JPH06100329A - 抗菌性ガラス - Google Patents

抗菌性ガラス

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JPH06100329A
JPH06100329A JP24923092A JP24923092A JPH06100329A JP H06100329 A JPH06100329 A JP H06100329A JP 24923092 A JP24923092 A JP 24923092A JP 24923092 A JP24923092 A JP 24923092A JP H06100329 A JPH06100329 A JP H06100329A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 銀化合物や銅化合物の抗菌性金属化合物を、
安定的に充分量含有しながら、水質に悪影響を及ぼすこ
との少ない抗菌性ガラスを、安価に提供すること。 【構成】 ケイ酸塩及びリン酸塩の両成分を含む母体ガ
ラス中に銀化合物、もしくは、銅化合物の少なくとも1
種を含んでなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流水、循環水、静止
水、湿潤体、含水体等の内部及び界面での細菌やカビの
増殖を防止する抗菌性ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の抗菌性ガラスとしては、
母体ガラスがシリカ(SiO2)、アルカリ土類金属酸
化物(RO)として酸化カルシウム(CaO)、アルカ
リ金属酸化物(A2O)として酸化ナトリウム(Na
2O)の各成分からなるケイ酸塩ガラス、母体ガラスが
五酸化リン(P25)、アルカリ土類金属酸化物(R
O)、アルカリ金属酸化物(A2O)の各成分からなる
リン酸塩ガラス、もしくは母体ガラスが酸化ホウ素(B
23)を含んでなるホウケイ酸塩ガラス(母体ガラスの
成分の記載は酸化物成分として表示)に、硝酸銀(Ag
NO3)酸化銀(Ag2O)ハロゲン化銀(AgX)酸化
銅(CuO)ハロゲン化銅(CuX,CuX2)等を含
ませてなる抗菌性ガラスがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に抗菌性ガラスは
銀化合物や銅化合物などの抗菌性金属化合物を母体ガラ
ス原料バッチに配合し、溶融るつぼや溶融炉中で加熱溶
融する処理を経て得られるものであり、酸化銀組成のう
ちAg2Oは約200〜300℃以上で、AgOは約1
00℃以上で分解し、ガラス原料バッチ中での加熱に際
して分解され易く、酸化銀の配合量が増大するほど、分
解生成物としての銀コロイドの生成と成長に起因するガ
ラスの汚濁が起こり、金属銀が遊離して溶融るつぼや溶
融炉の底部に沈積するようになる。この現象はケイ酸塩
ガラスの場合に特に顕著に現れ、抗菌性ガラスを製造す
る際の欠点であった。また、酸化銀の代わりに、硝酸銀
(AgNO3)を用いたとしても210℃付近で溶融し
た後、440℃付近を越えると分解するので上記欠点を
取り除くことはできないし、さらに、硝酸銀(AgNO
3)は分解に際して溶融るつぼや溶融炉を浸食する傾向
が強くなる。
【0004】母体ガラスとしてリン酸塩ガラスを用いた
場合には、一般に、母体ガラスとしてケイ酸ガラスを用
いた場合に比べて上記と同条件において溶融したとして
も銀コロイドの析出は少なく金属銀の遊離沈積も起こり
にくいけれども、水中での使用に際して、ガラスの溶解
でリン酸成分が過量に水へ溶出するのに伴って水質が富
栄養化し、また、リン酸成分によって水中の水素イオン
指数(pH)が低下するなどの見地からも使用範囲に制
限を受ける。
【0005】また、他の抗菌性ガラスとしてホウケイ酸
塩系ガラス原料バッチに、硝酸銀(AgNO3)塩化ナ
トリウム(NaCl)及びハロゲン化銀(AgX)を配
合して加熱溶融したホウケイ酸塩系抗菌性ガラスの場合
は、コスト高になるという欠点がある。
【0006】さらに、一般に抗菌性ガラスは母体ガラス
成分が水中に溶出して抗菌性金属化合物を、イオン状態
で放出することにより、この抗菌性金属化合物が抗菌性
を発揮するものであるが、ハロゲン化銀(AgX)を抗
菌性金属化合物として含む抗菌性ガラスではガラス中及
び水中でのハロゲン化銀(AgX)の感光性ないし解離
凝集性と関連する銀コロイド粒子の生成、成長、及び、
ハロゲン化銀(AgX)の凝集沈積が起こり易く、抗菌
性作用が減少するばかりか、水処理分野等での使用には
制限を受けるという欠点があった。
【0007】従って、本発明の目的は、母体ガラス中に
抗菌性金属化合物を安定的に充分量含有しながら、水質
に悪影響を及ぼすことの無い抗菌性ガラスを、安価に提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明の特徴構成は、ケイ酸塩及びリン酸塩の両成分
を含む母体ガラス中に銀化合物、もしくは、銅化合物の
少なくとも1種を含ませてあることにあり、前記銀化合
物が、アルミン酸銀、リン酸銀、及び、硫酸銀の内から
選ばれた少なくとも1種、あるいは、前記銅化合物が、
硫酸銅、及び、リン酸銅から選ばれた少なくとも1種で
あればよく、前記銀化合物の含有量を酸化銀(Ag
2O)成分量に換算して0.3〜5重量%、あるいは、
前記銅化合物の含有量を酸化銅(CuO)成分量に換算
して0.9〜5重量%、あるいは、前記母体ガラスが、
酸化物成分としてシリカ(SiO2)、五酸化リン(P2
5)、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属酸化物
を主成分とするもので、前記五酸化リン(P25)成分
の割合を0.2〜78重量%、あるいは、前記母体ガラ
スがアルミン酸ナトリウム{メタアルミン酸ナトリウム
NaAlO2(=1/2(Na2O・Al23))、オル
トリン酸アルミニウムNa3AlO3(=1/2(3Na
2O・Al23))の1種以上}をアルミナ(Al
23)成分量に換算して、0.4〜7重量%としてあれ
ばさらによく、それらから得られる作用効果は以下の通
りである。
【0009】
【作用】つまり、本発明の抗菌性ガラスは母体ガラスと
してケイ酸塩およびリン酸塩の両成分を含んでなる組成
を選んだので、原料コストを安くすることができると共
に、この母体ガラスに、銀化合物や銅化合物等の抗菌性
金属化合物を含ませてなることから、水に対する溶解性
の調節が容易で高い抗菌性を示す溶出量に設定しやすく
なり、しかも、前記母体ガラスに抗菌性金属化合物を含
ませる際には、前記抗菌性金属化合物は、分解されるこ
とが少ないので、母体ガラスとしてケイ酸塩ガラスを用
いた場合等に比べると高い割合で前記母体ガラス中に含
有させることができる。また、リン酸成分は、銀の沈積
を抑える性質があるので、尚一層銀成分が母体ガラス中
で安定に存在できるようになった。
【0010】また、前記母体ガラスのリン酸成分を0.
2〜78重量%としてあれば、水に対する上記抗菌性金
属化合物の溶出性は良く、しかも水質に悪影響を与えな
い。
【0011】さらに母体ガラスにアルミン酸ナトリウム
を0.4〜7%含有させておけば、アルミン酸ナトリウ
ムの加水分解によって生じる水酸化アルミニウム及びそ
の解離によって生じるカチオン性成分(Al3+イオンも
含む)のもつ錯体形成能とアニオン性コロイド凝集能
や、不溶性アルミニウム塩生成能などの相互作用によっ
て、ガラスの水への溶解に伴って遊離してくるリン酸成
分やケイ酸成分を凝集させて、それらの拡散を防止する
だけでなく、水中のリン酸成分、ケイ酸成分、その他の
アニオン性コロイド質汚染物質等も凝集させることがで
きるので、抗菌性ガラスを用いることによる水質の悪化
が少なくなった。
【0012】尚、前記抗菌性ガラス中の抗菌性金属化合
物の含有量が、酸化銀(Ag2O)成分量、または酸化
銅(CuO)成分量に換算して、それぞれ0.3重量%
又は0.9重量%より少なくなると抗菌性金属化合物に
よる抗菌性は急激に減少する。また、抗菌性金属化合物
の含有量が酸化銀(Ag2O)成分量、または酸化銅
(CuO)成分量に換算してそれぞれ5重量%より多く
なると、母体ガラス中への分散性が著しく低下して均質
に分散させることが困難になるとともに、抗菌性金属化
合物として銀を用いた場合に特に製造コストが高くな
る。つまり、抗菌性金属化合物の含有量を酸化銀(Ag
2O)成分量または酸化銅(CuO)成分量に換算して
0.3〜5重量%もしくは0.9〜5重量%にしておけ
ば、高い抗菌性をもちつつ、均質に分散した、安価な抗
菌性ガラスを得ることができる。
【0013】
【発明の効果】従って、本発明の抗菌性ガラスによれ
ば、安価な原料で光安定性のよい、しかもリン酸成分の
水への溶出や、銀コロイドの水やガラスへの沈積が起こ
りにくいので、富栄養化等の水質汚濁による水質への悪
影響の少ない抗菌性ガラスを提供することができ、結果
として高い抗菌性を持ちつつ、環境を悪化させない、社
会的に有用な抗菌性ガラスを提供することができるよう
になった。
【0014】また、前記抗菌性金属化合物は、前記母体
ガラスに含ませる際にも分解や還元の起こりにくいもの
を選ぶことができるので、ガラス原料と溶融させる場合
にも溶融るつぼや溶融炉を劣化させることが少ない抗菌
性ガラスを提供できる。
【0015】
【実施例】本発明の抗菌性ガラスは、酸化物成分として
シリカ(SiO2)、五酸化リン(P25)、アルカリ
土類金属酸化物(RO)、アルカリ金属酸化物(A
20)、アルミン酸ナトリウム{メタアルミン酸ナトリ
ウム(NaAlO2)、オルトアルミン酸ナトリウム
(Na3AlO3)の1種以上}を主成分とする母体ガラ
ス中に、銀化合物や、銅化合物からなる抗菌性金属化合
物として、アルミン酸銀、リン酸銀、及び硫酸銀(Ag
2SO4)の少なくとも1種を、酸化銀(Ag2O)成分
量に換算して0.3〜5重量%、あるいは、硫酸銅(C
uSO4)、及び、リン酸銅、の少なくとも1種を酸化
銅(CuO)成分量に換算して0.9〜5重量%含ませ
てなるものであり、全ての原料成分を溶融るつぼや溶融
炉で加熱溶融(例えば、オルトリン酸銀(Ag3
4)、ピロリン酸銀(Ag427)、メタリン酸銀
(AgPO3)は、それぞれ、約850℃、580℃、
480℃において融解し、母体ガラスの溶融温度におい
ても分解しないので、予め原料中に配合することができ
る。)した後に、あるいは、抗菌性金属化合物成分を除
く全ての原料成分を900〜1400℃に加熱溶融し、
さらに、抗菌性金属化合物の分解しない温度(例えば、
メタアルミン酸銀(AgAlO2)、硫酸銀(Ag2SO
4)はそれぞれ880℃、1080℃で分解する)にま
で冷却したのちに抗菌性金属化合物を添加し、混和分散
した後に、冷却させて製造される。
【0016】尚、抗菌性ガラスとして用いられる母体ガ
ラスの性質としては20〜40℃における溶解速度が1
-2〜10-4(mg/cm2・hr)程度になることが
望ましく、ケイ酸塩−リン酸塩系母体ガラスの組成を上
述の性質に設定することが望ましい。
【0017】また、リン酸成分やケイ酸成分等のアニオ
ン性コロイドを凝集させるための母体ガラスへのアルミ
ン酸ナトリウム添加割合は、アルミナ(Al23)換算
で0.4重量%〜7重量%であることが望ましく、この
割合においてアルミン酸ナトリウムを配合しておけば、
効率よくアニオン性コロイドの水への溶出を抑制するこ
とができる。
【0018】以下表1に母体ガラスの成分及び抗菌性金
属化合物成分の割合として望ましい値を示す。また、表
2に特に望ましい成分組成の組合せを示す。尚、試料群
I〜Vは、すべて、ケイ酸塩、リン酸塩系のガラス群で
あり、Iは、ケイ酸塩を最も主な成分とし、IIはリン酸
塩を最も主な成分としているが、共に水に対する溶解速
度の比較的大きいガラス群である。また、III,IV及び
Vはいずれもケイ酸塩が最も主な成分になっているガラ
ス群であって、一般にこの順序で水への溶解速度が減少
する。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】尚、以下の記述において、リン酸と記載の
ある化合物については五酸化リン(P25)、が種々の
程度に水和して生ずる一連の酸P25・nH2Oの総称
として用い、例えばオルトリン酸(H3PO4)、ピロリ
ン酸(H427)、メタリン酸(HPO3)等がリン酸
として含まれ、それらの金属塩であるオルトリン酸銀
(Ag3PO4)、メタリン酸銀(AgPO3)、オルト
リン酸銅(Cu3(PO 42)等をそれぞれリン酸銀や
リン酸銅等と呼ぶものとする。
【0022】以下、成分量を%で示してあるものについ
ては全て重量%である。
【0023】〔実施例1〕使用原料としてケイ砂、リン
酸、メタアルミン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、ソーダ灰(水炭酸ナトリウム)、及び、
ピロリン酸銀を用い、加熱溶融の後に酸化物成分がケイ
酸(SiO2)56%、リン酸(P25)8%、アルミ
ナ(Al23)2%、酸化カルシウム(CaO)1%、
酸化マグネシウム(MgO)1%、酸化ナトリウム(N
2O)30%、及び、ピロリン酸銀{Ag427(=
2Ag2O・P25)中の酸化銀(Ag2O)成分換算
量}2%の組成になるように調合し、溶融るつぼ内にお
いて1350℃付近で、約4時間加熱溶融した後放冷
し、抗菌性ガラスの試料を得た。(この抗菌性ガラス組
成は、表2のIに相当する。)以下この抗菌性ガラスを
試料1とする。
【0024】〔実施例2〕使用原料としてケイ砂、リン
酸、メタアルミン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、及び、ソーダ灰を用い、加熱溶融の後に
酸化物成分がケイ酸(SiO2)50%、リン酸(P2
5)15%、アルミナ(Al23)2.7%、酸化カル
シウム(CaO)1%、酸化マグネシウム(MgO)1
%、酸化ナトリウム(Na2O)30%の組成になるよ
うに調合し、溶融るつぼ内において1350℃付近で、
約4時間加熱溶融した後1000℃付近まで冷却し、こ
の中に、硫酸銀(Ag2SO4中の酸化銀(Ag2O)成
分換算量)0.3%になるように混和分散した後放冷
し、抗菌性ガラスの試料を得た(この抗菌性ガラス組成
は表2のIに相当する)。以下この抗菌性ガラスを試料
2とする。
【0025】〔実施例3〕使用原料としてケイ砂、リン
酸、メタアルミン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、ソーダ灰、炭酸カリウム、及び、硫酸銅
を用い、加熱溶融の後に酸化物成分がケイ酸(Si
2)53%、リン酸(P25)15%、アルミナ(A
23)3%、酸化カルシウム(CaO)2%、酸化マ
グネシウム(MgO)1%、酸化ナトリウム(Na
2O)20.1%、酸化カリウム(K2O)5%、及び、
酸化銅(CuO)0.9%の組成になるように調合し、
実施例1と同様の方法で抗菌性ガラスを得た。(この抗
菌性ガラス組成は表2のIVに相当する。)以下この抗
菌性ガラスを試料3とする。
【0026】〔実施例4〕使用原料としてケイ砂、リン
酸、メタアルミン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、ソーダ灰、及び、メタリン酸銀を用い、
加熱溶融の後に酸化物成分がケイ酸(SiO2)53
%、リン酸(P25)15%、アルミナ(Al23)3
%、酸化カルシウム(CaO)2%、酸化マグネシウム
(MgO)1%、酸化ナトリウム(Na2O)19%、
酸化カリウム(K2O)5%、及び、メタリン酸銀{A
gPO3(=1/2(Ag2O・P25))中の酸化銀
(Ag2O)成分換算量}2%の組成になるように調合
し、実施例1と同様の方法で抗菌性ガラスを得た。(こ
の抗菌性ガラス組成は表2のIVに相当する。)以下こ
の抗菌性ガラスを試料4とする。
【0027】尚、メタアルミン酸ナトリウムの少なくと
も一部を、水酸化アルミニウムで置換して、酸化ナトリ
ウム成分量を調節しても良い。
【0028】尚、それぞれの重量%を示す数値は、測定
誤差を含むために四捨五入して算出される幅をもってい
るものである。
【0029】〔実験例〕実施例1〜4で得られたそれぞ
れの抗菌性ガラスは、いずれもほぼ透明であり、溶融る
つぼの底部に銀化合物または銅化合物の分解等による銀
または銅の沈積は認められなかった。これらの試料につ
いて抗菌試験及び、防カビ試験を行った。試験方法は、
以下の通りである。 〈試験方法〉 抗菌試験 :JIS L−1902 繊維製品の抗菌性
試験に準ずる。 防カビ試験:JIS Z−2911 カビ抵抗性試験に
準ずる。 〈供試細菌〉 Escherichia coli IFO 3301(大腸菌) Staphylococcus aureus ATCC 6538P(ブド
ウ球菌) 〈供試カビ〉 1:Aspergillus niger FERM S−1 2:Cladosporium cladosporioides FERM S−8 〈判定方法〉 細菌・・・効果あり(−)、効果なし(+) カビ・・・JIS Z−2911 カビ抵抗性試験表示
方法に準ずる 3・・・試料上にカビの発育なし 2・・・試料上のカビの発育面積が全体の1/3以下 1・・・試料上のカビの発育面積が全体の1/3以上 その結果以下のようになった。 〈結果〉 試験試料 大腸菌 ブドウ球菌 供試カビ1 供試カビ2 1 − − 3 3 2 − − 2 3 3 − − 2 3 4 − − 3 3 上記のように、試験試料1及び4(抗菌性銀化合物を酸
化銀(Ag2O)成分量に換算して約2%含有)は、大
腸菌、ブドウ球菌の増殖及び供試カビI,IIの発育を全
く阻止した。試験試料2及び3(それぞれ抗菌性銀化合
物を酸化銀(Ag2O)成分量に換算して0.3%、及
び、抗菌性銅化合物を酸化銅(CuO)成分量に換算し
て約0.9%含有)についても、カビの種類によって
は、防カビ性能を前記試料1及び4に近づけることが望
ましいけれども、抗菌性の効果が顕著に現れる抗菌性金
属化合物含有量(酸化銀(Ag2O)成分に換算した
量)が約2%の抗菌性ガラスに、ほぼ匹敵する性能が観
測された。これらの結果から、本発明による抗菌性ガラ
スでは、抗菌性金属化合物の含有量が上記試験試料2,
3のように少量でも、従来の技術では得にくい、優れた
抗菌性能を発揮するものであることがわかった。以上の
ように、本発明によるケイ酸塩、リン酸塩系の抗菌性ガ
ラスは、リン酸の作用によって調製時に起こり安い銀成
分の分解凝集に起因する銀コロイド粒子の生成、成長及
び金属銀の遊離沈積を防止すると共に、アルミン酸塩成
分の作用によって母体ガラスから溶出するリン酸質及び
ケイ酸質成分を凝集分離させ、必要に応じて水中に含ま
れるコロイド質環境汚染物質の凝集分離にも貢献し得る
ことで、結局水が濁りにくく、しかも抗菌作用が高く、
従来の技術よりもはるかに優れていることを見いだし
た。
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 抗菌性ガラス
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流水、循環水、静止
水、湿潤体、含水体等の内部及び界面での細菌やカビの
増殖を防止する抗菌性ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の抗菌性ガラスとしては、
母体ガラスがシリカ(SiO2)、アルカリ土類金属酸
化物(RO)として酸化カルシウム(CaO)、アルカ
リ金属酸化物(A2O)として酸化ナトリウム(Na
2O)の各成分からなるケイ酸塩ガラス、母体ガラスが
五酸化リン(P25)、アルカリ土類金属酸化物(R
O)、アルカリ金属酸化物(A2O)の各成分からなる
リン酸塩ガラス、もしくは母体ガラスが酸化ホウ素(B
23)を含んでなるホウケイ酸塩ガラス(母体ガラスの
成分の記載は酸化物成分として表示)に、硝酸銀(Ag
NO3)酸化銀(Ag2O)ハロゲン化銀(AgX)酸化
銅(CuO)ハロゲン化銅(CuX,CuX2)等を含
ませてなる抗菌性ガラスがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に抗菌性ガラスは
銀化合物や銅化合物などの抗菌性金属化合物を母体ガラ
ス原料バッチに配合し、溶融るつぼや溶融炉中で加熱溶
融する処理を経て得られるものであり、酸化銀組成のう
ちAg2Oは約200〜300℃以上で、AgOは約1
00℃以上で分解し、ガラス原料バッチ中での加熱に際
して分解され易く、酸化銀の配合量が増大するほど、分
解生成物としての銀コロイドの生成と成長に起因するガ
ラスの汚濁が起こり、金属銀が遊離して溶融るつぼや溶
融炉の底部に沈積するようになる。この現象はケイ酸塩
ガラスの場合に特に顕著に現れ、抗菌性ガラスを製造す
る際の欠点であった。また、酸化銀の代わりに、硝酸銀
(AgNO3)を用いたとしても210℃付近で溶融し
た後、440℃付近を越えると分解するので上記欠点を
取り除くことはできないし、さらに、硝酸銀(AgNO
3)は分解に際して溶融るつぼや溶融炉を浸食する傾向
が強くなる。
【0004】母体ガラスとしてリン酸塩ガラスを用いた
場合には、一般に、母体ガラスとしてケイ酸ガラスを用
いた場合に比べて上記と同条件において溶融したとして
も銀コロイドの析出は少なく金属銀の遊離沈積も起こり
にくいけれども、水中での使用に際して、ガラスの溶解
でリン酸成分が過量に水へ溶出するのに伴って水質が富
栄養化し、また、リン酸成分によって水中の水素イオン
指数(pH)が低下するなどの見地からも使用範囲に制
限を受ける。
【0005】また、他の抗菌性ガラスとしてホウケイ酸
塩系ガラス原料バッチに、硝酸銀(AgNO3)塩化ナ
トリウム(NaCl)及びハロゲン化銀(AgX)を配
合して加熱溶融したホウケイ酸塩系抗菌性ガラスの場合
は、コスト高になるという欠点がある。
【0006】さらに、一般に抗菌性ガラスは母体ガラス
成分が水中に溶出して抗菌性金属化合物を、イオン状態
で放出することにより、この抗菌性金属化合物が抗菌性
を発揮するものであるが、ハロゲン化銀(AgX)を抗
菌性金属化合物として含む抗菌性ガラスではガラス中及
び水中でのハロゲン化銀(AgX)の感光性ないし解離
凝集性と関連する銀コロイド粒子の生成、成長、及び、
ハロゲン化銀(AgX)の凝集沈積が起こり易く、抗菌
性作用が減少するばかりか、水処理分野等での使用には
制限を受けるという欠点があった。
【0007】従って、本発明の目的は、母体ガラス中に
抗菌性金属化合物を安定的に充分量含有しながら、水質
に悪影響を及ぼすことの無い抗菌性ガラスを、安価に提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明の特徴構成は、ケイ酸塩及びリン酸塩の両成分
を含む母体ガラス中に銀化合物、もしくは、銅化合物の
少なくとも1種を含ませてあることにあり、前記銀化合
物が、アルミン酸銀、リン酸銀、及び、硫酸銀の内から
選ばれた少なくとも1種、あるいは、前記銅化合物が、
硫酸銅、及び、リン酸銅から選ばれた少なくとも1種で
あればよく、前記銀化合物の含有量を酸化銀(Ag
2O)成分量に換算して0.3〜5重量%、あるいは、
前記銅化合物の含有量を酸化銅(CuO)成分量に換算
して0.9〜5重量%、あるいは、前記母体ガラスが、
酸化物成分としてシリカ(SiO2)、五酸化リン(P2
5)、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属酸化物
を主成分とするもので、前記五酸化リン(P25)成分
の割合を0.2〜78重量%、あるいは、前記母体ガラ
スがアルミン酸ナトリウム{メタアルミン酸ナトリウム
NaAlO2 (=1/2(Na2O・Al23 ))、
ルトアルミン酸ナトリウムNa3AlO3(=1/2(3
Na2O・Al23))の1種以上}をアルミナ(Al2
3)成分量に換算して、0.4〜7重量%としてあれ
ばさらによく、それらから得られる作用効果は以下の通
りである。
【0009】
【作用】つまり、本発明の抗菌性ガラスは母体ガラスと
してケイ酸塩およびリン酸塩の両成分を含んでなる組成
を選んだので、原料コストを安くすることができると共
に、この母体ガラスに、銀化合物や銅化合物等の抗菌性
金属化合物を含ませてなることから、水に対する溶解性
の調節が容易で高い抗菌性を示す溶出量に設定しやすく
なり、しかも、前記母体ガラスに抗菌性金属化合物を含
ませる際には、前記抗菌性金属化合物は、分解されるこ
とが少ないので、母体ガラスとしてケイ酸塩ガラスを用
いた場合等に比べると高い割合で前記母体ガラス中に含
有させることができる。また、リン酸成分は、銀の沈積
を抑える性質があるので、尚一層銀成分が母体ガラス中
で安定に存在できるようになった。
【0010】また、前記母体ガラスのリン酸成分を0.
2〜78重量%としてあれば、水に対する上記抗菌性金
属化合物の溶出性は良く、しかも水質に悪影響を与えな
い。
【0011】さらに母体ガラスにアルミン酸ナトリウム
を0.4〜7%含有させておけば、アルミン酸ナトリウ
ムの加水分解によって生じる水酸化アルミニウム及びそ
の解離によって生じるカチオン性成分(Al3+イオンも
含む)のもつ錯体形成能とアニオン性コロイド凝集能
や、不溶性アルミニウム塩生成能などの相互作用によっ
て、ガラスの水への溶解に伴って遊離してくるリン酸成
分やケイ酸成分を凝集させて、それらの拡散を防止する
だけでなく、水中のリン酸成分、ケイ酸成分、その他の
アニオン性コロイド質汚染物質等も凝集させることがで
きるので、抗菌性ガラスを用いることによる水質の悪化
が少なくなった。
【0012】尚、前記抗菌性ガラス中の抗菌性金属化合
物の含有量が、酸化銀(Ag2O)成分量、または酸化
銅(CuO)成分量に換算して、それぞれ0.3重量%
または0.9重量%より少なくなると抗菌性金属化合物
による抗菌性は急激に減少する。また、抗菌性金属化合
物の含有量が酸化銀(Ag2O)成分量、または酸化銅
(CuO)成分量に換算してそれぞれ5重量%より多く
なると、母体ガラス中への分散性が著しく低下して均質
に分散させることが困難になるとともに、抗菌性金属化
合物として銀化合物を用いた場合に特に製造コストが高
くなる。つまり、抗菌性金属化合物の含有量を酸化銀
(Ag2O)成分量に換算して0.3〜5重量%または
酸化銅(CuO)成分量に換算して0.9〜5重量%に
しておけば、高い抗菌性をもちつつ、均質に分散した、
安価な抗菌性ガラスを得ることができる。
【0013】
【発明の効果】従って、本発明の抗菌性ガラスによれ
ば、安価な原料で安定性がよく、リン酸成分の水への溶
出や、銀コロイドのガラス中や水中への沈積が起こりに
くいので、富栄養化等の水質汚濁による水質への悪影響
の少ない抗菌性ガラスを提供することができ、結果とし
て高い抗菌性を持ちつつ、環境を悪化させない、社会的
に有用な抗菌性ガラスを提供することができるようにな
った。
【0014】また、前記抗菌性金属化合物は、前記母体
ガラスに含ませる際にも分解の起こりにくいものを選ぶ
ことができるので、ガラス原料と溶融させる場合にも溶
融るつぼや溶融炉を劣化させることが少ない抗菌性ガラ
スを提供できる。
【0015】
【実施例】本発明の抗菌性ガラスは、酸化物成分として
シリカ(SiO2)、五酸化リン(P25)、アルカリ
土類金属酸化物(RO)、アルカリ金属酸化物(A
2)、アルミン酸ナトリウム{メタアルミン酸ナトリ
ウム(NaAlO2)、オルトアルミン酸ナトリウム
(Na3AlO3)の1種以上}を主成分とする母体ガラ
ス中に、銀化合物や、銅化合物からなる抗菌性金属化合
物として、アルミン酸銀、リン酸銀、及び硫酸銀(Ag
2SO4)の少なくとも1種を、酸化銀(Ag2O)成分
量に換算して0.3〜5重量%、あるいは、硫酸銅(C
uSO4)、及び、リン酸銅、の少なくとも1種を酸化
銅(CuO)成分量に換算して0.9〜5重量%含ませ
てなるものであり、全ての原料成分を溶融るつぼや溶融
炉で加熱溶融(例えば、オルトリン酸銀(Ag3
4)、ピロリン酸銀(Ag427)、メタリン酸銀
(AgPO3)は、それぞれ、約850℃、58℃、
480℃において融解し、母体ガラスの溶融温度におい
ても分解しないので、予め原料中に配合することができ
る。)した後に、あるいは、抗菌性金属化合物成分を除
く全ての原料成分を1300〜1400℃に加熱溶融
し、さらに、抗菌性金属化合物の分解しない温度(例え
ば、メタアルミン酸銀(AgAlO2)、硫酸銀(Ag2
SO4)はそれぞれ880℃、1080℃で分解す
)まで冷却してから抗菌性金属化合物を添加し、混和
分散した後に、冷却させて製造される。
【0016】尚、抗菌性ガラスとして用いられる母体ガ
ラスの性質としては20〜40℃における溶解速度が1
-2〜10-4(mg/cm2・hr)程度になることが
望ましく、ケイ酸塩−リン酸塩系母体ガラスの組成を上
述の性質に設定することが望ましい。
【0017】また、リン酸成分やケイ酸成分等のアニオ
ン性コロイドを凝集させるための母体ガラスへのアルミ
ン酸ナトリウム添加割合は、アルミナ(Al23)換算
で0.4重量%〜7重量%であることが望ましく、この
割合においてアルミン酸ナトリウムを配合しておけば、
効率よくアニオン性コロイドの水への溶出を抑制するこ
とができる。
【0018】以下表1に母体ガラスの成分及び抗菌性金
属化合物成分の割合として望ましい値を示す。また、表
2に特に望ましい成分組成の組合せを示す。尚、試料群
I〜Vは、すべて、ケイ酸塩−リン酸塩系のガラス群で
あり、Iは、ケイ酸塩を最も主な成分とし、IIはリン酸
塩を最も主な成分としているが、共に水に対する溶解速
度の比較的大きいガラス群である。また、III,IV及び
Vはいずれもケイ酸塩が最も主な成分になっているガラ
ス群であって、一般にこの順序で水への溶解速度が減少
する。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】尚、以下の記述において、リン酸と記載の
ある化合物については五酸化リン(P2 5)が種々の程
度に水和して生ずる一連の酸P25・nH2Oの総称と
して用い、例えばオルトリン酸(H3PO4)、ピロリン
酸(H427)、メタリン酸(HPO3)等がリン酸と
して含まれ、それらの金属塩であるオルトリン酸銀(A
3PO4)、メタリン酸銀(AgPO3)、オルトリン
酸銅(Cu3(PO4) 2)等をそれぞれリン酸銀やリン酸
銅等と呼ぶものとする。
【0022】以下、成分量を%で示してあるものについ
ては全て重量%である。
【0023】〔実施例1〕使用原料としてケイ砂、リン
酸、メタアルミン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、ソーダ灰(水炭酸ナトリウム)、及
び、ピロリン酸銀を用い、加熱溶融の後に酸化物成分が
シリカ(SiO2)56%、五酸化リン(P25)8
%、アルミナ(Al23)2%、酸化カルシウム(Ca
O)1%、酸化マグネシウム(MgO)1%、酸化ナト
リウム(Na2O)30%、及び、ピロリン酸銀{Ag4
27(=2Ag2O・P25中の酸化銀(Ag
2O)成分換算2%の組成になるように調合し、溶融
るつぼ内において1350℃付近で、約4時間加熱溶融
した後放冷し、抗菌性ガラスの試料を得(この抗菌性
ガラス組成は、表2のIに相当する)。以下この抗菌性
ガラスを試料1とする。
【0024】〔実施例2〕使用原料としてケイ砂、リン
酸、メタアルミン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、及び、ソーダ灰を用い、加熱溶融の後に
酸化物成分がシリカ(SiO2)50%、五酸化リン
(P25)15%、アルミナ(Al23)2.7%、酸
化カルシウム(CaO)1%、酸化マグネシウム(Mg
O)1%、酸化ナトリウム(Na2O)30%の組成に
なるように調合し、溶融るつぼ内において1350℃付
近で、約4時間加熱溶融した後1000℃付近まで冷却
し、この中に、硫酸銀(Ag2SO 4)を酸化銀(Ag2
O)成分換算量0.3%になるように混和分散した後
放冷し、抗菌性ガラスの試料を得た(この抗菌性ガラス
組成は表2のIに相当する)。以下この抗菌性ガラスを
試料2とする。
【0025】〔実施例3〕使用原料としてケイ砂、リン
酸、メタアルミン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、ソーダ灰、炭酸カリウム、及び、硫酸銅
を用い、加熱溶融の後に酸化物成分がシリカ(Si
2)53%、五酸化リン(P25)15%、アルミナ
(Al23)3%、酸化カルシウム(CaO)2%、酸
化マグネシウム(MgO)1%、酸化ナトリウム(Na
2O)20.1%、酸化カリウム(K2O)5%、及び、
硫酸銅(CuSO4)中の酸化銅(CuO)成分換算量
0.9%の組成になるように調合し、実施例1と同様の
方法で抗菌性ガラスを得た(この抗菌性ガラス組成は表
2のIVに相当する)。以下この抗菌性ガラスを試料3
とする。
【0026】〔実施例4〕使用原料としてケイ砂、リン
酸、メタアルミン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、ソーダ灰、及び、メタリン酸銀を用い、
加熱溶融の後に酸化物成分がシリカ(SiO2)53
%、五酸化リン(P25)15%、アルミナ(Al
23)3%、酸化カルシウム(CaO)2%、酸化マグ
ネシウム(MgO)1%、酸化ナトリウム(Na2O)
19%、酸化カリウム(K2O)5%、及び、メタリン
酸銀{AgPO3(=1/2(Ag2O・P25))
の酸化銀(Ag2O)成分換算量2%の組成になるよう
に調合し、実施例1と同様の方法で抗菌性ガラスを得
この抗菌性ガラス組成は表2のIVに相当する)。
下この抗菌性ガラスを試料4とする。
【0027】尚、メタアルミン酸ナトリウムの少なくと
も一部を、水酸化アルミニウムで置換して、酸化ナトリ
ウム成分量を調節しても良い。
【0028】尚、それぞれの重量%を示す数値は、測定
誤差を含むために四捨五入して算出される幅をもってい
るものである。
【0029】〔実験例〕実施例1〜4で得られたそれぞ
れの抗菌性ガラスは、いずれもほぼ透明であり、溶融る
つぼの底部に銀化合物または銅化合物の分解等による銀
または銅の沈積は認められなかった。これらの試料につ
いて抗菌試験及び、防カビ試験を行った。試験方法
は、以下の通りである。 〈試験方法〉 抗菌試験 :JIS L−1902 繊維製品の抗菌性
試験に準ず 防カビ試験:JIS Z−2911 カビ抵抗性試験に
準ず 〈供試細菌〉 Escherichia coli IFO 3301(大腸菌) Staphylococcus aureus ATCC 6538P(ブド
ウ球菌) 〈供試カビ〉 1:Aspergillus niger FERM S−1 2:Cladosporium cladosporioides FERM S−8 〈判定方法〉 細菌・・・効果あり(−)、効果なし(+) カビ・・・JIS Z−2911 カビ抵抗性試験表示
方法に準ずる 3・・・試料上にカビの発育なし 2・・・試料上のカビの発育面積が全体の1/3以下 1・・・試料上のカビの発育面積が全体の1/3以上 その結果以下のようになった。 〈結果〉 試験試料 大腸菌 ブドウ球菌 供試カビ1 供試カビ2 1 − − 3 3 2 − − 2 3 3 − − 2 3 4 − − 3 3 上記のように、試験試料1及び4(抗菌性銀化合物を酸
化銀(Ag2O)成分量に換算して約2%含有)は、大
腸菌、ブドウ球菌の増殖及び供試カビ1、2の発育を全
く阻止した。試験試料2及び3(それぞれ抗菌性銀化合
物を酸化銀(Ag2O)成分量に換算して0.3%、及
び、抗菌性銅化合物を酸化銅(CuO)成分量に換算し
て約0.9%含有)についても、カビの種類によって
は、防カビ性能を前記試料1及び4に近づけることが望
ましいけれども、抗菌性の効果が顕著に現れる抗菌性金
属化合物含有量(酸化銀(Ag2O)成分に換算した
量)が約2%の抗菌性ガラスに、ほぼ匹敵する性能が観
測された。これらの結果から、本発明による抗菌性ガラ
スでは、抗菌性金属化合物の含有量が上記試験試料2,
3のように少量でも、従来の技術では得にくい、優れた
抗菌性能を発揮するものであることがわかった。以上の
ように、本発明によるケイ酸塩−リン酸塩系の抗菌性ガ
ラスは、その系におけるリン酸塩成分の作用によって
調製時に起こりやすい抗菌性金属成分の分解凝集に起因
する抗菌性金属コロイド粒子の生成、成長及び前記抗菌
性金属の遊離沈積を防止すると共に、アルミン酸塩成分
の作用によって母体ガラスから溶出するリン酸質及び
ケイ酸質成分を凝集分離させ、必要に応じて水中に含ま
れるコロイド質環境汚染物質の凝集分離にも貢献し得る
ことで、結局水が濁りにくく、しかも抗菌作用が高く、
従来の技術よりもはるかに優れていることを見いだし
た。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ酸塩及びリン酸塩の両成分を含む母
    体ガラス中に銀化合物、もしくは、銅化合物の少なくと
    も1種を含んでなる抗菌性ガラス。
  2. 【請求項2】 前記銀化合物が、アルミン酸銀、リン酸
    銀、及び、硫酸銀の内から選ばれた少なくとも1種であ
    る請求項1記載の抗菌性ガラス。
  3. 【請求項3】 前記銅化合物が、硫酸銅、及び、リン酸
    銅から選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の抗
    菌性ガラス。
  4. 【請求項4】 前記銀化合物の含有量を酸化銀(Ag2
    O)成分量に換算して0.3〜5重量%とする請求項1
    または2記載の抗菌性ガラス。
  5. 【請求項5】 前記銅化合物の含有量を酸化銅(Cu
    O)成分量に換算して0.9〜5重量%とする請求項1
    または3記載の抗菌性ガラス。
  6. 【請求項6】 前記母体ガラスが、酸化物成分としてシ
    リカ(SiO2)、五酸化リン(P25)、アルカリ土
    類金属酸化物、アルカリ金属酸化物を主成分とするもの
    で、前記五酸化リン(P25)成分の割合を0.2〜7
    8重量%とする請求項1〜4のいずれかに記載の抗菌性
    ガラス。
  7. 【請求項7】 前記母体ガラスがアルミン酸ナトリウム
    をアルミナ(Al23)成分量に換算して、0.4〜7
    重量%含んでなる請求項1〜6のいずれかに記載の抗菌
    性ガラス。
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