JPH06102108A - 薄形半導体力学センサ - Google Patents

薄形半導体力学センサ

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JPH06102108A
JPH06102108A JP24935292A JP24935292A JPH06102108A JP H06102108 A JPH06102108 A JP H06102108A JP 24935292 A JP24935292 A JP 24935292A JP 24935292 A JP24935292 A JP 24935292A JP H06102108 A JPH06102108 A JP H06102108A
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毅 深田
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泰成 杉戸
Yoshi Yoshino
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Abstract

(57)【要約】 【目的】出力電圧のばらつきやノイズ電圧が小さい高感
度の半導体力学センサを提供する。 【構成】第1発明では、薄肉起歪部5の厚さを15μm
以下と薄肉化するとともに、薄肉起歪部5すなわちエピ
タキシャル層42の不純物濃度Neを、2Kε(Vc+
Vo)/q(w−d)2 以上としている。この結果、こ
のセンサの定格電圧Vccではピエゾ抵抗領域43とエ
ピタキシャル層42との間の接合空乏層DLは薄肉起歪
部5の裏面に達することができず、その結果、リーク電
流は非常に小さくなる。第2発明では、薄肉起歪部5の
裏面部に高濃度の第2導電型の空乏層ストッパ領域が配
設される。この結果、ピエゾ抵抗領域43と薄肉起歪部
5との間の接合空乏層は薄肉起歪部5の裏面の高濃度の
第2導電型の空乏層ストッパ領域に遮蔽されて、薄肉起
歪部の裏面に到達することができず、リーク電流は非常
に小さくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体加速度センサ又
は半導体圧力センサなど、力学量を歪み量を通じて電気
量に変換するセンサ(以下、半導体力学センサと総称す
る)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体力学センサは、少なくとも
一端が第2導電型の半導体基板に支持される第1導電型
の起歪部と、前記起歪部の一面側に形成され応力変化に
応じて抵抗値が変化する第2導電型のピエゾ抵抗領域と
を備え、ピエゾ抵抗領域に通電してその抵抗値変化によ
り起歪部に作用する力を検出している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した半導体力学セ
ンサ、例えば半導体加速度センサの高感度化を図るに
は、従来、一般に30から40μmに形成される起歪部
の厚さを10μmといった薄肉にするのが最も効果的で
ある。しかしながら本発明者の実験によれば、このよう
に起歪部の薄肉化すると、ブリッジの出力電圧の変動や
ノイズ電圧の大幅な増大が生じて、実用できないことが
わかった。
【0004】その解析及び実験結果によれば、この原因
は接合空乏層の先端が薄肉の起歪部の裏面に達するため
であることがわかった。すなわち、起歪部の裏面には、
面状空乏層または第2導電型チャンネル(以下、裏面チ
ャンネルという)が形成されており、また汚染により多
量の再結合中心や準位、トラップなどが形成されてい
る。更に、電気化学エッチング方法により起歪部の裏面
と同一直線上にピエゾ抵抗領域と同一導電型の半導体基
板の端部が位置している。
【0005】この結果、接合空乏層が起歪部の裏面に達
すると、ピエゾ抵抗領域と起歪部との間の逆バイアス電
流(以下、リーク電流という)が増大し、また、裏面チ
ャンネル及び上記接合空乏層を通じてピエゾ抵抗領域と
基板との間にリーク電流が流れ、更には基板とピエゾ抵
抗領域との間で上記裏面チャンネルを介することなく直
接のパンチスルーによるリーク電流が流れる。
【0006】従来のように、起歪部5〜8の厚さが厚い
場合には、通常の使用電圧範囲で空乏層が起歪部の裏面
に到達することはありえず、設計上において、ピエゾ抵
抗領域と起歪部との間の接合空乏層の大きさを考慮する
必要はなかった。なお、第1導電型の基板上に第2導電
型の起歪部を形成する場合、基板と起歪部との間は積極
的に短絡することは無いが、両者間のPN接合はこのP
N接合の端面部などにおける寄生抵抗などにより短絡さ
れていると考えることができる。
【0007】したがって、上記リーク電流はピエゾ抵抗
領域から基板を通じて起歪部に流れる。なお、起歪部
は、ピエゾ抵抗領域の一端に接続されるのが通常であ
り、接続されない場合でもピエゾ抵抗領域の一端に対し
0バイアス障壁電位となるので、結局、起歪部に流れ込
んだ上記リーク電流は、ピエゾ抵抗領域を流れる信号電
流に加算されて出力されることとなる。
【0008】このリーク電流は、熱雑音(Rの平方根に
比例する)、ゆらぎ雑音、1/fノイズやポップコーン
ノイズを多量に含み、また電流経路が不安定であるので
変動が大きく、温度変化による変動率も大きく、センサ
出力電圧のレベル変動及びS/N比低下を招く。なお、
このようなリーク電流を低減するには、ピエゾ抵抗領域
両端に、すなわちピエゾ抵抗領域の一端と薄肉起歪部と
の間に印加する電圧を縮小しても可能であるが、このよ
うな定格電圧の変更は、周辺回路の電源電圧との不一致
を招くので、電源装置の新設、回路変更などが要求さ
れ、後段の信号処理回路との整合性が悪化するという問
題を生じる。
【0009】本発明は起歪部を薄肉化した場合に生じる
上記問題点に鑑みなされたものであり、周辺回路との整
合性を良好に保ち、出力電圧の変動やS/N比の低下を
抑止するとともに、起歪部の薄肉化によるセンサ感度の
向上を実現した薄形半導体力学センサを提供することを
その目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1発明の薄形半導体力
学センサは、少なくとも一端が半導体基板に支持され厚
さが15μm以下の第1導電型単結晶半導体からなる薄
肉起歪部と、前記薄肉起歪部の表面部に形成され前記薄
肉起歪部の1桁以上高濃度の不純物濃度の第2導電型半
導体からなるピエゾ抵抗領域部とを備え、前記ピエゾ抵
抗領域部の一入力端及び前記薄肉起歪部と前記ピエゾ抵
抗領域部の他入力端との間に所定の定格電圧を印加して
前記ピエゾ抵抗領域部の抵抗値変化を検出する半導体力
学センサにおいて、前記薄肉起歪部は、Kを前記薄肉起
歪部及び前記ピエゾ抵抗領域部の比誘電率、εを真空誘
電率、Vcを前記定格電圧、Voを0バイアス時の前記
薄肉起歪部と前記ピエゾ抵抗領域との間の障壁電圧、q
を電子の電荷量、Wを薄肉起歪部の肉厚dを前記ピエゾ
抵抗領域の深さとした場合に、2Kε(Vc+Vo)/
q(w−d)2 より高濃度の不純物濃度を有することを
特徴としている。
【0011】第2発明の薄形半導体力学センサは、少な
くとも一端が半導体基板に支持され第1導電型単結晶半
導体からなる薄肉起歪部と、前記薄肉起歪部の表面部に
形成され第2導電型半導体からなるピエゾ抵抗領域部と
を備え、前記ピエゾ抵抗領域部の一入力端及び前記薄肉
起歪部と前記ピエゾ抵抗領域部の他入力端との間に所定
の定格電圧を印加して前記ピエゾ抵抗領域の抵抗値変化
を検出する半導体力学センサにおいて、前記薄肉起歪部
の裏面部に高濃度の第2導電型の空乏層ストッパ領域が
配設されることを特徴としている。
【0012】なお、ピエゾ抵抗領域部は、一個又は互い
に接続された複数のピエゾ抵抗領域からなる。ピエゾ抵
抗領域部の一入力端及び薄肉起歪部とピエゾ抵抗領域部
の他入力端との間への所定の定格電圧の印加は、ピエゾ
抵抗領域の両入力端に定格電圧を印加し、ピエゾ抵抗領
域の一入力端と薄肉起歪部とのPN接合の0バイアス障
壁電位を介して薄肉起歪部の電位を固定する場合を含
む。
【0013】
【作用及び発明の効果】第1発明では、薄肉起歪部の厚
さを10μm以下と薄肉化するとともに、薄肉起歪部の
不純物濃度Nを、2Kε(Vc+Vo)/q(w−d)
2 以上としている。この結果、このセンサの定格電圧V
cではピエゾ抵抗領域と薄肉起歪部との間の接合空乏層
は薄肉起歪部の裏面に達することができず、その結果、
上記詳述したリーク電流は非常に小さくなり、そのため
に、例えば電源装置などの周辺回路との整合性を良好に
保ちつつ、リーク電流の大きさに依存する出力電圧の変
動やS/N比の低下を抑止した状態で、起歪部の薄肉化
によるセンサ感度の向上を実現することができる。
【0014】第2発明では、薄肉起歪部の裏面部に高濃
度の第2導電型の空乏層ストッパ領域が配設される。こ
の結果、ピエゾ抵抗領域と薄肉起歪部との間の接合空乏
層は薄肉起歪部の裏面の高濃度の第2導電型の空乏層ス
トッパ領域に遮蔽されて、薄肉起歪部の裏面に到達する
ことができず、その結果、上記詳述したリーク電流は非
常に小さくなる。したがって、リーク電流の大きさに依
存する出力電圧の変動やS/N比の低下を抑止した状態
で、起歪部の薄肉化によるセンサ感度の向上を実現する
ことができる。
【0015】
【実施例】以下、この発明を適用した半導体加速度セン
サの一実施例を図面に従って説明する。図1にこの半導
体加速度センサの斜視図を示し、図2に半導体加速度セ
ンサの平面図を示し、図3に図2のAーA断面を示す。
本センサは自動車のABSシステムに用いられるもので
ある。
【0016】パイレックスガラスよりなる四角板状の台
座1の上には四角板状のシリコンチップ2が接合されて
いる。シリコンチップ2はその裏主面が台座1と接合す
る四角枠状の第1支持部3を有し、第1支持部3はシリ
コンチップ2の4辺を用いて形成されている。シリコン
チップ2における第1支持部3の内側には上部分離溝4
a,4b,4c,4d及び下部分離溝10が凹設されて
おり、上部分離溝4a,4b,4c,4d及び下部分離
溝10は連通して、チップ2を貫通する貫通溝となって
いる。四角枠状の第1支持部3内に形成されたC形の上
部分離溝4d及び上部分離溝4d下部の下部分離溝10
により厚肉コ字状の第2支持部11及び厚肉の連結部1
2が区画、形成され、第2支持部11は連結部12によ
り第1支持部3に連結されている。更に、第2支持部1
1の内側面から薄肉の薄肉起歪部5,6,7,8が延設
されており、薄肉起歪部5,6,7,8の先端には厚肉
四角形状の重り部9が連結されている。
【0017】つまり、台座1と接合する厚肉の第1支持
部3に連結部12を介して第2支持部11が連結され、
第2支持部11から薄肉起歪部5〜8を介して重り部9
が両端支持されている。下部分離溝10は、上部分離溝
4a,4b,4c,4dと薄肉起歪部5〜8の下方に形
成され、上部分離溝4a,4b,4c,4dと下部分離
溝10とは連通して、チップ2を貫通する貫通溝を構成
している。
【0018】薄肉起歪部5〜8の表面部には各2個のピ
エゾ抵抗領域13a,13b,14a,14b,15
a,15b,16a,16bが形成されている。更に図
3に示すように、台座1の上面中央部には凹部17が形
成され、加速度が加わり重り部9が変位したときに接触
しないようになっている。シリコンチップ2の表面のア
ルミ配線パタ−ンを図2に示す。
【0019】アース用の配線18と、電源電圧Vcc印
加用の配線19と、加速度に応じた電位差を取り出すた
めの出力用の配線20、21とが布設されている。又、
これら配線に対しもう1組の4つの配線が用意されてい
る。つまり、アース用の配線22と、電源電圧印加用の
配線23と、加速度に応じた電位差を取り出すための出
力用の配線24,25とが形成されている。電源電圧印
加用の配線19の途中にはシリコンチップ2の不純物拡
散層26が介在され、その不純物拡散層26の上をシリ
コン酸化膜を介してアース用の配線18が交差してい
る。同様に、電源電圧印加用の配線23は不純物拡散層
27を介して電源電圧印加用の配線19と接続され、ア
ース用の配線22は不純物拡散層28を介してアース用
の配線18と接続され、さらに、出力用の配線24は不
純物拡散層29を介して出力用の配線20と接続されて
いる。又、出力用の配線21と25とは抵抗調整のため
の不純物拡散層30を介して接続されている。なお本実
施例では、配線18〜21を用いた結線がなされてい
る。
【0020】各ピエゾ抵抗領域13a,13b,14
a,14b,15a,15b,16a,16bは図4に
示すようにホイートストーンブリッジ回路を構成してお
り、端子31はアース用端子であり、端子32は電源電
圧印加用端子であり、端子33及び34は加速度に応じ
た電位差を取り出すための出力端子である。次に、この
センサの製造方法を図5〜図9に基づいて説明する。た
だし、図5〜図9は図2のA−A断面を示す。
【0021】まず図5に示すように、面方位が(10
0)のp型基板(本発明でいう第2導電型の半導体部)
41上にn型のエピタキシャル層(本発明でいう第1導
電型の半導体部)42をもつウエハ(本発明でいう半導
体部材)40を用意し、ピエゾ抵抗領域13a,13
b,14a,14b,15a,15b,16a,16b
としてp+ 拡散層43を形成し、更に電気化学エッチン
グ時の電極コンタクトとして上部分離溝4a,4b,4
c,4dをエッチングする予定領域の表面部にn+拡散
層44を形成し、更にエピタキシャル層42をアースす
るためのアース用のn+ 拡散層(図示せず)をエピタキ
シャル層42の上記エッチングされない領域の表面部に
形成される。
【0022】その後、エピタキシャル層42上に形成し
たシリコン酸化膜(図示せず)を選択開口し、その上に
アルミ配線18〜25(図2参照、図5〜図8では図示
省略)を形成する。また、アルミ配線18〜25をp+
拡散層43の所定位置にコンタクトさせ、その後、シリ
コン酸化膜などからなるパッシベーション絶縁膜(図示
せず)を堆積し、このパッシベーション絶縁膜を選択開
口してワイヤボンディング用のコンタクトホールを形成
し、続いて、このパッシベーション絶縁膜を開口してn
+ 拡散層44にコンタクトする通電用アルミコンタクト
部(図示せず)を設ける。
【0023】次に、ウエハ40の裏面、すなわち下部分
離溝10のエッチング予定領域を除く基板41の表面
(本発明でいう裏主面)にプラズマ窒化膜(PーSi
N)45を形成するとともに図示しないレジスト膜(図
示せず)を用いてプラズマ窒化膜45をホトパターニン
グする。次に、ウエハ40の表主面、すなわち上部分離
溝4a,4b,4c,4dのエッチング予定領域となる
エピタキシャル層42の表面にレジスト膜(本発明でい
うレジスト膜)49をスピンニング塗布し、ホトパター
ニングする。なお、この上部分離溝4a,4b,4c,
4dのエッチング予定領域上の上記シリコン酸化膜やパ
ッシベーション絶縁膜は予め除去されており、更にレジ
スト膜49のホトパターニングにより露出したエピタキ
シャル層42の表面には上記した通電用アルミコンタク
ト部が露出している。なお、レジスト膜49はPIQ
(ポリイミド)膜とされる。
【0024】次に図6に示すように、ウエハ40の電気
化学エッチングを行って下部分離溝10を形成する。以
下、この電気化学エッチングについて詳しく説明する。
まず、支持基板46の裏面に熱板(200℃、図示せ
ず)を接合し、この支持基板46上に樹脂ワックスWを
載せて軟化させ、更にその上に白金リボン(図示せず)
を挟んでウエハ40の表主面を載せて接着させ、その
後、支持基板46及びウエハ40を熱板から下ろして樹
脂ワックスWを硬化させる。白金リボンの先端部は波状
に形成され、上記樹脂ワックスWの硬化状態において白
金リボンの先端部は上記アルミコンタクト部に自己の弾
性により押圧され、上記アルミコンタクト部に良好な電
気的接触が取られる。なお、樹脂ワックスWはウエハ4
0の側面を被覆している。
【0025】この状態でウエハ40及び支持基板46は
エッチング槽(図示せず)内に垂下され、エッチング液
(例えば、33wt%KOH溶液,82℃)に浸漬され
る。ウエハ40の裏主面に対向して白金電極板(図示せ
ず)が垂下されており、ウエハ40側を正として白金リ
ボンと白金電極板との間に所定の電圧(ここでは2V)
を印加し、電気化学エッチングを行う。このようにする
と、白金リボンからアルミコンタクト部、n+ 拡散層4
4、エピタキシャル層42を通じてP型基板41に両者
間の接合を逆バイアスする電界が形成されるとともに、
基板41の電気化学エッチング(異方性エッチング)が
行われ、基板41に下部分離溝10が形成される。エッ
チングが基板41とエピタキシャル層42との接合部近
傍に達すると陽極酸化膜(図示せず)が形成され、エッ
チング速度が格段に減速するので、この接合部近傍でエ
ッチングを停止する。
【0026】次に図7に示すように、フッ酸により窒化
膜45を除去した後、支持基板46を熱板に載せて樹脂
ワックスWを軟化させ、ウエハ40を支持基板46から
分離し、分離したウエハ40を有機溶剤(例えば、トリ
クロロエタン)中に浸漬し、樹脂ワックスWを溶解、洗
浄してウェハ40を取り出し、その後、ウエハ40の裏
主面にレジスト50を全面塗布する。
【0027】なお、このレジスト50はホトパターニン
グのためではないので、レジスト液を流下させるだけで
よく、ホトパターニングのためのレジスト塗布(例えば
第2レジスト膜49)の場合のように、スピンニング装
置のスピンニングテーブルにウエハ40を真空チャック
する必要はない。次に図8に示すように、第2レジスト
膜49の開口からエピタキシャル層42をドライエッチ
ングして上部分離溝4a,4b,4c,4dを形成す
る。
【0028】次に図9に示すように、レジスト膜49を
酸素アッシングにより除去し、レジスト50を除去して
上部分離溝4a,4b,4c,4dを完成し、この上部
分離溝4a,4b,4c,4dと下部分離溝10とを連
通させて、貫通溝を形成する。続いてウエハ40を台座
1の上に接合し、最後にダイシングしてチップ化する。
【0029】以下、本実施例の要部であるリーク電流低
減が可能な高感度センサの設計について、図10を参照
して以下、順番に説明する。 (薄肉起歪部5〜8の厚さの決定)本実施例では、セン
サのブリッジ感度を0.7mV/Gとする。この目標ブ
リッジ感度から図11に示すブリッジ感度と薄肉起歪部
5〜8の肉厚との関係に基づき、薄肉起歪部5〜8の肉
厚Tを決定する。ここではTは5.3μmとすればよい
ことがわかる。 (ブリッジ入力電圧の決定)この実施例では、ピエゾ抵
抗領域13a,13b,14a,14b,15a,15
b,16a,16bを図4のように接続してなるブリッ
ジの高位入力端と低位入力端との間に印加するブリッジ
入力電圧Vccを12Vとし、またブリッジの低位入力
端は接地する。
【0030】これは、後段の信号処理回路装置と電源電
圧を共通として電源装置の簡単化、配線の簡単化、互換
性を実現するためである。この状態において、薄肉起歪
部5〜8はピエゾ抵抗領域即ちP+ 領域43と接合ダイ
オードを構成するので、薄肉起歪部5〜8の電位は両者
間の障壁電位だけ高い値(約0.7V)となるが、この
明細書では薄肉起歪部5〜8の電位は近似的にP+ 領域
43の最高電位と等しいものとみなす。
【0031】なお、基板41と薄肉起歪部5〜8とはチ
ップ端面で抵抗接続状態となっており、基板41はエピ
タキシャル層42(薄肉起歪部5〜8)と等電位とみな
すことができる。その他、エピタキシャル層42の表面
にn+ 領域を形成し、このn+ 領域をアルミ配線19、
23に接続してもよい。このn+ 領域はn+ 領域44と
同じプロセスで形成できる。このようにすれば、エピタ
キシャル層42の電位変動を抑止して、この電位変動に
よる出力信号電圧の変動を抑止できる。もちろん、上記
+ 領域に電源電圧すなわちアルミ配線19、23とは
異なる直流電位を与えることは可能であるが、この場合
にはエピタキシャル層42の電位固定用の入力端子及び
電源を新たに必要とし、装置構成の複雑化を招くだけ
で、得策ではない。すなわち、ブリッジの高位入力端3
2とエピタキシャル層42とを同電位(又は上記近似的
同電位を含む)に固定することが最も簡単である。 (基板41の不純物濃度の決定)上記した電気化学エッ
チングによれば、後述する図12、図13の実験特性図
からエッチングはエピタキシャル層42と基板41との
接合空乏層の基板41側の先端で停止すると考えてよい
ので、この実施例では、基板41の不純物濃度を3×1
17原子/cm3 に設定する。
【0032】すなわち、センサとして使用する際に、P
+ 領域43とエピタキシャル層42(薄肉起歪部5〜
8)との間の接合空乏層が薄肉起歪部5〜8の裏面に到
達すると、上述のリーク電流が増大するために、エピタ
キシャル層42の厚さはできるだけ厚くする必要があ
り、一方、薄肉起歪部5〜8の厚さは従来より格段に薄
くする必要がある。
【0033】したがって、電気化学エッチングの停止位
置をできるだけエピタキシャル層42と基板41との接
合に接近させるため、この接合空乏層の基板41側に伸
びる部分を狭小化する必要があり、そのために基板41
の不純物濃度をできるだけ高濃度化する必要がある。一
方、実験によれば基板41の不純物濃度が2×1018
子/cm3 とすると、エッチング速度が低下し、基板4
1のエッチングが困難となることが知られている。ま
た、印加電圧が0.6V以下の場合はエッチング速度が
上昇し、エッチング停止が困難となる。
【0034】したがって、基板41の不純物濃度を、1
×1016原子/cm3 以上、2×1018原子/cm3
下、更に好ましくは、1〜8×1017原子/cm3 とす
れば、高感度化とリーク電流抑圧との相乗効果を奏する
ことができる。 (エピタキシャル層42の厚さの決定)エピタキシャル
層42の厚さweは、薄肉起歪部5〜8の厚さをT=
5.3μm、基板41のエッチング残り部分(残留P型
領域)の厚さをwbとすれば、T−wbとなる。wbは
以下のようにして決定する。
【0035】基板41の不純物濃度をNb(3×1017
原子/cm3 )、エピタキシャル層42の不純物濃度N
eから、基板41とエピタキシャル層42との間の接合
空乏層の基板41側に伸びる部分の幅wbは、 wb2 =2Kε(Vc+Vo)/(qNb(1+Nb/
Ne)) により決定する。なお、Kはシリコンの比誘電率、εを
真空誘電率、Vcは電気化学エッチングにおける印加電
圧であり、Voは0バイアス時のエピタキシャル層42
と基板41との間の障壁電圧、qを電子の電荷量とし、
Nbには仮定値を用いる。 (P+ 領域43の不純物濃度及び深さの決定)ピエゾ抵
抗領域P- 13a,13b,14a,14b,15a,
15b,16a,16bを構成するP+ 領域43の深さ
dは予め決定でき、ここでは1.0μmとする。P+
域43の不純物濃度は、n型エピタキシャル層42より
1桁以上、高濃度に形成される。これはP+ 領域43と
n型エピタキシャル層42との間の接合空乏層がP+
域43内に伸びるのを抑止して、エピタキシャル層42
の電位変動によりP+ 領域43の抵抗値が変化するのを
低減するためなどの理由である。また、P+ 領域43の
不純物濃度が高すぎると、その抵抗値が小さくなり、ア
ルミ配線などの電気抵抗が無視できず、電流増大による
温度上昇も無視できなくなる弊害があり、一方、P+
域43の不純物濃度が低すぎると、各ピエゾ抵抗の抵抗
雑音が増加し、リーク電流に対する信号電流の割合が増
加してS/N比が増加するという弊害が生じる。これら
のことから、ここでは、P+ 領域43の不純物濃度は、
1×1020原子/cm3 とする。
【0036】したがってここでは、P+ 領域43とエピ
タキシャル層42との間の接合空乏層は全てエピタキシ
ャル層42側に伸びると仮定する。 (エピタキシャル層42の不純物濃度の決定)P+ 領域
43の直下のエピタキシャル層42の有効厚さwは、エ
ピタキシャル層42の厚さweからP+ 領域43の深さ
dを引いたものである。
【0037】P+ 領域43とエピタキシャル層42との
間の接合空乏層DLが薄肉起歪部5〜8の裏面に達する
と、上述したようにリーク電流及びノイズ電圧の大幅な
増大が生じるので、これを防止するために、接合空乏層
DLの幅wdlは、w=we−d=T−wb−dより小
さい必要がある。接合空乏層DLの幅wdlは、以下の
式で計算できる。
【0038】 wdl2 =2Kε(Vcc+Vo)/(qNe(1+Ne/Np)) =2Kε(Vcc+Vo)/(qNe) したがって、Ne=2Kε(Vcc+Vo)/(q×w
dl2 ) なお、NpはP+ 領域43の不純物濃度、NeはN型エ
ピタキシャル層42の不純物濃度である。wdlは安全
をみてビーム厚の有効厚さwより1μm小さい値とす
る。
【0039】なお、上記計算において、(エピタキシャ
ル層42の厚さの決定)の段階で仮定したNeがここで
求めたNeと大幅に変わる場合には、再度Neの仮定値
を修正して計算をやりなおせばよい。以下、このように
して計算した諸元の一例を以下に記載する。印加電圧V
ccは12V、基板41の不純物濃度は約3×1017
子/cm3、エピタキシャル層42の不純物濃度は約7
×1015原子/cm3 、P+ 領域43の不純物濃度は約
1×1020原子/cm3 、薄肉起歪部5〜8の厚さTは
約5.3μm、P+ 領域43の深さは約1.0μm、接
合空乏層Wdlは約1.5μm。
【0040】次に、上記したリーク電流増大を確認する
実験結果について、図14、図15に示し、その理由を
図16の模式断面図及び図17の簡略化等価回路図に基
づいて説明する。ただし、計測は図16の試料で行っ
た。この装置で、基板41の不純物濃度は約3×1017
原子/cm3 、エピタキシャル層42の不純物濃度は約
7×1015原子/cm3 、P+ 領域43の不純物濃度は
約1×1020原子/cm 3 、薄肉起歪部5の厚さTはエ
ピタキシャル層42の厚さにほぼ等しく約2.5μm、
+ 領域43の深さは約1.0μm。エピタキシャル層
42の表面に接地用のn+ 領域を設けた。
【0041】これとP+ 領域43との間に可変のVcc
を印加し、リーク電流を調べた。その結果を示す図14
から、接合空乏層の先端が裏面に接近するVccが11
Vを超える点aから顕著にリーク電流aが増加し始め、
30VでPN接合の降伏が生じている。ちなみに、上記
諸元におけるVcc=11VにおけるP+ 領域43とエ
ピタキシャル層42との間の接合空乏層のエピタキシャ
ル層42側の幅(計算値)は約1.5μmである。
【0042】次に、3個のサンプルA、B、Cを用いて
リーク電流とブリッジ出力電圧のばらつきとの関係を調
べた。その結果を、図15に示す。ただし、サンプル
A、B、Cの詳細は以下の通りである。諸元は上記と同
一。ただし、薄肉起歪部の厚さは、Aが3.5μm、B
が3.0μm、Cが2.5μmである。図15から、リ
ーク電流が急増し始めると、ブリッジの出力電圧のばら
つきが急増することがわかる。
【0043】接合空乏層が薄肉起歪部5の裏面に到達す
ると、N+ 領域44、エピタキシャル層42、基板4
1、裏面チャンネル、接合空乏層、P+ 領域43の順に
電流が流れたりなどして、リーク電流の増大、ブリッジ
出力電圧がばらつくことがわかった。また当然、ノイズ
電圧も増大する。 (実験例1)図6の電気化学エッチングにおいて、エピ
タキシャル層42の厚さtは6μmとし、印加電圧Vc
を変えた場合の薄肉起歪部5〜8の厚さの変化を図11
に示す。また、基板41側の空乏層幅wpとエピタキシ
ャル層42の厚さtとの和を特性線として図示する。
【0044】図11から薄肉起歪部5〜8の厚さはwp
+tに一致することがわかる。 (実験例2)図6の電気化学エッチングにおいて、エピ
タキシャル層42の厚さtは6μmとし、印加電圧Vc
を2V、エピタキシャル層42の不純物濃度を7×10
15原子/cm3 とし、基板41の不純物濃度を変えた場
合の薄肉起歪部5〜8の厚さの変化を図12に示す。ま
た、基板41側の空乏層幅wpとエピタキシャル層42
の厚さtとの和を特性線として図示する。
【0045】図12から薄肉起歪部5〜8の厚さはwp
+tに一致することがわかる。以上の実験結果から、薄
肉起歪部5〜8の肉厚Tを設計肉厚にするには、T=t
+wpとすればよいことがわかる。 (実施例2)他の実施例を図17に基づいて説明する。
【0046】この実施例は、n型エピタキシャル層42
とp型基板41との間に薄いn+ エピタキシャル層(空
乏層ストッパ領域)70を形成したものである。このよ
うにすれば、P+ 領域43とエピタキシャル層42との
間の接合空乏層はこのn+ エピタキシャル層70に遮断
されて薄肉起歪部5の裏面72に到達できず、その結果
としてリーク電流の増大やノイズ電圧の増大を抑止する
ことができる。
【0047】この、n+ エピタキシャル層70は、エピ
タキシャル層42の初期段階で不純物ドープ量を多くす
れば形成することができる。また、P+ 基板41の表面
にP + 基板41の不純物より拡散速度が早いn型不純物
をドープしておき、エピタキシャル層42のエピ工程に
おけるオートドープにより形成してもよい。なお、n+
エピタキシャル層(空乏層ストッパ領域)70の不純物
濃度は、5×1016原子/cm3 以上、好ましくは1×
1017〜1×1020原子/cm3 とされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の半導体加速度センサの斜視図である。
【図2】半導体加速度センサの平面図である。
【図3】図2のAーA断面図である。
【図4】このセンサのブリッジ回路図である。
【図5】図1のセンサの製造工程を示す断面図である。
【図6】図1のセンサの製造工程を示す断面図である。
【図7】図1のセンサの製造工程を示す断面図である。
【図8】図1のセンサの製造工程を示す断面図である。
【図9】図1のセンサの製造工程を示す断面図である。
【図10】センサの模式断面図である。
【図11】図1のセンサの薄肉起歪部(ビ−ム)厚とブ
リッジ感度との関係を示す特性図である。
【図12】電気化学エッチングにおける印加電圧と薄肉
起歪部の厚さとの関係を示す特性図である。
【図13】電気化学エッチング方法における基板の不純
物濃度と薄肉起歪部の厚さとの関係を示す特性図であ
る。
【図14】印加電圧とリーク電流との関係を示す特性図
である。
【図15】リーク電流とブリッジ出力電圧との関係を示
す特性図である。
【図16】リーク電流の経路を示す模式断面図である。
【図17】実施例2を示す断面図である。
【符号の説明】
41 半導体基板 5〜8 薄肉起歪部 13a,13b,14a,14b,15a,15b,1
6a,16b ピエゾ抵抗領域(ピエゾ抵抗領域部) 43 P+ 領域(ピエゾ抵抗領域部) 70 n+ 層(空乏層ストッパ領域)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一端が半導体基板に支持され厚
    さが15μm以下の第1導電型単結晶半導体からなる薄
    肉起歪部と、前記薄肉起歪部の表面部に形成され前記薄
    肉起歪部の1桁以上高濃度の不純物濃度の第2導電型半
    導体からなるピエゾ抵抗領域部とを備え、前記ピエゾ抵
    抗領域部の一入力端及び前記薄肉起歪部と前記ピエゾ抵
    抗領域部の他入力端との間に所定の定格電圧を印加して
    前記ピエゾ抵抗領域部の抵抗値変化を検出する半導体力
    学センサにおいて、 前記薄肉起歪部は、Kを前記薄肉起歪部及び前記ピエゾ
    抵抗領域部の比誘電率、εを真空誘電率、Vcを前記定
    格電圧、Voを0バイアス時の前記薄肉起歪部と前記ピ
    エゾ抵抗領域との間の障壁電圧、qを電子の電荷量、W
    を薄肉起歪部の肉厚dを前記ピエゾ抵抗領域の深さとし
    た場合に、2Kε(Vc+Vo)/q(w−d)2 より
    高濃度の不純物濃度を有することを特徴とする薄形半導
    体力学センサ。
  2. 【請求項2】少なくとも一端が半導体基板に支持され第
    1導電型単結晶半導体からなる薄肉起歪部と、前記薄肉
    起歪部の表面部に形成され第2導電型半導体からなるピ
    エゾ抵抗領域部とを備え、前記ピエゾ抵抗領域部の一入
    力端及び前記薄肉起歪部と前記ピエゾ抵抗領域部の他入
    力端との間に所定の定格電圧を印加して前記ピエゾ抵抗
    領域の抵抗値変化を検出する半導体力学センサにおい
    て、 前記薄肉起歪部の裏面部に高濃度の第2導電型の空乏層
    ストッパ領域が配設されることを特徴とする半導体力学
    センサ。
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