JPH06100186B2 - スクロール型流体装置 - Google Patents

スクロール型流体装置

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JPH06100186B2
JPH06100186B2 JP63299266A JP29926688A JPH06100186B2 JP H06100186 B2 JPH06100186 B2 JP H06100186B2 JP 63299266 A JP63299266 A JP 63299266A JP 29926688 A JP29926688 A JP 29926688A JP H06100186 B2 JPH06100186 B2 JP H06100186B2
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pressure
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広道 上野
祥孝 芝本
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、冷凍装置の圧縮機などに用いられるスクロー
ル型流体装置に関し、特に、潤滑油等の油戻し機構に係
るものである。
(従来の技術) 一般に、スクロール型流体装置には、特開昭60−73080
号公報に開示されているように、密閉ケーシング内に固
定スクロールと公転スクロールとが互いにラップを噛合
して収納されると共に、該公転スクロールの背面にクラ
ンク軸が偏心して連接される一方、上記ケーシング内が
固定スクロール上方の高圧室と下方の低圧室とに区画さ
れているものがある。そして、上記クランク軸の回転に
より公転スクロールが固定スクロールに対して自転する
ことなく公転し、上記低圧室に導入された流体を上記両
スクロール間で圧縮し、高圧室を介して吐出するように
している。
(発明が解決しようとする課題) 上述したスクロール型流体装置において、クランク軸の
軸受等を潤滑する潤滑油が低圧流体に混入することにな
り、この潤滑油が高圧流体と共に固定スクロールより吐
出され、高圧室に溜まることになる。そこで、小径の油
戻し通路を高圧室から低圧室との亘って形成し、上記潤
滑油を低圧室に戻すようにしている。
しかしながら、近年、上記クランク軸を回転するモータ
をインバータ制御して回転速度を可変に制御するように
なり、高圧流体の吐出量が変化することになる。従っ
て、従来のように1つの油戻し通路で常に一定油量を戻
すようにしていたのでは高速回転すると高圧室に潤滑油
が多量に貯溜することになり、油切れを生じる危険性が
あり、信頼性が低いという問題があった。さりとて、上
記油戻し通路を高速回転時に対応して大径に形成する
と、低速回転時に高圧流体が低圧室に逆流することにな
り、圧縮効率が低下するという問題がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされもので、高圧室への
吐出油量の変化が高圧流体の吐出量の変化に対応してい
る点に着目し、該高圧流体の動圧変化に伴って油戻し通
路の開口面積を変化させることにより、圧縮効率を低下
させることなく油切れを確実に防止することを目的とす
るものである。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、請求項(1)に係る発明が
講じた手段は、第1図及び第2図に示すように、各々鏡
板(11),(12)の前面にラップ(13),(14)が立設
されて成る固定スクロール(7)と公転スクロール
(8)とが互いに各ラップ(13),(14)を噛合して並
設されると共に密閉ケーシング(2)内に収納され、該
固定スクロール(7)の鏡板(11)に吐出口(20)が穿
設されて上記ケーシング(2)内における固定スクロー
ル(7)の鏡板(11)背面側が高圧室(2a)に形成さ
れ、上記公転スクロール(8)を固定スクロール(7)
に対して自転することなく公転させるようにしたスクロ
ール型流体装置を前提としている。
そして、上記固定スクロール(7)の鏡板(11)背面に
は吐出口(20)を覆ってカバー体(43)が取付けられ、
該カバー体(43)の側面には高圧流体がカバー体(43)
の内部より外部周方向に旋回するように案内流出させる
流出管(44)が設けられる。更に、上記固定スクロール
(7)の鏡板(11)背面に開口して上記高圧室(2a)に
流出した油をケーシング(2)底部の油溜め(41)に戻
す油戻し通路(45)が形成されると共に、上記流出管
(44)より流出する高圧流体の流体圧を受けて変位する
受圧板(47)が上記固定スクロール(7)の鏡板(11)
に設けられている。加えて、該受圧板(47)には流体圧
が大きくなるに従って上記油戻し通路(45)の開口面積
を増大させる開度調整手段(48)が連設された構成とし
ている。
また、請求項(2)に係る発明が講じた手段は、請求項
(1)の発明において、上記受圧板(47)は開度調整手
段(48)の支持部(47b)に受圧部(47a)がL字状に屈
折形成されると共に、該屈折部にて回動自在に枢支され
る一方、開度調整手段(48)は油戻し通路(45)に臨む
ニードル弁(48a)が上記受圧板(47)の支持部(47b)
に連設されると共に、上記受圧板(47)と固定スクロー
ル(7)との間にニードル弁(48a)を閉弁方向に付勢
するスプリング(48b)が設けられた構成としている。
また、請求項(3)に係る発明が講じた手段は、第4図
に示すように、請求項(1)の発明において、上記受圧
板(47)は固定スクロール(7)の鏡板(11)上をスラ
イドするスライド部(47d)に受圧部(47c)が立設され
て構成される一方、開度調整手段(48)は油戻し通路
(45a)に臨むニードル弁(48c)が上記受圧板(47)に
連設されると共に、上記受圧板(47)と固定スクロール
(7)との間にニードル弁(48c)を閉弁方向に付勢す
るスプリング(48d)が設けられた構成としている。
また請求項(4)に係る発明が講じた手段は、第5図に
示すように、請求項(1)の発明において、上記油戻し
通路(45b)は固定スクロール(7)の鏡板(11)背面
に開口する複数本の小孔(45c),(45c),…が並設さ
れて構成される一方、開度調整手段(48)は該小孔(45
c),(45c),…の開口数を調整する調整板(48e)が
固定スクロール(7)の鏡板(11)にスライド自在に設
けられると共に、該調整板(48e)と固定スクロール
(7)との間に調整板(48e)を閉弁方向に付勢するス
プリング(48f)が設けられて構成され、上記調整板(4
8e)に受圧板(47e)が立設された構成としている。
また、請求項(5)に係る発明が講じた手段は、第6図
に示すように、請求項(1)の発明において、上記開度
調整手段(48)は1本の油戻し通路(45d)の開口面積
を調整する調整板(48e)が固定スクロール(7)の鏡
板(11)にスライド自在に設けられると共に、該調整板
(48e)と固定スクロール(7)との間に調整板(48e)
を閉弁方向に付勢するスプリング(48f)が設けられて
構成され、上記調整板(48e)に受圧板(47e)が立設さ
れた構成としている。
(作用) 上記構成により、本発明では、公転スクロール(8)を
固定スクロール(7)に対して自転することなく公転さ
せると、両スクロール(8),(7)のラップ(14),
(13)間に流体が流入して圧縮されることになる。
そして、この高圧流体は固定スクロール(7)の吐出口
(20)よりカバー体(43)内に吐出され、流出管(44)
より該カバー体(43)外の高圧室(2a)に流出し、その
際、流出管(44)が高圧流体を旋回させるように流出さ
せ、この旋回により高圧流体中の潤滑油が遠心分離し、
高圧室(2a)に貯溜される。
一方、上記流出管(44)の1本より流出する高圧流体は
受圧板(47)に衝突し、該受圧板(47)が変位し、例え
ば、請求項(2)の発明では回動し、請求項(3)〜
(5)の発明ではスライドすることになり、特に、公転
スクロール(8)の回転数が変化すると、流体の吐出量
が変わり、流体の動圧変化に伴って受圧板(47)の変位
量が変化する。この受圧板(47)の変位によって開度調
整手段(48)が油戻し通路(45)の開口面積を調整する
ことになり、例えば、請求項(2)及び(3)の発明で
はニードル弁(48a),(48c)が開口量を変化させ、請
求項(4)の発明では小孔(45c)の開口本数を変化さ
せ、また、請求項(5)の発明では調整板(48e)のス
ライドにより開口面積を変化させる。そして、高圧流体
の吐出量の増加に従って開口面積を大きくし、潤滑油が
多量に油溜め(41)に戻ることになる。
(発明の効果) 従って、本発明のスクロール型流体装置によれば、高圧
室(2a)に高圧流体の動圧を受ける受圧板(47)を設け
ると共に、該受圧板(47)に連係して油戻し通路(45)
の開度調整手段(48)を設けたために、公転スクロール
(8)が高速回転になると、高圧流体の吐出量が増加す
るに従って潤滑油の吐出量も増加して高圧室(2a)での
貯溜量が増加することになるが、上記高圧流体の増加に
より油戻し通路(45)の開口面積が大きくなるので、潤
滑油が確実に油溜め(41)に戻ることになり、油切れを
確実に防止することができ、信頼性の向上を図ることが
できる。
また、低速回転時においては、高圧流体の吐出量が少な
くなり、油戻し通路(45)の開口面積を小さくなるの
で、高圧流体の逆流を防止することができ、圧縮効率の
低下を防止することができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図に示すように、(1)はスクロール型流体装置で
あって、冷凍装置における圧縮機に用いられ、冷媒ガス
(流体)を高圧に圧縮して吐出するものである。
該スクロール型流体装置(1)は、密閉ケーシング
(2)内にスクロール機構(3)と駆動機構(4)とが
収納されて構成され、該ケーシング(2)の側部には吸
入管(5)が、上部には吐出管(6)が連設されてい
る。上記スクロール機構(3)は固定スクロール(7)
と公転スクロール(8)とより成り、また、上記駆動機
構(4)は電動機(9)とクランク軸(10)とより構成
されている。
上記固定スクロール(7)及び公転スクロール(8)は
各々鏡板(11),(12)の前面にラップ(13),(14)
が渦巻状に立設されて成り、両スクロール(7),
(8)は鏡板(11),(12)の前面に対面させて上下に
並設され、互いに両ラップ(13),(14)が噛合されて
いる。上記固定スクロール(7)は鏡板(11)の外周縁
にフランジ(11a)が連設され、該フランジ(11a)にて
ケーシング(2)に固定され、該ケーシング(2)内が
固定スクロール(7)上方の高圧室(2a)と下方の低圧
室(2b)とに区画されている。また、上記公転スクロー
ル(8)の鏡板(12)の背面中央部にはスクロール軸
(12a)が突設されている。一方、上記クランク軸(1
0)はクランク主軸(10a)の上端に凹状のスクロール軸
受孔(10b)を有するボス(10c)が連接されて成り、上
記固定スクロール(7)のフランジ(11a)に連接固定
された支持フレーム(15)に嵌挿されて支持されてい
る。更に、上記クランク主軸(10a)には電動機(9)
が連結されており、スクロール軸受孔(10b)はその軸
受中心(O1)がクランク主軸(10a)の軸心(O2)より偏心
して設けられ、該スクロール軸受孔(10b)に上記公転
スクロール(8)のスクロール軸(12a)がスタブ軸受
(16)を介して嵌合されている。そして、該スクロール
軸受孔(10b)の偏心により公転スクロール(8)が固
定スクロール(7)に対して公転し、このスクロール軸
受孔(10b)の中心(O1)(スクロール軸(12a)の中心)
が公転スクロール(8)の可動支点、クランク主軸(10
a)の軸心(O2)が公転中心となっている。
上記固定スクロール(7)と公転スクロール(8)は両
ラップ(13),(14)が側面にて多点接触(17)するよ
うに設けられると共に、各ラップ(13),(14)の端面
が他方の各スクロール鏡板(11),(12)に接し、接触
(17)間に密閉室(18)が形成されている。また、上記
固定スクロール(7)のフランジ(11a)とラップ(1
3)との間は下面が開口する吸入口(19)に構成される
一方、上記鏡板(11)のほぼ中央部には吐出口(20)が
穿設され、該吸入口(19)より低圧冷媒ガスが密閉室
(18)に供給されると共に、該密閉室(18)より高圧冷
媒ガスが吐出口(20)を介して高圧室(2a)に吐出され
るように成っている。
また、上記支持フレーム(15)は、公転スクロール
(8)の鏡板(12)背面側に延びる略ドーナツ状の円盤
部(15a)と、該円盤部(15a)の内端下部より下方に延
びる略筒状の円筒部(15b)とより構成されている。そ
して、上記円盤部(15a)は上部外周縁にて固定スクロ
ール(7)のフランジ(11a)に固定されており、冷媒
ガスが通る連通孔(15c)が上記吸入口(19)に亘って
上下に穿設されると共に、公転スクロール(8)の鏡板
(12)が位置する段差部(15d)が上部に形成されてい
る。上記円筒部(15b)には、下部に電動機(9)が取
付けられており、クランク軸(10)のボス(10c)が嵌
入される大径孔(15e)と、クランク主軸(10a)が嵌入
される小径孔(15f)とが穿設され、該大径孔(15e)に
上部クランク軸受(21)が、小径孔(15f)の下部に下
部クランク軸受(22)がそれぞれ装着されてクランク軸
(10)が嵌合支持されている。
更に、上記公転スクロール(8)の鏡板(12)と支持フ
レーム(15)の段差部(15d)との間にはスラスト軸受
(31)が介設されていて、公転スクロール(8)のスラ
スト力を受け止めている。また、上記公転スクロール
(8)は、図示しないが、自転阻止機構が設けられ、固
定スクロール(7)に対して公転のみ行うように構成さ
れている。
一方、上記支持フレーム(15)における円盤部(15a)
の内周側はバランサ室(32)内に構成されており、該バ
ランサ室(32)内に位置して主バランサ(33)が上記ク
ランク軸(10)のボス(10c)上端部に突設されると共
に、上記電動機(9)のロータ(9a)の下部に副バラン
サ(34)が設けられ、該両バランサ室(33),(34)に
より公転スクロール(8)の慣性バランスを保つように
している。
次に、本発明の特徴である油戻し機構について説明す
る。
上記ケーシング(2)内の底部には潤滑油の油溜め(4
1)が形成され、該油溜め(41)にはクランク軸(10)
の下部に設けられた給油ポンプ(42)が浸漬されてい
て、図示しないが、クランク軸(10)内の給油路を介し
て潤滑油が上記各軸受(16),(21),(22)に供給さ
れると共に、冷媒ガス中に混入することになる。
一方、上記高圧室(2a)における固定スクロール(7)
の鏡板(11)背面(上面)には冷媒ガスの消音作用が有
するカバー体(43)が吐出口(20)を覆って取付けられ
ており、該カバー体(43)は略ハット状に形成され、第
2図に示すように、側面に複数本の流出管(44),(4
4),…が連接されている。該流出管(44)はカバー体
(43)における外周面のほぼ接線方向にL字状に屈折形
成され、該カバー体(43)の内部より高圧冷媒ガスを外
部に向って流出させると同時に高圧室(2a)内で旋回す
るように案内し、冷媒ガス中の潤滑油が遠心分離するよ
うに構成されている。
また、上記固定スクロール(7)のフランジ(11a)上
面から支持フレーム(15)の円盤部(15a)下面に亘っ
て油戻し通路(45)が高圧室(2a)と低圧室(2b)とに
連通して穿設され、該油戻し通路(45)は上端開口が固
定スクロール(7)の上面に形成された凹部(46)の底
面に形成されて、高圧室(2a)内の潤滑油を油溜め(4
1)に戻すようにしている。更に、上記固定スクロール
(7)の上面には、第3図にも示すように、冷媒ガスの
受圧板(47)と油戻し通路(45)の開度調整手段(48)
とが設けられている。
該受圧板(47)は、矩形平板状の受圧部(47a)と、上
記開度調整手段(48)が支持する矩形平板状の支持部
(47b)とがL字状に屈折形成されて成り、該受圧部(4
7a)と支持部(47b)との屈折部にてピン(49)によっ
て回動自在に枢支されている。そして、上記受圧部(47
a)は1つの流出管(44)の流出口に対面して冷媒ガス
の動圧を受けて回動変位するように設けられ、上記支持
部(47b)は油戻し通路(45)の開口上方に位置するよ
うに設けられている。
一方、上記開度調整手段(48)は油戻し通路(45)に臨
むニードル弁(48a)が支持部(47b)の下面に突設され
ると共に、上記支持部(47b)と固定スクロール(7)
との間にニードル弁(48a)を閉弁方向(第3図下方
向)に付勢するスプリング(48b)が張設されて成り、
上記ニードル弁(48a)の上下動によって油戻し通路(4
5)の開口面積を調整するようにしている。
尚、第1図における(51)は支持フレーム(15)の円筒
部(15b)に形成されて冷媒ガスが通るガス通路であ
り、バランサ室(32)に連通している。
次に、このスクロール型流体装置(1)の作用について
説明する。
先ず、冷媒ガスは吸入管(5)よりケース(2)内に流
入し、低圧室(2b)において、電動機(9)の外側を通
り、支持フレーム(15)の連通孔(15c)を介して固定
スクロール(7)の吸入口(19)より密閉室(18)に導
入する。
一方、公転スクロール(8)はクランク軸(10)の回転
により固定スクロール(7)に対し公転すると共に、自
転阻止機構(図示省略)により自転することなく回転す
る。この公転スクロール(8)の公転により密閉室(1
8)が両ラップ(13),(14)間で順次形成されて収縮
し、冷媒ガスを圧縮して吐出口(20)より吐出する。
この圧縮動中において、冷媒ガスには低圧室(2b)内で
潤滑油が混入して各ラップ(13),(14)間の密閉室
(18)に流入し、この潤滑油は圧縮された高圧冷媒ガス
と共に吐出口(20)よりカバー体(43)内に流入する。
その後、上記冷媒ガスはカバー体(43)の外部へ流出管
(44)を通って流出すると共に、該流出管(44)が屈折
しているので高圧室(2a)内を旋回し、この旋回によっ
て潤滑油が遠心分離され、冷媒ガスのみが吐出管(6)
より吐出される一方、潤滑油は高圧室(2a)における固
定スクロール(7)上に貯溜することになる。
また、ニードル弁(48a)はスプリング(48b)のばね力
によって油戻し通路(45)の開口を閉鎖する方向に付勢
されており、一方、受圧板(47)の受圧部(47a)には
カバー体(43)より流出する冷媒ガスが衝突して該冷媒
ガスの動圧を受けている。そして、電動機(9)がイン
バータ制御されて回転速度が上昇すると、密閉室(18)
から吐出される冷媒ガス量も増大し、上記受圧部(47
a)に作用する動圧も上昇する。この動圧の変化によっ
て受圧板(47)がスプリング(48b)のバネ力に抗して
回動し、ニードル弁(48a)が上下動して油戻し通路(4
5)の開口面積を変化させる。つまり、高速回転時にお
いては、高圧室(2a)への冷媒ガスの吐出量が増大して
潤滑油量も増大するので、油戻し通路(45)の開口面積
を大きくして油溜め(41)に多量の潤滑油を戻す一方、
低速回転時においては、冷媒ガスの吐出量が減少して潤
滑油量も減少するので、油戻し通路(45)の開口面積を
ニードル弁(48a)が小さくし、高圧冷媒ガスの逆流を
減少させる。
従って、上記高圧室(2a)に高圧冷媒ガスの動圧を受け
る受圧板(47)を設けると共に、該受圧板(47)に連係
して油戻し通路(45)の開度調整手段(48)を設けたた
めに、公転スクロール(8)が高速回転になると、高圧
冷媒ガスの吐出量が増加するに従って潤滑油の吐出量も
増加して高圧室(2a)での貯溜量が増加することになる
が、上記高圧冷媒ガスの増加により油戻し通路(45)の
開口面積が大きくなるので、潤滑油が確実に油溜め(4
1)に戻ることになり、油切れを確実に防止することが
でき、信頼性の向上を図ることができる。
また、低速回転時においては、高圧冷媒ガスの吐出量が
少なくなり、油戻し通路(45)の開口面積を小さくする
ので、高圧冷媒ガスの逆流を防止することができ、圧縮
効率の低下を防止することができる。
第4図〜第7図は受圧板(47)及び開度調整手段(48)
の他の実施例を示しており、第4図に示す受圧板(47)
は受圧部(47c)がスライド部(47d)にL字状に立設さ
れて構成され、該受圧部(47c)が流出管(44)に対面
して設けられると共に、上記スライド部(47d)が固定
スクロール鏡板(11)に形成された凹部(46a)内にお
いて冷媒ガスの流出方向にスライド自在に設けられてい
る。一方、上記凹部(46a)の側面には油戻し通路(45
a)の一端が逆L字状に屈折して開口しており、該油戻
し通路(45a)の開口端に対応して開度調整手段(48)
のニードル弁(48c)が受圧部(47c)の下端部に突設さ
れると共に、該受圧部(47c)と凹部(46a)の側面との
間にニードル弁(48c)を閉弁方向に付勢する開度調整
手段(48)のスプリング(48d)が設けられている。
従って、冷媒ガスの流出量に伴って受圧板(47)がスラ
イドし、ニードル弁(48c)が油戻し通路(45a)の開口
面積を調整することになる。
第5図に示すものは、油戻し通路(45b)が複数本(図
面では4本)の小孔(45c),(45c),…並設されて構
成され、該各小孔(45c),(45c),…の一端が凹部
(46a)の底面に開口されている。そして、開度調整手
段(48)は上記凹部(46a)内にスライド自在に設けら
れた調整板(48e)と該凹部(46a)の側面との間にスプ
リング(48f)が張設されて構成され、上記調整板(48
e)が小孔(45c),(45c),…の開口数を調整する一
方、スプリング(48f)が全小孔(45c),(45c),…
の閉弁方向に調整板(48e)を付勢するように構成され
ている。また、受圧板(47e)は1枚の平板で構成さ
れ、上記調整板(48e)の前端に立設されて冷媒ガスを
受けるように成っている。
従って、冷媒ガスの流出量が増大すると、受圧板(47
e)が受ける動圧が上昇し、調整板(48e)がスプリング
(48f)のバネ力に抗してスライドし、小孔(45c),
(45c),…の開口本数が増加することになる。この増
加により潤滑油の戻り量が増大することになる。
第6図及び第7図に示す開度調整手段(48)は第5図に
示すものと同様にスライド自在な調整板(48e)にスプ
リング(48f)が張設されて成り、該調整板(48e)に受
圧板(47e)が立設されている。一方、油戻し通路(45
d)はやや大径の1本の通路で形成されており、上記調
整板(48e)が油戻し通路(45d)の開口面積を調整する
ように構成されている。従って、上記調整板(48e)の
スライドによって油戻し通路(45d)の開口量が変化し
て潤滑油の戻り量が変化することになる。
尚、各実施例のスクロール型流体装置(1)は冷凍装置
の圧縮機に用いたが、その他、各種装置の圧縮機に用い
てもよく、また、送風機等に用いてもよいことは勿論で
ある。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示し、第1図はスクロール型流
体装置の縦断面図、第2図は油戻し機構の斜視図、第3
図は同断面図である。第4図〜第7図は他の実施例を示
し、第4図,第5図及び第6図は受圧板及び開度調整手
段の変形例を示す断面図、第7図は第6図に示す受圧板
及び開度調整手段の平面図である。 (1)…スクロール型流体装置、(2)…ケーシング、
(2a)…高圧室、(7)…固定スクロール、(8)…公
転スクロール、(10)…クランク軸、(11),(12)…
鏡板、(13),(14)…ラップ、(18)…密閉室、(2
0)…吐出口、(41)…油溜め、(43)…カバー体、(4
4)…流出管、(45),(45a),(45b),(45d)…油
戻し通路、(45c)…小孔、(47),(47e)…受圧板、
(47a),(47c)…受圧部、(47b)…支持部、(47d)
…スライド部、(48)…開度調整手段、(48a),(48
c)…ニードル弁、(48b),(48d),(48f)…スプリ
ング、(48e)…調整板。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各々鏡板(11),(12)の前面にラップ
    (13),(14)が立設されて成る固定スクロール(7)
    と公転スクロール(8)とが互いに各ラップ(13),
    (14)を噛合して並設されると共に密閉ケーシング
    (2)内に収納され、該固定スクロール(7)の鏡板
    (11)に吐出口(20)が穿設されて上記ケーシング
    (2)内における固定スクロール(7)の鏡板(11)背
    面側が高圧室(2a)に形成され、上記公転スクロール
    (8)を固定スクロール(7)に対して自転することな
    く公転させるようにしたスクロール型流体装置におい
    て、 上記固定スクロール(7)の鏡板(11)背面には吐出口
    (20)を覆ってカバー体(43)が取付けられ、該カバー
    体(43)の側面には高圧流体がカバー体(43)の内部よ
    り外部周方向に旋回するように案内流出させる流出管
    (44)が設けられる一方、 上記固定スクロール(7)の鏡板(11)背面に開口して
    上記高圧室(2a)に流出した油をケーシング(2)底部
    の油溜め(41)に戻す油戻し通路(45)が形成されると
    共に、上記流出管(44)より流出する高圧流体の流体圧
    を受けて変位する受圧板(47)が上記固定スクロール
    (7)の鏡板(11)に設けられ、該受圧板(47)には流
    体圧が大きくなるに従って上記油戻し通路(45)の開口
    面積を増大させる開度調整手段(48)が連設されている
    ことを特徴とするスクロール型流体装置。
  2. 【請求項2】受圧板(47)は開度調整手段(48)の支持
    部(47b)に受圧部(47a)がL字状に屈折形成されると
    共に、該屈折部にて回動自在に枢支される一方、開度調
    整手段(48)は油戻し通路(45)に臨むニードル弁(48
    a)が上記受圧板(47)の支持部(47b)に連設されると
    共に、上記受圧板(47)と固定スクロール(7)との間
    にニードル弁(48a)を閉弁方向に付勢するスプリング
    (48b)が設けられて構成されていることを特徴とする
    請求項(1)記載のスクロール型流体装置。
  3. 【請求項3】受圧板(47)は固定スクロール(7)の鏡
    板(11)上をスライドするスライド部(47d)に受圧部
    (47c)が立設されて構成される一方、開度調整手段(4
    8)は油戻し通路(45a)に臨むニードル弁(48c)が上
    記受圧板(47)に連設されると共に、上記受圧板(47)
    と固定スクロール(7)との間にニードル弁(48c)を
    閉弁方向に付勢するスプリング(48d)が設けられて構
    成されていることを特徴とする請求項(1)記載のスク
    ロール型流体装置。
  4. 【請求項4】油戻し通路(45b)には固定スクロール
    (7)の鏡板(11)背面に開口する複数本の小孔(45
    c),(45c),…が並設されて構成される一方、開度調
    整手段(48)は該小孔(45c),(45c),…の開口数を
    調整する調整板(48e)が固定スクロール(7)の鏡板
    (11)にスライド自在に設けられると共に、該調整板
    (48e)と固定スクロール(7)との間に調整板(48e)
    を閉弁方向に付勢するスプリング(48f)が設けられて
    構成され、上記調整板(48e)に受圧板(47e)が立設さ
    れていることを特徴とする請求項(1)記載のスクロー
    ル型流体装置。
  5. 【請求項5】開度調整手段(48)は1本の油戻し通路
    (45d)の開口面積を調整する調整板(48e)が固定スク
    ロール(7)の鏡板(11)にスライド自在に設けられる
    と共に、該調整板(48e)と固定スクロール(7)との
    間に調整板(48e)を閉弁方向に付勢するスプリング(4
    8f)が設けられて構成され、上記調整板(48e)に受圧
    板(47e)が立設されていることを特徴とする請求項
    (1)記載のスクロール型流体装置。
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