JPH0610259B2 - 高分子量アクリルアミド単位含有β―アラニン共重合体及びその製造方法 - Google Patents

高分子量アクリルアミド単位含有β―アラニン共重合体及びその製造方法

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JPH0610259B2
JPH0610259B2 JP62112128A JP11212887A JPH0610259B2 JP H0610259 B2 JPH0610259 B2 JP H0610259B2 JP 62112128 A JP62112128 A JP 62112128A JP 11212887 A JP11212887 A JP 11212887A JP H0610259 B2 JPH0610259 B2 JP H0610259B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は高分子量アクリルアミド単位含有β−アラニン
共重合体及びその製造方法に関するものである。さらに
詳しくいえば、本発明は、ポリマー添加剤、フイルムや
シートなどの成形材料、塗料、接着剤、コーティング
剤、印刷インキ、紙加工剤、土壌改良剤、繊維処理剤な
どの用途に有用な、熱安定性のよい高重合度のアクリル
アミド単位含有β−アラニン共重合体及びその製造方法
に関するものである。
従来の技術 アクリルアミドの水素転移重合によるポリ−β−アラニ
ンの製造方法に関しては、1957年に初めて報告されて以
来[「ジャーナル・オブ・アメリカンケミカルソサエテ
イ(J.Am.Chem.Soc.)」第79巻、第3760ページ(1957
年)]、数多くの報告がなされている。
このアクリルアミドの水素転移重合は、通常触媒として
アクリルアミド1モル当り1/10〜1/100モルのアル
カリ金属アルコラートを用い、トルエン、キシレン、ク
ロロベンゼン、ピリジンなどの溶媒中、ラジカル重合禁
止剤としてN−フェニル−β−ナフチルアミンなどの存
在下、80〜140℃の温度に加熱して行われる。
しかし、このような方法で得られるポリマーは、完全に
水素転移重合物のみでなく、アクリルアミドのビニル重
合物も含まれている[高分子化学、第20巻、第364ペー
ジ(1963年)]。したがって、通常のアクリルアミドの
水素転移重合では、 から構成されるポリマーが生成し、この共重合体のう
ち、水素転移重合の部分とビニル重合の部分の割合は、
使用する触媒の種類や量、反応条件などによって左右さ
れる。
例えばアクリルアミドに対する触媒量が少なくなると、
水素転移型の割合が少なく、ビニル重合型の割合が多く
なる傾向がある。また、触媒量がアクリルアミド1モル
に対して、1/100モル以下になると重合反応が進みに
くくなり、ポリマーの収率が低下することも知られてい
る。例えば、触媒としてナトリウムブトキシドを用い、
触媒量をアクリルアミド1モルに対して1/200モルで
反応すると、ポリマー収率が0〜5%であることが報告
されている[「プリテン・ケミカル・ソサエテイ・ジヤ
パン」第33巻、第906ページ(1960年)]。
そのほか、有機溶媒中で、重合触媒としてアクリルアミ
ド1モルに対して約1/30モルのカルシウムエチラート
を用いてアクリルアミドを重合し、ポリ−β−アラニン
を製造する方法も提案されているが(特公昭38-26791号
公報)、この方法により得られた重合体は還元粘度が1.
0以下で低重合物である。
また、本発明者らは、先に、触媒として炭素数3以上の
カルシウムアルコラートを用い、アクリルアミドを水素
転移重合することにより、ポリ−β−アラニンを製造す
る方法を見出し、提案した(特開昭59−213722号公
報)。しかしながら、この方法においては、高重合度の
ポリ−β−アラニンが得られるが、触媒として用いるカ
ルシウムアルコラートの量が、アクリルアミド1モル当
り、0.02モル以上でと多いため、得られた重合体中に多
量のアルカリ土類金属(カルシウム)が残存し、しかも
重合体中の第一級アミド基の量も少ないという点で必ず
しも十分に満足しうる方法とはいえなかった。
このように、従来の方法においては、アクリルアミドを
重合して、ポリ−β−アラニン重合体を製造する際に、
前記したように触媒をアクリルアミド1モルに対して、
1/10〜1/100モル程度と極めて大量に使用するため
に、得られた生成物中に触媒から由来するアルカリ金属
やアルカリ土類金属が多量に残存し、これらの金属が重
合体に結合又は配位しているので、通常の洗浄操作では
除去することができないし、イオン交換処理などの特殊
な方法によっても完全に該金属を除去することは困難で
あるという欠点がある。
発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は、第一級アミド基含有量が高く、かつ金
属含量が少なく、ポリアセタールに配合したときに優れ
た熱安定性を与える高分子量のアクリルアミド単位含有
β−アラニン共重合体を提供することにある。
問題点を解決するための手段 本発明者らは、第一級アミド基含有量が多く、かつ高分
子量のアクリルアミド単位含有β−アラニン共重合体を
開発するために鋭意研究を重ねた結果、触媒としてアル
カリ土類金属アルコラートを用い、原料アクリルアミド
や溶媒を高度に精製し、かつ重合操作を工夫することに
より、該触媒の使用量が従来の方法に比べて大幅に少な
くても重合反応が円滑に進行し、かつ生成した重合体が
優れた物性を有することを見出し、この知見に基づいて
本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、式 で示される構成単位(I)と、式 で示される構成単位(II)を有し、構成単位(II)の第
一級アミド基の含有量が重合体1g当り、4.9〜7.0ミリ
モルであり、かつ還元粘度(ηsp/c)が少なくとも
2dl/gであることを特徴とする高分子量アクリルアミ
ド単位含有β−アラニン共重合体を提供することを目的
としてなされたものである。
この高分子量アクリルアミド単位含有β−アラニン共重
合体は、例えばアクリルアミドを、その1モルに対し1
/5000〜1/20000モルのアルカリ土類金属アルコラー
ト触媒を用い、かつ不純物が除かれた反応系で重合させ
ることによって製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のアクリルアミド単位含有β−アラニン共重合体
は、主要な構成単位として、式 で示される構成単位と、式 で示される構成単位とを有しており、前記式(II)で示
される構成単位中の第一級アミド基の含有量が、該重合
体1g当り、4.9〜7.0ミリモルの範囲にある重合体であ
る。また、本発明のアクリルアミド単位含有β−アラニ
ン共重合体は、ギ酸可溶性のものから、ギ酸不溶性のも
のまで、広い範囲の分子量を有しており、その還元粘度
(ηsp/c)は2dl/g以上である。このように本発明のア
クリルアミド単位含有β−アラニン共重合体は、第一級
アミド基の含有量が多いこと、還元粘度が2以上と大き
いことが、従来のポリ−β−アラニンと著しく異なって
いる点である。
本発明においては、触媒としてアルカリ土類金属アルコ
ラートが用いられる。このアルカリ土類金属アルコラー
トとしては、例えばカルシウムメチラート、カルシウム
エチラート、カルシウム−n−プロピラート、ストロン
チウムエチラート、バリウムエチラート、マグネシウム
エチラートなどを挙げることができる。これらの触媒
は、アクリルアミド1モルに対して、1/5000〜1/20
000の範囲内で用いることが必要である。
一般に、アクリルアミドに対する触媒量が減少すると、
重合体中の水素転移重合物が減少し、その結果、第一級
アミド基の含有割合が増大する。一方、アクリルアミド
に対する触媒量が増大すると、水素転移重合で形成され
る、構成単位(I) の含有割合が増大し、第一級アミド基を有する構成単位
(II) の含有割合が減少する。したがって、第一級アミド基の
含有量が、その1g当り4.9〜7.0ミリモルの範囲にある
アクリルアミド単位含有β−アラニン共重合体を得るた
めには、触媒量はアクリルアミド1モルに対して、1/
5000〜1/20000の範囲で選ぶことが必要である。ま
た、触媒量が1/5000モルを超えると、得られる重合体
を、例えばポリアセタール樹脂の熱安定剤として用いる
場合、熱安定効果が十分に発揮されない。一方、この量
が1/20000モル未満になると重合反応が進行しにく
く、収率が低下するとともに、生成する重合体中の第一
級アミド基の含有量が多くなりすぎて、この重合体をポ
リアセタール樹脂の熱安定剤として用いる場合、熱安定
効果が十分に発揮されない。
本発明における重合反応は、溶媒の不存在下で行っても
よいし、溶媒の存在下行ってもよい。溶媒としては、例
えばキシレン、トルエン、o−ジクロロベンゼンなどを
用いることができる。
この重合反応においては、反応系中の水分、酸素その他
の不純物をできるだけ少なくすることが好ましい。した
がって、溶剤や原料のアクリルアミド中の水分はあらか
じめ除去しておくことが有利である。溶剤中の水分は、
例えば脱水剤を用いるか、共沸蒸留により除去すること
ができる。一方、アクリルアミド中の水分は、例えば40
〜60℃の範囲の温度に保持されたアクリルアミド中に、
脱湿空気を10〜24時間程度導入するか、又は40〜100ト
ールの真空下において、アクリルアミドを40〜60℃の範
囲の温度に5〜10時間程度保持することにより、除去す
ることができる。
また、この重合反応は、酸素の不存在下で行うのが好ま
しいので、通常酸素が除去されたアクリルアミド及び溶
剤を用い、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で
行われる。アクリルアミド及び溶剤中の酸素を除去する
には、例えば減圧にしたのち、窒素置換するか、又は窒
素ガスをパージする方法などが用いられる。
さらに、重合系内に不純物が存在すると、所望のβ−ア
ラニン単位含有ポリアクリルアミドが得られないので、
不純物は可能な限り、系内より除去することが必要であ
る。また、用いる触媒は、水分や酸素による劣化を防ぐ
ために、窒素ガス雰囲気下で保存することが望ましい。
本発明においては、従来のポリ−β−アラニン重合体の
製造において用いられていたラジカル重合禁止剤、例え
ばナフチルアミンなどは用いない方がよい。これは該重
合禁止剤が、前記不純物と同様に触媒を被毒し、所望の
重合体の生成を阻害するからである。
本発明においては、反応温度は通常70〜150℃好ましく
は80〜140℃の範囲で選ばれる。反応温度が70℃未満で
は反応速度が遅すぎて実用的でない。
重合反応は、例えば脱水精製した溶媒に、所定量の触媒
をよく分散したのち、脱水精製したアクリルアミドを加
えて、不活性ガス雰囲気中で加熱することによって行わ
れる。重合方法としては、バッチ式溶液重合法、バッチ
式塊状重合法、連続式溶液重合法、連続式塊状重合法な
どを用いることができる。
このようにして得られたアクリルアミド単位含有β−ア
ラニン共重合体は、一般に重合度の異なる重合体の混合
物である。すなわち、重合生成物は、重合条件によっ
て、ギ酸可溶性のアクリルアミド単位含有β−アラニン
共重合体[以下、ポリ−β−アラニン重合体(A)とい
う]か、あるいは、このものと、ギ酸不溶性のアクリル
アミド単位含有β−アラニン共重合体[以下、ポリ−β
−アラニン重合体(B)という]との混合物として得られ
る。一般に重合温度が低い場合には、ポリ−β−アラニ
ン重合体(A)のみが生成するが、重合温度がある温度以
上では、ポリ−β−アラニン重合体(B)が、ポリ−β−
アラニン重合体(A)とともに生成する。
このポリ−β−アラニン重合体(B)の生成しはじめる温
度は、アルカリ土類金属アルコラート触媒の使用量によ
って左右されるが、一般に、重合温度が95〜140℃でポ
リ−β−アラニン重合体(A)が生成しはじめ、温度が高
くなるに従い、重合体(B)の比率は高くなる。例えば溶
液重合においては、反応温度が90℃ではポリ−β−アラ
ニン重合体(B)はほとんど生成しないが、120℃において
は約1%の割合で生成する。一方、塊状重合において、
例えばアルカリ土類金属触媒を、アクリルアミド1モル
に対して1/10000モル用い、温度を100℃で1.5時間、1
10℃で1.5時間、120℃で1.5時間、140℃で1.5時間と階
段的に上げて重合すると、ポリ−β−アラニン重合体
(B)は3〜5%生成する。
ポリ−β−アラニン重合体(A)のみが生成する場合は、
これを反応系より分離すればよい。一方ポリ−β−アラ
ニン重合体(A)と(B)が生成する場合には、重合混合物よ
りポリ−β−アラニン重合体(A)と(B)を溶解性の差の利
用して分離できる。
さらに、重合生成物を140〜180℃の温度で加熱処理する
ことにより、ポリ−β−アラニン重合体(A)を(B)に変換
することができる。例えば加熱処理時間が0.5〜3時間
の場合には、ポリ−β−アラニン重合体(A)は40〜50%
程度(B)に変換される。したがって、重合生成物を、こ
のように加熱処理して、その中のポリ−β−アラニン重
合体(A)を(B)に変換したのち、ポリ−β−アラニン重合
体(B)を分離してもよい。
反応終了液から重合反応生成物を分離する方法として
は、例えば溶液重合の場合は、ろ過などの手段により溶
媒を除いたのち、生成物中のアクリルアミドを適当な溶
媒、例えばアセトンやメタノールなどで洗浄して除去す
る方法を用いることができる。
さらに、ポリ−β−アラニン重合体(A)と(B)とを分離す
るには、例えばこれらの混合物をポリ−β−アラニン重
合体(A)のみを溶解する溶媒中に添加し、ろ過などの手
段によってポリ−β−アラニン重合体(B)を単離し、一
方、ポリ−β−アラニン重合体(A)は、ろ液をメタノー
ルやアセトンなどの溶媒中に投入して、該重合体(A)を
析出させたのち、ろ過などの手段によって、回収するこ
とができる。ポリ−β−アラニン重合体(A)のみを溶解
する溶媒としては、例えば水やギ酸などを挙げることが
できる。
前記のポリ−β−アラニン重合体(A)及び(B)は、いずれ
も、主要構成単位として、前記の構成単位(I)及び
(II)を含有しており、かつ第一級アミド基の含有量
は、重合体1g当り、4.9〜7.0ミリモルの範囲である。
また、ポリ−β−アラニン重合体(A)の還元粘度は、1
重量%ギ酸溶液、温度35℃の測定条件で2〜15dl/gの範
囲である。さらに本発明において得られる重合体中の、
ポリ−β−アラニン重合体(A)と(B)との重量比は、通常
20:80ないし100:0の範囲にある。
本発明のアクリルアミド単位含有β−アラニン共重合体
の化学構造は、例えば赤外吸収スペクトル、NMRスペク
トル及び示差走査熱量測定(DSC)により確認すること
ができる。第1図に、本発明のギ酸可溶性のポリ−β−
アラニン重合体(A)の1例の赤外吸収スペクトルを示
す。3290cm-1、1535cm-1、1108cm-1、972cm-1に第二級
アミド基 の特性吸収があり、3355cm-1、3190cm-1、1658cm-1、16
17cm-1に第一級アミド基 の特性吸収が存在する。これらの結果より、本発明のア
クリルアミド単位含有β−アラニン共重合体中には、第
二級アミド基 及び第一級アミド基 が存在していることが分かる。
また、第1表に、本発明のアクリルアミド単位含有β−
アラニン共重合体のDSC解析結果と、比較のために、公
知のポリ−β−アラニンとポリアクリルアミドのDSC解
析結果を示す。
以上の結果より、本発明のアクリルアミド単位含有β−
アラニン共重合体は、ポリ−β−アラニンとポリアクリ
ルアミドの単なる混合物ではなく を構成単位とする共重合体であることが分かる。
第2図に、前記のギ酸可溶性ポリ−β−アラニン重合体
のNMRスペクトルを示す。このNMRスペクトルと前記のIR
スペクトルから、本発明のβ−アラニン単位含有ポリア
クリルアミドは、 とを構成単位とするランダム共重合体であることが確認
された。
本発明のアクリルアミド単位含有β−アラニン共重合体
は、第一級アミド基を、重合体1g当り4.9〜7.0ミリモ
ルの範囲で含有するものである。
本発明のアクリルアミド単位含有β−アラニン共重合体
は、構成単位(I) と構成単位(II) とを有し、例えば構成単位(I)のみから成るポリ−β
−アラニンと、構成単位(II)のみから成るポリアクリ
ルアミドとを、構成単位(I)と(II)との割合が、本
発明のアクリルアミド単位含有β−アラニン共重合体と
同じになるように混合したものとは異なった物性を有し
種々の用途において優れた効果を発揮する。
本発明のアクリルアミド単位含有β−アラニン共重合体
は、前記したように、第一級アミド基を有する構成単位
(II)と、第二級アミド基を有する構成単位(I)とを
含有し、該構成単位(I)は、炭素原子数3個に対し
て、1個の水素結合をもつので、水素結合力が強く分子
間結合力が大きい。また、第一級アミド基をもつ構成単
位(II)を含有するので、親水性であり、水素結合力が
強い。
さらに、本発明のアクリルアミド単位含有β−アラニン
共重合体は、前記したように、ギ酸に可溶性で、還元粘
度(ηsp/c)が2〜15dl/gのもの、及びギ酸に不
溶性のものを含有しており、該ギ酸可溶性ポリ−β−ア
ラニン重合体(A)は、水に対しても可溶性であるので、
水溶液として種々の用途に供することができる。このポ
リ−β−アラニン重合体(A)は、還元粘度が2dl/g未満
の場合には、機械的強度及び接着力が低下するため、フ
イルムやシートに成形することが困難であり、一方還元
粘度が15dl/gを超えると水に対する溶解性が著しく低
下する。この還元粘度は後記の方法によって測定するこ
とができる。
また、本発明のギ酸不溶性のポリ−β−アラニン重合体
(B)は、水溶液としては使用できないが、例えばポリア
セタール樹脂の熱安定剤として極めて有用である。この
ポリ−β−アラニン重合体(B)は、ポリ−β−アラニン
重合体(A)よりも分子量が高いもの、及び2分子の第一
級アミド基が反応して、イミド基となって分子間で架橋
した構造のものを含んでいるものと推定される。
本発明のアクリルアミド単位含有β−アラニン共重合体
は、前記のような特徴を有することから、前記のポリマ
ー添加剤としての用途以外に、例えばフイルムやシート
などの成形材料、塗料、接着剤、コーティング剤、印刷
インキ、紙加工剤、土壌改良剤、繊維処理剤などの用途
に有用であるが、特に、ポリアセタール樹脂の熱安定剤
として好適である。
本発明のアクリルアミド単位含有β−アラニン共重合体
は、ホルムアルデヒドを用いて製造されたフェノール樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂などから微量発生するホル
ムアルデヒドの捕集剤として使用することができる。上
記樹脂への添加は、本発明のアクリルアミド単位含有β
−アラニン共重合体の粉末をドライブレンドで0.1〜10
重量%の割合で加えてもよいし、またその水溶液を加え
たのち、水分を蒸発させてもよい。
前記のポリ−β−アラニン重合体(A)は、紙アルミ箔な
どの接着剤として有用である。この場合ポリ−β−アラ
ニン重合体(A)を水に溶解し、この水溶液を紙、アルミ
箔などにコートすればよい。
次に、前記のポリ−β−アラニン重合体(A)は、優れた
土壌改良剤としての性能を有している。すなわち、一般
に、作物の生育に適した土壌構造としては、適当な通気
性、保水性、排水性のバランスが要求される。砂は通気
性、排水性は良好であるが保水性に劣り、一方粘土は保
水性は良好であるが、通気性、排水性に劣る。通気性、
保水性、排水性のバランスのとれた土壌として団粒構造
の発達した構造が望ましい。土壌の団粒化剤として高分
子多糖類やフェノール性化合物などが知られているが、
これらは、団粒効果の発現には、土壌生態学に長時間を
要するという欠点を有している。このような欠点を解消
するために、ポリビニルアルコールなどのノニオン系、
ポリアクリル酸などのアニオン系、ポリエチレンイミン
などのカチオン系の高分子化合物が検討されてきたが、
これらの高分子系団粒化剤は、団粒化効果が弱く、かつ
効果の持続性に劣るなどの欠点を有している。
これに対し、ポリ−β−アラニン重合体(A)は、土壌と
の吸着性が極めて強く、かつその効果の持続性に優れて
おり、したがって、該重合体を土壌改良剤として使用す
ることによって、作物の生育に適した土壌に改良するこ
とができる。また、土壌改良剤の別の用途として、運動
場、野球場、ゴルフ場の土壌に本発明の重合体を施用す
ることによって降雨時の土壌の排水性を著しく向上させ
ることができ、水溜りの不便さから解放される。
このような用途には、一般にポリ−β−アラニン重合体
(A)の1〜10重量%水溶液を、10エーカー当り、約40lの
割合で施用することが好ましい。
発明の効果 本発明のアクリルアミド単位含有β−アラニン共重合体
は還元粘度が2.0以上であるように重合度が高いために
機械的性質の優れた成形品、例えばフイルムやシートな
どを作成することができる。また、使用する触媒量が従
来の方法に比べて極めて少ないために、得られたポリマ
ー中に含まれる金属の量が、従来法では約0.5重量%以
上であるのに対し、0.1〜0.02重量%程度と非常に少な
く、したがって、このものを、例えばポリアセタール樹
脂の熱安定剤として用いる場合、著しい効果を発揮す
る。
実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが本発
明はこれらの例によってなんら限定されるものではな
い。
なお、実施例及び比較例におけるポリマー及び組成物の
物性は、次に示す方法により測定し、評価した。
(1)還元粘度(ηsp/c) ポリマー5gをギ酸100mlに入れ、常温で2時間かきまぜ
て溶解する。次いで減圧下にろ過してギ酸溶液を得る。
このギ酸溶液に500mlのメタノールを加え、ギ酸溶解物
を析出させ、この析出物をろ別したのち、真空乾燥機中
において、80℃で10時間減圧乾燥する。
このようにして得られた試料を、純度99%以上のギ酸に
溶解したのち、200メッシュタイラー篩を通して、試料
濃度が1g/dlの溶液を調製する。この溶液について、
オストワルド粘度計を用いて、35℃の温度における還元
粘度を測定する。還元粘度ηsp/c(dl/g)は下記
の式で計算する。
ηsp/c(dl/g)=(t/t0−1)/c ここで、tは試料溶液の落下秒数(秒)、t0はギ酸の
落下秒数(秒)である。
(2)第一級アミド基の定量 かきまぜ機付フラスコ内に、試料ポリマー0.71gと40重
量%水酸化カリウム水溶液50mlを加え、かきまぜなが
ら、105〜110℃で20分間加熱し、第一級アミド基をアン
モニアに加水分解する。次いで、フラスコ内容物を50℃
以下に冷却したのち、100mlのメタノールを加え、アン
モニアをメタノールと共に留出させて、この留出液を0.
1規定の硫酸水溶液(Voml)に吸収させる。この吸収
液を指示薬としてメチルレッドを用い、0.1規定の水酸
化ナトリウム水溶液で中和滴定する。この滴定量をVml
とする。第一級アミド基は下記の計算式により求める。
第一級アミド基(mmol/g)=0.1408(V0−V) (3)熱安定性テスト(重量減少率) ポリマーの熱安定性は、窒素気流中で250℃で15分間加
熱した際の重量減少率で評価する。試料ポリマー約50mg
を熱重量分析装置[第二精工舎、SSC−560GH、TG/DT
A]で窒素気流中で測定する。
(4)滞留着色 1オンスの射出成形機にて、シリンダー中、230℃に加
熱し、20分間滞留させたのち、成形した試験片の色のラ
ンクを以下の記号で表わす。
(5)接着性テスト ポリマー溶液をガラス板上に塗布し、溶媒を蒸発させて
除去してポリマーフイルムを作成する。ガラス板に対す
るポリマーフイルムの接着力を下記の方法で評価する。
すなわち、カッターナイフでガラス板に達するまでフイ
ルムに1mm×1mmのゴバン目状の切り口を入れる。次に
巾15mmのセロファンテープをフイルムに貼り付けたの
ち、手で急激にテープを剥がす。この際、テープと共に
剥れたフイルムのゴバン目の数で接着力を評価する。
実施例1 かきまぜ機付きの2の反応器に、キシレン1.6を入
れ、触媒として、カルシウムプロピラート0.178g(アク
リルアミド1モルに対して1/10000モル)を加え、溶
媒中に良く分散させたのち、アクリルアミド800gを加
え、窒素気流中でかきまぜながら、90℃で4時間反応さ
せた。反応終了後、溶媒のキシレンを除き、固形物を粉
砕したのち、アセトンで洗浄し乾燥した。収量は769g
(収率96.1%)であった。生成物を赤外吸収スペクトル
で分析すると3290、1638、1535、1108、972cm-1に第二
級アミド基 の特性吸収があり、3355、3190、1658、1617cm-1に第一
級アミド基 の特性吸収が存在することが確認された(第1図)。
なお、赤外吸収スペクトルの測定条件は次のとおりであ
る。
装置:日本電子(株)製 JIR−100 FT−IR 測定法:KBr法 さらに、乾燥した生成物の13C-NMRを測定した(第2
図)。各ピークの帰属を次に示す。
なお、13C-NMRの測定条件は次のとおりである。
装置:日本電子(株)製 JNM−GX270型 観測周波数:67.94MHz 観測巾:20000Hz パルス巾:5.8μS 繰返し時間:5.0SEC 積算回数:1000回 測定モード:TOSS法 赤外吸収スペクトル及びNMRスペクトルによる構造解析
の結果、生成物は、構成単位(I) から成るランダム共重合体であることが確認された。
また、第一級アミド基の含有量は、ポリマー1g当り5.5
mmolであり、還元粘度は、2.3dl/gであった。この生成
物は約330℃で分解し、ポリマー中のカルシウム含量は5
3ppmであった。
このポリマーを熱水に溶解して水溶液を調製し、テフロ
ン板上にキャストして、120℃のエアーオーブン中で乾
燥すると、厚さ約1mmのフイルムが形成された。このよ
うに、該ポリマーはフイルム形成性を有している。
実施例2〜3、比較例1、2 実施例1で用いた反応装置を使用して、アクリルアミド
の量、溶媒量、溶媒の種類は実施例1と同じ条件で、触
媒の種類、触媒とアクリルアミドのモル比、反応温度、
反応時間を第2表のように変えて実施した。
得られたポリマーの還元粘度、第一級アミド基の含有
量、収率を第2表に示す。このポリマーは、IR及びNMR
スペクトルによる構造解析の結果、構成単位(I) と構成単位(II) から成るランダム共重合体であることが確認された。
実施例4 実施例1において、90℃で4時間加熱後、さらに120℃
で4時間加熱して反応させる以外は、実施例1と同一条
件で反応させた。得られたポリマーの還元粘度は13.8で
あり、ギ酸に不溶なものが少量生成した。また、第一級
アミド基の含有量は6.06mmol/gであった。
実施例5 内径1.0cm、外径1.3cm、長さ30cmのステンレス鋼製内
管、内径3.0cm、外径3.5cm、長さ30cmのステンレス鋼製
外管から成る二重管式重合機を用い、内管と外管との空
間に熱媒体としてシリコンオイルを循環し、次のように
して重合を行った。
すなわち、アクリルアミドモノマー20gとカルシウムジ
プロポキシド0.0044g(モノマーに対して1/10000モ
ル)とを均一に混合して内管に仕込み、内管の系内を真
空ポンプで60トール前後に減圧したのち、窒素ガスで置
換する。内管と外管との空間に90℃のシリコンオイルを
循環してモノマーを完全にメルトする。次いで、循環す
る熱媒のシリコンオイルの温度を100℃に1.5時間、110
℃に1.5時間、120℃に1.5時間、130℃に1.5時間保持
後、最後に170℃で3時間保ったのち冷却する。
次に、ステンレス鋼製内管中の棒状重合体を取り出して
粉砕し、アセトンで洗浄したのち、約5トールの真空
下、70℃で24時間乾燥した。モノマーからポリマーへの
転化率を、式 で計算すると、98%であった。
また、分析の結果、重合体中の第一級アミド基の含有量
は6.41mmol/gであり、ギ酸溶解物は60%、不溶解物は4
0%であった。なお、ギ酸可溶部分の還元粘度は6.1であ
った。
参考例1 粉末状の末端アセチル化されたポリオキシメチレン樹脂
(ASTM-D-1238-57Tによる標準荷重2.16kg、温度190℃で
のメルトインデックスが15.4g/10分)100重量部、酸化
防止剤[2,2′−メチレンビス(4−メチル6−t−ブ
チルフェノール)]0.25重量部、実施例1〜5及び比較
例1,2で製造した、アクリルアミド単位含有β−アラ
ニン共重合体それぞれ0.5重量部をヘンシェルミキサー
で混合して、押出機で200℃で押し出し、ペレタイズし
た。このペレットを80℃で14時間熱風乾燥した。乾燥し
たペレットの熱安定性及び滞留着色を測定した。その結
果を第3表に示す。
参考例2 アクリルアミド単位含有β−アラニン共重合体の代り
に、ヘキサメチレンアジポアミド、ヘキサメチレンセバ
コアミド、カプロラクタムの三元共重合ポリアミドを用
いた以外は、参考例1と同様の方法によりペレットを作
り、同様の評価を行った。その結果を第3表に示す。
参考例3 アクリルアミド単位含有β−アラニン共重合体の代り
に、エチレンとアクリル酸メチル共重合体に分散させた
ポリヘキサメチレンアジポアミド(ナイロン66)混合物
をポリアミドとして0.5重量部を用いた以外は、参考例
1と同様の方法によりペレットを作り、同様の評価を行
った。その結果を第3表に示す。
この表から明らかなようにアクリルアミド1モル当りの
触媒量が1/20000モル未満のもの(比較例1)及び1
/5000モルよりも多いもの(比較例2)を用いた場合は
熱安定性が劣る。
参考例4 粉末状の末端アセチル化されたポリオキシメチレン樹脂
100重量部、酸化防止剤[2,2′−メチレンビス(4−メ
チル−6−t−ブチルフェノール)]0.25重量部、実施
例1及び実施例2で合成したアクリルアミド単位含有β
−アラニン共重合体0.5重量部と添加剤としてカーボン
ブラック0.2重量部又は酸化チタン0.2重量部をヘンシェ
ルミキサーで混合して、押出機で200℃で押出し、ペレ
タイズした。このペレットを80℃で14時間熱風乾燥し、
参考例1と同じ方法で重量減少率を測定した。その結果
を第4表に示す。
参考例5 アクリルアミド単位含有β−アラニン共重合体の代り
に、参考例2で用いた三元共重合ポリアミドを使用した
以外は、参考例4と同様に実施した。その結果を第4表
に示す。
参考例6 アクリルアミド単位含有β−アラニン共重合体の代り
に、参考例3で用いたポリアミドを使用した以外は、参
考例9と同様に実施した。その結果を第4表に示す。
参考例7 実施例1のポリマーを熱水に溶解して、ガラス板上に塗
布し、乾燥して薄膜を形成させた。接着性を調べるため
ゴバン目テストでセロファンテープを用いてはく離性を
調べた結果、はく離はゼロであり、このポリマーは接着
性が優れていることが分かった。
参考例8 粘土質の土壌10gに、実施例1で得たランダム共重合体1
000ppmを含む水200gを加えよくかきまぜたのち、ガラス
フィルターでろ過した。この際のろ過速度は0.09m3/m2h
rであった。比較例として同じ粘土質土壌10gに水200gを
加えよくかきまぜたのち、ガラフィルターでろ過した。
この際のろ過速度は0.03m3/m2hrであった。すなわち、
アクリルアミド単位含有β−アラニン共重合体の土壌団
粒効果によってろ過速度は3倍となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の高分子量アクリルアミド単位含有β−
アラニン共重合体の1例の赤外吸収スペクトル図、第2
図は該ギ酸可溶性ポリ−β−アラニン重合体の炭素13核
磁気共鳴スペクトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 19/20 // C09K 17/00 D D01F 6/68 7199−3B D06M 15/59 7199−3B D21H 3/58 // D06M 15/59

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 で示される構成単位(I)と、式 で示される構成単位(II)を有し、構成単位(II)の第
    一級アミド基の含有量が重合体1g当り、4.9〜7.0ミリ
    モルであり、かつ還元粘度(ηsp/c)が少なくとも
    2dl/gであることを特徴とする高分子量アクリルアミ
    ド単位含有β−アラニン共重合体。
  2. 【請求項2】還元粘度(ηsp/c)が2〜15dl/gの
    範囲にある特許請求の範囲第1項記載の高分子量アクリ
    ルアミド単位含有β−アラニン共重合体。
  3. 【請求項3】アクリルアミドをその1モルに対し1/50
    00〜1/20000モルのアルカリ土類金属アルコラート触
    媒を用い、かつ不純物が除かれた反応系で重合させるこ
    とを特徴とする、式 で示される構成単位(I)と、式 で示される構成単位(II)から成る高分子量アクリルア
    ミド単位含有β−アラニン共重合体の製造方法。
JP62112128A 1986-05-09 1987-05-08 高分子量アクリルアミド単位含有β―アラニン共重合体及びその製造方法 Expired - Fee Related JPH0610259B2 (ja)

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