8重量%以下、ビニル系
単量体単位含量5〜40重量%、 (B) アクリロニトリル単位含量30〜70重量%、塩
化ビニリデン単位含量40重量%以下、ビニル系
単量体単位含量10〜50重量%。 本発明のキーポイントは、塩化ビニリデン構成
単位を主構成成分とする樹脂成分(A)と、アクリロ
ニトリル単位を30〜70重量%含有する樹脂成分(B)
との特定した二種の樹脂成分から構成される点に
ある。即ち、アクリロニトリル単位が局在した分
子構造を有する塩化ビニリデン系高分子ラテツク
スが優れた難燃性、耐光・耐熱変色性、成膜性を
発揮する。前述した公知の技術から塩化ビニリデ
ン、アクリロニトリル、成膜性に効果が期待され
るビニル系単量体の各単位を含有した樹脂ラテツ
クスの応用が推測できるが、従来の技術にて得ら
れる樹脂ラテツクスは塩化ビニリデン、アクリロ
ニトリル各単位の存在状態が本発明の高分子ラテ
ツクスとは全く異なり、難燃性、耐光・耐熱変色
性、成膜性のバランスがとれないし、特に耐光変
色性は著しく劣る。 本発明の高分子ラテツクスが高い難燃性と優れ
た耐光変色性の何れをも満足する理由は明確では
ないが、以下のごとくに推定される。 ポリアクリロニトリルの酸素指数(JIS・K・
7201)18が示す如く、アクリロニトリル単位自体
が高分子ラテツクスの難燃性を向上させる効果は
ないが、該ラテツクス樹脂中の塩化ビニリデン単
位と共存することによつて塩化ビニリデン単位の
難燃性を相乗効果に近い形で向上させるものと推
測される。本発明者らは、塩化ビニリデン単位含
量60重量%以上の樹脂成分(A)にはアクリロニトリ
ル単位含量上限を設定し、塩化ビニリデン単位含
量上限が40重量%に満たない樹脂成分(B)に多量の
アクリロニトリル単位を導入することによつて、
トータルの高分子ラテツクスとして乾燥皮膜の耐
熱変色性を損なうことなしに多くの塩化ビニリデ
ン、アクリロニトリル各単位を導入して高度の難
燃性を獲得し得た。 更に驚くべきことには、塩化ビニリデン単位の
高含量に起因して樹脂成分(A)単独からなるラテツ
クスでは、乾燥皮膜の耐光変色性に難点があるに
も拘わらず、樹脂成分(B)と合わせた本発明の高分
子ラテツクスは優れた耐光変色性を示す。この事
実は、樹脂成分(A)と屈折率が適度に異なる樹脂成
分(B)が高分子ラテツクスの平均粒子径以下の単位
にて分散状態にある事に原因する近紫外〜紫外光
の散乱によるものと推測される。高エネルギーを
有する近紫外〜紫外光が散乱によつて樹脂成分(A)
に到達し難いのではないかと考えられるのであ
る。樹脂成分(B)は後述する2工程重合法によつて
導入しても良いし、(A)、(B)各々の樹脂成分からな
るラテツクス同士をブレンドして本発明の高分子
ラテツクスを得ても良いが、耐光変色性に優れた
アクリル酸エステル系ラテツクスを樹脂成分(B)か
らなるラテツクスに替えてブレンドしても希釈効
果のみで大幅な耐光変色性の向上は見られない
し、むろん高度の難燃性も得られない。 本発明で述べる高分子ラテツクスとは、乳化重
合によつて得られる平均重合度100以上の共重合
樹脂の水分散体であり、35%以上の樹脂固形分に
て実質的に安定に存在し得るものを云う。本発明
で用いる「樹脂ラテツクス」「ラテツクス」は、
「高分子ラテツクス」と同義であるが、本発明の
塩化ビニリデン系高分子ラテツクスのみを「高分
子ラテツクス」と称して区別した。 樹脂成分(A)は、塩化ビニリデン単位含量が60〜
90重量%、アクリロニトリル単位含量が8重量%
以下、ビニル系単量体単位含量が5〜40重量%か
らなる。塩化ビニリデン単位が60重量%に達しな
いと難燃性に不足し、90重量%を超えると塩化ビ
ニリデン単位の極度の局在に起因して耐変色性、
特に耐光変色性を損なうし成膜性を著しく低下さ
せる。アクリロニトリル単位は難燃性を向上させ
る点で好ましいが、8重量%を超えて含有される
と耐変色性特に耐熱変色性を著しく損なう。高い
塩化ビニリデン単位含量の下で多くのアクリロニ
トリル単位を隣接させることは、耐熱・耐光変色
性の点で回避される必要がある。 樹脂成分(B)は、アクリロニトリル単位含量が30
〜70重量%、塩化ビニリデン単位含量が40重量%
以下、ビニル系単量体単位含量が10〜50重量%か
らなる。アクリロニトリル単位が30重量%に達し
ないと優れた耐光変色性を示すことができない。
70重量%を超えても耐光変色性は全く向上しない
し、むしろ耐熱変色性、成膜性を損ねたり、樹脂
成分(A)との屈折率差が大きすぎて皮膜が白化し実
用に供し得なくなる。更に、乳化重合時や製品ラ
テツクスとしての安定性が極度に低下し安定生産
できない。前述した特開昭59−124963号公報にお
いて粒径1μ未満のアクリロニトリル系重合体微
粒子をアクリル酸エステル等を主成分とする水系
塗料中に分散させることにより該水系塗料皮膜の
耐候性を改善させる方法が提案されているが、該
公報のアクリロニトリル系重合体微粒子分散液
は、低固形分や粘度上昇の記述及び関連公報(特
開昭55−106269号公報)をも含めた実施例からア
クリロニトリル単位含量は明らかに70重量%を超
えており、本発明の目的には適合しない。塩化ビ
ニリデン単位は難燃性を向上させる点で好ましい
が、40重量%を超えて含有されると耐変色性、特
に耐光変色性を著しく損なう。 ビニル系単量体単位は塩化ビニリデン及び/又
はアクリロニトリルと共重合可能なビニル系単量
体の単位であり、メチルアクリレート(又はメタ
クリレート)等の(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン
酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の
不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステ
ル、(メタ)アクリルアミド等の不飽和カルボン
酸のアミド誘導体、N−メチロール(メタ)アク
リルアミド等の不飽和カルボン酸のN−アルキロ
ールアミド誘導体、(モノ、ジ、又はトリ)エチ
レングリコール−ジ(メタ)アクリレート等のジ
(メタ)アクリレートやトリ(メタ)アクリレー
トの如き不飽和カルボン酸のエステル、更にメタ
クリロニトリル、スチレン、塩化ビニル、ジビニ
ルベンゼン等が挙げられる。 ビニル系単量体単位には、コストパフオーマン
ス又は工業的利用可能なモノマー成分として特に
高難燃性の要求される場合は、以下の含塩素又は
含窒素モノマー成分が好ましい。例えば塩化ビニ
ルやメタクリロニトリル、アクリル酸アミド、メ
タクリル酸アミド、N−フエニルマレイミド等の
窒素含有量が8重量%以上のビニル系モノマーが
好ましい。又、酸アミド基、ニトリル基と同時に
塩素を含有する1−クロロアクリロニトリルやメ
ラミン環を有するビニルモノマーのアリルシアヌ
レート等も使用できる。又、成膜性、耐黄変性が
要求される場合には、メチル、エチル、ブチル、
2−エチルヘキシルアクリレートが好ましい。 ビニル系単量体単位としてグリシジル(メタ)
アクリレートやアリルグリシジルエーテルの如き
オキシラン酸素を含有する単量体を導入すること
は耐変色性の点で好ましく、又特に樹脂成分(B)に
おいて2−エチルヘキシルアクリレート、ブチル
アクリレート等の樹脂のガラス転移点低下に卓効
があるビニル系単量体を導入することが好まし
い。 本発明の高分子ラテツクスは、樹脂成分(A)60〜
95重量%と樹脂成分(B)5〜35重量%の合計100重
量%から構成される。樹脂成分(A)が60重量%に満
たない(樹脂成分(B)が35重量%を超える)と十分
な難燃性を発揮できない。樹脂成分(A)が95重量%
を超えると(樹脂成分(B)が5重量%に満たない)
と耐変色性、特に耐光変色性に不足する。難燃性
と耐変色性とのバランスから本発明の高分子ラテ
ツクスは樹脂成分(A)70〜90重量%、樹脂成分(B)10
〜30重量%からなることが好ましく、合計として
塩化ビニリデン単位50〜85重量%、アクリロニト
リル単位4〜25重量%、ビニル系単量体単位7〜
40重量%を含有することが更に好ましい。 (A)、(B)二つの樹脂成分から構成されてなること
により塩化ビニリデン、アクリロニトリルの各単
位を適度に局在化させる具体的方法としては、以
下が考えられる。 2工程重合法:樹脂成分(A)の構成単量体混合
物を乳化重合させる第1工程と、該工程で生成
したラテツクスの存在下で樹脂成分(B)の構成単
量体混合物を添加し乳化重合させる第2工程と
から目的の高分子ラテツクスを得る方法。 ラテツクスブンレド法:樹脂成分(A)、樹脂成
分(B)の各々単独から構成される2種のラテツク
スを別々に乳化重合にて作成し、これらをブレ
ンドすることによつて目的の高分子ラテツクス
を得る方法。 2工程重合法では、第1工程の重合が完全に終
了した時点もしくは未反応単量体が残つている時
点の何れの時点で第2工程の重合を開始しても、
最終的に得られた高分子ラテツクスが、本発明で
規定する(A)、(B)二つの樹脂成分から構成されてい
れば良い。得られたラテツクス粒子がコア/シエ
ル構造や異種組成構造のごとくにキヤツプ重合さ
れていても、二つの樹脂成分が別粒子を形成して
いても構わない。又、少量の単量体混合物にて予
め種粒子を形成しておくシード重合処方を用いて
も、特開昭59−166517号公報に示されるごとく少
量のガラス転移点低下に効果のある単量体混合物
を最後にキヤツプ重合して成膜性を向上させても
良い。 以上のごとくにして調製された本発明の高分子
ラテツクスは、電子顕微鏡、溶解度分別後の元素
分析、赤外分光、NMR等にて樹脂成分の局在が
観察される。 難燃性、耐光変色性、耐熱変色性、成膜性を更
に発揮させるために、本発明の高分子ラテツクス
に各種の難燃剤や充填剤、老化防止剤、可塑剤、
増粘剤等を添加することは好ましい。アクリル酸
エステル系、エチレン・塩化ビニル系、スチレ
ン・ブダジエン系等の各種樹脂ラテツクスとブレ
ンドして使用しても構わない。 本発明で述べる難燃性とは、高分子ラテツクス
の皮膜自体が酸素指数23以上で優れた自己消火性
を有し、実質的に他の物に難燃性を付与する難燃
化性能を有していることを云う。本発明の高分子
ラテツクスは、該ラテツクス自身で難燃性のバイ
ンダー、難燃剤、フイルム、シートとして用いた
り、難燃コンパウンドのベースラテツクスとした
り、顔料等を加えて難燃塗料として用いたりして
産業資材分野の加工品として広く応用することが
できる。 〔実施例〕 以下に実施例にて本発明を更に詳細に説明する
が、本発明が実施例のみに限定されないことは云
うまでもない。実施例中の各種調製法、評価法、
測定法は以下に示す方法によつた。 高分子ラテツクス調製法: 方法:3の耐圧反応器を用いた。反応器中
に水95重量部、過硫酸ナトリウム0.2重量部、
アルキルジフエニルエーテルジスルホン酸ナ
トリウム(三洋化成、エレミノールMON−
2)0.1重量部を投入し50℃に昇温した。単
量体混合物は合計量で100重量部使用した。
第1工程で使用する単量体混合物所定重量部
数の10重量%を反応器中に一括添加しシード
重合を実施した。次にアルキルジフエニルエ
ーテルジスルホン酸ナトリウム0.7重量部を
25%水溶液にて添加後、単量体混合物の残り
の90重量%を10時間にて連続定量添加した。
内圧が最高圧から0.6Kg/cm2低下した時点で
第1工程とは組成が異なる第2工程の単量体
混合物の所定重量部を一括添加し重合させ
た。反応熱が殆ど無くなつた時点で亜硫酸水
素ナトリウム0.04重量部を3%水溶液にて添
加し重合を完了させた。重合率は99%を超え
ていた。 方法:3の耐圧反応器を用いた。反応器中
に水95重量部、過硫酸ナトリウム0.15重量
部、アルキルジフエニルエーテルジスルホン
酸ナトリウム0.1重量部を投入し50℃に昇温
した。単量体混合物は合計量で100重量部使
用した。単量体混合物の10重量%を一括添加
しシード重合を実施した。次にアルキルジフ
エニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.7
重量部を25%水溶液にて添加後、単量体混合
物の残りの90重量%を一括添加した。反応熱
が殆ど無くなつた時点で亜硫酸水素ナトリウ
ム0.03重量部を3%水溶液にて添加し重合を
完結させた。重合率は99%を超えていた。 成膜性評価方法: アルミニウム平板上に温度勾配を設けた最低
成膜温度(MFT)測定装置を用いた。20℃、
55%RHの雰囲気中にて高分子ラテツクスをア
ルミニウム平板上に塗布し、静置乾燥後に高分
子ラテツクスの透明連続膜形成領域の低温度側
端末表面温度を測定しMFT(℃)として表示し
た。MFTが低いほど成膜性が良好であると判
定した。 キヤストフイルム調製法: 水平に設置したガラス平板上に高分子ラテツ
クスを流延し、50℃雰囲気中で20時間静置して
350±15μ厚のフイルムを作成した。 難燃性試験方法: 高分子ラテツクスのキヤストフイルムを用
い、JIS・K・7201(JIS・D・1201)に準拠し
て酸素指数(L.O.I.)を測定した。酸素指数が
高いものほど難燃性であると判定した。 又、実施例4においては以下の評価を追加し
た。 混抄紙の難燃性:樹脂固形分100重量部に対し
2重量部のアルキルジフエニルエーテルジス
ルホン酸ナトリウムを添加した高分子ラテツ
クスと木材パルプ(NBKP)、水酸化アルミ
ニウム(昭和軽金属、ハイジライトH−31)
を混合し、硫酸アルミニウム水溶液にて定着
後抄造乾燥して坪量150g/m2、 紙組成:パルプ/水酸化アルミニウム/高分子
ラテツクス樹脂分=29/59/12(重量比)の
混抄紙を得た。該混抄紙から幅15mm長さ200
mmの試験片を作成し、炎長1インチの液化石
油ガスバーナー(JIS・K・7201、口径3mm)
上に接炎0.5秒、離炎0.5秒の要領にて垂直に
保持した試験片が炎上するまで繰り返し接炎
させた。難炎後も自己消火せずに燃焼し続け
るまでの「接炎回数」をもつて表示し、接炎
回数が多いほど混抄紙の難燃性が高く、高分
子ラテツクスの難燃化性能が優れていること
を示す。 コンパウンド塗布フアブリツクの難燃性:樹脂
固形分100重量部に対し3重量部のポリオキ
シエチレンノニルフエルエーテル(花王、エ
マルゲン920)を添加した高分子ラテツクス
と水酸化アルミニウム(昭和軽金属、ハイジ
ライトH−42)とを混合し、アルカリ増粘型
増粘剤(日本アクリル・プライマルASE−
60)にて増粘して、高分子ラテツクス樹脂
分/水酸化アルミニウム=60/40(重量比)
のコンパウンドを得た。該コンパウンドをナ
イロン平織のフアブリツク(目付量300g/
m2)裏面にワーナーマチス「コーテイング装
置LFT/SV型」(ドクターナイフ方式)に
て乾燥重量90g/m2塗布乾燥し、JIS・D・
1201(MVSS−302)に準拠して燃焼速度を
測定した。接炎はフアブリツク表面とし、自
己消火性を示すものの内A標線に達するまで
に消火したものをNBと表記して高分子ラテ
ツクスの難燃化性能が特に優れていると判定
した。 耐光変色性評価方法: 高分子ラテツクスのキヤストフイルムを黒板
紙上に固定し、スガ試験機「紫外線ロングライ
フフエードメーターFAL−3H」を用いてブラ
ツクパネル温度63℃にて100時間紫外線を照射
した。照射後のキヤストフイルムは、黄色度、
白色度にて耐変色性を判定した。 耐熱変色性評価方法: 高分子ラテツクスのキヤストフイルムを三英
製作所「ダルトン・ギヤオーブン」を用い150
℃にて3時間熱処理した。処理後のキヤストフ
イルムは、黒つぽく変色するため白色度にて耐
熱変色性を判定した。 黄色度測定方法: JIS・K・7103に準拠し、スガ試験機「カラ
ーコンピユータSM−4−CH」を用いて、キ
ヤストフイルムの黄色度を反射法にて測定し
た。黄色度の算出式は以下の如くであり、黄色
度の値が小さい程耐変色性が優れていることを
示す。 YI=100(1.28X−1.06Z)/Y YI:黄色度 X、Y、Z:標準光Cにおける試験用試料の3
刺激値 白色度測定方法: スガ試験機「カラーコンピユータSM−4−
CH」を用いて、キヤストフイルムの白色度を
反射法にて測定した。白色度は以下のごとくに
ハンター方式にて算出した。白色度の値が大き
いほど耐変色性が優れていることを示す。 W=100−〔(100−L)2+a2+b2)1/2 W:白色度 L:10Y1/2 a=17.5(1.02X−Y)/Y1/2 b=7.0(Y−0.847Z)/Y1/2 X、Y、Z:標準光Cにおける試験用試料の3
刺激値 電子顕微鏡観察法: 高分子ラテツクスのキヤストフイルムを硫酸
銅/硫酸ヒドロキシルアミン水溶液(約90℃)
中にて浸漬染色し乾燥した。該キヤストフイル
ムをミクロトームにて凍結切削し、検鏡用切片
を作成した。日立「H500」を用い、加速電圧
100KVにて透過法で観察した。該方法ではAN
単位が染色されて濃いコントラストを示す。 各単量体単位含量算出法: 実施例の表中における各単量体含量は以下の
ルールに従つて表示した。 「単量体仕込組成」は重合時に使用した各単
量体の重量部数(合計100重量部)を表記した。 「高分子ラテツクス組成」は、1工程重合ラ
テツクス、2工程重合ラテツクス、ブンレンド
ラテツクスの何れの場合も、評価に使用した最
終形態の高分子ラテツクスに関して各単量体単
位含量測定値が仕込組成からの計算値と同一で
あることを確認した上で計算値を表記した。高
分子ラテツクスの各単量体単位含量の測定は、
塩析乾燥樹脂を用いて以下の方法によつて実施
し、計算値との差が±1%以内であれば同一と
見なした。 塩化ビニリデン単位含量:Scho¨nigerの酸素フ
ラスコ法にて測定した塩素量から求めた。 アクリロニトリル単位含量:ミクロケルダール
法にて測定した窒素量から求めた。 なお実施例の表中の各単量体又は各単量体単
位は以下の略号にて表示した。 VDC:塩化ビニリデン AN:アクリロニトリル MA:メチルアクリレート BA:n−ブチルアクリレート 2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート 実施例 1 第1表に示す単量体仕込組成にて第1工程単量
体80重量部、第2工程単量体20重量部からなる高
分子ラテツクスAを方法(第2工程重合法)に
て得た。比較として高分子ラテツクスAと同組成
のラテツクスCを単一の単量体混合物から方法
にて得た。更に高分子ラテツクスAの第1・第2
各工程の組成からなるラテツクスD、Eを各々方
法にて調製し、乾燥樹脂分の重量比にてラテツ
クスD/ラテツクスE:80/20でブレンドして高
分子ラテツクスBを作成した。これらのラテツク
スに関して難燃性、耐光・耐熱変色性、成膜性を
評価した。ラテツクスA、B、Cのキヤストフイ
ルムに関しては電子顕微鏡写真を撮影した。 実施例 2 第2表に示す各単量体仕込組成にて、第1工程
単量体を85重量部、第2工程単量体を15重量部と
して方法(2工程重合法)を用いて各ラテツク
スF〜K及びU〜Xを調製し、難燃性、耐光・耐
熱変色性、成膜性を評価した。 実施例 3 第3表に示す如く、方法にて各々調製した2
種のラテツクス、の各比率にてブンレドして
ラテツクスL〜Pを作成し、難燃性、耐光・耐熱
変色性、成膜性を評価した。 実施例 4 第4表に示す単量体仕込組成にて第1工程単量
体85重量部、第2工程単量体15重量部からなる高
分子ラテツクスQを方法(2工程重合法)にて
得た。比較として、高分子ラテツクスQと同組成
のラテツクスR、塩化ビニリデン単位含量が同一
のラテツクスS、耐光変色性を同じレベルに合わ
せたラテツクスTを各々単一の単量体混合物から
方法にて得た。これらの調製ラテツクスに関し
て、難燃性、耐光・耐熱変色性、成膜性及び混抄
紙、コンパウンド塗布フアブリツクの難燃性を評
価した。 実施例1の結果を第1表に示す。本発明の高分
子ラテツクスA、Bは高い難燃性、優れた耐光・
耐熱変色性、成膜性の何れをも満足した。2種の
樹脂成分を持たないラテツクスCは耐光変色性テ
ストにて黄褐色に変色し実用に供し得ないと判定
され、冬場の常温での成膜性にも問題があると考
えられた。ラテツクスA、B、Cのキヤストフイ
ルムの電子顕微鏡写真を各々第1図、第2図、第
3図に示す。本発明の高分子ラテツクスA、Bか
ら形成されるフイルムはアクリロニトリル単位が
適度に局在化しているのが判る。ラテツクスCで
はアクリロニトリル単位がフイルム全面に均一分
散しており、重合後半の単量体組成のドリフトに
より、アクリロニトリルを含まない塩化ビニリデ
ン主体の単量体から形成されたと推定される非成
膜性粒子が観察される(全体の20重量%以下)。 実施例2の結果を第2表に示す。本発明の高分
子ラテツクスF、Jが優れた難燃性、耐光・耐熱
変色性、成膜性を示したのに対し、樹脂成分(A)又
は(B)の組成が本発明の範囲内に特定されていない
ラテツクスでは各々耐光変色性、耐熱変色性、成
膜性、難燃性の何れかが著しく低く実用に供し得
ないと判定した。又、ラテツクスHは第2工程の
高アクリロニトリル含量に起因して重合中にゲル
化したため、重合後の樹脂固形分が25%になるよ
うに重合水の量を調整してラテツクスを得た。 実施例3の結果を第3表に示す。本発明の高分
子ラテツクスLが優れた難燃性、耐光・耐熱変色
性、成膜性を示したのに対し、樹脂成分(A)組成又
はブレンド比が本発明の範囲内に特定されていな
いラテツクスでは各々難燃性、耐光・耐熱変色
性、成膜性の何れかが著しく低く実用に供し得な
いと判定した。 実施例4の結果を第4表に示す。本発明の高分
子ラテツクスQは優れた難燃性、耐光・耐熱変色
性、成膜性を示し、その加工品も優れた難燃性を
示した。二つの樹脂成分を持たないラテツクスR
では優れた難燃性は有するものの、耐光・耐熱変
色性に著しく劣り、その加工品は実用に耐えない
と判定された。ラテツクスRからアクリロニトリ
ル成分を除いたラテツクスSでは、耐光変色性が
不十分であるだけでなく難燃性も低下した。耐光
変色性が本発明の高分子ラテツクス並となるよう
に調製したラテツクスTでは、該ラテツクスのキ
ヤストフイルム自身は何とか自己消火性を有して
いたが、本実施例の加工品を難燃化することはで
きなかつた。
【表】
【表】
【表】
【表】
本発明の効果を要約すると以下の如くである。
(1) 高い難燃性、優れた耐光変色性、耐熱変色
性、成膜性を共に満足する高分子ラテツクスで
ある。 (2) 屋内、屋外を問わずに応用できる汎用性を持
つた高分子ラテツクスである。 (3) 高価な難燃剤や添加剤を低減できるコスト的
にメリツトの大きい高分子ラテツクスである。 (4) 単独使用でも十分に難燃バインダー、難燃
剤、難燃フイルム、難燃シートとなり得る高品
質の高分子ラテツクスである。 (5) 難燃コンパウンド、難燃塗料、該コンパウン
ドや塗料を塗布した加工品等、産業資材の幅広
い分野に応用できる高分子ラテツクスである。
性、成膜性を共に満足する高分子ラテツクスで
ある。 (2) 屋内、屋外を問わずに応用できる汎用性を持
つた高分子ラテツクスである。 (3) 高価な難燃剤や添加剤を低減できるコスト的
にメリツトの大きい高分子ラテツクスである。 (4) 単独使用でも十分に難燃バインダー、難燃
剤、難燃フイルム、難燃シートとなり得る高品
質の高分子ラテツクスである。 (5) 難燃コンパウンド、難燃塗料、該コンパウン
ドや塗料を塗布した加工品等、産業資材の幅広
い分野に応用できる高分子ラテツクスである。
第1図A,Bは本発明(実施例1)の高分子ラ
テツクスAのキヤストフイルムの断面を示す電子
顕微鏡写真、第2図A,Bは本発明(実施例2)
の高分子ラテツクスBのキヤストフイルムの断面
を示す電子顕微鏡写真、第3図A,Bは本発明の
ものでない比較例のラテツクスCのキヤストフイ
ルムの断面を示す電子顕微鏡写真である。但し、
何れもAは倍率44000、Bは倍率15600である。
テツクスAのキヤストフイルムの断面を示す電子
顕微鏡写真、第2図A,Bは本発明(実施例2)
の高分子ラテツクスBのキヤストフイルムの断面
を示す電子顕微鏡写真、第3図A,Bは本発明の
ものでない比較例のラテツクスCのキヤストフイ
ルムの断面を示す電子顕微鏡写真である。但し、
何れもAは倍率44000、Bは倍率15600である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下記組成の樹脂成分(A)65〜95重量%と樹脂成
分(B)5〜35重量%からなり、合計の塩化ビニリデ
ン単位含量が50〜85重量%、アクリロニトリル単
位含量が4〜25重量%、ビニル系単量体単位含量
が7〜40重量%であることを特徴とする塩化ビニ
リデン系高分子ラテツクス。 記 (A) 塩化ビニリデン単位含量60〜90重量%、アク
リロニトリル単位含量8重量%以下、ビニル系
単量体単位含量5〜40重量%、 (B) アクリロニトリル単位含量30〜70重量%、塩
化ビニリデン単位含量、40重量%以下、ビニル
系単量体単位含量10〜50重量%。 2 乾燥樹脂分に換算して65〜95重量部の樹脂成
分(A)からなる塩化ビニリデン系樹脂ラテツクスの
存在下で、樹脂成分(B)組成の単量体混合物5〜35
重量部を添加重合してなる特許請求の範囲第1項
記載の塩化ビニリデン系高分子ラテツクス。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7794285A JPS61236848A (ja) | 1985-04-12 | 1985-04-12 | 塩化ビニリデン系高分子ラテツクス |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7794285A JPS61236848A (ja) | 1985-04-12 | 1985-04-12 | 塩化ビニリデン系高分子ラテツクス |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61236848A JPS61236848A (ja) | 1986-10-22 |
| JPH0579698B2 true JPH0579698B2 (ja) | 1993-11-04 |
Family
ID=13648107
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7794285A Granted JPS61236848A (ja) | 1985-04-12 | 1985-04-12 | 塩化ビニリデン系高分子ラテツクス |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61236848A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN1042440C (zh) * | 1993-03-05 | 1999-03-10 | 旭化成工业株式会社 | 偏氯乙烯共聚物组合物 |
| CN108485399B (zh) * | 2018-03-02 | 2020-07-28 | 浙江衢州巨塑化工有限公司 | 一种涂布用pvdc水性乳液 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS587664B2 (ja) * | 1979-10-12 | 1983-02-10 | 呉羽化学工業株式会社 | 塩化ビニリデン系ラテツクスの製造方法 |
| JPS6053055B2 (ja) * | 1980-02-15 | 1985-11-22 | 旭化成株式会社 | 塩化ビニリデン系樹脂水分散体組成 |
-
1985
- 1985-04-12 JP JP7794285A patent/JPS61236848A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61236848A (ja) | 1986-10-22 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |