JPH0592005A - 超音波影像装置 - Google Patents

超音波影像装置

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JPH0592005A
JPH0592005A JP3042133A JP4213391A JPH0592005A JP H0592005 A JPH0592005 A JP H0592005A JP 3042133 A JP3042133 A JP 3042133A JP 4213391 A JP4213391 A JP 4213391A JP H0592005 A JPH0592005 A JP H0592005A
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JP3042133A
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English (en)
Inventor
Tourai Riyuu
東来 劉
Atsuo Iida
安津夫 飯田
Takuya Noda
拓也 野田
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、超音波照射に従って被検査物体の断
層像を得る超音波影像装置に関し、小さなハードウェア
量に従いつつ、被検査物体中の音速の不均一性に起因す
る画像劣化を防止して高精度の画像を得るようにするこ
とを目的とする。 【構成】受信信号の位相に従って、被検査物体中の音速
の不均一性を検出する位相検出手段45が、規定のサン
プリング周波数に従ってサンプリングされる検出対象の
2つの受信信号の相互相関値を算出する算出手段450
と、算出手段450の算出する相互相関値を補間する補
間手段451と、補間手段451の補間する相互相関値
から、相互相関値の算出対象となった2つの受信信号の
位相の乱れ値を検出する検出手段452とを備えること
で、被検査物体中の音速の不均一性を検出するように構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波照射に従って被
検査物体の断層像を得る超音波影像装置に関し、特に、
小さなハードウェア量に従いつつ、被検査物体中の音速
の不均一性に起因する画像劣化を防止して、高精度の画
像を得ることができるようにする超音波影像装置に関す
るものである。
【0002】医療分野等を中心にして、物体内部を可視
化する超音波影像装置が広く用いられている。この超音
波影像装置は、超音波を放射する電気音響変換素子を1
列に配設し、物体内の点から反射されてくる超音波をこ
の電気音響変換素子で検出して、遅延処理に従ってこの
検出値を整相してから加算していくことで、物体内の特
定の点にフォーカスされた影像信号を得るようにすると
ともに、超音波を放射する電気音響変換素子を走査する
ことでフォーカス点を直線上に走査したり、遅延処理を
制御することでフォーカス点を扇形に走査したりしてい
くことで、物体内部の断層像を得るようにしていく構成
を採るものである。このような構成を採るものであるこ
とから、物体内部の音速が均一でないと鮮明な画像を得
ることができなくなる。これから、超音波影像装置で
は、被検査物体中の音速の不均一性に起因する画像劣化
を防止できるようにする手段を備えていく必要がある。
【0003】
【従来の技術】先ず最初に、特開昭53−28989号
公報や特開昭54−96286号公報に開示されている
超音波影像装置の回路構成に従って、超音波影像装置の
基本動作について説明する。
【0004】図9に、この超音波影像装置の回路構成を
図示する。図中、1-i(i=1〜n)は1列に配列され
て、超音波を放射するとともに反射されてくる超音波を
検出する複数の電気音響変換素子、2は各電気音響変換
素子1-iに電気パルスを印加することで超音波放射を制
御する送信回路、3-i(i=1〜n)は電気音響変換素
子1-iの検出する反射超音波信号を増幅するプリアン
プ、4-i(i=1〜n)はLC回路により構成されて、
プリアンプ3-iの出力する電気信号を設定変更可能な遅
延量でもって遅延する小遅延線、5-i(i=1〜n)は
LC回路により構成されて、小遅延線4-iの出力する電
気信号を設定変更可能な遅延量でもって遅延する固定遅
延線、6は固定遅延線5-iの出力する電気信号を整相加
算する加算回路、7は小遅延線4-i及び固定遅延線5-i
の遅延量を管理するROM、8はROM7の管理する遅
延量に従って小遅延線4-i及び固定遅延線5-iに遅延量
を設定する制御回路である。
【0005】ここで、小遅延線4-iと固定遅延線5-iと
いう2種類の遅延手段を設けてあるのは、小遅延線4-i
でもって微小な遅延量の設定を可能にすることで、固定
遅延線5-iの遅延量の量子化を大きくしてコストの低減
を実現することにその理由がある。また、固定遅延線5
-iは、特開昭53−28989号公報で開示されている
ように、実際には、図10に示すようなタップ付きの遅
延と加算を同時に行う構成のもので用意されて、小遅延
線4-iの出力をスイッチを介してこのタップに入力して
いくことで1つだけ足りるようにするとともに、加算回
路6を省略できるようにする構成が採られている。ま
た、小遅延線4-iの代わりに、ミキサ等を用いる位相変
換回路が用いられることもある。
【0006】このように構成されるときにあって、図1
1に示すように、n個備えられる電気音響変換素子1-i
群の中心点Oの真下の距離Lにある点Pにフォーカスし
ようとする場合には、中心点Oと中心点Oから数えてi
番目の電気音響変換素子1-iとの間の距離をXi とする
ならば、このi番目の電気音響変換素子1-iの遅延量τ
i を、
【数1】 但し、c :超音波の音速 τ0 :τi が正となるための定数に設定して、この遅延
量τi により整相されたn個の電気音響変換素子1-iの
受信信号を加算していくことで実現されることになる。
すなわち、中心点Oから数えてi番目の電気音響変換素
子1-iは、点Pとの距離が長くなる分遅れて超音波の反
射波が到達するので、その遅れ分中心点Oよりも遅延量
τi を短く設定することで整相するとともに、その整相
された受信信号を加算していくことで、点Pへのフォー
カスを実現するのである。ここで、このXi は、
【数2】 但し、p:電気音響変換素子1-iのピッチ間隔で表され
るものである。
【0007】そして、超音波影像装置では、超音波を放
射検出する電気音響変換素子1-i群を走査していくこと
でフォーカス点を直線上に走査したり、遅延処理を制御
することでフォーカス点を扇形に走査したりしていくこ
とで、このようにして得られるフォーカスされた影像信
号を合成して物体内部の断層像を得るのである。
【0008】なお、この遅延量τi の設定は、具体的に
は、固定遅延線5-iの量子化誤差をΔτとするならば、
各固定遅延線5-iの遅延量Ti は、 Ti =int(τi /Δτ)×Δτ 但し、int:小数点以下を切り捨てた整数値に従って
設定され、一方、小遅延線4-iの遅延量ti は、 ti =τi −Ti に従って設定されるものであって、ROM7は、予め算
出されるこれらの遅延量を管理し、制御回路8は、この
ROM7の管理する遅延量を読み出して、小遅延線4-i
及び固定遅延線5-iの遅延量をこの値に設定していくの
である。また、小遅延線4-iの代わりに位相変換回路が
用いられる場合には、この位相変換回路は、下式により
規定される位相シフト量Δφi Δφi =2πf0 ×ti 但し、f0 :超音波の中心周波数分の位相シフト処理を
実行していくことになる。
【0009】このように構成される超音波影像装置で
は、上述のことからも明らかなように、物体内部の音速
cが一定であることを条件としている。しかるに、人体
の組織では、筋肉や肝臓等の組織の音速が1570m/
sと速いのに対して、体表近くにある脂肪の組織の音速
は1480m/sと遅くなる。そして、この脂肪の組織
は、図12に示すように、体の位置によってその厚さが
異なっている。これから、人体を検査対象とすると、受
信波の波面がくずれてフォーカスが劣化し、鮮明な影像
が得られないという問題点がでてくることになる。
【0010】次に、この問題点の解決を図るために用い
られている従来技術について説明する。図13に、これ
らの従来技術の基本回路構成を図示する。図中、図9で
説明したものと同じものについては同一の記号で示して
ある。この回路構成から分かるように、従来技術では、
音速の不均一性に起因する影像の劣化を防止するため
に、新たに位相検出回路9を備える構成を採っている。
【0011】この位相検出回路9は、「USP4817
614」で開示されるように、隣接する電気音響変換素
子1-iの受信信号を処理対象信号として入力として、こ
の「USP4817614」や「USP447178
5」で開示されるように、入力する2つの処理対象信号
の相互相関値を算出することで、2つの受信信号の時間
的なズレを特定して受信波の波面の乱れを検出し、「U
SP4484477」で開示されるように、この特定さ
れた時間的な変位の遅延量に従って、制御回路8に保持
される設定用の遅延量を書き換えていくことで、受信波
の波面の乱れを補正していく処理を行うものである。こ
こで、この相互相関の演算処理は、アナログ信号処理に
従って実行されることもあるが、「USP447178
5」や「USP4484477」に開示されるように、
ディジタル信号処理に従って実行されることもある。
【0012】図14に、この位相検出回路9の詳細な回
路構成を図示する。この図に示すように、位相検出回路
9は、プリアンプ3-iの出力する受信信号を一時的に記
憶する波形メモリ10と、波形メモリ10から隣接する
電気音響変換素子1-iの受信信号を選択して相互相関値
を算出する相互相関器11と、相互相関器11の算出す
る相互相関値の最大値を示す時間変位を検出する変位検
出器12と、変位検出器12の検出する時間変位を積算
していくことで全受信信号の遅延量を決定して制御回路
8に通知する積算器13とから構成されるものである。
なお、波形メモリ10がディジタルメモリで構成される
場合には、A/Dコンバータが必要になり、アナログメ
モリで構成される場合には、サンプル・ホールド回路が
必要となるが、これらは、波形メモリ10に含まれてい
るものとして図示するのを省略してある。
【0013】すなわち、この位相検出回路9は、図15
(a)に示すような規定のサンプリング時間間隔Δtで
もってサンプリングされる隣接する2つの電気音響変換
素子1-iの受信信号u1(t),u2(t)に対して、
【数3】 但し、t1 〜t2 :演算時間範囲で表される相互相関演
算を施すことで、図15(b)に示すように、各時間変
位τi (≡Δt×i)での相互相関値Q(τi )を算出
して、この相互相関値Q(τi )の内の最大値をとる時
間変位τM を特定していくことで、演算対象の2つの受
信信号の遅延量τM を決定していくとともに、この遅延
量τM を積算していくことで全受信信号の遅延量を決定
して制御回路8に通知していくのである。
【0014】なお、この位相検出回路9の台数は、1台
だけ備える構成を採って、この1台の位相検出回路9
が、全受信信号の遅延量を決定していくという構成を採
る場合もあるし、あるいは、電気音響変換素子1-iの台
数から“1”引いた台数備える構成を採って、各位相検
出回路9が対応の受信信号の遅延量を決定していくとと
もに、制御回路8側でこの遅延量の積算処理を実行して
いくことで全受信信号の遅延量を決定していくという構
成を採る場合もある。
【0015】また、図13の従来技術では、位相検出回
路9がプリアンプ3-iの出力信号を検出対象とするもの
で示してあるが、これは、固定遅延線5-iが図10に示
すような遅延と加算を同時に行う構成のものを用いてい
るために、固定遅延線5-iから個々の遅延出力を取り出
せないことにその理由があるのであって、遅延だけを行
うものを個々に備える構成を採る場合には、音速が均一
であるときに整相されることになる固定遅延線5-iの出
力信号を検出対象とすることの方が好ましいのである。
【0016】その他の従来技術として、「USP483
5689」で開示されるように、直交検波を用いて音速
の不均一性に起因する影像の劣化を補正していくものが
開示されている。
【0017】以上に説明した従来技術の構成では、送信
の際に発生する波面の乱れを考慮していないが、この送
信の際に発生する波面の乱れの影響が小さなものである
ということは、「S.W.FLAX and M.O'DONNEL,"Phase-Abe
rration Correction Using Signals From Point Reflec
tors and Diffuse Scatterres:Basic Principles",IEEE
TRANSACTION ON ULTRASONICS,FERROELECTRICS,AND FRE
QUENCY CONTROL,VOL 35,NO.6,NOVEMBER 1988,p758-767
」で示唆されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、位相
検出回路9は、音速の不均一性に起因する影像劣化を防
止のために必要とされる受信信号の遅延量を決定してい
くために、電気音響変換素子1-iの受信信号の相互相関
演算処理を実行していくことになるが、この相互相関値
は、図15(b)にも示したように、受信信号のサンプ
リング時間間隔Δtでもって求められるために、位相検
出回路9により決定される遅延量がこのΔtの誤差を含
んでしまうことになる。これから、遅延量を積算してい
くときに、この誤差が蓄積してしまうことで電気音響変
換素子1-iの受信信号の遅延量が正確に求められないこ
とになる。
【0019】この問題点を解決するために、上述の「S.
W.FLAX and M.O'DONNEL 」の文献では、超音波周波数と
して3.5MHzを用いているときに、本来であれば、
20MHz程度のサンプリング周波数により規定される
遅延量精度で十分であるにもかかわらず、累積誤差を防
ぐために、受信信号を100MHzでサンプリングして
いくことで対処するという方法を開示している。しかし
ながら、このようにサンプリング周波数を高くするとい
うことは、サンプリングデータを多く採取しなければな
らず、これがために、位相検出回路9の回路規模が膨大
なものになるという問題点があった。すなわち、従来技
術では、音速の不均一性に起因する影像劣化を防止し
て、高精度の画像を得るようにするためには、膨大なハ
ードウェア量を持つ回路を要求されるという問題点があ
ったのである。
【0020】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって、超音波照射に従って被検査物体の断層像を得
る超音波影像装置において、小さなハードウェア量に従
いつつ、被検査物体中の音速の不均一性に起因する画像
劣化を防止して、高精度の画像を得ることができる新た
な超音波影像装置の提供を目的とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】図1に本発明の原理構成
を図示する。図中、30は超音波検出端、40は超音波
影像装置本体である。超音波検出端30は、1列又は格
子状に配列されて、被検査物体に対して超音波を放射す
るとともに、被検査物体から反射される超音波を電気信
号に変換する複数の電気音響変換素子31-i(i=1〜
n)から構成される。
【0022】超音波影像装置本体40は、送信手段41
と、電気音響変換素子31-i対応に備えられる整相手段
42-i(i=1〜n)と、記憶手段43と、基準信号発
生手段44と、1つ又は複数の検出単位手段に従って構
成される位相検出手段45と、加算手段46と、表示信
号生成手段47と、表示手段48と、制御手段49とを
備える。
【0023】この送信手段41は、電気音響変換素子3
1-iに電気パルスを印加することで超音波放射を制御
し、整相手段42-iは、電気音響変換素子31-iの出力
する受信信号をその電気音響変換素子31-iと被検査物
体との距離に応じて遅延することで整相し、記憶手段4
3は、整相手段42-iに設定されることになる電気音響
変換素子31-iと被検査物体との距離に応じた遅延量を
管理し、基準信号発生手段44は、受信信号と同一の周
波数を持つ基準信号を発生し、位相検出手段45の検出
単位手段は、規定のサンプリング周波数に従ってサンプ
リングされる電気音響変換素子31-i又は整相手段42
-iの出力する隣接する2つの受信信号(この内の1つの
受信信号に代えて基準信号発生手段44の発生する基準
信号が用いられることもある)の相互相関値を算出する
算出手段450と、算出手段450の算出する相互相関
値を補間する補間手段451と、補間手段451の補間
する相互相関値から受信信号の位相の乱れ値を検出する
検出手段452とを備えることで、音速の不均一に起因
する受信信号の位相の乱れ値を検出し、加算手段46
は、整相手段42-iの出力する整相された受信信号を加
算し、表示信号生成手段47は、加算手段46の出力す
る加算信号を輝度変換することで表示信号を生成し、表
示手段48は、表示信号生成手段47により生成される
表示信号を可視化し、制御手段49は、これらの手段の
制御処理を実行する。
【0024】補間手段451は、算出手段450により
算出される相互相関値に従って、用意される係数未定の
高次の補間関数のその係数を算出して補間関数の関数形
態を決定していくことで、算出手段450により算出さ
れる相互相関値を補間していくように処理することがあ
り、更に、このとき、算出手段450により算出される
相互相関値の値関係から、最大の相互相関値をとる領域
を特定して、その領域に含まれる相互相関値に従って補
間関数の関数形態を決定していくように処理することが
ある。
【0025】
【作用】本発明では、位相検出手段45の算出手段45
0は、規定のサンプリング周波数に従ってサンプリング
される2つの受信信号の相互相関値を算出し、補間手段
451は、このサンプリング時間間隔単位に従って算出
される相互相関値の更に細かな時間間隔での相互相関値
を特定できるようにと補間し、検出手段452は、この
補間された相互相関値の最大値を示す時間変位τM を特
定していくことで、隣接する2つの受信信号の持つ遅延
量の違いを特定していくとともに、自検出単位手段又は
他の検出単位手段により求められるこれらの遅延量を累
算していくことで、全受信信号についての遅延量を決定
する。
【0026】そして、検出手段452は、電気音響変換
素子31-iの出力する受信信号を検出対象とする場合に
は、この決定した遅延量と、整相手段42-iに設定され
ている記憶手段43の管理する対応の遅延量との差分値
を算出することで、音速の不均一性に起因する位相の乱
れの遅延量を検出し、一方、整相手段42-iの出力する
受信信号を検出対象とする場合には、この決定した遅延
量を音速の不均一性に起因する位相の乱れの遅延量とし
て検出し、制御手段49は、このようにして検出された
位相の乱れの遅延量に従って、整相手段42-iに設定し
た遅延量を補正していくように処理する。
【0027】ここで、この処理にあって、算出手段45
0が基準信号発生手段44の発生する基準信号と受信信
号との相互相関値を算出するときには、基準信号を共通
の基準とする遅延量が検出されるので、検出手段451
は、遅延量の累算処理を行うことなく全受信信号につい
ての遅延量を決定していくことになる。
【0028】このようにして、本発明では、受信信号の
サンプリング周波数を高くしなくても、サンプリング周
波数より高い分解能でもって受信信号の遅延量が決定さ
れるので、累算処理により遅延量を決定していく場合に
あっても、整相手段42-iに設定していく遅延量をサン
プリングによる累積誤差がない状態で決定できるように
なる。これから、被検査物体中の音速の不均一性に起因
する画像劣化を防止して、高精度の画像を得ることがで
きるようになるのである。
【0029】
【実施例】以下、実施例に従って本発明を詳細に説明す
る。図2に、本発明の一実施例を図示する。図中、図1
3及び図14で説明したものと同じものについては同一
の記号で示してある。ここで、この実施例では、位相検
出回路9を1台用意し、全プリンアンプ3-iの出力する
受信信号をこの位相検出回路9の波形メモリ10に記憶
して、被検査物体中の音速の不均一性に起因する遅延量
の乱れを検出していくことで、音速の不均一性に起因す
る画像劣化を補正していく構成を想定している。
【0030】この実施例と、図13及び図14で説明し
た従来技術とを比較すれば分かるように、本発明では、
被検査物体中の音速の不均一性を補正する遅延量を決定
するために、新たに位相検出回路9の中に補間器20を
備える構成を採っている。
【0031】この新たに備えられる補間器20は、受信
信号のサンプリング周波数と同一の時間間隔により求め
られる相互相関器11の算出する相互相関値を補間し
て、更に細かな時間間隔での相互相関値を特定できるよ
うにと処理するものである。そして、本発明の変位検出
器12は、この補間器20の補間する相互相関値の最大
値を示す時間変位を検出し、積算器13は、変位検出器
12の検出する時間変位を累算していくことで全受信信
号の遅延量を決定して、制御回路8に通知していくよう
処理するものである。
【0032】次に、この補間処理の一例について説明す
る。補間器20は、相互相関器11から〔数3〕式で示
される離散的な相互相関値Q(τi )を受け取ると、先
ず最初に、受け取ったQ(τi )の内で最大値を示すQ
(τi )を検出する。すなわち、図3に示す例で説明す
るならば、Q(τj )を検出するのである。続いて、こ
の最大値を示すQ(τj )の両側に位置するQ(τi
の内の大きい値を示す方のQ(τi )を特定する。すな
わち、図3に示す例で説明するならば、Q(τj+1 )と
Q(τj-1 )の内の大きい値を示す方のQ(τi )を特
定するのである。このようにして、補間器20は、受け
取った相互相関値Q(τi )の中から最大値Q1 と、そ
の最大値Q1 に隣接する相互相関値Q(τi )の内の大
きい方の値Q2 という2つの値を特定する。図3からも
分かるように、この2つのQ1 値とQ2 値の間に、相互
相関値Q(τi )の正確な最大値QM が存在することに
なる。
【0033】補間器20は、相互相関値Q(τi )が周
期的に変化するという性質を利用して、Q1 値とQ2
の内の小さなτを示す時間点に時間原点を移動した Q(τi )=Acos(τ−ΔτM ) *ΔτM は最大値QM を示す時間と時間原点との時間差
という関数を仮定する。この関数に、上述のQ1 とQ2
を代入してみると、図3に示すように、Q1 値の方に時
間原点がある場合には、 Q1 =Acos(−ΔτM ) Q2 =Acos(Δt−ΔτM ) が得られる。この2つの式から、
【数4】 が導かれるので、最大値QM を示す時間と時間原点との
時間差ΔτM は、
【数5】 に従って決定されることになる。
【0034】これから、補間器20は、2つのQ1 値と
2 値を特定すると、
【数6】 に従って算出値αを算出することで、相互相関器11の
算出する相互相関値を補間し、この補間処理を受けて、
変位検出器12は、この算出値αを検索キーにして、用
意してあるtanの逆関数のテーブルを検索することで
時間差ΔτMを検出し、時間原点の移動値τi とこの時
間差ΔτM とを加算していくことで、演算対象とした2
つの受信信号の正確な遅延量τM を決定し、この決定処
理を受けて、積算器13は、この決定された遅延量τM
を累算していくことで全受信信号の遅延量を決定して、
制御回路8に通知していくよう処理するものである。
【0035】この遅延量を受け取ると、制御回路8は、
従来技術と変わることない処理に従って、小遅延線4-i
に音速の不均一性を補正するための遅延量を設定してい
く。すなわち、積算器13から通知される遅延量と、そ
の通知される遅延量の受信信号に対応付けられるROM
7の管理する対応の遅延量(〔数1〕で説明した遅延
量)との差分値を算出することで、音速の不均一性に起
因する位相の乱れの遅延量を検出して、小遅延線4-iに
設定してある遅延量をこの検出した遅延量分補正してい
くのである。
【0036】このようにして、本発明では、位相検出回
路9は、サンプリング周波数より高い分解能でもって受
信信号の遅延量を検出していくものであることから、受
信信号のサンプリング周波数を高くしなくても、累積誤
差を防止して、小遅延線4-iに設定していく遅延量を正
確に決定できるようになるのである。これにより、被検
査物体中の音速の不均一性に起因する画像劣化を防止し
て、高精度の画像を得ることができるようになる。
【0037】図4及び図5に、本発明の他の実施例を図
示する。この図4の実施例は、電気音響変換素子1-iで
受信する超音波の受信波と同一の周波数を持つ基準信号
を発生する基準信号発生器21を備えて、相互相関器1
1は、波形メモリ10から読み出す受信信号と、この基
準信号発生器21の発生する基準信号との相互相関値を
算出し、補間器20は、この基準信号を用いる相互相関
値を補間していくことで構成した実施例である。この構
成を採ると、変位検出器12は、基準信号を共通の基準
として各受信信号の持つ遅延量を検出していくものであ
ることから、図2の実施例で必要とした積算器13を省
略できることになる。
【0038】なお、このとき、基準信号発生器21が、
基準信号の位相を受信信号対応に変化させて、受信信号
に対応付けられるROM7の管理する対応の遅延量とな
るようにと変化させる構成を採ると、変位検出器12
は、補正対象の遅延量を直接検出できるようになるの
で、制御回路8は、上述の差分処理を実行しなくても済
むようになる。また、基準信号発生器21を備えずに、
加算回路6の出力する整相加算された受信信号を基準信
号として用いることも可能である。このときも、制御回
路8は、上述の差分処理を実行しなくても済むようにな
る。
【0039】図5の実施例は、プリアンプ3-iの出力す
る受信信号を、A/D変換器22でディジタル値に変換
してメモリ23に積み重ねて格納していくとともに、こ
の積み重ねたディジタル値の読出位置を制御していくこ
とで遅延処理を実行していく構成を採るものに対して、
本発明を適用した実施例である。図10で説明したよう
に、小遅延線4-i及び固定遅延線5-iによる遅延構成を
採ると、現実の問題として、小遅延線4-i及び固定遅延
線5-iにより遅延された受信信号を個々に取り出すこと
ができない。これに対して、この図5の遅延構成を採る
と、加算回路6の入力段で受信信号を取り出せるので、
位相検出回路9は、補正対象の遅延量を直接検出できる
ようになるのである。これにより、制御回路8は、上述
の差分処理を実行しなくても済むようになる。
【0040】図3で説明した補間処理は、サンプリング
時間間隔Δtが粗くなると、図6に示すように最大値Q
1 の検出に誤りがでることがあるために成立しなくな
る。このような不都合を解消するためには、区間〔τi,
τi+1 〕毎に、 Q(τ)=Q(τi )+bi (τ−τi ) +ci (τ−τi 2 +di (τ−τi 3 という3次関数で近似して補間していく方法を採ること
が可能であり、特に、このような補間法として、境界に
おいて2次微分まで滑らかに連続するという条件を付加
していくスプライン補間を用いることが好ましい。
【0041】図7及び図8に、このスプライン補間を用
いる場合の位相検出回路9の補間器20の構成例を図示
する。この図7に示す補間器20は、2次微分まで滑ら
かに連続する条件を付加するために相互相関値11の算
出する相互相関値のすべてを記憶する第1のメモリと、
この第1のメモリの記憶データを用いてスプライン係数
を求める係数計算器と、この係数計算器より求められた
スプライン係数を用いて相互相関値の補間値を計算する
相関値計算器と、この相関値計算器の算出するデータ量
の増加した相互相関値を記憶する第2のメモリとを備え
る構成を採っている。そして、変位検出器12が、この
第2のメモリの記憶データを用いて各受信信号の持つ遅
延量を検出していくことになる。一方、図8に示す補間
器20は、スプライン係数が求まれば、最大値を示す時
間位置が直接的に求められることになるという性質を利
用して、補間器20が、第1のメモリに相当するメモリ
と係数計算器だけを備える構成を採って、変位検出器1
2が、係数計算器の求めるスプライン係数を用いて各受
信信号の持つ遅延量を検出していくようにする構成例で
ある。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
超音波影像装置の電気音響変換素子の受信信号の遅延量
をサンプリング周波数を高めることなく正確に決定でき
るようになるので、小さなハードウェア量に従いつつ、
被検査物体中の音速の不均一性に起因する画像劣化を防
止して、高精度の画像を得ることができるようになるの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】本発明の一実施例である。
【図3】本発明の処理の説明図である。
【図4】本発明の他の実施例である。
【図5】本発明の他の実施例である。
【図6】本発明の処理の問題点を説明する説明図であ
る。
【図7】位相検出回路の他の実施例である。
【図8】位相検出回路の他の実施例である。
【図9】超音波影像装置の回路構成図である。
【図10】固定遅延線の説明図である。
【図11】遅延量の説明図である。
【図12】人体組織の説明図である。
【図13】超音波影像装置の回路構成図である。
【図14】位相検出回路の回路構成図である。
【図15】相互相関演算の説明図である。
【符号の説明】
30 超音波検出端 31 電気音響変換素子 40 超音波影像装置本体 41 送信手段 42 整相手段 43 記憶手段 44 基準信号発生手段 45 位相検出手段 46 加算手段 47 表示信号生成手段 48 表示手段 49 制御手段 450 算出手段 451 補間手段 452 検出手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1列又は格子状に配列されて、送信手段
    により印加される電気パルスに応動して被検査物体に対
    して超音波を放射するとともに、該被検査物体から反射
    される超音波の受信波を電気信号に変換する複数の電気
    音響変換素子(31)と、該電気音響変換素子(31)の出力す
    る受信信号を該電気音響変換素子(31)と該被検査物体と
    の距離に応じて遅延することで該受信信号を整相する整
    相手段(42)と、該電気音響変換素子(31)又は該整相手段
    (42)の出力する受信信号の位相の乱れ値を検出する位相
    検出手段(45)とを備え、該位相検出手段(45)の検出値に
    従って該整相手段(42)の遅延量を補正するとともに、該
    整相手段(42)の出力する整相された受信信号の加算信号
    を輝度変換して表示することで該被検査物体を可視化す
    る超音波影像装置において、 上記位相検出手段(45)が、1つ又は複数の検出単位手段
    でもって構成されて、該検出単位手段が、規定のサンプ
    リング周波数に従ってサンプリングされる検出対象の2
    つの受信信号の相互相関値を算出する算出手段(450)
    と、 上記算出手段(450) の算出する相互相関値を補間する補
    間手段(451) と、 上記補間手段(451) の補間する相互相関値から、相互相
    関値の算出対象となった2つの受信信号の位相の乱れ値
    を検出する検出手段(452) とを備え、 上記検出手段(452) の検出する位相の乱れ値の累積値に
    従って、全受信信号の位相の乱れ値が検出されるよう構
    成されることを、 特徴とする超音波影像装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の超音波影像装置におい
    て、 補間手段(451) は、算出手段(450) により算出される相
    互相関値に従って、用意される係数未定の高次の補間関
    数の該係数を算出して該補間関数の関数形態を決定して
    いくことで、該算出手段(450) により算出される相互相
    関値を補間していくよう処理することを、 特徴とする超音波影像装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の超音波影像装置におい
    て、 補間手段(451) は、算出手段(450) により算出される相
    互相関値の値関係から、最大の相互相関値をとる領域を
    特定して、該領域に含まれる相互相関値に従って、補間
    関数の関数形態を決定していくよう処理することを、 特徴とする超音波影像装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の超音波影像装
    置において、 算出手段(450) は、検出対象の受信信号の1つに代え
    て、受信信号と同一の周波数を持つ基準信号を相互相関
    値の算出対象とすることで、検出手段(452) により累積
    処理の要求されない位相の乱れ値が検出されることにな
    るよう処理することを、 特徴とする超音波影像装置。
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