JPH059589A - 焼付硬化性を有する深絞り用高強度冷延鋼板の製造方法 - Google Patents
焼付硬化性を有する深絞り用高強度冷延鋼板の製造方法Info
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- JPH059589A JPH059589A JP4701991A JP4701991A JPH059589A JP H059589 A JPH059589 A JP H059589A JP 4701991 A JP4701991 A JP 4701991A JP 4701991 A JP4701991 A JP 4701991A JP H059589 A JPH059589 A JP H059589A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】自動車用鋼板等に好適な焼付硬化性を有する深
絞り用高強度冷延鋼板の製造方法。 【構成】重量%で、C:0.0015〜0.0050%、Si:1.5%
以下、Mn:0.06〜1.50%、P: 0.100%以下、S:0.03
0 %以下、Ti:〔(48/14) N (%) 〕〜〔(48/14) N
(%) +(48/32) S (%) 〕、Nb: 0.003〜0.020 %で
且つ〔 0.7×(93/12) C (%)〕以下、N:0.0040%以
下、Al:0.010 〜0.090 %を含有する鋼を用いる。この
鋼を、Ar3点以上の温度域で熱間圧延した後、下記
(1)式を満たす温度で巻取り、しかる後、圧下率50%
以上の冷間圧延を施し、再結晶温度以上 850℃以下の温
度域で焼鈍する。 巻取り温度 (K)≦ 500×log (Cal.Sol. C) +280 ・・・・・ (1) 但し、(Cal.Sol. C) =〔 TotalC (%) −(12/93)Nb(%) 〕×104 【効果】 生産性や表面品質等を損なうことなく、成形
加工がしやすくて、成形加工後の焼付塗装により降伏強
度の上昇が大きい高強度の冷延鋼板が得られる。
絞り用高強度冷延鋼板の製造方法。 【構成】重量%で、C:0.0015〜0.0050%、Si:1.5%
以下、Mn:0.06〜1.50%、P: 0.100%以下、S:0.03
0 %以下、Ti:〔(48/14) N (%) 〕〜〔(48/14) N
(%) +(48/32) S (%) 〕、Nb: 0.003〜0.020 %で
且つ〔 0.7×(93/12) C (%)〕以下、N:0.0040%以
下、Al:0.010 〜0.090 %を含有する鋼を用いる。この
鋼を、Ar3点以上の温度域で熱間圧延した後、下記
(1)式を満たす温度で巻取り、しかる後、圧下率50%
以上の冷間圧延を施し、再結晶温度以上 850℃以下の温
度域で焼鈍する。 巻取り温度 (K)≦ 500×log (Cal.Sol. C) +280 ・・・・・ (1) 但し、(Cal.Sol. C) =〔 TotalC (%) −(12/93)Nb(%) 〕×104 【効果】 生産性や表面品質等を損なうことなく、成形
加工がしやすくて、成形加工後の焼付塗装により降伏強
度の上昇が大きい高強度の冷延鋼板が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は焼付硬化性を有する深
絞り用高強度冷延鋼板の製造方法に関するものである。
絞り用高強度冷延鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車を始め、家電製品等の分野には冷
延鋼板が広く使用されている。これらの分野では、冷延
鋼板をそのまま使用するより、寧ろプレス等で成形加工
を施して使用することが多い。従って、素材の冷延鋼板
には良好な加工性が求められる。一方、自動車を例にと
れば、近年、車体の軽量化による燃費向上と安全性の追
求から高強度の冷延鋼板が求められている。ところが、
一般に強度が高くなるにつれて加工性が低下するため、
高強度冷延鋼板は成形加工が困難である。
延鋼板が広く使用されている。これらの分野では、冷延
鋼板をそのまま使用するより、寧ろプレス等で成形加工
を施して使用することが多い。従って、素材の冷延鋼板
には良好な加工性が求められる。一方、自動車を例にと
れば、近年、車体の軽量化による燃費向上と安全性の追
求から高強度の冷延鋼板が求められている。ところが、
一般に強度が高くなるにつれて加工性が低下するため、
高強度冷延鋼板は成形加工が困難である。
【0003】このようなことから、近年、成形加工に供
するまでは良好な加工性を示し、プレス成形後の焼付塗
装後に降伏強度が上昇する特性、即ち焼付硬化性 (BH
性)を有する高強度冷延鋼板が開発されている。
するまでは良好な加工性を示し、プレス成形後の焼付塗
装後に降伏強度が上昇する特性、即ち焼付硬化性 (BH
性)を有する高強度冷延鋼板が開発されている。
【0004】例えば、特公昭60−46166 号公報に、極低
炭素鋼にTiを添加した冷延鋼板を850℃以上の温度で連
続焼鈍することによって、焼付硬化性を付与した深絞り
性に優れる冷延鋼板の製造方法、或いは特公昭61−4568
9 号公報および特開昭61−276928号公報に、適量のTiと
Nbを複合添加した極低炭素鋼を、熱間圧延、巻取り、冷
間圧延後の再結晶焼鈍を特定の条件で行うことによっ
て、焼付硬化性を付与した深絞り性に優れる冷延鋼板の
製造方法が提案されている。
炭素鋼にTiを添加した冷延鋼板を850℃以上の温度で連
続焼鈍することによって、焼付硬化性を付与した深絞り
性に優れる冷延鋼板の製造方法、或いは特公昭61−4568
9 号公報および特開昭61−276928号公報に、適量のTiと
Nbを複合添加した極低炭素鋼を、熱間圧延、巻取り、冷
間圧延後の再結晶焼鈍を特定の条件で行うことによっ
て、焼付硬化性を付与した深絞り性に優れる冷延鋼板の
製造方法が提案されている。
【0005】しかしながら、上記の特公昭60−46166 号
公報に記載の方法のように、連続焼鈍を 850℃以上とい
う高い温度で行うと、加熱炉の寿命が損なわれたり、エ
ネルギーの使用量が増加したり、鋼板の平坦度が損なわ
れたりする。また、特公昭61−45689 号公報に記載の方
法の場合には、Tiは鋼中のNだけでなくSとも結合する
ため、同公報に記載される組成の鋼では熱延終了時に固
溶Nが残存し、この固溶Nが焼鈍時に一部微細なAlNと
して析出し、深絞り性を劣化させるだけでなく、固溶N
が残るために焼付硬化性のコントロールが難しい。特開
昭61−276928号公報に記載の方法の場合には、固溶Cを
有効Ti量 (totalTi−TiasTiN−TiasTiS) およびNb量
で規定していることから、固溶Cを適正量に管理するの
が非常に難しい。
公報に記載の方法のように、連続焼鈍を 850℃以上とい
う高い温度で行うと、加熱炉の寿命が損なわれたり、エ
ネルギーの使用量が増加したり、鋼板の平坦度が損なわ
れたりする。また、特公昭61−45689 号公報に記載の方
法の場合には、Tiは鋼中のNだけでなくSとも結合する
ため、同公報に記載される組成の鋼では熱延終了時に固
溶Nが残存し、この固溶Nが焼鈍時に一部微細なAlNと
して析出し、深絞り性を劣化させるだけでなく、固溶N
が残るために焼付硬化性のコントロールが難しい。特開
昭61−276928号公報に記載の方法の場合には、固溶Cを
有効Ti量 (totalTi−TiasTiN−TiasTiS) およびNb量
で規定していることから、固溶Cを適正量に管理するの
が非常に難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明の課題は、上
記のような問題を解消した成形加工に供するまでは良好
な加工性を示し、焼付塗装後に降伏強度が大きく上昇す
る冷延鋼板、即ち、焼付硬化性を有する深絞り性に優れ
た高強度冷延鋼板を安定して製造することができる方法
を提供することにある。
記のような問題を解消した成形加工に供するまでは良好
な加工性を示し、焼付塗装後に降伏強度が大きく上昇す
る冷延鋼板、即ち、焼付硬化性を有する深絞り性に優れ
た高強度冷延鋼板を安定して製造することができる方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明者は、上記課題
を達成するために素材鋼の化学組成および製造条件に関
して検討を行った結果、Ti量を鋼中のNおよびS量で、
またNb量を鋼中のC量で規定した鋼を素材に使用し、熱
間圧延後の巻取りを特定の温度域で行えば、焼付硬化性
を有する深絞り性に優れた高強度冷延鋼板が得られるこ
とを見出し、この発明に至った。
を達成するために素材鋼の化学組成および製造条件に関
して検討を行った結果、Ti量を鋼中のNおよびS量で、
またNb量を鋼中のC量で規定した鋼を素材に使用し、熱
間圧延後の巻取りを特定の温度域で行えば、焼付硬化性
を有する深絞り性に優れた高強度冷延鋼板が得られるこ
とを見出し、この発明に至った。
【0008】ここにこの発明の要旨は「重量%で、C:
0.0015〜0.0050%、Si: 1.5%以下、Mn:0.06〜1.50
%、P: 0.100%以下、S:0.030 %以下、Ti:〔(48/
14) N (%) 〕〜〔(48/14)N (%) +(48/32) S
(%)〕、Nb: 0.003〜0.020 %で且つ〔 0.7×(93/12)
C (%) 〕以下、N:0.0040%以下、Al:0.010 〜0.0
90 %を含有する鋼を、 Ar3点以上の温度域で熱間圧延
した後、下記 (1)式を満たす温度で巻取り、しかる
後、圧下率50%以上の冷間圧延を施し、再結晶温度以上
850℃以下の温度域で焼鈍することを特徴とする焼付硬
化性を有する深絞り用高強度冷延鋼板の製造方法」にあ
る。
0.0015〜0.0050%、Si: 1.5%以下、Mn:0.06〜1.50
%、P: 0.100%以下、S:0.030 %以下、Ti:〔(48/
14) N (%) 〕〜〔(48/14)N (%) +(48/32) S
(%)〕、Nb: 0.003〜0.020 %で且つ〔 0.7×(93/12)
C (%) 〕以下、N:0.0040%以下、Al:0.010 〜0.0
90 %を含有する鋼を、 Ar3点以上の温度域で熱間圧延
した後、下記 (1)式を満たす温度で巻取り、しかる
後、圧下率50%以上の冷間圧延を施し、再結晶温度以上
850℃以下の温度域で焼鈍することを特徴とする焼付硬
化性を有する深絞り用高強度冷延鋼板の製造方法」にあ
る。
【0009】 巻取り温度 (K)≦ 500×log (Cal.Sol. C) +280 ・・・・・ (1) 但し、(Cal.Sol. C) =〔 TotalC (%) −(12/93)Nb(%) 〕×104
【0010】
【作用】以下に、この発明の方法において、鋼の含有成
分および製造条件を上記のとおりに限定した理由を説明
する。
分および製造条件を上記のとおりに限定した理由を説明
する。
【0011】A)鋼の含有成分 (a) C Cは焼付硬化性を付与するために必要な成分であるが、
その含有量が 0.0015%未満では良好な焼付硬化性が得
られず、0.0050%を超えると常温時効性が大きくなり、
深絞り性が劣化することから、その含有量を0.0015〜0.
0050%と定めた。
その含有量が 0.0015%未満では良好な焼付硬化性が得
られず、0.0050%を超えると常温時効性が大きくなり、
深絞り性が劣化することから、その含有量を0.0015〜0.
0050%と定めた。
【0012】(b) Si Siは高強度鋼板として必要な強度を確保するために添加
されるが、 1.5%を超えて含有すると化成処理性や溶融
めっき性が劣化することから、その含有量を1.5%以下
と定めた。
されるが、 1.5%を超えて含有すると化成処理性や溶融
めっき性が劣化することから、その含有量を1.5%以下
と定めた。
【0013】(c) Mn MnもSiと同様に高強度鋼板として必要な強度を確保する
ためと、赤熱脆化による表面疵を防止するために添加さ
れるが、0.06%未満では赤熱脆化による表面疵を防止す
ることができず、1.50%を超えると化成処理性や溶融め
っき性が劣化することから、その含有量を0.06〜1.50%
と定めた。
ためと、赤熱脆化による表面疵を防止するために添加さ
れるが、0.06%未満では赤熱脆化による表面疵を防止す
ることができず、1.50%を超えると化成処理性や溶融め
っき性が劣化することから、その含有量を0.06〜1.50%
と定めた。
【0014】(d) P PもSiおよびMnと同様に高強度鋼板として必要な強度を
確保するために添加されるが、 0.100%を超えて含有す
るとスポット溶接性が劣化することから、その含有量を
0.100%以下と定めた。
確保するために添加されるが、 0.100%を超えて含有す
るとスポット溶接性が劣化することから、その含有量を
0.100%以下と定めた。
【0015】(e) S Sは鋼板を脆化させる有害な元素であり、Sの含有量が
高いと赤熱脆化による表面疵が生じやすくなるばかり
か、Ti添加量の増加を招くことから、上限を0.030 %と
定めた。
高いと赤熱脆化による表面疵が生じやすくなるばかり
か、Ti添加量の増加を招くことから、上限を0.030 %と
定めた。
【0016】(f) Ti Tiはこの発明において重要な添加元素である。TiはAlや
Nbに先立って熱間圧延前にSやNを固定する。しかし、
その含有量が〔(48/14) N (%) 〕より低いと、鋼中の
Tiを確実にTiNとして析出させることができないばかり
か、巻取り温度が低い場合にはTiで固定されない残りの
NがAlによっても固定されず、常温時効性が現れて深絞
り性が劣化する。一方、Ti含有量が〔(48/14) N (%)
+(48/32) S (%) 〕を超えると、NおよびSに固定さ
れずに残ったTiがCと析出物をつくり、Cの一部もしく
は全部がTiCとなり、固溶C量を減少させ焼付硬化性が
損なわれる。よって、Ti含有量を〔(48/14) N (%) 〕
〜〔(48/14) N (%) +(48/32) S (%)〕の範囲と定
めた。
Nbに先立って熱間圧延前にSやNを固定する。しかし、
その含有量が〔(48/14) N (%) 〕より低いと、鋼中の
Tiを確実にTiNとして析出させることができないばかり
か、巻取り温度が低い場合にはTiで固定されない残りの
NがAlによっても固定されず、常温時効性が現れて深絞
り性が劣化する。一方、Ti含有量が〔(48/14) N (%)
+(48/32) S (%) 〕を超えると、NおよびSに固定さ
れずに残ったTiがCと析出物をつくり、Cの一部もしく
は全部がTiCとなり、固溶C量を減少させ焼付硬化性が
損なわれる。よって、Ti含有量を〔(48/14) N (%) 〕
〜〔(48/14) N (%) +(48/32) S (%)〕の範囲と定
めた。
【0017】(g) Nb Nbはこの発明において最も重要な添加元素である。この
発明では鋼中のNはTiで全てTiNとして固定し、焼付硬
化性は固溶Cで確保するようにしている。そして、この
固溶Cの調整をNbCの析出でコントロールしているの
で、Nb添加量は非常に重要となる。Nb含有量が 0.003%
より低いと固溶Cが多くなって常温時効性が大きくな
る。一方、 0.020%を超えると固溶Cが少なくなって良
好な焼付硬化性が得られない。また、Nb含有量が 0.003
〜 0.020%の範囲内であっても、その含有量が、Nb>
〔 0.7×(93/12) C (%) 〕となると巻取温度をいくら
変化させても焼付硬化性に寄与する固溶Cを一定量 (お
よそ10ppm)以上にすることができない。このような理由
から、Nb含有量を0.003 〜0.020 %で且つ〔 0.7×(93/
12) C (%) 〕以下と定めた。
発明では鋼中のNはTiで全てTiNとして固定し、焼付硬
化性は固溶Cで確保するようにしている。そして、この
固溶Cの調整をNbCの析出でコントロールしているの
で、Nb添加量は非常に重要となる。Nb含有量が 0.003%
より低いと固溶Cが多くなって常温時効性が大きくな
る。一方、 0.020%を超えると固溶Cが少なくなって良
好な焼付硬化性が得られない。また、Nb含有量が 0.003
〜 0.020%の範囲内であっても、その含有量が、Nb>
〔 0.7×(93/12) C (%) 〕となると巻取温度をいくら
変化させても焼付硬化性に寄与する固溶Cを一定量 (お
よそ10ppm)以上にすることができない。このような理由
から、Nb含有量を0.003 〜0.020 %で且つ〔 0.7×(93/
12) C (%) 〕以下と定めた。
【0018】(h) N Nは常温時効性を大きくする有害な元素であるので、そ
の含有量は少ないほど好ましい。N含有量が0.0040%を
超えると、それを固定するためのTi量が増加し、コスト
の上昇を招くことから、その含有量を0.0040%以下とし
た。
の含有量は少ないほど好ましい。N含有量が0.0040%を
超えると、それを固定するためのTi量が増加し、コスト
の上昇を招くことから、その含有量を0.0040%以下とし
た。
【0019】(i) Al Alは脱酸とTiおよびNbの添加歩留りを向上させるために
添加される元素であり、そのためには少なくとも 0.010
%以上必要である。一方、この発明の対象となる鋼では
鋼中のNはその大部分がTiで固定されるため、Alの過剰
添加はコストの上昇を招くだけであるから、上限を0.09
0 %と定めた。
添加される元素であり、そのためには少なくとも 0.010
%以上必要である。一方、この発明の対象となる鋼では
鋼中のNはその大部分がTiで固定されるため、Alの過剰
添加はコストの上昇を招くだけであるから、上限を0.09
0 %と定めた。
【0020】B)製造条件 (1) 熱間圧延の仕上げ温度 熱間圧延の仕上げ温度を Ar3点以上とするのは、 Ar3点
より低い温度で熱間圧延を終了すると熱延板の結晶方位
が深絞り性に好ましくない方位となり、冷間圧延後に焼
鈍を行っても良好な深絞り性を得ることができないから
である。
より低い温度で熱間圧延を終了すると熱延板の結晶方位
が深絞り性に好ましくない方位となり、冷間圧延後に焼
鈍を行っても良好な深絞り性を得ることができないから
である。
【0021】(2) 巻取り温度 巻取り温度はNb添加量とともに焼付硬化性に富む冷延鋼
板を得る上で重要である。NbCは熱間圧延の仕上げ終了
後に析出し、この析出量は仕上げ以降の温度履歴、特に
巻取り温度に強く影響される。
板を得る上で重要である。NbCは熱間圧延の仕上げ終了
後に析出し、この析出量は仕上げ以降の温度履歴、特に
巻取り温度に強く影響される。
【0022】高温巻取りの場合はほぼ計算通りの焼付硬
化性が得られ、低温巻取りの場合はNbCが完全に析出せ
ず計算上より焼付硬化性が大きくなり、巻取り温度を変
化させない場合には成分によって、特にNbおよびCの含
有量によって焼付硬化量(BH量) が大きく異なり、巻
取り温度を変化させた場合には成分が少々ずれてもBH
量が安定する。従って、十分な焼付硬化性を確保するた
めには、鋼種に応じて巻取り温度を調整するのがよい。
化性が得られ、低温巻取りの場合はNbCが完全に析出せ
ず計算上より焼付硬化性が大きくなり、巻取り温度を変
化させない場合には成分によって、特にNbおよびCの含
有量によって焼付硬化量(BH量) が大きく異なり、巻
取り温度を変化させた場合には成分が少々ずれてもBH
量が安定する。従って、十分な焼付硬化性を確保するた
めには、鋼種に応じて巻取り温度を調整するのがよい。
【0023】この発明では、予めスラブ段階の成分分析
で鋼種ごとに、その鋼種におけるCおよびNb量から算出
した"Cal.Sol. C"を指標とし、下記 (1) 式を満たす
温度となるよう熱間圧延後の巻取り温度を調整する。 巻取り温度 (K)≦ 500×log (Cal.Sol. C) +280 ・・・・・ (1) 但し、(Cal.Sol. C) =〔全C (%) −(12/93)Nb(%) 〕×104 なお、前記の"Cal.Sol. C" は、鋼中のCとNbが原子比
で1対1で結合するとして求めた計算上の固溶C量(pp
m) である。
で鋼種ごとに、その鋼種におけるCおよびNb量から算出
した"Cal.Sol. C"を指標とし、下記 (1) 式を満たす
温度となるよう熱間圧延後の巻取り温度を調整する。 巻取り温度 (K)≦ 500×log (Cal.Sol. C) +280 ・・・・・ (1) 但し、(Cal.Sol. C) =〔全C (%) −(12/93)Nb(%) 〕×104 なお、前記の"Cal.Sol. C" は、鋼中のCとNbが原子比
で1対1で結合するとして求めた計算上の固溶C量(pp
m) である。
【0024】図1は、焼付硬化性に及ぼす"Cal.Sol.
C" と巻取り温度の影響を調べたグラフである。調査
は、後述の表1に示す鋼種Cと同じ成分の鋼を使用し、
790℃の仕上温度で熱間圧延を行い、巻取温度を変えて
巻取った後、87%の圧下率で冷間圧延を行い、次いで、
820℃で焼鈍した最終板厚が 0.8mmの冷延鋼板から試験
片を切り出して行った。なお、図中の数字、例えば1.5,
5.5等の数字はBH量を表し、BH量は後述の実施例と
同じ条件の引張試験によって求めた。
C" と巻取り温度の影響を調べたグラフである。調査
は、後述の表1に示す鋼種Cと同じ成分の鋼を使用し、
790℃の仕上温度で熱間圧延を行い、巻取温度を変えて
巻取った後、87%の圧下率で冷間圧延を行い、次いで、
820℃で焼鈍した最終板厚が 0.8mmの冷延鋼板から試験
片を切り出して行った。なお、図中の数字、例えば1.5,
5.5等の数字はBH量を表し、BH量は後述の実施例と
同じ条件の引張試験によって求めた。
【0025】図1から、" 500 ×log (Cal.Sol.C) +2
80 " より低い領域では高いBH量が得られていること
がわかる。この結果から、この発明では熱間圧延後の熱
延板は、巻取り温度 (K)≦ 500×log (Cal.Sol. C)
+280 の温度域で巻取るようにしたのである。
80 " より低い領域では高いBH量が得られていること
がわかる。この結果から、この発明では熱間圧延後の熱
延板は、巻取り温度 (K)≦ 500×log (Cal.Sol. C)
+280 の温度域で巻取るようにしたのである。
【0026】(3) 冷間圧延 冷間圧延は50%以上の圧下率で行えば深絞り性を向上さ
せることができることから、圧下率を50%以上と定め
た。
せることができることから、圧下率を50%以上と定め
た。
【0027】(4) 焼鈍 焼鈍を 850℃より高い温度で行ってもNbCがNbとCとし
て再固溶し、これを利用してBH性(焼付硬化性)をコ
ントロールすることは可能であるが、本発明ではこのよ
うな作用を利用するまでもなく、巻取温度の調整で十分
にBH性をコントロールすることができるので、温度上
昇に伴うコストアップ、炉への負荷を考慮して、焼鈍温
度を再結晶温度以上、 850℃以下とした。
て再固溶し、これを利用してBH性(焼付硬化性)をコ
ントロールすることは可能であるが、本発明ではこのよ
うな作用を利用するまでもなく、巻取温度の調整で十分
にBH性をコントロールすることができるので、温度上
昇に伴うコストアップ、炉への負荷を考慮して、焼鈍温
度を再結晶温度以上、 850℃以下とした。
【0028】
【実施例】表1に示す成分組成の鋼片を連続鋳造法によ
って鋳造し、これらの鋼片を1200℃の温度に加熱した
後、 910℃の仕上げ温度で3.8mm 厚まで熱間圧延を行
い、巻取り温度を変えてコイルに巻取った。次いで、酸
洗してから0.9mm 厚 (圧下率:76%) まで冷間圧延を行
い、連続焼鈍ラインで焼鈍した後、1.2 %の圧下率で調
質圧延を行った。
って鋳造し、これらの鋼片を1200℃の温度に加熱した
後、 910℃の仕上げ温度で3.8mm 厚まで熱間圧延を行
い、巻取り温度を変えてコイルに巻取った。次いで、酸
洗してから0.9mm 厚 (圧下率:76%) まで冷間圧延を行
い、連続焼鈍ラインで焼鈍した後、1.2 %の圧下率で調
質圧延を行った。
【0029】得られたそれぞれの冷延鋼板から試験片を
切り出し、引張特性、r値および焼付硬化量(BH量)
を調査した。これらの結果を表2に巻取温度、焼鈍温度
とともに示す。
切り出し、引張特性、r値および焼付硬化量(BH量)
を調査した。これらの結果を表2に巻取温度、焼鈍温度
とともに示す。
【0030】焼付硬化量は、試験片に2%の予歪を引張
りによって付加した後、 170℃, 20分の熱処理を施
し、再度引張試験を行った際の降伏強度の上昇量によっ
て求めた。
りによって付加した後、 170℃, 20分の熱処理を施
し、再度引張試験を行った際の降伏強度の上昇量によっ
て求めた。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表2から明らかなように、この発明の方法
で製造された冷延鋼板 (No.1〜8)は、いずれも適度な焼
付硬化性を有し、且つ深絞り性に優れているのに対し、
この発明で規定する組成範囲または製造条件から外れた
もの (No.9〜16) は焼付硬化性を有する冷延鋼板として
十分に満足できる特性を具備していない。
で製造された冷延鋼板 (No.1〜8)は、いずれも適度な焼
付硬化性を有し、且つ深絞り性に優れているのに対し、
この発明で規定する組成範囲または製造条件から外れた
もの (No.9〜16) は焼付硬化性を有する冷延鋼板として
十分に満足できる特性を具備していない。
【0034】
【発明の効果】この発明によれば、例えば自動車用鋼板
に求められている要求にも十分に応えられる優れた深絞
り性と焼付硬化性を有する高強度の冷延鋼板を安定して
製造することができる。
に求められている要求にも十分に応えられる優れた深絞
り性と焼付硬化性を有する高強度の冷延鋼板を安定して
製造することができる。
【図1】焼付硬化性に及ぼす"Cal.Sol. C" と巻取り温
度の影響を調べたグラフである。
度の影響を調べたグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】重量%で、C:0.0015〜0.0050%、Si:
1.5%以下、Mn:0.06〜1.50%、P:0.100%以下、S:
0.030 %以下、 Ti:〔(48/14) N (%) 〕〜〔(48/14) N (%) +(48/
32) S (%)〕、 Nb: 0.003〜0.020 %で且つ〔 0.7×(93/12) C (%)
〕以下、 N:0.0040%以下、Al:0.010 〜0.090 %を含有する鋼
を、 Ar3点以上の温度域で熱間圧延した後、下記(1)
式を満たす温度で巻取り、しかる後、圧下率50%以上の
冷間圧延を施し、再結晶温度以上 850℃以下の温度域で
焼鈍することを特徴とする焼付硬化性を有する深絞り用
高強度冷延鋼板の製造方法。 巻取り温度 (K)≦ 500×log (Cal.Sol. C) +280 ・・・・・ (1) 但し、(Cal.Sol. C) =〔 TotalC (%) −(12/93)Nb(%) 〕×104
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4701991A JPH059589A (ja) | 1991-03-12 | 1991-03-12 | 焼付硬化性を有する深絞り用高強度冷延鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4701991A JPH059589A (ja) | 1991-03-12 | 1991-03-12 | 焼付硬化性を有する深絞り用高強度冷延鋼板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH059589A true JPH059589A (ja) | 1993-01-19 |
Family
ID=12763471
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4701991A Pending JPH059589A (ja) | 1991-03-12 | 1991-03-12 | 焼付硬化性を有する深絞り用高強度冷延鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH059589A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20020084607A (ko) * | 2001-05-03 | 2002-11-09 | 현대자동차주식회사 | 고강도 소부경화형 고장력강판 조성 및 이의 제조방법 |
| CN102086873A (zh) * | 2011-03-10 | 2011-06-08 | 赵景权 | 流量、扬程可变式自平衡轴向力多级离心泵 |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH02197549A (ja) * | 1989-01-27 | 1990-08-06 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 焼付硬化性を有する深絞り用高強度冷延鋼板とその製造方法 |
-
1991
- 1991-03-12 JP JP4701991A patent/JPH059589A/ja active Pending
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH02197549A (ja) * | 1989-01-27 | 1990-08-06 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 焼付硬化性を有する深絞り用高強度冷延鋼板とその製造方法 |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20020084607A (ko) * | 2001-05-03 | 2002-11-09 | 현대자동차주식회사 | 고강도 소부경화형 고장력강판 조성 및 이의 제조방법 |
| CN102086873A (zh) * | 2011-03-10 | 2011-06-08 | 赵景权 | 流量、扬程可变式自平衡轴向力多级离心泵 |
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