JPH0588611B2 - - Google Patents
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- JPH0588611B2 JPH0588611B2 JP61260719A JP26071986A JPH0588611B2 JP H0588611 B2 JPH0588611 B2 JP H0588611B2 JP 61260719 A JP61260719 A JP 61260719A JP 26071986 A JP26071986 A JP 26071986A JP H0588611 B2 JPH0588611 B2 JP H0588611B2
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- JP
- Japan
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- fibers
- artificial blood
- blood vessel
- ultrafine fibers
- fine
- Prior art date
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- Prostheses (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、極めて優れた生体適合性と実際の体
内への植え込むに当たり、その前処理として行わ
れるプリクロツテイング性に優れた人工血管に関
するものである。
内への植え込むに当たり、その前処理として行わ
れるプリクロツテイング性に優れた人工血管に関
するものである。
[従来の技術]
内面に生体の内皮膜を形成するタイプの人工血
管では、治癒効果を高めるためにはなるべく生体
外の異物が少ないハイポロシテイ構造の人工血管
とする必要があるが、ハイポロシテイにすると、
血液の漏れが生じて実用に供し得ないか、もしく
は用途が著しく制限される。また、特に極細繊維
を用いることにより多少のプリクロツテイング性
を改善できるとの知見もあるが、単なる極細繊維
を用いるだけで十分なプリクロツテイング性を付
与することはできない。従来ではこのためやむを
えず治癒効果は多少犠牲にし、血漏が妨げる程度
までにローポロシテイ化して妥協した状態のもの
を利用していた。
管では、治癒効果を高めるためにはなるべく生体
外の異物が少ないハイポロシテイ構造の人工血管
とする必要があるが、ハイポロシテイにすると、
血液の漏れが生じて実用に供し得ないか、もしく
は用途が著しく制限される。また、特に極細繊維
を用いることにより多少のプリクロツテイング性
を改善できるとの知見もあるが、単なる極細繊維
を用いるだけで十分なプリクロツテイング性を付
与することはできない。従来ではこのためやむを
えず治癒効果は多少犠牲にし、血漏が妨げる程度
までにローポロシテイ化して妥協した状態のもの
を利用していた。
[発明が解決しようとする課題]
本発明の目的は、治癒効果(生体適合性)と欠
漏防止を同時に満足する画期的な人工血管を提供
せんとするものである。
漏防止を同時に満足する画期的な人工血管を提供
せんとするものである。
[課題を解決するための手段]
本発明は、次の手段により達成される。
(1)織り、編み、あるいは組紐等の基本構造を有
し、透水率が600ml/min・cm2・120mmHg以上
の人工血管において、該基本構造の組織目の空
間部に、1dtex以下の極細繊維が薄く存在した
状態を有してなることを特徴とする生体適合性
とプリクロツテイング性に優れた人工血管。
し、透水率が600ml/min・cm2・120mmHg以上
の人工血管において、該基本構造の組織目の空
間部に、1dtex以下の極細繊維が薄く存在した
状態を有してなることを特徴とする生体適合性
とプリクロツテイング性に優れた人工血管。
(2) 織り、編み、あるいは組紐等の基本構造を有
し、透水率が600ml/min・cm2・120mmHg以上
の人工血管において、該人工血管が極細繊維を
含む多重組織からなり、少なくとも細繊度の目
の細かい層とそれよりも太繊度で目の粗い層と
から構成されてなるとともに、前記太繊度の基
本構造の組繊目の空間部には、1dtex以下の極
細繊維が薄く存在した状態を有してなることを
特徴とする生体適合性とプリクロツテイング性
に優れた人工血管。
し、透水率が600ml/min・cm2・120mmHg以上
の人工血管において、該人工血管が極細繊維を
含む多重組織からなり、少なくとも細繊度の目
の細かい層とそれよりも太繊度で目の粗い層と
から構成されてなるとともに、前記太繊度の基
本構造の組繊目の空間部には、1dtex以下の極
細繊維が薄く存在した状態を有してなることを
特徴とする生体適合性とプリクロツテイング性
に優れた人工血管。
[作用]
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は比較的目の粗い織り、編み、組紐等の
基本構造を有し、かかる粗い織目、編目等の空隙
に細繊度(細番手)の極細繊維が散在するような
構造となさしめることである。従来の手段により
高透水率となるには例えば織組織の場合は目を粗
くせざるを得ない。このため、実際に生体内に植
え込むに当たつてはプリクロツテイングの前処理
が必要となる。しかし、このように単に目が粗い
だけの場合は十分なプリクロツテイング性が得ら
れないばかりか、プリクロツテイングが不十分な
状態で生体内に植え込んでも生体のわずかな血栓
溶解作用で容易に壁面からの血漏が生じ重大な問
題となる。しかし、本発明のごとく細繊度(細番
手)の極細繊維もしくは独立に分繊した極細繊維
が織り目または編目の間隙の空間部に縦横に僅か
でも存在する構造、より具体的には織り、編み、
組紐等の組織の目の空隙部に少なくとも1本以
上、好ましくは複数本の極細繊維が単独もしくは
集団として透水を妨げない程度い散在する構造で
あり、より理想的には独立した極細繊維が蜘蛛の
巣状にランダムに交錯して散在する構造となすこ
とにより、それが血液凝固のための核となり良好
なプリクロツテイングが可能となるのである。し
かも、極細繊維は細く広がつた状態で僅か存在す
るだけで十分であり、質量としては極めて少なく
て済み、このため、実質的に生体細胞形成のため
に好ましいとされている高透水構造の阻害要因と
はならない。この現象は極細繊維で構成されてい
るため、目ではほとんど感知できないような蜘蛛
の巣が、空気は良く通すが露は捕捉し大きな露の
玉ができる現象に似ている。すなわち血液が対象
となる人工血管では、本発明の構造とすることに
より一般の意味での透水性は十分有するものの、
組織の目の間の細番手もしくは薄く広がつた極細
繊維が血液の凝固核として作用しプリクロツテイ
ング性が著しく高められるのである。
基本構造を有し、かかる粗い織目、編目等の空隙
に細繊度(細番手)の極細繊維が散在するような
構造となさしめることである。従来の手段により
高透水率となるには例えば織組織の場合は目を粗
くせざるを得ない。このため、実際に生体内に植
え込むに当たつてはプリクロツテイングの前処理
が必要となる。しかし、このように単に目が粗い
だけの場合は十分なプリクロツテイング性が得ら
れないばかりか、プリクロツテイングが不十分な
状態で生体内に植え込んでも生体のわずかな血栓
溶解作用で容易に壁面からの血漏が生じ重大な問
題となる。しかし、本発明のごとく細繊度(細番
手)の極細繊維もしくは独立に分繊した極細繊維
が織り目または編目の間隙の空間部に縦横に僅か
でも存在する構造、より具体的には織り、編み、
組紐等の組織の目の空隙部に少なくとも1本以
上、好ましくは複数本の極細繊維が単独もしくは
集団として透水を妨げない程度い散在する構造で
あり、より理想的には独立した極細繊維が蜘蛛の
巣状にランダムに交錯して散在する構造となすこ
とにより、それが血液凝固のための核となり良好
なプリクロツテイングが可能となるのである。し
かも、極細繊維は細く広がつた状態で僅か存在す
るだけで十分であり、質量としては極めて少なく
て済み、このため、実質的に生体細胞形成のため
に好ましいとされている高透水構造の阻害要因と
はならない。この現象は極細繊維で構成されてい
るため、目ではほとんど感知できないような蜘蛛
の巣が、空気は良く通すが露は捕捉し大きな露の
玉ができる現象に似ている。すなわち血液が対象
となる人工血管では、本発明の構造とすることに
より一般の意味での透水性は十分有するものの、
組織の目の間の細番手もしくは薄く広がつた極細
繊維が血液の凝固核として作用しプリクロツテイ
ング性が著しく高められるのである。
第1図、第2図に本発明を理解するための一助
としてその概念図による本発明による人工血管の
構造の1例を示した。
としてその概念図による本発明による人工血管の
構造の1例を示した。
第1図は、太番手よりなる目の粗い織物(組
織)1の空間部に極細繊維2が薄く分繊して散在
し、実質的に透水率を低下させずにプリクロツテ
イング性を上げられるような構造となつているも
のである。第2図は、特に多重組織で本発明にか
かる人工血管を構成した場合における人工血管構
造の1態様例を示したものであり、極細繊維より
なる細番手の目の細かい内面のチユーブ4の外側
に太番手の目の粗いチユーブ3が形成された2重
構造となつており、目の粗いチユーブ3の組織の
空間部にチユーブ4の細番手の極細繊維が存在す
るため、上記目的を達成できる状態となつてい
る。この構造は内、外逆転させてもよいことはい
うまでもない。かかる構造となすに当たつては、
織り、編み、あるいは組紐等の組織によつて作製
したチユーブに極細繊維となるべき真綿状のウエ
ツブを重ね、高速流体、例えば、ウオータージエ
ツト、エアージエツト等で処理する手段、織り、
編み、組紐等の組織を構成する繊維に1dtex以下
となるべき繊維で多くの弛みを有するヤーンを用
いてチユーブを形成する手段、1dtex以下の細繊
度細番手のヤーンを目の細かい組織としてそれよ
りも太番手のヤーンを粗い組織とした2重組織と
してチユーブを形成するか、一方の繊維で構成さ
れたチユーブに他方の繊維を巻きつける手段、も
しくは細番手、太番手で独立したチユーブを形成
しておき一方に他方を被せて一体化する手段など
がある。ここで細番手とは相対的意味であつて、
例えば目の粗い組織に用いる太番手に対し、それ
よりも相対的に細いことを意味する。しかし、一
般的意味で言う細番手の好ましい例は75Dtex以
下、好ましくは50Dtex以下より好ましくは
30Dtex以下であろう。これと組み合わせて用い
られる太番手のヤーンは当然これよりも太いもの
を用いることとなる。本発明では太番手ものでよ
り目の粗いチユーブ構造を形成し、これにより実
質的に高透水性の生体適合効果を発揮せしめる。
この生体適合効果を更に高めるためには1dtex以
下の極細繊維を細番手ヤーンに用いるのは当然と
して、この極細繊維を太番手ヤーンにも用いるこ
とができる。また、多重組織とは、一般的な意味
での2重、3重、……の構造をした織、編組織構
造や、あるいは、一重組織のものを重ね合わせた
構造を意味するものである。
織)1の空間部に極細繊維2が薄く分繊して散在
し、実質的に透水率を低下させずにプリクロツテ
イング性を上げられるような構造となつているも
のである。第2図は、特に多重組織で本発明にか
かる人工血管を構成した場合における人工血管構
造の1態様例を示したものであり、極細繊維より
なる細番手の目の細かい内面のチユーブ4の外側
に太番手の目の粗いチユーブ3が形成された2重
構造となつており、目の粗いチユーブ3の組織の
空間部にチユーブ4の細番手の極細繊維が存在す
るため、上記目的を達成できる状態となつてい
る。この構造は内、外逆転させてもよいことはい
うまでもない。かかる構造となすに当たつては、
織り、編み、あるいは組紐等の組織によつて作製
したチユーブに極細繊維となるべき真綿状のウエ
ツブを重ね、高速流体、例えば、ウオータージエ
ツト、エアージエツト等で処理する手段、織り、
編み、組紐等の組織を構成する繊維に1dtex以下
となるべき繊維で多くの弛みを有するヤーンを用
いてチユーブを形成する手段、1dtex以下の細繊
度細番手のヤーンを目の細かい組織としてそれよ
りも太番手のヤーンを粗い組織とした2重組織と
してチユーブを形成するか、一方の繊維で構成さ
れたチユーブに他方の繊維を巻きつける手段、も
しくは細番手、太番手で独立したチユーブを形成
しておき一方に他方を被せて一体化する手段など
がある。ここで細番手とは相対的意味であつて、
例えば目の粗い組織に用いる太番手に対し、それ
よりも相対的に細いことを意味する。しかし、一
般的意味で言う細番手の好ましい例は75Dtex以
下、好ましくは50Dtex以下より好ましくは
30Dtex以下であろう。これと組み合わせて用い
られる太番手のヤーンは当然これよりも太いもの
を用いることとなる。本発明では太番手ものでよ
り目の粗いチユーブ構造を形成し、これにより実
質的に高透水性の生体適合効果を発揮せしめる。
この生体適合効果を更に高めるためには1dtex以
下の極細繊維を細番手ヤーンに用いるのは当然と
して、この極細繊維を太番手ヤーンにも用いるこ
とができる。また、多重組織とは、一般的な意味
での2重、3重、……の構造をした織、編組織構
造や、あるいは、一重組織のものを重ね合わせた
構造を意味するものである。
本発明では透水率として120mmHgの水圧下で1
cm2当たり1分間の透水量て定義される値が、600
ml/min・cm2・120mmHg以上さらに好ましくは
1200ml/min・cm2・120mmHg以上の透水率の高い
場合において極細繊維によるプリクロツテイング
性の効果が特に発揮される。また、このプリクロ
ツテイング性は細口径の人工血管の場合により重
要となり、6mmφ以下の場合にその効果が特に発
揮される。
cm2当たり1分間の透水量て定義される値が、600
ml/min・cm2・120mmHg以上さらに好ましくは
1200ml/min・cm2・120mmHg以上の透水率の高い
場合において極細繊維によるプリクロツテイング
性の効果が特に発揮される。また、このプリクロ
ツテイング性は細口径の人工血管の場合により重
要となり、6mmφ以下の場合にその効果が特に発
揮される。
本発明に用いられる極細繊維は、ポリエステル
系、コラーゲン系、ポリテトラフルオロエチレン
系、ポリウレタン系、ポリアミド系、レーヨン系
等の生体非吸収性、吸収性のもののいずれの目的
に応じ適宜使用可能である。特に吸収性のものを
使用する場合は骨格となる高透水率構造の織り、
編み、もしくは組紐に用いる繊維は生体非吸収性
の繊維とし両者の組み合わせた形で使用するのが
よい。本発明で生体吸収性の極細繊維が使用可能
な理由は、生体への植え込み後血管内に生体の擬
内膜が形成され血漏が防がられる時点まで、血漏
防止機能としてプリクロツテイング機能が作用し
てくれればよく、それ以降ではかかるプリクロツ
テイング形式に必要とされた極細繊維は必要とな
くなるためである。かかる生体非吸収性と吸収性
ポリマーの組み合わせとしては、例えばポリエス
テルとコラーゲン、ポリエステルとレーヨン、ポ
リテトラフルオロチレンとコラーゲン、レーヨン
などであるが、これはほんの1例であり、本発明
はこれに限定されるものではない。
系、コラーゲン系、ポリテトラフルオロエチレン
系、ポリウレタン系、ポリアミド系、レーヨン系
等の生体非吸収性、吸収性のもののいずれの目的
に応じ適宜使用可能である。特に吸収性のものを
使用する場合は骨格となる高透水率構造の織り、
編み、もしくは組紐に用いる繊維は生体非吸収性
の繊維とし両者の組み合わせた形で使用するのが
よい。本発明で生体吸収性の極細繊維が使用可能
な理由は、生体への植え込み後血管内に生体の擬
内膜が形成され血漏が防がられる時点まで、血漏
防止機能としてプリクロツテイング機能が作用し
てくれればよく、それ以降ではかかるプリクロツ
テイング形式に必要とされた極細繊維は必要とな
くなるためである。かかる生体非吸収性と吸収性
ポリマーの組み合わせとしては、例えばポリエス
テルとコラーゲン、ポリエステルとレーヨン、ポ
リテトラフルオロチレンとコラーゲン、レーヨン
などであるが、これはほんの1例であり、本発明
はこれに限定されるものではない。
極細繊維を用いるに当たつては当初から極細の
ものを用いてもよいが、物理的もしくは化学的処
理により極細可能な繊維を用いチユーブ形成後極
細化してもよい。かかる極細可能繊維の例とし
て、例えば特公昭44−18369号公報や同様の例と
して特公昭46−3816号公報、特公昭53−37403号
公報などに記載されたもの、もしくはポリマーブ
レンド繊維等があり、2成分以上の成分の剥離、
あるいは少なくとも1成分の分解もしくは抽出除
去によつて極細化が可能なものである。
ものを用いてもよいが、物理的もしくは化学的処
理により極細可能な繊維を用いチユーブ形成後極
細化してもよい。かかる極細可能繊維の例とし
て、例えば特公昭44−18369号公報や同様の例と
して特公昭46−3816号公報、特公昭53−37403号
公報などに記載されたもの、もしくはポリマーブ
レンド繊維等があり、2成分以上の成分の剥離、
あるいは少なくとも1成分の分解もしくは抽出除
去によつて極細化が可能なものである。
チユーブ形成方法は通常の方法に従い、織り、
編み、組紐あるいは不織布の方法で容易に可能で
ある。特に細番手のヤーンを用いチユーブを形成
するのは作業性の点で極めて難しいが、本発明の
ごとく多成分系繊維を用い、当初は太い状態でチ
ユーブ加工しておき、加工後極細化処理(細番手
処理)するのが特に効果的である。本発明におい
て極細繊維のほかに、補強もしくはキンキング防
止等のための通常のこれより太い繊度と組み合わ
せてもよい。しかし1dtex以下の極細繊維を用い
ることにより細胞形成が著しく促進され、また表
面に用いた場合は表面の初期フイブリン層、ある
いは擬内膜の厚さが大幅に薄く均一となり、特に
細口径の場合に有利である。さらに好ましい態様
としては、かかる極細繊維の利用のみならずより
空隙の多い構造即ち高透水率とすることによりよ
り薄く均一な内皮膜の形成が可能となる。本発明
では低透水率でも効果があるが、よりその特徴が
発揮されるのは高透水率の場合であり、前述透水
率で例えば600以上好ましくは1200以上さらには
2000以上6000ml/min・cm2・120mmHg以下のよう
な場合である。
編み、組紐あるいは不織布の方法で容易に可能で
ある。特に細番手のヤーンを用いチユーブを形成
するのは作業性の点で極めて難しいが、本発明の
ごとく多成分系繊維を用い、当初は太い状態でチ
ユーブ加工しておき、加工後極細化処理(細番手
処理)するのが特に効果的である。本発明におい
て極細繊維のほかに、補強もしくはキンキング防
止等のための通常のこれより太い繊度と組み合わ
せてもよい。しかし1dtex以下の極細繊維を用い
ることにより細胞形成が著しく促進され、また表
面に用いた場合は表面の初期フイブリン層、ある
いは擬内膜の厚さが大幅に薄く均一となり、特に
細口径の場合に有利である。さらに好ましい態様
としては、かかる極細繊維の利用のみならずより
空隙の多い構造即ち高透水率とすることによりよ
り薄く均一な内皮膜の形成が可能となる。本発明
では低透水率でも効果があるが、よりその特徴が
発揮されるのは高透水率の場合であり、前述透水
率で例えば600以上好ましくは1200以上さらには
2000以上6000ml/min・cm2・120mmHg以下のよう
な場合である。
また、本発明では口径6mm以下の場合に有効で
あり、従来6mmφ以下のこのような高水率の場合
はプリクロツテイングは極めて難しかつたが、本
発明のごとき構造とすることでこのプリクロツテ
イングも容易に均一に行え、薄い均一な内皮膜形
成が可能となり細口径での血栓閉塞も著しく軽減
されるのである。
あり、従来6mmφ以下のこのような高水率の場合
はプリクロツテイングは極めて難しかつたが、本
発明のごとき構造とすることでこのプリクロツテ
イングも容易に均一に行え、薄い均一な内皮膜形
成が可能となり細口径での血栓閉塞も著しく軽減
されるのである。
このプリクロツテイングをより容易に行わしめ
る手段として、例えば、人工血管内部に、その径
に見合つた、かつ人工血管素材に比し、凝固血液
との剥離性の良い状態もしくは物質からなるチユ
ーブ、棒、パイプなど、例えば、フツ素系、ポリ
アセタール系、シリコーン系、ポリオレフイン系
などからなるもの、あるいは表面コーテイングし
て凝固血液との剥離性を上げたチユーブ、パイ
プ、棒などを挿入した状態でプリクロツテイング
を行い完了後挿入物を抜き取る方法が極めて効果
的であり、一般に広く推奨できる画期的な方法で
ある。本発明でもこの方法は有効に活用できる。
る手段として、例えば、人工血管内部に、その径
に見合つた、かつ人工血管素材に比し、凝固血液
との剥離性の良い状態もしくは物質からなるチユ
ーブ、棒、パイプなど、例えば、フツ素系、ポリ
アセタール系、シリコーン系、ポリオレフイン系
などからなるもの、あるいは表面コーテイングし
て凝固血液との剥離性を上げたチユーブ、パイ
プ、棒などを挿入した状態でプリクロツテイング
を行い完了後挿入物を抜き取る方法が極めて効果
的であり、一般に広く推奨できる画期的な方法で
ある。本発明でもこの方法は有効に活用できる。
本発明では極細繊維と通常の太い繊維との組み
合わせでも良好な結果を示す場合が多いが、より
好ましい場合は総て極細繊維からなるものであ
る。
合わせでも良好な結果を示す場合が多いが、より
好ましい場合は総て極細繊維からなるものであ
る。
[実施例]
実施例 1
経糸55Dtex−48fのポリエチレンテレフタレー
ト、緯糸に128Dtex−32f多芯型複合繊維(高分
子配列体)で島数16/fのもを用いて平織組織で
チユーブを作製した。このとき用いた高分子配列
体繊維には海成分ポリスチレン20部、島成分ポリ
エチレンテレフタレート80部であつた。このチユ
ーブの上から、別途同一の高分子配列体繊維を用
い形成した7g/m2のウエツプを巻きウオーター
ジエツトパンチ処理を行つた。この後トルエン中
に浸け、次いでクリンプ付与処理を行つた。この
人工血管は第1図の如く0.2dtexの極細繊維が繊
組織の空間部にランダムに薄く散在していた。ま
た、内径は6mmφで透水率は3100ml/min・cm2・
120mlHgであつた。この人工血管に太さ約6mmの
ステンレスの棒にシリコーンゴムをコートした棒
を挿入し、犬の血液を用いプリクロツテイング処
理をしたところ、極めて均一に良好なプリクロツ
テイングを行うことができた。この処理をした人
工血管を用いた犬に植え込みテストをしたとこ
ろ、45日ですでに良好な厚さ20μmの極めて均一
な擬内膜形成がみられ画期的効果が確認された。
ト、緯糸に128Dtex−32f多芯型複合繊維(高分
子配列体)で島数16/fのもを用いて平織組織で
チユーブを作製した。このとき用いた高分子配列
体繊維には海成分ポリスチレン20部、島成分ポリ
エチレンテレフタレート80部であつた。このチユ
ーブの上から、別途同一の高分子配列体繊維を用
い形成した7g/m2のウエツプを巻きウオーター
ジエツトパンチ処理を行つた。この後トルエン中
に浸け、次いでクリンプ付与処理を行つた。この
人工血管は第1図の如く0.2dtexの極細繊維が繊
組織の空間部にランダムに薄く散在していた。ま
た、内径は6mmφで透水率は3100ml/min・cm2・
120mlHgであつた。この人工血管に太さ約6mmの
ステンレスの棒にシリコーンゴムをコートした棒
を挿入し、犬の血液を用いプリクロツテイング処
理をしたところ、極めて均一に良好なプリクロツ
テイングを行うことができた。この処理をした人
工血管を用いた犬に植え込みテストをしたとこ
ろ、45日ですでに良好な厚さ20μmの極めて均一
な擬内膜形成がみられ画期的効果が確認された。
比較例 1
経糸と緯糸ともに実施例1と同じ糸使いで同様
の手段で密度の異なる、また実施例1の真綿状の
ウエツプを用いないチユーブを形成し、透水率が
実施例1に最も近い2900ml/min・cm2・120mlHg
のものを選び、同様にプリクロツテイング処理し
犬の体内に植え込んだ。このもの、織密度が粗
く、織目空間部が大きく、この部分に血液のため
の核となる極細繊維が存在しないものであつて、
プリクロツテイングは人工血管の孔が大きいため
かなりの技術を要し、実施例1程の薄く均一な状
態とはならなかつた。犬のテストでも植え込み後
出血がみられ血漏防止性も十分ではなかつた。
の手段で密度の異なる、また実施例1の真綿状の
ウエツプを用いないチユーブを形成し、透水率が
実施例1に最も近い2900ml/min・cm2・120mlHg
のものを選び、同様にプリクロツテイング処理し
犬の体内に植え込んだ。このもの、織密度が粗
く、織目空間部が大きく、この部分に血液のため
の核となる極細繊維が存在しないものであつて、
プリクロツテイングは人工血管の孔が大きいため
かなりの技術を要し、実施例1程の薄く均一な状
態とはならなかつた。犬のテストでも植え込み後
出血がみられ血漏防止性も十分ではなかつた。
実施例 2
高分子配列体繊維で55Dtex−24f、島数36、島
成分ポリエチレンテレフタレート30部、海成分共
重合ポリエステル70部のものを経糸、緯糸に用
い、平組織でチユーブAを形成した。さらに別途
経糸55Dtex−48fの通常のポリエチレンテレフタ
レート繊維、緯糸に55Dtex−98fの通常のポリエ
チレンテレフタレート繊維を用い5枚繻子組織で
袋織りしチユーブBを形成した。既に準備したチ
ユーブAを4.2mmφのステンレス棒に通し、この
上から後のチユーブBを被せ2%のカセイソーダ
液で60℃×20分処理し、中和し水洗後さらにクリ
ンプ加工した。このチユーブの織り密度は、内面
は経×緯密度=120×135本/inである(実際はヤ
ーンを構成するフイラメント1本が更に36本に分
かれているためフイラメント繊維の密度でいえ
ば、この36倍の本数のものとなる)極めて高密度
のものにもかかわらず細番手のため比較的空間の
あるものであつた。外側は経×緯=46×50本/in
と極めて粗いものである。この人工血管は外側の
組織の粗い空間部に内側の細番手の0.02dtexの極
細繊維が交錯して存在していた。またこの人工血
管の透水率は1800ml/min・cm2・120mmHgであ
り、犬に植え込むに当たりプリクロツテイング性
は極めて良好であつた。また吻合性も柔軟で極め
て良くほつれも殆ど見られなかつた。治癒経過は
85日で内面全体に及ぶ内膜形成がみられ極めて良
好な結果を示した。
成分ポリエチレンテレフタレート30部、海成分共
重合ポリエステル70部のものを経糸、緯糸に用
い、平組織でチユーブAを形成した。さらに別途
経糸55Dtex−48fの通常のポリエチレンテレフタ
レート繊維、緯糸に55Dtex−98fの通常のポリエ
チレンテレフタレート繊維を用い5枚繻子組織で
袋織りしチユーブBを形成した。既に準備したチ
ユーブAを4.2mmφのステンレス棒に通し、この
上から後のチユーブBを被せ2%のカセイソーダ
液で60℃×20分処理し、中和し水洗後さらにクリ
ンプ加工した。このチユーブの織り密度は、内面
は経×緯密度=120×135本/inである(実際はヤ
ーンを構成するフイラメント1本が更に36本に分
かれているためフイラメント繊維の密度でいえ
ば、この36倍の本数のものとなる)極めて高密度
のものにもかかわらず細番手のため比較的空間の
あるものであつた。外側は経×緯=46×50本/in
と極めて粗いものである。この人工血管は外側の
組織の粗い空間部に内側の細番手の0.02dtexの極
細繊維が交錯して存在していた。またこの人工血
管の透水率は1800ml/min・cm2・120mmHgであ
り、犬に植え込むに当たりプリクロツテイング性
は極めて良好であつた。また吻合性も柔軟で極め
て良くほつれも殆ど見られなかつた。治癒経過は
85日で内面全体に及ぶ内膜形成がみられ極めて良
好な結果を示した。
[発明の効果]
本発明の構造の人口血管とすることにより、プ
リクロツテイング性に優れ、薄く良好なプリクロ
ツテイングと薄く均一な肉皮膜の早期形成が可能
となり取扱性と生体適合性を同時に満足する画期
的な人口血管が得られる。
リクロツテイング性に優れ、薄く良好なプリクロ
ツテイングと薄く均一な肉皮膜の早期形成が可能
となり取扱性と生体適合性を同時に満足する画期
的な人口血管が得られる。
第1図、第2図に本発明を理解するための一助
として、いずれも概念図により本発明による人工
血管の構造の1例を示した。第1図は太番手より
なる目の粗い織組織の間に極細繊維が薄く分繊し
て実質的に透水率を低下させずにプリクロツテイ
ング性を上げられるような構造となつているもの
である。第2図は極細繊維よりなる細番手の目の
細かい内面のチユーブAの上に太番手の目の粗い
チユーブBが形成された2重構造となつているも
のである。 1……目の粗い織組織、2……極細繊維、3…
…チユーブB、4……チユーブA。
として、いずれも概念図により本発明による人工
血管の構造の1例を示した。第1図は太番手より
なる目の粗い織組織の間に極細繊維が薄く分繊し
て実質的に透水率を低下させずにプリクロツテイ
ング性を上げられるような構造となつているもの
である。第2図は極細繊維よりなる細番手の目の
細かい内面のチユーブAの上に太番手の目の粗い
チユーブBが形成された2重構造となつているも
のである。 1……目の粗い織組織、2……極細繊維、3…
…チユーブB、4……チユーブA。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 織り、編み、あるいは組紐等の基本構造を有
し、透水率が600ml/min・cm2・120mmHg以上の
人工血管において、該基本構造の組織目の空間部
に、1dtex以下の極細繊維が薄く存在した状態を
有してなることを特徴とする生体適合性とプリク
ロツテイング性に優れた人工血管。 2 織り、編み、あるいは組紐等の基本構造を有
し、透水率が600ml/min・cm2・120mmHg以上の
人工血管において、該人工血管が極細繊維を含む
多重組織からなり、少なくとも細繊度の目の細か
い層とそれよりも太繊度で目の粗い層とから構成
されてなるとともに、前記太繊度の基本構造の組
繊目の空間部には、1dtex以下の極細繊維が薄く
存在した状態を有してなることを特徴とする生体
適合性とプリクロツテイング性に優れた人工血
管。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61260719A JPS63115555A (ja) | 1986-11-04 | 1986-11-04 | 生体適合性とプリクロツテイング性に優れた人工血管 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61260719A JPS63115555A (ja) | 1986-11-04 | 1986-11-04 | 生体適合性とプリクロツテイング性に優れた人工血管 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63115555A JPS63115555A (ja) | 1988-05-20 |
| JPH0588611B2 true JPH0588611B2 (ja) | 1993-12-22 |
Family
ID=17351807
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61260719A Granted JPS63115555A (ja) | 1986-11-04 | 1986-11-04 | 生体適合性とプリクロツテイング性に優れた人工血管 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS63115555A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2014168198A1 (ja) | 2013-04-12 | 2014-10-16 | 東レ株式会社 | 抗血栓性を有する人工血管 |
| WO2014168197A1 (ja) | 2013-04-12 | 2014-10-16 | 東レ株式会社 | 抗血栓性を有する人工血管 |
| US10251742B2 (en) | 2014-02-12 | 2019-04-09 | Toray Industries, Inc. | Artificial blood vessel |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4726402B2 (ja) * | 2003-06-13 | 2011-07-20 | 泰晴 野一色 | 管腔形成誘導性材料 |
| CN106572901B (zh) * | 2014-08-12 | 2018-12-04 | 东丽株式会社 | 人工血管 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6077764A (ja) * | 1983-10-05 | 1985-05-02 | 東レ株式会社 | 人工血管 |
-
1986
- 1986-11-04 JP JP61260719A patent/JPS63115555A/ja active Granted
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2014168198A1 (ja) | 2013-04-12 | 2014-10-16 | 東レ株式会社 | 抗血栓性を有する人工血管 |
| WO2014168197A1 (ja) | 2013-04-12 | 2014-10-16 | 東レ株式会社 | 抗血栓性を有する人工血管 |
| EP2985041A4 (en) * | 2013-04-12 | 2016-10-19 | Toray Industries | ANTITOMOMOTIVE ARTIFICIAL BLOOD VESSEL |
| EP2985042A4 (en) * | 2013-04-12 | 2016-10-19 | Toray Industries | ARTIFICIAL BLOOD VESSEL ANTITHROMBOTIC |
| US10251742B2 (en) | 2014-02-12 | 2019-04-09 | Toray Industries, Inc. | Artificial blood vessel |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63115555A (ja) | 1988-05-20 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
| S801 | Written request for registration of abandonment of right |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R311801 |
|
| ABAN | Cancellation due to abandonment | ||
| R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |