JPH0611794B2 - 高分子超微粒子とその複合体 - Google Patents
高分子超微粒子とその複合体Info
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- JPH0611794B2 JPH0611794B2 JP60066556A JP6655685A JPH0611794B2 JP H0611794 B2 JPH0611794 B2 JP H0611794B2 JP 60066556 A JP60066556 A JP 60066556A JP 6655685 A JP6655685 A JP 6655685A JP H0611794 B2 JPH0611794 B2 JP H0611794B2
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Description
産業上の利用分野 本発明は、一本の高分子鎖からなる気液界面に存在し、
基板に固着されていない累積可能な高分子超微粒子及
び、該高分子超微粒子が基板上に面積占有率10%以上
で累積した超微粒子複合体に関するものである。 従来の技術 高分子の溶液論によれば希薄溶液では高分子は孤立鎖と
して存在している。希薄溶液とは下式で定義されるC*
という濃度以下の濃度を持った溶液である。 C*=3M/(4πNA〈S2〉3/2) ここでMは高分子の分子量、πは円周率、NAはアボガ
ドロ数、〈S2〉は高分子鎖の回転半径の2乗平均であ
る。 希薄溶液中では高分子は孤立して存在しているため、そ
の分散状態を維持したまま溶媒を取り除けば、一本の高
分子鎖からなる超微粒子を得ることが可能であると考え
られていた。 しかし、希薄溶液から分子の分散を維持したまま溶媒を
取り除くことは非常に困難である。なぜならば通常の溶
媒キャスト法の条件では溶媒を取り除くと濃度の上昇が
起り、ついには高分子が会合し一本の高分子鎖からなる
超微粒子を得ることが不可能だからである。 この困難さのため、一本の高分子鎖からなる超微粒子を
得ようという試みは、多くの有用な応用が考えられるに
もかかわらず近年行なわれることがなかった。1950
年代から1960代にかけていくつかの試みがなされて
いる。たとえばM.J.Richardsonの報文P
roc.Roy.Soc.(London),A27
9,50(1964)には高分子の混合溶媒による希薄
溶液を蒸着カーボン膜上にスプレーし、溶媒を蒸発させ
て一本の高分子鎖からなる超微粒子を得るという方法が
示されている。この方法では混合溶媒として揮発性の大
きな該高分子に対する良溶媒と、それより揮発性の劣る
貧溶媒の組合せを用いている。溶媒の蒸発過程において
組成が次第に貧溶媒となり、高分子がある点で強く縮ま
ったコイルを形成し超微粒子になると報告している。良
溶媒のみの溶液からスプレーしたものは高分子が基板上
に広く広がった形となり超微粒子を形成しないと述べて
いる。 発明が解決しようとする問題点 以上のスプレー法により得られた一本の高分子鎖からな
る超微粒子には次のような欠点がある。 第一に固体基板上にスプレーするため、超微粒子が基板
上に固着し、その結果、超微粒子を他の基板に累積する
ことができない。 第二に固体基板上にスプレーするため本質的に粒子の面
積占有率を増加させることができない。 なぜなら面積占有率を増加させるため多量の溶液を基板
上にスプレーすれば高分子鎖の会合を引き起こすからで
ある。このため粒子が最密充填した構造や、さらに粒子
を多段累積した構造等、広範囲に応用できる構造にはな
らない。 問題点を解決するための手段 本発明者は前記の問題点を解決すべく鋭意検討の結果、
累積することができる一本の高分子鎖からなる超微粒子
を得ることに成功し、本発明に到達したものである。 即ち、本発明は(1)下記一般式で表わされるC*以下
の濃度の高分子の希薄溶液を高分子と親和性の低い下層
液の気液界面に展開し、展開溶媒を揮発または下層液に
溶解させることにより得られた、一本の高分子鎖からな
る気液界面に存在し、基板に固着されていない高分子超
微粒子: C*=3M/(4πNA〈S2〉3/2) C*:濃度、 M:高分子の分子量、 π:円周率、 NA:アボガドロ数、 〈S2〉:高分子鎖の回転半径の2乗平均、
基板に固着されていない累積可能な高分子超微粒子及
び、該高分子超微粒子が基板上に面積占有率10%以上
で累積した超微粒子複合体に関するものである。 従来の技術 高分子の溶液論によれば希薄溶液では高分子は孤立鎖と
して存在している。希薄溶液とは下式で定義されるC*
という濃度以下の濃度を持った溶液である。 C*=3M/(4πNA〈S2〉3/2) ここでMは高分子の分子量、πは円周率、NAはアボガ
ドロ数、〈S2〉は高分子鎖の回転半径の2乗平均であ
る。 希薄溶液中では高分子は孤立して存在しているため、そ
の分散状態を維持したまま溶媒を取り除けば、一本の高
分子鎖からなる超微粒子を得ることが可能であると考え
られていた。 しかし、希薄溶液から分子の分散を維持したまま溶媒を
取り除くことは非常に困難である。なぜならば通常の溶
媒キャスト法の条件では溶媒を取り除くと濃度の上昇が
起り、ついには高分子が会合し一本の高分子鎖からなる
超微粒子を得ることが不可能だからである。 この困難さのため、一本の高分子鎖からなる超微粒子を
得ようという試みは、多くの有用な応用が考えられるに
もかかわらず近年行なわれることがなかった。1950
年代から1960代にかけていくつかの試みがなされて
いる。たとえばM.J.Richardsonの報文P
roc.Roy.Soc.(London),A27
9,50(1964)には高分子の混合溶媒による希薄
溶液を蒸着カーボン膜上にスプレーし、溶媒を蒸発させ
て一本の高分子鎖からなる超微粒子を得るという方法が
示されている。この方法では混合溶媒として揮発性の大
きな該高分子に対する良溶媒と、それより揮発性の劣る
貧溶媒の組合せを用いている。溶媒の蒸発過程において
組成が次第に貧溶媒となり、高分子がある点で強く縮ま
ったコイルを形成し超微粒子になると報告している。良
溶媒のみの溶液からスプレーしたものは高分子が基板上
に広く広がった形となり超微粒子を形成しないと述べて
いる。 発明が解決しようとする問題点 以上のスプレー法により得られた一本の高分子鎖からな
る超微粒子には次のような欠点がある。 第一に固体基板上にスプレーするため、超微粒子が基板
上に固着し、その結果、超微粒子を他の基板に累積する
ことができない。 第二に固体基板上にスプレーするため本質的に粒子の面
積占有率を増加させることができない。 なぜなら面積占有率を増加させるため多量の溶液を基板
上にスプレーすれば高分子鎖の会合を引き起こすからで
ある。このため粒子が最密充填した構造や、さらに粒子
を多段累積した構造等、広範囲に応用できる構造にはな
らない。 問題点を解決するための手段 本発明者は前記の問題点を解決すべく鋭意検討の結果、
累積することができる一本の高分子鎖からなる超微粒子
を得ることに成功し、本発明に到達したものである。 即ち、本発明は(1)下記一般式で表わされるC*以下
の濃度の高分子の希薄溶液を高分子と親和性の低い下層
液の気液界面に展開し、展開溶媒を揮発または下層液に
溶解させることにより得られた、一本の高分子鎖からな
る気液界面に存在し、基板に固着されていない高分子超
微粒子: C*=3M/(4πNA〈S2〉3/2) C*:濃度、 M:高分子の分子量、 π:円周率、 NA:アボガドロ数、 〈S2〉:高分子鎖の回転半径の2乗平均、
【請求項2】下記一般式で表わされるC*以下の濃度の
高分子の希薄溶液を高分子と親和性の低い下層液の気液
界面に展開し、展開溶媒を揮発または下層液に溶解させ
ることにより得られた、一本の高分子鎖からなる気液界
面に存在し、基板に固着されていない高分子超微粒子
が、基板上に面積占有率10%以上で累積した超微粒子
複合体: C*=3M/(4πNA〈S2〉3/2) (C*、M、π、NA、〈S2〉は前記と同じ)、 (3)下記一般式で表わされるC*以下の濃度の高分子
の希薄溶液を高分子と親和性の低い下層液の気液界面に
展開し、展開溶媒を揮発または下層液に溶解させること
からなる、一本の高分子鎖からなる気液界面に存在し、
基板に固着されていない高分子超微粒子の製造方法。 C*=3M/(4πNA〈S2〉3/2) (C*、M、π、NA、〈S2〉は前記と同じ)、 (4)下記一般式で表わされるC*以下の濃度の高分子
の希薄溶液を高分子と親和性の低い下層液の気液界面に
展開し、展開溶媒を揮発または下層液に溶解させること
により、気液界面上に一本の高分子鎖からなる超微粒子
を作り、その液面に基板を触れさせることにより該超微
粒子を基板上に移し取ることを特徴とする累積した超微
粒子複合体の製造方法。 C*=3M/(4πNA〈S2〉3/2) (C*、M、π、NA、〈S2〉は前記と同じ)、 (5)下記一般式で表わされるC*以下の濃度の高分子
の希薄溶液を高分子と親和性の低い下層液の気液界面に
展開し、展開溶媒を揮発または下層液に溶解させること
により、気液界面上に一本の高分子鎖からなる超微粒子
を作り、その液面に基板を触れさせることにより該超微
粒子を基板上に移し取った累積基板を、さらに気液界面
上にある一本の分子鎖からなる超微粒子と触れさせて該
超微粒子を多段階累積することを特徴とする累積した超
微粒子複合体の製造方法。 C*=3M/(4πNA〈S2〉3/2) (C*、M、π、NA、〈S2〉は前記と同じ)、 に関するものである。 一般にいわれる高分子の超微粒子は多数の高分子鎖から
形成されるが、本発明でいう一本の高分子鎖からなる超
微粒子は実質的に一本の高分子鎖から形成される。超微
粒子は球状、回転楕円体、柱状等、任意の形態をとり得
る。超微粒子の大きさは分子量により大きく変化し、1
0Åから100Åの大きさをとり得る。基板としては、
例えばクロム板のような金属板、ポリスチレン、ポリメ
チルメタクリレート板のようなプラスチック板、あるい
はガラス板、フッ化カルシウム板、シリコンの単結晶
板、カーボン補強したコロジオン膜等がある。しかし、
その形態は柱状、球状等、必らずしも板状である必要は
ない。 累積とは、形成した超微粒子を基板上に一段以上載せる
ことを意味する。 面積占有率とは、超微粒子の平均直径の50倍以上を一
辺とする任意の大きさの正方形中で超微粒子の占めてい
る面積の割合を言う。なお、この正方形は面積占有率が
最も大きくなるように定める。面積占有率は好ましくは
10%以上、さらに20%以上とすることができ、さら
に好ましくは100%以上とすることも可能である。 本発明の一本の高分子鎖からなる気液界面に存在し、基
板に固着されていない累積可能な高分子超微粒子は、た
とえば高分子の希薄溶液を水または有機溶媒、または水
銀等の下層液の気液界面に展開し、展開溶媒を揮発ある
いは下層液に溶解させることにより得られる。 下層液としては高分子と親和性の低いものが好ましい。
なぜなら親和性の小さな下層液上では高分子鎖が気液界
面上に単分子的に広がらず凝集した構造をとるので本発
明の一本の高分子鎖からなる超微粒子が容易に得られる
からである。 すなわち水に非親和性の高分子からなる展開溶液と水
または水溶液の下層との組合せ、および親水性の高分
子の溶液からなる展開溶液と該高分子に親和性のない溶
媒の下層液との組合せが挙げられる。 下層液として水または水溶液を用いる場合、次のような
水または水溶液と親和性の小さい高分子を用いる。 水または水溶液と親和性の小さい高分子として、たとえ
ばポリエチレン、ポリプロピレン等のアルキレンポリマ
ー、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のジエン化合物
ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデンクロライ
ド、ポリビニルフルオライド、ポリビニリデンフルオラ
イド等ポリビニルハライド、ポリスチレン、ポリα−メ
チルスチレン等スチレン誘導体からなるポリマーがあ
る。 またここに示したポリマーのランダム共重合体、ブロツ
ク共重合体、グラフト共重合体、さらにはブレンドを用
いることも可能である。 特にポリスチレン、ポリ塩化ビニルが好ましい。 展開溶媒としては、水面上に滴下した時にレンズ状にか
たまらずに薄く広がるものが望ましい。通常クロロホル
ム、ヘキサン、エタノール、ベンゼン等が単独あるいは
混合で用いられる。いずれの展開溶媒も気相または液相
中に去って界面に残存しないことが望ましい。 展開溶媒中の高分子の濃度は先に示したC*より小さく
なければいけない。濃度はC*より薄ければ薄いほど望
ましい。C*よりわずかに薄い濃度では水面上にポリマ
ーの浮遊物が認められることがある。また不充分な薄さ
の濃度では得られる超微粒子が一本以上の分子鎖を含ん
でいることもある。さらに濃度を下げると一本の分子鎖
からなる超微粒子のみを得ることも可能となる。この臨
界濃度は、ポリマー、展開溶媒、下層液の種類、展開条
件等により定まる。以上の説明から容易に推察できるよ
うに、濃度を調節することにより一本以上の適当な分子
鎖を含んだ粒子を作成することも可能である。しかし、
その場合は粒子に含まれる分子鎖には分布が存在する。 下層液に用いる水は界面科学的に清浄なものが好まし
い。水中の界面活性は不純物は水面の性質を変化させ、
生じる粒子の形状に影響を与える。また水のかわりに無
機化合物、有機化合物等の水溶液を用いることも可能で
ある。 無機化合物としては、たとえば塩化バリウム、塩化カル
シウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、水酸化カリウ
ム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウ
ム、硝酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩化鉛、酢酸
鉛、塩化第二鉄、塩化カドミウム等の塩、塩酸、硝酸、
硫酸、硫酸アンモニウム等がある。 有機化合物としては、アセトニトリル、アセトン、アミ
ノ安息香酸、エタノール、ギ酸、グリセリン、ジオキサ
ン、フェノール、ブタノール、プロパノール、プロピオ
ン酸、酢酸、メタノール等がある。 一方、水または水溶液と親和性の高い高分子たとえばポ
リアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等アクリル
酸の低分子量アルコールによるエステルからなるポリマ
ー、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル
等、メタクリル酸の低分子アルコールによるエステルか
らなるポリマー、ポリメチルビニルエーテル、ポリエチ
ルビニルエーテル、脂肪鎖の短いビニルエーテルからな
るポリマー、ポリ−DL−α−アミノラウリル酸、ポリ
DL−アラニン、ポリロイシン酸アミノ酸からなるポリ
マー、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、
ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等、ポリ
ビニルアルコールの低級アルデヒドによる誘導体、ポリ
酢酸ビニル及びその低級アルコールによる誘導体等があ
る。これらのポリマーは水と親和性があるため、水や水
溶液上では気液界面に広なり凝集しないため超微粒子を
形成しにくい。しかし、これらのポリマーも、下層液と
してポリマーと親和性の小さな溶液を用いれば超微粒子
を作成することが可能である。その溶液として適するも
のは各々のポリマーの性質により異なるが、共通なもの
としては、たとえばヘプタン、オクタン等の脂肪族有機
化合物、水銀等の液体がある。これらの他に個々のポリ
マーに適した下層液としては、ポリアクリル酸メチルの
場合は、エチルエーテル、メタノール、エタノール、四
塩化炭素等が使用できる。ポリアクリル酸エチルの場合
は、エチルエーテル、炭素数5以上の脂肪族アルコー
ル、シクロヘキサノール等の溶媒が使用できる。ポリメ
タクリル酸メチルの場合は、メタノール、エチレングリ
コール、ブチレングリコール、エチルエーテル、イソプ
ロピルエーテル等のエーテル類、四塩化炭素、ホルムア
ミド、クレゾール等が使用される。ポリメタクリル酸エ
チルの場合は、メタノール、エチレングリコール、イソ
プロピルエーテル等が使用される。ポリメチルビニルエ
ーテル、ポリエチルビニルエーテルの場合は、エチレン
グリコール、エチルエーテル等が使用される。ポリビニ
ルアルコールの場合は、ハロゲン化炭化水素、低級アル
コール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ホルマール
化エチレングリコール、ケトン類、カルボン酸、エステ
ル類等が使用できる。ポリビニルホルマールの場合は、
メタノール、エタノール、ジオキサン、エステル類等が
使用できる。ポリビニルアセタールの場合はエチルエー
テル等が使用される。ポリビニルブチラールの場合は、
メチレンクロライド、脂肪族ケトン等が使用できる。 本発明の一本の高分子鎖からなる高分子超微粒子が基板
上に累積した超微粒子複合体は、たとえば高分子の希薄
溶液を水または有機溶媒、または水銀等の下層液の気液
界面に展開し、展開溶液を揮発あるいは下層液に溶解さ
せることにより、液面上に一本の高分子鎖からなる超微
粒子を作り、その液面に基板を触れることにより粒子を
基板上に移し取り作成することができる。 その場合、生じた液面上の超微粒子をしきり板により集
めた後基板上に移し取ることにより、粒子の面積占有率
を変化させることが可能である。また粒子が累積した基
板をさらに液面に触れることにより粒子を多段階累積し
た複合体を得ることができる。 このように液面上にあらかじめ超微粒子を作成して、そ
れを基板に累積するという方法では、スプレー法等の基
板上で超微粒子を作成する方法では従来製造できなかっ
た面積占有率10%以上の超微粒子複合体も製造するこ
とができる。 また得られた超微粒子複合体は加熱することにより超微
粒子同志、または超微粒子と基板を融着することも可能
である。 基板として前述のような金属板、プラスチック板、ガラ
ス板、フッ化カルシウム板、シリコンの単結晶板、カー
ボン補強したコロジオン膜等が用いられる。 実施例 以下に実施例にて本発明を説明するが、本発明はこれら
の実施例に限定されるものでないことは言うまでもな
い。 実施例1 市販の単分散ポリスチレンをベンゼンに溶解し、濃度2
×10-4重量%程度の溶液とした。C*はポリマーの分
子量に依存するが、ここに示した範囲の分子量では0.
1〜0.3重量%程度である。この溶液を注射器を用い
て清浄な水面上に一滴滴下し、滴下したベンゼン溶液が
完全に展開し揮発した後、新たな一滴を滴下するという
方法により展開した。通常560cm2の水面に対して2
0ccの溶液を展開した。 コロジオン膜を貼布し、カーボンで補強した電子顕微鏡
用銅メッシュを水面に水平に触れさせることにより、水
面上に生成した超微粒子をメッシュ上に転移させ電子顕
微鏡用のサンプルとした。 第1図に重量平均分子量384万、第2図に同842万
のポリスチレンの超微粒子の電子顕微鏡写真を示した。
数平均の粒径はそれぞれ336Å、465Åである。 第3図は粒径分布である。上から重量平均分子量230
万、384万、448万、548万、677万、842
万のポリスチレンの超微粒子である。数平均の粒径は順
に295、336、351、374、418、465Å
である。粒子の大きさが直接分子量を反映している。ま
たこれらの粒子はシャドウイングを行ない電子顕微鏡で
観察することにより厚さを求めると偏平な形をしてい
る。 実施例2 重量平均分子量230万、842万の単分散ポリスチレ
ンを1:1.3のモル比で混合しベンゼン溶液とし、実
施例1と同様な方法で展開した。第4図に粒径分布を示
した。粒径分布は二つのピークを示し、ピークはそれぞ
れ第3図に示した元のポリマーと一致した。このことに
より本超微粒子が一本の分子鎖から生じていることは明
らかである。 又、ポリスチレン以外の他の水または水溶液と親和性の
小さい高分子についても同様にして一本の分子鎖からな
る超微粒子が得られた。 実施例3 重量平均分子量384万のポリスチレンを実施例1と同
様な方法で展開した。生成した水面上の超微粒子をしき
り板を用いて集め、一定の表面圧に圧縮しながらクロム
板を水面に水平に触れさせることにより、超微粒子を基
板上に移し取り超微粒子複合体を得た。表面圧1dyn/c
m,2dyn/cm,5dyn/cm,20dyn/cm,50dyn/cmで一
層累積したところ、それぞれ面積占有率11%,22
%,40%,74%,90%の超微粒子複合体が得られ
た。Cr板上の超微粒子は微細な粉状のものが付着した
ように見える。これは超微粒子の集合状態に疎密なとこ
ろがあり、その構造が目視し得るためと考えられる。 また、一定表面圧で水面上の超微粒子を圧縮した後、基
板が入る大きさの穴が多数あいているテフロン板を水面
上にかぶせ、その異なった穴に基板を触れることにより
超微粒子を多段累積した超微粒子複合体を作成した。2
0dyn/cmの表面圧で5層、10層、30層、50層累積
した。累積するに従い、基板表面はますます白く見える
ようになった。これらの複合体はいずれも面積占有率1
00%以上である。 クロム板の他にも、ガラス板、CaF2板、雲母板、カ
ーボン補強したコロジオン膜にもクロム板の場合と同様
に超微粒子複合体が得られた。 又、ポリスチレン以外の他の水または水溶液と親和性の
小さい高分子についても同様にして超微粒子複合体が得
られた。 実験例1 第1図に示したものと同じ重量平均分子量384万のポ
リスチレンを、実施例1と同じ方法で展開溶液の濃度の
み変化させて展開した。このポリマーのC*は0.17
6重量%である。第1図には2.29×10-4重量%、
第5図には2.30×10-3重量%、第6図には2.3
3×10-2重量%から展開した時に生じた超微粒子の電
子顕微鏡写真を示した。展開溶液の濃度が濃くなるにつ
れ超微粒子の中に粒径の大きなものが混入してくる。こ
れは2本以上の分子鎖からなる超微粒子である。いずれ
の濃度から展開した場合も、小さな粒径を持った超微粒
子が存在し、その大きさは濃度により変化を受けない
が、その割合は濃度が薄いほど増加し、一本の分子鎖か
らなる超微粒子であることを示している。2.30×1
0-3重量%では大きな超微粒子の混入が認められるが、
2.29×10-4重量%では完全に小さな超微粒子だけ
が認められる。 発明の効果 本発明の一本の高分子鎖からなる気液界面に存在し、基
板に固着されていない累積可能な高分子超微粒子は、次
のような効果を発揮する。 分子量及び分子量分布をコントロールすることにより、
粒径及び粒径分布を細かくコントロールできる。 また従来、製造が困難であった数百Å以下の直径を持っ
た高分子の超微粒子が作成できる。 さらに微粒子を液面に浮かべることができるため、しき
り板を用いた液面を圧縮することにより粒子を密に充填
することができる。また液面上の粒子は、基板に移した
り累積することが可能である。 本発明の一本の高分子鎖からなる高分子超微粒子が基板
上に面積占有率10%以上で累積した超微粒子複合体は
次のような効果を発揮する。 本複合体は数百Å以下の直径を持った粒子を構成要素と
することができるため、極めて微細な構造を持たせるこ
とが可能である。たとえば超微粒子を密に累積した複合
体では、粒子間に微細な空隙があるため分離膜として応
用が可能である。 また2種類の固体状態において非相溶な高分子を用い、
超微粒子が密に累積した超微粒子複合体を作成すればブ
ロツク共重合体のミクロ相分離に類似した、極めて微細
な構造を持った膜を作成することが可能である。このよ
うな膜は、たとえばブロツク共重合体が使用されている
抗血栓性材料として使用が可能である。
高分子の希薄溶液を高分子と親和性の低い下層液の気液
界面に展開し、展開溶媒を揮発または下層液に溶解させ
ることにより得られた、一本の高分子鎖からなる気液界
面に存在し、基板に固着されていない高分子超微粒子
が、基板上に面積占有率10%以上で累積した超微粒子
複合体: C*=3M/(4πNA〈S2〉3/2) (C*、M、π、NA、〈S2〉は前記と同じ)、 (3)下記一般式で表わされるC*以下の濃度の高分子
の希薄溶液を高分子と親和性の低い下層液の気液界面に
展開し、展開溶媒を揮発または下層液に溶解させること
からなる、一本の高分子鎖からなる気液界面に存在し、
基板に固着されていない高分子超微粒子の製造方法。 C*=3M/(4πNA〈S2〉3/2) (C*、M、π、NA、〈S2〉は前記と同じ)、 (4)下記一般式で表わされるC*以下の濃度の高分子
の希薄溶液を高分子と親和性の低い下層液の気液界面に
展開し、展開溶媒を揮発または下層液に溶解させること
により、気液界面上に一本の高分子鎖からなる超微粒子
を作り、その液面に基板を触れさせることにより該超微
粒子を基板上に移し取ることを特徴とする累積した超微
粒子複合体の製造方法。 C*=3M/(4πNA〈S2〉3/2) (C*、M、π、NA、〈S2〉は前記と同じ)、 (5)下記一般式で表わされるC*以下の濃度の高分子
の希薄溶液を高分子と親和性の低い下層液の気液界面に
展開し、展開溶媒を揮発または下層液に溶解させること
により、気液界面上に一本の高分子鎖からなる超微粒子
を作り、その液面に基板を触れさせることにより該超微
粒子を基板上に移し取った累積基板を、さらに気液界面
上にある一本の分子鎖からなる超微粒子と触れさせて該
超微粒子を多段階累積することを特徴とする累積した超
微粒子複合体の製造方法。 C*=3M/(4πNA〈S2〉3/2) (C*、M、π、NA、〈S2〉は前記と同じ)、 に関するものである。 一般にいわれる高分子の超微粒子は多数の高分子鎖から
形成されるが、本発明でいう一本の高分子鎖からなる超
微粒子は実質的に一本の高分子鎖から形成される。超微
粒子は球状、回転楕円体、柱状等、任意の形態をとり得
る。超微粒子の大きさは分子量により大きく変化し、1
0Åから100Åの大きさをとり得る。基板としては、
例えばクロム板のような金属板、ポリスチレン、ポリメ
チルメタクリレート板のようなプラスチック板、あるい
はガラス板、フッ化カルシウム板、シリコンの単結晶
板、カーボン補強したコロジオン膜等がある。しかし、
その形態は柱状、球状等、必らずしも板状である必要は
ない。 累積とは、形成した超微粒子を基板上に一段以上載せる
ことを意味する。 面積占有率とは、超微粒子の平均直径の50倍以上を一
辺とする任意の大きさの正方形中で超微粒子の占めてい
る面積の割合を言う。なお、この正方形は面積占有率が
最も大きくなるように定める。面積占有率は好ましくは
10%以上、さらに20%以上とすることができ、さら
に好ましくは100%以上とすることも可能である。 本発明の一本の高分子鎖からなる気液界面に存在し、基
板に固着されていない累積可能な高分子超微粒子は、た
とえば高分子の希薄溶液を水または有機溶媒、または水
銀等の下層液の気液界面に展開し、展開溶媒を揮発ある
いは下層液に溶解させることにより得られる。 下層液としては高分子と親和性の低いものが好ましい。
なぜなら親和性の小さな下層液上では高分子鎖が気液界
面上に単分子的に広がらず凝集した構造をとるので本発
明の一本の高分子鎖からなる超微粒子が容易に得られる
からである。 すなわち水に非親和性の高分子からなる展開溶液と水
または水溶液の下層との組合せ、および親水性の高分
子の溶液からなる展開溶液と該高分子に親和性のない溶
媒の下層液との組合せが挙げられる。 下層液として水または水溶液を用いる場合、次のような
水または水溶液と親和性の小さい高分子を用いる。 水または水溶液と親和性の小さい高分子として、たとえ
ばポリエチレン、ポリプロピレン等のアルキレンポリマ
ー、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のジエン化合物
ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデンクロライ
ド、ポリビニルフルオライド、ポリビニリデンフルオラ
イド等ポリビニルハライド、ポリスチレン、ポリα−メ
チルスチレン等スチレン誘導体からなるポリマーがあ
る。 またここに示したポリマーのランダム共重合体、ブロツ
ク共重合体、グラフト共重合体、さらにはブレンドを用
いることも可能である。 特にポリスチレン、ポリ塩化ビニルが好ましい。 展開溶媒としては、水面上に滴下した時にレンズ状にか
たまらずに薄く広がるものが望ましい。通常クロロホル
ム、ヘキサン、エタノール、ベンゼン等が単独あるいは
混合で用いられる。いずれの展開溶媒も気相または液相
中に去って界面に残存しないことが望ましい。 展開溶媒中の高分子の濃度は先に示したC*より小さく
なければいけない。濃度はC*より薄ければ薄いほど望
ましい。C*よりわずかに薄い濃度では水面上にポリマ
ーの浮遊物が認められることがある。また不充分な薄さ
の濃度では得られる超微粒子が一本以上の分子鎖を含ん
でいることもある。さらに濃度を下げると一本の分子鎖
からなる超微粒子のみを得ることも可能となる。この臨
界濃度は、ポリマー、展開溶媒、下層液の種類、展開条
件等により定まる。以上の説明から容易に推察できるよ
うに、濃度を調節することにより一本以上の適当な分子
鎖を含んだ粒子を作成することも可能である。しかし、
その場合は粒子に含まれる分子鎖には分布が存在する。 下層液に用いる水は界面科学的に清浄なものが好まし
い。水中の界面活性は不純物は水面の性質を変化させ、
生じる粒子の形状に影響を与える。また水のかわりに無
機化合物、有機化合物等の水溶液を用いることも可能で
ある。 無機化合物としては、たとえば塩化バリウム、塩化カル
シウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、水酸化カリウ
ム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウ
ム、硝酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩化鉛、酢酸
鉛、塩化第二鉄、塩化カドミウム等の塩、塩酸、硝酸、
硫酸、硫酸アンモニウム等がある。 有機化合物としては、アセトニトリル、アセトン、アミ
ノ安息香酸、エタノール、ギ酸、グリセリン、ジオキサ
ン、フェノール、ブタノール、プロパノール、プロピオ
ン酸、酢酸、メタノール等がある。 一方、水または水溶液と親和性の高い高分子たとえばポ
リアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等アクリル
酸の低分子量アルコールによるエステルからなるポリマ
ー、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル
等、メタクリル酸の低分子アルコールによるエステルか
らなるポリマー、ポリメチルビニルエーテル、ポリエチ
ルビニルエーテル、脂肪鎖の短いビニルエーテルからな
るポリマー、ポリ−DL−α−アミノラウリル酸、ポリ
DL−アラニン、ポリロイシン酸アミノ酸からなるポリ
マー、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、
ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等、ポリ
ビニルアルコールの低級アルデヒドによる誘導体、ポリ
酢酸ビニル及びその低級アルコールによる誘導体等があ
る。これらのポリマーは水と親和性があるため、水や水
溶液上では気液界面に広なり凝集しないため超微粒子を
形成しにくい。しかし、これらのポリマーも、下層液と
してポリマーと親和性の小さな溶液を用いれば超微粒子
を作成することが可能である。その溶液として適するも
のは各々のポリマーの性質により異なるが、共通なもの
としては、たとえばヘプタン、オクタン等の脂肪族有機
化合物、水銀等の液体がある。これらの他に個々のポリ
マーに適した下層液としては、ポリアクリル酸メチルの
場合は、エチルエーテル、メタノール、エタノール、四
塩化炭素等が使用できる。ポリアクリル酸エチルの場合
は、エチルエーテル、炭素数5以上の脂肪族アルコー
ル、シクロヘキサノール等の溶媒が使用できる。ポリメ
タクリル酸メチルの場合は、メタノール、エチレングリ
コール、ブチレングリコール、エチルエーテル、イソプ
ロピルエーテル等のエーテル類、四塩化炭素、ホルムア
ミド、クレゾール等が使用される。ポリメタクリル酸エ
チルの場合は、メタノール、エチレングリコール、イソ
プロピルエーテル等が使用される。ポリメチルビニルエ
ーテル、ポリエチルビニルエーテルの場合は、エチレン
グリコール、エチルエーテル等が使用される。ポリビニ
ルアルコールの場合は、ハロゲン化炭化水素、低級アル
コール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ホルマール
化エチレングリコール、ケトン類、カルボン酸、エステ
ル類等が使用できる。ポリビニルホルマールの場合は、
メタノール、エタノール、ジオキサン、エステル類等が
使用できる。ポリビニルアセタールの場合はエチルエー
テル等が使用される。ポリビニルブチラールの場合は、
メチレンクロライド、脂肪族ケトン等が使用できる。 本発明の一本の高分子鎖からなる高分子超微粒子が基板
上に累積した超微粒子複合体は、たとえば高分子の希薄
溶液を水または有機溶媒、または水銀等の下層液の気液
界面に展開し、展開溶液を揮発あるいは下層液に溶解さ
せることにより、液面上に一本の高分子鎖からなる超微
粒子を作り、その液面に基板を触れることにより粒子を
基板上に移し取り作成することができる。 その場合、生じた液面上の超微粒子をしきり板により集
めた後基板上に移し取ることにより、粒子の面積占有率
を変化させることが可能である。また粒子が累積した基
板をさらに液面に触れることにより粒子を多段階累積し
た複合体を得ることができる。 このように液面上にあらかじめ超微粒子を作成して、そ
れを基板に累積するという方法では、スプレー法等の基
板上で超微粒子を作成する方法では従来製造できなかっ
た面積占有率10%以上の超微粒子複合体も製造するこ
とができる。 また得られた超微粒子複合体は加熱することにより超微
粒子同志、または超微粒子と基板を融着することも可能
である。 基板として前述のような金属板、プラスチック板、ガラ
ス板、フッ化カルシウム板、シリコンの単結晶板、カー
ボン補強したコロジオン膜等が用いられる。 実施例 以下に実施例にて本発明を説明するが、本発明はこれら
の実施例に限定されるものでないことは言うまでもな
い。 実施例1 市販の単分散ポリスチレンをベンゼンに溶解し、濃度2
×10-4重量%程度の溶液とした。C*はポリマーの分
子量に依存するが、ここに示した範囲の分子量では0.
1〜0.3重量%程度である。この溶液を注射器を用い
て清浄な水面上に一滴滴下し、滴下したベンゼン溶液が
完全に展開し揮発した後、新たな一滴を滴下するという
方法により展開した。通常560cm2の水面に対して2
0ccの溶液を展開した。 コロジオン膜を貼布し、カーボンで補強した電子顕微鏡
用銅メッシュを水面に水平に触れさせることにより、水
面上に生成した超微粒子をメッシュ上に転移させ電子顕
微鏡用のサンプルとした。 第1図に重量平均分子量384万、第2図に同842万
のポリスチレンの超微粒子の電子顕微鏡写真を示した。
数平均の粒径はそれぞれ336Å、465Åである。 第3図は粒径分布である。上から重量平均分子量230
万、384万、448万、548万、677万、842
万のポリスチレンの超微粒子である。数平均の粒径は順
に295、336、351、374、418、465Å
である。粒子の大きさが直接分子量を反映している。ま
たこれらの粒子はシャドウイングを行ない電子顕微鏡で
観察することにより厚さを求めると偏平な形をしてい
る。 実施例2 重量平均分子量230万、842万の単分散ポリスチレ
ンを1:1.3のモル比で混合しベンゼン溶液とし、実
施例1と同様な方法で展開した。第4図に粒径分布を示
した。粒径分布は二つのピークを示し、ピークはそれぞ
れ第3図に示した元のポリマーと一致した。このことに
より本超微粒子が一本の分子鎖から生じていることは明
らかである。 又、ポリスチレン以外の他の水または水溶液と親和性の
小さい高分子についても同様にして一本の分子鎖からな
る超微粒子が得られた。 実施例3 重量平均分子量384万のポリスチレンを実施例1と同
様な方法で展開した。生成した水面上の超微粒子をしき
り板を用いて集め、一定の表面圧に圧縮しながらクロム
板を水面に水平に触れさせることにより、超微粒子を基
板上に移し取り超微粒子複合体を得た。表面圧1dyn/c
m,2dyn/cm,5dyn/cm,20dyn/cm,50dyn/cmで一
層累積したところ、それぞれ面積占有率11%,22
%,40%,74%,90%の超微粒子複合体が得られ
た。Cr板上の超微粒子は微細な粉状のものが付着した
ように見える。これは超微粒子の集合状態に疎密なとこ
ろがあり、その構造が目視し得るためと考えられる。 また、一定表面圧で水面上の超微粒子を圧縮した後、基
板が入る大きさの穴が多数あいているテフロン板を水面
上にかぶせ、その異なった穴に基板を触れることにより
超微粒子を多段累積した超微粒子複合体を作成した。2
0dyn/cmの表面圧で5層、10層、30層、50層累積
した。累積するに従い、基板表面はますます白く見える
ようになった。これらの複合体はいずれも面積占有率1
00%以上である。 クロム板の他にも、ガラス板、CaF2板、雲母板、カ
ーボン補強したコロジオン膜にもクロム板の場合と同様
に超微粒子複合体が得られた。 又、ポリスチレン以外の他の水または水溶液と親和性の
小さい高分子についても同様にして超微粒子複合体が得
られた。 実験例1 第1図に示したものと同じ重量平均分子量384万のポ
リスチレンを、実施例1と同じ方法で展開溶液の濃度の
み変化させて展開した。このポリマーのC*は0.17
6重量%である。第1図には2.29×10-4重量%、
第5図には2.30×10-3重量%、第6図には2.3
3×10-2重量%から展開した時に生じた超微粒子の電
子顕微鏡写真を示した。展開溶液の濃度が濃くなるにつ
れ超微粒子の中に粒径の大きなものが混入してくる。こ
れは2本以上の分子鎖からなる超微粒子である。いずれ
の濃度から展開した場合も、小さな粒径を持った超微粒
子が存在し、その大きさは濃度により変化を受けない
が、その割合は濃度が薄いほど増加し、一本の分子鎖か
らなる超微粒子であることを示している。2.30×1
0-3重量%では大きな超微粒子の混入が認められるが、
2.29×10-4重量%では完全に小さな超微粒子だけ
が認められる。 発明の効果 本発明の一本の高分子鎖からなる気液界面に存在し、基
板に固着されていない累積可能な高分子超微粒子は、次
のような効果を発揮する。 分子量及び分子量分布をコントロールすることにより、
粒径及び粒径分布を細かくコントロールできる。 また従来、製造が困難であった数百Å以下の直径を持っ
た高分子の超微粒子が作成できる。 さらに微粒子を液面に浮かべることができるため、しき
り板を用いた液面を圧縮することにより粒子を密に充填
することができる。また液面上の粒子は、基板に移した
り累積することが可能である。 本発明の一本の高分子鎖からなる高分子超微粒子が基板
上に面積占有率10%以上で累積した超微粒子複合体は
次のような効果を発揮する。 本複合体は数百Å以下の直径を持った粒子を構成要素と
することができるため、極めて微細な構造を持たせるこ
とが可能である。たとえば超微粒子を密に累積した複合
体では、粒子間に微細な空隙があるため分離膜として応
用が可能である。 また2種類の固体状態において非相溶な高分子を用い、
超微粒子が密に累積した超微粒子複合体を作成すればブ
ロツク共重合体のミクロ相分離に類似した、極めて微細
な構造を持った膜を作成することが可能である。このよ
うな膜は、たとえばブロツク共重合体が使用されている
抗血栓性材料として使用が可能である。
第1図は重量平均分子量384万のポリスチレンの超微
粒子の電子顕微鏡写真であり、第2図は同じく重量平均
分子量842万のポリスチレンの超微粒子の電子顕微鏡
写真である。第3図は各種重量平均分子量のポリスチレ
ンの超微粒子の粒径分布図であり、第4図は二つの異な
る分子量のポリスチレンの混合物を本発明に従って展開
した際の粒径分布図である。第5図は濃度2.30×1
0-3重量%、第6図は濃度2.33×10-2重量%から
それぞれ展開した時生じたそれぞれの超微粒子の電子顕
微鏡写真である。
粒子の電子顕微鏡写真であり、第2図は同じく重量平均
分子量842万のポリスチレンの超微粒子の電子顕微鏡
写真である。第3図は各種重量平均分子量のポリスチレ
ンの超微粒子の粒径分布図であり、第4図は二つの異な
る分子量のポリスチレンの混合物を本発明に従って展開
した際の粒径分布図である。第5図は濃度2.30×1
0-3重量%、第6図は濃度2.33×10-2重量%から
それぞれ展開した時生じたそれぞれの超微粒子の電子顕
微鏡写真である。
Claims (7)
- 【請求項1】下記一般式で表わされるC*以下の濃度の
高分子の希薄溶液を高分子と親和性の低い下層液の気液
界面に展開し、展開溶媒を揮発または下層液に溶解させ
ることにより得られた、一本の高分子鎖からなる気液界
面に存在し、基板に固着されていない高分子超微粒子。 C*=3M/(4πNA〈S2〉3/2) C*:濃度、 M:高分子の分子量、 π:円周率、 NA:アボガドロ数、 〈S2〉:高分子鎖の回転半径の2乗平均 - 【請求項2】下記一般式で表わされるC*以下の濃度の
高分子の希薄溶液を高分子と親和性の低い下層液の気液
界面に展開し、展開溶媒を揮発または下層液に溶解させ
ることにより得られた、一本の高分子鎖からなる気液界
面に存在し、基板に固着されていない高分子超微粒子
が、基板上に面積占有率10%以上で累積した超微粒子
複合体。 C*=3M/(4πNA〈S2〉3/2) C*:濃度、 M:高分子の分子量、 π:円周率、 NA:アボガドロ数、 〈S2〉:高分子鎖の回転半径の2乗平均 - 【請求項3】水または水溶液と親和性の小さい高分子か
らなる特許請求の範囲第1項記載の超微粒子。 - 【請求項4】水または水溶液と親和性の小さい高分子か
らなる特許請求の範囲第2項記載の面積占有率10%以
上で累積した超微粒子複合体。 - 【請求項5】下記一般式で表わされるC*以下の濃度の
高分子の希薄溶液を高分子と親和性の低い下層液の気液
界面に展開し、展開溶媒を揮発または下層液に溶解させ
ることからなる、一本の高分子鎖からなる気液界面に存
在し、基板に固着されていない高分子超微粒子の製造方
法。 C*=3M/(4πNA〈S2〉3/2) C*:濃度、 M:高分子の分子量、 π:円周率、 NA:アボガドロ数、 〈S2〉:高分子鎖の回転半径の2乗平均 - 【請求項6】下記一般式で表わされるC*以下の濃度の
高分子の希薄溶液を高分子と親和性の低い下層液の気液
界面に展開し、展開溶媒を揮発または下層液に溶解させ
ることにより、気液界面上に一本の高分子鎖からなる超
微粒子を作り、その液面に基板を触れさせることにより
該超微粒子を基板上に移し取ることを特徴とする累積し
た超微粒子複合体の製造方法。 C*=3M/(4πNA〈S2〉3/2) C*:濃度、 M:高分子の分子量、 π:円周率、 NA:アボガドロ数、 〈S2〉:高分子鎖の回転半径の2乗平均 - 【請求項7】下記一般式で表わされるC*以下の濃度の
高分子の希薄溶液を高分子と親和性の低い下層液の気液
界面に展開し、展開溶媒を揮発または下層液に溶解させ
ることにより、気液界面上に一本の高分子鎖からなる超
微粒子を作り、その液面に基板を触れさせることにより
該超微粒子を基板上に移し取った累積基板を、さらに気
液界面上にある一本の分子鎖からなる超微粒子と触れさ
せて該超微粒子を多段階累積することを特徴とする累積
した超微粒子複合体の製造方法。 C*=3M/(4πNA〈S2〉3/2) C*:濃度、 M:高分子の分子量、 π:円周率、 NA:アボガドロ数、 〈S2〉:高分子鎖の回転半径の2乗平均
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60066556A JPH0611794B2 (ja) | 1985-04-01 | 1985-04-01 | 高分子超微粒子とその複合体 |
| US06/841,189 US4839463A (en) | 1985-04-01 | 1986-03-19 | Ultra fine polymer particle and composite material of preparation for methods |
| EP86104298A EP0197461B1 (en) | 1985-04-01 | 1986-03-27 | Ultra fine polymer particle, composite material thereof, and methods of preparation thereof |
| DE8686104298T DE3679582D1 (de) | 1985-04-01 | 1986-03-27 | Ultrafeines polymerteilchen, verbundmaterial daraus und verfahren zu seiner herstellung. |
| US07/323,821 US4977242A (en) | 1985-04-01 | 1989-03-15 | Ultra fine polymer particle, composite material thereof and methods of preparation thereof |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60066556A JPH0611794B2 (ja) | 1985-04-01 | 1985-04-01 | 高分子超微粒子とその複合体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61228025A JPS61228025A (ja) | 1986-10-11 |
| JPH0611794B2 true JPH0611794B2 (ja) | 1994-02-16 |
Family
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60066556A Expired - Lifetime JPH0611794B2 (ja) | 1985-04-01 | 1985-04-01 | 高分子超微粒子とその複合体 |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
| US (2) | US4839463A (ja) |
| EP (1) | EP0197461B1 (ja) |
| JP (1) | JPH0611794B2 (ja) |
| DE (1) | DE3679582D1 (ja) |
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| JP2885587B2 (ja) * | 1992-10-28 | 1999-04-26 | 科学技術振興事業団 | 2次元粒子薄膜製造方法 |
| JP2828386B2 (ja) * | 1993-08-31 | 1998-11-25 | 科学技術振興事業団 | 微粒子薄膜の製造方法 |
| JP3280804B2 (ja) * | 1994-08-15 | 2002-05-13 | 触媒化成工業株式会社 | 基材上への粒子層の形成方法、基材凹凸面の平坦化方法および粒子層付基材 |
| US6087947A (en) * | 1996-07-11 | 2000-07-11 | Robert N. Hamburger | Allergen detector system and method |
| JP2003053176A (ja) * | 2001-08-21 | 2003-02-25 | Japan Science & Technology Corp | 高分子マイクロドームを用いるイオン性色素分子集合体のサイズの制御方法 |
| GB0120828D0 (en) | 2001-08-28 | 2001-10-17 | Isis Innovation | Method of driving an electroluminescent device |
| JP4765060B2 (ja) * | 2005-02-22 | 2011-09-07 | 国立大学法人山口大学 | 有機非線形光学材料の製造方法 |
| US8628976B2 (en) * | 2007-12-03 | 2014-01-14 | Azbil BioVigilant, Inc. | Method for the detection of biologic particle contamination |
| US8425985B2 (en) * | 2008-08-22 | 2013-04-23 | Corning Incorporated | Method for particulate coating |
| FR2941159B1 (fr) * | 2009-01-19 | 2012-02-24 | Commissariat Energie Atomique | Procede de depot d'un materiau a la surface d'un objet. |
| JP5915696B2 (ja) * | 2014-06-09 | 2016-05-11 | 王子ホールディングス株式会社 | 単粒子膜エッチングマスク付基板の製造方法 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS58206626A (ja) * | 1982-05-27 | 1983-12-01 | Mitsubishi Chem Ind Ltd | 芳香族ポリエステルポリカ−ボネ−ト粒状体の製造法 |
| US4603194A (en) * | 1984-11-30 | 1986-07-29 | General Electric Company | Isolation of polymer resin from organic solution |
-
1985
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1986
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1989
- 1989-03-15 US US07/323,821 patent/US4977242A/en not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| 「NATURE」,Vol.198,April20,1963(英)P.252,253 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61228025A (ja) | 1986-10-11 |
| US4839463A (en) | 1989-06-13 |
| EP0197461A2 (en) | 1986-10-15 |
| US4977242A (en) | 1990-12-11 |
| EP0197461A3 (en) | 1988-07-20 |
| DE3679582D1 (de) | 1991-07-11 |
| EP0197461B1 (en) | 1991-06-05 |
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