JPH0611002B2 - 電圧非直線性抵抗磁器及びそれを用いた雑音防止素子 - Google Patents

電圧非直線性抵抗磁器及びそれを用いた雑音防止素子

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JPH0611002B2
JPH0611002B2 JP60014653A JP1465385A JPH0611002B2 JP H0611002 B2 JPH0611002 B2 JP H0611002B2 JP 60014653 A JP60014653 A JP 60014653A JP 1465385 A JP1465385 A JP 1465385A JP H0611002 B2 JPH0611002 B2 JP H0611002B2
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好武 清塚
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は酸化チタン及び酸化セリウムを主成分とし、更
に必要に応じ微量の半導体化元素の酸化物をも含む焼結
体からなる電圧非直線性抵抗磁器及びそれを用いた雑音
防止素子に関するものである。更に詳しくは、本発明は
電圧−電流特性の非直線性が大きく、かつその特性が焼
結体自身に起因する電圧非直線性抵抗磁器及びそれを用
いた雑音防止素子に関するものである。
[従来の技術] 近年、電子産業の発展に伴い、制御機器、音響機器等の
小型化・高性能化が進められたが、一方、各種電気雑音
によるIC、LSI等の半導体素子の誤動作や破壊、小
型モータ、リレースイッチの開閉からの雑音発生などが
問題となっている。これらの対策の1つとして電圧非直
線性抵抗素子(以下、バリスタという)が用いられてい
る。
一般にバリスタの電圧−電流特性は I=KVα で近似される。ここでIはバリスタを流れる電流、Vは
バリスタに印加される電圧でありKは定数で材料の種
類、素子の形状から決まるものである。指数αは電圧非
直線指数と呼ばれるものであり、電圧−電流特性の非直
線性を表わす重要な指標である。α=1の場合、オーム
の法則に伴う通常の抵抗体であって、αの大きいものと
ほど電圧−電流特性の非直線性が優れたものといえる。
またバリスタに所定の電流CmAを流したときのバリス
タの端子間電圧をバリスタ電圧Vcと称するが、バリス
タ電圧はバリスタの使用条件に応じた適当な値を示すこ
とが要求される。バリスタ材料においてはVcの値を広
い範囲で実現できることが望ましいものといえる。
[発明が解決しようとする問題点] 従来バリスタとしては、シリコンカーバイド系バリス
タ、酸化亜鉛系バリスタなどが知られている。
シリコンカーバイド系バリスタはシリコンカーバイド粒
子間の点接触を利用したものである。このシリコンカー
バイド系バリスタは、シリコンカーバイド自体の焼結が
困難であることから、粘土などと共に焼き固めて製造さ
れており、このため電圧非直線指数αは2〜4と比較的
小さい。また、Vcの値は電流の流れる方向のシリコン
カーバイド粒子の数を変えることで調整可能であるが、
一粒子間のバリスタ電圧が通常は5V程度であるところ
から比較的低電圧のものが得られにくい欠点がある。更
に、シリコンカーバイド粒子は高硬度であり、バリスタ
製造における成形の際に使用する金型の摩耗が著しく、
これがために製品を寸法精度良く製造することが困難で
あるという欠点がある。
また、酸化亜鉛系バリスタは一般に電圧非直線指数αが
10〜50と大きく、Vcの値も数10V〜1000V
程度まで広い電圧範囲で得られるという長所を有してい
るが、通常の焼結体からなるバリスタでは、粒子径が1
0μm程度と小さく、粒界1個当りのバリスタ電圧も大
きいため比較的低電圧のものが得られにくいという欠点
がある。このためバリスタの電極間に存在する粒界数の
低減による低電圧化を目的として、バリスタ材料粉末、
ガラスフリット、有機バインダ等から成る厚膜ペースト
を用いた厚膜バリスタあるいは積層バリスタなどが考案
されている。しかしながら、構成材料が多岐にわたり製
造工程も繁雑であるため、価格が高くなるという欠点が
ある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、上記のような従来のバリスタの欠点を解
決し、電圧非直線指数αが大きく、バリスタ電圧Vcが
低い電圧から高い電圧まで広い範囲で得られるバリスタ
を提供すべく検討を続けた結果、酸化セリウムを添加含
有した酸化チタン焼結体において優れた電圧−電流特性
が発現されることを見出した。また、更に、これに微量
の半導体化元素(本明細書において、その化学記号をM
と表わすことがある。)を加えることによりバリスタ電
圧Vcの制御が容易に実現できることを見出した。本発
明はこれらの知見に基づいてなされたものである。
即ち、本発明の要旨は 酸化チタン、酸化セリウムを基本成分とした焼結体であ
って、その基本成分組成が酸化セリウムをCeO2に換
算して0.02〜20.0モル%含み、残部が酸化チタ
ンであることを特徴とする電圧非直線性抵抗磁器、 酸化チタン、酸化セリウム及び半導体化元素酸化物を基
本成分とした焼結体であって、その基本成分組成が、酸
化セリウムをCeO2に換算して0.02〜20.0モ
ル%、半導体化元素(化学記号をMとする。)酸化物を
2O5に換算して0.50モル%以下含み、残部が酸化
チタンであることを特徴とする電圧非直線性抵抗磁器、 及びこれらの電圧非直線性抵抗磁器に電極を設けてなる
雑音防止素子にある。なお、本発明においては上記基本
組成は主要組成であり、必要に応じてこの基本組成の成
分のほかに、付加的成分を混入しても差支えない。
以下、本発明の構成について更に詳細に説明する。
本発明の電圧非直線性抵抗磁器は、 基本成分組成は、酸化セリウムをCeO2に換算して
0.02〜20.0モル%含み、残部が酸化チタンであ
る焼結体、 基本成分組成は、酸化セリウムをCeO2に換算して
0.02〜20.0モル%、半導体化元素の酸化物をM
2O5に換算して0.50モル%以下含み、残部が酸化チ
タンである焼結体、 からそれぞれ構成されている。
本発明において、酸化セリウム含有量の範囲を定めたの
は次の理由による。即ち、焼成温度によって幾分の違い
はあるが、酸化セリウム含有量がCeO2に換算して
0.02モル%未満であると、電圧非直線指数たるα値
が小さくなり、電圧−電流特性の非直線性が不安定とな
り、好ましくない。また、酸化セリウム含有量がCeO
2に換算して20.0モル%を超えると、α値が小さく
なり、Vc値も著しく大きくなる傾向がみられ、更にC
eO2含有量が増すと高抵抗体となる。このようなこと
から、酸化セリウムの含有量は、CeO2に換算して
0.02〜20.0モル%とした。
なお、低電圧用バリスタを得る効果的な酸化セリウム含
有量は、CeO2に換算して0.02〜10.0モル%
の範囲である。
本発明においては、酸化チタン及び酸化セリウムのほか
に、更に所望により半導体化元素を添加し、Vc値の制
御及びα値の向上等を図ることができる。添加される半
導体化元素の種類としては、アンチモン、ニオブ、タン
タルなどが適当であり、これらは単一もしくは複数で使
用することができる。
半導体化元素酸化物の含有量を定めたのは次の理由によ
る。即ち、単一もしくは複数の半導体化元素の酸化物の
含有量がM2O5に換算して0.50モル%を超えるとα
値が小さくなり、特に大電流領域での電圧−電流特性の
非直線性が低下する傾向がみられ、好ましくない。一
方、0.002モル%未満の含有量の場合、添加した効
果が小さく、これらを添加しなかった場合と殆ど特性は
同じである。このため実際にVc値の制御を目的とする
半導体化元素酸化物はM2O5に換算して0.002モル
%以上含有させるのが好ましい。
なお、低電圧用バリスタを得る効果的な半導体化元素の
酸化物の含有量はM2O5に換算して0.03〜0.30
モル%の範囲である。
本発明においては、酸化セリウム及び半導体化元素酸化
物の含有量をそれぞれCeO2及びM2O5に換算して規定
しているが、これはセリウム及び半導体化元素の価数が
それぞれ正確に4価及び5価であるものに限られず、そ
の他の価数をとっている酸化物であっても本発明に用い
得るからである。換言すれば、本発明に係る電圧非直線
性抵抗磁器を構成する焼結体は、その中に化学量論的に
はCeO2及びM2O5でない酸化セリウム及び半導体化元
素酸化物が存在することを許容するのである。
酸化チタンについても同様であり、本発明の電圧非直線
性抵抗磁器を構成する焼結体中には、4価格以外の価数
のチタンが存在していても良い。
本発明の焼結体に用いる原料は、例えば酸化チタン、酸
化セリウム、酸化アンチモン、酸化ニオブあるいは酸化
タンタルのような酸化物を使用する。しかしながら、焼
成過程で上記のような酸化物になるものであれば上記分
子式に従わない水酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩等を出発
原料としたり、Ti、Ce、Sb、Nb、Taの各金属
を用いることも可能である。また、上記した様に4価以
外の価数のチタン及びセリウムの酸化物、5価以外の価
数の半導体化元素の酸化物も用い得る。
なお、本発明においては、上記基本成分の他にAl2O3
またはSiO2の少なくとも1種を粒径、焼成温度等の
調整を行う目的で6重量%までの範囲で含有させること
ができる。またアルカリ土類金属(例えばMg、Ca、
Sr、Baなど)、Sn、Pb、Zrなどの各酸化物を
特性がそこなわれない範囲で含有させることができる。
従って、本発明の特許請求の範囲では、基本成分のみ、
即ち、必須構成要素のみが特定されている。
本発明の電圧非直線抵抗磁器を製造するには例えば、酸
化チタン粉末と酸化セリウム粉末とを、更に必要に応じ
て酸化アンチモン等の半導体化元素酸化物の粉末を、所
定の割合となるよう秤量し、湿式ボールミル等を用いて
十分に混合する。次にこの混合物を乾燥した後、必要に
応じ空気中または窒素のような不活性雰囲気中700〜
1100℃の範囲で数時間仮焼成する。この仮焼成は必
ずしも行う必要はないが、これを行うことにより粒子が
より均一化され、耐電圧性が向上する傾向がある。仮焼
成を行った場合には、仮焼物を更に湿式ボールミル等で
粉砕し、乾燥後、ポリビニルアルコールなどの適当なバ
インダーを水溶液にて加えて、か粒を作り、これを所定
の形状にプレス成形した後、本焼成を行なう。この本焼
成は、空気中または窒素のような不活性雰囲気中、11
50℃以上1450℃以下、好ましくは1300〜14
00℃の温度範囲で数時間行う。本焼成温度が1150
℃未満であるときは焼結体密度が低く機械的強度が弱く
なり電気的特性を悪化させる。一方、焼成温度が145
0℃を超えるとαが小さくなり、1500℃以上では焼
結体が変形し、製品として好ましくないものとなる。
本発明の電圧非直線性磁器を雑音防止素子として使用す
るに際しては、これに電極を設ける必要があるが、本発
明の電圧非直線性磁器は、その特性が磁器自身に起因し
ているため、電極はオーム性、非オーム性、いずれのも
のでもよく、その付与手段としては特性をそこなうこと
のなり限り、焼付、メッキ、真空蒸着、イオンプレーテ
ィング、スパッタリング、溶射など任意の手段を用いる
ことができる。
[作用] 本発明の電圧非直線性磁器は少なくとも4という高い電
圧非直線性を有し、雑音防止素子材料として優れた特性
を示す。
本発明の電圧非直線性磁器を用いたバリスタは、各基本
成分組成の含有比を変えることにより所望のVc値を低
い電圧から高い電圧まで広範囲にわたって容易に実現で
きる。また、電圧非直線指数αがシリコンカーバイド系
バリスタに比べ大きく広範囲の用途に供しうる。そし
て、原料成分の種類が少なく、製造が簡単であるところ
から、均質な組成を有し、信頼性が高く価格が安いなど
の利点を有している。
[実施例] 次に本発明を実施例によって、更に具体的に説明する
が、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に
限定されるものではない。
実施例 TiO2粉末とCeO2粉末、更に半導体化元素酸化物と
してSb2O5、Nb2O5、Ta2O5各粉末を第1表に示す
組成の焼結体が得られるような割合で秤量し、水を加
え、湿式ボールミルで16時間十分に混合した。次にこ
のスラリーを乾燥後、大気中、1000℃で2時間仮焼
成を行った。仮焼物を再び水を加え湿式ボールミルを用
いて粉砕して、250メッシュ通路後乾燥させた。これ
にバインダーとしてポリビニルアルコール5%水溶液を
ポリビニルアルコール固型分が原料粉末の2重量%の割
合になるように加え、48メッシュ通過のか粒を得た。
このか粒をプレス成形して、直径15mm厚さ1.5mmの
円板を作成した。次にこの円板を空気中、1350℃で
2時間の本焼成を行い、焼結体を得た。これらの焼結体
を厚み1mmになるように研磨した後、両面に銀ペースト
を塗布、750℃で焼付けることにより電極を設けて試
料とした。これらの試料を用いて電気特性を測定した。
その結果も第1表に示す。この表中のV10値は10mA
/cm2の電流を流した時の試料の電圧であり、αの値は
10と100mA/cm2通電時の電圧V100から算出した
ものである。
第1表の組成欄には、副成分としてのCeO2含有量、
及び、半導体化元素酸化物Sb2O5、Nb2O5、Ta2O5含有量
を記しており、残部はTiO2である。
第1表において、試料番号7,8、30〜34、55〜
60、81〜86、92〜95は本発明の特許請求の範
囲外の組成であり、比較例として示した。試料番号1〜
6は本発明の特許請求の範囲第1項に関するものであ
り、その他は特許請求の範囲第2項に関するものであ
る。
第1表より、本発明の特許請求範囲内の組成に係るもの
のαは4を超え、更に微量の半導体化元素を加えること
により7以上に達するものもあり、本発明のものは、シ
リコンカーバイド系バリスタに比べ、十分に大きなα値
を有していることが明らかである。また単位厚さ当りの
10値も適当な組成を選ぶことにより、数Vから数10
0Vの値が得られ、所望のバリスタ電圧を容易に実現で
きることがわかる。
[効果] 以上詳述した通り、本発明によれば、電圧非直線指数α
が大きく、かつバリスタ電圧Vcも広い範囲で調節でき
る電圧非直線性抵抗磁器及びそれを用いた雑音防止素子
が提供される。また、本発明に係る電圧非直線性抵抗磁
器は、それを製造するに要する原料の種類が少なくて足
りることから、特性が安定していると共に製造も容易
で、かつ比較的低価格であるなど、実用上の長所も大で
ある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化チタン、酸化セリウムを基本成分とし
    た焼結体であって、その基本成分組成が酸化セリウムを
    CeO2に換算して0.02〜20.0モル%含み、残
    部が酸化チタンであることを特徴とする電圧非直線性抵
    抗磁器。
  2. 【請求項2】酸化チタン、酸化セリウム及び半導体化元
    素酸化物を基本成分とした焼結体であって、その基本成
    分組成が、酸化セリウムをCeO2に換算して0.02
    〜20.0モル%、半導体化元素(化学記号をMとす
    る。)酸化物をM2O5に換算して0.50モル%以下含
    み、残部が酸化チタンであることを特徴とする電圧非直
    線性抵抗磁器。
  3. 【請求項3】前記半導体化元素はアンチモン、ニオブ及
    びタンタルよりなる群から選択される少なくとも1種の
    元素であることを特徴とする特許請求の範囲第2項に記
    載の電圧非直線性抵抗磁器。
  4. 【請求項4】酸化チタン、酸化セリウムを基本成分とし
    た焼結体であって、その基本成分組成が酸化セリウムを
    CeOに換算して0.02〜20.0モル%含み、残
    部が酸化チタンである電圧非直線性抵抗磁器に電極を設
    けてなる雑音防止素子。
  5. 【請求項5】酸化チタン、酸化セリウム及び半導体化元
    素酸化物を基本成分とした焼結体であって、その基本成
    分組成が、酸化セリウムをCeOに換算して0.02
    〜20.0モル%、半導体化元素酸化物をMに換
    算して0.50モル%以下含み、残部が酸化チタンであ
    る電圧非直線性抵抗磁器に電極を設けてなる雑音防止素
    子。
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