JPH058527B2 - - Google Patents

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JPH058527B2
JPH058527B2 JP61234149A JP23414986A JPH058527B2 JP H058527 B2 JPH058527 B2 JP H058527B2 JP 61234149 A JP61234149 A JP 61234149A JP 23414986 A JP23414986 A JP 23414986A JP H058527 B2 JPH058527 B2 JP H058527B2
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substrate
film
transparent conductive
conductive film
evaporation
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Shizuko Katsube
Koji Okuda
Masayuki Kawaguchi
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Daihen Corp
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Agency of Industrial Science and Technology
Daihen Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はアナログ液晶表示板やアナログ液晶ス
イツチ等に用いるのに好適な透明導電膜及びその
生成方法に関するものである。
[従来の技術] 透明導電膜は、液晶表示素子やエレクトロルミ
ネツセンスなどの表示デバイスの透明電極、種々
の部品や装置の電気的に制御される光遮蔽膜、あ
るいは自動車、航空機などの窓ガラスの氷結防止
用ヒータなどに広く使用されているが、従来のこ
の種の透明導電膜の使い方はいずれもデジタル的
なものであつた。
例えば、液晶表示素子の場合、明と暗との2通
りの表示のみを行わせるデジタル的な使い方がさ
れていた。また光遮蔽膜の場合も、光を透過させ
るか遮蔽するかの2通りの動作のみを行わせるデ
ジタル的な使い方がされていた。
従来この種の用途に用いられていた透明導電膜
は、酸化錫SnO2と酸化インジウムIn2O3との混合
物からなつていた。酸化錫SnO2と酸化インジウ
ムIn2O3との混合物を膜生成用組成物として真空
蒸着法により透明導電膜を生成させる場合、酸化
錫と酸化インジウムとの総量に対する酸化錫の含
有比を増大させることにより、生成される透明導
電膜の面抵抗値を増大させることができ、酸化錫
の量と酸化インジウムの量との和に対する酸化錫
の含有比を95%とした場合に最大の面抵抗値7×
105Ω/□が得られている。
ところで、上記のようなデジタル的な使い方の
外に、諧調(明と暗の中間調)の表現を可能にす
るアナログ表示素子や、光の透過率をアナログ的
にコントロールできる光遮蔽膜の出現が要望され
ている。これらアナログ的な作用をする素子を実
現するためには、光透過性が良好で、かつ面抵抗
値が適当に大きい透明導電膜が必要である。
例えば、アナログ液晶表示板やアナログ液晶ス
イツチ等に用いる透明導電膜は光透過性が良く、
適当な面抵抗を有し、均一性が良好であることが
必要とされる。透明導電膜の面抵抗値が小さすぎ
ると電力損失が大きくなつたり、発熱のため液晶
の寿命が短くなつたりし、逆に面抵抗値が大きす
ぎると素子の高周波特性が悪くなる。この種の用
途では、一般には105〜1010Ω/□程度の高い面
抵抗値が必要である。
[発明が解決しようとする課題] 酸化錫と酸化インジウムとの混合物からなる透
明導電膜においては、酸化錫の量と酸化インジウ
ムの量との総和に対する酸化錫の含有比を増大さ
せることにより、生成される透明導電膜の面抵抗
値を増大させることができるが、得られる面抵抗
値の最大値は105のオーダーであり、106以上のオ
ーダーの面抵抗値を有する透明導電膜を得ること
はできなかつた。
また従来酸化錫と酸化インジウムとの混合物か
らなる透明導電膜では、7×105Ω/□の面抵抗
値を有するものが得られているが、この透明導電
膜は光透過性に問題があり、実用性が乏しかつ
た。
本発明の目的は、106〜1010Ω/□の範囲の広
範囲の面抵抗値を得ることができ、光透過性が優
れた高抵抗の透明導電膜及びその生成方法を提案
することにある。
[課題を解決するための手段] 特許請求の範囲第1項に記載された本願第1の
発明は、酸化ケイ素と酸化インジウムとの混合酸
化物からなる透明導電膜で、インジウム及びケイ
素の総量に対するインジウムの含有比を25重量パ
ーセント以上とし、かつ面抵抗値を106〜1010
Ω/□としたものである。
また特許請求の範囲第2項、第4項、第5項及
び第6項にそれぞれ記載された本願第2ないし第
5の発明は基板上に酸化インジウムを含有する透
明導電膜を生成する方法で、第2の発明の方法に
おいては、酸化ケイ素の量と酸化インジウムの総
量に対する酸化インジウムの含有比を60〜20重量
パーセントとした膜生成用組成物を蒸発材料とし
て用い、電子ビーム加熱蒸着法または電子ビーム
加熱イオンプレーテイング法により基板上に105
〜1010Ω/□の面抵抗値を有する膜を生成させ
る。
また本願第3の発明においては、上記第2の発
明の方法により基板上に透明導電膜を生成させた
後、基板の耐熱温度以下200℃以上の温度に保た
れた大気炉中で前記膜を熱処理し、106〜1010
Ω/□の面抵抗値を有する膜を生成させる。
第4の発明においては、酸化ケイ素またはケイ
素からなるペレツトと酸化インジウムまたはイン
ジウムからなるペレツトとを用い、ケイ素原子に
対するインジウム原子の蒸発速度比を0.1以上と
するように制御しつつそれぞれのペレツトを独立
にかつ同時に加熱蒸着させる二元蒸着法により基
板上に106〜1010Ω/□の面抵抗値を有する透明
導電膜を生成させる。
第5の発明の方法においては、上記第4の発明
の方法により基板上に透明導電膜を生成させた
後、基板の耐熱温度以下200℃以上の温度に保た
れた大気炉中で前記膜を熱処理し、106〜1010
Ω/□の面抵抗値を有する膜を生成させる。
[作用] 上記第1の発明によると、酸化ケイ素と酸化イ
ンジウムとの混合酸化物を透明導電膜の成分とし
て、インジウムの量とケイ素の量との総和に対す
るインジウムの含有比を25重量パーセント以上と
し、かつ面抵抗値を106〜1010Ω/□としたこと
により、アナログ的な作用を行わせるのに適した
広範囲の面抵抗値を有する透明導電膜を得ること
ができる。
また第2及び第4の発明の方法によると、蒸着
条件を適当に選択することにより、種々の面抵抗
値を有する透明導電膜を容易に得ることができ、
アナログ液晶素子に用いる電極のように、面抵抗
値が106〜1010Ω/□の範囲の透明導電膜を容易
に得ることができる。
更に、第3及び第5の発明のように、基板上に
透明導電膜を生成した後熱処理を行うと、106
1010Ω/□の面抵抗値を有する透明導電膜の光透
過率が高くすることができる。
[実施例] 以下添附図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
実施例 1 酸化ケイ素SiOと酸化インジウムIn2O3とを混
合した蒸着材料のペレツトを用い、電子ビーム加
熱蒸着法によりガラス基板(コーニング7059、通
過率92%)上に透明導電膜を生成させた。
第1図は電子ビーム加熱蒸着法を実施する蒸着
装置の構成を示したもので、同図において1は真
空チヤンバ、2は真空チヤンバ1内に配置された
基板支持板であり、基板支持板2にはガラス基板
3が取付けられている。基板支持板2は膜の均一
性を得るために回転できる構造となつている。
真空チヤンバ1にはバルブ4及び排気管5を介
して真空ポンプ6が接続され、これによりチヤン
バ1内が10-6Torrまで排気される。
基板支持板2の上方には基板加熱用ヒータ7が
配置され、真空チヤンバ1内の排気が開始される
と同時に、または排気が完了した後にヒータ7に
より基板3が所望の温度まで加熱される。
真空チヤンバ1にはガス導入管8が設けられて
いて、このガス導入管8にバルブ9を介して酸素
ガス供給源10が接続されており、真空チヤンバ
1内が排気され、基板3が所望の温度まで加熱さ
れた後に酸素ガスが、所定のガス圧に達するまで
チヤンバ1内に供給される。
11は電子ビーム蒸着源で、この蒸着源は蒸発
材料のペレツト12が入れられているハース部
(るつぼ)11aと、電子ビーム発生用フイラメ
ント11bと、図示しない直流電源から直流電圧
が印加されている加速電極11cと、加速電極1
1cにより加速された電子ビームeをハース部1
1aのペレツト12の上に直接照射するように湾
曲させる磁極11dとからなり、ペレツト12は
電子ビームにより加熱されて蒸発する。ハース部
11aは水冷されており、これによりハース部1
1aを構成する物質が蒸発するのが防止されてい
る。
図示してないが、基板3と電子ビーム蒸着源1
1との間にはシヤツタが配設され、ペレツトが蒸
発している状態でこのシヤツタを所定時間開くこ
とにより、蒸着源11から蒸発させた蒸発物質の
蒸気を基板3の表面に付着させて基板3の表面に
所定の膜厚の透明導電膜を生成させる。
ペレツトを構成する蒸発材料の組合せとして
は、SiとIn、SiOとIn2O3、SiO2とIn2O3等が考え
られるが、蒸発温度、蒸発の仕方(溶解性か昇華
性か)等を考慮すると、2物質を混合して1ペレ
ツトを構成する場合には、共に昇華性の蒸発を行
うSiOとIn2O3との組合せが最適である。
この場合膜質に影響を与えるパラメータとして
は、蒸発物質の混合比、基板3の温度、酸素圧
力、蒸着速度等の成膜条件が挙げられる。
基板3の温度が低すぎたり、酸素圧力が少なす
ぎたり、蒸着速度が速すぎたりすると、酸化が充
分に行われないため、光の透過性が著しく悪くな
る。実用上、透明導電膜つきガラス基板の光透過
率は75%以上あることが必要である。実験の結
果、75%以上の透過率を有する透明導電膜を得る
ためには、基板温度を300℃以上、酸素圧力を1
×10-4Torr以上、蒸着速度を5Å/sec以下に設
定する必要があることが明らかになつた。
上記の様な成膜条件下でIn2O3の含有比αを変
えた種々のペレツトを用意して、約700Åの透明
導電膜を生成させ、その面抵抗値と光透過率とを
測定したところ、第2図及び第3図のような結果
が得られた。ここで含有比αは、SiOの質量Xと
In2O3の質量Yとの総和に対するIn2O3の質量Yの
比(重量%)[α={Y/(X+Y)}×100]であ
る。
第2図より、含有比αを20重量%以上の範囲で
調整することによつて、101〜1010Ω/□の広範
囲の面抵抗値を連続的に得ることができることが
明らかになつた。この場合、最も低い面抵抗値
(数十Ω/□)は従来のSnO2を不純物として用い
たITO膜と同程度の値であり、SiOを不純物とし
て用いてもITO膜と同程度の面抵抗値が得られる
ことが明らかになつた。また本発明のようにSiO
を不純物とした場合、含有比αが約50重量%以下
20重量%以上の範囲で従来のITO膜では得られな
かつた、106〜1010Ω/□の面抵抗を得ることが
でき、しかもその面抵抗値はIn2O3の含有比を変
えることにより制御することが可能である。これ
により、液晶のアナログ応用に適した高抵抗の透
明導電膜を得ることが可能になる。
また第3図より、酸化インジウムの含有比αを
20重量%以上とした場合、得られた透明導電膜つ
きガラス基板の透過率はいずれも75%(波長
500nm)以上であることが分る。
第2の実施例 第2の実施例では、電子ビーム加熱蒸着法に代
えて、電子ビーム加熱イオンプレーテイング法に
より透明導電膜を生成させた。第4図は電子ビー
ム加熱イオンプレーテイング法を実施する装置の
構成を概略的に示したもので、同図において第1
図の各部と同等な部分には同一の符号を付してあ
る。この装置では、基板支持板2と電子ビーム加
熱蒸着源11との間にイオン化電極15が配設さ
れ、この電極15に高周波電源16から高周波電
力が供給されている。また直流バイアス電源17
から基板支持板2と接地間に負の直流バイアス電
圧が印加されている。またガス導入管8にはバル
ブ9を介して酸素ガス及びアルゴンガスの供給源
10′が接続されている。その他の点は第1図の
装置と同様である。
上記の装置により透明導電膜の生成を行わせる
場合は、例えば真空チヤンバ1内を10-6Torrま
で排気した後、酸素ガスをその分圧が3×
10-4Torrになるまで供給し、更にアルゴンガス
をチヤンバー内の総圧力が4×10-3Torrになる
まで供給する。また高周波電源16からイオン化
電極15に100〜300Wの高周波電力を供給し、バ
イアス電源17から基板支持板2に100〜200Vの
バイアス電圧を印加する。これによりイオン化電
極15の近傍のガスをイオン化してプラズマ状態
にする。このように電子ビーム加熱蒸着源11と
基板3との間にプラズマ領域を形成すると、蒸着
源11から蒸発した蒸着材料の分子はプラズマ領
域を通過する際にその一部がイオン化され、基板
3上での反応が促進されて薄膜の生成が促進され
る。
上記のようなイオンプレーテイング法による
と、蒸着材料の分子及び酸素ガスの一部がイオン
化されて活性となり、基板3上での酸化物薄膜の
生成が促進されるため、第1実施例のような普通
の電子ビーム加熱蒸着法による場合に比べて基板
の温度をより低温にし、蒸着速度をより速くして
も良好な透明導電膜を得ることができる。一例を
挙げると、酸化インジウムIn2O3の含有比αが35
重量%、基板温度が200℃、酸素の分圧が3×
10-4Torr、アルゴンの分圧が3.7×10-3Torr、高
周波電力が200W、直流バイアス電圧が100Vの条
件下で、蒸着速度を10Å/secとして、膜厚700
Å、面抵抗値5×108Ω/□、透過率89%(波長
500nm)の透明導電膜を得ることができた。
同様な条件で第1図の蒸着装置により透明導電
膜を生成したところ、酸化が不十分になるため、
得られた透明導電膜の面抵抗値は1011Ω/□以
上、透過率は53%(波長500nm)となり、アナ
ログ液晶デイスプレイ等の電極に用いるには不適
当な膜しか得ることができなかつた。
第3の実施例 第3の実施例では、酸化ケイ素SiOまたはSiO2
単独のペレツトと、酸化インジウムIn2O3単独の
ペレツトとをそれぞれ作成し、これらを独立に加
熱して同時に蒸発させることにより基板に薄膜を
蒸着する二元蒸着法を採用した。
第5図は二元蒸着法を実施する装置の構成を概
略的に示したもので、この装置ではハース部11
a、フイラメント11b、加速電極11c及び磁
極11dからなる第1の電子ビーム加熱蒸着源1
1と、ハース部11a′、フイラメント11b′、加
速電極11c′及び磁極11d′からなる第2の電子
ビーム加熱蒸着源11′とが真空チヤンバ1の下
部に並べて設けられていて、第1の加熱蒸着源1
1のハース部にSiOまたはSiO2単独からなるペレ
ツト12が、また第2の加熱蒸着源11′のハー
ス部にIn2O3単独からなるペレツト12′が入れら
れている。膜質の均一性を得るために、電子ビー
ム加熱蒸着源11,11′および基板の位置が適
当に選ばれ、基板は回転される。その他の点は第
1図の装置と同様である。
この場合、蒸着源11及び11′にそれぞれ供
給する電力を加減することにより、SiOまたは
SiO2及びIn2O3の蒸発量を調節することができ
る。
第1図及び第4図の装置による場合のように、
異なる物質を混合して1ペレツトを構成すると、
蒸着時間の経過に伴つてペレツトの混合比が変化
するおそれがあるが、この第3の実施例によれば
その心配はなく、再現性良く透明導電膜の生成を
行わせることができる。
一例として、蒸発材料にSiO2のペレツトと
In2O3のペレツトとを用い、基板温度を400℃、酸
素分圧を3×10-4Torrとし、SiO2の蒸着速度を
2.3Å/sec、In2O3の蒸着速度を0.7Å/secとする
ように電子ビーム加熱蒸着源11及び11′への
電力の供給を制御した。その結果、膜厚が700Å、
面抵抗値が3×108Ω/□、透過率が81%(波長
500nm)の透明導電膜を得ることができた。
インジウム及びケイ素原子換算の蒸着速度比r
(In/Si)を約0.1以下にすると、面抵抗値は1011
Ω/□以上となり、実用には適さないものとな
る。106〜1010Ω/□の範囲の所望の面抵抗を得
る為には、蒸着速度比r(In/Si)を0.1以上に選
ぶ必要がある。
また蒸着速度比を0.1として生成した、面抵抗
値が1010Ω/□の膜について、蛍光X線分析を行
つた結果、膜中のインジウム含有比(インジウム
Inの質量とケイ素Siの質量との総和に対するイン
ジウムInの質量の比)α′は約25〜30重量%の範囲
にあることが明らかになつた。これより、106
1010Ω/□の面抵抗値を有する膜を得るために
は、蒸発材料中の酸化インジウムの含有比を60〜
20重量パーセントに設定して膜を生成して、膜中
のインジウム含有比を25重量%以上とする(イン
ジウムの含有比が大きくなるに従つて膜の面抵抗
値が低くなる。)必要があることが分る。
第5図の装置にイオン化電極を設けるととも
に、基板支持板2に直流バイアス電圧を印加し
て、イオンプレーテイング法により二元蒸着法を
実施するようにしても同様な効果を得ることがで
きる。
第4の実施例 第4の実施例では、第6図の装置を用いて斜め
蒸着法により透明導電膜の生成を行つた。
すなわち、この実施例では、基板3と電子ビー
ム加熱蒸着源11とを横方向にずらして配置する
とともに基板3を水平方向に対して一定の角度傾
け、基板3の板面に対して角度(鋭角)θ(=5
〜15度)を成す方向から蒸着を行つた。基板下部
に蒸着窓14を有したマスク13を設け、蒸着物
質は蒸着窓14のみを通過し、基板上に蒸着され
る構造となつている。基板を回転させずに矢印1
5方向に一定速度で移動させることにより、基板
全面に均一な膜が得られるようになつている。
この様な方法によれば、ガラス基板3上に蒸着
方向に沿つた結晶粒成長が起り、配向膜の機能を
兼ね備えた透明導電膜を得ることができる。従つ
て配向膜を形成する工程を必要とする液晶素子等
を製造する場合に、この方法を採用すると、配向
膜を形成する工程を省くことができ、工数の削減
を図ることができる。
第5の実施例 酸化物透明導電膜の電気的特性および光学的特
性は膜の酸化状態により大きく変化する。酸化が
不十分であると、面抵抗値が不安定になり、透過
率が著しく低下する。前記各実施例においては、
酸化を十分に行わせるように基板の温度や酸素分
圧、蒸着速度、高周波電力等の諸条件が選択され
ているが、蒸着により透明導電膜を生成した後に
熱処理を行うと電気的特性及び光学的特性を更に
改善することができる。また透明導電膜の生成を
行つた後に熱処理を行うと、蒸着時の基板の温度
が低かつたり、蒸着速度が速かつたり、酸素分圧
が低かつたりした場合でも、電気的特性及び光学
的特性が優れた透明導電膜を得ることができる。
第7図は熱処理の効果を示す実験の結果を示し
たもので、同図においてAは基板のみの透過率を
光の波長に対して示している。またBは第1の実
施例でIn2O3の含有比を35重量%、基板温度を400
℃、酸素分圧を3×10-4Torr、蒸着速度を3Å
として形成した透明導電膜つきガラス基板の透過
率を示し、CはBの膜を大気炉内に入れて、400
℃で30分熱処理した後の透過率を示している。こ
れらの結果から、蒸着を行つた後に熱処理を行う
ことにより、透過率が大幅に改善され、透明導電
膜つきガラス基板の透過率をガラス基板のみの透
過率92%近くまで改善できることが分る。この92
%という透過率は一般のSnO2とIn2O3との混合膜
つきガラス基板の透過率(約82%)に比べてはる
かに大きな値である。このような高い透過率はペ
レツトのIn2O3含有比を小さい範囲(50重量%以
下)に選定した場合に得られる。このように高い
透過率が得られるのは、SiO2の含有により、膜
の屈折率がガラス基板の屈折率に近付き、基板と
膜の界面での反射が減少するためであると考えら
れる。
次に第8図は第1図に示す電子ビーム加熱蒸着
法により透明導電膜を形成した後、膜を大気炉に
入れて、400℃で熱処理を行つた場合の熱処理時
間に対する面抵抗値の変化を示している。この実
験は、ペレツトのIn2O3含有比αを30、50及び90
重量%とした場合についてそれぞれ行い、これら
の各場合における蒸着条件は、基板温度を200℃、
酸素分圧を1×10-4Torr、蒸着速度を5Å/sec
とした。これらの結果から、熱処理時間が2時間
以上になると面抵抗値がほぼ一定になり、面抵抗
値の安定化を図り得ることが分る。
膜に熱処理を施す場合の熱処理温度の好ましい
範囲を求めるため、熱処理温度を種々変えて実験
を行つたところ、透過率に関しては、200℃の温
度で熱処理を行つても第7図と同様な結果が得ら
れることが明らかになつた。従つて熱処理温度は
200℃以上に設定するのが好ましいことが分つて
いる。
尚熱処理温度を低く設定した場合に抵抗値の安
定化を図るためには、熱処理温度を高く設定した
場合に比べて熱処理時間を長くする必要がある。
例えば熱処理温度を200℃とした場合、抵抗値の
安定化を図るためには、熱処理温度を400℃とし
た場合の熱処理必要時間(約2時間)より長い時
間を必要とする。これは、膜の酸化の程度が熱処
理温度と時間との積に関係していることにあると
思われる。蒸着により基板に膜が生成された段階
で膜の酸化の程度がかなり進んでいる場合には、
熱処理温度を低くしても熱処理時間を短くするこ
とができる。実際に熱処理を行うに当つては、蒸
着により得られた膜の酸化状態に応じて適当な熱
処理条件を選ぶことになる。
次に熱処理温度の上限は、基板の耐熱性及び膜
の耐熱性により定まるが、一般に基板の耐熱温度
(基板を軟化させたり基板に熱歪みを生じさせた
りすることがない温度の上限)の方が膜の耐熱温
度に比べて低いので、実際には熱処理温度の上限
は基板の耐熱温度により決まる。例えばガラス基
板が用いられる場合の耐熱温度は約500℃であり、
プラスチツク等の有機材料基板が用いられる場合
の耐熱温度は約200℃以下である。熱処理温度は、
これら基板の耐熱温度以下200℃以上の範囲で、
生成された膜の酸化状態に応じて適当な値に設定
すればよい。
[発明の効果] 本願第1の発明によれば、従来は得られなかつ
た広範囲の(106〜1010Ω/□の範囲の)高い面
抵抗値と、高い透過率とを有する膜を得ることが
できるため、アナログ的な作用を行なわせるのに
適した広範囲の面抵抗値を有する高抵抗透明導電
膜を得ることができるという利点がある。
また特許請求の範囲第2項及び第5項にそれぞ
れ記載された本願第2及び第4の発明によれば、
各蒸着条件を適当に選定することにより、従来の
方法では得られなかつた、面抵抗値が106〜1010
Ω/□の範囲の高抵抗透明導電膜を容易に得るこ
とができる。
特に第4の発明によれば、SiOとIn2O3とを混
合して1ペレツトを構成する場合に比べて面抵抗
値の再現性を良くすることができる。
また特許請求の範囲第4項及び第6項にそれぞ
れ記載された第3及び第5の発明によれば、蒸着
により膜を生成した後熱処理を行うため、透明導
電膜の透過率を高くすることができる上に、面抵
抗値の安定化を図ることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例で用いる蒸着装
置の構成を概略的に示す構成図、第2図は第1の
実施例により得られた透明導電膜の面抵抗値と
In2O3含有比との関係を示す線図、第3図は同実
施例により得られた透明導電膜の透過率と酸化イ
ンジウム含有比との関係を示す線図、第4図ない
し第6図はそれぞれ本発明の第2ないし第4の実
施例で用いる蒸着装置の構成を概略的に示す構成
図、第7図はガラス基板と第1の実施例により得
られた透明導電膜と第5の実施例により得られた
透明導電膜とについて透過率と波長との関係を示
す線図、第8図は第5の実施例により得られる透
明導電膜の面抵抗値と熱処理時間との関係を示す
線図である。 1……真空チヤンバ、2……基板支持板、3…
…ガラス基板、8……ガス導入管、11,11′
……電子ビーム加熱蒸着源、12,12′……ペ
レツト、13……マスク、14……蒸着窓、15
……基板移動方向。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 酸化ケイ素と酸化インジウムとの混合酸化物
    からなり、インジウム及びケイ素の総量に対する
    インジウムの含有比が25重量パーセント以上で、
    かつ106〜1010Ω/□の面抵抗値を有することを
    特徴とする透明導電膜。 2 基板上に酸化インジウムを含有する透明導電
    膜を生成させる方法において、 酸化ケイ素及び酸化インジウムの総量に対する
    酸化インジウムの含有比を60〜20重量パーセント
    とした膜生成用組成物を蒸発材料として用い、電
    子ビーム加熱蒸着法または電子ビーム加熱イオン
    プレーテイング法により前記基板上に106〜1010
    Ω/□の面抵抗値を有する膜を生成させることを
    特徴とする透明導電膜の生成方法。 3 前記電子ビーム加熱蒸着法または電子ビーム
    加熱イオンプレーテイング法は前記基板の板面に
    対して傾斜した方向から前記蒸発材料を蒸発させ
    る斜め蒸着法である特許請求の範囲第2項に記載
    の透明導電膜の生成方法。 4 基板上に酸化インジウムを含有する透明導電
    膜を生成させる方法において、 酸化ケイ素及び酸化インジウムの総量に対する
    酸化インジウムの含有比を60〜20重量パーセント
    とした膜生成用組成物を蒸発材料として用い、電
    子ビーム加熱蒸着法または電子ビーム加熱イオン
    プレーテイング法により前記基板上に膜を生成さ
    せ、 次いで基板の耐熱温度以下200℃以上の温度に
    保たれた大気炉中で前記膜を熱処理し、106
    1010Ω/□の面抵抗値を有する膜を生成させるこ
    とを特徴とする透明導電膜の生成方法。 5 基板上に酸化インジウムを含有する透明導電
    膜を生成させる方法において、 酸化ケイ素またはケイ素からなるペレツトと酸
    化インジウムまたはインジウムからなるペレツト
    とを用い、 ケイ素原子に対するインジウム原子の蒸発速度
    比を0.1以上とするように制御しつつそれぞれの
    ペレツトを独立にかつ同時に加熱蒸着させて前記
    基板上に106〜1010Ω/□の面抵抗値を有する膜
    を生成させることを特徴とする透明導電膜の生成
    方法。 6 基板上に酸化インジウムを含有する透明導電
    膜を生成させる方法において、 酸化ケイ素またはケイ素からなるペレツトと酸
    化インジウムまたはインジウムからなるペレツト
    とを用い、 ケイ素原子に対するインジウム原子の蒸発速度
    比を0.1以上とするように制御しつつそれぞれの
    蒸発材料を独立にかつ同時に加熱蒸着させて前記
    基板上に膜を生成させ、 次いで基板の耐熱温度以下200℃以上の温度に
    保たれた大気炉中で前記膜を熱処理し、106
    1010Ω/□の面抵抗値を有する膜を生成させるこ
    とを特徴とする透明導電膜の生成方法。
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