JPH059679A - しごき加工性に優れたドローレスフイン用アルミニウム合金薄板の製造方法 - Google Patents

しごき加工性に優れたドローレスフイン用アルミニウム合金薄板の製造方法

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JPH059679A
JPH059679A JP19069391A JP19069391A JPH059679A JP H059679 A JPH059679 A JP H059679A JP 19069391 A JP19069391 A JP 19069391A JP 19069391 A JP19069391 A JP 19069391A JP H059679 A JPH059679 A JP H059679A
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JP19069391A
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Inventor
Hiroaki Takeuchi
宏明 竹内
Hiroshi Shibata
浩 柴田
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Furukawa Aluminum Co Ltd
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Furukawa Aluminum Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 張出し加工、しごき加工、伸びフランジ加工
を施して、ルームエアコン用フィンとして使用されるし
ごき加工性に優れたドローレスフィン用アルミニウム合
金薄板の製造方法を提供する。 【構成】 Si0.01〜0.15wt%、Fe0.1
0〜0.40wt%、Mn0.10〜0.40wt%を
含み、残部Alと不可避的不純物とからなる合金鋳塊に
均質化処理および熱間圧延を行った後得られた熱間圧延
板に50〜90%の圧下率で冷間圧延を行い、その板厚
で200〜350℃で2時間以上の析出処理を行った
後、70%以上の圧下率で、冷間圧延を行い、得られた
薄板に250〜300℃で調質焼鈍を施す、成形加工前
の金属組織中の直径0.1μm以下の金属間化合物が5
個/μm3 以上で、かつ比抵抗値が33.5nΩm以下
である、しごき加工性に優れたドローレスフィン用Al
合金薄板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は張り出し加工、しごき加
工、伸びフランジ加工を施してルームエアコン用フィン
として使用されるしごき加工性に優れたドローレスフィ
ン用アルミニウム合金薄板の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術およびその課題】一般に空調用熱交換器のア
ルミニウム合金フィンは図1(イ)〜(ニ)に示すよう
に、プレート部(1)に熱交チューブを挿着するための
カラー部(2)を形成したものであり、プレート部形状
に応じて、フラットタイプ(イ)、ルーバータイプ
(ロ)、スリットタイプ(ハ)、コルゲートタイプ
(ニ)に区分される。またカラー部の成形方法はドロー
方式とドローレス方式に区分される。ドロー方式は図2
(イ)〜(ヘ)に示すように張り出し(イ)、絞り
(ロ)〜(ニ)、打ち抜き、バーリング(ホ)、リフレ
アー(ヘ)の工程からなり、張り出し加工が中心をなし
ている。従ってフィン材には優れた伸びが要求されてお
り、通常は厚さ0.13mm以上の厚いフィンの製造に
用いられている。また、ドローレス方式は図3(イ)〜
(ニ)に示すように打ち抜き、穴拡げ(イ)、バーリン
グ(ロ)、しごき(ハ)、リフレアー(ニ)の工程から
なり、しごき加工が中心をなしている。従ってフィン材
にはしごき加工性に優れる事が要求され、通常0.13
mm以下の薄いフィンの製造に用いられている。
【0003】最近、省エネルギー、省資源の面から熱交
換器の軽量化が望まれ、アルミニウム合金フィンにおい
ても、薄肉軽量化が図られ、フィンの製造にもドローレ
ス方式が多用されるようになった。ドローレス方式フィ
ンの成形時に生じる成形不良としては、アイアニング工
程で発生するしごき割れ、リフレアー工程で発生する花
割れ等がある。特にしごき割れはしごき率が高くなるほ
ど発生しやすくなり、特定高さ以上の製品寸法が得られ
ない等の問題があった。またこれらの割れは何れもカラ
ー部と熱交チューブの密着性を損ない、熱交特性を低下
させるとともに成形フィンの外観を害するものであり、
製品としての価値を下げる場合があるため、これらの成
形不良の低減が強く望まれている。また、コルゲートタ
イプでは張出加工が行われるため、強度と同時に高い伸
びが要求されるが、従来の通常の製造方法で製造したア
ルミニウム合金薄板では十分な強度、伸びが得られない
ばかりか、成形性の良好なものが得られないという欠点
があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決するために検討を重ねた結果、熱間圧延後の析出
処理によりフィン材を組織制御すれば成形性は向上する
ことを見出したのである。従来のドローレスフィン用硬
質アルミニウム材を用いた場合は、ドローレスフィン成
形工程中のしごき工程において、予加工で形成された転
位組織がしごき加工時の加工発熱により回復するため、
しごき率が大きい場合すなわち加工発熱量が大きい場合
には回復サブグレインを不均一に生じ、材料の破断抵抗
力がしごき力を下回る結果、そこを起点としてしごき割
れが発生することを知見した。そこで、この知見に基づ
き、しごき加工時に回復しにくい、すなわち高温強度の
高い材料について鋭意検討を行った結果、得られた熱間
圧延板に50〜90%の圧下率で冷間圧延を行い、その
板厚で200〜350℃で2時間以上保持の析出処理を
行った後、圧下率70%以上で冷間圧延し、得られた薄
板に250〜300℃の範囲内の温度で調質焼鈍を施す
ことにより、成形加工前のアルミニウム合金板のアルミ
マトリックス中に微細な金属間化合物が均一に分散さ
れ、しごき加工時の加工発熱による回復サブグレインの
成長を妨げる効果が得られ、しごき性が向上するという
知見を得たのである。また、微細な金属間化合物を均一
に分散させておくことにより、素板自体の伸び値も向上
するという知見を得たのである。さらに検討を重ねた結
果、上記に加えアルミニウムマトリックス中の固溶量を
低減させることにより、しごき成形時の加工硬化が抑制
され、しごき抵抗力が低減される結果、さらにしごき性
が向上することを見出したのである。
【0005】すなわち、本発明は、Si0.01〜0.
15重量%、Fe0.10〜0.40重量%、Mn0.
10〜0.40重量%、を含み残部Alと不可避的不純
物とからなる合金鋳塊に均質化処理および熱間圧延を行
った後、得られた熱間圧延板に50〜90%の圧下率で
冷間圧延を行い、200〜350℃で2時間以上保持の
析出処理を行った後、圧下率70%以上で冷間圧延し、
得られた薄板に250〜300℃の範囲内の温度で調質
焼鈍を施し、該薄板の成形加工前の金属組織中の直径が
0.1μm径以下の金属間化合物を数密度にして5個/
μm3 以上とし、かつ比抵抗値を33.5nΩm以下と
することを特徴とするしごき加工性に優れたドローレス
フィン用アルミニウム合金薄板の製造方法である。
【0006】次に、成分組成を本発明の通り限定した理
由を説明する。本発明アルミニウム合金板は、Si0.
01〜0.15重量%、Fe0.10〜0.40重量
%、Mn0.10〜0.40重量%、を含み残部Alと
不可避的不純物とからなる組成を有することを特徴とす
る。Si、FeおよびMn成分には一部アルミニウムに
固溶し、薄板の強度を高める効果に加え、合金板中に直
径が1〜10μm程度のAl−Fe系、Al−Fe−M
n系、Al−(Fe、Mn)−Si系の非常に硬い金属
間化合物となって均一に分散し、しごき加工における工
具との焼き付きを防止し、しごき性を向上する効果があ
る。さらにMn成分には合金薄板の伸び値を向上する効
果がある。ここで、Si添加量が0.01重量%未満、
Fe添加量が0.10重量%未満、Mn添加量が0.1
0重量%未満では所望の強度、伸びが得られないばかり
か金属間化合物の数および大きさが減少するため焼き付
きが多発し、しごき性が劣化する。一方、Si添加量が
0.15重量%より多く、Fe添加量が0.40重量%
より多く、かつMnの添加量が0.40重量%より多く
なると、しごき加工時に加工硬化が促進されやすくなる
とともに、金属間化合物の粗大化を生じて、しごき加工
時、リフレアー加工時にその金属間化合物が割れの起点
となるため成形性が劣化する。したがって、Siは0.
01〜0.15重量%、Fe添加量は0.10〜0.4
0重量%であり、Mn添加量は0.10〜0.40重量
%であることが必要である。本発明で金属間化合物の直
径を0.1μm径以下と規定したのは、径が0.1μm
を越えると大きいとサブグレイン粒界の移動を遅延する
効果が小さくなり回復サブグレインが発生しやすくなる
ためである。さらに直径0.1μm径以下の金属間化合
物の分布を数密度にして5個/μm3 以上と規定したの
は、5個/μm3 未満では上記の効果が得られにくく、
したがってしごき性向上効果がないためである。なお、
上記金属間化合物はマトリックス中に不均一に分布して
も効果が少なく望ましくは均一に分散させた方が効果が
高い。本発明は上記の微細金属間化合物分布に加え、成
形加工前の金属組織の比抵抗値を33.5nΩm以下と
規定することを特徴とする。これは加工硬化性を支配す
る添加元素固溶量を比抵抗値で数値化したものであり、
固溶量の指標となる比抵抗値が33.5nΩmより大き
い場合、加工硬化し易くなって、しごき加工時に割れが
生じやすくなるためである。したがって、比抵抗値が3
3.5nΩm以下であることが必要である。
【0007】次に本発明の製造方法について説明する。
本発明は、0.1μm径以下の微細な金属間化合物の析
出を促進すると共に、固溶量の低減を図ることを目的と
しており、そのためにまず均質化処理を施し、熱間圧延
を行った後、得られた熱間圧延板に50〜90%の圧下
率で冷間圧延を行い、200〜350℃で2時間以上保
持の析出処理を行うことが必要である。ここで、析出処
理温度が200℃未満ではその効果が不十分であり、3
50℃より高い場合、析出した金属間化合物が粗大化
し、温度によっては再結晶粒を生じて、これが割れの起
点となるために、かえって成形性が劣化してしまう。ま
た、熱間圧延板から析出処理する板までの冷間圧延率が
50%未満では、200〜350℃で十分に析出するだ
けの転位密度が得られないため、析出処理の効果が不十
分であり、上記の冷間圧延率が90%を超える場合、析
出処理後の最終冷間圧延率が低くなり、ドローレスフィ
ン材としての強度が不足するという問題が生じる。均質
化処理は常法に基づき行えば良いが、500〜620℃
の高温で短時間、望ましくは3時間以内の保持を行い、
熱間圧延前の添加元素固溶量を高くすれば、上記の析出
処理の効果は大きい。圧下率70%以上で冷間圧延を行
うのは、70%より低い場合、ドローレス用フィン材と
して必要な強度が不足するためである。また得られた薄
板に250〜300℃の範囲内の温度で調質焼鈍を施す
ことにより、コルゲートタイプドローレスフィン材とし
て必要なコルゲート加工性(張出性)が得られる。ここ
で、調質温度が250℃未満では十分な成形性が得られ
ず、300℃より高い温度で調質焼鈍した場合、再結晶
粒を生じて、これが割れの起点となるため、かえって成
形性が劣化してしまう。したがって、得られた薄板を2
50〜300℃の温度で調質焼鈍を施す必要がある。
【0008】
【実施例】
〔実施例1〕表1に示す組成の合金鋳塊を水冷鋳造によ
り作製し、その鋳塊(厚さ400mm)を片面10mm
ずつ両面面削後、表2に示した条件で均質化処理を施し
熱間圧延を行った後、熱延板に冷間圧延を行ってから、
表2に示す条件下で析出処理を行ってからさらに、冷間
圧延を行い厚さ0.115mmの薄板とした後、250
〜300℃の範囲で調質焼鈍を施して引張強さが14.
0〜15.5kgf/mm2 のドローレスフィン用薄板
を得た。このようにして得られたフィン材の金属間化合
物の分布状態、比抵抗値および成形性評価結果を表3に
示す。ここで、金属間化合物の分布状態は、透過型電子
顕微鏡を用いて金属間化合物の粒子径およびその粒子の
一定体積中の存在数を測定した。なお、その粒子径は粒
子の投影面積と等しい面積の円の直径とした。電気比抵
抗値については、JIS規格に基づきダブルブリッジを
用いて調質焼鈍後の薄板を測定した。しごき加工性は、
ドローレスフィン実機により、直径8.29mmの第2
アイアニングダイスと直径8.24mmの第2アイアニ
ングポンチを用い、しごき率78%の過酷条件でフィン
カラー部を160個成形した時のしごき割れ不良率で評
価した。コルゲート加工性は、ドローレスフィン実機に
より、成形高さ1.3mmのコルゲート板を用いてコル
ゲート部を100個成形した時の割れの有無により評価
した。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】
【表3】
【0012】表1,2,3から明らかなように本発明合
金板試料No.1〜7は従来合金板試料No.13に比べ、
しごき性、コルゲート性に優れている。これは、析出処
理を、熱間圧延板から50〜90%の冷間圧延を行った
板に200〜350℃で2時間以上保持となる条件下で
行っているからである。これにより、本発明合金板には
従来合金板試料No.13に比べ、0.1μm径以下の微
細な金属間化合物が数多く均一に存在しており、これら
の微細金属間化合物がしごき加工時に回復サブグレイン
の成長を抑制する結果、しごき加工時の材料の破断抵抗
力は高まるのである。それに加え、本発明合金板は従来
合金板に比べ成形加工前のアルミマトリックス中の添加
元素固溶量がかなり低減され、しごき加工時の加工硬化
が抑制され、しごき力もかなり低減されるのである。こ
れに対して本発明合金板の範囲からはずれる比較合金板
試料No.8〜12はしごき性、コルゲート性のいずれか
が劣化することがわかる。すなわち、Fe、Si、Mn
含有量のいずれかが上限を超える比較合金板試料No.9
は、所定の製造条件で薄板を作製しても加工前の添加元
素固溶量を低減することができず、伸び値は低下しない
ものの、しごき加工時に著しい加工硬化を生じて割れが
多発する。一方、Fe、Si、Mn含有量のいずれかが
下限未満の比較合金板試料No.11、12は、微細金属
間化合物が少なく、しごき加工時に回復し易くなるため
苛酷なしごき条件下ではしごき破断を起こしやすい。ま
た、析出処理の温度、および熱間圧延板から析出処理す
る板までの冷間圧延率が本発明の範囲からはずれる比較
合金板試料No.8、10、11はいずれも微細金属間化
合物が少なく、固溶量も多いため、しごき性、コルゲー
ト性の向上が見られない。特に、比較合金板試料No.1
1は析出処理温度が高くそのため金属間化合物が粗大化
し、温度によっては再結晶粒を生じて、これが割れの起
点となるために、かえって成形性が劣化してしまう。
【0013】〔実施例2〕表3に示す調質焼鈍前の本発
明合金板試料No.5および比較合金板試料No.9、11
を用いて、表4に示す温度で調質焼鈍を行ない、引張試
験およびドローレスフィン実機による成形性試験を行っ
た。その結果を表4に併記する。なお、成形性試験の条
件は実施例1に記載した条件と同条件である。
【0014】
【表4】
【0015】表4から明らかなように、本発明合金板試
料No.5は250〜300℃の調質焼鈍を施すことによ
り、比較合金板試料No.9、11に比べてしごき性が優
れると共に、コルゲート性も良好である。これに対し調
質焼鈍の温度が本発明の範囲からはずれる比較合金板試
料No.5′、5″はしごき性、コルゲート性が劣ること
が判る。
【0016】
【発明の効果】このように本発明によって得られたフィ
ン材はドローレス方式フィン成形におけるしごき性、コ
ルゲート性に優れ、不良率を著しく低減し得るという顕
著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)〜(ニ)はそれぞれ熱交換器のアルミニ
ウムフィンの形態を示す断面図であり、(イ)はフラッ
トタイプ、(ロ)はルーバータイプ、(ハ)はスリット
タイプ、(ニ)はコルゲートタイプである。
【図2】(イ)〜(ヘ)はドロー方式によるフィンの成
形方法を断面図で示す説明図。
【図3】(イ)〜(ニ)はドローレス方式によるフィン
の成形方法を、断面図で示す説明図。
【符号の説明】
1 プレート部 2 カラー部

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 Si0.01〜0.15重量%、Fe
    0.10〜0.40重量%、Mn0.10〜0.40重
    量%、を含み残部Alと不可避的不純物とからなる合金
    鋳塊に均質化処理および熱間圧延を行った後、得られた
    熱間圧延板に50〜90%の圧下率で冷間圧延を行い、
    その板厚で200〜350℃で2時間以上保持の析出処
    理を行った後、圧下率70%以上で冷間圧延し、得られ
    た薄板に250〜300℃の範囲内の温度で調質焼鈍を
    施し、該薄板の成形加工前の金属組織中の直径が0.1
    μm径以下の金属間化合物を数密度にして5個/μm3
    以上とし、かつ比抵抗値を33.5nΩm以下とするこ
    とを特徴とするしごき加工性に優れたドローレスフィン
    用アルミニウム合金薄板の製造方法。
JP19069391A 1991-07-03 1991-07-03 しごき加工性に優れたドローレスフイン用アルミニウム合金薄板の製造方法 Pending JPH059679A (ja)

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