JPH0583611B2 - - Google Patents
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- JPH0583611B2 JPH0583611B2 JP10543788A JP10543788A JPH0583611B2 JP H0583611 B2 JPH0583611 B2 JP H0583611B2 JP 10543788 A JP10543788 A JP 10543788A JP 10543788 A JP10543788 A JP 10543788A JP H0583611 B2 JPH0583611 B2 JP H0583611B2
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- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- steel wire
- less
- steel
- hydrogen
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- Expired - Lifetime
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- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は引張強さ50Kgf/mm2以上の高強度鋼線
の製造法に関し、さらに詳しくは、湿潤硫化水素
環境等で使用される耐水素誘起割れ特性にすぐれ
た高強度鋼線の製造法に関するものである。 [従来の技術] 従来、たとえばガス、原油等の高圧流体輸送用
フレキシブルパイプの鎧装線などは、C0.2%以下
の低炭素鋼線材を伸線加工後、異形引抜、ローラ
ーダイス加工、圧延等の異形加工により所定の断
面形状の異形鋼線(平圧線や溝形線)となし、そ
のままないしは500℃未満の低温焼鈍を行つたの
ち、非サワー環境の使用に供せられていた。 しかし、最近の深井戸化に伴つて、ガスおよび
油井の環境が厳しくなつてきた。 すなわち、硫化水素を伴つたサワー環境(湿潤
硫化水素環境)が多くなつてきた。 このため、異形鋼線に要求される特性の中で最
も重要なものは、使用環境より鋼線中に侵入する
水素に対し十分安定であり、水素誘起割れ
(Hydrogen Induced Cracking,以下HICとい
う)の発生しないことである。 以上の如く、環境の変化に伴い、新たに、耐水
素誘起割れ特性に優れた高強度鋼線が要望されて
きたが、HIC特性の優れた高強度鋼線の公開およ
び公告特許は開示されていない。 しかし、鋼板の製造例では、特許出願公告であ
る特公昭63−1369に開示されており、これは
C0.12%以下で、Ti,Mo,Ni等の特殊元素を含
有したものを、圧延条件のコントロールによつ
て、耐水素誘起割れ性を有するものである。しか
し、高Cで冷間加工を伴う鋼線に耐水素誘起割れ
特性を付与することは、この鋼板の製造法の特許
思想から推定又は応用することは著しく困難であ
る。 [発明が解決しようとする課題] このような従来の製造法の問題点は、冷間加工
度が高く、また、焼鈍を行つても強度を確保する
必要上低温焼鈍とならざるを得ないため、環境よ
り侵入する水素に対する抵抗性が小さいことであ
る。このため、鋼線内部の比較的ひずみの集中す
る部分にHICが発生し易く、はなはだしい場合
は、使用中に鋼線の破壊、すなわち断線を惹起す
ることとなる。 これらHICは鋼の化学成分や不純物としてのP
やSの量にも影響されるが、鋼線の強度にも強く
依存し、引張強さ50Kgf/mm2以上の鋼線に発生し
やすい。一方、環境の影響も大きく、環境の水素
イオン濃度の増加にともないHICも増加する。 本発明の目的は、湿潤硫化水素環境で使用され
る耐水素誘起割れ特性のすぐれた高強度鋼線の製
造法を提供することにある。 [課題を解決するための手段、作用] 本発明は、C:0.40〜0.70%、Si:0.10〜1%、
Mn:0.20〜1%、P:0.025%以下、S:0.010%
以下を含有し、必要に応じてAl0.008〜0.050%を
含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からな
る鋼線にパテンテイングを施し均一な微細パーラ
イト組織とした後断面減少率25〜75%の冷間加工
を行い、温度550〜700℃の低温球状化焼鈍するこ
とを特徴とする耐水素誘起割れ特性に優れた高強
度鋼線の製造法である。 以下、本発明について詳細に説明する。 C0.40%未満では、後で述べる550〜700℃の低
温球状化焼鈍により所定の強度が得られない。ま
たC0.70%を超えると冷間加工で強加工が困難と
なり、加工中に鋼線中心部に微細クラツクが発生
してHIC特性が劣化するのみならず、端面に割れ
が発生するため、0.70%を上限とした。 Siは脱酸剤として、最低0.10%以上必要であ
り、その差は多くなるに従つて強度が向上する。
しかし1%を超えると、例えば鋳片およびビレツ
ト加熱炉での脱炭が激しくなり、これがそのまま
鋼線に残り、冷間加工時に割れが発生するため好
ましくない。 Mnは熱間脆性を防止するため0.2%以上必要で
ある。また、Mnは焼入性を向上させるため、パ
テンテイングにより均一なパーライト組織を得る
ためその量は多いほど望ましいが、1%を越える
と中心偏析に起因するHICの発生頻度が高くなる
ため1%を上限とする。 次にPは粒界に偏析しやすいため、加工性の低
下、割れを誘発しやすいので、その量は少ないほ
ど好ましい。しかし、連続鋳造で製造する場合、
溶製温度を高くするため復Pが起こるので上限の
みを0.025%に規定した。 SはPと同様な弊害のほか、耐食性の点で少量
ほど好ましいが、現在経済的に製造できる0.010
%以下とした。なおSは0.001%迄は工業的生産
が十分可能である。 Alは結晶粒の細粒化および脱酸剤として使用
される場合と、反対に粗粒鋼指定およびAlによ
る鋼中非金属介在物を防止するためAlを添加し
ない場合がある。Al添加の場合、例えば細粒化
に必要なSolAlとして、最低0.006%以上必要であ
るが、このとき全Al量のうちSolAlとInsolAlの
分配(比率)は8:2であるため、下限を0.008
%とした。Alは0.050%を超えると鋼中非金属介
在物が増加するため、製品品質および歩留が低下
する。溶製歩留およびバラツキを考慮すると、
Al添加の場合には通常0.015〜0.035%が好まし
い。一方Al無添加の場合の鋼中Alは0.008%未満
の値を示す。Alは上述の目的により必要に応じ
て使用すればよい。 上述の各元素のほかに、異形鋼線の肉厚が厚い
ために焼入性が不足する場合には、0.6%以下の
Crを添加することが有効である。さらに0.3%以
下のCuおよび0.02%以下のWは鋼中への水素侵入
を抑制する効果があるので、必要に応じてこれら
を添加すれば、より一層耐水素誘起割れ特性を向
上させることができる。 以上の組成からなる鋼材を加工して鋼線とする
が、本発明の鋼線とは、鋼材(線材、棒鋼等)を
異形引抜およびローラーダイス加工又は圧延等の
加工により、所定の断面形状が円または異形鋼線
(平圧線や溝形線)を総称している。 また、ここでは焼鈍後の引張強さが50〜80Kg
f/mm2のものを高強度鋼線と称している。すなわ
ち、引張強さが50Kgf/mm2以上ないと内圧および
外圧に耐えられず、深井戸用の鎧装線としての効
果が少ない。一方、引張強さが80Kgf/mm2を超え
ると、硬度がHRC22以上となり、硫化物応力腐
食割れを生じるため、上限を80Kgf/mm2とした。 次に本発明にかかわる加工方法に関して説明す
る。 通常、線材は加工前に熱処理を行うが、その代
表的なものが、パテンテイング処理であり、これ
によつて線材の組織を均一な微細パーライト組織
とし、これにより断面減少率25%〜75%の加工に
耐えうる性能を有する鋼線を製造することにあ
る。 本発明で断面減少率25%〜75%の範囲に限定し
た理由を説明する。 断面減少率25%未満では、加工後の550〜700℃
の低温球状化焼鈍で、セメンタイトの球状化が不
十分となり、HICが発生する。また断面減少率75
%を超えると、例えば平圧線の端面および内部に
加工による割れが発生し、特に内部割れはHICを
誘発するので好ましくない。なお、本発明の断面
減少率は次式で定義する。 断面減少率(%)=(1−S/So)×100 S:異形加工された鋼線の断面積 So:素線(線材)の断面積 本発明の特徴は、断面減少率25〜75%の冷間加
工後、550〜700℃での球状化焼鈍を行い、加工歪
を除去するとともに、パーライト組織をフエライ
ト(マトリツクス)中に微細な球状化セメンタイ
トの分散した組織に変えることにある。 即ち本発明の方法で得られた球状化セメンタイ
ト組織は、従来のパーライト組織にくらべてHIC
特性が著しく優れていることを新たに見い出した
ものである。鋼中に侵入した水素原子は、セメン
タイト/フエライト界面に集積し、そこにHICの
核を形成するが、本発明の低温の球状化セメンタ
イトの場合には応力集中が小さいためにクラツク
の発生が抑制され、またクラツクの伝播径路とな
る局部的な高転位密度領域が存在しないため、耐
水素誘起割れ特性が優れているものと考えられ
る。 以下パテンテイング工程以降について、線材か
ら鋼線を製造する例をもつて詳細説明する。上述
の組成の線材のパテンテイングの種類としては、 1 線材メーカーで線材圧延時の熱(高温)を利
用し、圧延終了後直ちに500〜600℃の塩浴に浸
漬する方法(以下、DLPという)、 2 同様に、圧延終了後直ちに衝風冷却する方法
(以下、DPという)、 3 線材加工メーカーにおいて線材をオーステナ
イト温度領域に加熱後、500〜600℃に保持した
鉛浴槽に浸漬する方法、即ち鉛パテンテイング
(以下、LPという)がある。 以上のうち、LPの方法でパテンテイングされ
た2種類の線材(9.5mmφ)を伸線加工および平
圧延で平圧線を製造したのち、球状化焼鈍温度範
囲を求めた。これを第1図に示す。球状化焼鈍は
昇温2時間、保温4時間のうち、炉冷の条件で行
つた。 本発明の低温化球状焼鈍では焼鈍温度は550〜
700℃で行う。50Kgf/mm2以上の引張強さが得ら
れるのは、C0.42%の鋼線では690℃以下、また
C0.65%では700℃以下である。一方、引張強さ80
Kgf/mm2以下が得られる球状化焼鈍温度は、
C0.42%では500℃以上、C0.65%では540℃以上必
要である。 Ac1変態点の近傍の高温で球状化焼鈍を行うと
球状セメンタイトの粒子は本発明の低温球状化焼
鈍の場合よりも大きくなるが、図1にみられる如
く、引張強さは50Kgf/mm2以下となる。 従つて低温球状化焼鈍の温度範囲は500〜700℃
となる。 しかし、成分範囲および炉内温度のバラツキ
(変動)等を考慮すると工業的には焼鈍の下限温
度は550℃が最適である。従つて本発明の低温球
状化焼鈍は温度範囲を550℃〜700℃とする。 [実施例] 鉛パテンテイング(LP)によつてパーライト
組織にされた9.5mmφの線材を伸線加工により直
径5mmφとし、次いで平圧延にて、厚み0.9〜
2.85mmの平線とした。引続き、これを球状化焼鈍
したのち引張試験およびHIC試験を行つた。引張
試験片は450mm長さのものを用いた。 一方、HIC特性の評価は次の方法で行つた。上
述の平線を長さ100mmに切断し、5%NaCl−0.5
%CH3COOH−H2S飽和溶液中に25℃で96時間
浸漬後、横断面を3ケ所研磨し、ミクロクラツク
の有無を光学顕微鏡で観察した。 使用した材料の化学成分、パテンテイング条
件、
の製造法に関し、さらに詳しくは、湿潤硫化水素
環境等で使用される耐水素誘起割れ特性にすぐれ
た高強度鋼線の製造法に関するものである。 [従来の技術] 従来、たとえばガス、原油等の高圧流体輸送用
フレキシブルパイプの鎧装線などは、C0.2%以下
の低炭素鋼線材を伸線加工後、異形引抜、ローラ
ーダイス加工、圧延等の異形加工により所定の断
面形状の異形鋼線(平圧線や溝形線)となし、そ
のままないしは500℃未満の低温焼鈍を行つたの
ち、非サワー環境の使用に供せられていた。 しかし、最近の深井戸化に伴つて、ガスおよび
油井の環境が厳しくなつてきた。 すなわち、硫化水素を伴つたサワー環境(湿潤
硫化水素環境)が多くなつてきた。 このため、異形鋼線に要求される特性の中で最
も重要なものは、使用環境より鋼線中に侵入する
水素に対し十分安定であり、水素誘起割れ
(Hydrogen Induced Cracking,以下HICとい
う)の発生しないことである。 以上の如く、環境の変化に伴い、新たに、耐水
素誘起割れ特性に優れた高強度鋼線が要望されて
きたが、HIC特性の優れた高強度鋼線の公開およ
び公告特許は開示されていない。 しかし、鋼板の製造例では、特許出願公告であ
る特公昭63−1369に開示されており、これは
C0.12%以下で、Ti,Mo,Ni等の特殊元素を含
有したものを、圧延条件のコントロールによつ
て、耐水素誘起割れ性を有するものである。しか
し、高Cで冷間加工を伴う鋼線に耐水素誘起割れ
特性を付与することは、この鋼板の製造法の特許
思想から推定又は応用することは著しく困難であ
る。 [発明が解決しようとする課題] このような従来の製造法の問題点は、冷間加工
度が高く、また、焼鈍を行つても強度を確保する
必要上低温焼鈍とならざるを得ないため、環境よ
り侵入する水素に対する抵抗性が小さいことであ
る。このため、鋼線内部の比較的ひずみの集中す
る部分にHICが発生し易く、はなはだしい場合
は、使用中に鋼線の破壊、すなわち断線を惹起す
ることとなる。 これらHICは鋼の化学成分や不純物としてのP
やSの量にも影響されるが、鋼線の強度にも強く
依存し、引張強さ50Kgf/mm2以上の鋼線に発生し
やすい。一方、環境の影響も大きく、環境の水素
イオン濃度の増加にともないHICも増加する。 本発明の目的は、湿潤硫化水素環境で使用され
る耐水素誘起割れ特性のすぐれた高強度鋼線の製
造法を提供することにある。 [課題を解決するための手段、作用] 本発明は、C:0.40〜0.70%、Si:0.10〜1%、
Mn:0.20〜1%、P:0.025%以下、S:0.010%
以下を含有し、必要に応じてAl0.008〜0.050%を
含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からな
る鋼線にパテンテイングを施し均一な微細パーラ
イト組織とした後断面減少率25〜75%の冷間加工
を行い、温度550〜700℃の低温球状化焼鈍するこ
とを特徴とする耐水素誘起割れ特性に優れた高強
度鋼線の製造法である。 以下、本発明について詳細に説明する。 C0.40%未満では、後で述べる550〜700℃の低
温球状化焼鈍により所定の強度が得られない。ま
たC0.70%を超えると冷間加工で強加工が困難と
なり、加工中に鋼線中心部に微細クラツクが発生
してHIC特性が劣化するのみならず、端面に割れ
が発生するため、0.70%を上限とした。 Siは脱酸剤として、最低0.10%以上必要であ
り、その差は多くなるに従つて強度が向上する。
しかし1%を超えると、例えば鋳片およびビレツ
ト加熱炉での脱炭が激しくなり、これがそのまま
鋼線に残り、冷間加工時に割れが発生するため好
ましくない。 Mnは熱間脆性を防止するため0.2%以上必要で
ある。また、Mnは焼入性を向上させるため、パ
テンテイングにより均一なパーライト組織を得る
ためその量は多いほど望ましいが、1%を越える
と中心偏析に起因するHICの発生頻度が高くなる
ため1%を上限とする。 次にPは粒界に偏析しやすいため、加工性の低
下、割れを誘発しやすいので、その量は少ないほ
ど好ましい。しかし、連続鋳造で製造する場合、
溶製温度を高くするため復Pが起こるので上限の
みを0.025%に規定した。 SはPと同様な弊害のほか、耐食性の点で少量
ほど好ましいが、現在経済的に製造できる0.010
%以下とした。なおSは0.001%迄は工業的生産
が十分可能である。 Alは結晶粒の細粒化および脱酸剤として使用
される場合と、反対に粗粒鋼指定およびAlによ
る鋼中非金属介在物を防止するためAlを添加し
ない場合がある。Al添加の場合、例えば細粒化
に必要なSolAlとして、最低0.006%以上必要であ
るが、このとき全Al量のうちSolAlとInsolAlの
分配(比率)は8:2であるため、下限を0.008
%とした。Alは0.050%を超えると鋼中非金属介
在物が増加するため、製品品質および歩留が低下
する。溶製歩留およびバラツキを考慮すると、
Al添加の場合には通常0.015〜0.035%が好まし
い。一方Al無添加の場合の鋼中Alは0.008%未満
の値を示す。Alは上述の目的により必要に応じ
て使用すればよい。 上述の各元素のほかに、異形鋼線の肉厚が厚い
ために焼入性が不足する場合には、0.6%以下の
Crを添加することが有効である。さらに0.3%以
下のCuおよび0.02%以下のWは鋼中への水素侵入
を抑制する効果があるので、必要に応じてこれら
を添加すれば、より一層耐水素誘起割れ特性を向
上させることができる。 以上の組成からなる鋼材を加工して鋼線とする
が、本発明の鋼線とは、鋼材(線材、棒鋼等)を
異形引抜およびローラーダイス加工又は圧延等の
加工により、所定の断面形状が円または異形鋼線
(平圧線や溝形線)を総称している。 また、ここでは焼鈍後の引張強さが50〜80Kg
f/mm2のものを高強度鋼線と称している。すなわ
ち、引張強さが50Kgf/mm2以上ないと内圧および
外圧に耐えられず、深井戸用の鎧装線としての効
果が少ない。一方、引張強さが80Kgf/mm2を超え
ると、硬度がHRC22以上となり、硫化物応力腐
食割れを生じるため、上限を80Kgf/mm2とした。 次に本発明にかかわる加工方法に関して説明す
る。 通常、線材は加工前に熱処理を行うが、その代
表的なものが、パテンテイング処理であり、これ
によつて線材の組織を均一な微細パーライト組織
とし、これにより断面減少率25%〜75%の加工に
耐えうる性能を有する鋼線を製造することにあ
る。 本発明で断面減少率25%〜75%の範囲に限定し
た理由を説明する。 断面減少率25%未満では、加工後の550〜700℃
の低温球状化焼鈍で、セメンタイトの球状化が不
十分となり、HICが発生する。また断面減少率75
%を超えると、例えば平圧線の端面および内部に
加工による割れが発生し、特に内部割れはHICを
誘発するので好ましくない。なお、本発明の断面
減少率は次式で定義する。 断面減少率(%)=(1−S/So)×100 S:異形加工された鋼線の断面積 So:素線(線材)の断面積 本発明の特徴は、断面減少率25〜75%の冷間加
工後、550〜700℃での球状化焼鈍を行い、加工歪
を除去するとともに、パーライト組織をフエライ
ト(マトリツクス)中に微細な球状化セメンタイ
トの分散した組織に変えることにある。 即ち本発明の方法で得られた球状化セメンタイ
ト組織は、従来のパーライト組織にくらべてHIC
特性が著しく優れていることを新たに見い出した
ものである。鋼中に侵入した水素原子は、セメン
タイト/フエライト界面に集積し、そこにHICの
核を形成するが、本発明の低温の球状化セメンタ
イトの場合には応力集中が小さいためにクラツク
の発生が抑制され、またクラツクの伝播径路とな
る局部的な高転位密度領域が存在しないため、耐
水素誘起割れ特性が優れているものと考えられ
る。 以下パテンテイング工程以降について、線材か
ら鋼線を製造する例をもつて詳細説明する。上述
の組成の線材のパテンテイングの種類としては、 1 線材メーカーで線材圧延時の熱(高温)を利
用し、圧延終了後直ちに500〜600℃の塩浴に浸
漬する方法(以下、DLPという)、 2 同様に、圧延終了後直ちに衝風冷却する方法
(以下、DPという)、 3 線材加工メーカーにおいて線材をオーステナ
イト温度領域に加熱後、500〜600℃に保持した
鉛浴槽に浸漬する方法、即ち鉛パテンテイング
(以下、LPという)がある。 以上のうち、LPの方法でパテンテイングされ
た2種類の線材(9.5mmφ)を伸線加工および平
圧延で平圧線を製造したのち、球状化焼鈍温度範
囲を求めた。これを第1図に示す。球状化焼鈍は
昇温2時間、保温4時間のうち、炉冷の条件で行
つた。 本発明の低温化球状焼鈍では焼鈍温度は550〜
700℃で行う。50Kgf/mm2以上の引張強さが得ら
れるのは、C0.42%の鋼線では690℃以下、また
C0.65%では700℃以下である。一方、引張強さ80
Kgf/mm2以下が得られる球状化焼鈍温度は、
C0.42%では500℃以上、C0.65%では540℃以上必
要である。 Ac1変態点の近傍の高温で球状化焼鈍を行うと
球状セメンタイトの粒子は本発明の低温球状化焼
鈍の場合よりも大きくなるが、図1にみられる如
く、引張強さは50Kgf/mm2以下となる。 従つて低温球状化焼鈍の温度範囲は500〜700℃
となる。 しかし、成分範囲および炉内温度のバラツキ
(変動)等を考慮すると工業的には焼鈍の下限温
度は550℃が最適である。従つて本発明の低温球
状化焼鈍は温度範囲を550℃〜700℃とする。 [実施例] 鉛パテンテイング(LP)によつてパーライト
組織にされた9.5mmφの線材を伸線加工により直
径5mmφとし、次いで平圧延にて、厚み0.9〜
2.85mmの平線とした。引続き、これを球状化焼鈍
したのち引張試験およびHIC試験を行つた。引張
試験片は450mm長さのものを用いた。 一方、HIC特性の評価は次の方法で行つた。上
述の平線を長さ100mmに切断し、5%NaCl−0.5
%CH3COOH−H2S飽和溶液中に25℃で96時間
浸漬後、横断面を3ケ所研磨し、ミクロクラツク
の有無を光学顕微鏡で観察した。 使用した材料の化学成分、パテンテイング条
件、
【表】
冷間加工および加工後の球状化焼鈍温度等の製
造条件ならびその製品の引張強さ、HIC特性を第
1表に示す。 本発明法は第1表のNo.1〜6、No.11〜15および
No.18〜20であり、また従来法および比較例はNo.7
〜10、No.16〜17である。従来法では焼鈍を行わな
いと引張強さが100Kgf/mm2以上と高くHICが多
発する。一方、焼鈍温度がAc1近傍の、720℃の
高温の球状化焼鈍では、HICは皆無であるが引張
強さ50Kgf/mm2以上を満足しなくなる。逆に500
℃未満の過度に低温での焼鈍では不完全な球状化
組織のためHICが発生する。一方、断面減少率が
20%以下でも同様、強度とHIC特性のバランスが
とれていない。以上のように従来法では、パーラ
イト組織ないしは望ましくない(不完全なあるい
は過剰な)球状化組織であるため、両特性を満足
しない。 本発明では、これまで説明した如く、最適な球
状化組織を呈し、要求特性を十分満足している。 [発明の効果] 以上述べてきた如く、本発明法にしたがつて製
造された鋼線は耐水素誘起割れ特性がきわめて優
れており、きびしい湿潤硫化水素環境で使用して
も破壊することがない。 また、平圧線について述べてきたが、他の異形
線、ボルト、棒鋼など一般の鋼材についても同様
な方法で製造することにより、耐水素誘起割れ特
性のすぐれた鋼材を製造することが可能である。
造条件ならびその製品の引張強さ、HIC特性を第
1表に示す。 本発明法は第1表のNo.1〜6、No.11〜15および
No.18〜20であり、また従来法および比較例はNo.7
〜10、No.16〜17である。従来法では焼鈍を行わな
いと引張強さが100Kgf/mm2以上と高くHICが多
発する。一方、焼鈍温度がAc1近傍の、720℃の
高温の球状化焼鈍では、HICは皆無であるが引張
強さ50Kgf/mm2以上を満足しなくなる。逆に500
℃未満の過度に低温での焼鈍では不完全な球状化
組織のためHICが発生する。一方、断面減少率が
20%以下でも同様、強度とHIC特性のバランスが
とれていない。以上のように従来法では、パーラ
イト組織ないしは望ましくない(不完全なあるい
は過剰な)球状化組織であるため、両特性を満足
しない。 本発明では、これまで説明した如く、最適な球
状化組織を呈し、要求特性を十分満足している。 [発明の効果] 以上述べてきた如く、本発明法にしたがつて製
造された鋼線は耐水素誘起割れ特性がきわめて優
れており、きびしい湿潤硫化水素環境で使用して
も破壊することがない。 また、平圧線について述べてきたが、他の異形
線、ボルト、棒鋼など一般の鋼材についても同様
な方法で製造することにより、耐水素誘起割れ特
性のすぐれた鋼材を製造することが可能である。
第1図は焼鈍温度と引張強さの関係を示す図で
ある。
ある。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.40〜0.70%、Si:0.10〜1%、 Mn:0.20〜1%、P:0.025%以下、 S:0.010%以下、 を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物から
なる鋼線にパテンテイングを施し均一な微細パー
ライト組織とした後、断面減少率25〜75%の冷間
加工を行い、温度550〜700℃の低温球状化焼鈍す
ることを特徴とする耐水素誘起割れ特性に優れた
高強度鋼線の製造法。 2 C:0.40〜0.70%、Si:0.10〜1%、 Mn:0.20〜1%、P:0.025%以下、 S:0.010%以下、Al:0.008〜0.050% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物から
なる鋼線にパテンテイングを施し均一な微細パー
ライト組織とした後、断面減少率25〜75%の冷間
加工を行い、温度550〜700℃の低温球状化焼鈍す
ることを特徴とする耐水素誘起割れ特性に優れた
高強度鋼線の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10543788A JPH01279710A (ja) | 1988-04-30 | 1988-04-30 | 耐水素誘起割れ特性に優れた高強度鋼線の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10543788A JPH01279710A (ja) | 1988-04-30 | 1988-04-30 | 耐水素誘起割れ特性に優れた高強度鋼線の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01279710A JPH01279710A (ja) | 1989-11-10 |
| JPH0583611B2 true JPH0583611B2 (ja) | 1993-11-26 |
Family
ID=14407570
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10543788A Granted JPH01279710A (ja) | 1988-04-30 | 1988-04-30 | 耐水素誘起割れ特性に優れた高強度鋼線の製造法 |
Country Status (1)
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|---|---|
| JP (1) | JPH01279710A (ja) |
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1988
- 1988-04-30 JP JP10543788A patent/JPH01279710A/ja active Granted
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| JPH01279710A (ja) | 1989-11-10 |
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