JPH058255B2 - - Google Patents
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- JPH058255B2 JPH058255B2 JP59088337A JP8833784A JPH058255B2 JP H058255 B2 JPH058255 B2 JP H058255B2 JP 59088337 A JP59088337 A JP 59088337A JP 8833784 A JP8833784 A JP 8833784A JP H058255 B2 JPH058255 B2 JP H058255B2
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties of ferrous metals or ferrous alloys by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/02—Modifying the physical properties of ferrous metals or ferrous alloys by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
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- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
「発明の目的」
本発明は超高張力マルエージング冷延鋼板の製
造方法に係り、200Kgf/mm2以上の引張強度を有
するような超高張力マルエージング冷延鋼板を連
続焼鈍ラインによつて適切に製造することのでき
る方法を提供しようとするものである。 産業上の利用分野 超高張力マルエージング冷延鋼板の製造。 従来技術 強度の極めて高いマルエージング鋼は従来から
知られている。即ちこの従来一般のマルエージン
グ鋼は極低炭素マルテンサイト組織中にV、Ti、
Al、Co、Moなどの2元素系又は多元素系の金属
間化合物を析出させた鋼であつて、変態組織強化
と強化能の大きい金属間化合物による析出強化と
を組み合わせることにより200Kgf/mm2以上の引
張強度が得られる。然して従来斯うした鋼の利用
はその成分および製造コストの観点から軍事、航
空、原子力、海洋開発などの特殊分野に限定さ
れ、その研究開発もそれら特殊分野への利用を前
提とした成分設計、強化機構、環境脆化などが主
体となつていた。 発明が解決しようとする問題点 上記のような在来一般のマルエージング鋼は、
一般的に低廉汎用性などが要求される冷間圧延薄
鋼板の分野でその利用が検討された例は極めて少
いが、このマルエージング鋼の有する前記のよう
な特性が斯様な冷間圧延薄鋼板分野に利用される
ことが好ましいことは言うまでもない。然して近
時における製鋼技術の高度進展によつて鋼の高清
浄化、製造プロセスの連続化などの製造技術上の
進歩と共に高強度化によるゲージダウンなどは上
記薄鋼板分野での利用を可能とする因子ではある
が、それを障害する技術的問題点は以下の如くで
ある。 マルエージング鋼は時効硬化処理に先立つて
溶体化処理を行う必要があり、この溶体化条件
は800〜850℃、好ましくは820℃で1時間程度
の加熱処理であることから連続熱処理ライン
で、このような溶体化処理を実施することが困
難である。 十分な時効硬化を達成するためには更に450
〜500℃、好ましくは480℃で3時間程度の時効
処理が必要とされており、このことも連続熱処
理ラインでの実施困難さを示す。 冷間圧延時の被圧延鋼帯組織がマルテンサイ
ト相であるため変形抵抗が高く、従来の圧延技
術ではミル負荷が大きいこととならざるを得な
い。 ところでこれらの問題点を解消する1つの手法
として特公昭58−18408号公報が開示されている。
即ち上記のような問題点は従来一般のマルエージ
ング鋼における材料設計が常に材質的に最高レベ
ルを指向して行われて来たためであり、利用技術
の面で等価性が保証されるならば熱処理条件など
に対する既成概念を打破することが可能である、
という観点に立つたもので、ストリツプフオーム
によつてマルエージング鋼帯を製造しようとする
ものである。然しこの技術においては鋼のミクロ
組織を820℃×1時間の溶体化処理材と等価な組
織とすることを前提としており、その溶体化処理
条件は連続熱処理ラインにおいて溶体化を行う上
でエネルギーコスト的或いは表面品質的に最適な
ものとなし得ない。 「発明の構成」 問題点を解決するための手段 本発明は上記したような実情に鑑み検討を重ね
て創案されたものであつて、 C:0.02wt%以下、Si0.1wt%、 Mn0.2wt%、P0.01wt%、 S0.01wt%、N0.01wt% を含有すると共に、 Ni:15〜25wt%、Co10.0wt%、 Mo7.0wt%、Al0.2wt% Ti1.5wt% の中の何れか2種又は3種以上を含有し、残部が
Feおよび不可避的不純物よりなる鋼を、1000℃
以下の累積圧下率を60%以下とすると共に950℃
以下の累積圧下率を20%以下として900℃以上で
熱間圧延を終了し、300〜600℃で巻取り、次いで
冷間圧延後に再結晶焼鈍および溶体化処理するこ
とを特徴とする超高張力マルエージング冷延鋼板
の製造方法である。 作 用 上記したような本発明によるものはその成分組
成によつて有効な時効硬化を得しめ、しかもマル
エージング鋼の時効硬化を連続焼鈍ラインにおい
て短時間に達成せしめてエネルギコストを低減
し、熱間圧延時の蓄積圧下率、仕上げ温度、巻取
り温度などを適切に選ぶことにより材質および表
面性状を良好とする。 実施例 上記したような本発明について更に説明する
と、本発明は例えば連続焼鈍ラインのような実際
の連続熱処理ラインにおいてコスト的に有利で、
しかも材質的或いは表面品質上優れたマルエージ
ング冷延鋼帯を製造しようとするものであつて、
前記したような成分組成の鋼を上記のように熱間
圧延後に冷間圧延してから連続焼鈍ラインによつ
て再結晶焼鈍・溶体化処理する熱処理温度Tおよ
び熱処理時間tについては以下の条件に制御して
処理する。 825℃T1050℃ T950℃でt0.5min T950℃でtexp(−T/90.2+9.8) T1000℃でt1.0min T1000℃でtexp(−T/64.6+15.5) 又上記したような最終終溶体化工程に続いて、
200℃以下の温度に任意の冷却方法で冷却した鋼
板を同一パスライン内に配置された加熱・均熱炉
によつて400℃以上600℃以下の温度で10分以下の
時効硬化処理を行う工程を適宜に付加する。 このような本発明に関して仔細を説明すると、
本発明は熱処理されるマルエージング鋼帯の材質
および表面品質を損うことなく冷間圧延後の再結
晶焼鈍・溶体化処理を短時間内に行うことを狙い
とするものであり、特に熱延鋼板におけるミクロ
組織を最適状態に制御することによつて従来技術
に比較し更に低温・短時間の熱処理で所望の材質
を得ることに成功したものである。然してマルエ
ージング鋼帯の利用技術に関しては溶体化状態で
成形を行つた後に時効硬化処理を行うことが最も
有利であつて、このような意味から再結晶焼鈍・
溶体化処理状態における材質が保証される必要が
ある。 そこで本発明者等は、wt%(以下単に%とい
う)で、C:0.009%、Si:0.01%、Mn:0.05%、
P:0.005%、S:0.001%、N:0.0037%、Ni:
18.1%、Co:8.2%、Mo:4.7%、Al:0.004%、
を含有した鋼(後述する第1表の鋼1)を素材と
して種々の検討を行つた。即ち先ず熱間圧延機で
圧延をなし、970℃で4.0mm厚に仕上げた熱延鋼帯
を室温まで放冷し、該鋼帯を酸洗後、1.0mmtま
で圧下率75%の冷間圧延をなし、再結晶焼鈍温度
と時間を種々に変化させて軟化焼鈍を行つた。然
して800℃、900℃および1000℃で熱処理時間を変
えて処理してから室温まで空冷した素材について
曲げ部に毛割れが発生する時点の限界曲げ半径
(R/t:板厚に対する限界半径の比)を熱処理
時間に対して整理した結果は第1図に示す通りで
ある。即ち高温かつ長時間の熱処理となるに伴い
限界曲げ半径は小さくなり曲げ成形性の向上が示
されるが、ここで超高強度鋼板として使用される
場合のR/tは3以下であれば実用に供するに適
したものと言える。 又このような熱処理の温度について詳細を検討
した結果は第2図に示す通りである。即ちこの第
2図において〇の中に示された数字はR/tであ
つて、前記のようにR/t=3を境界として曲げ
成形性に対し要求されるべき焼鈍温度と時間の領
域は950℃以上では0.5分以上であるが、820℃は
下限であつて、この850℃のときは2分以上であ
る。 ところで冷延鋼板として使用される場合の重要
な特性として表面性状が挙げられ、特に高温で熱
処理する場合は炉内雰囲気による表面の酸化が問
題となる。然して連続熱処理炉で光輝焼鈍を行う
場合には炉内雰囲気を還元性にする必要があり、
一般には窒素(N2)+5〜10%水素(H2)の雰
囲気で焼鈍する。このような完全な還元性雰囲気
下での焼鈍が可能なのはラジアントチユーブ加熱
(輻射管加熱)の炉であるが、850〜900℃を越え
る温度での操業が要求される場合はエネルギー効
率の悪化および輻射管の劣化などの点から好まし
いものでないから斯うした高温加熱を行う場合に
は直火加熱の炉が使用される。この直火加熱炉の
場合に比較的低い温度では低空燃比操業により非
酸化性雰囲気での加熱が可能であるが、1000℃近
傍で加熱する場合は燃焼廃ガスによる表面酸化が
避けられず、連続熱処理ラインでは焼鈍後に強還
元帯或いは酸洗槽を附設する必要がある。従つて
高温で再結晶焼鈍・溶体化処理を行つた後、イン
ラインでの酸化被膜除去あるいは最終製品の表面
性状を良好に保つことを考慮すると、熱処理過程
での表面の酸化を極力抑える必要がある。 そこで本発明者等は実機をシユミレートした小
型直火炉で、空燃比0.7〜0.9の条件で、1.0mmtの
カツトサンプルを温度と時間を変えて熱処理した
後、N2+5%H2雰囲気中で室温まで冷却して硝
弗酸溶液中で酸洗を行いその表面性状を評価し
た。即ち殆んど光輝焼鈍に近いものを5点、均一
な酸化被膜が形成され1min以内の酸洗で熱処理
前に相当する表面が得られるものを3点、強固で
かつ選択的な酸化被膜形成が認められ、1min以
内での酸洗が不可能なばかりか完全に酸洗を行つ
ても表面欠陥が残るものを1点として、各処理材
の表面を5段階評価した結果は第3図に示す通り
であつて、高温かつ長時間の処理で表面性状の劣
化が顕著となる。然して実用に供して支障のない
表面状態としては一般的に3以上であり、この範
囲はハツチングを以て示した矢印方向の範囲とな
り、熱処理時間1分では1000℃でもよいが、この
熱処理時間が10分となると850℃が限度である。 更にこの処理温度と時間との関係を、仔細に表
面性状との関係で示しているのが第4図であつ
て、この第4図には上記のような評点3を境界と
して許容される温度と時間の具体的な領域を区分
して示している。又このような第4図の結果と前
記した第2図の結果を総合して成形性および表面
性状の何れの面からも好ましい再結晶焼鈍温度と
熱処理時間の領域は第5図に示す如くなり、この
第5図に示された範囲は以下のような条件の範囲
である。 825℃T1050℃ t0.5min atT950℃ texp(−T/90.2+9.8)atT950℃ 熱処理時間の下限 t1.0min atT1000℃ texp(−T/64.6+15.5)atT1000℃ 熱処理時間の上限 然して本発明では上記した範囲において優れた
材質を得るためおよび製造プロセス上の配慮から
熱間圧延条件を特定の範囲内に規制する。即ち先
ず本発明では熱間仕上げ圧延において、1000℃以
下の温度範囲における累積圧下率を60%以下とす
ると共に950℃以下の温度範囲における累積圧下
率を20%以下に制御して900℃以上で圧延を完了
することを条件とする。 前記した第1〜第5図の検討に供した鋼につい
て、1000℃以下での累積圧下率を種々に変化させ
て圧延を行い、910℃で4.0mmtに仕上げた熱延鋼
板を、1.0mmtまで冷間圧延した後900℃で3分間
の再結晶焼鈍・溶体化処理を行つた。溶体化状態
でJIS5号試験片による引張試験を行つた場合の鋼
帯圧延方向での伸び(ElL)と直角方向での伸び
(ElT)の差(ΔEl)を1000℃から900℃での累積
圧下率と、950℃から900℃での累積圧下率で整理
した結果は第6図に示す通りである。即ち1000℃
以下での累積圧下率が大きい程、伸びの異方性が
大きくなり、特に950℃以下での累積圧下率が大
きい場合の異方性増大が顕著である。これは当該
鋼において熱間圧延時の動的回復・再結晶速度が
遅いため、比較的低温域で強圧低下を行うとオー
ステナイト粒が圧延方向に展伸し、集合組織が著
しく発達することを示し、特にこの傾向は表層部
において顕著となり、その結果板厚方向での集合
組織の差をもたらす。斯うしたオーステナイト領
域での集合組織は冷却に伴うマルテンサイト変態
相にも受けつがれ、冷間圧延および再結晶焼鈍過
程においてもこのようにして形成された結晶組織
の異方性が完全に消失しないことによるものと推
定される。そこで本発明では異方性の目安として
ΔEl1.0%を実用上問題のないものとし、従つ
て1000℃以下の累積圧下率を60%以下とすると共
に950〜900℃での累積圧下率を20%以下とする。 次に上記のような熱間圧延後の巻取り温度も製
造プロセス上重要な因子であり、本発明では以下
の理由によつてこれを規制する。先ず巻き取り温
度の下限は300℃とするもので、上述したような
熱延鋼板を1旦900℃でオーステナイト化してか
ら冷却途中の700℃から100℃の温度範囲で引張り
試験を行つた場合、200℃付近から急激に0.2%耐
力が増大する。これはプロセス上巻き取り負荷の
増加を示唆し、その理由は第7図に示す連続冷却
変態(CCT)挙動から200℃付近でマルテンサイ
ト変態が開始するためである。又当該鋼では巻き
取り前のランナウトテーブル上で変態が開始した
場合、ランナウト冷却の不均一によつて変態の進
行に不均一が生じ、板の形状が乱れるから巻き取
つた後、変態がコイル内で均一に起ることが板形
状の点で好ましい。即ちこれらの観点から巻取り
温度下限を300℃と規制した。 他方巻取り温度の上限は600℃とするが、これ
は主として脱スケール性を配慮したものである。
冷延鋼板の場合、冷間圧延前に酸洗或いは機械的
方法によつて脱スケールする必要があり、従つて
強固なスケールの形成された熱延鋼板では脱スケ
ール処理に手間がかかるばかりでなく脱スケール
が不完全となり易く、それによつて冷延鋼板の表
面性状に重大な欠陥をもたらす。第8図には前記
鋼を実験室規模の熱間圧延機で圧延し、700℃か
ら100℃に保持した大気炉中に1時間保持して炉
冷することにより巻取りをシミユレートしたサン
プルを硝弗酸で酸洗したときの酸洗時間と巻取り
相当温度との関係を示すが、巻き取り温度が600
℃を越えると酸洗時間が相当に増大する。これは
製造プロセス上不利となるばかりでなく、酸洗量
増大による歩留り減少を意味するわけで、斯様な
観点から巻取り温度上限を600℃とした。 本発明によるものがマルエージング鋼として実
用に供される場合に所望の時効硬化を発揮するこ
とが重要であることから添加合金元素の量をNi
を含む下記の2種または3種以上を以下の範囲に
規制する。特に本発明では成分コスト上の観点か
ら主として有効な時効硬化が得られる上限添加量
を規制した。 15.0%Ni25.0% Co10.0% Mo7.0% Al0.2% Ti1.5% これらの元素は時効処理過程で、Ni3Mo、
(Fe、Ni、Co)2Mo、Fl3Mo、Ni3Ti、Fl3Al、
Ni3(Al、Ti)などの2元素或いは3元素以上の
金属間化合物を形成して著しい硬化に寄与する。
本発明においては特にNiを主体とする金属間化
合物〔Ni3Mo、(FeNi、Co)、Mo、Ni3Ti、Ni3
(Al、Ti)〕の析出強化を目的としたもので、
Fe3Mo、Fe3Alなどの析出強化を加算することに
よつて更に強化が図れる。従つてNiは不可欠の
元素としてその上、下限を設定し、下限は本発明
にあおける析出強化態を維持する上で15%とし、
又上限は素材コストが上昇するのみならず添加量
に見合つただけの析出強化が期待できなくなるこ
とから25%とする。第9図は18%Niをベースと
して各元素を添加した鋼について上記した本発明
による一連の処理を行つて溶体化した後480℃で
10分間の時効したときの硬度(HRC)上昇量を
示すが、この図から明らかなように上記した各元
素の添加範囲で略短時間時効における飽和硬化量
に達する。これはそれぞれ単独あるいは2元素添
加による結果であり、更に複合添加を行うことに
より硬化量を増大させ得ることは明かである。 従つて本発明では第9図による必要最大添加量
をもつて各元素の上限添加量とする。又本発明で
は殊更に規定しないが強化元素としてNb、Cr、
Cu等を添加することも有効である。更に本発明
では基本成分系として、C0.02%、Si0.1%、
Mn0.2%、P0.01%、S0.01%、N0.01
%に規制する。これらは主として延性を考慮した
もので上記の範囲に夫々制限することにより著し
い伸びの劣化は回避できる。 扨て、本発明では上記の内容に基く溶体化状態
のマルエージング冷延鋼板を製造する方法と共に
連続熱処理ラインにおけるインライン時効硬化処
理鋼帯の製造を可能にする。つまり本発明者等は
マルエージング鋼の時効硬化が時効開始から3分
以内で溶体化状態に比較して40%前後の硬化が、
又10分程度では50〜60%程度の硬化が認められる
ことから連続焼鈍ラインにおける過時効処理炉で
の短時間過時効でも実用に供するだけの高強度化
が図られることに着目した。第10図は前記した
鋼において本発明による条件で溶体化した後、
480℃で時効したときの時効硬化挙動を示すもの
で、この図から明かなように実際の連続焼鈍ライ
ンにおける過時効処理炉で一般的に行われている
熱処理時間(3min)でも40%以上の硬化が認
められ、実際の過時効処理炉で処理可能と考えら
れる10minでは50〜60%の硬化が認められる。こ
れは同一温度で3時間時効した場合は硬化率が70
〜80%程度であることから判断して短時間時効で
も充分実用に供するだけの強度が得られると言え
る。従つて本発明では溶体化後、インラインでの
短時間時効を行うことによつてセミハード状態の
マルエージング鋼帯製造を目的として400〜600℃
の温度で10分以下の時効処理を行う。ここで時効
温度が400℃未満の場合は10min以内の時効では
硬化率目安として本発明者等が設定した溶体化状
態に対して30%以上の硬化が望めず、一方600℃
を越える温度では10min以内の短時間時効でも過
時効現象が起つて材質が劣化すること、及び炉操
業上好ましくないと判断されるためである。 本発明方法によるものの具体的製造実施例につ
いて説明すると以下の如くである。 先ず次の第1表は本発明者等が具体的に用いた
本発明による鋼および比較鋼の化学組成である。
造方法に係り、200Kgf/mm2以上の引張強度を有
するような超高張力マルエージング冷延鋼板を連
続焼鈍ラインによつて適切に製造することのでき
る方法を提供しようとするものである。 産業上の利用分野 超高張力マルエージング冷延鋼板の製造。 従来技術 強度の極めて高いマルエージング鋼は従来から
知られている。即ちこの従来一般のマルエージン
グ鋼は極低炭素マルテンサイト組織中にV、Ti、
Al、Co、Moなどの2元素系又は多元素系の金属
間化合物を析出させた鋼であつて、変態組織強化
と強化能の大きい金属間化合物による析出強化と
を組み合わせることにより200Kgf/mm2以上の引
張強度が得られる。然して従来斯うした鋼の利用
はその成分および製造コストの観点から軍事、航
空、原子力、海洋開発などの特殊分野に限定さ
れ、その研究開発もそれら特殊分野への利用を前
提とした成分設計、強化機構、環境脆化などが主
体となつていた。 発明が解決しようとする問題点 上記のような在来一般のマルエージング鋼は、
一般的に低廉汎用性などが要求される冷間圧延薄
鋼板の分野でその利用が検討された例は極めて少
いが、このマルエージング鋼の有する前記のよう
な特性が斯様な冷間圧延薄鋼板分野に利用される
ことが好ましいことは言うまでもない。然して近
時における製鋼技術の高度進展によつて鋼の高清
浄化、製造プロセスの連続化などの製造技術上の
進歩と共に高強度化によるゲージダウンなどは上
記薄鋼板分野での利用を可能とする因子ではある
が、それを障害する技術的問題点は以下の如くで
ある。 マルエージング鋼は時効硬化処理に先立つて
溶体化処理を行う必要があり、この溶体化条件
は800〜850℃、好ましくは820℃で1時間程度
の加熱処理であることから連続熱処理ライン
で、このような溶体化処理を実施することが困
難である。 十分な時効硬化を達成するためには更に450
〜500℃、好ましくは480℃で3時間程度の時効
処理が必要とされており、このことも連続熱処
理ラインでの実施困難さを示す。 冷間圧延時の被圧延鋼帯組織がマルテンサイ
ト相であるため変形抵抗が高く、従来の圧延技
術ではミル負荷が大きいこととならざるを得な
い。 ところでこれらの問題点を解消する1つの手法
として特公昭58−18408号公報が開示されている。
即ち上記のような問題点は従来一般のマルエージ
ング鋼における材料設計が常に材質的に最高レベ
ルを指向して行われて来たためであり、利用技術
の面で等価性が保証されるならば熱処理条件など
に対する既成概念を打破することが可能である、
という観点に立つたもので、ストリツプフオーム
によつてマルエージング鋼帯を製造しようとする
ものである。然しこの技術においては鋼のミクロ
組織を820℃×1時間の溶体化処理材と等価な組
織とすることを前提としており、その溶体化処理
条件は連続熱処理ラインにおいて溶体化を行う上
でエネルギーコスト的或いは表面品質的に最適な
ものとなし得ない。 「発明の構成」 問題点を解決するための手段 本発明は上記したような実情に鑑み検討を重ね
て創案されたものであつて、 C:0.02wt%以下、Si0.1wt%、 Mn0.2wt%、P0.01wt%、 S0.01wt%、N0.01wt% を含有すると共に、 Ni:15〜25wt%、Co10.0wt%、 Mo7.0wt%、Al0.2wt% Ti1.5wt% の中の何れか2種又は3種以上を含有し、残部が
Feおよび不可避的不純物よりなる鋼を、1000℃
以下の累積圧下率を60%以下とすると共に950℃
以下の累積圧下率を20%以下として900℃以上で
熱間圧延を終了し、300〜600℃で巻取り、次いで
冷間圧延後に再結晶焼鈍および溶体化処理するこ
とを特徴とする超高張力マルエージング冷延鋼板
の製造方法である。 作 用 上記したような本発明によるものはその成分組
成によつて有効な時効硬化を得しめ、しかもマル
エージング鋼の時効硬化を連続焼鈍ラインにおい
て短時間に達成せしめてエネルギコストを低減
し、熱間圧延時の蓄積圧下率、仕上げ温度、巻取
り温度などを適切に選ぶことにより材質および表
面性状を良好とする。 実施例 上記したような本発明について更に説明する
と、本発明は例えば連続焼鈍ラインのような実際
の連続熱処理ラインにおいてコスト的に有利で、
しかも材質的或いは表面品質上優れたマルエージ
ング冷延鋼帯を製造しようとするものであつて、
前記したような成分組成の鋼を上記のように熱間
圧延後に冷間圧延してから連続焼鈍ラインによつ
て再結晶焼鈍・溶体化処理する熱処理温度Tおよ
び熱処理時間tについては以下の条件に制御して
処理する。 825℃T1050℃ T950℃でt0.5min T950℃でtexp(−T/90.2+9.8) T1000℃でt1.0min T1000℃でtexp(−T/64.6+15.5) 又上記したような最終終溶体化工程に続いて、
200℃以下の温度に任意の冷却方法で冷却した鋼
板を同一パスライン内に配置された加熱・均熱炉
によつて400℃以上600℃以下の温度で10分以下の
時効硬化処理を行う工程を適宜に付加する。 このような本発明に関して仔細を説明すると、
本発明は熱処理されるマルエージング鋼帯の材質
および表面品質を損うことなく冷間圧延後の再結
晶焼鈍・溶体化処理を短時間内に行うことを狙い
とするものであり、特に熱延鋼板におけるミクロ
組織を最適状態に制御することによつて従来技術
に比較し更に低温・短時間の熱処理で所望の材質
を得ることに成功したものである。然してマルエ
ージング鋼帯の利用技術に関しては溶体化状態で
成形を行つた後に時効硬化処理を行うことが最も
有利であつて、このような意味から再結晶焼鈍・
溶体化処理状態における材質が保証される必要が
ある。 そこで本発明者等は、wt%(以下単に%とい
う)で、C:0.009%、Si:0.01%、Mn:0.05%、
P:0.005%、S:0.001%、N:0.0037%、Ni:
18.1%、Co:8.2%、Mo:4.7%、Al:0.004%、
を含有した鋼(後述する第1表の鋼1)を素材と
して種々の検討を行つた。即ち先ず熱間圧延機で
圧延をなし、970℃で4.0mm厚に仕上げた熱延鋼帯
を室温まで放冷し、該鋼帯を酸洗後、1.0mmtま
で圧下率75%の冷間圧延をなし、再結晶焼鈍温度
と時間を種々に変化させて軟化焼鈍を行つた。然
して800℃、900℃および1000℃で熱処理時間を変
えて処理してから室温まで空冷した素材について
曲げ部に毛割れが発生する時点の限界曲げ半径
(R/t:板厚に対する限界半径の比)を熱処理
時間に対して整理した結果は第1図に示す通りで
ある。即ち高温かつ長時間の熱処理となるに伴い
限界曲げ半径は小さくなり曲げ成形性の向上が示
されるが、ここで超高強度鋼板として使用される
場合のR/tは3以下であれば実用に供するに適
したものと言える。 又このような熱処理の温度について詳細を検討
した結果は第2図に示す通りである。即ちこの第
2図において〇の中に示された数字はR/tであ
つて、前記のようにR/t=3を境界として曲げ
成形性に対し要求されるべき焼鈍温度と時間の領
域は950℃以上では0.5分以上であるが、820℃は
下限であつて、この850℃のときは2分以上であ
る。 ところで冷延鋼板として使用される場合の重要
な特性として表面性状が挙げられ、特に高温で熱
処理する場合は炉内雰囲気による表面の酸化が問
題となる。然して連続熱処理炉で光輝焼鈍を行う
場合には炉内雰囲気を還元性にする必要があり、
一般には窒素(N2)+5〜10%水素(H2)の雰
囲気で焼鈍する。このような完全な還元性雰囲気
下での焼鈍が可能なのはラジアントチユーブ加熱
(輻射管加熱)の炉であるが、850〜900℃を越え
る温度での操業が要求される場合はエネルギー効
率の悪化および輻射管の劣化などの点から好まし
いものでないから斯うした高温加熱を行う場合に
は直火加熱の炉が使用される。この直火加熱炉の
場合に比較的低い温度では低空燃比操業により非
酸化性雰囲気での加熱が可能であるが、1000℃近
傍で加熱する場合は燃焼廃ガスによる表面酸化が
避けられず、連続熱処理ラインでは焼鈍後に強還
元帯或いは酸洗槽を附設する必要がある。従つて
高温で再結晶焼鈍・溶体化処理を行つた後、イン
ラインでの酸化被膜除去あるいは最終製品の表面
性状を良好に保つことを考慮すると、熱処理過程
での表面の酸化を極力抑える必要がある。 そこで本発明者等は実機をシユミレートした小
型直火炉で、空燃比0.7〜0.9の条件で、1.0mmtの
カツトサンプルを温度と時間を変えて熱処理した
後、N2+5%H2雰囲気中で室温まで冷却して硝
弗酸溶液中で酸洗を行いその表面性状を評価し
た。即ち殆んど光輝焼鈍に近いものを5点、均一
な酸化被膜が形成され1min以内の酸洗で熱処理
前に相当する表面が得られるものを3点、強固で
かつ選択的な酸化被膜形成が認められ、1min以
内での酸洗が不可能なばかりか完全に酸洗を行つ
ても表面欠陥が残るものを1点として、各処理材
の表面を5段階評価した結果は第3図に示す通り
であつて、高温かつ長時間の処理で表面性状の劣
化が顕著となる。然して実用に供して支障のない
表面状態としては一般的に3以上であり、この範
囲はハツチングを以て示した矢印方向の範囲とな
り、熱処理時間1分では1000℃でもよいが、この
熱処理時間が10分となると850℃が限度である。 更にこの処理温度と時間との関係を、仔細に表
面性状との関係で示しているのが第4図であつ
て、この第4図には上記のような評点3を境界と
して許容される温度と時間の具体的な領域を区分
して示している。又このような第4図の結果と前
記した第2図の結果を総合して成形性および表面
性状の何れの面からも好ましい再結晶焼鈍温度と
熱処理時間の領域は第5図に示す如くなり、この
第5図に示された範囲は以下のような条件の範囲
である。 825℃T1050℃ t0.5min atT950℃ texp(−T/90.2+9.8)atT950℃ 熱処理時間の下限 t1.0min atT1000℃ texp(−T/64.6+15.5)atT1000℃ 熱処理時間の上限 然して本発明では上記した範囲において優れた
材質を得るためおよび製造プロセス上の配慮から
熱間圧延条件を特定の範囲内に規制する。即ち先
ず本発明では熱間仕上げ圧延において、1000℃以
下の温度範囲における累積圧下率を60%以下とす
ると共に950℃以下の温度範囲における累積圧下
率を20%以下に制御して900℃以上で圧延を完了
することを条件とする。 前記した第1〜第5図の検討に供した鋼につい
て、1000℃以下での累積圧下率を種々に変化させ
て圧延を行い、910℃で4.0mmtに仕上げた熱延鋼
板を、1.0mmtまで冷間圧延した後900℃で3分間
の再結晶焼鈍・溶体化処理を行つた。溶体化状態
でJIS5号試験片による引張試験を行つた場合の鋼
帯圧延方向での伸び(ElL)と直角方向での伸び
(ElT)の差(ΔEl)を1000℃から900℃での累積
圧下率と、950℃から900℃での累積圧下率で整理
した結果は第6図に示す通りである。即ち1000℃
以下での累積圧下率が大きい程、伸びの異方性が
大きくなり、特に950℃以下での累積圧下率が大
きい場合の異方性増大が顕著である。これは当該
鋼において熱間圧延時の動的回復・再結晶速度が
遅いため、比較的低温域で強圧低下を行うとオー
ステナイト粒が圧延方向に展伸し、集合組織が著
しく発達することを示し、特にこの傾向は表層部
において顕著となり、その結果板厚方向での集合
組織の差をもたらす。斯うしたオーステナイト領
域での集合組織は冷却に伴うマルテンサイト変態
相にも受けつがれ、冷間圧延および再結晶焼鈍過
程においてもこのようにして形成された結晶組織
の異方性が完全に消失しないことによるものと推
定される。そこで本発明では異方性の目安として
ΔEl1.0%を実用上問題のないものとし、従つ
て1000℃以下の累積圧下率を60%以下とすると共
に950〜900℃での累積圧下率を20%以下とする。 次に上記のような熱間圧延後の巻取り温度も製
造プロセス上重要な因子であり、本発明では以下
の理由によつてこれを規制する。先ず巻き取り温
度の下限は300℃とするもので、上述したような
熱延鋼板を1旦900℃でオーステナイト化してか
ら冷却途中の700℃から100℃の温度範囲で引張り
試験を行つた場合、200℃付近から急激に0.2%耐
力が増大する。これはプロセス上巻き取り負荷の
増加を示唆し、その理由は第7図に示す連続冷却
変態(CCT)挙動から200℃付近でマルテンサイ
ト変態が開始するためである。又当該鋼では巻き
取り前のランナウトテーブル上で変態が開始した
場合、ランナウト冷却の不均一によつて変態の進
行に不均一が生じ、板の形状が乱れるから巻き取
つた後、変態がコイル内で均一に起ることが板形
状の点で好ましい。即ちこれらの観点から巻取り
温度下限を300℃と規制した。 他方巻取り温度の上限は600℃とするが、これ
は主として脱スケール性を配慮したものである。
冷延鋼板の場合、冷間圧延前に酸洗或いは機械的
方法によつて脱スケールする必要があり、従つて
強固なスケールの形成された熱延鋼板では脱スケ
ール処理に手間がかかるばかりでなく脱スケール
が不完全となり易く、それによつて冷延鋼板の表
面性状に重大な欠陥をもたらす。第8図には前記
鋼を実験室規模の熱間圧延機で圧延し、700℃か
ら100℃に保持した大気炉中に1時間保持して炉
冷することにより巻取りをシミユレートしたサン
プルを硝弗酸で酸洗したときの酸洗時間と巻取り
相当温度との関係を示すが、巻き取り温度が600
℃を越えると酸洗時間が相当に増大する。これは
製造プロセス上不利となるばかりでなく、酸洗量
増大による歩留り減少を意味するわけで、斯様な
観点から巻取り温度上限を600℃とした。 本発明によるものがマルエージング鋼として実
用に供される場合に所望の時効硬化を発揮するこ
とが重要であることから添加合金元素の量をNi
を含む下記の2種または3種以上を以下の範囲に
規制する。特に本発明では成分コスト上の観点か
ら主として有効な時効硬化が得られる上限添加量
を規制した。 15.0%Ni25.0% Co10.0% Mo7.0% Al0.2% Ti1.5% これらの元素は時効処理過程で、Ni3Mo、
(Fe、Ni、Co)2Mo、Fl3Mo、Ni3Ti、Fl3Al、
Ni3(Al、Ti)などの2元素或いは3元素以上の
金属間化合物を形成して著しい硬化に寄与する。
本発明においては特にNiを主体とする金属間化
合物〔Ni3Mo、(FeNi、Co)、Mo、Ni3Ti、Ni3
(Al、Ti)〕の析出強化を目的としたもので、
Fe3Mo、Fe3Alなどの析出強化を加算することに
よつて更に強化が図れる。従つてNiは不可欠の
元素としてその上、下限を設定し、下限は本発明
にあおける析出強化態を維持する上で15%とし、
又上限は素材コストが上昇するのみならず添加量
に見合つただけの析出強化が期待できなくなるこ
とから25%とする。第9図は18%Niをベースと
して各元素を添加した鋼について上記した本発明
による一連の処理を行つて溶体化した後480℃で
10分間の時効したときの硬度(HRC)上昇量を
示すが、この図から明らかなように上記した各元
素の添加範囲で略短時間時効における飽和硬化量
に達する。これはそれぞれ単独あるいは2元素添
加による結果であり、更に複合添加を行うことに
より硬化量を増大させ得ることは明かである。 従つて本発明では第9図による必要最大添加量
をもつて各元素の上限添加量とする。又本発明で
は殊更に規定しないが強化元素としてNb、Cr、
Cu等を添加することも有効である。更に本発明
では基本成分系として、C0.02%、Si0.1%、
Mn0.2%、P0.01%、S0.01%、N0.01
%に規制する。これらは主として延性を考慮した
もので上記の範囲に夫々制限することにより著し
い伸びの劣化は回避できる。 扨て、本発明では上記の内容に基く溶体化状態
のマルエージング冷延鋼板を製造する方法と共に
連続熱処理ラインにおけるインライン時効硬化処
理鋼帯の製造を可能にする。つまり本発明者等は
マルエージング鋼の時効硬化が時効開始から3分
以内で溶体化状態に比較して40%前後の硬化が、
又10分程度では50〜60%程度の硬化が認められる
ことから連続焼鈍ラインにおける過時効処理炉で
の短時間過時効でも実用に供するだけの高強度化
が図られることに着目した。第10図は前記した
鋼において本発明による条件で溶体化した後、
480℃で時効したときの時効硬化挙動を示すもの
で、この図から明かなように実際の連続焼鈍ライ
ンにおける過時効処理炉で一般的に行われている
熱処理時間(3min)でも40%以上の硬化が認
められ、実際の過時効処理炉で処理可能と考えら
れる10minでは50〜60%の硬化が認められる。こ
れは同一温度で3時間時効した場合は硬化率が70
〜80%程度であることから判断して短時間時効で
も充分実用に供するだけの強度が得られると言え
る。従つて本発明では溶体化後、インラインでの
短時間時効を行うことによつてセミハード状態の
マルエージング鋼帯製造を目的として400〜600℃
の温度で10分以下の時効処理を行う。ここで時効
温度が400℃未満の場合は10min以内の時効では
硬化率目安として本発明者等が設定した溶体化状
態に対して30%以上の硬化が望めず、一方600℃
を越える温度では10min以内の短時間時効でも過
時効現象が起つて材質が劣化すること、及び炉操
業上好ましくないと判断されるためである。 本発明方法によるものの具体的製造実施例につ
いて説明すると以下の如くである。 先ず次の第1表は本発明者等が具体的に用いた
本発明による鋼および比較鋼の化学組成である。
【表】
【表】
実施例 1
真空溶解炉で溶製した第1表の鋼1〜7につい
て1250℃に加熱後熱間圧延した。熱間圧延条件は
本発明による条件として1000℃以下での累積圧下
率を50%、仕上げ温度920℃で4.0mmtとし、この
供試材を酸洗後1.0mmtまで冷間圧延した後900℃
×3minの再結晶焼鈍・溶体化処理を行つた。 この溶体化後の硬度(HRC)と破断伸び(G.
L.:50mm、G.W.:12.5mm)および480℃×10min
の時効後の硬度(HRC)の値は次の第2表の如
くであつた。
て1250℃に加熱後熱間圧延した。熱間圧延条件は
本発明による条件として1000℃以下での累積圧下
率を50%、仕上げ温度920℃で4.0mmtとし、この
供試材を酸洗後1.0mmtまで冷間圧延した後900℃
×3minの再結晶焼鈍・溶体化処理を行つた。 この溶体化後の硬度(HRC)と破断伸び(G.
L.:50mm、G.W.:12.5mm)および480℃×10min
の時効後の硬度(HRC)の値は次の第2表の如
くであつた。
【表】
即ち母金属としてのFe中の不可避的元素(C、
Si、Mn、P、S、N)が本発明による上限規制
値を越えた場合は、本発明による鋼に匹敵する時
効硬化は得られるが、溶体化状態での曲げ性が劣
化することが理解される。 実施例 2 実施例1と同様の条件で溶製し、熱間圧延、冷
間圧延および再結晶焼鈍・溶体化を行つた鋼1、
2および鋼8〜14について溶体化後の延性異方性
(ΔEl)と限界曲げ半径(R/t)および時効後
の硬度(HRC)は次の第3表の通りである。
Si、Mn、P、S、N)が本発明による上限規制
値を越えた場合は、本発明による鋼に匹敵する時
効硬化は得られるが、溶体化状態での曲げ性が劣
化することが理解される。 実施例 2 実施例1と同様の条件で溶製し、熱間圧延、冷
間圧延および再結晶焼鈍・溶体化を行つた鋼1、
2および鋼8〜14について溶体化後の延性異方性
(ΔEl)と限界曲げ半径(R/t)および時効後
の硬度(HRC)は次の第3表の通りである。
【表】
即ち強化元素として添加されるNi、Co、Mo、
Al、Tiが本発明における上限値を超えた場合は
時効硬化後の硬度は高くなるが再結晶速度が遅滞
することにより本発明で規定した熱処理条件では
冷間圧延組織が充分に回復しない。そのため本発
明による鋼に比較して延性の異方性および限界曲
げ半径が大きい。一方Niに関しては下限値(15
%)以下の場合には十分な硬化率を期待すること
ができない。 実施例 3 本発明による製造法の効果については第1表中
の鋼1について第1〜10図に詳述したが、他の
鋼についても同様であつて、次の第4表に比較法
と共に併せて示す通りである。
Al、Tiが本発明における上限値を超えた場合は
時効硬化後の硬度は高くなるが再結晶速度が遅滞
することにより本発明で規定した熱処理条件では
冷間圧延組織が充分に回復しない。そのため本発
明による鋼に比較して延性の異方性および限界曲
げ半径が大きい。一方Niに関しては下限値(15
%)以下の場合には十分な硬化率を期待すること
ができない。 実施例 3 本発明による製造法の効果については第1表中
の鋼1について第1〜10図に詳述したが、他の
鋼についても同様であつて、次の第4表に比較法
と共に併せて示す通りである。
【表】
「発明の効果」
以上説明したような本発明によるときは超高張
力マルエージング冷延鋼板を薄鋼板に関する連続
焼鈍ラインによつて、その材質上および表面品質
上ともに良好で、しかもエネルギーコスト上も有
利に製造することができるものであつて、工業的
にその効果の大きい発明である。
力マルエージング冷延鋼板を薄鋼板に関する連続
焼鈍ラインによつて、その材質上および表面品質
上ともに良好で、しかもエネルギーコスト上も有
利に製造することができるものであつて、工業的
にその効果の大きい発明である。
図面は本発明の技術的内容を示すものであつ
て、第1図は再結晶焼鈍後の鋼帯について圧延直
角方向の限界曲げ半径(R/t:板厚に対する
比)におよぼす焼鈍温度と時間の影響を示した図
表、第2図はこの限界曲げ比で規制した本発明に
おける再結晶焼鈍温度と熱処理時間の範囲を示し
た図表、第3図は再結晶焼鈍後の後の表面酸化被
膜評点に及ぼす焼鈍温度と時間の影響を示した図
表、第4図は表面性状評点で規制した本発明にお
ける再結晶焼鈍温度と熱処理時間の範囲を示した
図表、第5図は本発明における再結晶焼鈍温度と
時間に対する本発明の関係を示した図表、第6図
は溶体化後の延性の異方性(ΔEl)におよぼす熱
間圧延時における異積圧下率の影響を示した図
表、第7図は本発明における鋼の1つについて連
続冷却変態(CCT)挙動を示した図表、第8図
は熱間圧延巻取り温度の0.2%耐力および巻き取
り後の素材酸洗時間におよぼす巻取り温度の影響
を示した図表、第9図は溶体化後の時効硬化率に
対する添加合金元素量の影響を説明した図表、第
10図は短時間溶体化材の480℃における時効時
間と時効硬化率の関係を示した図表である。
て、第1図は再結晶焼鈍後の鋼帯について圧延直
角方向の限界曲げ半径(R/t:板厚に対する
比)におよぼす焼鈍温度と時間の影響を示した図
表、第2図はこの限界曲げ比で規制した本発明に
おける再結晶焼鈍温度と熱処理時間の範囲を示し
た図表、第3図は再結晶焼鈍後の後の表面酸化被
膜評点に及ぼす焼鈍温度と時間の影響を示した図
表、第4図は表面性状評点で規制した本発明にお
ける再結晶焼鈍温度と熱処理時間の範囲を示した
図表、第5図は本発明における再結晶焼鈍温度と
時間に対する本発明の関係を示した図表、第6図
は溶体化後の延性の異方性(ΔEl)におよぼす熱
間圧延時における異積圧下率の影響を示した図
表、第7図は本発明における鋼の1つについて連
続冷却変態(CCT)挙動を示した図表、第8図
は熱間圧延巻取り温度の0.2%耐力および巻き取
り後の素材酸洗時間におよぼす巻取り温度の影響
を示した図表、第9図は溶体化後の時効硬化率に
対する添加合金元素量の影響を説明した図表、第
10図は短時間溶体化材の480℃における時効時
間と時効硬化率の関係を示した図表である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.02wt%以下、Si0.1wt%、 Mn0.2wt%、P0.01wt%、 S0.01wt%、N0.01wt%、 を含有すると共に、 Ni:15〜25wt%、Co1.00wt%、 Mo7.0wt%、Al0.2wt%、 Ti1.5wt% の中のNiを含む何れか2種又は3種以上を含有
し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる鋼
を、1000℃以下の累積圧下率を60%以下とすると
共に950℃以下の累積圧下率を20%以下として900
℃以上で熱間圧延を終了し、300〜600℃で巻取
り、次いで冷間圧延後に再結晶焼鈍および溶体化
処理することを特徴とする超高張力マルエージン
グ冷延鋼板の製造方法。 2 溶体化工程に続いて200℃以下の温度に冷却
した鋼帯を同一パスライン内に配置された加熱・
均熱炉の時効硬化処理をする特許請求の範囲第1
項に記載の超高張力マルエージング冷延鋼板の製
造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59088337A JPS60234920A (ja) | 1984-05-04 | 1984-05-04 | 超高張力マルエ−ジング冷延鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59088337A JPS60234920A (ja) | 1984-05-04 | 1984-05-04 | 超高張力マルエ−ジング冷延鋼板の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60234920A JPS60234920A (ja) | 1985-11-21 |
| JPH058255B2 true JPH058255B2 (ja) | 1993-02-01 |
Family
ID=13940050
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59088337A Granted JPS60234920A (ja) | 1984-05-04 | 1984-05-04 | 超高張力マルエ−ジング冷延鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60234920A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100884639B1 (ko) * | 2000-11-17 | 2009-02-23 | 임피 위진느 프레씨지옹 | 냉간압연된 마레이징 강 띠강판에서 절삭된 띠강판 또는 부품을 제조하는 방법 |
Families Citing this family (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS62274054A (ja) * | 1986-05-22 | 1987-11-28 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | マルエ−ジング鋼及びその熱処理法 |
| JP5344329B2 (ja) * | 2011-03-22 | 2013-11-20 | 日立金属株式会社 | 熱間圧延マルエージング鋼帯の巻取り方法 |
| JP2013185165A (ja) * | 2012-03-06 | 2013-09-19 | Daihatsu Motor Co Ltd | マルエージング鋼の熱処理方法 |
| WO2014046181A1 (ja) | 2012-09-21 | 2014-03-27 | 日立金属株式会社 | マルエージング鋼コイルの製造方法 |
| DE102016102770B4 (de) * | 2016-02-17 | 2024-12-05 | Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft | Verfahren zur Herstellung eines Bauteils, insbesondere eines Fahrwerksbauteils, eines Kraftfahrzeugs |
| JP2017218634A (ja) * | 2016-06-08 | 2017-12-14 | 株式会社神戸製鋼所 | マルエージング鋼 |
| WO2020128568A1 (en) * | 2018-12-17 | 2020-06-25 | Arcelormittal | Hot rolled and steel and a method of manufacturing thereof |
| CN115369332B (zh) * | 2022-08-24 | 2023-07-14 | 中航上大高温合金材料股份有限公司 | 一种马氏体时效超高强度钢及其制备方法 |
-
1984
- 1984-05-04 JP JP59088337A patent/JPS60234920A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100884639B1 (ko) * | 2000-11-17 | 2009-02-23 | 임피 위진느 프레씨지옹 | 냉간압연된 마레이징 강 띠강판에서 절삭된 띠강판 또는 부품을 제조하는 방법 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60234920A (ja) | 1985-11-21 |
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