JPH059714A - 電子ビーム蒸発源 - Google Patents
電子ビーム蒸発源Info
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- JPH059714A JPH059714A JP18155891A JP18155891A JPH059714A JP H059714 A JPH059714 A JP H059714A JP 18155891 A JP18155891 A JP 18155891A JP 18155891 A JP18155891 A JP 18155891A JP H059714 A JPH059714 A JP H059714A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電子ビーム蒸発源に用いられるハースライナ
の、熱衝撃による破損を防止する。 【構成】 蒸発させる原料2は、坩堝3の内側に設置さ
れる皿状のハースライナ9内に収容されるようになって
いる。そのハースライナ9は高い断熱性を有する材料か
らなるもので、その外径は坩堝3の内径よりやや小さく
され、ハースライナ9の外側面と坩堝3の内側面との間
に空隙10が形成されるようにして坩堝3の底面上に設
置される。ハースライナ9の坩堝3に対向する面を多孔
質層とするようにしてもよい。
の、熱衝撃による破損を防止する。 【構成】 蒸発させる原料2は、坩堝3の内側に設置さ
れる皿状のハースライナ9内に収容されるようになって
いる。そのハースライナ9は高い断熱性を有する材料か
らなるもので、その外径は坩堝3の内径よりやや小さく
され、ハースライナ9の外側面と坩堝3の内側面との間
に空隙10が形成されるようにして坩堝3の底面上に設
置される。ハースライナ9の坩堝3に対向する面を多孔
質層とするようにしてもよい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空蒸着法やイオンプ
レーティング法などに用いられる電子ビーム蒸発源に関
するもので、特に、水冷坩堝の内側にハースライナを設
置し、そのハースライナ内に蒸発させる原料を収容する
ようにした電子ビーム蒸発源に関するものである。
レーティング法などに用いられる電子ビーム蒸発源に関
するもので、特に、水冷坩堝の内側にハースライナを設
置し、そのハースライナ内に蒸発させる原料を収容する
ようにした電子ビーム蒸発源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体素子を製造する場合には、
極めて純度の高い薄膜を形成することが求められる。一
般に、そのような薄膜は、電子ビーム蒸発源を用いて真
空中で固体原料を蒸発させ、それを基体に付着させるこ
とによって形成される。電子ビーム蒸発源は、ハースと
呼ばれる銅製の水冷坩堝内に原料を収容し、その原料に
電子ビームを照射することによって原料を直接加熱する
ようにしたものである。このような電子ビーム蒸発源に
よれば、坩堝が水冷されることによってその温度上昇が
抑制されるので、形成される薄膜への坩堝材料の混入が
防止され、純度の高い薄膜を形成することができる。
極めて純度の高い薄膜を形成することが求められる。一
般に、そのような薄膜は、電子ビーム蒸発源を用いて真
空中で固体原料を蒸発させ、それを基体に付着させるこ
とによって形成される。電子ビーム蒸発源は、ハースと
呼ばれる銅製の水冷坩堝内に原料を収容し、その原料に
電子ビームを照射することによって原料を直接加熱する
ようにしたものである。このような電子ビーム蒸発源に
よれば、坩堝が水冷されることによってその温度上昇が
抑制されるので、形成される薄膜への坩堝材料の混入が
防止され、純度の高い薄膜を形成することができる。
【0003】ところで、このような電子ビーム蒸発源に
おいては、原料をそのまま坩堝内に収容するようにする
と、坩堝の水冷によって原料の熱が奪われるので、熱損
失が大きくなり、消費電力が増大するという問題があ
る。また、原料は融点よりも高い温度にまで加熱される
のに対し、坩堝は水冷されることによって100℃程度
に抑えられるので、原料の表面部分の温度と坩堝に接触
する部分の温度との間には極めて大きな差が生じること
になり、突沸が生じてスプラッシュが発生するという問
題もある。
おいては、原料をそのまま坩堝内に収容するようにする
と、坩堝の水冷によって原料の熱が奪われるので、熱損
失が大きくなり、消費電力が増大するという問題があ
る。また、原料は融点よりも高い温度にまで加熱される
のに対し、坩堝は水冷されることによって100℃程度
に抑えられるので、原料の表面部分の温度と坩堝に接触
する部分の温度との間には極めて大きな差が生じること
になり、突沸が生じてスプラッシュが発生するという問
題もある。
【0004】そこで、このような問題に対処するため
に、坩堝の内側にハースライナと呼ばれる内坩堝を設置
し、そのハースライナ内に原料を収容するということが
行われている。ハースライナは、断熱性の高い材料によ
って形成された側壁と底壁とからなる皿状のものであ
る。このようなハースライナを用いれば、原料から坩堝
への伝熱が軽減されるようになるので、熱損失を低下さ
せるとともに、溶解した原料の温度の均一化を図ること
ができる。
に、坩堝の内側にハースライナと呼ばれる内坩堝を設置
し、そのハースライナ内に原料を収容するということが
行われている。ハースライナは、断熱性の高い材料によ
って形成された側壁と底壁とからなる皿状のものであ
る。このようなハースライナを用いれば、原料から坩堝
への伝熱が軽減されるようになるので、熱損失を低下さ
せるとともに、溶解した原料の温度の均一化を図ること
ができる。
【0005】従来は、そのハースライナは均質な材料に
よって形成され、坩堝に密着するようにして設置するも
のとされていた。
よって形成され、坩堝に密着するようにして設置するも
のとされていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ハース
ライナには、断熱性及び耐熱性のほかに、原料と化合し
たり蒸発したりすることのないものであることが求めら
れる。また、溶解した原料を保持することのできるもの
でなければならない。したがって、そのハースライナに
は、グラファイトやボロンナイトライド、あるいはモリ
ブデン、タングステン、タンタルなどの特殊な材料が用
いられる。そのような材料は高価であり、しかも、比較
的脆い。一方、ハースライナは、融点以上に加熱される
蒸発原料と水冷坩堝との間に設けられるので、その内外
面間には大きな温度勾配が形成される。例えばシリコン
を蒸発させる場合には、そのシリコンは2000℃程度
にまで加熱される。したがって、ハースライナの内面も
その程度の温度となる。これに対して、ハースライナの
外面は坩堝に接するので、その面は上述のように100
℃程度に抑えられる。その結果、ハースライナの内外面
間に著しい温度差が生じることになり、その間の温度勾
配が極めて大きくなる。そして、そのように大きな温度
勾配のために、ハースライナには非常に大きな熱衝撃が
加わる。その場合、ハースライナが坩堝の内面に密着し
ていると、その熱衝撃のために、応力が集中しやすい角
部にクラックが発生することがある。特にハースライナ
の材料としてグラファイトやボロンナイトライドが用い
られている場合には、そのようなクラックが発生しやす
い。
ライナには、断熱性及び耐熱性のほかに、原料と化合し
たり蒸発したりすることのないものであることが求めら
れる。また、溶解した原料を保持することのできるもの
でなければならない。したがって、そのハースライナに
は、グラファイトやボロンナイトライド、あるいはモリ
ブデン、タングステン、タンタルなどの特殊な材料が用
いられる。そのような材料は高価であり、しかも、比較
的脆い。一方、ハースライナは、融点以上に加熱される
蒸発原料と水冷坩堝との間に設けられるので、その内外
面間には大きな温度勾配が形成される。例えばシリコン
を蒸発させる場合には、そのシリコンは2000℃程度
にまで加熱される。したがって、ハースライナの内面も
その程度の温度となる。これに対して、ハースライナの
外面は坩堝に接するので、その面は上述のように100
℃程度に抑えられる。その結果、ハースライナの内外面
間に著しい温度差が生じることになり、その間の温度勾
配が極めて大きくなる。そして、そのように大きな温度
勾配のために、ハースライナには非常に大きな熱衝撃が
加わる。その場合、ハースライナが坩堝の内面に密着し
ていると、その熱衝撃のために、応力が集中しやすい角
部にクラックが発生することがある。特にハースライナ
の材料としてグラファイトやボロンナイトライドが用い
られている場合には、そのようなクラックが発生しやす
い。
【0007】そして、そのようにハースライナにクラッ
クが生じると、内部に収容されている溶解した原料がそ
のクラックを通して流出し、坩堝の表面に接触するの
で、原料の熱が水冷坩堝に奪われることになる。その結
果、原料の蒸発量が急減し、成膜速度が急激に低下して
しまう。したがって、そのハースライナは交換すること
が必要となる。
クが生じると、内部に収容されている溶解した原料がそ
のクラックを通して流出し、坩堝の表面に接触するの
で、原料の熱が水冷坩堝に奪われることになる。その結
果、原料の蒸発量が急減し、成膜速度が急激に低下して
しまう。したがって、そのハースライナは交換すること
が必要となる。
【0008】このように、従来の電子ビーム蒸発源で
は、ハースライナを頻繁に交換することが必要となって
いる。しかしながら、ハースライナは上述のように特殊
な材料によって形成されるので、極めて高価である。そ
のために、薄膜の形成にかかるコストが非常に高くなる
という問題がある。
は、ハースライナを頻繁に交換することが必要となって
いる。しかしながら、ハースライナは上述のように特殊
な材料によって形成されるので、極めて高価である。そ
のために、薄膜の形成にかかるコストが非常に高くなる
という問題がある。
【0009】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、熱衝撃によってもハース
ライナが破損することの少ない電子ビーム蒸発源を得る
ことである。
たものであって、その目的は、熱衝撃によってもハース
ライナが破損することの少ない電子ビーム蒸発源を得る
ことである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明では、水冷坩堝の内面に対向するハースライ
ナの外面部分に、熱衝撃を吸収し得る層を設けるように
している。すなわち、ハースライナの外側面と坩堝の内
側面との間に空隙を設けるか、あるいはハースライナの
坩堝に接触する面の近傍を多孔質層とするようにしてい
る。
に、本発明では、水冷坩堝の内面に対向するハースライ
ナの外面部分に、熱衝撃を吸収し得る層を設けるように
している。すなわち、ハースライナの外側面と坩堝の内
側面との間に空隙を設けるか、あるいはハースライナの
坩堝に接触する面の近傍を多孔質層とするようにしてい
る。
【0011】
【作用】このようにハースライナの外側面と坩堝の内側
面との間に空隙を設けることにより、ハースライナに生
ずる温度勾配は、側方にはほとんど解消され、底壁部分
のみとなる。したがって、最も応力が集中するハースラ
イナの側壁と底壁との間の角部における熱衝撃が小さく
なり、クラックの発生が防止される。また、ハースライ
ナの坩堝に接触する面、すなわちその外面の近傍を多孔
質層とすれば、熱衝撃はその多孔質層によって吸収され
るようになる。したがって、熱衝撃によるハースライナ
の破損が防止される。そして、ハースライナの内面は緻
密質層としておくことにより、溶解した原料がハースラ
イナ内に染み込んだりハースライナの材料と反応したり
するようなことは防止される。したがって、ハースライ
ナの機能が損なわれることもない。
面との間に空隙を設けることにより、ハースライナに生
ずる温度勾配は、側方にはほとんど解消され、底壁部分
のみとなる。したがって、最も応力が集中するハースラ
イナの側壁と底壁との間の角部における熱衝撃が小さく
なり、クラックの発生が防止される。また、ハースライ
ナの坩堝に接触する面、すなわちその外面の近傍を多孔
質層とすれば、熱衝撃はその多孔質層によって吸収され
るようになる。したがって、熱衝撃によるハースライナ
の破損が防止される。そして、ハースライナの内面は緻
密質層としておくことにより、溶解した原料がハースラ
イナ内に染み込んだりハースライナの材料と反応したり
するようなことは防止される。したがって、ハースライ
ナの機能が損なわれることもない。
【0012】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。図中、図1は本発明による電子ビーム蒸発源の一実
施例を示す全体構造の概略断面図であり、図2はその要
部の拡大断面図である。また、図3〜5はその異なる実
施例を示す要部の拡大断面図である。なお、これらの実
施例の説明において、対応する部分には同一の符号を付
すことにより、重複する説明は省略する。
る。図中、図1は本発明による電子ビーム蒸発源の一実
施例を示す全体構造の概略断面図であり、図2はその要
部の拡大断面図である。また、図3〜5はその異なる実
施例を示す要部の拡大断面図である。なお、これらの実
施例の説明において、対応する部分には同一の符号を付
すことにより、重複する説明は省略する。
【0013】図1から明らかなように、電子ビーム蒸発
源1は、蒸発させる原料2を収容する銅製の坩堝3を備
えている。その坩堝3の下面側にはウォータジャケット
4が設けられており、冷却水給排口5を通してそのウォ
ータジャケット4と外部との間で循環する冷却水によっ
て、坩堝3が水冷されるようにされている。坩堝3はア
ース接続されている。また、坩堝3の側方にはフィラメ
ント6が設けられ、電源7によりそのフィラメント6に
負電位が印加されるようになっている。更に、図示され
ていない磁極により、紙面に直交する磁場が形成される
ようになっている。こうして、フィラメント6によって
電子ビーム8が形成され、その電子ビーム8が湾曲し
て、坩堝3内の蒸発原料2に直接当たるようにされてい
る。
源1は、蒸発させる原料2を収容する銅製の坩堝3を備
えている。その坩堝3の下面側にはウォータジャケット
4が設けられており、冷却水給排口5を通してそのウォ
ータジャケット4と外部との間で循環する冷却水によっ
て、坩堝3が水冷されるようにされている。坩堝3はア
ース接続されている。また、坩堝3の側方にはフィラメ
ント6が設けられ、電源7によりそのフィラメント6に
負電位が印加されるようになっている。更に、図示され
ていない磁極により、紙面に直交する磁場が形成される
ようになっている。こうして、フィラメント6によって
電子ビーム8が形成され、その電子ビーム8が湾曲し
て、坩堝3内の蒸発原料2に直接当たるようにされてい
る。
【0014】坩堝3の内側には、皿状のハースライナ9
が設置されている。そのハースライナ9は断熱性の高い
グラファイト等の緻密質材料からなるもので、蒸発原料
2はそのハースライナ9内に収容されるようになってい
る。図2に示されているように、ハースライナ9は坩堝
3の内面とほぼ同形状であるが、その外径は坩堝3の内
径よりわずかに小さいものとされている。そして、その
ハースライナ9は、その外側面と坩堝3の内側面との間
に小さな空隙10が形成されるようにして、坩堝3の底
面上に設置されている。その空隙10の大きさは、0.
1mm以上で10mm以下とされている。
が設置されている。そのハースライナ9は断熱性の高い
グラファイト等の緻密質材料からなるもので、蒸発原料
2はそのハースライナ9内に収容されるようになってい
る。図2に示されているように、ハースライナ9は坩堝
3の内面とほぼ同形状であるが、その外径は坩堝3の内
径よりわずかに小さいものとされている。そして、その
ハースライナ9は、その外側面と坩堝3の内側面との間
に小さな空隙10が形成されるようにして、坩堝3の底
面上に設置されている。その空隙10の大きさは、0.
1mm以上で10mm以下とされている。
【0015】次に、このように構成された電子ビーム蒸
発源1の作用について説明する。アルミニウムやシリコ
ン等の薄膜を形成しようとするときには、この電子ビー
ム蒸発源1を真空チャンバ内の下部に配設する。また、
その真空チャンバ内の上部には基体を配置する。そし
て、薄膜の原料2をハースライナ9内に入れ、そのハー
スライナ9を坩堝3の底面上に載置する。このとき、そ
のハースライナ9の外側面と坩堝3の内側面との間には
全周にわたって小さな空隙10が形成されるようにす
る。この状態で、フィラメント6に負電位を印加して、
坩堝3内側のハースライナ9内に収容されている原料2
に電子ビーム8を照射する。すると、その原料2が加熱
され、その蒸気が発生する。そして、その原料蒸気が真
空チャンバ内の上部に配置されている基体に付着する。
こうして、基体表面に原料2の薄膜が形成される。
発源1の作用について説明する。アルミニウムやシリコ
ン等の薄膜を形成しようとするときには、この電子ビー
ム蒸発源1を真空チャンバ内の下部に配設する。また、
その真空チャンバ内の上部には基体を配置する。そし
て、薄膜の原料2をハースライナ9内に入れ、そのハー
スライナ9を坩堝3の底面上に載置する。このとき、そ
のハースライナ9の外側面と坩堝3の内側面との間には
全周にわたって小さな空隙10が形成されるようにす
る。この状態で、フィラメント6に負電位を印加して、
坩堝3内側のハースライナ9内に収容されている原料2
に電子ビーム8を照射する。すると、その原料2が加熱
され、その蒸気が発生する。そして、その原料蒸気が真
空チャンバ内の上部に配置されている基体に付着する。
こうして、基体表面に原料2の薄膜が形成される。
【0016】この間において、原料2は電子ビーム8に
よって直接加熱される。また、その原料2を収容するハ
ースライナ9は断熱性の高い材料によって形成されてい
るので、そのハースライナ9を通して原料2の熱が放出
されることは少ない。しかも、そのハースライナ9の側
面は坩堝3から離されているので、そのハースライナ9
から坩堝3への伝熱はほとんどその底面を介してのみと
なる。したがって、坩堝3が水冷されているにもかかわ
らず、原料2の熱が坩堝3の水冷によって奪われること
が軽減され、原料2は極めて効率よく加熱される。
よって直接加熱される。また、その原料2を収容するハ
ースライナ9は断熱性の高い材料によって形成されてい
るので、そのハースライナ9を通して原料2の熱が放出
されることは少ない。しかも、そのハースライナ9の側
面は坩堝3から離されているので、そのハースライナ9
から坩堝3への伝熱はほとんどその底面を介してのみと
なる。したがって、坩堝3が水冷されているにもかかわ
らず、原料2の熱が坩堝3の水冷によって奪われること
が軽減され、原料2は極めて効率よく加熱される。
【0017】ハースライナ9内の原料2は、このように
加熱されることによって溶解する。しかしながら、その
ハースライナ9はグラファイト等の緻密な材料によって
形成されているので、溶解した原料2が漏れたりハース
ライナ9に染み込んだりするようなことはない。また、
その原料2がハースライナ9の材料と化合するようなこ
ともない。したがって、原料2はその状態で確実に保持
される。そして、坩堝3は水冷されているので、その坩
堝3の材料である銅が蒸発して原料2の蒸気に混入する
ようなことはない。また、ハースライナ9は蒸発しにく
い材料によって形成されているので、そのハースライナ
9の材料が原料蒸気に混入することもほとんどない。し
たがって、この電子ビーム蒸発源1を用いて形成される
薄膜は極めて純度の高いものとなる。
加熱されることによって溶解する。しかしながら、その
ハースライナ9はグラファイト等の緻密な材料によって
形成されているので、溶解した原料2が漏れたりハース
ライナ9に染み込んだりするようなことはない。また、
その原料2がハースライナ9の材料と化合するようなこ
ともない。したがって、原料2はその状態で確実に保持
される。そして、坩堝3は水冷されているので、その坩
堝3の材料である銅が蒸発して原料2の蒸気に混入する
ようなことはない。また、ハースライナ9は蒸発しにく
い材料によって形成されているので、そのハースライナ
9の材料が原料蒸気に混入することもほとんどない。し
たがって、この電子ビーム蒸発源1を用いて形成される
薄膜は極めて純度の高いものとなる。
【0018】ところで、ハースライナ9内に収容されて
いる原料2が加熱されて溶解することにより、そのハー
スライナ9の内面は溶解した原料2と同程度の温度とな
る。一方、ハースライナ9の底壁外面は坩堝3に接触し
ているので、その面の温度は坩堝3の表面温度とほぼ等
しくなる。そのために、ハースライナ9の底部において
は、その内面と外面との間に大きな温度勾配が生ずるこ
とになる。しかしながら、ハースライナ9の側壁外面は
坩堝3の内側面から離れており、その間には輻射熱が伝
わるのみであるので、その間の空隙10に大きな温度勾
配が形成される。したがって、ハースライナ9の側壁の
内外面間における温度勾配はほとんどなくなる。こうし
て、ハースライナ9に生ずる温度勾配は、側方には解消
され、底壁部分のみとなる。その結果、熱衝撃もその底
壁に沿って発生するのみとなり、側壁との間の角部にお
ける応力集中が低減されるようになる。
いる原料2が加熱されて溶解することにより、そのハー
スライナ9の内面は溶解した原料2と同程度の温度とな
る。一方、ハースライナ9の底壁外面は坩堝3に接触し
ているので、その面の温度は坩堝3の表面温度とほぼ等
しくなる。そのために、ハースライナ9の底部において
は、その内面と外面との間に大きな温度勾配が生ずるこ
とになる。しかしながら、ハースライナ9の側壁外面は
坩堝3の内側面から離れており、その間には輻射熱が伝
わるのみであるので、その間の空隙10に大きな温度勾
配が形成される。したがって、ハースライナ9の側壁の
内外面間における温度勾配はほとんどなくなる。こうし
て、ハースライナ9に生ずる温度勾配は、側方には解消
され、底壁部分のみとなる。その結果、熱衝撃もその底
壁に沿って発生するのみとなり、側壁との間の角部にお
ける応力集中が低減されるようになる。
【0019】このように、この電子ビーム蒸発源1にお
いては、ハースライナ9に生ずる熱衝撃がその側部にお
いて吸収されるようになるので、その角部にクラック等
が発生することが防止される。したがって、そのハース
ライナ9を繰り返して使用することが可能となり、薄膜
形成のコストを低減させることができる。
いては、ハースライナ9に生ずる熱衝撃がその側部にお
いて吸収されるようになるので、その角部にクラック等
が発生することが防止される。したがって、そのハース
ライナ9を繰り返して使用することが可能となり、薄膜
形成のコストを低減させることができる。
【0020】実際に、従来のもののように坩堝に密着す
るハースライナとそれよりやや小径のハースライナとを
用いて、電子ビーム蒸発源によりシリコンを蒸発させる
実験を行った。その電子ビーム蒸発源の坩堝の内径は6
0mm、電子ビームのパワーは2KWであった。また、ハー
スライナとしてはグラファイト製のものを用いた。その
結果、坩堝に密着するハースライナを用いた場合には、
わずかに3回使用しただけでクラックが生じたが、やや
小径のハースライナを用い、その外側面と坩堝の内側面
との間に空隙を設けるようにした場合には、10回の使
用でもクラックが生じないことが確認された。
るハースライナとそれよりやや小径のハースライナとを
用いて、電子ビーム蒸発源によりシリコンを蒸発させる
実験を行った。その電子ビーム蒸発源の坩堝の内径は6
0mm、電子ビームのパワーは2KWであった。また、ハー
スライナとしてはグラファイト製のものを用いた。その
結果、坩堝に密着するハースライナを用いた場合には、
わずかに3回使用しただけでクラックが生じたが、やや
小径のハースライナを用い、その外側面と坩堝の内側面
との間に空隙を設けるようにした場合には、10回の使
用でもクラックが生じないことが確認された。
【0021】図3は、このような電子ビーム蒸発源1を
更に改良した実施例を示すものである。この実施例の場
合には、ハースライナ9は、断熱性を有する薄板11を
介して坩堝3の底面上に設置されている。その薄板11
は、厚さが0.1〜10mm程度のもので、ハースライナ
9よりも多孔質の材料によって形成されている。その他
の構成は図1,2の実施例と同様である。このように構
成することにより、原料2の熱がハースライナ9の底壁
を通して坩堝3に伝わることも抑制されるようになるの
で、原料2の加熱効率が更に向上する。また、ハースラ
イナ9に加わる熱衝撃が多孔質の薄板11によって吸収
されるようになるので、クラックの発生が一層防止され
る。
更に改良した実施例を示すものである。この実施例の場
合には、ハースライナ9は、断熱性を有する薄板11を
介して坩堝3の底面上に設置されている。その薄板11
は、厚さが0.1〜10mm程度のもので、ハースライナ
9よりも多孔質の材料によって形成されている。その他
の構成は図1,2の実施例と同様である。このように構
成することにより、原料2の熱がハースライナ9の底壁
を通して坩堝3に伝わることも抑制されるようになるの
で、原料2の加熱効率が更に向上する。また、ハースラ
イナ9に加わる熱衝撃が多孔質の薄板11によって吸収
されるようになるので、クラックの発生が一層防止され
る。
【0022】図4の実施例においては、ハースライナ9
は従来のものと同様に坩堝3の内面に密着するようにし
て設置されている。しかしながら、そのハースライナ9
は、緻密質材料からなる内側層12と多孔質材料からな
る外側層13とによって二層構造に構成されている。こ
のように構成することにより、ハースライナ9の内面は
緻密質となるので、溶解した原料2もそのハースライナ
9によって確実に保持される。また、外側層13は多孔
質とされるので、その外側層13に大きな温度勾配を持
たせることができる。したがって、熱衝撃はその外側層
13によって吸収されるようになり、内側層12にクラ
ック等が発生することは防止される。
は従来のものと同様に坩堝3の内面に密着するようにし
て設置されている。しかしながら、そのハースライナ9
は、緻密質材料からなる内側層12と多孔質材料からな
る外側層13とによって二層構造に構成されている。こ
のように構成することにより、ハースライナ9の内面は
緻密質となるので、溶解した原料2もそのハースライナ
9によって確実に保持される。また、外側層13は多孔
質とされるので、その外側層13に大きな温度勾配を持
たせることができる。したがって、熱衝撃はその外側層
13によって吸収されるようになり、内側層12にクラ
ック等が発生することは防止される。
【0023】図5は、ハースライナ9を、内面側から外
面側に向かって緻密質から多孔質へと連続的に変化する
傾斜機能材によって形成した実施例を示すものである。
このようなものにおいても、図4の実施例と同様の作用
効果を得ることができる。したがって、ハースライナ9
を坩堝3に密着させて設置しても、そのハースライナ9
が熱衝撃によって破損することは防止される。
面側に向かって緻密質から多孔質へと連続的に変化する
傾斜機能材によって形成した実施例を示すものである。
このようなものにおいても、図4の実施例と同様の作用
効果を得ることができる。したがって、ハースライナ9
を坩堝3に密着させて設置しても、そのハースライナ9
が熱衝撃によって破損することは防止される。
【0024】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ハースライナと坩堝との間に空隙を設ける
か、あるいはハースライナの坩堝に接触する面を多孔質
層とするようにしているので、ハースライナに生じる熱
衝撃を吸収させることができる。したがって、ハースラ
イナの繰り返し使用が可能となり、薄膜形成のコストを
低減させることができる。
によれば、ハースライナと坩堝との間に空隙を設ける
か、あるいはハースライナの坩堝に接触する面を多孔質
層とするようにしているので、ハースライナに生じる熱
衝撃を吸収させることができる。したがって、ハースラ
イナの繰り返し使用が可能となり、薄膜形成のコストを
低減させることができる。
【図1】本発明が適用される電子ビーム蒸発源の全体構
造を示す概略縦断面図である。
造を示す概略縦断面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す電子ビーム蒸発源の
要部の拡大断面図である。
要部の拡大断面図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す図2と同様の拡大断
面図である。
面図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す同様の拡大断面図で
ある。
ある。
【図5】本発明の第4実施例を示す同様の拡大断面図で
ある。
ある。
1 電子ビーム蒸発源
2 蒸発原料
3 坩堝
8 電子ビーム
9 ハースライナ
10 空隙
11 薄板
12 内側層
13 外側層
Claims (4)
- 【請求項1】 蒸発させる原料とその原料を収容する水
冷坩堝との間に皿状のハースライナを設置し、前記原料
に電子ビームを照射することによりその原料を蒸発させ
るようにした電子ビーム蒸発源において; 前記ハースライナの外側面と前記坩堝の内側面との間に
空隙が設けられていることを特徴とする、 電子ビーム蒸発源。 - 【請求項2】 前記ハースライナが断熱性を有する薄板
を介して前記坩堝の底面上に設置されている、 請求項1記載の電子ビーム蒸発源。 - 【請求項3】 蒸発させる原料とその原料を収容する水
冷坩堝との間に皿状のハースライナを設置し、前記原料
に電子ビームを照射することによりその原料を蒸発させ
るようにした電子ビーム蒸発源において; 前記ハースライナが、緻密質材料からなる内側層と多孔
質材料からなる外側層とによって形成されていることを
特徴とする、電子ビーム蒸発源。 - 【請求項4】 蒸発させる原料とその原料を収容する水
冷坩堝との間に皿状のハースライナを設置し、前記原料
に電子ビームを照射することによりその原料を蒸発させ
るようにした電子ビーム蒸発源において; 前記ハースライナが、内側から外側に向かって緻密質か
ら多孔質へと連続的に変化する傾斜機能材によって形成
されていることを特徴とする、電子ビーム蒸発源。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18155891A JPH059714A (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 電子ビーム蒸発源 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18155891A JPH059714A (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 電子ビーム蒸発源 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH059714A true JPH059714A (ja) | 1993-01-19 |
Family
ID=16102892
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18155891A Pending JPH059714A (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 電子ビーム蒸発源 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH059714A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100623729B1 (ko) * | 2005-03-07 | 2006-09-14 | 삼성에스디아이 주식회사 | 증발원과 이를 구비한 증발원 어셈블리 |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0211156B2 (ja) * | 1982-05-21 | 1990-03-13 | Canon Kk |
-
1991
- 1991-06-27 JP JP18155891A patent/JPH059714A/ja active Pending
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0211156B2 (ja) * | 1982-05-21 | 1990-03-13 | Canon Kk |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100623729B1 (ko) * | 2005-03-07 | 2006-09-14 | 삼성에스디아이 주식회사 | 증발원과 이를 구비한 증발원 어셈블리 |
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