JPH06108468A - コンクリートブロックを用いた水中コンクリートの施工法 - Google Patents

コンクリートブロックを用いた水中コンクリートの施工法

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JPH06108468A
JPH06108468A JP29549092A JP29549092A JPH06108468A JP H06108468 A JPH06108468 A JP H06108468A JP 29549092 A JP29549092 A JP 29549092A JP 29549092 A JP29549092 A JP 29549092A JP H06108468 A JPH06108468 A JP H06108468A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 波のある浅い水域において防波堤等を水中コ
ンクリートで施工するにあたり、作業船及び潜水を用
いずに陸上作業によって安全、確実且つ短い工期で施工
できる工法の開発。 【構成】 型枠の底部を地盤の凹凸に略合うように作成
したコンクリート製の底無し中空の型枠ブロックを開発
し、このブロックに地盤との僅かな隙間を埋める装置を
取付け、更に、中空部には石材を詰め、型枠ブロック
側壁内部にモルタル注入管路を設けて、ブロック内部の
地盤からブロック天端まで陸上からモルタル注入を行っ
て、型枠ブロック自体も外さずそのまま一体の堤体と
なる防波堤、堤防等の水中工作物築造のための一連の水
中コンクリート工法の発明である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、波や流れの激しく作用
する浅い場所で、水底が岩盤又は玉石等である場合の防
波堤、岸壁、堤防、護岸等の施工法の一つである水中コ
ンクリートの施工法にかかわるものである。
【0002】
【従来の技術】従来の水中コンクリートの型枠は、底面
が水平であったため、型枠と水底岩盤との間に最大で数
10cmから1m前後の隙間ができる。コンクリートが
漏れないようにこの隙間を無くする方法として採られて
きたのは、ア 岩盤を水平に掘削する。 イ、岩盤とコ
ンクリートの付着力は犠牲になるが、岩盤上に捨石を投
入し、その上面を水平に均し、コンクリートのトロ洩れ
防止の帆布を型枠底部内外に張る方法。ウ、型枠底部に
矢板を打ち付けたり、袋詰めコンクリートや砂袋により
隙間を埋める方法などがあるが、水深の浅い場所で僅か
な波浪があると、潜水夫によるこれらの作業は殆んど不
可能となる。エ 重量の軽い型枠を満潮面以上の高さま
で一気に箱型に陸上で製作し据え付けていたが、コンク
リート打設前に波高1m程度の小さな波がきても型枠基
礎のトロ漏れ装置が外れたり、型枠が移動することがあ
り、時化が来ると、箱型に組んで水中に据え置いた型枠
は、受圧面積が大きいこともあって、その全体が流失す
ることがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 水中コンクリートの型枠が波や流れによって壊され
ないようにする。地盤と型枠下面に隙間ができないよ
うにする。 殆どの作業を潜水夫を用いない陸上又は
陸上からの作業で仕上がるようにする。 波による型
枠内外の潮位変化によって生じるブロック下部の隙間を
通る流れを抑制する方法をとる。陸上からモルタル等
を簡単に注入できるようにする。 基礎と堤体の一体
化を図る。
【0004】
【課題を解決するための手段及び作用】型枠ブロックの
据付下面と接触する地盤の高さを10cmから20cm
の間隔に、cm単位の精度で水深を計測しておく。ま
た、型枠ブロック下面の左右約50cmの位置の水深を
同様に50cm間隔程度に計測しておく。
【0005】型枠ブロックの形状は、基本的には図1に
示すように堤体幅と同じ幅のセルラーブロック形状のも
の(以下「型枠ブロックI型」という。)と、図2のよ
うに堤体となるセルラーブロック外壁の基礎となるもの
(以下「型枠ブロックII型」という。)の2種類であ
る。
【0006】型枠ブロックは、重量の軽い鋼製又は木製
の型枠に替えて、重量の大きい無筋又は鉄筋コンクリー
ト製の取り外し無用の型枠で、その側壁の底部は精密な
水深調査結果に基づき、地盤の凹凸に略合うように製作
する。
【0007】型枠ブロックを据え付けると地盤との間隙
は、地盤の凹凸が小さい場合には数cmとなり、凹
凸の激しい場合には部分的に数十糎になることがある。
【0008】この間隙を埋める方法としては、に対処
する方法として図3がある。型枠ブロックの下端に、伸
縮性があり圧縮された場合の厚さが隙間厚と同じ厚さに
縮むスポンジ状の例えば、20cm厚のウレタンフォー
ムを図3左図のように張りつけておく。次に、このウレ
タンフォームの外れ防止と堤体内外の基礎に通じる割れ
目や玉石がつくる隙間からモルタルが流出しないよう布
2を袋状に取り付ける。型枠ブロックの外側に張る布1
0は、防水性の帆布等を用い、図3に示すとおり外壁に
板で抑えてコンクリート釘又は接着剤でとめるか、布を
折重ねて釘で止める。布10を張る端部の位置は地盤に
応じて変わるが、一例として外壁から約70cm離れた
外側の地盤まで、先端下部に直径15cmの砂袋を取付
けた布を敷設する。 この場合、砂袋を支えるため図3
のように鉄筋を用いる。底部から内壁に敷く布2は、図
3のように外壁から20cm離れた付近の外側の布10
に縫合し、壁から50cm離れた地点で折り返し、隙間
材を抱え込むように且つ外部へモルタルが逃げないよう
袋状に張る。底に張る布2は合成繊維製のメッシュシー
ト等を用い、モルタルを幾分透過する程度の目合いのも
のとする。布の幅及び長さは、それぞれ凹凸のある岩盤
に沿う長さになるようにタック(襞)9をとるか又は弛
みをとり、伸縮性のある材質或いは織のものを用いる。
【0009】「0007」でいうの地盤の凹凸が激し
い場合又は一部区間だけ溝状に大きく深掘れしていてコ
ンクリートの成形が難しい場合及び波浪の小さい場所で
型枠ブロックの両端の高さが高く固定されていて中間部
の隙間が20〜60cmと凹凸が大きい場合に図4の装
置が用いられる。隙間が大きいので、図3の工法からス
ポンジを外し、それに布の整形用鉄筋が入った以外は略
同じである。外側の布10は、布の屈撓性を利用して、
隙間高を伸縮できるように仕付け糸等で成形し、布に弛
みを持たせている。隙間高が50cm以上となる場合に
は図5のように隙間に鉄筋籠が収まるように鉄筋籠のス
ライド式とする。
【0010】型枠ブロックの据付が終わったら直ちに上
部のセルラーブロックを据え付け、天端近くまで捨石投
入を行い、側壁下部の隙間に作用する水圧や注入モルタ
ル圧を低減し、併せて型枠ブロックと上部セルラーブロ
ックの安定を図る。捨石は10〜200kgの玉石又は
割石を用いる。石材搬入が困難でコンクリート打設が短
時間に大量の打設ができるときは、水中コンクリート又
は場所打コンクリート打設によってもよい。また、凪が
続く見込がない場合又は中詰石の投入能力が小さい場合
には型枠ブロックの据付と中詰石投入までを先行し、上
部セルラーブロックの据付やモルタル注入は後日行うよ
うにする。
【0011】モルタル又はコンクリートの注入は、一般
的には中詰石の投入を行った後長い日数を置かないうち
に行う方がよい。先ず、側壁下部に取付けてある袋状の
布の中に良質のモルタルをコンクリートポンプを用い、
ポンプに付属するフレキシブルホースをモルタル注入口
5に差し込んで一番低い岩盤面から注入を始める。これ
を打ち終わったら次に中詰石下部1m程度まで打ち進
み、ここで型枠ブロック下面からモルタルが漏れていな
いか水中検査を行う。ここで2時間程休憩した後再開
し、蓋コンクリートを打ち終えて完成させる。なお、図
2の型枠ブロックII型の内部、図4及び図5の工法で
隙間高が20cmを越えるときは、モルタル厚が10c
m程度となった段階でモルタルからコンクリートの打設
に切り替える。
【実施例】
【0012】図1は、水深(−)1.5〜3.0mの海
底岩盤上に設置した堤幅7.5m、天端高(+)2.5
mの防波堤で型枠ブロックの上にセルラーブロックを載
せた本発明にかかる工法である。この場所の岩盤は、激
しい凹凸があるので、隙間材1は用いず、型枠ブロック
の底部に外側防水性布10と底部透水性布2を陸上で取
付けたものを防波堤法線上に据え付け、次に上部のセル
ラーブロックを据え付け、直ちに10〜200kgの中
詰石をセルラーブロックの天端高さの略80%まで投入
し安定を図った。(この後、続けて蓋コンクリートまで
打設しておく方がよい。)型枠ブロックの据付時には、
型枠ブロックの前面中央に位置出しの目印となるポール
を予め側壁に埋め込んであるパイプに立てて、正確に据
え付けた。型枠ブロック側壁底面の成形に当たっては、
側壁中間部でシーソー現象が起きないように四隅を、そ
の地盤の凹凸度を考慮して5cmだけ厚くした。翌日、
1m間隔に設けてある図1のモルタル注入孔5の硬質塩
化ビニルパイプの中に、3台のモルタルポンプのフレキ
シブルホースを海底部まで差し込んで、徐々に低い方か
ら型枠ブロックの高さより少し上まで注入用のモルタル
で打ち上げる。数日後、検査孔兼モルタル注入孔7から
水を排出し、先端までモルタル注入又はコンクリート打
設を行って完成させた。
【0013】防波堤の堤体幅が大略8m以上になり、型
枠ブロックI型の重量が起重機の吊り能力を越える場合
には、横断方向に2個並べとして対応する。
【0014】型枠ブロックII型の図2は、小型(堤幅
約3m以内)の構造物の基礎か、堤体幅の広い防波堤等
の外周基礎の一部又は全部を先行させる場合に用いる工
法である。また、凹凸の激しいときや亀裂の大きいとき
には、型枠ブロックII型の底幅を広くとる。側壁下部
は凹凸度を考慮して図の左測は斜面とし、右側は基面が
低いので段を設け、モルタル注入を容易にする形とし
た。図7は先端部の地盤高が極端に低くなっている場
合、型枠ブロックI型の下に更に型枠ブロックII型を
据え付けた例であり、AII型に接するAI型側壁基部
の隙間が大きい場合には、この部分に図4の工法を用い
る場合もある。
【0015】
【発明の効果】本発明は、上述のとおり構成されている
ので、次に記載する効果を発揮する。
【0016】従来水中における岩盤上の工作物の安定計
算には、岩盤との付着力は考えずに堤体重量に摩擦係数
を乗じて滑出しに対する抵抗力としていたが、このこと
は水中における施工技術に対する優劣の差が大きく、岩
盤とコンクリートの付着の状態に一定の信頼度が持てな
かったことによる。しかし、実際には適切な水中コンク
リートの施工が行われた場合には、その付着強度の著し
く大きいことが知られている。本発明による施工の場合
には、単純な施工法でしかも陸上からの施工法であるの
で、地盤が強固な岩盤である場合には、コンクリートの
付着力による計算をすることができる。
【0017】木製又は鋼製の型枠の替わりにコンクリー
ト製のセルラーブロックを用いたことにより、陸上用の
型枠製作は必要であるが、高価な水中用の型枠の製作、
枠組み、据付及び潜水士による取り外しが不要になるこ
と。
【0018】型枠ブロックを据え付けると地盤との隙間
が殆どなくなるので、強度の弱いウレタンフォームや布
でも簡単に隙間を塞ぐことができるようになった。
【0019】型枠ブロックは、重量が大きくて天端高が
低いプレキャスト製品なので、施工が早く、波による型
枠ブロックの破壊や滑り出しが殆どなくなる。
【0020】堤体となる中詰部分の材料として、捨石、
砂礫、低配合のコンクリート等自由に選択できる。ま
た、これらの填充作業は陸上作業とすることができる。
また、モルタル注入により上下のブロックを一体化する
ことができる。
【0021】型枠ブロックの付属装置は陸上で取付けで
きるので、型枠ブロックの据え付ける時さえ凪であれば
よく、モルタル等の注入作業は海上が時化ない限り施工
可能となる。従って工程計画が樹て易くなり、時化によ
る工期遅延は殆どなくなる。
【0022】危険で凪日数を要する潜水作業は殆ど必要
としない。
【0023】工事は、陸上又は陸上からの作業で施工で
きるため、正確で高品質となり、施工精度が向上する。
【0024】発明の施工法では、拘束期間が長期となる
作業船や高級船員が不要となる。
【0025】以上の効果の結果、経費節減が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】型枠ブロックI型を用いたときの上部堤体との
関係を示す断面図である。
【図2】型枠ブロックII型を用いたときの上部堤体と
の関係を示す断面図である。
【図3】布の取り付け例並びに隙間材の型枠ブロックの
据付前(左図)後(右図)の状況及びモルタル注入前
(左図)後(右図)の布の状態を示す斜視図である。
【図4】型枠ブロック側壁下部の隙間高が大きいときに
用いられる工法で、布のモルタル注入前(左図)と注入
後(右図)の状態を示す断面図である。
【図5】鉄筋を用いたときの(図4)の実施例の一つを
示すもので、断面の摸式図である。
【図6】型枠ブロックI型を用いた比較的小断面の護岸
等の実施例の断面図である。
【図7】型枠ブロックI型と型枠ブロックII型を併せ
用いた実施例の姿図である。
【符号の説明】
AI 型枠ブロックI型 AII 型枠ブロックII型 B 上部セルラーブロック C 地盤 D 蓋コンクリート M モルタル又はコンクリート 1 隙間材 2 底部透水性布 3 布の押さえ板 4 コンクリート釘 5 モルタル注入孔 6 モルタル吐出口 7 検査孔兼注入孔 8 中詰石 9 タック(襞) 10 外側防水性布 11 鉄筋 12 スライド鉄筋 13 スライドリング 14 外側防水性布成形板 15 砂袋
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、波や流れの激しく作用
する浅い場所で、水底が岩盤又は玉石等である場合の防
波堤、岸壁、堤防、護岸等の施工法の一つである水中コ
ンクリートの施工法にかかわるものである。
【0002】
【従来の技術】従来の水中コンクリートの型枠は、底面
が水平であったため、型枠と水底岩盤との間に最大で数
10cmから1m前後の隙間ができる。コンクリートが
漏れないようにこの隙間を塞ぐ方法として従来採られて
きた工法は、ア 岩盤を水平に掘削する。 イ、岩盤と
コンクリートの付着力は犠牲になるが、岩盤上に捨石を
投入し、その上面を水平に均し、コンクリートのトロ洩
れ防止の帆布を型枠底部内外に張る方法。ウ、型枠底部
に矢板を打ち付けたり、袋詰めコンクリートや砂袋によ
り隙間を埋める方法などがあるが、水深の浅い場所で僅
かな波浪があると、潜水夫によるこれらの作業は殆んど
不可能となる。エ 重量の軽い型枠を満潮面以上の高さ
まで一気に箱型に陸上で製作し、水中に据え付けていた
が、コンクリート打設前に波高1m程度の小さな波がき
ても型枠基礎のトロ漏れ装置が外れたり、型枠が移動す
ることがあり、時化が来ると、箱型に組んで水中に据え
置いた型枠は、受圧面積が大きいこともあって、その全
体が流失することがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 水中コンクリートの型枠が波や流れによって壊され
ないようにする。地盤と型枠下面に隙間ができないよ
うにする。 殆どの作業を潜水夫を用いない陸上又は
陸上からの作業で仕上がるようにする。 波による型
枠内外の潮位変化によって生じるブロック下部の隙間を
通る流れを抑制する方法をとる。陸上からモルタル等
を簡単に注入できるようにする。 基礎と堤体の一体
化を図る。
【0004】
【課題を解決するための手段及び作用】型枠ブロックの
据付下面と接触する地盤の高さを10cmから20cm
の間隔に、cm単位の精度で水深を計測しておく。ま
た、型枠ブロック下面の左右約50cmの位置及び隔壁
下部の水深を同様に50cm間隔程度に計測しておく。
【0005】型枠ブロックの形状は、基本的には図1に
示すように外力等から求められる所要堤体幅のセルラー
ブロック形状のものと、図2のように堤体となる型枠
ロック外壁の基礎となる底のない細長い箱型のブロック
(以下「外壁基礎ブロック」という。)の2種類であ
る。型枠ブロックは、据付地盤の水深と所要天端高の高
低により高さが変化し、重量も変化するので起重機の吊
能力から、1〜3段重ねとなり、それぞれ下段型枠ブロ
ック、中段型枠ブロック及び上段型枠ブロックと称す
る。
【0006】型枠ブロックは、重量の軽い鋼製又は木製
の型枠に替えて、重量の大きい無筋又は鉄筋コンクリー
ト製の取り外し無用の型枠で、その側壁の底部は精密
な水深調査結果に基づき、地盤の凹凸に略合うように製
作する。
【0007】型枠ブロックを据え付けると地盤との間隙
は、地盤の凹凸が小さい場合には数cmとなり、凹
凸の激しい場合には部分的に数十糎になることがある。
【0008】この間隙を埋める方法としては、0007
のに対処する方法として図3がある。型枠ブロックの
下端に、伸縮性があり圧縮された場合の厚さが隙間厚と
同じ厚さに縮むスポンジ状の例えば20cm厚のウレ
タンフォームを図3左図のように接着剤で張りつけてお
く。次に、このウレタンフォームの外れ防止と堤体内外
の基礎に通じる割れ目や隙間からモルタルが流出しない
よう布2を取り付ける。
【0009】次に0007のに対処する方法として
は、堤体内外の基礎に通じる割れ目や玉石がつくる間隙
からモルタルが流出しないよう図4のように、まず隙間
材1で間隙の小さい殆どの部分を塞ぎ、また布2で外壁
下部の地盤とその外側の地盤とが外壁下部と一体となる
ように布2を袋状に張り、更にその布2を覆うように防
水性の布10を布2の補強とモルタルが硬化するまで波
や流れでモルタルが拡散しないよう布2に重ねて取付
け、先端は図4のように外側の地盤に届く地点付近で布
2に縫い付けておく。一方外壁底部の内側に布2をボル
トで取付け、中詰石の空隙部に注入するモルタルの流出
圧に耐えるよう中詰石で抑えつけておく。布2の材質は
合成繊維製の目合1mm程度のメッシュシートを用い、
セメントペーストは容易に透過するがモルタルは僅かし
か透過しない程度の目合いのものとする。布の幅及び長
さは、それぞれ凹凸のある岩盤に沿う長さに近くなるよ
うにタック(襞)9をとるが又は弛みをとる。隙間高が
50cm以上となる特別な場合には図5のように隙間に
鉄筋籠が収まるように鉄筋籠のスライド式とする。
【0010】下段型枠ブロックの据付が終わったら直ち
に上段型枠ブロックを据え付け、天端近くまで捨石投入
を行い、側壁下部の隙間に作用する水圧や注入モルタル
圧を低減し、併せて型枠ブロックの安定を図る。捨石は
10〜200kgの玉石又は割石を用いる。石材搬入が
困難でコンクリート打設が短時間に大量の打設ができる
ときは、水中コンクリート又は場所打コンクリート打設
によってもよい。また、凪が続く見込がない場合又は中
詰石の投入能力が小さい場合には、下段型枠ブロックの
据付、中詰石投入及び蓋ブロックの仮据までを先行し、
段型枠ブロックの据付やモルタル注入は後日行うよう
にする。
【0011】モルタル又はコンクリートの注入は、一般
的には中詰石の投入を行った後長い日数を置かないうち
に行う方がよい。先ず、側壁下部に取付けてある袋状の
布の中に良質のモルタルをコンクリートポンプを用い、
ポンプに付属するフレキシブルホースをモルタル注入口
から側壁底部まで差し込んで注入し、次いで一番低い
岩盤面から堤体中詰石間隙への注入を始める。 一番高
い地盤面から0.5〜1.0m程度の高さまで打ち終わ
ったところで一旦注入を中止し、型枠ブロック下面から
外側にモルタルが漏れていないか水中検査を行う。異常
のないことを確かめた後再開し、蓋コンクリートを打ち
終えて堤体部を完成させる。型枠ブロックの隔室の一辺
の長さが4mを越える場合には隔室の中央に直径20c
m程度のモルタル注入用のトレミー管を建て込んでお
く。
【実施例】
【0012】図1は、水深(−)1.5〜3.0mの海
底岩盤上に設置した堤幅7.5m、天端高(+)2.5
mの防波堤で下段型枠ブロックの上に上段型枠ブロック
を載せた本発明にかかる工法である。この場所の岩盤
は、激しい凹凸があるので、図4の工法を用いることと
側壁底部にウレタンフォームの隙間材を接着剤で張
りつけ、更に、外側防水性布10と底部透水性布2を陸
上で取付けた下段型枠ブロックを防波堤法線上に据え付
け、次に、上段型枠ブロックを据え付け、直ちに10〜
200kgの中詰石を上段型枠ブロックの天端高さの略
80%まで投入し安定を図った。(この後、続けて蓋コ
ンクリートまで打設しておく方がよい。)下段型枠ブロ
ックの据付時には、型枠ブロックの前面中央に位置出し
の目印となるポールを予め側壁に埋め込んであるパイプ
に立てて、正確に据え付けた。下段型枠ブロック側壁底
面の成形に当たっては、側壁中間部でシーソー現象が起
きないように四隅の高さを、地盤の凹凸度が大きいので
5cmだけ下げた。翌日、1m間隔に設けてある図1
のモルタル注入孔5の硬質塩化ビニルパイプの中に、
台のモルタルポンプのフレキシブルホースを海底部まで
差し込んで徐々に低い方から下段型枠ブロックの高さよ
り少し上まで注入用のモルタルで打ち上げたとき時化て
きたので、蓋ブロックを仮据えしてから、作業を中止し
た。数日後、蓋ブロックを外した後、検査孔兼モルタル
注入孔7から水を排出し、天端まで捨石投入とモルタル
注入を行って完成させた。
【0013】防波堤の堤体幅が大略8m以上になり、
段の型枠ブロックでは起重機の吊り能力を越える場合に
は、上段型枠ブロックを上中2段に分割する。
【0014】外壁基礎ブロックの図2は、小型(堤幅約
3m以内)の構造物の基礎か、堤体幅く型枠ブロッ
ク左右又は前後の側壁の高さの差が大きいときに防波堤
等の外周基礎の一部又は全部を先行させる場合に用いる
工法である。また、凹凸の激しいときや亀裂の大きいと
きには、外壁基礎ブロックの底幅を広くとる。側壁
は、凹凸度を考慮して図の左側は斜面とし、右側は
地盤が低いので段を設け、モルタル注入を容易にする形
とした。 図7は先端部の地盤高が極端に低くなってい
る場合の例である
【0015】
【発明の効果】本発明は、上述のとおり構成されている
ので、次に記載する効果を発揮する。
【0016】従来水中における岩盤上の工作物の安定計
算には、岩盤との付着力は考えずに堤体重量に摩擦係数
を乗じて滑出しに対する抵抗力としていたが、このこと
は水中における施工技術に対する優劣の差が大きく、岩
盤とコンクリートの付着の状態に一定の信頼度が持てな
かったことによる。しかし、実際には適切な水中コンク
リートの施工が行われた場合には、その付着強度の著し
く大きいことが知られている。本発明による施工の場合
には、単純な施工法でしかも陸上からの施工法であるの
で、地盤が強固な岩盤である場合には、コンクリートの
付着力による計算をすることができる。
【0017】木製又は鋼製の型枠の替わりにコンクリー
ト製の型枠ブロックを用いたことにより、陸上用の型枠
製作は必要であるが、高価な水中用の型枠の製作、枠組
み、据付及び潜水士による取り外しが不要になるこ
と。
【0018】型枠ブロックを据え付けると地盤との隙間
が殆どなくなるので、強度の弱いウレタンフォームや布
でも簡単に隙間を塞ぐことができるようになった。
【0019】型枠ブロックは、重量が大きくて天端高が
低いプレキャスト製品なので、施工が早く、波による型
枠ブロックの破壊や滑出しがなくなる。また、各段の型
枠ブロックの施工途上で時化られたときに蓋ブロックを
仮据えすることにより、波による型枠ブロックの破壊や
滑出しが殆どなくなる。
【0020】堤体となる中詰部分の材料として、捨石、
砂礫、低配合のコンクリート等自由に選択できる。ま
た、これらの填充作業は陸上作業とすることができる。
また、モルタル注入により上下のブロックを一体化する
ことができる。
【0021】型枠ブロックの付属装置は陸上で取付けで
きるので、型枠ブロックの据え付ける時さえ凪であれば
よく、モルタル等の注入作業は海上が時化ない限り施工
可能となる。従って工程計画が樹て易くなり、時化によ
る工期遅延は殆どなくなる。
【0022】危険で凪日数を要する潜水作業は殆ど必要
としない。
【0023】工事は、陸上又は陸上からの作業で施工で
きるため、正確で高品質となり、施工精度が向上する。
【0024】発明の施工法では、拘束期間が長期となる
作業船や高級船員が不要となる。
【0025】以上の効果の結果、経費節減が図られる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】型枠ブロックを2段としたときの上段、下段の
型枠ブロック堤体と堤体内部との関係を示す断面図であ
る。また、右側には時化による作業中断のときに用いる
蓋ブロックEの仮据え状態を示した。
【図2】外側基礎ブロックを用いたときの上部堤体との
関係を示す断面図である。
【図3】布の取付け例並びに隙間材1及び布2の型枠ブ
ロックの据付前(左図)後(右図)の状態を示す斜視図
である。
【図4】地盤に急激な凹凸や外壁内外に通じる深い溝な
どがある場合に用いられる工法で、隙間材1、布2及び
布10の取付け例並びにモルタル注入前(左図)と注入
後(右図)の状態を示す断面図である。
【図5】鉄筋を用いたときの実施例の一つを示すもの
で、断面の摸式図である。
【図6】外壁基礎ブロックを用いた比較的小断面の護岸
等の実施例の断面図である。
【図7】型枠ブロックと外壁基礎ブロックを併せ用いた
実施例の姿図である。
【符号の説明】 AI 下段型枠ブロック AII 外壁基礎ブロック B 上段型枠ブロック C 地盤 D 蓋コンクリート 仮据えの蓋ブロック M モルタル又はコンクリート 1 隙間材 2 底部透水性布 3 布の押さえ板 4 締付ボルト或いはコンクリート釘 5 モルタル注入孔 6 モルタル吐出口 7 検査孔兼注入孔 8 中詰石 9 タック(襞) 10 外側防水性布 11 鉄筋 12 スライド鉄筋 13 スライドリング 14 外側防水性布成形板 15 砂袋
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防波堤等の水中工作物を設置しようとす
    る所定の地盤上に、地盤の凹凸に略合わせた側壁底面を
    もつ底無し中空の鉄筋コンクリート又はコンクリート製
    の型枠替わりとなるブロック(以下「型枠ブロック」と
    いう。)を据え付ける。その上に長さ幅同寸法のセルラ
    ーブロックを据え付け、直ちに中詰石をセルラーブロッ
    クの天端近くまで詰め込む。
  2. 【請求項2】 型枠ブロック据付後、側壁底部の僅かな
    隙間を埋める装置としては、地盤の凹凸の程度により異
    なるが、 急激な変化や亀裂の少ない岩盤にあって
    は、型枠ブロックの下面に、側壁の幅程度で間隙厚の数
    倍ある伸縮性の大きいスポンジ状の隙間材を取り付け、
    更に、地盤の凹凸や岩盤に亀裂のある場合等を考慮し、
    モルタルの漏れ防止の効果を高めるため、図3のように
    隙間材を囲い込むように、側壁下部に布を袋状に取り付
    ける。 地盤に急激な凹凸や外壁内外に通じる深い溝
    などがある場合には図4のように布を張る。地盤の凹凸
    度に応じて又はの工法を選択し、予め型枠ブロック
    据付前に隙間防止装置を陸上で取り付けておく。
  3. 【請求項3】陸上からモルタルやコンクリートを基礎や
    堤体へ注入できるよう、型枠ブロックとこの上に据え付
    けるセルラーブロックの側壁に両者を連結するようにパ
    イプを埋め込んでおく。これを利用して、型枠ブロック
    基礎及び堤体が一体となるように、型枠ブロックとセル
    ラーブロックの中詰石の空隙にモルタルを注入する。こ
    れら一連の工法により、水中構造物を築造することを特
    徴とする水中コンクリートの施工法。
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