JPH06100943A - ステンレス鋼ラインパイプの製造方法 - Google Patents
ステンレス鋼ラインパイプの製造方法Info
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- JPH06100943A JPH06100943A JP25107092A JP25107092A JPH06100943A JP H06100943 A JPH06100943 A JP H06100943A JP 25107092 A JP25107092 A JP 25107092A JP 25107092 A JP25107092 A JP 25107092A JP H06100943 A JPH06100943 A JP H06100943A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】溶接性の優れたマルテンサイト系ステンレス鋼
ラインパイプの製造方法の提供。 【構成】重量%で、C :0.02〜0.04%,S
i:0.1〜0.3%,Mn:0.3〜1.0%,
S :0.005%以下,P :0.020%以下,
Cr:12.0〜14.0%,Ni:3.5〜4.5
%, Mo:0.75〜1.25%,Cu:0.1〜
0.5%, N:0.03〜0.07%、残部Feお
よび不可避不純物からなり、下記式(I) 4.0≦Ni+Cu+30(C+N)−1.5×Mo≦5.5 …(I) を満足するマルテンサイト系ステンレス鋼を鋼管とした
のち、900℃〜1000℃でオーステナイト化してか
ら空冷以上の冷却速度で冷却し、ついで600℃以上A
Cl点温度未満の温度で焼き戻し処理を施してから空冷す
ることを特徴とするステンレス鋼ラインパイプの製造方
法。
ラインパイプの製造方法の提供。 【構成】重量%で、C :0.02〜0.04%,S
i:0.1〜0.3%,Mn:0.3〜1.0%,
S :0.005%以下,P :0.020%以下,
Cr:12.0〜14.0%,Ni:3.5〜4.5
%, Mo:0.75〜1.25%,Cu:0.1〜
0.5%, N:0.03〜0.07%、残部Feお
よび不可避不純物からなり、下記式(I) 4.0≦Ni+Cu+30(C+N)−1.5×Mo≦5.5 …(I) を満足するマルテンサイト系ステンレス鋼を鋼管とした
のち、900℃〜1000℃でオーステナイト化してか
ら空冷以上の冷却速度で冷却し、ついで600℃以上A
Cl点温度未満の温度で焼き戻し処理を施してから空冷す
ることを特徴とするステンレス鋼ラインパイプの製造方
法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶接性の優れたマルテ
ンサイト系ステンレス鋼ラインパイプの製造方法に係わ
り、湿潤炭酸ガスを含む石油・天然ガスを輸送する際に
高い腐食抵抗性を有するとともに、溶接性に優れた鋼管
を製造する方法に関する。
ンサイト系ステンレス鋼ラインパイプの製造方法に係わ
り、湿潤炭酸ガスを含む石油・天然ガスを輸送する際に
高い腐食抵抗性を有するとともに、溶接性に優れた鋼管
を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年生産される石油・天然ガスは、穏や
かな環境の井戸の枯渇に伴い湿潤な炭酸ガスを含む場合
が多くなっている。湿潤な炭酸ガス環境中では炭素鋼や
低合金鋼は大きな腐食減量を示すことが知られており、
従来より腐食抑制剤が添加されてきた。しかし、腐食抑
制剤は温度が高い場合その効果が発揮できないことがあ
り、また、海底パイプラインでは腐食抑制剤の処理に多
くの費用がかかり、必ずしも現実的でないことがあっ
た。当該環境にはCrを13%程度含有した鋼が優れた
耐食性を有しており、0.2%程度のCを含有したAI
SI420系のマルテンサイト系ステンレス鋼管API
(米国石油協会)に規格化され溶接構造のない油井鋼管
に大量に使用されている。
かな環境の井戸の枯渇に伴い湿潤な炭酸ガスを含む場合
が多くなっている。湿潤な炭酸ガス環境中では炭素鋼や
低合金鋼は大きな腐食減量を示すことが知られており、
従来より腐食抑制剤が添加されてきた。しかし、腐食抑
制剤は温度が高い場合その効果が発揮できないことがあ
り、また、海底パイプラインでは腐食抑制剤の処理に多
くの費用がかかり、必ずしも現実的でないことがあっ
た。当該環境にはCrを13%程度含有した鋼が優れた
耐食性を有しており、0.2%程度のCを含有したAI
SI420系のマルテンサイト系ステンレス鋼管API
(米国石油協会)に規格化され溶接構造のない油井鋼管
に大量に使用されている。
【0003】しかし、ラインパイプは耐食性、輸送流体
の内圧に耐えうるだけの強度に加え、溶接部と母材の高
い衝撃値を有していることが必要である。AISI42
0系のマルテンサイト系ステンレス鋼管ではCの含有量
が高いため、溶接予熱温度が200℃近辺であり、また
溶接熱影響部の硬さが高くかつ衝撃値も低いために、ラ
インパイプに適用することは困難である。これらの観点
から当該環境のラインパイプには二相ステンレス鋼が多
く適用されるようになった(鉄鋼協会、平成2年2月1
4日開催、第133回西山記念講座、52頁)が、二相
ステンレス鋼はCr,Ni,Moを多く含有しており、
環境によっては過剰性能であることがあり、経済的では
なかった。
の内圧に耐えうるだけの強度に加え、溶接部と母材の高
い衝撃値を有していることが必要である。AISI42
0系のマルテンサイト系ステンレス鋼管ではCの含有量
が高いため、溶接予熱温度が200℃近辺であり、また
溶接熱影響部の硬さが高くかつ衝撃値も低いために、ラ
インパイプに適用することは困難である。これらの観点
から当該環境のラインパイプには二相ステンレス鋼が多
く適用されるようになった(鉄鋼協会、平成2年2月1
4日開催、第133回西山記念講座、52頁)が、二相
ステンレス鋼はCr,Ni,Moを多く含有しており、
環境によっては過剰性能であることがあり、経済的では
なかった。
【0004】これに対し12Cr系のAISI410鋼
を使用したラインパイプが1988年6月APIで規格
化されてはいるがNiの含有量が0.5%以下になって
おり、NKK技報(1989年発行、第129号、15
−22頁)にみられるように溶接部の衝撃特性が悪いと
いう欠点を有している。最近二相ステンレス鋼と13%
Crマルテンサイト系ステンレス鋼の中間の耐食性およ
びコストである低CでNi,Moを含有した13%Cマ
ルテンサイト系ステンレス鋼が開発されている(例えば
鉄鋼協会、CAMP−ISIJ Vol. 2(1989)−
898、同 Vol. 4(1991)−558)が、これら
はいずれも油井鋼管用であり、ラインパイプに要求され
る溶接性を兼ね備えてはいない。
を使用したラインパイプが1988年6月APIで規格
化されてはいるがNiの含有量が0.5%以下になって
おり、NKK技報(1989年発行、第129号、15
−22頁)にみられるように溶接部の衝撃特性が悪いと
いう欠点を有している。最近二相ステンレス鋼と13%
Crマルテンサイト系ステンレス鋼の中間の耐食性およ
びコストである低CでNi,Moを含有した13%Cマ
ルテンサイト系ステンレス鋼が開発されている(例えば
鉄鋼協会、CAMP−ISIJ Vol. 2(1989)−
898、同 Vol. 4(1991)−558)が、これら
はいずれも油井鋼管用であり、ラインパイプに要求され
る溶接性を兼ね備えてはいない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、炭酸ガス環境でも十分な耐食性を有し、母材および
溶接熱影響部の破面遷移温度が−30℃以下で溶接予熱
温度が125℃以下のマルテンサイト系ステンレス鋼ラ
インパイプの製造方法を提供することを目的とするもの
である。
は、炭酸ガス環境でも十分な耐食性を有し、母材および
溶接熱影響部の破面遷移温度が−30℃以下で溶接予熱
温度が125℃以下のマルテンサイト系ステンレス鋼ラ
インパイプの製造方法を提供することを目的とするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく成分の影響を検討した結果、先の油井鋼
管と同様C量を低減し、Ni,Mo,およびCuを添加
するが、あるパラメータを用いて成分管理すればライン
パイプに要求される溶接性を損なわず湿潤炭酸ガス環境
での耐食性を向上できることが判明した。
的を達成すべく成分の影響を検討した結果、先の油井鋼
管と同様C量を低減し、Ni,Mo,およびCuを添加
するが、あるパラメータを用いて成分管理すればライン
パイプに要求される溶接性を損なわず湿潤炭酸ガス環境
での耐食性を向上できることが判明した。
【0007】すなわち、本発明は、重量%で、C :
0.02〜0.04%,Si:0.1〜0.3%,M
n:0.3〜1.0%, S :0.005%以下,
P :0.020%以下, Cr:12.0〜14.
0%,Ni:3.5〜4.5%, Mo:0.75〜
1.25%,Cu:0.1〜0.5%, N:0.0
3〜0.07%、残部Feおよび不可避不純物からな
り、下記式(I) 4.0≦Ni+Cu+30(C+N)−1.5×Mo≦5.5 …(I) を満足するマルテンサイト系ステンレス鋼を鋼管とした
のち、900℃〜1000℃でオーステナイト化してか
ら空冷以上の冷却速度で冷却し、ついで600℃以上A
Cl点温度未満の温度で焼き戻し処理を施してから空冷す
ることを特徴とするステンレス鋼ラインパイプの製造方
法を提供するものである。
0.02〜0.04%,Si:0.1〜0.3%,M
n:0.3〜1.0%, S :0.005%以下,
P :0.020%以下, Cr:12.0〜14.
0%,Ni:3.5〜4.5%, Mo:0.75〜
1.25%,Cu:0.1〜0.5%, N:0.0
3〜0.07%、残部Feおよび不可避不純物からな
り、下記式(I) 4.0≦Ni+Cu+30(C+N)−1.5×Mo≦5.5 …(I) を満足するマルテンサイト系ステンレス鋼を鋼管とした
のち、900℃〜1000℃でオーステナイト化してか
ら空冷以上の冷却速度で冷却し、ついで600℃以上A
Cl点温度未満の温度で焼き戻し処理を施してから空冷す
ることを特徴とするステンレス鋼ラインパイプの製造方
法を提供するものである。
【0008】
【作用】以下に本発明をさらに詳細に説明する。まず、
本発明で用いるマルテンサイト系ステンレス鋼の成分お
よびその限定理由について述べる。
本発明で用いるマルテンサイト系ステンレス鋼の成分お
よびその限定理由について述べる。
【0009】C:0.02〜0.04%、Cは低いほう
が耐食性は好ましいが、0.02%未満にするには製鋼
段階で真空脱ガス処理が必要になるためコスト高にな
る。0.04%を超えると耐食性に悪影響があるだけで
なく、溶接性が劣化するため0.02%〜0.04%と
した。
が耐食性は好ましいが、0.02%未満にするには製鋼
段階で真空脱ガス処理が必要になるためコスト高にな
る。0.04%を超えると耐食性に悪影響があるだけで
なく、溶接性が劣化するため0.02%〜0.04%と
した。
【0010】Si:0.l〜0.3%、脱酸のため必要
な元素であるが、フェライト生成元素でもあるため不必
要に高い含有は、組織バランスの観点からC,Ni,C
u,あるいはNなどオーステナイト生成元素の含有量を
本来の目的以上に高める必要を生じるため、脱酸に必要
十分な0.1〜0.3%とした。
な元素であるが、フェライト生成元素でもあるため不必
要に高い含有は、組織バランスの観点からC,Ni,C
u,あるいはNなどオーステナイト生成元素の含有量を
本来の目的以上に高める必要を生じるため、脱酸に必要
十分な0.1〜0.3%とした。
【0011】Mn:0.3〜1.0%、Mnは脱酸だけ
でなく強度を確保するために必要な元素であるが、本成
分系では1.0%を超えて添加しても効果が飽和しだす
ため上限を1.0%とした。
でなく強度を確保するために必要な元素であるが、本成
分系では1.0%を超えて添加しても効果が飽和しだす
ため上限を1.0%とした。
【0012】S:0.005%以下、P:0.020%
以下、いずれも耐食性および衝撃特性に影響をおよぼ
し、少ない方が好ましいが、工業的にいたずらなコスト
増を招かずかつ悪影響の出ない値をそれぞれ上限値とし
た。
以下、いずれも耐食性および衝撃特性に影響をおよぼ
し、少ない方が好ましいが、工業的にいたずらなコスト
増を招かずかつ悪影響の出ない値をそれぞれ上限値とし
た。
【0013】Cr:12.0〜14.0%、Crはマル
テンサイト組織を確保し、かつ耐食性を付与するために
必要な基本的元素である。安定した耐食性を得るため1
2.0%は必要であり、14.0%を超えて含有される
と、マルテンサイト組織の確保のため、同量のNiがさ
らに必要となり、コスト増を招くほか、Ni増にともな
い後述のように溶接熱影響部の硬さ上昇を招いたり長時
間の焼き戻し処理が必要になる。
テンサイト組織を確保し、かつ耐食性を付与するために
必要な基本的元素である。安定した耐食性を得るため1
2.0%は必要であり、14.0%を超えて含有される
と、マルテンサイト組織の確保のため、同量のNiがさ
らに必要となり、コスト増を招くほか、Ni増にともな
い後述のように溶接熱影響部の硬さ上昇を招いたり長時
間の焼き戻し処理が必要になる。
【0014】Ni:3.5〜4.5%、NiはC低減に
よるオーステナイト生成元素量を補うとともに、C低減
と同様、当該環境における耐全面腐食性の向上および衝
撃特性向上に不可欠な元素である。3.5%未満ではオ
ーステナイト生成元素量の補完が難しく、4.5%を超
えると、効果が飽和するだけでなくACl点の低下が顕著
になり、長時間の焼き戻し処理が必要になったり、ある
いは溶接熱影響部の硬さ上昇が顕著になる。
よるオーステナイト生成元素量を補うとともに、C低減
と同様、当該環境における耐全面腐食性の向上および衝
撃特性向上に不可欠な元素である。3.5%未満ではオ
ーステナイト生成元素量の補完が難しく、4.5%を超
えると、効果が飽和するだけでなくACl点の低下が顕著
になり、長時間の焼き戻し処理が必要になったり、ある
いは溶接熱影響部の硬さ上昇が顕著になる。
【0015】Mo:0.75〜1.25%、石油・ガス
田は一般に塩化物イオンを含有することが多いが、塩化
物イオンを含有した湿潤炭酸ガス環境では全面腐食に加
えて、局部腐食が問題となる。Moはこの局部腐食抵抗
性を顕著に向上する元素であり、0.75%未満ではそ
の効果は必ずしも十分発揮できず、また1.25%をこ
えて添加してもコスト増を招くのみで効果は飽和する。
田は一般に塩化物イオンを含有することが多いが、塩化
物イオンを含有した湿潤炭酸ガス環境では全面腐食に加
えて、局部腐食が問題となる。Moはこの局部腐食抵抗
性を顕著に向上する元素であり、0.75%未満ではそ
の効果は必ずしも十分発揮できず、また1.25%をこ
えて添加してもコスト増を招くのみで効果は飽和する。
【0016】Cu:0.1〜0.5%、CuはNi,N
とともにC低減によるオーステナイト生成元素量を補う
元素として添加するが、溶接熱影響部の衝撃特性向上に
も効果がある。しかし、0.1%未満ではその効果は全
く認められず、0.5%を超えて添加すると、一部のC
uが固溶せず析出するようになり、溶接熱影響部の硬さ
が上昇するようになる。
とともにC低減によるオーステナイト生成元素量を補う
元素として添加するが、溶接熱影響部の衝撃特性向上に
も効果がある。しかし、0.1%未満ではその効果は全
く認められず、0.5%を超えて添加すると、一部のC
uが固溶せず析出するようになり、溶接熱影響部の硬さ
が上昇するようになる。
【0017】N:0.03〜0.07%、NはNi,C
uとともにC低減によるオーステナイト生成元素量を補
う元素として添加するが、0.02%〜0.04%まで
Cを低減するとNが通常の0.20〜0.25%であれ
ばマルテンサイト単相組織にはならない場合があり、耐
食性および衝撃特性の劣化原因となる。また、単相組織
とするためNi,Cu,Cを所定の範囲の上限値まで添
加すると焼き入れ硬化能が増し、予熱温度が125℃以
下にすることはできない。したがって、下限値は0.0
3%とした。また上限値については、0.07%を超え
て添加すると凝固時に溶解度をこえ、ブローホールを発
生することがあるため、0.07%とした。
uとともにC低減によるオーステナイト生成元素量を補
う元素として添加するが、0.02%〜0.04%まで
Cを低減するとNが通常の0.20〜0.25%であれ
ばマルテンサイト単相組織にはならない場合があり、耐
食性および衝撃特性の劣化原因となる。また、単相組織
とするためNi,Cu,Cを所定の範囲の上限値まで添
加すると焼き入れ硬化能が増し、予熱温度が125℃以
下にすることはできない。したがって、下限値は0.0
3%とした。また上限値については、0.07%を超え
て添加すると凝固時に溶解度をこえ、ブローホールを発
生することがあるため、0.07%とした。
【0018】4.0≦Ni+Cu+30(C+N)−
1.5×Mo≦5.5、このパラメータは上記成分範囲
で構成される鋼を、耐食性を損なわずに、溶接予熱温度
が低く、溶接熱影響部の衝撃特性に優れた材料たらしめ
るためのものである。すなわち、5.5を超える場合に
は焼入れ硬化能が高く、予熱温度が125℃以下にする
ことはできない。また、4.0未満では溶接熱サイクル
により溶接熱影響部がマルテンサイト単相組織となら
ず、耐食性および衝撃特性が劣化する場合がある。
1.5×Mo≦5.5、このパラメータは上記成分範囲
で構成される鋼を、耐食性を損なわずに、溶接予熱温度
が低く、溶接熱影響部の衝撃特性に優れた材料たらしめ
るためのものである。すなわち、5.5を超える場合に
は焼入れ硬化能が高く、予熱温度が125℃以下にする
ことはできない。また、4.0未満では溶接熱サイクル
により溶接熱影響部がマルテンサイト単相組織となら
ず、耐食性および衝撃特性が劣化する場合がある。
【0019】上述した成分のマルテンサイト系ステンレ
ス鋼を用いてラインパイプを製造する。まず、上記鋼を
鋼管としたのち、900〜1000℃の温度でオーステ
ナイト化する。900℃未満では完全なオーステナイト
化が期待できず、焼き戻し後に十分な強度が確保できず
かつ強度にムラが生じる。また、1000℃を超えて行
うと結晶粒度が粗大化し、母材の衝撃特性が低下する。
オーステナイト化後空冷以上の冷却速度で冷却する。こ
れはCr炭化物析出に伴なう衝撃特性の劣化を防止する
ためである。
ス鋼を用いてラインパイプを製造する。まず、上記鋼を
鋼管としたのち、900〜1000℃の温度でオーステ
ナイト化する。900℃未満では完全なオーステナイト
化が期待できず、焼き戻し後に十分な強度が確保できず
かつ強度にムラが生じる。また、1000℃を超えて行
うと結晶粒度が粗大化し、母材の衝撃特性が低下する。
オーステナイト化後空冷以上の冷却速度で冷却する。こ
れはCr炭化物析出に伴なう衝撃特性の劣化を防止する
ためである。
【0020】次いで、600℃以上ACl点未満の温度で
焼き戻し処理する。ACl点を超えた焼き戻しは部分的に
オーステナイト化するためその後の冷却により未焼き戻
しマルテンサイト相が再析出し、衝撃特性が著しく劣化
する。また、600℃未満であれば、十分な焼き戻しが
行われない。この後空冷する。
焼き戻し処理する。ACl点を超えた焼き戻しは部分的に
オーステナイト化するためその後の冷却により未焼き戻
しマルテンサイト相が再析出し、衝撃特性が著しく劣化
する。また、600℃未満であれば、十分な焼き戻しが
行われない。この後空冷する。
【0021】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。 (実施例)表1に示す成分のステンレス鋼を熱間圧延法
で外径168.3mm、肉厚8.94mmの継目無鋼管
に製造し、ついで表2に示す熱処理にて製品としたの
ち、被覆アーク溶接法にて円周溶接して継手を作製し
た。鋼管の強度はいずれも0.2%オフセットで56kg
/mm2以上であった。また、円周溶接の入熱はルートパス
のみ1.4kJ/mm で、それ以降は全て1.7kJ/mm とし
た。母材および溶接熱影響部からJIS4号衝撃試験片
(フルサイズ)を採取し衝撃試験に供した。また、溶接
熱影響部の硬さは500g荷重のヴィッカースにて測定
した。さらに腐食試験は2種類実施しており、厚さ3m
m、幅20mm、長さ45mmの短冊状試験片による全
面腐食試験と厚さ3mm、幅20mm、長さ75mmの
短冊状試験片を曲げ半径8mmでU字状に曲げたU−be
nd試験片による応力腐食割れ試験である。環境はいずれ
も、150℃のオートクレーブ中で炭酸ガス分圧30気
圧の条件で20%NaCl中に10日間浸漬した。
明する。 (実施例)表1に示す成分のステンレス鋼を熱間圧延法
で外径168.3mm、肉厚8.94mmの継目無鋼管
に製造し、ついで表2に示す熱処理にて製品としたの
ち、被覆アーク溶接法にて円周溶接して継手を作製し
た。鋼管の強度はいずれも0.2%オフセットで56kg
/mm2以上であった。また、円周溶接の入熱はルートパス
のみ1.4kJ/mm で、それ以降は全て1.7kJ/mm とし
た。母材および溶接熱影響部からJIS4号衝撃試験片
(フルサイズ)を採取し衝撃試験に供した。また、溶接
熱影響部の硬さは500g荷重のヴィッカースにて測定
した。さらに腐食試験は2種類実施しており、厚さ3m
m、幅20mm、長さ45mmの短冊状試験片による全
面腐食試験と厚さ3mm、幅20mm、長さ75mmの
短冊状試験片を曲げ半径8mmでU字状に曲げたU−be
nd試験片による応力腐食割れ試験である。環境はいずれ
も、150℃のオートクレーブ中で炭酸ガス分圧30気
圧の条件で20%NaCl中に10日間浸漬した。
【0022】各試験の評価は、衝撃試験においては破面
遷移温度が−30℃以下のものを○、−30℃よりも高
温のものを×で示した。最高硬さは300以下のものを
○、300を超える場合を×で表した。予熱温度は別途
実施した長さ1.0mの鋼管2本をルートフェイス2.
0mm、ルートギャップ1.6mm、片側開先角度35
度の開先形状としたのち、仮付け後100mm長さのビ
ードを1パスのみおいて4時間後割れの有無を確認する
試験で求めた。125℃以下の場合を○、これを超える
場合を×で表した。全面腐食試験においては、一般に耐
食材料とされる5mils/year (0.125mm/y)以下の
ものを○、0.05mm/y以下のものを◎、0.125mm
/yを超えたものを×で表した。応力腐食割れ試験におい
ては、U字状部の断面を光学顕微鏡にて観察しわれの有
無を確認した。割れが確認された場合を×、割れの確認
されない場合を○で表した。結果を表2にまとめて示
す。明らかに本発明によって製造された鋼管は耐食性、
溶接性に優れ、ラインパイプに適用できることがわか
る。
遷移温度が−30℃以下のものを○、−30℃よりも高
温のものを×で示した。最高硬さは300以下のものを
○、300を超える場合を×で表した。予熱温度は別途
実施した長さ1.0mの鋼管2本をルートフェイス2.
0mm、ルートギャップ1.6mm、片側開先角度35
度の開先形状としたのち、仮付け後100mm長さのビ
ードを1パスのみおいて4時間後割れの有無を確認する
試験で求めた。125℃以下の場合を○、これを超える
場合を×で表した。全面腐食試験においては、一般に耐
食材料とされる5mils/year (0.125mm/y)以下の
ものを○、0.05mm/y以下のものを◎、0.125mm
/yを超えたものを×で表した。応力腐食割れ試験におい
ては、U字状部の断面を光学顕微鏡にて観察しわれの有
無を確認した。割れが確認された場合を×、割れの確認
されない場合を○で表した。結果を表2にまとめて示
す。明らかに本発明によって製造された鋼管は耐食性、
溶接性に優れ、ラインパイプに適用できることがわか
る。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明は継目無鋼管の製造にかかわるも
のであるが、厚板圧延による厚板を用いるUOE鋼管に
も適用しうることは明白である。以上述べたように、本
発明は湿潤炭酸ガス環境における優れた耐食性と優れた
溶接性を兼ね備えた高強度マルテンサイト系ステンレス
鋼ラインパイプの製造方法を提供するもので、産業の発
展に寄与するところ大である。
のであるが、厚板圧延による厚板を用いるUOE鋼管に
も適用しうることは明白である。以上述べたように、本
発明は湿潤炭酸ガス環境における優れた耐食性と優れた
溶接性を兼ね備えた高強度マルテンサイト系ステンレス
鋼ラインパイプの製造方法を提供するもので、産業の発
展に寄与するところ大である。
Claims (1)
- 【請求項1】重量%で、 C :0.02〜0.04%,Si:0.1〜0.3
%,Mn:0.3〜1.0%, S :0.005%
以下,P :0.020%以下, Cr:12.0〜
14.0%,Ni:3.5〜4.5%, Mo:0.
75〜1.25%,Cu:0.1〜0.5%, N:
0.03〜0.07%、残部Feおよび不可避不純物か
らなり、下記式(I) 4.0≦Ni+Cu+30(C+N)−1.5×Mo≦5.5 …(I) を満足するマルテンサイト系ステンレス鋼を鋼管とした
のち、900℃〜1000℃でオーステナイト化してか
ら空冷以上の冷却速度で冷却し、ついで600℃以上A
Cl点温度未満の温度で焼き戻し処理を施してから空冷す
ることを特徴とするステンレス鋼ラインパイプの製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25107092A JPH06100943A (ja) | 1992-09-21 | 1992-09-21 | ステンレス鋼ラインパイプの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25107092A JPH06100943A (ja) | 1992-09-21 | 1992-09-21 | ステンレス鋼ラインパイプの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06100943A true JPH06100943A (ja) | 1994-04-12 |
Family
ID=17217182
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25107092A Withdrawn JPH06100943A (ja) | 1992-09-21 | 1992-09-21 | ステンレス鋼ラインパイプの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06100943A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5849116A (en) * | 1994-07-18 | 1998-12-15 | Nippon Steel Corporation | Production method for steel material and steel pipe having excellent corrosion resistance and weldability |
| KR100545093B1 (ko) * | 2001-11-05 | 2006-01-24 | 주식회사 포스코 | 12 크롬 스테인레스강 열연강재의 제조방법 |
| US9284634B2 (en) | 2011-04-11 | 2016-03-15 | Nkk Tubes | Martensitic stainless steel having excellent corrosion resistance |
| CN117535593A (zh) * | 2022-08-02 | 2024-02-09 | 中国石油天然气集团有限公司 | 一种超高强度不锈钢连续油管及其加工方法 |
-
1992
- 1992-09-21 JP JP25107092A patent/JPH06100943A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5849116A (en) * | 1994-07-18 | 1998-12-15 | Nippon Steel Corporation | Production method for steel material and steel pipe having excellent corrosion resistance and weldability |
| KR100545093B1 (ko) * | 2001-11-05 | 2006-01-24 | 주식회사 포스코 | 12 크롬 스테인레스강 열연강재의 제조방법 |
| US9284634B2 (en) | 2011-04-11 | 2016-03-15 | Nkk Tubes | Martensitic stainless steel having excellent corrosion resistance |
| CN117535593A (zh) * | 2022-08-02 | 2024-02-09 | 中国石油天然气集团有限公司 | 一种超高强度不锈钢连续油管及其加工方法 |
| CN117535593B (zh) * | 2022-08-02 | 2026-03-31 | 中国石油天然气集团有限公司 | 一种超高强度不锈钢连续油管及其加工方法 |
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