JPH06101186A - 化学パルプの漂白方法 - Google Patents
化学パルプの漂白方法Info
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- JPH06101186A JPH06101186A JP24497292A JP24497292A JPH06101186A JP H06101186 A JPH06101186 A JP H06101186A JP 24497292 A JP24497292 A JP 24497292A JP 24497292 A JP24497292 A JP 24497292A JP H06101186 A JPH06101186 A JP H06101186A
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Abstract
伴うことなく脱リグニンおよび高白色度化を進める。 【構成】 蒸解処理された化学パルプを酸処理を行った
後、アルカリ性媒体中で過酸化物と加圧酸素により脱リ
グニン・漂白を行う。
Description
に関し、さらに詳しくは、化学パルプの脱リグニン・漂
白処理における改良に関する。
理により実施されている。従来より、この多段漂白には
漂白剤として塩素系漂白薬品が使用されている。具体的
には、塩素(C)、次亜塩素酸塩(H)、二酸化塩素
(D)の組合せにより、たとえば、C−E−H−D、C
/D−E−H−E−D(C/Dは塩素と二酸化塩素の併
用漂白段、Eはアルカリ抽出段)などのシーケンスによ
る漂白が行われてきた。
に環境に有害な有機塩素化合物を副生し、この有機塩素
化合物を含む漂白排水の環境汚染性が問題になってい
る。有機塩素化合物は一般にAOX法、たとえば米国環
境庁法(EPA METHOD)9020号によって分
析、評価される。
としては、蒸解処理後の初段にアルカリ性媒体中で高温
加圧下で酸素を作用させる酸素漂白法が開発され、現在
広く普及するに至っている。この酸素漂白法によれば、
蒸解後に残存するリグニンの40〜50%が除去されるので
後段の漂白薬品の使用量を下げることが可能になるのみ
ならず、酸素漂白工程の廃液を蒸解工程に循環すること
ができるので薬品とエネルギーを回収することができ、
また、排水処理の負荷を軽減することができる。
ても高白色度を得るためには、その後続段でまだかなり
多量の塩素系漂白薬品の使用を必要とし、その結果、相
当量の有機塩素化合物を副生することが避けられない。
酸素漂白法の改良としては、蒸解後のパルプを酸素と過
酸化物を用いて漂白処理する方法が特開昭62-53497号公
報および特開平3-14687号公報に開示されている。しか
し、本発明者らが検討したところ、脱リグニンおよび高
白色度化は充分でなく、かなりの量の塩素系漂白薬品を
使用せざるをえない。
は、酸素、過酸化物、環状ケト化合物および/または環
状アミノ化合物の系によりパルプの劣化を伴わないで高
白色度化が可能とされているが、この方法は高価な環状
ケト化合物および/または環状アミノ化合物の回収・再
使用が困難であるので、薬品コストがかなり高くなり、
経済的に不利である。
た後、過酸化水素漂白(Ep)をする方法として、特開
昭51-102103号公報、特開昭56-85489号公報および特公
平2-17679号公報が提案されており、これらには、パル
プを酸処理した後、酸素を加えることなく100℃以下に
て過酸化水素漂白を行うことにより脱リグニンが増大す
ることが記載されている。しかしながら、本発明者らが
検討した結果、これらの方法はいずれも脱リグニンと高
白色度化の点で必ずしも充分な効果を与えない。
パルプの漂白において、パルプの劣化を伴うことなく脱
リグニンおよび高白色度化を進め、後続の漂白段の負荷
を軽減させるための経済的な手段を提供することであ
る。そして、それによって後続の漂白段での塩素系漂白
薬品の使用量を低減させ、漂白排水の環境汚染性を下げ
ることである。
パルプを脱リグニン・漂白する方法に取り組み、先に特
開平3-64589号公報において、酸処理後、50〜90℃、大
気圧〜3Kg/cm2にて過酸化物を併用する酸素漂白法を発
表した。本発明者らはさらに研究を進め、一般に実施さ
れている漂白設備の大幅な変更を必要としないで高白色
度・高品質のパルプが得られ、かつ、塩素系漂白薬品使
用量が大幅に削減される方法について鋭意検討した結
果、蒸解後のパルプを酸処理した後、過酸化物を併用し
た酸素漂白を行うことにより、効果的に脱リグニンおよ
び高白色度化されたパルプが得られることを見い出し、
本発明を完成させるに至った。
パルプに対して、酸処理工程を行った後、アルカリ性媒
体中で過酸化物と加圧酸素による脱リグニン・漂白工程
を行うことを特徴とする化学パルプの漂白方法である。
適し、特に広葉樹および針葉樹由来のクラフトパルプの
脱リグニンおよび漂白処理に適する。
プに対し、まず、酸溶液による処理(以下、この酸処理
をA段と称することがある)を行う。
が、たとえばパルプ濃度1〜30%、好ましくは2〜15
%、最も好ましくは3〜10%で、温度30〜95℃、好まし
くは40〜80℃で、処理時間は5〜120分、好ましくは15
〜60分で実施される。
ら分離され、次いで好ましくは洗浄を受ける。分離され
た酸溶液は、酸処理への再使用および/または蒸解工程
後のパルプの向流洗浄に使用でき、場合によっては蒸解
工程にリサイクルすることもできる。本発明の酸処理に
はこの脱水、洗浄工程も含まれる。
くは1〜5、さらに好ましくは1.5〜3である。使用さ
れる酸は無機酸が好適で、硫酸、硝酸、亜硫酸、亜硝
酸、およびこれらの酸の混合物が好適に使用される。
できるのみならず、腐食性が低いので、好適に使用でき
る。特にクラフト蒸解が行われている場合は、酸処理後
の当該酸溶液をクラフト蒸解における薬品の補充として
利用できるという利便を生じる。
酸素による脱リグニン・漂白工程に供せられる。(以
下、この漂白工程を過酸化物併用酸素漂白工程あるいは
Op段と称することがある。)この処理において、パル
プはアルカリ性媒体中、過酸化物と加圧酸素により脱リ
グニン・漂白作用を受ける。過酸化物と加圧酸素は事実
上、パルプに同時に作用する。
ダ、苛性カリ、石灰、ソーダ灰などが使用できる。中で
も苛性ソーダは安価であるとともに、蒸解工程へリサイ
クルすることにより蒸解工程での薬品の補充量を軽減で
きるので、好適に使用できる。アルカリ剤の使用量は、
NaOH換算で絶乾パルプ当り0.5〜6.0 %が好ましく、1.5
〜3.0 %がさらに好ましい。アルカリ剤の使用量がこれ
より少ないと脱リグニン・漂白効果が低くなり、これよ
り多いとパルプの粘度が顕著に低下する。
空気が使用できるが、酸素ガスが好ましい。酸素の使用
量は、絶乾パルプ当り0.5〜5.0 %が好適である。Op
段の処理操作圧力は2.5〜10Kg/cm2が好ましく、3.5〜8K
g/cm2がさらに好ましい。
素、過酸化水素と無機塩類との付加物、過酸化ソーダ、
過ギ酸、過酢酸などの無機および有機の過酸化物が使用
でき、一般には過酸化水素が使用される。過酸化物の使
用量は、100%過酸化水素換算で絶乾パルプ当り0.1 〜6.
0 %が好ましく、0.2〜2.5 %がさらに好ましい。過酸
化物の使用量がこれより少ないと脱リグニン・漂白効果
が低く、これより多いと過酸化物の効率が低下する。
添加順序は、アルカリ剤、酸素の順が好ましく、過酸化
物の添加はアルカリ剤の添加後で、かつ、酸素添加の直
前、同時、直後において行われるのが好ましい。
好ましく、10〜20%がさらに好ましい。温度は60〜130
℃が好ましく、90〜110℃がさらに好ましい。処理時間
は20〜150分が好ましく、30〜90分がさらに好ましい。
段において硫酸と亜硫酸の混合液を使用して酸前処理し
たパルプが、後続の過酸化物併用酸素漂白工程によりき
わめて効果的に脱リグニン・漂白されることを見出し
た。
の比率は、亜硫酸/硫酸(重量比)で0.01〜2が好まし
く、0.02〜1がさらに好ましく、0.05〜0.5が最も好ま
しい。酸処理における液のpHおよびその他の処理条
件、並びに廃液の操作方法などは前記の酸処理条件と同
様である。
下の防止および過酸化物の安定化のために、マグネシウ
ム化合物を使用することが好ましい。
シウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸
マグネシウム、硝酸マグネシウムなどが使用できるが、
一般には硫酸マグネシウムが使用される。マグネシウム
化合物の使用量は、マグネシウムイオンとして絶乾パル
プ当り0.01〜0.4%が好ましく、0.02〜0.1 %がさらに
好ましい。マグネシウム化合物の添加は、アルカリ剤、
酸素および過酸化物のより以前においてなされることが
好ましい。
ルプはそのままでもかなりの高白色度を有するが、さら
に継続して多段の漂白工程を付加したフルブリーチによ
り、一層の高白色度を有するパルプを得ることが可能で
ある。その場合、Op段にてすでに高度の脱リグニンが
行われ、かつ、高白色度状態にあるため、後続漂白とし
て、塩素および次亜塩素酸をほとんどまたは全く使用し
ない漂白ができる。
漂白(D)、次いで過酸化物漂白(P)を行うと(A−
Op−D−P)、塩素または次亜塩素酸塩を使用しない
で、現行の代表的フルブリ−チシ−ケンスであるO−C
/D−E−H−Dと同等またはそれ以上の高粘度・高白
色度のパルプ製品を得ることができる。
は、通常のフルブリ−チシ−ケンスで行われているD段
の条件で行われる。例えば、パルプ濃度7〜30%、温度
40〜90℃、時間1〜4Hr、二酸化塩素使用量0.1〜2.0
%の範囲で行われる。
フルブリ−チシ−ケンスで行われているP段の条件で行
われる。すなわち、アルカリ剤水溶液中、過酸化物によ
り、パルプ濃度7〜30%、温度40〜100 ℃、時間1〜4H
rの範囲で行われる。アルカリ剤としては、たとえば苛
性ソーダ、苛性カリ、石灰、ソーダ灰などが挙げられる
が、一般的には苛性ソーダが使用され、アルカリ剤の使
用量は苛性ソーダ換算で0.1〜2%の範囲で行われる。
酸化水素と無機塩類との付加物、過酸化ソーダ、過ギ
酸、過酢酸などの無機および有機の過酸化物が挙げられ
るが、一般には過酸化水素が使用され、過酸化物の使用
量は、100%過酸化水素換算で絶乾パルプ当り0.1 〜2.0
%の範囲で行われる。
の分解活性を有する重金属のパルプからの除去およびリ
グニンの変化にあると考えられる。すなわち、まず、酸
処理後のパルプにおいては、重金属がほとんど存在しな
い状態となるために過酸化物の無駄な分解が減少し、漂
白に関与する過酸化物の量が保持される。次に、酸処理
はそれ自体においては脱リグニンの進行が認められない
にもかかわらず、酸処理後の酸素漂白および酸処理後の
過酸化物併用酸素漂白において、脱リグニンが一層進行
するという作用を示す。脱リグニン作用は過酸化物併用
酸素漂白においてより顕著になる。以上のことは、酸処
理がリグニンに対し酸素および過酸化物による分解作用
を受け易いように変化させるという作用を持ち合わせて
いることを示している。
ンおよび高白色度化が効率的に進行し、高品質のパルプ
が得られるのものと考えられる。本発明のA−Opを実
施するに当たっては、現在普及している酸素漂白設備に
対し、酸の供給ラインと酸処理のための槽(または塔)
および脱水・洗浄設備、ならびに、過酸化物の供給ライ
ンという慣用設備の付設で済み、大きな設備変更を必要
としない。これら付設設備の材質は、化学プラントにお
いて一般的に使用されているSUS304、SUS30
4L、SUS316またはSUS316Lが好適に使用
される。従って、本発明は大きな設備投資を必要としな
いで実施することができる。
−チを実施するに当たっても、後段のD段、P段は、そ
れぞれ、現行のD段装置、E段もしくはP段装置をその
まま使用でき、設備投資を必要としないで実施すること
ができる。
る。各薬品の使用量は絶乾パルプ当りの重量%で示し、
過酸化水素の使用量は、100%過酸化水素換算である。使
用したパルプは、クラフト蒸解後のL材未晒しパルプ
(ハンター白色度 32.7 %、K価 12.9、粘度 36.0cP
)である。分析評価は以下の方法によった。
にて測定
2、パルプ濃度5%とし、45℃、60分間の酸処理を行っ
た。次に水を加えてパルプ濃度2.5 %にした後、パルプ
濃度20%強に脱水した。続いてNaOH水溶液で中和
し、pH7.5 、パルプ濃度20%の酸処理パルプを得た。
酸処理後のパルプのK価は12.9であり、酸処理前のパル
プと同じ値であった。
25%加えた後、加圧型パルプ漂白装置に入れ、脱気し10
6℃に加温した後、NaOH 1.55 %、過酸化水素 0.5%、
酸素2%を加え、加圧し、混合した。この状態でのパル
プ濃度は10.5%であった。パルプ混合物に最初7Kg/cm2
の圧力をかけた後一定速度で徐々に圧力を下げてゆき、
60分後に4Kg/cm2 になるようにした。この間、パルプ混
合物の温度を106℃に保った。60分後、冷却・脱圧し、
パルプ混合物を冷水に投入してパルプ濃度2.5 %のパル
プスラリーとし、これを脱水して漂白パルプを得た。
℃、30分の酸処理を行った他は実施例1と同様の酸処理
および漂白を行った。
とした他は実施例1と同様の酸処理および漂白を行っ
た。
つ、過酸化水素を使用しないで、酸素のみを使用する他
は実施例1と同様の漂白を行った。
用いた他は、実施例1と同様の処理および漂白を行っ
た。
酸でpHを6とし、かつEDTAを1%使用した他は実
施例1と同様の処理および漂白を行った。
を使用する他は、実施例1と同様の酸処理および漂白を
行った。
た他は実施例3と同様の酸処理および漂白を行った。実
施例1〜3、比較例1〜5の結果を表1に示す。
使用量を2.0%、過酸化水素の使用量を2.0 %とした他
は実施例1と同様の酸処理および漂白を行い、得られた
パルプを用いて以下の条件により二酸化塩素漂白(D)
次いで過酸化水素漂白(P)を行った。漂白後、D段お
よびP段の廃液を合わせて、有機塩素化合物(AOX)
量を測定した。
い、得られたパルプを用いて、一般に実施されている条
件に従って、C/D(Dによる有効塩素置換率10%)−
E−H−Dの後続の漂白段を行った。漂白後、すべての
漂白段の廃液を合わせて、有機塩素化合物(AOX)量
を測定した。実施例4、比較例6の結果を表2に示す。
る脱リグニンを、粘度の大きな低下を伴うことなく行う
ことができ、かつ、かなりの高白色度の漂白パルプを得
ることができる。この漂白パルプは脱リグニン度および
白色度が高いので、後続の漂白段において塩素系漂白薬
品の使用量を大幅に削減できる。更に、後続の漂白段に
おいて塩素および次亜塩素酸塩を全く使用しないで、A
OX生成量の著しく少ないフルブリーチが可能である。
その結果、有機塩素化合物の副生を大幅に低減させる事
ができ、漂白排水の環境汚染性を大幅に下げることがで
きる。さらに、得られるパルプの粘度が高い。
普及している酸素漂白設備をほとんどそのまま使用する
ことができる。酸素漂白を含む漂白シーケンスを既に保
有する設備においては、大きな付加的な投資を必要せず
にフルブリーチが実施できる。
に関し、さらに詳しくは、化学パルプの脱リグニン・漂
白処理における改良に関する。
理により実施されている。従来より、この多段漂白には
漂白剤として塩素系漂白薬品が使用されている。具体的
には、塩素(C)、次亜塩素酸塩(H)、二酸化塩素
(D)の組合せにより、たとえば、C−E−H−D、C
/D−E−H−E−D(C/Dは塩素と二酸化塩素の併
用漂白段、Eはアルカリ抽出段)などのシーケンスによ
る漂白が行われてきた。
に環境に有害な有機塩素化合物を副生し、この有機塩素
化合物を含む漂白排水の環境汚染性が問題になってい
る。有機塩素化合物は一般にAOX法、たとえば米国環
境庁法(EPA−METHOD)9020号によって分
析、評価される。
としては、蒸解処理後の初段にアルカリ性媒体中で高温
加圧下で酸素を作用させる酸素漂白法が開発され、現在
広く普及するに至っている。この酸素漂白法によれば、
蒸解後に残存するリグニンの40〜50%が除去されるので
後段の漂白薬品の使用量を下げることが可能になるのみ
ならず、酸素漂白工程の廃液を蒸解工程に循環すること
ができるので薬品とエネルギーを回収することができ、
また、排水処理の負荷を軽減することができる。
ても高白色度を得るためには、その後続段でまだかなり
多量の塩素系漂白薬品の使用を必要とし、その結果、相
当量の有機塩素化合物を副生することが避けられない。
酸素漂白法の改良としては、蒸解後のパルプを酸素と過
酸化物を用いて漂白処理する方法が特開昭62-53497号公
報および特開平3-14687号公報に開示されている。しか
し、本発明者らが検討したところ、脱リグニンおよび高
白色度化は充分でなく、かなりの量の塩素系漂白薬品を
使用せざるをえない。
は、酸素、過酸化物、環状ケト化合物および/または環
状アミノ化合物の系によりパルプの劣化を伴わないで高
白色度化が可能とされているが、この方法は高価な環状
ケト化合物および/または環状アミノ化合物の回収・再
使用が困難であるので、薬品コストがかなり高くなり、
経済的に不利である。
た後、過酸化水素漂白(Ep)をする方法として、特開
昭51-102103号公報、特開昭56-85489号公報および特公
平2-17679号公報が提案されており、これらには、パル
プを酸処理した後、酸素を加えることなく100℃以下に
て過酸化水素漂白を行うことにより脱リグニンが増大す
ることが記載されている。しかしながら、本発明者らが
検討した結果、これらの方法はいずれも脱リグニンと高
白色度化の点で必ずしも充分な効果を与えない。
パルプの漂白において、パルプの劣化を伴うことなく脱
リグニンおよび高白色度化を進め、後続の漂白段の負荷
を軽減させるための経済的な手段を提供することであ
る。そして、それによって後続の漂白段での塩素系漂白
薬品の使用量を低減させ、漂白排水の環境汚染性を下げ
ることである。
パルプを脱リグニン・漂白する方法に取り組み、先に特
開平3-64589号公報において、酸処理後、50〜90℃、大
気圧〜3Kg/cm2にて過酸化物を併用する酸素漂白法を発
表した。本発明者らはさらに研究を進め、一般に実施さ
れている漂白設備の大幅な変更を必要としないで高白色
度・高品質のパルプが得られ、かつ、塩素系漂白薬品使
用量が大幅に削減される方法について鋭意検討した結
果、蒸解後のパルプを酸処理した後、過酸化物を併用し
た酸素漂白を行うことにより、効果的に脱リグニンおよ
び高白色度化されたパルプが得られることを見い出し、
本発明を完成させるに至った。
パルプに対して、酸処理工程を行った後、アルカリ性媒
体中で過酸化物と加圧酸素による脱リグニン・漂白工程
を行うことを特徴とする化学パルプの漂白方法である。
本発明は、製紙用化学パルプの漂白処理に適し、特に広
葉樹および針葉樹由来のクラフトパルプの脱リグニンお
よび漂白処理に適する。
プに対し、まず、酸溶液による処理(以下、この酸処理
をA段と称することがある)を行う。本発明の酸処理
は、パルプの状態にもよるが、たとえばパルプ濃度1〜
30%、好ましくは2〜15%、最も好ましくは3〜10%
で、温度30〜95℃、好ましくは40〜80℃で、処理時間は
5〜120分、好ましくは15〜60分で実施される。
くは1〜5、さらに好ましくは1.5〜3である。使用さ
れる酸は無機酸が好適で、硫酸、硝酸、亜硫酸、亜硝
酸、およびこれらの酸の混合物が好適に使用される。な
かでも硫酸および亜硫酸は、安価に入手できるのみなら
ず、材質に対する腐食性が低いので、好適に使用でき
る。特にクラフト蒸解が行われている場合は、酸処理後
の当該酸溶液をクラフト蒸解における薬品の補充として
利用できるという利便を生じる。
ら分離され、次いで好ましくは洗浄を受ける。分離され
た酸溶液は、酸処理への再使用および/または蒸解工程
後のパルプの向流洗浄に使用でき、場合によっては蒸解
工程にリサイクルすることもできる。本発明の酸処理工
程にはこの脱水、洗浄工程も含まれる。
と加圧酸素による脱リグニン・漂白工程に供せられる。
(以下、この漂白工程を過酸化物併用酸素漂白工程ある
いはOp段と称することがある。)この処理において、
パルプはアルカリ性媒体中、過酸化物と加圧酸素により
脱リグニン・漂白作用を受ける。過酸化物と加圧酸素は
事実上、パルプに同時に作用する。
ダ、苛性カリ、石灰、ソーダ灰などが使用できる。中で
も苛性ソーダは安価であるとともに、蒸解工程へリサイ
クルすることにより蒸解工程での薬品の補充量を軽減で
きるので、好適に使用できる。アルカリ剤の使用量は、
NaOH換算で絶乾パルプ当り0.5〜6%が好ましく、1.5〜
3%がさらに好ましい。アルカリ剤の使用量が0.5%よ
り少ないと脱リグニン・漂白効果が低くなり、6%より
多いとパルプの粘度が顕著に低下する。
び空気が使用できるが、酸素ガスが好ましい。酸素の使
用量は、絶乾パルプ当り0.5〜5.0 %が好適である。O
p段の操作圧力は2.5〜10Kg/cm2が好ましく、3.5〜8Kg/
cm2がさらに好ましい。
素、過酸化水素と無機塩類との付加物、過酸化ソーダ、
過蟻酸、過酢酸などの無機および有機の過酸化物が使用
でき、一般には過酸化水素が使用される。過酸化物の使
用量は、100%過酸化水素換算で絶乾パルプ当り0.1 〜6
%が好ましく、0.2〜2.5 %がさらに好ましい。過酸化
物の使用量が 0.1%より少ないと脱リグニン・漂白効果
が低く、6%より多いと過酸化物の効率が低下する。
添加順序は、アルカリ剤、酸素の順が好ましく、過酸化
物の添加はアルカリ剤の添加後で、かつ、酸素添加の直
前、同時、直後において行われるのが好ましい。
好ましく、10〜20%がさらに好ましい。温度は60〜130
℃が好ましく、90〜110℃がさらに好ましい。処理時間
は20〜150分が好ましく、30〜90分がさらに好ましい。
処理において硫酸と亜硫酸の混合液を使用して酸前処理
したパルプが、後続の過酸化物併用酸素漂白工程により
きわめて効果的に脱リグニン・漂白されることを見出し
た。
の比率は、亜硫酸/硫酸(重量比)で0.01〜2が好まし
く、0.02〜1がさらに好ましく、0.05〜0.5が最も好ま
しい。酸処理における液のpHおよびその他の処理条
件、並びに廃液の操作方法などは前記の酸処理条件と同
様である。
下の防止および過酸化物の安定化のために、マグネシウ
ム化合物を使用することが好ましい。マグネシウム化合
物としては、硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、
酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硝酸マグネシウ
ムなどが使用できるが、一般には硫酸マグネシウムが使
用される。マグネシウム化合物の使用量は、マグネシウ
ムイオンとして絶乾パルプ当り0.01〜0.4 %が好まし
く、0.02〜0.1 %がさらに好ましい。マグネシウム化合
物の添加は、アルカリ剤、酸素および過酸化物の添加よ
り以前においてなされることが好ましい。具体的には、
酸処理後のパルプをアルカリ剤により中和した後、マグ
ネシウム化合物を添加し、続いてOp段に必要な量のア
ルカリ剤、過酸化物および酸素の添加を行なう方法、ま
たは、酸処理後のパルプにマグネシウム化合物を添加
し、続いてOp段に必要な量のアルカリ剤(酸の中和分
を含む)、過酸化物および酸素の添加を行なう方法が好
適に採用される。
ルプはそのままでもかなりの高白色度を有するが、さら
に継続して多段の漂白工程を付加したフルブリーチによ
り、一層の高白色度を有するパルプを得ることが可能で
ある。その場合、Op段にてすでに高度の脱リグニンが
行われ、かつ、高白色度状態にあるため、後続漂白とし
て、塩素および次亜塩素酸をほとんどまたは全く使用し
ない漂白ができる。
漂白(D)、次いで過酸化物漂白(P)を行うと(A−
Op−D−P)、塩素または次亜塩素酸塩を使用しない
で、現行の代表的フルブリーチシーケンスであるO−C
/D−E−H−Dと同等またはそれ以上の高粘度・高白
色度のパルプ製品を得ることができる。
は、通常のフルブリーチシーケンスで行われているD段
の条件で行われる。例えば、パルプ濃度7〜30%、温度
40〜90℃、時間1〜4Hr、二酸化塩素使用量0.1〜2.0
%の範囲で行われる。
フルブリーチシーケンスで行われているP段の条件で行
われる。すなわち、アルカリ剤水溶液中、過酸化物によ
り、パルプ濃度7〜30%、温度40〜100 ℃、時間1〜4H
r の範囲で行われる。アルカリ剤としては、たとえば苛
性ソーダ、苛性カリ、石灰、ソーダ灰などが挙げられる
が、一般的には苛性ソーダが使用され、アルカリ剤の使
用量は苛性ソーダ換算で0.1〜2%の範囲で行われる。
しては、過酸化水素、過酸化水素と無機塩類との付加
物、過酸化ソーダ、過蟻酸、過酢酸などの無機および有
機の過酸化物が挙げられるが、一般には過酸化水素が使
用され、過酸化物の使用量は、100%過酸化水素換算で絶
乾パルプ当り0.1 〜2.0 %の範囲で行われる。
の分解活性を有する重金属のパルプからの除去およびリ
グニンの変化にあると考えられる。すなわち、まず、酸
処理後のパルプにおいては、重金属がほとんど存在しな
い状態となるために過酸化物の無駄な分解が減少し、漂
白に関与する過酸化物の量が保持される。次に、酸処理
はそれ自体においては脱リグニンの進行が認められない
にもかかわらず、酸処理後の酸素漂白および酸処理後の
過酸化物併用酸素漂白において、脱リグニンが一層進行
するという作用を示す。脱リグニン作用は過酸化物併用
酸素漂白においてより顕著になる。以上のことは、酸処
理がリグニンに対し酸素および過酸化物による分解作用
を受け易いように変化させるという作用を持ち合わせて
いることを示している。
ンおよび高白色度化が効率的に進行し、高品質のパルプ
が得られるのものと考えられる。本発明のA−Opを実
施するに当たっては、現在普及している酸素漂白設備に
対し、酸の供給ラインと酸処理のための槽(または塔)
および脱水・洗浄設備、ならびに、過酸化物の供給ライ
ンという慣用設備の付設で済み、大きな設備変更を必要
としない。これら付設設備の材質は、化学プラントにお
いて一般的に使用されているSUS304、SUS30
4L、SUS316またはSUS316Lが好適に使用
される。従って、本発明は大きな設備投資を必要としな
いで実施することができる。
ーチを実施するに当たっても、後段のD段、P段は、そ
れぞれ、現行のD段装置、E段もしくはP段装置をその
まま使用でき、設備投資を必要としないで実施すること
ができる。
る。各薬品の使用量は絶乾パルプ当りの重量%で示し、
過酸化水素の使用量は、100%過酸化水素換算である。使
用したパルプは、クラフト蒸解後のL材未晒しパルプ
(ハンター白色度 32.7 %、K価 12.9、粘度 36.0cP
)である。分析評価は以下の方法によった。
TSX-10型にて測定
2、パルプ濃度5%とし、45℃、60分間の酸処理を行っ
た。次に水を加えてパルプ濃度2.5 %にした後、パルプ
濃度20%強に脱水した。続いてNaOH水溶液で中和
し、pH7.5 、パルプ濃度20%の酸処理パルプを得た。
酸処理後のパルプのK価は12.9であり、酸処理前のパル
プと同じ値であった。
25%加えた後、加圧型パルプ漂白装置に入れ、脱気し10
6℃に加温した後、NaOH 1.55 %、過酸化水素 0.5%、
酸素2%を加え、加圧し、混合した。この状態でのパル
プ濃度は10.5%であった。パルプ混合物に最初7Kg/cm2
の圧力をかけた後一定速度で徐々に圧力を下げてゆき、
60分後に4Kg/cm2 になるようにした。この間、パルプ混
合物の温度を106℃に保った。60分後、冷却・脱圧し、
パルプ混合物を冷水に投入してパルプ濃度2.5%のパル
プスラリーとし、これを脱水して漂白パルプを得た。
℃、30分の酸処理を行った他は実施例1と同様の酸処理
および漂白を行った。
とした他は実施例1と同様の酸処理および漂白を行っ
た。
つ、過酸化水素を使用しないで、酸素のみを使用する他
は実施例1と同様の漂白を行った。
用いた他は、実施例1と同様の処理および漂白を行っ
た。
酸でpHを6とし、かつEDTAを1%使用した他は実
施例1と同様の処理および漂白を行った。
を使用する他は、実施例1と同様の酸処理および漂白を
行った。
た他は実施例3と同様の酸処理および漂白を行った。実
施例1〜3、比較例1〜5の結果を表1に示す。
使用量を2.0 %、過酸化水素の使用量を2.0 %とした他
は実施例1と同様の酸処理および漂白を行い、得られた
パルプを用いて以下の条件により二酸化塩素漂白(D)
次いで過酸化水素漂白(P)を行った。漂白後、D段お
よびP段の廃液を合わせて、有機塩素化合物(AOX)
量を測定した。
い、得られたパルプを用いて、一般に実施されている条
件に従って、C/D(Dによる有効塩素置換率10%)−
E−H−Dの後続の漂白段を行った。漂白後、すべての
漂白段の廃液を合わせて、有機塩素化合物(AOX)量
を測定した。
る脱リグニンを、粘度の大きな低下を伴うことなく行う
ことができ、かつ、かなりの高白色度の漂白パルプを得
ることができる。この漂白パルプは脱リグニン度および
白色度が高いので、後続の漂白段において塩素系漂白薬
品の使用量を大幅に削減できる。更に、後続の漂白段に
おいて塩素および次亜塩素酸塩を全く使用しないで、A
OX生成量の著しく少ないフルブリーチが可能である。
その結果、有機塩素化合物の副生を大幅に低減させる事
ができ、漂白排水の環境汚染性を大幅に下げることがで
きる。さらに、得られるパルプの粘度が高い。
普及している酸素漂白設備をほとんど変更することなく
そのまま使用することができる。酸素漂白を含む漂白シ
ーケンスを既に保有する設備においては、大きな付加的
な投資を必要せずにフルブリーチが実施できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 蒸解処理された化学パルプに対して、酸
処理工程を行った後、アルカリ性媒体中で過酸化物と加
圧酸素による脱リグニン・漂白工程を行うことを特徴と
する化学パルプの漂白方法。 - 【請求項2】 硫酸と亜硫酸の混合液により酸処理工程
を行うことを特徴とする、請求項1記載の化学パルプの
漂白方法。 - 【請求項3】 過酸化物と加圧酸素による脱リグニン・
漂白工程において、マグネシウム化合物を使用すること
を特徴とする、請求項1記載の化学パルプの漂白方法。 - 【請求項4】 過酸化物と加圧酸素による脱リグニン・
漂白工程の後、二酸化塩素漂白、次いで過酸化物漂白を
行うことにより、フルブリ−チを行うことを特徴とする
請求項1記載の化学パルプの漂白方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24497292A JP3275271B2 (ja) | 1992-09-14 | 1992-09-14 | 化学パルプの漂白方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24497292A JP3275271B2 (ja) | 1992-09-14 | 1992-09-14 | 化学パルプの漂白方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06101186A true JPH06101186A (ja) | 1994-04-12 |
| JP3275271B2 JP3275271B2 (ja) | 2002-04-15 |
Family
ID=17126694
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24497292A Expired - Lifetime JP3275271B2 (ja) | 1992-09-14 | 1992-09-14 | 化学パルプの漂白方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3275271B2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002227083A (ja) * | 2001-01-26 | 2002-08-14 | Nippon Paper Industries Co Ltd | セルロース質繊維材料パルプの漂白方法 |
| JP2008013859A (ja) * | 2006-07-03 | 2008-01-24 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 非木材パルプの無塩素漂白方法 |
| CN102061638A (zh) * | 2010-11-12 | 2011-05-18 | 昆明理工大学 | 醋酸盐/过硫酸盐催化漂白纸浆的工艺 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| SE9000340L (sv) | 1990-01-31 | 1991-08-01 | Eka Nobel Ab | Foerfarande vid blekning av lignocellulosahaltigt material |
-
1992
- 1992-09-14 JP JP24497292A patent/JP3275271B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002227083A (ja) * | 2001-01-26 | 2002-08-14 | Nippon Paper Industries Co Ltd | セルロース質繊維材料パルプの漂白方法 |
| JP2008013859A (ja) * | 2006-07-03 | 2008-01-24 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 非木材パルプの無塩素漂白方法 |
| CN102061638A (zh) * | 2010-11-12 | 2011-05-18 | 昆明理工大学 | 醋酸盐/过硫酸盐催化漂白纸浆的工艺 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3275271B2 (ja) | 2002-04-15 |
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