JPH06104564B2 - 膜状層間化合物及びその製造法 - Google Patents

膜状層間化合物及びその製造法

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JPH06104564B2
JPH06104564B2 JP3167630A JP16763091A JPH06104564B2 JP H06104564 B2 JPH06104564 B2 JP H06104564B2 JP 3167630 A JP3167630 A JP 3167630A JP 16763091 A JP16763091 A JP 16763091A JP H06104564 B2 JPH06104564 B2 JP H06104564B2
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勝典 小菅
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工業技術院長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】〕本発明は、層状ポリケイ酸塩マ
ガディアイトおよびケニヤアイトの酸処理生成物から得
られる膜状層間化合物及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】層状ケイ酸塩はその特殊構造に基づいた
機能性材料への応用が期待されている物質の1つであ
る。これ自体、触媒、充填剤、あるいは吸着剤等種々の
用途開発がなされている。更に、インターカレーション
による層間修飾では新規な触媒や多孔材料を始めとした
複合材料開発へ発展している分野である。
【0003】現在、その対象となる層状ケイ酸塩には天
然のスメクタイト系粘土鉱物や溶融法で合成されたフッ
素マイカ等がある。また、これらの物質から薄膜状物質
を製造することも可能である。しかし、これからの層状
ケイ酸塩の活用を図るためには、新規ホスト化合物の作
製はもとより、これらの物質形態を制御した機能性材料
と、このための効率的な合成プロセスが求められてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、合成層状
ポリケイ酸塩マガディアイトおよびケニヤアイトやこれ
らの酸処理生成物である層状ポリケイ酸のイオン交換反
応に注目し、鋭意研究を重ねた結果、膜状層状ポリケイ
酸塩や膜状ポリケイ酸の作製が可能であることを見出し
た。
【0005】層状ポリケイ酸塩及び層状ポリケイ酸が層
状化合物であることは粘土鉱物類と類似し、またミクロ
ポアを持つことはゼオライトと同等であり、その結晶構
造は両者の中間の性質を持つ興味深いケイ酸質物質であ
る。また、層状ポリケイ酸塩の層間イオンは主にナトリ
ウムであるが、他のアルカリ金属等で交換可能である。
SiO4四面体の積層様式によって、種々の層状ポリケイ酸
塩や層状ポリケイ酸が存在するが、マガディアイトとケ
ニヤアイト及びこれらの酸処理生成物が一般的な化合物
である。
【0006】合成マガディアイト及びケニヤアイトは1
次粒子である板状結晶片が密に集合した球形状の2次粒
子として生成する。また、これらの酸処理生成物は層間
イオンが溶脱しても元の球形状形態を保持する。さら
に、層状ポリケイ酸塩マガディアイトはNa以外の他の
アルカリ金属を始めとする多くのイオンで交換できる
が、その交換を完全に行うためには長時間を有したり、
長時間の反応によっても全ての交換が果たされない場合
のあることが指摘されている。一方、マガディアイトの
酸処理生成物(H ̄マガディアイトという)のイオン交
換反応については、HとNaの交換反応についての報告
はあるが、他のイオンによる交換反応については殆ど行
われていない。この時、一定濃度以上のNaOH溶液あるい
はNa2CO3溶液によって、H型マガディアイトは完全にマ
ガディアイトに戻ることが分かっている。しかし、いず
れのイオン交換によっても、元の板状結晶片が密に集合
した球形状形態を保持したままで、粒子形態の変化は報
告されていない。さらに、ケニヤアイトの酸処理生成物
のイオン交換に関する報告はほとんどない。
【0007】本発明は上記の知見に基づいてなされたも
ので、その目的は合成層状ポリケイ酸塩マガディアイト
及びケニヤアイトの酸処理生成物層状ポリケイ酸をアル
カリ溶液中でイオン交換することによって、元の形態を
変化させ、新規な膜状化合物を作製するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は合成
マガディアイト及びケニヤアイトの酸処理生成物をイオ
ン交換することによる膜状層状ポリケイ酸塩及びその作
製法、更にその酸処理による膜状層状ポリケイ酸とその
作製法にある。
【0009】本発明にかかる合成マガディアイトおよび
ケニヤアイトは湿式法で合成された、板状結晶の集合体
より成るものであれば特にその履歴は限定されない。層
状ポリケイ酸を作製する酸処理条件は、6N以下の塩酸
等の鉱酸を用い、溶解反応中pHを2以下に保ち、最終
的にマガディアイト及びケニヤアイト層間イオンをほと
んど全量溶出させれば良い。反応温度は常温付近で良
く、反応速度を速めるため温度を上げても100℃以下で
充分である。撹拌は系全体の均一性を保持できれば良
い。
【0010】イオン交換反応は、KOH,LiOH,NH4OH等の
アルカリ溶液、あるいは種々の金属を溶解したこれらの
アルカリ溶液を用い、層状ポリケイ酸の層間イオンであ
るプロトンを置換する。目的とする膜状物質を得るた
め、プロトンを交換するのに必要な金属イオンの量は、
層状ポリケイ酸1gに対して0.001モル以上でよく、よ
り好ましくは、0.002モルとし出発物質中に含まれる殆
どのNaイオンを交換することが望ましい。反応温度は
常温で充分であるが、イオン交換速度をより速く行うた
めには温度を上げても良い。撹拌は系全体の均一性を保
持できれば良い。
【0011】上記の条件によって合成された固体物質
は、常法のよって母液と分離し、ついで水洗後、平らな
平面を持つガラス、テフロンあるいはセラミックス等の
板上に塗布したり、鋳型に流し込み乾燥し回収する。こ
の時、必要に応じバインダーを添加したり、圧力成形等
を行い、膜状層状ポリケイ酸塩として回収する。
【0012】さらに、膜状層状ポリケイ酸塩を酸洗いす
ることによって、層間イオンを再び溶脱させ、膜状層状
ポリケイ酸を作製することが可能である。この時、反応
温度は常温付近で充分であり、反応時間は溶脱量に基づ
いて決定することができる。
【作用】
【0013】本発明による膜状層状ポリケイ酸塩及び膜
状層状ポリケイ酸は、合成マガディアイト及び合成ケニ
ヤアイトの粒子形態が2次粒子を反映していることに基
づくものである。すなわち、1次粒子は板状の薄片結晶
で、合成物はこれらが集合した球形状の2次粒子として
観察される。このことから、2次粒子を1次粒子に解体
し、これらを一定方向に配向させれば、膜状物質が形成
することになる。
【0014】しかし、層状ポリケイ酸塩マガディアイト
から酸処理生成物を作製する際、2次粒子の解体は起こ
らないことが確かめられた。更に、その酸処理生成物を
Naを含むアルカリ性溶液でイオン交換しても、2次粒
子の形態は保持されたままである。これらのことから、
層状ポリケイ酸作製と同時に2次粒子を解体して、膜状
化することは不可能で、層状ポリケイ酸のプロトンをN
a以外の金属イオンで交換する方法を検討した。
【0015】これは、金属イオンによって水和状態が異
なり溶媒と粒子間の相互作用が変化するため、粒子の等
電点が変わり、粒子間の反発力が大きくなり、先の2次
粒子の解体が生ずるものと考えられる。
【0016】また、アルカリ金属以外のイオンを層間に
含む膜状物質の場合には、層間距離も変化させることが
可能であり、さらに応用の範囲が拡大するものと期待で
きる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0018】実施例1 合成マガディアイトを2N塩酸で6時間処理して得た層
状ポリケイ酸1gを、0.001N水酸化カリウム溶液1600c
cに添加し、常温で1時間イオン交換反応を行う。処理
終了後、濾過して液相を分離し後水洗した。この時、一
部の生成物を回収し、40℃で乾燥後、X線回折法で測定
したところH−マガディアイトがK−マガディアイトに
変化していることが確認できた。さらに、残りの試料を
ガラス板上に載せ、風乾することによって膜状に塗布す
ることが可能であった。この一部をSEM観察したとこ
ろ、マガディアイトの1次粒子同士が密に集合し、膜状
の形態を有することが確認できた。
【0019】実施例2 実施例1と同様な操作で得た層状ポリケイ酸1gを、0.
001N水酸化リチウム溶液1600ccに添加し、常温で1時
間イオン交換反応を行う。処理終了後、濾過して液相を
分離し後水洗した。この時、一部の生成物を回収し、40
℃で乾燥後、X線回折法で測定したところH−マガディ
アイトがLi−マガディアイトに変化していることが確
認できた。さらに、残りの試料をガラス板上に載せ、風
乾することによって膜状に塗布することが可能であっ
た。この一部をSEM観察したところ、マガディアイト
の1次粒子同士が密に集合し、膜状の形態を有すること
が確認できた。
【0020】実施例3 実施例1と同様な操作で得た層状ポリケイ酸1gを60cc
の純水に加え、0.1N水酸化カリウム、水酸化リチウム
あるいはアンモニア水溶液12ccを滴加し、常温で1時間
イオン交換反応を行う。処理終了後、濾過して液相を分
離し後水洗した。この時、一部の生成物を回収し、40℃
で乾燥後、X線回折法で測定したところH−マガディア
イトが、各々K−マガディアイト、Li−マガディアイ
トあるいはNH4−マガディアイトに変化していること
が確認できた。さらに、残りの試料をガラス板上に載
せ、風乾することによって膜状に塗布することが可能で
あった。この一部をSEM観察したところ、マガディア
イトの1次粒子同士が密に集合し、膜状の形態を有する
ことが確認できた。
【0021】実施例4 合成ケニヤアイトを2N塩酸で6時間処理して得た層状
ポリケイ酸1gを60ccの純水に加え、0.1N水酸化カリ
ウム溶液12ccを滴加し、常温で1時間イオン交換反応を
行う。処理終了後、濾過して液相を分離し後水洗した。
この時、一部の生成物を回収し、40℃で乾燥後、X線回
折法で測定したところH−ケニヤアイトがK−ケニヤア
イトに変化していることが確認できた。さらに、残りの
試料をガラス板上に載せ、風乾することによって膜状に
塗布することが可能であった。この一部をSEM観察し
たところ、ケニヤアイトの1次粒子同士が密に集合し、
膜状の形態を有することが確認できた。
【0022】
【発明の効果】層状ポリケイ酸塩マガディアイト及びケ
ニヤアイトは特有の層状構造に基づくミクロポアを有す
ることから、それ自体化学工業、窯業、医学等多くの分
野での用途が期待できる。例えば、触媒担体、充填剤、
吸着剤、脱臭剤、酵素センサー、微生物分離等に適用可
能と考えられる。また、インターカレーション反応によ
り有機あるいは無機物質で層間修飾可能なことから、種
々の複合材料、酵素センサー、微生物分離剤、薬理活性
物質、あるいは層間におけるピラー形成によって新たな
触媒や多孔材料等を製造する際の層状化合物として有用
なものと期待できる。
【0023】また、これを酸処理して得られる結晶性層
状ポリケイ酸はシリカ分のみから成り、アモルファスシ
リカが利用されてきた用途、例えば触媒、触媒担体、充
填剤、吸着剤、脱臭剤等に対し、より高い性能を賦与で
きる可能性があり、更に前述と同様特殊構造を活用した
インターカレーション反応により、複合材料を始めとし
た種々の機能性材料創製のための層状化合物として有用
なものと期待できる。さらに、これらの層状ポリケイ酸
塩および層状ポリケイ酸が膜状に成形可能となれば、上
記用途に対しより高機能な材料としての応用が期待され
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 層状ポリケイ酸塩マガディアイトおよび
    ケニヤアイトの酸処理生成物から得られる膜状層間化合
    物。
  2. 【請求項2】 層状ポリケイ酸塩マガディアイトおよび
    ケニヤアイトの酸処理生成物をアルカリ性溶液で処理す
    ること、またその処理生成物を酸処理することによる上
    記1の膜状物質の製造法。
JP3167630A 1991-06-12 1991-06-12 膜状層間化合物及びその製造法 Expired - Lifetime JPH06104564B2 (ja)

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WO2012056704A1 (ja) 2010-10-29 2012-05-03 パナソニック株式会社 半導体素子および半導体装置
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