JPH0611780B2 - 芳香族メチレン樹脂の製造法 - Google Patents

芳香族メチレン樹脂の製造法

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JPH0611780B2
JPH0611780B2 JP60054357A JP5435785A JPH0611780B2 JP H0611780 B2 JPH0611780 B2 JP H0611780B2 JP 60054357 A JP60054357 A JP 60054357A JP 5435785 A JP5435785 A JP 5435785A JP H0611780 B2 JPH0611780 B2 JP H0611780B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は芳香族化合物とホルムアルデヒドから芳香族メ
チレン樹脂を製造する方法に関するものである。更に詳
しくは、芳香族化合物とホルムアルデヒドの三量体であ
るトリオキサンを強酸性陽イオン交換樹脂触媒の存在下
で重縮合させ、全くあるいは実質的に酸素原子を含ま
ず、2〜10個程度の芳香族核がメチレン基で結合した
化学構造を有する芳香族メチレン樹脂を製造する方法に
関するものである。
(従来の技術) 周知のように、ある種の芳香族化合物は酸触媒の存在下
でホルムアルデヒドと反応させると、メチレン、エーテ
ル、アセタール基等で結合した芳香族ホルムアルデヒド
樹脂を生成する(例えば、高分子化学、12巻335頁
(1955))。このホルムアルデヒド樹脂はエーテ
ル、アセタール基等の酸素を含んだ官能基を有するほ
か、芳香族核にメチロール基等の含酸素置換基を有する
点に特徴がある。芳香族化合物としてメタキシレン、メ
チレン等を用いて製造されたホルムアルデヒド樹脂はキ
シレン樹脂、メシチレン樹脂等と称して既に市販されて
おり、フェノール樹脂の改質剤、またはエポキシ樹脂、
アクリル樹脂、ポリウレタン等に混入されて接着剤、粘
着剤等に利用されている。また、このホルムアルデヒド
樹脂の製造条件を更に過酷にすると、ジアラルキルメタ
ンおよび数個の芳香族核がメチレン基によって結合した
芳香族メチレン樹脂が生成することも知られている(例
えば山本為親著「ホルムアルデヒド」342頁(196
0))。しかし、従来よく用いられている硫酸等の触媒
では装置の腐食が激しいほかにスルホン化等の副反応が
避けられず芳香族メチレン樹脂を触媒と分離して単離す
ることは極めて困難であり、未だ工業化された例はな
い。
(発明が解決しようとする問題点) 上記のホルムアルデヒド樹脂は反応性の高い含酸素官能
基を有するゆえに他樹脂との相溶性に優れた性能を示す
反面、反応性が高いゆえに熱安定性に劣るという欠点が
ある。
本発明の目的はホルムアルデヒド樹脂とほぼ同等の他樹
脂に対する相溶性を有しながら熱安定性の高い芳香族メ
チレン樹脂を容易に製造する方法の提供にある。
(問題点を解決するための条件) 本発明はホルムアルデヒド樹脂と同様の原料である芳香
族化合物とトリオキサンを用いながら、触媒に固体の強
酸性陽イオン交換樹脂を使用し、芳香族化合物に対して
ホルムアルデヒドに換算して過少のトリオキサンを使用
することにより、全てあるいは実質的に酸素原子を含ま
ない、すなわち熱不安定性の原因となる含酸素官能基を
含まず、すべてメチレン基で結合した芳香族メチレン樹
脂を製造する方法である。
一般に芳香族化合物とホルムアルデヒドとの重縮合反応
はメチロール、エーテル、アセタール基等の含酸素官能
基を有する中間体を経て酸素を含まないメチレン結合に
至る逐次反応であるため、通常の液相触媒では一部はメ
チレン結合のみからなる芳香族メチレン樹脂が生成して
も全部をメチレン結合のみからなる芳香族メチレン樹脂
として回収することは極めて困難である。
ところが、固体の強酸性陽イオン交換樹脂を触媒に用い
ると、重縮合反応が固体表面で進行するため、脱酸素化
が容易に進行することを見出した。そこで、強酸性陽イ
オン交換樹脂触媒による芳香族化合物とトリオキサンの
重縮合反応を鋭意研究した結果本発明に到達した。すな
わち、強酸性陽イオン交換樹脂を触媒とし芳香族化合物
とトリオキサンを芳香族化合物/ホルムアルデヒドのモ
ル比1以上の条件下で反応させると、比較的温和な条件
下での反応にもかかわらず、全くあるいは実質的に酸素
原子を含まず、2〜10個程度の芳香族核がメチレン基
で結合した芳香族メチレン樹脂が得られた。また、この
触媒は固体であるため生成した樹脂との分離は極めて容
易であり、反応条件が温和であるから装置の腐食も認め
られない。また、生成した芳香族メチレン樹脂は、通常
の含酸素ホルムアルデヒド樹脂と比べ、熱安定性に優れ
ており、しかも他樹脂との相溶性試験においては、通常
のホルムアルデヒド樹脂と同等の相溶性を示すことを確
認した。
(作用) 本発明に係わる芳香族化合物とはベンゼン、トルエン、
キシレン、メチルエチルベンゼン、トリメチルベンゼン
等のベンゼン誘導体を始め、ナフタリン、アントラセン
等の多環芳香族化合物ならびにその誘導体等を用いるこ
とができる。また、これらの化合物が任意に混り合った
混合物を用いることもできる。ただし、各化合物の反応
性は自ら差違があり、同一条件下で反応しても得られる
樹脂の収率が異ることは当然の結果であり、混合物を原
料とした場合には各構成化合物の反応性の差違により、
原料と同一混合比の芳香族核を持つ芳香族メチレン樹脂
とはならない。
本発明に係わるホルムアルデヒドは、理論的には反応中
に単量体のホルムアルデヒドを発生するものであれば形
態を問わず、必要ならば別途ホルムアルデヒドを発生さ
せて、これを原料の芳香族化合物に溶解させて用いるこ
ともできる。しかしながら、通常ホルムアルデヒド単量
体は極めて不安定な物質であり、脱酸素化をより促進す
る非水系でしかも原料の芳香族化合物に容易に溶解する
トリオキサンを用いる方法が最も優れている。トリオキ
サンはホルムアルデヒドの三量体であり、室温、空気中
で安定な結晶性固体であるが、反応系内では強酸性陽イ
オン交換樹脂の接触作用でホルムアルデヒド単量体に解
離して作用する。
本発明の触媒に用いる強酸性陽イオン交換樹脂は、官能
基に強酸基を有するものであれば特に制約はないが、望
ましくは、20〜110m2/gの比表面積、150〜1
200Åの平均孔径を有し非水溶液系で化学的、物理的
に安定なイオン交換樹脂がよい。一例を上げれば、アン
バーリスト15(ローム・アンド・ハース社)が優れて
いる。
本反応を実施するための芳香族メチレン樹脂製造装置
は、特に形状を問わず、通常のバッチ式、流通式等のい
ずれの形式を用いてもよい。
本発明の芳香族メチレン樹脂製造のための反応条件は、
原料の芳香族化合物の種類、生成する樹脂への要望性状
により異なるが、一般に次の反応条件を用いることがで
きる。反応温度50〜150℃、望ましくは70〜90
℃、反応時間0.1〜12時間、望ましくは2〜7時間
圧力1〜20気圧、望ましくは常圧で芳香族化合物/ホ
ルムアルデヒドのモル比1〜10、望ましく1〜3、芳
香族化合物/強酸性陽イオン交換樹脂の総交換容量1〜
10、望ましくは1〜3程度で実施することができる。
生成した芳香族メチレン樹脂は、触媒分離、水洗後、蒸
留で未反応油を除去すれば得られる。触媒は固体である
から、ろ過等の簡単な固液分離操作で容易に分離するこ
とができる。ろ液には触媒の酸基から生じる微量の酸性
物質が含まれるが、これは水洗で容易に洗い落とすこと
ができる。また、未反応のホルムアルデヒドが残存して
いる場合も、水洗で酸性物質と同時に除去することがで
きる。未反応ホルムアルデヒドが存在しない場合は塩基
性陰イオン交換樹脂、塩基性アルミナ等で酸性物質を除
去することもできる。生成した芳香族メチレン樹脂と未
反応の原料芳香族化合物の沸点差は50〜100℃と離
れているので、未反応油の除去は単蒸留、ロータリーエ
バポレーター等の簡単な蒸留操作で容易に実施すること
ができる。
かくして製造した芳香族メチレン樹脂は、一般に黄色〜
黒褐色粘稠液体であり、元素分析装置、赤外分光光度
計、核磁気共鳴装置等で測定した結果、原料の芳香族化
合物がメチレン基で結合した化学構造を有し、酸素原子
は全くあるいは実質的にほとんど含まない樹脂であるこ
とが明らかになった。また、この芳香族メチレン樹脂と
同一芳香族から硫酸触媒で合成したホルムアルデヒド樹
脂との熱安定性を熱天秤で比較したところ、前者の方が
はるかに熱安定性に優れているにもかかわらず、他樹脂
との相溶性においては両者にほとんど差異が認められな
いことが分った。
(実施例) 次に実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本
発明はこれにのみに限定するものではない。
実施例1 攪拌羽根、還流冷却器を備えた4つ口フラスコ(内容積
1)に、メタキシレン212g、トリオキサン30
g、陽イオン交換樹脂(アンバーリスト15)100g
を仕込み、反応温度78〜106℃で7時間反応した。
反応終了後、触媒をろ過分離し、触媒をトルエン100
gで洗浄したのち、トルエンと反応液の混合物に純水2
00mを加えて分液ろう斗で水層を除去した。その後
減圧単蒸留(120℃/10mmHg)で未反応メタキシ
レンとトルエンを除去しメタキシレンメチレン樹脂12
3.4gを得た。元素分析の結果、含酸素率は0重量%
であった。得られた樹脂の熱重量測定結果を第1図に、
他樹脂に対する相溶性試験結果を第1表に示す。
実施例2 実施例1と同一装置にC芳香族留分(重質改質油の1
50〜180℃の沸点範囲の留分)540g、トリオキ
サン60g、陽イオン交換樹脂(アンバーリスト15)
100gを仕込み、反応温度78〜84℃で4時間反応
した。反応終了後、実施例1と同様に処理してC芳香
族メチレン樹脂239gを得た。元素分析の結果、含酸
素率は0.2重量%であった。得られた樹脂の熱重量測
定結果を第2図に、他樹脂に対する相溶性試験結果を第
1表に示す。
比較例1 市販のメタキシレンホルムアルデヒド樹脂(三菱瓦斯化
学社製“ニカノールL”)を元素分析した結果、含酸素
率は8.8重量%であった。また、熱重量測定結果を第
1図に、他樹脂に対する相溶性試験結果を第1表に示
す。
比較例2 実施例1と同一装置に、実施例2と同一のC芳香族留
分240g、市販の37%ホルマリン284g、市販9
7%硫酸100gを仕込み、反応温度97〜103℃で
1.5時間反応した。反応終了後、トルエン100gを
加えて分液ろう斗に移し、純水で繰り返し洗浄して触媒
ならびに酸性物質を除去した。その後実施例1と同一操
作で蒸留し、C芳香族ホルムアルデヒド樹脂137g
を得た。元素分析の結果、含酸素率は13.1重量%で
あった。また、熱重量測定結果を第2図に、他樹脂に対
する相溶性試験結果を第1表に示す。
(発明の効果) 図1、2の結果から明らかなように、本発明で得られた
芳香族メチレン樹脂は、同一の芳香族化合物から合成し
た従来の芳香族ホルムアルデヒド樹脂に比べて耐熱性が
改善されている。また、表1に見られるように、他樹脂
との相溶性試験においては芳香族メチレン樹脂も芳香族
ホルムアルデヒド樹脂もほぼ同等の相溶性を示してい
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1と比較例1の熱重量測定結果の比較図
であり、第2図は実施例2と比較例2の熱重量測定結果
の比較図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族化合物とホルムアルデヒドを強酸性
    陽イオン交換樹脂の存在下で反応させて得られる実質的
    に酸素原子を含まない芳香族メチレン樹脂の製造法。
  2. 【請求項2】ホルムアルデヒドが反応系内でトリオキサ
    ンより発生することを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の芳香族メチレン樹脂の製造法。
  3. 【請求項3】芳香族化合物に対するホルムアルデヒドの
    量がその化学当量より少ない量のトリオキサンを使用す
    る特許請求の範囲第2項記載の芳香族メチレン樹脂の製
    造法。
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