JPH06106391A - 円筒状構造物の片側突合せ溶接工法 - Google Patents
円筒状構造物の片側突合せ溶接工法Info
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- JPH06106391A JPH06106391A JP26039392A JP26039392A JPH06106391A JP H06106391 A JPH06106391 A JP H06106391A JP 26039392 A JP26039392 A JP 26039392A JP 26039392 A JP26039392 A JP 26039392A JP H06106391 A JPH06106391 A JP H06106391A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 圧力容器及び構造物等において、内部に人が
入れない場合、従来から行われてきた裏当金工法は、初
層部に欠陥が発生しやすく、かつ放射線検査が極めて困
難な工法であった。特に、高級材、例えばチタン合金等
で作られる高強度容器等ではネックになっていた。本発
明は繰返し荷重を受けるため、微小欠陥さえ許容されな
い構造物に対しても完全な溶込みを得ることができ、か
つ裏当材を容易に取り除けるため放射線検査も極めて容
易に行えることができる。 【構成】 裏当材にセラミックを接着剤で張り付けると
ともに、初層部に当たる部分の裏当材の箇所は余盛形状
を形成し、かつ、スパーク受金を兼ねた余盛整形板を配
設することにより最適形状の余盛を有する無欠陥完全溶
込み溶接部を得ることができる突合せ溶接工法。
入れない場合、従来から行われてきた裏当金工法は、初
層部に欠陥が発生しやすく、かつ放射線検査が極めて困
難な工法であった。特に、高級材、例えばチタン合金等
で作られる高強度容器等ではネックになっていた。本発
明は繰返し荷重を受けるため、微小欠陥さえ許容されな
い構造物に対しても完全な溶込みを得ることができ、か
つ裏当材を容易に取り除けるため放射線検査も極めて容
易に行えることができる。 【構成】 裏当材にセラミックを接着剤で張り付けると
ともに、初層部に当たる部分の裏当材の箇所は余盛形状
を形成し、かつ、スパーク受金を兼ねた余盛整形板を配
設することにより最適形状の余盛を有する無欠陥完全溶
込み溶接部を得ることができる突合せ溶接工法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は海上で使用される円筒状
構造物、圧力容器等に多く使用されている溶接構造物の
片側溶接に係わるものである。その中でも、近年需要が
増大しているチタン、チタン合金、アルミニウム等の材
質に特に有効な片側溶接工法に係るものである。
構造物、圧力容器等に多く使用されている溶接構造物の
片側溶接に係わるものである。その中でも、近年需要が
増大しているチタン、チタン合金、アルミニウム等の材
質に特に有効な片側溶接工法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】化学工業、ガス製造等で一般的によく使
用されている塔はその完成図を図8に示しているが、ス
カート6を除いて、チタンで作られており、又塔の内径
が小さく、例えば450mm程度なので、内側からの溶接
作業が難しく、裏当金26を使った片側突合せ溶接を行
っている。すなわち、この塔は、下部鏡板1と胴板2,
3及び上部鏡板4、更に、ノズル5、スカート6等によ
って構成されており、各部は円周溶接線7,8,9で接
続されている。この場合の胴板及び鏡板の板厚は6mmと
比較的薄い。塔中に収容する内容物は、塩素ガスであ
り、使用時の内圧は、大気圧から20kg/cm2 Gに亘っ
て絶えず変動する。
用されている塔はその完成図を図8に示しているが、ス
カート6を除いて、チタンで作られており、又塔の内径
が小さく、例えば450mm程度なので、内側からの溶接
作業が難しく、裏当金26を使った片側突合せ溶接を行
っている。すなわち、この塔は、下部鏡板1と胴板2,
3及び上部鏡板4、更に、ノズル5、スカート6等によ
って構成されており、各部は円周溶接線7,8,9で接
続されている。この場合の胴板及び鏡板の板厚は6mmと
比較的薄い。塔中に収容する内容物は、塩素ガスであ
り、使用時の内圧は、大気圧から20kg/cm2 Gに亘っ
て絶えず変動する。
【0003】図9は上記従来例の塔の製作工程を示して
いる。すなわち、まず図9(a)に示す如く、下部鏡板
1及び第1段胴板2は、支持台28にて横置きされてお
り、下部鏡板1の開放側端部には、事前に本体と同様チ
タン製の裏当金26が円周に亘って図10に示すよう
に、隅肉溶接27によって取付けられている。尚、従来
の技術でも、図2に示すように立てて施工する方法があ
るが、従来技術では、横置きで施工する方が容易である
が、立てて施工する従来例の場合も横置きの場合と同様
の課題を有するため、横置きの場合を例として述べる。
次に、第1段胴板2も支持台28にて横置きされてお
り、下部鏡板1と第1段胴板2は図9(b)の如く接続
される。
いる。すなわち、まず図9(a)に示す如く、下部鏡板
1及び第1段胴板2は、支持台28にて横置きされてお
り、下部鏡板1の開放側端部には、事前に本体と同様チ
タン製の裏当金26が円周に亘って図10に示すよう
に、隅肉溶接27によって取付けられている。尚、従来
の技術でも、図2に示すように立てて施工する方法があ
るが、従来技術では、横置きで施工する方が容易である
が、立てて施工する従来例の場合も横置きの場合と同様
の課題を有するため、横置きの場合を例として述べる。
次に、第1段胴板2も支持台28にて横置きされてお
り、下部鏡板1と第1段胴板2は図9(b)の如く接続
される。
【0004】ここで問題となるのが、各々の真円度であ
り、接合する両部材1,2の各々の端面の真円度は一致
することはなく、図10に示すように隙間31が大きく
なる。この影響をより詳しく説明したのが図11であ
る。図11(a)では、事前に裏当金26を隅肉溶接2
7で取付けた状態図を示しているが、隅肉溶接27の隅
肉溶込部30のように、隅肉溶接特有の不完全な溶込み
を呈しており、特に止端部32に欠陥が多く発生する。
次に、図11(b)に示す如く、本体溶接が行われるが
裏当溶込部29も同様に不完全な溶込みとなり、隙間3
1が大きければ大きい程、その傾向は大となり有害とな
る。同様に、止端部32にも多く欠陥が発生する。勿
論、溶接中は、シールガス用ノズル18より不活性ガス
を吹き付けながら行う。
り、接合する両部材1,2の各々の端面の真円度は一致
することはなく、図10に示すように隙間31が大きく
なる。この影響をより詳しく説明したのが図11であ
る。図11(a)では、事前に裏当金26を隅肉溶接2
7で取付けた状態図を示しているが、隅肉溶接27の隅
肉溶込部30のように、隅肉溶接特有の不完全な溶込み
を呈しており、特に止端部32に欠陥が多く発生する。
次に、図11(b)に示す如く、本体溶接が行われるが
裏当溶込部29も同様に不完全な溶込みとなり、隙間3
1が大きければ大きい程、その傾向は大となり有害とな
る。同様に、止端部32にも多く欠陥が発生する。勿
論、溶接中は、シールガス用ノズル18より不活性ガス
を吹き付けながら行う。
【0005】次に図11(c)のように、放射線検査
を、例えば、X線源22を外側に、フィルム23を内側
において行うが、前記、止端部32及び裏当溶込部29
の欠陥又は、不完全溶込部が欠陥模様を呈し、有害な欠
陥か有害でないか判然とせず、安全性の保証に支障をき
たしている。又、本塔のように内圧がはげしく変動し、
繰返し荷重を受けて、疲労破壊が問題となる場合にあっ
ては、尚更、これらの欠陥部が初期欠陥となってクラッ
ク進展の原因となるケースが多いため、このまま放置し
て使用する訳にはならない。従って、図11(d)のよ
うに、裏当金を除去して検査を行おうとするが、塔内径
が450mmと小さく作業者が容易に内部へ入れない。無
理して、内部に入ってダラインダーで裏当金を除去して
も、図に示す如く、不完全溶込部及び止端部が本体側に
残り、特にダラインダーで取り除けない部分を、タガネ
等でハツリ取るため、それらの部分の欠陥が更に増大し
ていく傾向にある。従って、この状態で放射線検査をし
ても、多くの欠陥が検出される場合が多く、故に、これ
ら欠陥を補修するケースが多い。しかして、本塔のよう
な、内径が小さい場合は、内部からの作業が極めて困難
であり、難解な問題となっている。尚、次には図9
(c)及び図9(d)に示すように、順次、片側溶接が
なされ、適宜、検査及び補修等を行って完了する。
を、例えば、X線源22を外側に、フィルム23を内側
において行うが、前記、止端部32及び裏当溶込部29
の欠陥又は、不完全溶込部が欠陥模様を呈し、有害な欠
陥か有害でないか判然とせず、安全性の保証に支障をき
たしている。又、本塔のように内圧がはげしく変動し、
繰返し荷重を受けて、疲労破壊が問題となる場合にあっ
ては、尚更、これらの欠陥部が初期欠陥となってクラッ
ク進展の原因となるケースが多いため、このまま放置し
て使用する訳にはならない。従って、図11(d)のよ
うに、裏当金を除去して検査を行おうとするが、塔内径
が450mmと小さく作業者が容易に内部へ入れない。無
理して、内部に入ってダラインダーで裏当金を除去して
も、図に示す如く、不完全溶込部及び止端部が本体側に
残り、特にダラインダーで取り除けない部分を、タガネ
等でハツリ取るため、それらの部分の欠陥が更に増大し
ていく傾向にある。従って、この状態で放射線検査をし
ても、多くの欠陥が検出される場合が多く、故に、これ
ら欠陥を補修するケースが多い。しかして、本塔のよう
な、内径が小さい場合は、内部からの作業が極めて困難
であり、難解な問題となっている。尚、次には図9
(c)及び図9(d)に示すように、順次、片側溶接が
なされ、適宜、検査及び補修等を行って完了する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来法
の裏当金方式の場合は、下記のような主な問題がある。 (1)横置きした状態で、裏当金された円筒端部と接続
する円筒端部を円周上凹凸なく合わせることが極めて困
難で、かつ、溶接後、継手の止端部及び不完全溶込部等
に、欠陥又は欠陥模様が多く発生する。従って、放射線
検査に合格しないケースが多い。 (2)又、裏当金された前記と同様の構造のものを、立
てて順次溶接した場合でも、裏当金付溶接部、すなわ
ち、隅肉溶込部30及び止端部32に発生する特有の前
記欠陥の発生を抑止することは、極めて困難である。更
に、立てて円筒物を築造した場合、裏当金の除去が極め
て難しく、裏当金除去作業が横置きに比べて、更に困難
となる。従って、放射線検査にも合格しないケースが多
々ある。
の裏当金方式の場合は、下記のような主な問題がある。 (1)横置きした状態で、裏当金された円筒端部と接続
する円筒端部を円周上凹凸なく合わせることが極めて困
難で、かつ、溶接後、継手の止端部及び不完全溶込部等
に、欠陥又は欠陥模様が多く発生する。従って、放射線
検査に合格しないケースが多い。 (2)又、裏当金された前記と同様の構造のものを、立
てて順次溶接した場合でも、裏当金付溶接部、すなわ
ち、隅肉溶込部30及び止端部32に発生する特有の前
記欠陥の発生を抑止することは、極めて困難である。更
に、立てて円筒物を築造した場合、裏当金の除去が極め
て難しく、裏当金除去作業が横置きに比べて、更に困難
となる。従って、放射線検査にも合格しないケースが多
々ある。
【0007】本発明は上記問題を解消する円筒状構造物
の片側突合せ溶接工法を提供するものである。
の片側突合せ溶接工法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明は、以下の構成を要旨とする。すなわち
(1)一端部に溶接整形治具を有する円筒状構造物の片
側突合せ溶接工法において、前記溶接整形治具を溶接熱
で融合しない耐熱材で構成するとともに、該溶接整形治
具の溶接余盛金属側に、溶接余盛板を配設の後、溶接す
ることを特徴とする円筒状構造物の片側突合せ溶接工法
であり、(2)一端部に溶接整形治具を有する円筒状構
造物の片側突合せ溶接工法において、前記一端部に有す
る溶接整形治具を円筒状の部材に接着材で取付け溶接
後、取り外し流用可能とすることを特徴とする円筒状構
造物の片側突合せ溶接工法である。
めに、本発明は、以下の構成を要旨とする。すなわち
(1)一端部に溶接整形治具を有する円筒状構造物の片
側突合せ溶接工法において、前記溶接整形治具を溶接熱
で融合しない耐熱材で構成するとともに、該溶接整形治
具の溶接余盛金属側に、溶接余盛板を配設の後、溶接す
ることを特徴とする円筒状構造物の片側突合せ溶接工法
であり、(2)一端部に溶接整形治具を有する円筒状構
造物の片側突合せ溶接工法において、前記一端部に有す
る溶接整形治具を円筒状の部材に接着材で取付け溶接
後、取り外し流用可能とすることを特徴とする円筒状構
造物の片側突合せ溶接工法である。
【0009】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。 (1)円筒構成部分を立てて、接続することにより、特
に薄肉の円筒部においては、自重による変形をなくすこ
とによって、接続時の凹凸を著しく低減できる。
に薄肉の円筒部においては、自重による変形をなくすこ
とによって、接続時の凹凸を著しく低減できる。
【0010】(2)初層溶接部に、スパーク受金を兼ね
た余盛整形板を配し、かつ、保熱効果のあるセラミック
材で形成された余盛整形治具によって、溶解された溶着
金属は適切な速度で凝固するとともに、不完全溶込部を
著しく低減させる効果と、更には、それらの保熱効果に
よって、前記治具を接着剤で接着した部分の接着力を漸
次低減せしめ、凝固完了時には、ほとんど接着力が失く
なって、治具の除去が極めて容易となる作用を呈する。
それと共に、円筒を立てているので、治具の脱落に対し
ても、落下防止が、横置きに比して容易となり脱落落下
による円筒部へのキズ及び治具自体の破損等を完全に防
止できる。
た余盛整形板を配し、かつ、保熱効果のあるセラミック
材で形成された余盛整形治具によって、溶解された溶着
金属は適切な速度で凝固するとともに、不完全溶込部を
著しく低減させる効果と、更には、それらの保熱効果に
よって、前記治具を接着剤で接着した部分の接着力を漸
次低減せしめ、凝固完了時には、ほとんど接着力が失く
なって、治具の除去が極めて容易となる作用を呈する。
それと共に、円筒を立てているので、治具の脱落に対し
ても、落下防止が、横置きに比して容易となり脱落落下
による円筒部へのキズ及び治具自体の破損等を完全に防
止できる。
【0011】(3)更に、前記治具により、溶接及び凝
固時の欠陥が極めて少なくなると共に、治具を取除く時
の無理な作用力又は衝撃等をかけることがないので、欠
陥の助長又は新たな欠陥の発生を全くなくすることがで
きる。
固時の欠陥が極めて少なくなると共に、治具を取除く時
の無理な作用力又は衝撃等をかけることがないので、欠
陥の助長又は新たな欠陥の発生を全くなくすることがで
きる。
【0012】(4)従って、本発明の治具は、再使用す
ることが可能となり、この面からもコストダウン及び工
期短縮に資することができる。
ることが可能となり、この面からもコストダウン及び工
期短縮に資することができる。
【0013】
〔実施例1〕図1に、本発明の一実施例の塔全体図を示
す。本塔は、図示の如く、下部鏡板1、胴2,3、上部
鏡板4、ノズル5、スカート6の部分によって構成さ
れ、円周溶接線7,8,9が形成される。円周溶接線
7,8,9部分には、全ての裏当金が除去されている。
す。本塔は、図示の如く、下部鏡板1、胴2,3、上部
鏡板4、ノズル5、スカート6の部分によって構成さ
れ、円周溶接線7,8,9が形成される。円周溶接線
7,8,9部分には、全ての裏当金が除去されている。
【0014】本塔は、塩素ガスのレシーバー容器として
使用され、内圧は大気圧から20kg/cm2 Gの間を頻繁
に変動するので、繰返し疲労がかかり、かつ収納ガスは
毒性ガスなので、塔の製作後、前記円周溶接部に許容さ
れる欠陥レベルは、極めて厳しいものである。すなわ
ち、クラック状の線状欠陥はゼロ、ブローホールのよう
な丸状欠陥は、単独では平均径2mm以下(高圧ガス取締
法をベースとして規定)としている。尚、各材料は、塩
素ガスによる腐食防止のためチタンを使用している。胴
2及び鏡板1,4の板厚は6mmであり、胴(2+3)の
長さは7mである。
使用され、内圧は大気圧から20kg/cm2 Gの間を頻繁
に変動するので、繰返し疲労がかかり、かつ収納ガスは
毒性ガスなので、塔の製作後、前記円周溶接部に許容さ
れる欠陥レベルは、極めて厳しいものである。すなわ
ち、クラック状の線状欠陥はゼロ、ブローホールのよう
な丸状欠陥は、単独では平均径2mm以下(高圧ガス取締
法をベースとして規定)としている。尚、各材料は、塩
素ガスによる腐食防止のためチタンを使用している。胴
2及び鏡板1,4の板厚は6mmであり、胴(2+3)の
長さは7mである。
【0015】図2(a)〜(d)は、その製作工程を示
している。すなわち、図2(a)では、下部鏡板1は、
スカート6と事前に接合され、立てた状態とされてい
る。下部鏡板1の開放端部には、余盛整形治具10が取
付けられており、その余盛整形治具10には、リング1
3が取付けられている。その取付け状態の詳細を図3に
示した通り、下部鏡板1に嫌気性強力接着剤14で余盛
整形治具10が事前に接着されている。又、この余盛整
形治具10には、リング用穴12を有するラグ11を固
定し、そのリング用穴12には、リング13が取付けら
れている。更に、余盛整形治具10には、溶接時に必要
な不活性ガス等のシールガス用のノズル18が設けられ
ている。又、余盛整形治具10は、図示の如く、開先部
分に必要な余盛形状の溝を有しており、その溝面には、
溶接スパーク受金を兼ねた余盛整形板19が配設されて
いる。
している。すなわち、図2(a)では、下部鏡板1は、
スカート6と事前に接合され、立てた状態とされてい
る。下部鏡板1の開放端部には、余盛整形治具10が取
付けられており、その余盛整形治具10には、リング1
3が取付けられている。その取付け状態の詳細を図3に
示した通り、下部鏡板1に嫌気性強力接着剤14で余盛
整形治具10が事前に接着されている。又、この余盛整
形治具10には、リング用穴12を有するラグ11を固
定し、そのリング用穴12には、リング13が取付けら
れている。更に、余盛整形治具10には、溶接時に必要
な不活性ガス等のシールガス用のノズル18が設けられ
ている。又、余盛整形治具10は、図示の如く、開先部
分に必要な余盛形状の溝を有しており、その溝面には、
溶接スパーク受金を兼ねた余盛整形板19が配設されて
いる。
【0016】余盛整形板19は本体と同じチタン材、本
例の場合、板厚が0.5mmで作られており、余盛整形治
具10は、本例の場合、シリカガラス系耐熱セラミック
スSiO2 で製造されている。但し、余盛整形板19
は、初層溶接時の母材への希釈を考えて、母材より元素
成分の多い金属を使ってもよい。本シリカガラス系セラ
ミックスは、融点1710℃、比重2.2、比熱0.1
8cal/g/℃、熱膨脹係数0.5×10-6/℃、熱伝導率
1.44 kcal/mh℃(100℃)、4.32 kcal/mh℃(10
00℃)であり、耐熱衝撃性は極めて優秀な材料である。
例の場合、板厚が0.5mmで作られており、余盛整形治
具10は、本例の場合、シリカガラス系耐熱セラミック
スSiO2 で製造されている。但し、余盛整形板19
は、初層溶接時の母材への希釈を考えて、母材より元素
成分の多い金属を使ってもよい。本シリカガラス系セラ
ミックスは、融点1710℃、比重2.2、比熱0.1
8cal/g/℃、熱膨脹係数0.5×10-6/℃、熱伝導率
1.44 kcal/mh℃(100℃)、4.32 kcal/mh℃(10
00℃)であり、耐熱衝撃性は極めて優秀な材料である。
【0017】下部鏡板1上には、図2(a)に示すよう
に、第1段階胴板2をクレーン17、フック16、ワイ
ヤー15で吊り下げて搬送し、図2(b)の状態図に示
す如く、胴板2を下部鏡板1と組合せる。この際、立て
た状態で組合せるので、従来法の横置き組合せで発生し
たような胴自体の自重による真円度の撓みは発生しな
い。従って、極めて良好な円筒部の面合せが達成でき、
次の工程の溶接作業に好結果を及ぼす。
に、第1段階胴板2をクレーン17、フック16、ワイ
ヤー15で吊り下げて搬送し、図2(b)の状態図に示
す如く、胴板2を下部鏡板1と組合せる。この際、立て
た状態で組合せるので、従来法の横置き組合せで発生し
たような胴自体の自重による真円度の撓みは発生しな
い。従って、極めて良好な円筒部の面合せが達成でき、
次の工程の溶接作業に好結果を及ぼす。
【0018】次に、図4に示すように、第1円周溶接線
7を形成するべく、シールガス用ノズルからシールガ
ス、本例の場合、アルゴンガスを全体に吹き付けなが
ら、溶接を開始する。余盛整形板19はアークをスパー
クさせると共に、次のような機能をもたせている。すな
わち、 (1)余盛整形板に盛られた初層溶着金属の熱が、余盛
整形治具10によって保熱され余盛整形板19と溶着金
属とを完全に融合せしめる。 (2)次に、各層の溶着金属を盛っていくと、それらの
熱によって更に余盛整形板19は溶解し、完全に溶着金
属の一部となり、かつ、その形状は、余盛整形板の初期
形状を保持する。 (3)初層溶着金属を溶接する際のスパーク発生の受金
としての機能も、本余盛整形板19は受持つと共に、余
盛整形治具10に直接スパークが当たって大きな熱衝撃
が直接治具にかかるのを防止している。
7を形成するべく、シールガス用ノズルからシールガ
ス、本例の場合、アルゴンガスを全体に吹き付けなが
ら、溶接を開始する。余盛整形板19はアークをスパー
クさせると共に、次のような機能をもたせている。すな
わち、 (1)余盛整形板に盛られた初層溶着金属の熱が、余盛
整形治具10によって保熱され余盛整形板19と溶着金
属とを完全に融合せしめる。 (2)次に、各層の溶着金属を盛っていくと、それらの
熱によって更に余盛整形板19は溶解し、完全に溶着金
属の一部となり、かつ、その形状は、余盛整形板の初期
形状を保持する。 (3)初層溶着金属を溶接する際のスパーク発生の受金
としての機能も、本余盛整形板19は受持つと共に、余
盛整形治具10に直接スパークが当たって大きな熱衝撃
が直接治具にかかるのを防止している。
【0019】以上の機能を有する余盛整形板19及び余
盛整形治具10によって、順次溶着金属が盛られていく
が、前記シリカガラス系耐熱セラミックスで作られた余
盛整形治具10は、更に、次の機能を有する。すなわ
ち、 (1)余盛整形治具10は、前記余盛整形板19の支持
台として作用すると共に、保熱機能を有し、溶接された
溶着金属の治具面からの放熱は極めて少量で、治具面と
は、反対側、すなわち溶着金属側及び本体金属側に向か
って移動する。従って、余盛整形板と溶着金属との融合
及び余盛整形板の溶解並びに、その後に盛られる溶着金
属及び本体との溶込部に必要な熱量が十分に確保でき、
完全な溶接部を得ることができる。 (2)次に、本例の場合、溶接中は大気を遮断する必要
があり、シールガス用ノズル18からアルゴンガスをバ
ックシールとして流す機能をもたせている。 (3)更に、前記余盛整形板が溶解し、その溶解部と直
接溝面で触れることにより、溶解部の形状を溝面形状に
なぞらわせしめ、円滑な余盛形状を形成することができ
る。 (4)次に、当該余盛整形治具10は、接着剤14で接
着されているが、溶接することによって、接着剤の初期
接着力は、溶接熱によって劣化するために低減し、溶接
が完了した時点の接着力は、極めて小さい。従って、溶
接完了後、これらの余盛整形治具を取り外すのが極めて
容易であり、かつ、接着部に有害な欠陥が残らない。
盛整形治具10によって、順次溶着金属が盛られていく
が、前記シリカガラス系耐熱セラミックスで作られた余
盛整形治具10は、更に、次の機能を有する。すなわ
ち、 (1)余盛整形治具10は、前記余盛整形板19の支持
台として作用すると共に、保熱機能を有し、溶接された
溶着金属の治具面からの放熱は極めて少量で、治具面と
は、反対側、すなわち溶着金属側及び本体金属側に向か
って移動する。従って、余盛整形板と溶着金属との融合
及び余盛整形板の溶解並びに、その後に盛られる溶着金
属及び本体との溶込部に必要な熱量が十分に確保でき、
完全な溶接部を得ることができる。 (2)次に、本例の場合、溶接中は大気を遮断する必要
があり、シールガス用ノズル18からアルゴンガスをバ
ックシールとして流す機能をもたせている。 (3)更に、前記余盛整形板が溶解し、その溶解部と直
接溝面で触れることにより、溶解部の形状を溝面形状に
なぞらわせしめ、円滑な余盛形状を形成することができ
る。 (4)次に、当該余盛整形治具10は、接着剤14で接
着されているが、溶接することによって、接着剤の初期
接着力は、溶接熱によって劣化するために低減し、溶接
が完了した時点の接着力は、極めて小さい。従って、溶
接完了後、これらの余盛整形治具を取り外すのが極めて
容易であり、かつ、接着部に有害な欠陥が残らない。
【0020】これらの接着力の調整は、接着剤の種類、
厚み、接着面積及び接着剤幅24等によることは勿論、
図4で示す如く、止端間隔25にも負うところが大であ
る。本例の場合は、嫌気性強力接着剤を使用し、厚みは
0.1mm、止端間隔は16mm、接着剤幅24は10mmで
あった。
厚み、接着面積及び接着剤幅24等によることは勿論、
図4で示す如く、止端間隔25にも負うところが大であ
る。本例の場合は、嫌気性強力接着剤を使用し、厚みは
0.1mm、止端間隔は16mm、接着剤幅24は10mmで
あった。
【0021】以上の機能を有する余盛整形板19及び余
盛整形治具10によって形成された裏当材を有する第1
円周溶接線7は、その溶接を完了する。溶接完了後は、
図2(c)に示す如く、クレーン17によってワイヤー
15を軽く引張ることによって接着剤14は剥離され
て、余盛整形治具10が除去される。以上の作業工程を
繰返すことによって、裏当金のない片側突合せ溶接が完
了する。その時の状態図を図5に示している。
盛整形治具10によって形成された裏当材を有する第1
円周溶接線7は、その溶接を完了する。溶接完了後は、
図2(c)に示す如く、クレーン17によってワイヤー
15を軽く引張ることによって接着剤14は剥離され
て、余盛整形治具10が除去される。以上の作業工程を
繰返すことによって、裏当金のない片側突合せ溶接が完
了する。その時の状態図を図5に示している。
【0022】図6は、溶接部及び治具部等を詳しく図示
したものである。すなわち、図6(a)は、余盛整形治
具10を接着剤14で取付けており、図6(b)は、そ
の拡大図であるが、余盛整形板19は、ごく少量の接着
剤14で取付けられている。図6(c)は、溶接完了時
を示しているが、余盛整形板19は完全に溶解し、初層
溶接部20及び止端部32等に不完全溶込部やクラック
等の有害な欠陥の発生はなかった。更に、図6(d)
は、余盛整形治具10を除去した後、放射線検査を行っ
た時の状態図を示している。前記の如く、初層溶接部2
0及び止端部32に欠陥又は疑似欠陥がないため、検査
の判定が極めて容易であった。
したものである。すなわち、図6(a)は、余盛整形治
具10を接着剤14で取付けており、図6(b)は、そ
の拡大図であるが、余盛整形板19は、ごく少量の接着
剤14で取付けられている。図6(c)は、溶接完了時
を示しているが、余盛整形板19は完全に溶解し、初層
溶接部20及び止端部32等に不完全溶込部やクラック
等の有害な欠陥の発生はなかった。更に、図6(d)
は、余盛整形治具10を除去した後、放射線検査を行っ
た時の状態図を示している。前記の如く、初層溶接部2
0及び止端部32に欠陥又は疑似欠陥がないため、検査
の判定が極めて容易であった。
【0023】〔実施例2〕図7は、実施例1と一部異っ
ている例を示しているが、余盛整形板19が平板であ
り、実施例1の曲板と異なっている。従って、余盛整形
治具10の当該部分も平面となっており、溶接初層部の
余盛は平面となる。すなわち、図7(a)は、前述と同
様に、治具接着時、図7(b)は、その拡大図、図7
(c)は、溶接完了時、図7(d)は、治具除去及び放
射線検査時の状態図を示している。その他は、実施例1
と同様である。
ている例を示しているが、余盛整形板19が平板であ
り、実施例1の曲板と異なっている。従って、余盛整形
治具10の当該部分も平面となっており、溶接初層部の
余盛は平面となる。すなわち、図7(a)は、前述と同
様に、治具接着時、図7(b)は、その拡大図、図7
(c)は、溶接完了時、図7(d)は、治具除去及び放
射線検査時の状態図を示している。その他は、実施例1
と同様である。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、前
述の課題を解決することができ、以下の効果を得ること
ができた。すなわち、片側突合せ溶接を行う場合、初層
部は余盛整形板及び余盛整形治具によって、完全溶込溶
接ができ、かつ、余盛は任意形状に得ることができるよ
うになった。更に、溶接完了時は余盛整形治具を容易に
かつ、欠陥もなく取り外すことができ、以上の効果と共
にその製作コスト及び製作期間も極めて、良好な成果を
得た。
述の課題を解決することができ、以下の効果を得ること
ができた。すなわち、片側突合せ溶接を行う場合、初層
部は余盛整形板及び余盛整形治具によって、完全溶込溶
接ができ、かつ、余盛は任意形状に得ることができるよ
うになった。更に、溶接完了時は余盛整形治具を容易に
かつ、欠陥もなく取り外すことができ、以上の効果と共
にその製作コスト及び製作期間も極めて、良好な成果を
得た。
【図1】本発明の完成時の塔全体図を示す説明図。
【図2】(a),(b),(c)及び(d)は本発明実
施例の製作工程を示す説明図。
施例の製作工程を示す説明図。
【図3】本発明の余盛整形治具を接着した図を示す説明
図。
図。
【図4】図3における溶接完了状況を示す説明図。
【図5】図4の治具を除去した状況を示す説明図。
【図6】本発明の溶接部における工程説明図であり、
(a)は治具接着時、(b)はその拡大図、(c)は溶
接完了時、(d)は治具除去後の放射線検査時の状態を
示す説明図である。
(a)は治具接着時、(b)はその拡大図、(c)は溶
接完了時、(d)は治具除去後の放射線検査時の状態を
示す説明図である。
【図7】本発明の別の例の溶接部における工程説明図で
あり、(a)は治具接着時、(b)はその拡大図、
(c)は溶接完了時、(d)は治具除去後の放射線検査
時の状態を示す説明図である。
あり、(a)は治具接着時、(b)はその拡大図、
(c)は溶接完了時、(d)は治具除去後の放射線検査
時の状態を示す説明図である。
【図8】従来法の塔全体図。
【図9】(a),(b),(c)及び(d)は従来法の
製作工程を示す説明図。
製作工程を示す説明図。
【図10】従来法の溶接部を示す説明図。
【図11】(a),(b),(c)及び(d)は従来法
の裏当金方式の詳細説明図である。
の裏当金方式の詳細説明図である。
1 下部鏡板 2 第1段胴板 3 第2段胴板 4 上部鏡板 5 ノズル 6 スカート 7 第1円周溶接線 8 第2円周溶接線 9 第3円周溶接線 10 余盛整形治具 11 ラグ 12 リング用穴 13 リング 14 接着剤 15 ワイヤー 16 フック 17 クレーン 18 シールガス用ノズル 19 余盛整形板 20 初層溶接部 21 接着剤厚さ 22 X線源 23 フィルム 24 接着剤幅 25 止端間隔 26 裏当金 27 隅肉溶接 28 支持台 29 裏当溶込部 30 隅肉溶込部 31 隙間 32 止端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芝村 謙太郎 福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 新 日本製鐵株式会社機械・プラント事業部内
Claims (2)
- 【請求項1】 一端部に溶接整形治具を有する円筒状構
造物の片側突合せ溶接工法において、前記溶接整形治具
を溶接熱で融合しない耐熱材で構成するとともに、該溶
接整形治具の溶接余盛金属側に、溶接余盛板を配設の
後、溶接することを特徴とする円筒状構造物の片側突合
せ溶接工法。 - 【請求項2】 一端部に溶接整形治具を有する円筒状構
造物の片側突合せ溶接工法において、前記一端部に有す
る溶接整形治具を円筒状の部材に接着材で取付け溶接
後、取り外し流用可能とすることを特徴とする円筒状構
造物の片側突合せ溶接工法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26039392A JPH06106391A (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | 円筒状構造物の片側突合せ溶接工法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26039392A JPH06106391A (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | 円筒状構造物の片側突合せ溶接工法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06106391A true JPH06106391A (ja) | 1994-04-19 |
Family
ID=17347302
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26039392A Withdrawn JPH06106391A (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | 円筒状構造物の片側突合せ溶接工法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06106391A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006057821A (ja) * | 2004-08-24 | 2006-03-02 | Nippon Sharyo Seizo Kaisha Ltd | バルク貯槽の製造方法及び製造装置 |
| JP2012140779A (ja) * | 2010-12-28 | 2012-07-26 | Tadamasa Yamaguchi | シェルター内殻ユニットの溶接接合方法と溶接接合構造 |
-
1992
- 1992-09-29 JP JP26039392A patent/JPH06106391A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006057821A (ja) * | 2004-08-24 | 2006-03-02 | Nippon Sharyo Seizo Kaisha Ltd | バルク貯槽の製造方法及び製造装置 |
| JP2012140779A (ja) * | 2010-12-28 | 2012-07-26 | Tadamasa Yamaguchi | シェルター内殻ユニットの溶接接合方法と溶接接合構造 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19991130 |