JPH06108187A - 窒素添加高強度チタン合金 - Google Patents
窒素添加高強度チタン合金Info
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- JPH06108187A JPH06108187A JP25945892A JP25945892A JPH06108187A JP H06108187 A JPH06108187 A JP H06108187A JP 25945892 A JP25945892 A JP 25945892A JP 25945892 A JP25945892 A JP 25945892A JP H06108187 A JPH06108187 A JP H06108187A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】N、Al、Oを含有し、これらが重量%で、
0.06≦N≦0.20、2.0≦Al≦6.0、8.
2≦Al+20×O+40×N≦14.6の関係を満足
し、さらに、V,Moのうち1種以上、Fe,Cr,M
nのうち1種以上含有し、これらが重量%で、6.2≦
V+Mo+2×(Fe+Cr+Mn)≦12.1、1.
0≦Moの関係を満足し、残部がTi及び不可避的不純
物からなる窒素添加高強度チタン合金。 【効果】複雑な熱処理を用いず1回の熱処理により高強
度を維持しつつ高い延性を得ることができ、かつ熱間変
形抵抗が低く優れた熱間加工性を有する窒素添加高強度
チタン合金が提供される。
0.06≦N≦0.20、2.0≦Al≦6.0、8.
2≦Al+20×O+40×N≦14.6の関係を満足
し、さらに、V,Moのうち1種以上、Fe,Cr,M
nのうち1種以上含有し、これらが重量%で、6.2≦
V+Mo+2×(Fe+Cr+Mn)≦12.1、1.
0≦Moの関係を満足し、残部がTi及び不可避的不純
物からなる窒素添加高強度チタン合金。 【効果】複雑な熱処理を用いず1回の熱処理により高強
度を維持しつつ高い延性を得ることができ、かつ熱間変
形抵抗が低く優れた熱間加工性を有する窒素添加高強度
チタン合金が提供される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱間鍛造時の製造性
に優れた窒素添加高強度チタン合金に関する。
に優れた窒素添加高強度チタン合金に関する。
【0002】
【従来技術】チタン材料の高強度化は、O(酸素),A
l,V等の元素を添加することによってなされ、現在種
々の組成の高強度チタン合金が存在する。日本において
はチタン合金は規格化されていないが、工業用純チタン
はJISによりO,Fe含有量によって規定されてい
る。そして、これらの含有量が多い程高強度化すること
が知られている。一方、米国においては、チタン合金を
含めた多数のチタン材料がASTM等に規格化されてい
る。しかし、N(窒素)は不可避不純物として規定され
ただけである。例えば、代表的チタン合金であるTi−
6Al−4VにおいてNは0.05wt%以下であり、
他の大部分のチタン合金も同様であり、Ti−5Al−
2.5Sn合金においてNが0.07wt%以下と若干
高く規定されているのみである。このようにNを積極的
に添加して高強度化を図った規格化されたチタン合金は
未だ存在しない。
l,V等の元素を添加することによってなされ、現在種
々の組成の高強度チタン合金が存在する。日本において
はチタン合金は規格化されていないが、工業用純チタン
はJISによりO,Fe含有量によって規定されてい
る。そして、これらの含有量が多い程高強度化すること
が知られている。一方、米国においては、チタン合金を
含めた多数のチタン材料がASTM等に規格化されてい
る。しかし、N(窒素)は不可避不純物として規定され
ただけである。例えば、代表的チタン合金であるTi−
6Al−4VにおいてNは0.05wt%以下であり、
他の大部分のチタン合金も同様であり、Ti−5Al−
2.5Sn合金においてNが0.07wt%以下と若干
高く規定されているのみである。このようにNを積極的
に添加して高強度化を図った規格化されたチタン合金は
未だ存在しない。
【0003】特開平1−252747には、純チタンに
N,O,C等を積極的に添加して高強度化を試みている
が、強度の絶対値が高くない割には延性の低下が大き
く、代表的なチタン合金であるTi−6Al−4V合金
に比べて機械的性質上の有利な点があるとは考えられな
い。
N,O,C等を積極的に添加して高強度化を試みている
が、強度の絶対値が高くない割には延性の低下が大き
く、代表的なチタン合金であるTi−6Al−4V合金
に比べて機械的性質上の有利な点があるとは考えられな
い。
【0004】特開平2−173234や特開平3−27
42381には、Al,V,Mo,Fe等の合金元素を
添加した高強度チタン合金が提案されているが、Nは不
可避不純物と考えられ、その量はASTM規格等で規格
されている0.05wt%以下であると考えられる。従
ってNを積極的に添加して高強度化したチタン合金では
ない。また、これらの合金の特徴は、800℃以下の温
度で変形抵抗が小さく加工性(超塑性伸び)が優れてい
ることであり、最適な熱間加工温度は800℃以下であ
ると考えられる。しかし加工時の歪速度が非常に小さい
超塑性加工とは異なり、歪速度の大きい熱間鍛造では、
800℃以下の加工温度においてチタン材料自体の弾性
率が大きく反発力が高くなりハネ等が発生するため、製
造性が良いとは言えない。
42381には、Al,V,Mo,Fe等の合金元素を
添加した高強度チタン合金が提案されているが、Nは不
可避不純物と考えられ、その量はASTM規格等で規格
されている0.05wt%以下であると考えられる。従
ってNを積極的に添加して高強度化したチタン合金では
ない。また、これらの合金の特徴は、800℃以下の温
度で変形抵抗が小さく加工性(超塑性伸び)が優れてい
ることであり、最適な熱間加工温度は800℃以下であ
ると考えられる。しかし加工時の歪速度が非常に小さい
超塑性加工とは異なり、歪速度の大きい熱間鍛造では、
800℃以下の加工温度においてチタン材料自体の弾性
率が大きく反発力が高くなりハネ等が発生するため、製
造性が良いとは言えない。
【0005】一方、文献 Titanium A Te
chnical Guide(ASM INTERNA
TIONAL,Metals Park,1988 P
62〜P68に述べられているように、チタン合金を高
強度化する方法として、熱処理(溶体化時効処理)によ
る方法がある。しかし、溶体化時効処理は、熱処理を2
回しなければならないこと、また溶体化後の冷却速度に
よって得られる強度が変化するため大型部材では高強度
が得にくいこと等の欠点がある。
chnical Guide(ASM INTERNA
TIONAL,Metals Park,1988 P
62〜P68に述べられているように、チタン合金を高
強度化する方法として、熱処理(溶体化時効処理)によ
る方法がある。しかし、溶体化時効処理は、熱処理を2
回しなければならないこと、また溶体化後の冷却速度に
よって得られる強度が変化するため大型部材では高強度
が得にくいこと等の欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明はかかる事情
に鑑みてなされたものであって、複雑な熱処理を用い
ず、一回の熱処理(焼鈍)で高強度を維持しつつ優れた
延性を得ることができ、かつ熱間変形抵抗が低く優れた
熱間加工性を有する窒素添加高強度チタン合金を提供す
ることを目的とする。
に鑑みてなされたものであって、複雑な熱処理を用い
ず、一回の熱処理(焼鈍)で高強度を維持しつつ優れた
延性を得ることができ、かつ熱間変形抵抗が低く優れた
熱間加工性を有する窒素添加高強度チタン合金を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】この発明は、
N、Al、Oを含有し、これらが重量%で、 0.06≦N≦0.20 2.0≦Al≦6.0 8.2≦Al+20×O+40×N≦14.6 の関係を満足し、さらに、V,Moのうち1種以上、F
e,Cr,Mnのうち1種以上含有し、これらが重量%
で、 6.2≦V+Mo+2×(Fe+Cr+Mn)≦12.1 1.0≦Mo の関係を満足し、残部がTi及び不可避的不純物からな
ることを特徴とする窒素添加高強度チタン合金を提供す
る。
N、Al、Oを含有し、これらが重量%で、 0.06≦N≦0.20 2.0≦Al≦6.0 8.2≦Al+20×O+40×N≦14.6 の関係を満足し、さらに、V,Moのうち1種以上、F
e,Cr,Mnのうち1種以上含有し、これらが重量%
で、 6.2≦V+Mo+2×(Fe+Cr+Mn)≦12.1 1.0≦Mo の関係を満足し、残部がTi及び不可避的不純物からな
ることを特徴とする窒素添加高強度チタン合金を提供す
る。
【0008】本願発明者らが、上記課題を解決するため
検討を重ねた結果、室温において大きな強度上昇をもた
らし実質的に熱間加工時の変形抵抗を低下させる元素と
してNが有効であることを見出した。Nはβ変態点を大
きく上昇させる効果があり、このためN添加チタン合金
のα+β域の上限温度が上昇する。α+β型チタン合金
の熱間加工は通常α+β域で行なわれるため、上限温度
すなわちβ変態点の上昇は実質的に加工温度の上昇を意
味し、温度上昇分だけ材料は軟化し熱間変形抵抗は低下
する。
検討を重ねた結果、室温において大きな強度上昇をもた
らし実質的に熱間加工時の変形抵抗を低下させる元素と
してNが有効であることを見出した。Nはβ変態点を大
きく上昇させる効果があり、このためN添加チタン合金
のα+β域の上限温度が上昇する。α+β型チタン合金
の熱間加工は通常α+β域で行なわれるため、上限温度
すなわちβ変態点の上昇は実質的に加工温度の上昇を意
味し、温度上昇分だけ材料は軟化し熱間変形抵抗は低下
する。
【0009】この発明は、本願発明者らのこのような知
見に基づき、Nを一定量添加すると共に、以下の点を考
慮しつつ上記N添加の効果を損なわない他の合金元素の
組成を選定し、完成されたものである。
見に基づき、Nを一定量添加すると共に、以下の点を考
慮しつつ上記N添加の効果を損なわない他の合金元素の
組成を選定し、完成されたものである。
【0010】1)焼鈍熱処理後にTi−6Al−4V合
金以上の強度が得られること。このためには、N単独添
加では強度不足のため、他の強化元素であるAl,O,
V,Mo,Fe,Cr,Mnを複合添加する。
金以上の強度が得られること。このためには、N単独添
加では強度不足のため、他の強化元素であるAl,O,
V,Mo,Fe,Cr,Mnを複合添加する。
【0011】2)強度上昇による極端な延性劣化が起こ
らないこと。このために、α相とβ相の混合組織となる
ように、α安定化元素(N,Al,O)だけでなく、こ
れらと共に適量β安定化元素(V,Mo,Fe,Cr,
Mn)を添加する。さらに、これにより結晶粒の微細化
を図り延性を向上させる。 3)β変態点を900℃以上にすること。このために、
α安定化元素とβ安定化元素のバランスを考慮する。
らないこと。このために、α相とβ相の混合組織となる
ように、α安定化元素(N,Al,O)だけでなく、こ
れらと共に適量β安定化元素(V,Mo,Fe,Cr,
Mn)を添加する。さらに、これにより結晶粒の微細化
を図り延性を向上させる。 3)β変態点を900℃以上にすること。このために、
α安定化元素とβ安定化元素のバランスを考慮する。
【0012】なお、Nを添加する場合にTiNのような
高融点の化合物を用いると、溶解時に溶け残りが生じる
恐れがある。従って、N添加用の溶解原料として低融点
のフェロ窒化クロム、窒化マンガンを使用することが好
ましい。以下、本発明について詳細に説明する。先ず各
元素添加量の限定理由について述べる。
高融点の化合物を用いると、溶解時に溶け残りが生じる
恐れがある。従って、N添加用の溶解原料として低融点
のフェロ窒化クロム、窒化マンガンを使用することが好
ましい。以下、本発明について詳細に説明する。先ず各
元素添加量の限定理由について述べる。
【0013】Nは強度上昇やβ変態点上昇に非常に有効
な元素であるが、過度に添加した場合には延性や靱性の
極端な低下をもたらす。そして、N量が0.06重量%
よりも少ないとその効果が現われず、延性や靱性の低下
は0.20重量%を超えると大きくなる。このためNの
含有量を0.06重量%以上0.20重量%以下に規定
する。
な元素であるが、過度に添加した場合には延性や靱性の
極端な低下をもたらす。そして、N量が0.06重量%
よりも少ないとその効果が現われず、延性や靱性の低下
は0.20重量%を超えると大きくなる。このためNの
含有量を0.06重量%以上0.20重量%以下に規定
する。
【0014】AlはNと同様にα安定化元素であり強度
上昇やβ変態点上昇に有効な元素であり、NやOと共に
添加することにより大きな強度上昇を得ることができ
る。さらにα+β二相混合組織の形成にも重要な役割を
はたす。しかし、Al量が2.0重量%より少ないと高
強度が得られず、6.0重量%を超えると延性、靱性の
劣化が著しくなる。このためAl量を2.0重量%以
上、6.0重量%以下に規定する。
上昇やβ変態点上昇に有効な元素であり、NやOと共に
添加することにより大きな強度上昇を得ることができ
る。さらにα+β二相混合組織の形成にも重要な役割を
はたす。しかし、Al量が2.0重量%より少ないと高
強度が得られず、6.0重量%を超えると延性、靱性の
劣化が著しくなる。このためAl量を2.0重量%以
上、6.0重量%以下に規定する。
【0015】さらにα安定化元素量と強度・延性との関
係について様々な実験結果をまとめることにより、Al
+20×O+40×Nで表わされるα安定化元素量(α
s)が8.2より小さいと強度が十分に高くなく、1
4.6を超えると延性の低下が顕著になることが判明し
た。従って、Al+20×O+40×Nの値を8.2以
上、14.6以下に限定した。
係について様々な実験結果をまとめることにより、Al
+20×O+40×Nで表わされるα安定化元素量(α
s)が8.2より小さいと強度が十分に高くなく、1
4.6を超えると延性の低下が顕著になることが判明し
た。従って、Al+20×O+40×Nの値を8.2以
上、14.6以下に限定した。
【0016】微細なα+β二相組織を得るためには、β
安定化元素を適量添加する必要がある。この場合に、N
添加による高強度化を効果的に達成するためには、β安
定化元素としてβ全率固溶型のV,Moのうち少なくと
も1種及び共析型のFe,Cr,Mnのうち少なくとも
1種を添加することが必要である。共析型β安定化元素
は加工性の良好なβ相を安定化させる効果が大きいた
め、高強度化したときの延性、靱性の低下防止に重要な
役割をはたす。しかし、共析型元素はTiとの間で脆い
金属間化合物をつくりやすいため多量には添加できな
い。このため、Tiとの間で脆い金属間化合物を形成し
にくいV,Moと複合添加してβ相の安定化をはかるこ
とが必要となる。このようなβ安定化元素添加の効果を
実験結果からまとめるとV+Mo+2×(Fe+Cr+
Mn)の値が6.2より小さいと延性が劣化してしま
い、12.1より大きいとβ変態点が低下しすぎてしま
うことが判明した。従って、V+Mo+2×(Fe+C
r+Mn)の値を6.2以上12.1以下に規定する。
安定化元素を適量添加する必要がある。この場合に、N
添加による高強度化を効果的に達成するためには、β安
定化元素としてβ全率固溶型のV,Moのうち少なくと
も1種及び共析型のFe,Cr,Mnのうち少なくとも
1種を添加することが必要である。共析型β安定化元素
は加工性の良好なβ相を安定化させる効果が大きいた
め、高強度化したときの延性、靱性の低下防止に重要な
役割をはたす。しかし、共析型元素はTiとの間で脆い
金属間化合物をつくりやすいため多量には添加できな
い。このため、Tiとの間で脆い金属間化合物を形成し
にくいV,Moと複合添加してβ相の安定化をはかるこ
とが必要となる。このようなβ安定化元素添加の効果を
実験結果からまとめるとV+Mo+2×(Fe+Cr+
Mn)の値が6.2より小さいと延性が劣化してしま
い、12.1より大きいとβ変態点が低下しすぎてしま
うことが判明した。従って、V+Mo+2×(Fe+C
r+Mn)の値を6.2以上12.1以下に規定する。
【0017】Moはα+β二相組織の微細化に大きな効
果がある元素である。従って、高強度を維持しつつ十分
な延性を得るためにはMoを添加して合金のミクロ組織
を微細化することが効果的である。しかし、Mo量が
1.0重量%より少ないとその効果を実質に得ることが
できない。従ってMo量を1.0重量%以上に規定す
る。
果がある元素である。従って、高強度を維持しつつ十分
な延性を得るためにはMoを添加して合金のミクロ組織
を微細化することが効果的である。しかし、Mo量が
1.0重量%より少ないとその効果を実質に得ることが
できない。従ってMo量を1.0重量%以上に規定す
る。
【0018】チタン合金中へのNの添加にはTiNのよ
うな高融点の化合物を使用することが考えられるが、こ
のような高融点化合物を添加すると溶け残ってチタン合
金中に介在物として残留する可能性がある。この可能性
を低減させるためには、より低融点の窒素化合物を使用
することが考えられる。この際に同時にFeやCr,M
n等も添加できれば極めて効率的である。これらのこと
を考慮すると、窒素の添加原料としてフェロ窒化クロム
や窒化マンガンを用いることが好ましい。実際に用いた
窒素化合物の組成はそれぞれ34.9重量%Fe,5
7.7重量%Cr,7.2重量%N及び93.4重量%
Mn,6.6重量%Nであるが、組成が多少変化しても
効果を失うものではない。
うな高融点の化合物を使用することが考えられるが、こ
のような高融点化合物を添加すると溶け残ってチタン合
金中に介在物として残留する可能性がある。この可能性
を低減させるためには、より低融点の窒素化合物を使用
することが考えられる。この際に同時にFeやCr,M
n等も添加できれば極めて効率的である。これらのこと
を考慮すると、窒素の添加原料としてフェロ窒化クロム
や窒化マンガンを用いることが好ましい。実際に用いた
窒素化合物の組成はそれぞれ34.9重量%Fe,5
7.7重量%Cr,7.2重量%N及び93.4重量%
Mn,6.6重量%Nであるが、組成が多少変化しても
効果を失うものではない。
【0019】以上のように本発明によれば、高強度化に
非常に有効なNを積極的に添加し、さらにα安定化元素
量、β安定化元素量を最適化することにより、(1)高
強度かつ高延性であり、かつ(2)β変態点が900℃
以上で熱間鍛造し易いチタン合金が提供される。
非常に有効なNを積極的に添加し、さらにα安定化元素
量、β安定化元素量を最適化することにより、(1)高
強度かつ高延性であり、かつ(2)β変態点が900℃
以上で熱間鍛造し易いチタン合金が提供される。
【0020】従って、複雑な熱処理を用いず、一回の焼
鈍熱処理によっても高強度と十分な延性が得られる。ま
た熱間鍛造時にはβ変態点が900℃以上のため高温で
熱間加工ができ、低変形応力、高延性であるため製造性
に優れている。
鈍熱処理によっても高強度と十分な延性が得られる。ま
た熱間鍛造時にはβ変態点が900℃以上のため高温で
熱間加工ができ、低変形応力、高延性であるため製造性
に優れている。
【0021】
【実施例】表1に示した種々のチタン合金を非消耗型ア
ルゴンアーク炉にて溶解し、β域(1100℃加熱)で
鍛造後、α+β域(850℃加熱)で10mm厚に熱間
圧延した。この圧延板に対し、720℃に加熱して1時
間保持後空冷するという条件の焼鈍処理を施こし、添加
元素が強度、延性、熱間加工性に及ぼす影響を試験する
ための供試材とした。表1中合金番号1〜14は本発明
の範囲に含まれる実施例であり、合金番号15〜24は
その範囲から外れる比較例である。また、合金番号2,
3,5〜7,9〜14,21,22,24はフェロ窒化
クロム又は窒化マンガンを溶解原料として使用した。な
お、表1のαsはAl+20×O+40×Nを示し、β
sはV+Mo+2×(Fe+Cr+Mn)を示す。
ルゴンアーク炉にて溶解し、β域(1100℃加熱)で
鍛造後、α+β域(850℃加熱)で10mm厚に熱間
圧延した。この圧延板に対し、720℃に加熱して1時
間保持後空冷するという条件の焼鈍処理を施こし、添加
元素が強度、延性、熱間加工性に及ぼす影響を試験する
ための供試材とした。表1中合金番号1〜14は本発明
の範囲に含まれる実施例であり、合金番号15〜24は
その範囲から外れる比較例である。また、合金番号2,
3,5〜7,9〜14,21,22,24はフェロ窒化
クロム又は窒化マンガンを溶解原料として使用した。な
お、表1のαsはAl+20×O+40×Nを示し、β
sはV+Mo+2×(Fe+Cr+Mn)を示す。
【0022】
【表1】 これらの供試材を室温引張試験に供して室温での機械的
特性を評価し、さらにこれらのβ変態点及び熱間加工性
を把握した。
特性を評価し、さらにこれらのβ変態点及び熱間加工性
を把握した。
【0023】室温引張試験は、平行部直径6.25m
m、ゲージ長25mmの引張試験片を用いて行なった。
熱間加工性の調査は、平行部直径6.0mm、長さ32
mmの引張試験片を用い、875℃に真空中で加熱して
歪速度10s-1で熱間引張試験を行ない減面率(RA)
で評価した。チタン合金のβ変態点は、圧延板から丸棒
状(直径3mm)の電気抵抗試験片を採取して、連続加
熱時の電気抵抗の変化からβ単相になる温度を求めて測
定した。これらの結果を表2に示す。なお、合金番号2
0及び24はβ変態点が900℃以下のため熱間加工性
を測定しなかった。
m、ゲージ長25mmの引張試験片を用いて行なった。
熱間加工性の調査は、平行部直径6.0mm、長さ32
mmの引張試験片を用い、875℃に真空中で加熱して
歪速度10s-1で熱間引張試験を行ない減面率(RA)
で評価した。チタン合金のβ変態点は、圧延板から丸棒
状(直径3mm)の電気抵抗試験片を採取して、連続加
熱時の電気抵抗の変化からβ単相になる温度を求めて測
定した。これらの結果を表2に示す。なお、合金番号2
0及び24はβ変態点が900℃以下のため熱間加工性
を測定しなかった。
【0024】
【表2】
【0025】この表から明らかなように、合金番号1〜
14の実施例では、延性の劣化を伴わずにN添加による
高強度化が達成されており、さらに熱間加工性の低下も
ないことが確認された。
14の実施例では、延性の劣化を伴わずにN添加による
高強度化が達成されており、さらに熱間加工性の低下も
ないことが確認された。
【0026】これに対し、合金番号15はTi−6Al
−4V合金であり、本願発明例よりも低強度で熱間加工
性も劣っている。また、合金番号16は、Ti−6Al
−4V合金にNを0.10重量%添加した例であり、N
添加による強度上昇は認められるが、β安定化元素量
(βs)が不足していることやMoが添加されていない
ことによりミクロ組織が粗大なため、延性(El,R
A)や熱間加工性が劣化していることがわかる。合金番
号17,18はN量やα安定化元素量(αs)が不足し
ている例であり、いずれもN量が0.05重量%以下で
あるため強度が低く、また合金番号17ではαsが少な
いためβ変態点は900℃よりも低くなっている。合金
番号19はN量やαs量が多すぎる場合であり、N量が
0.25重量%であるため延性の低下が著しい。合金番
号20及び21は、Al量が不足している場合と多すぎ
る場合とを夫々示しており、Al量が1.5重量%の番
号20では強度が低く、β変態点も900℃以下になっ
ているのに対し、Al量が7.0重量%の番号21で
は、高強度だが低延性であることが確認される。合金番
号22はMo量が不足した例であり、Moが0.5重量
%ではミクロ組織の微細化がなされず延性が低い。番号
23と24はそれぞれβs量が不足している場合と多す
ぎる場合とを示している。βsが6.0の番号23では
十分な延性が得られず、βs量が14.0の番号24で
はβ変態点が900℃より低いことが確認される。
−4V合金であり、本願発明例よりも低強度で熱間加工
性も劣っている。また、合金番号16は、Ti−6Al
−4V合金にNを0.10重量%添加した例であり、N
添加による強度上昇は認められるが、β安定化元素量
(βs)が不足していることやMoが添加されていない
ことによりミクロ組織が粗大なため、延性(El,R
A)や熱間加工性が劣化していることがわかる。合金番
号17,18はN量やα安定化元素量(αs)が不足し
ている例であり、いずれもN量が0.05重量%以下で
あるため強度が低く、また合金番号17ではαsが少な
いためβ変態点は900℃よりも低くなっている。合金
番号19はN量やαs量が多すぎる場合であり、N量が
0.25重量%であるため延性の低下が著しい。合金番
号20及び21は、Al量が不足している場合と多すぎ
る場合とを夫々示しており、Al量が1.5重量%の番
号20では強度が低く、β変態点も900℃以下になっ
ているのに対し、Al量が7.0重量%の番号21で
は、高強度だが低延性であることが確認される。合金番
号22はMo量が不足した例であり、Moが0.5重量
%ではミクロ組織の微細化がなされず延性が低い。番号
23と24はそれぞれβs量が不足している場合と多す
ぎる場合とを示している。βsが6.0の番号23では
十分な延性が得られず、βs量が14.0の番号24で
はβ変態点が900℃より低いことが確認される。
【0027】図1は、引張強さ(TS)と伸び(El)
に及ぼすN量の影響を示している。この図から明らかな
ように、N量が0.06重量%以上、0.20重量%以
下の範囲において、優れた強度と延性とが同時に得られ
ることが確認された。
に及ぼすN量の影響を示している。この図から明らかな
ように、N量が0.06重量%以上、0.20重量%以
下の範囲において、優れた強度と延性とが同時に得られ
ることが確認された。
【0028】
【発明の効果】本願発明によれば、N添加により高強度
化をはかり、さらにα安定化元素量及びβ安定化元素量
を最適化したため、複雑な熱処理を用いず1回の熱処理
により高強度を維持しつつ高い延性を得ることができ、
かつ熱間変形抵抗が低く優れた熱間加工性を有する窒素
添加高強度チタン合金が提供される。
化をはかり、さらにα安定化元素量及びβ安定化元素量
を最適化したため、複雑な熱処理を用いず1回の熱処理
により高強度を維持しつつ高い延性を得ることができ、
かつ熱間変形抵抗が低く優れた熱間加工性を有する窒素
添加高強度チタン合金が提供される。
【図1】N量と強度(TS)及び延性(El)との関係
を実施例及び比較例について示した図。
を実施例及び比較例について示した図。
フロントページの続き (72)発明者 大内 千秋 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 N、Al、Oを含有し、これらが重量%
で、 0.06≦N≦0.20 2.0≦Al≦6.0 8.2≦Al+20×O+40×N≦14.6 の関係を満足し、 さらに、V,Moのうち1種以上、Fe,Cr,Mnの
うち1種以上含有し、これらが重量%で、 6.2≦V+Mo+2×(Fe+Cr+Mn)≦12.1 1.0≦Mo の関係を満足し、残部がTi及び不可避的不純物からな
ることを特徴とする窒素添加高強度チタン合金。 - 【請求項2】 前記Nは、溶解原料としてフェロ窒化ク
ロム、窒化マンガンを使用することにより添加されたも
のであることを特徴とする請求項1に記載の窒素添加高
強度チタン合金。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25945892A JPH06108187A (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | 窒素添加高強度チタン合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25945892A JPH06108187A (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | 窒素添加高強度チタン合金 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06108187A true JPH06108187A (ja) | 1994-04-19 |
Family
ID=17334351
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25945892A Pending JPH06108187A (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | 窒素添加高強度チタン合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06108187A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5759484A (en) * | 1994-11-29 | 1998-06-02 | Director General Of The Technical Research And Developent Institute, Japan Defense Agency | High strength and high ductility titanium alloy |
| WO2006041167A1 (ja) * | 2004-10-15 | 2006-04-20 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | nearβ型チタン合金 |
| JP2008106317A (ja) * | 2006-10-26 | 2008-05-08 | Nippon Steel Corp | β型チタン合金 |
| JP2012200753A (ja) * | 2011-03-24 | 2012-10-22 | Osaka Univ | Ti合金の接合継手、Ti合金の加工方法及び構造体 |
| JP2012251234A (ja) * | 2011-06-07 | 2012-12-20 | Nhk Spring Co Ltd | チタン合金部材およびその製造方法 |
| JP2013001946A (ja) * | 2011-06-15 | 2013-01-07 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | 二方向の形状記憶特性を有するチタン合金部材及びその製造方法 |
| CN112063889A (zh) * | 2020-09-29 | 2020-12-11 | 中国科学院金属研究所 | 一种高热稳定性等轴纳米晶Ti6Al4V-Cr合金及其制备方法 |
| US12104226B2 (en) | 2021-05-19 | 2024-10-01 | Karsten Manufacturing Corporation | Beta enhanced titanium alloys and methods of manufacturing beta enhanced titanium alloys |
-
1992
- 1992-09-29 JP JP25945892A patent/JPH06108187A/ja active Pending
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| US7910052B2 (en) | 2004-10-15 | 2011-03-22 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Near β-type titanium alloy |
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| GB2621517B (en) * | 2021-05-19 | 2025-01-01 | Karsten Mfg Corp | Beta enhanced titanium alloys and methods of manufacturing beta enhanced titanium alloys |
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