JPH06100493A - パラヒドロキシ安息香酸の製造方法 - Google Patents
パラヒドロキシ安息香酸の製造方法Info
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- JPH06100493A JPH06100493A JP25600792A JP25600792A JPH06100493A JP H06100493 A JPH06100493 A JP H06100493A JP 25600792 A JP25600792 A JP 25600792A JP 25600792 A JP25600792 A JP 25600792A JP H06100493 A JPH06100493 A JP H06100493A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】下記式(1)で示される化合物の存在下に、サ
リチル酸カリウムの転移反応を行い、得られた生成物か
らパラヒドロキシ安息香酸を回収することを特徴とする
パラヒドロキシ安息香酸の製造方法。 【化1】 (式中、Rはアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アルコキシ基、アミノ基、イミノ基、アシル基、ホ
ルミル基、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、ニトロ
基、シアノ基、ハロゲン原子、およびこれらの基の複数
の組合せによる基を表わし、nは2〜4の整数を表わ
し、nが2以上の場合、各Rは同一であってもよいし異
なっていてもよい。) 【効果】本発明の製造方法によれば、サリチル酸カリウ
ムから高分子材料や医・農薬の原料として有用なパラヒ
ドロキシ安息香酸が高収率で得られ、コルベ・シュミッ
ト反応の中間体あるいは副生物であったサリチル酸カリ
ウムからパラヒドロキシ安息香酸を効率的に生産でき
る。
リチル酸カリウムの転移反応を行い、得られた生成物か
らパラヒドロキシ安息香酸を回収することを特徴とする
パラヒドロキシ安息香酸の製造方法。 【化1】 (式中、Rはアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アルコキシ基、アミノ基、イミノ基、アシル基、ホ
ルミル基、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、ニトロ
基、シアノ基、ハロゲン原子、およびこれらの基の複数
の組合せによる基を表わし、nは2〜4の整数を表わ
し、nが2以上の場合、各Rは同一であってもよいし異
なっていてもよい。) 【効果】本発明の製造方法によれば、サリチル酸カリウ
ムから高分子材料や医・農薬の原料として有用なパラヒ
ドロキシ安息香酸が高収率で得られ、コルベ・シュミッ
ト反応の中間体あるいは副生物であったサリチル酸カリ
ウムからパラヒドロキシ安息香酸を効率的に生産でき
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パラヒドロキシ安息香
酸の新規な製造方法に関するものである。詳しくは、そ
の異性体であるサリチル酸のカリウム塩を原料として転
位反応法を利用し、高収率でパラヒドロキシ安息香酸を
製造する新規な方法に関するものである。
酸の新規な製造方法に関するものである。詳しくは、そ
の異性体であるサリチル酸のカリウム塩を原料として転
位反応法を利用し、高収率でパラヒドロキシ安息香酸を
製造する新規な方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パラヒドロキシ安息香酸は液晶高分子、
防腐剤あるいは防カビ剤の原料として有用である。従
来、パラヒドロキシ安息香酸の工業的製造方法として
は、フェノールをカリウム塩とし、これに炭酸ガスを高
温加圧下で反応させるコルベ・シュミット反応によるも
のが主流である。この反応では、反応温度が150℃前
後の時には、サリチル酸が主生成物となるが、反応温度
がおおよそ200℃以上と比較的に高い時には、パラヒ
ドロキシ安息香酸が主生成物となることが知られてい
る。
防腐剤あるいは防カビ剤の原料として有用である。従
来、パラヒドロキシ安息香酸の工業的製造方法として
は、フェノールをカリウム塩とし、これに炭酸ガスを高
温加圧下で反応させるコルベ・シュミット反応によるも
のが主流である。この反応では、反応温度が150℃前
後の時には、サリチル酸が主生成物となるが、反応温度
がおおよそ200℃以上と比較的に高い時には、パラヒ
ドロキシ安息香酸が主生成物となることが知られてい
る。
【0003】またこの際、サリチル酸はモノカリウム塩
として生成しやすいのでほぼ定量的(90%以上)に生
成することが多いが、パラヒドロキシ安息香酸はジカリ
ウム塩を形成しやすいので、原料のフェノールカリウム
からカリウムが奪われてしまい、未反応フェノールとし
てほぼ半量が残留する。従って、仕込のフェノールカリ
ウムを基準としたパラヒドロキシ安息香酸の収率は50
モル%程度なのが一般的である。このようにして得られ
るカルボン酸のカリウム塩類は、常法に従い、鉱酸など
により酸性化され遊離のカルボン酸として得られる。
として生成しやすいのでほぼ定量的(90%以上)に生
成することが多いが、パラヒドロキシ安息香酸はジカリ
ウム塩を形成しやすいので、原料のフェノールカリウム
からカリウムが奪われてしまい、未反応フェノールとし
てほぼ半量が残留する。従って、仕込のフェノールカリ
ウムを基準としたパラヒドロキシ安息香酸の収率は50
モル%程度なのが一般的である。このようにして得られ
るカルボン酸のカリウム塩類は、常法に従い、鉱酸など
により酸性化され遊離のカルボン酸として得られる。
【0004】このようにほぼ定量的に得ることができる
サリチル酸カリウムは、コルベ・シュミット反応の転位
中間体であることもよく知られており(例えば、工業化
学雑誌、64,1317(1961).を参照)、その
副生量がしばしば問題になっているが、これを積極的に
利用してパラヒドロキシ安息香酸を製造する技術は極め
て少ない。これまで、コルベ・シュミット反応の機構究
明のために、サリチル酸カリウムの転位反応を扱った学
術的研究が数例みられるのみである。
サリチル酸カリウムは、コルベ・シュミット反応の転位
中間体であることもよく知られており(例えば、工業化
学雑誌、64,1317(1961).を参照)、その
副生量がしばしば問題になっているが、これを積極的に
利用してパラヒドロキシ安息香酸を製造する技術は極め
て少ない。これまで、コルベ・シュミット反応の機構究
明のために、サリチル酸カリウムの転位反応を扱った学
術的研究が数例みられるのみである。
【0005】例えば、上記文献によると、炭酸ガスの初
圧が0、2.5、5および10kg/cm2 で反応温度
が190〜250℃の条件下でサリチル酸カリウムの転
位反応を行った結果、パラヒドロキシ安息香酸の収率は
高いもので37〜39%程度であり、残存サリチル酸は
3〜22%、フェノールを主体に含む分解物が42〜5
8%であることが報告されている。
圧が0、2.5、5および10kg/cm2 で反応温度
が190〜250℃の条件下でサリチル酸カリウムの転
位反応を行った結果、パラヒドロキシ安息香酸の収率は
高いもので37〜39%程度であり、残存サリチル酸は
3〜22%、フェノールを主体に含む分解物が42〜5
8%であることが報告されている。
【0006】さらに、工業化学雑誌、63,1410
(1960).では、サリチル酸カリウムに等モルのフ
ェノールカリウムを共存させた系での転位反応が報告さ
れている。これによると、炭酸ガス加圧下の該転位反応
では、パラヒドロキシ安息香酸の収率が最も高いもので
71.8%であり、この時の残存サリチル酸は21.1
%と報告されている。しかし、この反応系では、共存す
るフェノールカリウム自体が炭酸化を受けパラ位にもカ
ルボキシル基が導入されるために見かけ上パラヒドロキ
シ安息香酸の収率が上昇する。したがって、仕込のサリ
チル酸カリウムのモル数を基準としている上記の転位収
率はその1/2程度(36%程度)と評価するのが妥当
であろう。
(1960).では、サリチル酸カリウムに等モルのフ
ェノールカリウムを共存させた系での転位反応が報告さ
れている。これによると、炭酸ガス加圧下の該転位反応
では、パラヒドロキシ安息香酸の収率が最も高いもので
71.8%であり、この時の残存サリチル酸は21.1
%と報告されている。しかし、この反応系では、共存す
るフェノールカリウム自体が炭酸化を受けパラ位にもカ
ルボキシル基が導入されるために見かけ上パラヒドロキ
シ安息香酸の収率が上昇する。したがって、仕込のサリ
チル酸カリウムのモル数を基準としている上記の転位収
率はその1/2程度(36%程度)と評価するのが妥当
であろう。
【0007】また、ミクロ熱分析によるサリチル酸カリ
ウムの転位反応の研究が、日本化学会誌、1974,7
98.などに見られるが、パラヒドロキシ安息香酸の生
成量は、遊離するフェノールを除いた全カルボン酸に占
める比率で示されているので、仕込のサリチル酸カリウ
ムのモル数を基準とする転位収率は不明である。しかし
ながら、パラヒドロキシ安息香酸は、その性質としてヒ
ドロキシル基に強い酸性を持つためジカリウム塩を形成
し易く、また、この文献に於いてもサリチル酸カリウム
からパラヒドロキシ安息香酸ジカリウムが生成する旨記
載されているので、仕込のサリチル酸カリウムを基準と
する転位収率はやはり前述した二つの文献と同程度であ
り、50%を越えないと見るのが妥当である。
ウムの転位反応の研究が、日本化学会誌、1974,7
98.などに見られるが、パラヒドロキシ安息香酸の生
成量は、遊離するフェノールを除いた全カルボン酸に占
める比率で示されているので、仕込のサリチル酸カリウ
ムのモル数を基準とする転位収率は不明である。しかし
ながら、パラヒドロキシ安息香酸は、その性質としてヒ
ドロキシル基に強い酸性を持つためジカリウム塩を形成
し易く、また、この文献に於いてもサリチル酸カリウム
からパラヒドロキシ安息香酸ジカリウムが生成する旨記
載されているので、仕込のサリチル酸カリウムを基準と
する転位収率はやはり前述した二つの文献と同程度であ
り、50%を越えないと見るのが妥当である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述した例のごとく、
サリチル酸カリウムの転位反応によりパラヒドロキシ安
息香酸を製造する従来の技術では、パラヒドロキシ安息
香酸の収率は50%未満と低く、これ以上の高収率でパ
ラヒドロキシ安息香酸を製造することはできなかった。
サリチル酸カリウムの転位反応によりパラヒドロキシ安
息香酸を製造する従来の技術では、パラヒドロキシ安息
香酸の収率は50%未満と低く、これ以上の高収率でパ
ラヒドロキシ安息香酸を製造することはできなかった。
【0009】本発明は、サリチル酸カリウムの転位反応
法を利用して、高収率でパラヒドロキシ安息香酸が得ら
れる方法を提供することを目的とする。
法を利用して、高収率でパラヒドロキシ安息香酸が得ら
れる方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意研究を行った処、下記式(1)で示され
る化合物の存在下にサリチル酸カリウムの転位反応を行
うと、驚くべきことに、下記の式(2)の反応を主反応
とする高選択的な反応が起こることを見出した。すなわ
ち、式(1)の化合物は実質的に脱炭酸し、もっぱら、
サリチル酸カリウムの転位により生成するパラヒドロキ
シ安息香酸のモノカリウム塩へのカリウム供給体として
機能し、反応後は、対応する遊離の置換フェノール類に
変化することを見出した。そのため、熱安定性の高いパ
ラヒドロキシ安息香酸ジカリウムの生成が有利になり、
高収率で目的物が得られることなどの一連の事実を知見
し本発明を完成するに到った。
達成すべく鋭意研究を行った処、下記式(1)で示され
る化合物の存在下にサリチル酸カリウムの転位反応を行
うと、驚くべきことに、下記の式(2)の反応を主反応
とする高選択的な反応が起こることを見出した。すなわ
ち、式(1)の化合物は実質的に脱炭酸し、もっぱら、
サリチル酸カリウムの転位により生成するパラヒドロキ
シ安息香酸のモノカリウム塩へのカリウム供給体として
機能し、反応後は、対応する遊離の置換フェノール類に
変化することを見出した。そのため、熱安定性の高いパ
ラヒドロキシ安息香酸ジカリウムの生成が有利になり、
高収率で目的物が得られることなどの一連の事実を知見
し本発明を完成するに到った。
【化2】 (式中、Rはアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アルコキシ基、アミノ基、イミノ基、アシル基、ホ
ルミル基、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、ニトロ
基、シアノ基、ハロゲン原子、およびこれらの基の複数
の組合せによる基を表わし、nは2〜4の整数を表わ
し、nが2以上の場合、各Rは同一であってもよいし異
なっていてもよい。)
基、アルコキシ基、アミノ基、イミノ基、アシル基、ホ
ルミル基、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、ニトロ
基、シアノ基、ハロゲン原子、およびこれらの基の複数
の組合せによる基を表わし、nは2〜4の整数を表わ
し、nが2以上の場合、各Rは同一であってもよいし異
なっていてもよい。)
【化3】
【0011】かくして、本発明の包括的概念によれば、
上記式(1)で示される化合物の存在下に、サリチル酸
カリウムの転位反応を行うことを特徴とするパラヒドロ
キシ安息香酸の製造方法のが提供され前記本発明の目的
が達成される。
上記式(1)で示される化合物の存在下に、サリチル酸
カリウムの転位反応を行うことを特徴とするパラヒドロ
キシ安息香酸の製造方法のが提供され前記本発明の目的
が達成される。
【0012】
【構成】以下、本発明の構成を詳述するが、本発明のよ
り好ましい態様およびそれに基づく利点が明らかとなろ
う。
り好ましい態様およびそれに基づく利点が明らかとなろ
う。
【0013】式(1)の化合物 式(1)中Rで、複数の基の組合せによる基の例として
は、アミノアルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジ
アルキルアミノアルキル基、ハロゲン化アルキル基、ニ
トロアルキル基、フェニルアルキル基、アルキルアミノ
基、ジアルキルアミノ基、スチリル基、アルキルフェニ
ル基、アルコキシフェニル基、アミノフェニル基、ハロ
ゲン化フェニル基、ニトロフェニル基などを例示でき
る。本発明の最も重要な特徴は、サリチル酸カリウムの
転位反応を前記式(1)の化合物の存在下に行うことで
ある。前述の如く、式(1)の化合物は、サリチル酸カ
リウムの転移反応時において、それ自体は実質的に脱炭
酸する。そして、サリチル酸カリウムが転位して生成し
たパラヒドロキシ安息香酸のカリウム塩がジカリウム塩
に変化するために必要なカリウムイオンの供給源として
式(1)の化合物が機能する。
は、アミノアルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジ
アルキルアミノアルキル基、ハロゲン化アルキル基、ニ
トロアルキル基、フェニルアルキル基、アルキルアミノ
基、ジアルキルアミノ基、スチリル基、アルキルフェニ
ル基、アルコキシフェニル基、アミノフェニル基、ハロ
ゲン化フェニル基、ニトロフェニル基などを例示でき
る。本発明の最も重要な特徴は、サリチル酸カリウムの
転位反応を前記式(1)の化合物の存在下に行うことで
ある。前述の如く、式(1)の化合物は、サリチル酸カ
リウムの転移反応時において、それ自体は実質的に脱炭
酸する。そして、サリチル酸カリウムが転位して生成し
たパラヒドロキシ安息香酸のカリウム塩がジカリウム塩
に変化するために必要なカリウムイオンの供給源として
式(1)の化合物が機能する。
【0014】従って、式(1)の化合物としては、脱炭
酸した後の遊離酸である対応する置換フェノールのヒド
ロキシル基のpKa値を用いることができる。すなわ
ち、このpKa値が、パラヒドロキシ安息香酸のヒドロ
キシル基のpKa値(pK2 =9.23)よりも大きい
ものの方が、かかるカリウム移動が有利になるため好ま
しい。よって、この値を基に、逆に、式(1)の好まし
い化合物を選定することができる。さらに、式(1)の
化合物としては、脱炭酸しやすいものも好ましく、選定
する際のもう一つの目安とすることもできる。
酸した後の遊離酸である対応する置換フェノールのヒド
ロキシル基のpKa値を用いることができる。すなわ
ち、このpKa値が、パラヒドロキシ安息香酸のヒドロ
キシル基のpKa値(pK2 =9.23)よりも大きい
ものの方が、かかるカリウム移動が有利になるため好ま
しい。よって、この値を基に、逆に、式(1)の好まし
い化合物を選定することができる。さらに、式(1)の
化合物としては、脱炭酸しやすいものも好ましく、選定
する際のもう一つの目安とすることもできる。
【0015】式(1)において、置換基Rのうち、好ま
しいものとしては、メチル基等のアルキル基やメトキシ
基等のアルコキシ基などの電子供与性のものであるが、
フェニル基なども好適に用いることができる。とりわけ
好ましい化合物はアルキルサリチル酸カリウム類であ
る。
しいものとしては、メチル基等のアルキル基やメトキシ
基等のアルコキシ基などの電子供与性のものであるが、
フェニル基なども好適に用いることができる。とりわけ
好ましい化合物はアルキルサリチル酸カリウム類であ
る。
【0016】なお、近年、高分子原料として、フェノー
ルのオルト位あるいは2,6−位のアルキル化が行われ
ているが、副生物として異性体やポリアルキル体なども
生成する。このような副生物は安価なため、カリウム塩
としたのち低温下で炭酸化して本発明の式(1)の化合
物として用いることもできる。
ルのオルト位あるいは2,6−位のアルキル化が行われ
ているが、副生物として異性体やポリアルキル体なども
生成する。このような副生物は安価なため、カリウム塩
としたのち低温下で炭酸化して本発明の式(1)の化合
物として用いることもできる。
【0017】式(1)の化合物は、サリチル酸カリウム
の反応器への供給量1モルあたり、通常0.5〜3モ
ル、特には0.8〜1.2モル供給することが好まし
い。
の反応器への供給量1モルあたり、通常0.5〜3モ
ル、特には0.8〜1.2モル供給することが好まし
い。
【0018】転位反応方法 本発明の転位反応の反応温度は通常200〜450℃、
好ましくは230〜450℃の温度で行われる。この温
度であればサリチル酸カリウムからパラヒドロキシ安息
香酸カリウムへの転位反応が充分な速度で進行し、又カ
リウムの供給を受けて生成したパラヒドロキシ安息香酸
ジカリウムが熱分解を受けず安定して存在することがで
きる。又、反応温度をサリチル酸カリウムと式(1)の
化合物の混融点以上とすると、これらの原料は液状とな
り、反応媒体を用いなくても撹拌が容易であり、好都合
である。
好ましくは230〜450℃の温度で行われる。この温
度であればサリチル酸カリウムからパラヒドロキシ安息
香酸カリウムへの転位反応が充分な速度で進行し、又カ
リウムの供給を受けて生成したパラヒドロキシ安息香酸
ジカリウムが熱分解を受けず安定して存在することがで
きる。又、反応温度をサリチル酸カリウムと式(1)の
化合物の混融点以上とすると、これらの原料は液状とな
り、反応媒体を用いなくても撹拌が容易であり、好都合
である。
【0019】転位反応は、二酸化炭素雰囲気下、窒素ガ
スなどの不活性ガス雰囲気下あるいはこれらのいずれを
も含むガスの雰囲気下で行われる。これは、原料および
生成物を酸化や水分による分解から防ぐためでもある。
一方、転位反応の面から考慮すると、サリチル酸カリウ
ムからのカルボキシル基の離脱を有利にするためには二
酸化炭素の分圧は低い方が有利であるが、離脱した二酸
化炭素が再びフェノール環のパラ位に付加するためには
二酸化炭素圧は高い方が有利である。従って、ある程度
の二酸化炭素圧力下で転位反応を行うのが好ましい。こ
のような二酸化炭素の分圧としては1〜50kg/cm
2 G、好ましくは1〜10kg/cm2Gを例示するこ
とができる。
スなどの不活性ガス雰囲気下あるいはこれらのいずれを
も含むガスの雰囲気下で行われる。これは、原料および
生成物を酸化や水分による分解から防ぐためでもある。
一方、転位反応の面から考慮すると、サリチル酸カリウ
ムからのカルボキシル基の離脱を有利にするためには二
酸化炭素の分圧は低い方が有利であるが、離脱した二酸
化炭素が再びフェノール環のパラ位に付加するためには
二酸化炭素圧は高い方が有利である。従って、ある程度
の二酸化炭素圧力下で転位反応を行うのが好ましい。こ
のような二酸化炭素の分圧としては1〜50kg/cm
2 G、好ましくは1〜10kg/cm2Gを例示するこ
とができる。
【0020】式(1)の化合物は、上述の転位反応の進
行と共に脱炭酸し、カリウムを放出した後に対応する置
換フェノールとなるが、この置換フェノールの存在によ
り新たな平衡系が形成され、パラヒドロキシ安息香酸の
収率が上がらなくなるため、副生置換フェノールを反応
系外へ除去することが好ましい。
行と共に脱炭酸し、カリウムを放出した後に対応する置
換フェノールとなるが、この置換フェノールの存在によ
り新たな平衡系が形成され、パラヒドロキシ安息香酸の
収率が上がらなくなるため、副生置換フェノールを反応
系外へ除去することが好ましい。
【0021】上記置換フェノールおよび/またはフェノ
ールを系外へ除去する方法としては雰囲気ガス、例えば
二酸化炭素を連続的にあるいは間欠的に流通させる方法
を挙げることができる。この際、系外に放出されたガス
を冷却して置換フェノール類を除去後、再びガスを反応
系内に循環させる方法を用いてもよい。除去された置換
フェノール類は回収されて再使用することができる。
ールを系外へ除去する方法としては雰囲気ガス、例えば
二酸化炭素を連続的にあるいは間欠的に流通させる方法
を挙げることができる。この際、系外に放出されたガス
を冷却して置換フェノール類を除去後、再びガスを反応
系内に循環させる方法を用いてもよい。除去された置換
フェノール類は回収されて再使用することができる。
【0022】本発明の方法では、該転位反応を不活性な
反応媒体の存在下又は非存在下に行うことができる。反
応に不活性な媒体としては、例えば、芳香族炭化水素、
芳香族エーテル、芳香環で置換されている脂肪族炭化水
素、芳香環で置換されている不飽和脂肪族炭化水素、こ
れらの水素化物、脂肪族炭化水素、非プロトン性極性溶
媒、芳香環で置換されているアルコールおよび高級脂肪
族アルコールなどを挙げることができる。これらの反応
媒体は一種用いても、二種以上併用して混合媒体として
用いてもよい。
反応媒体の存在下又は非存在下に行うことができる。反
応に不活性な媒体としては、例えば、芳香族炭化水素、
芳香族エーテル、芳香環で置換されている脂肪族炭化水
素、芳香環で置換されている不飽和脂肪族炭化水素、こ
れらの水素化物、脂肪族炭化水素、非プロトン性極性溶
媒、芳香環で置換されているアルコールおよび高級脂肪
族アルコールなどを挙げることができる。これらの反応
媒体は一種用いても、二種以上併用して混合媒体として
用いてもよい。
【0023】具体的には、ビフェニル、テルフェニル、
ナフタレン、アントラセン、ジトリルエタン、ジベンジ
ルトルエン、メチルナフタレン、イソプロピルナフタレ
ン、GS−250(メチルナフタレンを主成分とする芳
香族化合物の混合物)、NeoSK−oil(綜研化学
社製媒体)、ダウサーム(ジフェニルとジフェニルエー
テルの混合物)、エチルビフェニル、ジフェニルエーテ
ル、水素化テルフェニル、ベンゾイルフェニルエーテ
ル、ベンゾフェノン、アセトフェノン、沸点150℃以
上の灯油および/または軽油、N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスル
ホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、炭素数5〜1
5の高級アルコール、またはこれらの混合物などを反応
媒体として例示することができる。なかでも、サリチル
酸カリウム、式(1)の化合物あるいはパラヒドロキシ
安息香酸のカリウム塩類を反応温度で溶解しにくい媒体
が好ましい。
ナフタレン、アントラセン、ジトリルエタン、ジベンジ
ルトルエン、メチルナフタレン、イソプロピルナフタレ
ン、GS−250(メチルナフタレンを主成分とする芳
香族化合物の混合物)、NeoSK−oil(綜研化学
社製媒体)、ダウサーム(ジフェニルとジフェニルエー
テルの混合物)、エチルビフェニル、ジフェニルエーテ
ル、水素化テルフェニル、ベンゾイルフェニルエーテ
ル、ベンゾフェノン、アセトフェノン、沸点150℃以
上の灯油および/または軽油、N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスル
ホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、炭素数5〜1
5の高級アルコール、またはこれらの混合物などを反応
媒体として例示することができる。なかでも、サリチル
酸カリウム、式(1)の化合物あるいはパラヒドロキシ
安息香酸のカリウム塩類を反応温度で溶解しにくい媒体
が好ましい。
【0024】また、反応後の処理を考慮した場合、水に
不溶または難溶で、100℃で液体であれば好ましい
が、室温で液体である方がさらに好都合である。さら
に、反応圧力の制御のしやすからは、沸点の高いものが
好ましく、沸点200℃以上であるものが好ましい。具
体的には、沸点250℃以上の軽油、NeoSK−oi
l、ダウサーム、イソプロピルナフタレン、水素化テル
フェニルなどの使用が推奨される。
不溶または難溶で、100℃で液体であれば好ましい
が、室温で液体である方がさらに好都合である。さら
に、反応圧力の制御のしやすからは、沸点の高いものが
好ましく、沸点200℃以上であるものが好ましい。具
体的には、沸点250℃以上の軽油、NeoSK−oi
l、ダウサーム、イソプロピルナフタレン、水素化テル
フェニルなどの使用が推奨される。
【0025】なお、反応媒体の存在、非存在にかかわら
ず、反応にあたって撹拌するのが好ましい。反応に関与
する化学種の接触を向上し、しかも温度分布を小さくす
る目的のため、撹拌は高速回転および/または激振盪で
あることが好ましく、この際乱流を生じさせる条件とす
ればさらに好ましい。
ず、反応にあたって撹拌するのが好ましい。反応に関与
する化学種の接触を向上し、しかも温度分布を小さくす
る目的のため、撹拌は高速回転および/または激振盪で
あることが好ましく、この際乱流を生じさせる条件とす
ればさらに好ましい。
【0026】転位反応は、回分式あるいは連続式あるい
は両者の組合せのいずれの方法で実施してもよいが、大
量生産する場合は連続式の方が好ましい。また、式
(1)の化合物の調製は、対応する遊離の置換フェノー
ルに水酸化カリウム、炭酸カリウムおよび/または炭酸
水素カリウムを水中あるいは低級アルコール中で作用さ
せ、乾燥して得た置換フェノールカリウムに150℃前
後の低温コルベ・シュミット反応法に従って二酸化炭素
を反応させるなどの方法により容易に調製できるが、こ
の工程を転位反応工程の前工程として設置するこどがで
きる。
は両者の組合せのいずれの方法で実施してもよいが、大
量生産する場合は連続式の方が好ましい。また、式
(1)の化合物の調製は、対応する遊離の置換フェノー
ルに水酸化カリウム、炭酸カリウムおよび/または炭酸
水素カリウムを水中あるいは低級アルコール中で作用さ
せ、乾燥して得た置換フェノールカリウムに150℃前
後の低温コルベ・シュミット反応法に従って二酸化炭素
を反応させるなどの方法により容易に調製できるが、こ
の工程を転位反応工程の前工程として設置するこどがで
きる。
【0027】パラヒドロキシ安息香酸の回収 以上の転位反応の反応生成物はパラヒドロキシ安息香酸
ジカリウムを含有するが、これからパラヒドロキシ安息
香酸を回収するにはまず生成物を水に注ぎ、ベンゼン、
トルエンあるいはエーテル類など、水に不溶または難溶
の有機溶媒を加えて遊離フェノール類を抽出する。つぎ
に水層に硫酸、塩酸などの鉱酸の水溶液を添加して酸析
し、析出したパラヒドキロシ安息香酸を含む粗結晶を濾
取する。これを、水、メタノールあるいは両者の混合液
などの溶媒を用いて、再結晶を1〜2回繰り返すことに
より、精製されたピラヒドロキシ安息香酸を得ることが
できる。
ジカリウムを含有するが、これからパラヒドロキシ安息
香酸を回収するにはまず生成物を水に注ぎ、ベンゼン、
トルエンあるいはエーテル類など、水に不溶または難溶
の有機溶媒を加えて遊離フェノール類を抽出する。つぎ
に水層に硫酸、塩酸などの鉱酸の水溶液を添加して酸析
し、析出したパラヒドキロシ安息香酸を含む粗結晶を濾
取する。これを、水、メタノールあるいは両者の混合液
などの溶媒を用いて、再結晶を1〜2回繰り返すことに
より、精製されたピラヒドロキシ安息香酸を得ることが
できる。
【0028】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。なお、実施例における定量はクロマトグラフィー
によって行い、収率は仕込のサリチル酸カリウムのモル
数を基準として表示した。
する。なお、実施例における定量はクロマトグラフィー
によって行い、収率は仕込のサリチル酸カリウムのモル
数を基準として表示した。
【0029】(実施例1)乾燥粉末状のサリチル酸カリ
ウム8.82g(50.1mmol)と2,3−クレゾ
チン酸カリウム9.53g(50.2mmol)および
25mlのNeoSK−1400を耐圧反応装置に仕込
み、二酸化炭素で加圧し8kg/cm2 Gの反応圧力
下、290℃で1時間、1000rpmで撹拌しながら
反応させた。反応後、常法により、反応生成物を酸性化
して分析したところパラヒドロキシ安息香酸の収率は6
9.7%であった。
ウム8.82g(50.1mmol)と2,3−クレゾ
チン酸カリウム9.53g(50.2mmol)および
25mlのNeoSK−1400を耐圧反応装置に仕込
み、二酸化炭素で加圧し8kg/cm2 Gの反応圧力
下、290℃で1時間、1000rpmで撹拌しながら
反応させた。反応後、常法により、反応生成物を酸性化
して分析したところパラヒドロキシ安息香酸の収率は6
9.7%であった。
【0030】(実施例2)乾燥粉末状のサリチル酸カリ
ウム8.82g(50.1mmol)と2,4−クレゾ
チン酸カリウム9.55g(50.3mmol)および
25mlのNeoSK−1400を耐圧反応装置に仕込
み、二酸化炭素で加圧し10kg/cm2Gの反応圧力
下、300℃で1時間、1000rpmで撹拌しながら
反応させた。反応後、常法により、反応生成物を酸性化
して分析したところパラヒドロキシ安息香酸の収率は7
1.7%であった。
ウム8.82g(50.1mmol)と2,4−クレゾ
チン酸カリウム9.55g(50.3mmol)および
25mlのNeoSK−1400を耐圧反応装置に仕込
み、二酸化炭素で加圧し10kg/cm2Gの反応圧力
下、300℃で1時間、1000rpmで撹拌しながら
反応させた。反応後、常法により、反応生成物を酸性化
して分析したところパラヒドロキシ安息香酸の収率は7
1.7%であった。
【0031】(実施例3)乾燥粉末状のサリチル酸カリ
ウム8.80g(50.0mmol)と2,5−クレゾ
チン酸カリウム9.55g(50.3mmol)および
25mlのNeoSK−1400を耐圧反応装置に仕込
み、二酸化炭素で加圧し16kg/cm2Gの反応圧力
下、300℃で1時間、1000rpmで撹拌しながら
反応させた。反応後、常法により、反応生成物を酸性化
して分析したところパラヒドロキシ安息香酸の収率は7
3.5%であった。
ウム8.80g(50.0mmol)と2,5−クレゾ
チン酸カリウム9.55g(50.3mmol)および
25mlのNeoSK−1400を耐圧反応装置に仕込
み、二酸化炭素で加圧し16kg/cm2Gの反応圧力
下、300℃で1時間、1000rpmで撹拌しながら
反応させた。反応後、常法により、反応生成物を酸性化
して分析したところパラヒドロキシ安息香酸の収率は7
3.5%であった。
【0032】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、サリチル酸
カリウムから高分子材料や医・農薬の原料として有用な
パラヒドロキシ安息香酸が高収率で得られ、コルベ・シ
ュミット反応の中間体あるいは副生物であったサリチル
酸カリウムからパラヒドロキシ安息香酸を効率的に生産
できる。
カリウムから高分子材料や医・農薬の原料として有用な
パラヒドロキシ安息香酸が高収率で得られ、コルベ・シ
ュミット反応の中間体あるいは副生物であったサリチル
酸カリウムからパラヒドロキシ安息香酸を効率的に生産
できる。
Claims (5)
- 【請求項1】下記式(1)で示される化合物の存在下
に、サリチル酸カリウムの転移反応を行うことを特徴と
するパラヒドロキシ安息香酸の製造方法。 【化1】 (式中、Rはアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アルコキシ基、アミノ基、イミノ基、アシル基、ホ
ルミル基、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、ニトロ
基、シアノ基、ハロゲン原子、およびこれらの基の複数
の組合せによる基を表わし、nは2〜4の整数を表わ
し、nが2以上の場合、各Rは同一であってもよいし異
なっていてもよい。) - 【請求項2】転位反応を、200〜450℃の反応温度
で行うことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。 - 【請求項3】転位反応を、二酸化炭素および/または該
転位反応に不活性なガス雰囲気下で行うことを特徴とす
る請求項1又は2に記載の製造方法。 - 【請求項4】式(1)のRがアルキル基であることを特
徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。 - 【請求項5】転位反応を、不活性媒体中で行うことを特
徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25600792A JPH06100493A (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | パラヒドロキシ安息香酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25600792A JPH06100493A (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | パラヒドロキシ安息香酸の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06100493A true JPH06100493A (ja) | 1994-04-12 |
Family
ID=17286615
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25600792A Withdrawn JPH06100493A (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | パラヒドロキシ安息香酸の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06100493A (ja) |
-
1992
- 1992-09-25 JP JP25600792A patent/JPH06100493A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19991130 |