JPH06120593A - 固体レーザ装置 - Google Patents
固体レーザ装置Info
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- JPH06120593A JPH06120593A JP28536492A JP28536492A JPH06120593A JP H06120593 A JPH06120593 A JP H06120593A JP 28536492 A JP28536492 A JP 28536492A JP 28536492 A JP28536492 A JP 28536492A JP H06120593 A JPH06120593 A JP H06120593A
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- laser
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 容易に安定な単一縦モード発振をする半導体
レーザ励起固体レーザを提供する。 【構成】 励起光源としての半導体レーザと、固体レー
ザ媒質を用いた共振器とを備える固体レーザ装置に於い
て、前記固体レーザ媒質が、レーザ遷移を起こす活性原
子または分子を含む光軸方向の厚みが30μm以上20
0μm以下のレーザ結晶と、前記活性原子または分子を
含まない母結晶を、前記レーザ結晶に対して、互いの結
晶軸を一致させて接合したものからなることを特徴とす
る固体レーザ装置。
レーザ励起固体レーザを提供する。 【構成】 励起光源としての半導体レーザと、固体レー
ザ媒質を用いた共振器とを備える固体レーザ装置に於い
て、前記固体レーザ媒質が、レーザ遷移を起こす活性原
子または分子を含む光軸方向の厚みが30μm以上20
0μm以下のレーザ結晶と、前記活性原子または分子を
含まない母結晶を、前記レーザ結晶に対して、互いの結
晶軸を一致させて接合したものからなることを特徴とす
る固体レーザ装置。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体レーザ励起固体
レーザ装置に関するものである。
レーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Nd:YAG等の固体レーザ媒質を一対
の共振器ミラーで構成された共振器中に配置して半導体
レーザで励起する固体レーザは、希ガスランプなどを励
起光源とする固体レーザよりも手軽で安定なレーザ光源
として知られている。安定なレーザ光源は、ホログラフ
ィ、光パラメトリック発振器、光通信や光計測などの分
野で利用価値が高い。これらの用途では、レーザ光源が
安定なことに加え単一周波数であることも重要である。
ここで、単一周波数であるとは、単一縦モードであるこ
とと同義である。
の共振器ミラーで構成された共振器中に配置して半導体
レーザで励起する固体レーザは、希ガスランプなどを励
起光源とする固体レーザよりも手軽で安定なレーザ光源
として知られている。安定なレーザ光源は、ホログラフ
ィ、光パラメトリック発振器、光通信や光計測などの分
野で利用価値が高い。これらの用途では、レーザ光源が
安定なことに加え単一周波数であることも重要である。
ここで、単一周波数であるとは、単一縦モードであるこ
とと同義である。
【0003】固体レーザとして一般的なNd:YAGレ
ーザを単一縦モードにするために、エタロンと呼ばれる
モード選択素子をレーザ共振器内に挿入する方法があ
る。図6(a)は、半導体レーザ励起固体レーザの、単
一縦モードでない通常の共振器構造を示し、図6(b)
は、単一縦モード型の共振器を示す。図6(a)で半導
体レーザ1から放射された光は集光レンズ2で集められ
固体レーザ媒質4の端面を照射し、固体レーザ媒質4が
励起され、共振器ミラー3及び5がレーザの発振条件を
満足すればレーザ発振を生じる。通常は、図7(a)に
示すように1064nm付近に数本の発振線が見られる
マルチモード発振である。
ーザを単一縦モードにするために、エタロンと呼ばれる
モード選択素子をレーザ共振器内に挿入する方法があ
る。図6(a)は、半導体レーザ励起固体レーザの、単
一縦モードでない通常の共振器構造を示し、図6(b)
は、単一縦モード型の共振器を示す。図6(a)で半導
体レーザ1から放射された光は集光レンズ2で集められ
固体レーザ媒質4の端面を照射し、固体レーザ媒質4が
励起され、共振器ミラー3及び5がレーザの発振条件を
満足すればレーザ発振を生じる。通常は、図7(a)に
示すように1064nm付近に数本の発振線が見られる
マルチモード発振である。
【0004】一方、図7(b)は、エタロン6の透過率
の周波数依存性で、透過率が最大になる周波数は周期的
に現れる。この透過率最大の周波数とレーザの発振周波
数を一致させれば、マルチモードのうちの一本のみを選
び出すことができ、単一縦モード発振となる(図7
(c))。しかし、レーザの発振周波数とエタロンの周
波数が合わない場合には、図8に示すようにレーザ発振
が弱まるか停止する。これを避けるために、エタロン6
を光軸に対して傾けて周波数のチューニングを行い、図
7(c)の状態にする。
の周波数依存性で、透過率が最大になる周波数は周期的
に現れる。この透過率最大の周波数とレーザの発振周波
数を一致させれば、マルチモードのうちの一本のみを選
び出すことができ、単一縦モード発振となる(図7
(c))。しかし、レーザの発振周波数とエタロンの周
波数が合わない場合には、図8に示すようにレーザ発振
が弱まるか停止する。これを避けるために、エタロン6
を光軸に対して傾けて周波数のチューニングを行い、図
7(c)の状態にする。
【0005】ところが、固体レーザ媒質4や共振器ミラ
ー3及び5の支持機構の位置が温度変化などにより変化
すると、レーザの発振周波数が少し変化して図7の状態
から図8(a)、(b)、(c)の状態になり、レーザ
出力光の変動や発振停止をきたす。
ー3及び5の支持機構の位置が温度変化などにより変化
すると、レーザの発振周波数が少し変化して図7の状態
から図8(a)、(b)、(c)の状態になり、レーザ
出力光の変動や発振停止をきたす。
【0006】このようにエタロン6による固体レーザの
単一縦モード発振は非常に不安定なものであるから、通
常はレーザの共振器ミラー3または5をピエゾ電歪素子
で支持し共振長を変化させ、レーザの発振周波数をエタ
ロン6の透過周波数に合わせている。この動作を自動的
に行うための誤差信号を得るのが困難で、自動化は容易
に行えない。そこで、近年単一縦モード化を他の方法で
行うことが試みられている。
単一縦モード発振は非常に不安定なものであるから、通
常はレーザの共振器ミラー3または5をピエゾ電歪素子
で支持し共振長を変化させ、レーザの発振周波数をエタ
ロン6の透過周波数に合わせている。この動作を自動的
に行うための誤差信号を得るのが困難で、自動化は容易
に行えない。そこで、近年単一縦モード化を他の方法で
行うことが試みられている。
【0007】例えば、共振器長を短くして、固体レーザ
媒質の利得帯域内に発振モードが1本あるいは2本しか
許容されないような共振器の方法が検討されている。例
えば、Zayhowskiらは、固体レーザ媒質として
厚さ730μmのNd:YAGの薄板状結晶を用いて単
一縦モード発振を得ている(文献 OPTICS LE
TTERS 14 [1] 24 (1989) 及び
OPTICS LETTERS 15 [8] 43
1 (1990))。この方法では、固体レーザ媒質の
両面に共振器ミラーをつけるので、共振器長は固体レー
ザ媒質の長さに等しいが、共振器内に波長変換素子や変
調素子を挿入することができない欠点があった。
媒質の利得帯域内に発振モードが1本あるいは2本しか
許容されないような共振器の方法が検討されている。例
えば、Zayhowskiらは、固体レーザ媒質として
厚さ730μmのNd:YAGの薄板状結晶を用いて単
一縦モード発振を得ている(文献 OPTICS LE
TTERS 14 [1] 24 (1989) 及び
OPTICS LETTERS 15 [8] 43
1 (1990))。この方法では、固体レーザ媒質の
両面に共振器ミラーをつけるので、共振器長は固体レー
ザ媒質の長さに等しいが、共振器内に波長変換素子や変
調素子を挿入することができない欠点があった。
【0008】また、単一縦モードを得るために固体レー
ザ媒質の薄片を2枚の共振器ミラーのうちいずれかの近
傍に配置する方法も提案されている。図9は、Kint
zらによる第1の共振器モードによる利得の空間ホール
バーニングと、第2のモードの利得の空間分布との関係
の説明図である(文献 IEEE JOURNALOF
QUANTUM ELECTRONICS 26
[9] 1457(1990))。この場合には固体レ
ーザ媒質の一つの表面を共振器ミラーとしている。図9
(a)は、第1のモードの固体レーザ媒質内での電界強
度で、図9(b)は第1のモードによって消費された反
転分布の残りで、第1のモードの電界強度の大きいとこ
ろでは反転分布の消費が大きい(空間ホールバーニン
グ)。空間ホールバーニングは、ファブリ−ペロー型の
レーザ共振器に於いてレーザ光の定在波が生じることに
より生じるので空間的に特定の場所、すなわち、第1の
モードの定在波の腹の位置にしか生じない。したがっ
て、残った反転分布が別のモードに対しても十分な利得
を与えることが有り得る。それは図9(d)に示すよう
に、第2のモードを発振させるに必要な利得が、残りの
反転分布のうち第2のモードが感じる反転分布の光軸方
向での足し合わせで達成される場合である。
ザ媒質の薄片を2枚の共振器ミラーのうちいずれかの近
傍に配置する方法も提案されている。図9は、Kint
zらによる第1の共振器モードによる利得の空間ホール
バーニングと、第2のモードの利得の空間分布との関係
の説明図である(文献 IEEE JOURNALOF
QUANTUM ELECTRONICS 26
[9] 1457(1990))。この場合には固体レ
ーザ媒質の一つの表面を共振器ミラーとしている。図9
(a)は、第1のモードの固体レーザ媒質内での電界強
度で、図9(b)は第1のモードによって消費された反
転分布の残りで、第1のモードの電界強度の大きいとこ
ろでは反転分布の消費が大きい(空間ホールバーニン
グ)。空間ホールバーニングは、ファブリ−ペロー型の
レーザ共振器に於いてレーザ光の定在波が生じることに
より生じるので空間的に特定の場所、すなわち、第1の
モードの定在波の腹の位置にしか生じない。したがっ
て、残った反転分布が別のモードに対しても十分な利得
を与えることが有り得る。それは図9(d)に示すよう
に、第2のモードを発振させるに必要な利得が、残りの
反転分布のうち第2のモードが感じる反転分布の光軸方
向での足し合わせで達成される場合である。
【0009】ここで、固体レーザ媒質の活性領域を短く
すると第2のモードが発振し難くなることは容易に理解
される。レーザ発振する周波数帯域内では、定性的には
活性領域が長ければ、図9(c)の左側近傍に示すよう
に第1のモードの定在波に対して位相がほぼ反転した第
2の定在波が生じるが、活性領域が短かければ、図9
(c)の右側近傍に示すように第1のモードの定在波に
対して位相がほぼ反転した第2の定在波が生じないと説
明される。すなわち、固体レーザ媒質が十分薄いかまた
は活性領域が十分短ければ、単一縦モード発振が得られ
易い。これを実現する方法としてKintzらは、固体
レーザ媒質として厚さ2mmのNd:YVO4を用いて
いる。
すると第2のモードが発振し難くなることは容易に理解
される。レーザ発振する周波数帯域内では、定性的には
活性領域が長ければ、図9(c)の左側近傍に示すよう
に第1のモードの定在波に対して位相がほぼ反転した第
2の定在波が生じるが、活性領域が短かければ、図9
(c)の右側近傍に示すように第1のモードの定在波に
対して位相がほぼ反転した第2の定在波が生じないと説
明される。すなわち、固体レーザ媒質が十分薄いかまた
は活性領域が十分短ければ、単一縦モード発振が得られ
易い。これを実現する方法としてKintzらは、固体
レーザ媒質として厚さ2mmのNd:YVO4を用いて
いる。
【0010】固体レーザ媒質として最も普及しているN
d:YAGでは、励起光はNdイオンのある高いエネル
ギー準位へ電子を励起して吸収され、励起された電子は
レーザ遷移の上準位に移り反転分布(高いエネルギー準
位の電子分布が低い準位の電子数を上回る状態)を形成
し、反転分布を消費する形でレーザ発振が起きる。N
d:YAGレーザの発振波長はNdイオンのレーザ遷移
準位間のエネルギー差で決まる。しかし、固体レーザ媒
質としてNd:YAGにこだわる必要はなく、最近はN
d:YVO4と呼ばれる固体レーザ媒質が注目されるよ
うになった。この媒質は励起光の吸収係数が大きく、N
d:YAGよりも薄い厚みで同じだけの利得が得られ
る。Nd濃度3%のNd:YVO4の波長808nmの
励起光に対する吸収係数は約110cm-1であり、10
0μm程度の厚みがあれば十分励起光を吸収する。
d:YAGでは、励起光はNdイオンのある高いエネル
ギー準位へ電子を励起して吸収され、励起された電子は
レーザ遷移の上準位に移り反転分布(高いエネルギー準
位の電子分布が低い準位の電子数を上回る状態)を形成
し、反転分布を消費する形でレーザ発振が起きる。N
d:YAGレーザの発振波長はNdイオンのレーザ遷移
準位間のエネルギー差で決まる。しかし、固体レーザ媒
質としてNd:YAGにこだわる必要はなく、最近はN
d:YVO4と呼ばれる固体レーザ媒質が注目されるよ
うになった。この媒質は励起光の吸収係数が大きく、N
d:YAGよりも薄い厚みで同じだけの利得が得られ
る。Nd濃度3%のNd:YVO4の波長808nmの
励起光に対する吸収係数は約110cm-1であり、10
0μm程度の厚みがあれば十分励起光を吸収する。
【0011】Kintzらは、Nd:YVO4の励起光
吸収長は短いので、固体レーザ媒質を薄片にしなくても
活性領域長が十分短く単一縦モードが得られるとした。
しかし、半導体レーザを励起光源とした場合には、半導
体レーザの放射光スペクトル幅が広いので励起光の吸収
長が長くなり、計算通りの結果は得られていない。
吸収長は短いので、固体レーザ媒質を薄片にしなくても
活性領域長が十分短く単一縦モードが得られるとした。
しかし、半導体レーザを励起光源とした場合には、半導
体レーザの放射光スペクトル幅が広いので励起光の吸収
長が長くなり、計算通りの結果は得られていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このような従来技術の
問題点に鑑み、本発明の主な目的は、波長変換が行えて
かつ容易に安定な単一縦モードレーザ発振を得る半導体
レーザ励起固体レーザ装置を提供することにある。
問題点に鑑み、本発明の主な目的は、波長変換が行えて
かつ容易に安定な単一縦モードレーザ発振を得る半導体
レーザ励起固体レーザ装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した目的は本発明に
よれば、励起光源としての半導体レーザと、固体レーザ
媒質を用いた共振器とを備える固体レーザ装置に於い
て、前記固体レーザ媒質が、レーザ遷移を起こす活性原
子または分子を含む光軸方向の厚みが30μm以上20
0μm以下のレーザ結晶と、固体レーザ発振波長に於い
て透明な物質とを接合してなることを特徴とする固体レ
ーザ装置を提供することにより達成される。
よれば、励起光源としての半導体レーザと、固体レーザ
媒質を用いた共振器とを備える固体レーザ装置に於い
て、前記固体レーザ媒質が、レーザ遷移を起こす活性原
子または分子を含む光軸方向の厚みが30μm以上20
0μm以下のレーザ結晶と、固体レーザ発振波長に於い
て透明な物質とを接合してなることを特徴とする固体レ
ーザ装置を提供することにより達成される。
【0014】ここで、前記透明物質が、前記活性原子ま
たは分子を含まない母結晶を、前記レーザ結晶に対し
て、互いの結晶軸を一致させて接合したものであっても
よい。
たは分子を含まない母結晶を、前記レーザ結晶に対し
て、互いの結晶軸を一致させて接合したものであっても
よい。
【0015】
【作用】活性領域長を200μm以下とするので、レー
ザ発振の第1のモードによる空間ホールバーニングが生
じても、第2のモードに対する利得が非常に小さくな
る。従って、単一縦モード発振が可能となる。一方、活
性原子または分子を含むレーザ結晶が非常に薄いので、
励起光の吸収による発熱で歪が生じて発振が不安定にな
ったり、極端な場合結晶が割れてしまう可能性がある
が、活性原子または分子を含まない適度な厚みの母結晶
を張り合わせておけば放熱と補強を兼ねさせることがで
き、安定な発振動作が得られる。この接合をオプティカ
ルコンタクトによるものとすれば、共振器内に生じる高
い光強度にも耐えられる。また、両結晶はほぼ同じ屈折
率を持つため界面での反射は起こらない。ここで、接合
面に於いて互いの結晶軸を一致させれば、両結晶は全く
同様の熱的特性を示すので、熱膨張係数の不一致によっ
て接合が剥離することもない。
ザ発振の第1のモードによる空間ホールバーニングが生
じても、第2のモードに対する利得が非常に小さくな
る。従って、単一縦モード発振が可能となる。一方、活
性原子または分子を含むレーザ結晶が非常に薄いので、
励起光の吸収による発熱で歪が生じて発振が不安定にな
ったり、極端な場合結晶が割れてしまう可能性がある
が、活性原子または分子を含まない適度な厚みの母結晶
を張り合わせておけば放熱と補強を兼ねさせることがで
き、安定な発振動作が得られる。この接合をオプティカ
ルコンタクトによるものとすれば、共振器内に生じる高
い光強度にも耐えられる。また、両結晶はほぼ同じ屈折
率を持つため界面での反射は起こらない。ここで、接合
面に於いて互いの結晶軸を一致させれば、両結晶は全く
同様の熱的特性を示すので、熱膨張係数の不一致によっ
て接合が剥離することもない。
【0016】また、接合後の固体レーザ媒質の少なくと
も一方の端面に共振器ミラーコーティングを施したり、
励起用半導体レーザと固体レーザ媒質を密着させれば、
小型化を図ることができる。
も一方の端面に共振器ミラーコーティングを施したり、
励起用半導体レーザと固体レーザ媒質を密着させれば、
小型化を図ることができる。
【0017】さらに、共振器内に非線形光学素子を挿入
すれば、容易に単一周波数の短波長光が得られ、固体レ
ーザ媒質に温度調節機構を備えれば、発振周波数の安定
化及び掃引が可能となる。
すれば、容易に単一周波数の短波長光が得られ、固体レ
ーザ媒質に温度調節機構を備えれば、発振周波数の安定
化及び掃引が可能となる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の好適実施例を添付の図面につ
いて詳しく説明する。
いて詳しく説明する。
【0019】図1は、本発明が適用された第1の実施例
である。本実施例では、固体レーザ媒質として、レーザ
遷移を起こす活性原子Ndを1%含むYVO4(Nd:
YVO4)結晶を厚さ100μm、面精度λ/10、平
行度1秒に研磨したものとNd原子を含まないYVO4
結晶を厚さ5mm、面精度λ/10、平行度1秒に研磨
したものとを互いの結晶軸を一致させてオプティカルコ
ンタクトにより接合させたものを用いている。YVO4
結晶は1軸性であるが、本実施例では、a軸が光軸にな
るようにカットしてある。以下、接合後の結晶を単に接
合媒質7と呼び、活性原子Ndを含む側(活性領域)を
7A、含まない側(母結晶)を7Nとする。接合媒質7
の7A側端面に発振波長1064nmでの共振器ミラー
コーティング7M、7N側端面に同波長での無反射膜を
施してある。この接合媒質7の7A側端面と共振器ミラ
ー5とにより共振器を構成している。ここで光学的共振
器長は15mmとしている。半導体レーザ1から放射さ
れた光は集光レンズ2で集められ、接合媒質7に7A側
から照射され単一縦モード発振の半導体レーザ励起固体
レーザとなる。
である。本実施例では、固体レーザ媒質として、レーザ
遷移を起こす活性原子Ndを1%含むYVO4(Nd:
YVO4)結晶を厚さ100μm、面精度λ/10、平
行度1秒に研磨したものとNd原子を含まないYVO4
結晶を厚さ5mm、面精度λ/10、平行度1秒に研磨
したものとを互いの結晶軸を一致させてオプティカルコ
ンタクトにより接合させたものを用いている。YVO4
結晶は1軸性であるが、本実施例では、a軸が光軸にな
るようにカットしてある。以下、接合後の結晶を単に接
合媒質7と呼び、活性原子Ndを含む側(活性領域)を
7A、含まない側(母結晶)を7Nとする。接合媒質7
の7A側端面に発振波長1064nmでの共振器ミラー
コーティング7M、7N側端面に同波長での無反射膜を
施してある。この接合媒質7の7A側端面と共振器ミラ
ー5とにより共振器を構成している。ここで光学的共振
器長は15mmとしている。半導体レーザ1から放射さ
れた光は集光レンズ2で集められ、接合媒質7に7A側
から照射され単一縦モード発振の半導体レーザ励起固体
レーザとなる。
【0020】ここで、本発明の基礎となる理論計算例を
示す。図10は、活性領域の厚みを変化させて第1のモ
ードの発振閾値と第2のモードの発振閾値との比を計算
したグラフである。計算は、活性領域を1%Nd:YV
O4とし、共振器長は15mmに固定した。しかし、共
振器長は特に15mmにこだわる必要はない。図10に
よれば、活性領域長が200μm以下では厚みが薄くな
るほど閾値比が大きくなっている。この比が大きいほど
励起光強度が大きくなっても単一縦モードが保たれる傾
向を持つ。すなわち、第1のモードの発振閾値を越える
励起光が照射され、さらに励起強度を増して行くと第2
のモードの発振閾値に達し、単一縦モードではなくな
る。したがって、単一縦モード発振で大きなパワーを得
るためには、この閾値比を大きく設定する必要がある。
示す。図10は、活性領域の厚みを変化させて第1のモ
ードの発振閾値と第2のモードの発振閾値との比を計算
したグラフである。計算は、活性領域を1%Nd:YV
O4とし、共振器長は15mmに固定した。しかし、共
振器長は特に15mmにこだわる必要はない。図10に
よれば、活性領域長が200μm以下では厚みが薄くな
るほど閾値比が大きくなっている。この比が大きいほど
励起光強度が大きくなっても単一縦モードが保たれる傾
向を持つ。すなわち、第1のモードの発振閾値を越える
励起光が照射され、さらに励起強度を増して行くと第2
のモードの発振閾値に達し、単一縦モードではなくな
る。したがって、単一縦モード発振で大きなパワーを得
るためには、この閾値比を大きく設定する必要がある。
【0021】ところで、活性領域が短すぎると励起光が
十分に吸収されないで透過してしまうので、効率的な励
起光の利用ができない。したがって、活性領域の厚みに
は下限があり、それはレーザ媒質の励起光吸収係数に依
存している。本実施例では励起光の吸収係数は30cm
-1であるので、30μmの吸収長で励起光は約10%が
吸収される。励起用半導体レーザとして、光出力1Wの
ものを用意すれば、励起入力約100mWが可能であ
り、固体レーザ出力として約30mWが可能である。こ
れは、単一縦モードレーザの出力として十分に利用価値
のある値である。光出力1Wの半導体レーザは、市販さ
れている単一ストライプ型半導体レーザでは最大級の光
出力である。ワイドストライプ型やマルチストライプ型
でさらに高出力を実現しているものもあるが、発光源が
大きくなるため集光しにくく、固体レーザの端面励起に
は適さない。したがって、実用上十分な単一縦モード固
体レーザ出力を得るためには、活性領域の最小厚みは3
0μm程度は必要である。このような観点から、本発明
では、活性領域の最小厚みを30μmとする。
十分に吸収されないで透過してしまうので、効率的な励
起光の利用ができない。したがって、活性領域の厚みに
は下限があり、それはレーザ媒質の励起光吸収係数に依
存している。本実施例では励起光の吸収係数は30cm
-1であるので、30μmの吸収長で励起光は約10%が
吸収される。励起用半導体レーザとして、光出力1Wの
ものを用意すれば、励起入力約100mWが可能であ
り、固体レーザ出力として約30mWが可能である。こ
れは、単一縦モードレーザの出力として十分に利用価値
のある値である。光出力1Wの半導体レーザは、市販さ
れている単一ストライプ型半導体レーザでは最大級の光
出力である。ワイドストライプ型やマルチストライプ型
でさらに高出力を実現しているものもあるが、発光源が
大きくなるため集光しにくく、固体レーザの端面励起に
は適さない。したがって、実用上十分な単一縦モード固
体レーザ出力を得るためには、活性領域の最小厚みは3
0μm程度は必要である。このような観点から、本発明
では、活性領域の最小厚みを30μmとする。
【0022】さて、上述のように、実際吸収された励起
光のうち固体レーザ光に変換されるのは約30%であ
り、残りはほとんど熱になる。したがって、固体レーザ
媒質に熱が溜り、100μm厚のレーザ結晶7Aだけで
は結晶に反りが発生してレーザ発振動作に悪影響を及ぼ
す。しかし、本発明では、レーザ結晶7Aの母結晶7N
をレーザ結晶7Aに接合してあるので、実効的に厚い結
晶となっており、反りの発生を低減できる。また、母結
晶7Nを介して放熱することもできるので、レーザ結晶
7Aの温度上昇の低減もできる。ただし、レーザ結晶7
Aに接合する物質はレーザ発振の波長に於いて透明であ
ると云う条件に加えて、結晶である7Aと全く同じ熱膨
張特性を示すと云う条件が必要である。このような状況
はレーザ結晶7Aとその母結晶7Nとを互いの結晶軸を
一致させて接合した場合に最適に実現される。このよう
な理由で本実施例に於いては、Nd:YVO4とYVO4
とを互いの結晶軸を一致させて接合を行っているのであ
る。この方法のもう一つの利点は、レーザ結晶7Aとそ
の母結晶7Nとはほとんど屈折率が等しいため、接合の
手段としてオプティカルコンタクトを行えば、接合界面
に於いて反射が全く起こらないことである。これは、単
一縦モードレーザにとっては重要なことである。なぜな
ら、共振器内におけるわずかな反射が寄生発振の元にな
り、単一縦モード発振を阻害するからである。また、オ
プティカルコンタクトは2枚の鏡面の分子間力による接
合であるから、接着剤のようにレーザ光によって焦げて
しまうようなことがない。
光のうち固体レーザ光に変換されるのは約30%であ
り、残りはほとんど熱になる。したがって、固体レーザ
媒質に熱が溜り、100μm厚のレーザ結晶7Aだけで
は結晶に反りが発生してレーザ発振動作に悪影響を及ぼ
す。しかし、本発明では、レーザ結晶7Aの母結晶7N
をレーザ結晶7Aに接合してあるので、実効的に厚い結
晶となっており、反りの発生を低減できる。また、母結
晶7Nを介して放熱することもできるので、レーザ結晶
7Aの温度上昇の低減もできる。ただし、レーザ結晶7
Aに接合する物質はレーザ発振の波長に於いて透明であ
ると云う条件に加えて、結晶である7Aと全く同じ熱膨
張特性を示すと云う条件が必要である。このような状況
はレーザ結晶7Aとその母結晶7Nとを互いの結晶軸を
一致させて接合した場合に最適に実現される。このよう
な理由で本実施例に於いては、Nd:YVO4とYVO4
とを互いの結晶軸を一致させて接合を行っているのであ
る。この方法のもう一つの利点は、レーザ結晶7Aとそ
の母結晶7Nとはほとんど屈折率が等しいため、接合の
手段としてオプティカルコンタクトを行えば、接合界面
に於いて反射が全く起こらないことである。これは、単
一縦モードレーザにとっては重要なことである。なぜな
ら、共振器内におけるわずかな反射が寄生発振の元にな
り、単一縦モード発振を阻害するからである。また、オ
プティカルコンタクトは2枚の鏡面の分子間力による接
合であるから、接着剤のようにレーザ光によって焦げて
しまうようなことがない。
【0023】図2は本発明が適用された第2の実施例で
ある。本実施例は、第2高調波発生を目的としたもの
で、図1の共振器中に非線形光学素子10を挿入したも
のである。ただし、本実施例に用いた接合媒質7は、オ
プティカルコンタクトをとる面を研磨した結晶同士を接
合してから後に上記厚みにまで研磨して作製したもので
ある。本実施例によれば、安定な単一周波数の第2高調
波光が容易に得られる。
ある。本実施例は、第2高調波発生を目的としたもの
で、図1の共振器中に非線形光学素子10を挿入したも
のである。ただし、本実施例に用いた接合媒質7は、オ
プティカルコンタクトをとる面を研磨した結晶同士を接
合してから後に上記厚みにまで研磨して作製したもので
ある。本実施例によれば、安定な単一周波数の第2高調
波光が容易に得られる。
【0024】図3は本発明が適用された第3の実施例で
ある。本実施例では、第2の実施例と同様な接合媒質7
の両端面に共振器ミラーコーティング7Mを施してい
る。レーザ結晶7Aは厚さ100μm、母結晶7Nは厚
さ10mmである。本実施例によれば、共振器内に波長
変換素子を挿入できない点で上記第1の実施例に比較し
て劣るが、共振器構造が上記第1の実施例に比較して単
純化され、製造コストが低減している。
ある。本実施例では、第2の実施例と同様な接合媒質7
の両端面に共振器ミラーコーティング7Mを施してい
る。レーザ結晶7Aは厚さ100μm、母結晶7Nは厚
さ10mmである。本実施例によれば、共振器内に波長
変換素子を挿入できない点で上記第1の実施例に比較し
て劣るが、共振器構造が上記第1の実施例に比較して単
純化され、製造コストが低減している。
【0025】図4は本発明が適用された第4の実施例で
ある。本実施例では、図3の構造から励起用半導体レー
ザ用の集光レンズを省き、その代わりに半導体レーザ1
と第2の実施例と同様な接合媒質7とを密着させてあ
る。半導体レーザ1と接合媒質7は同じヒートシンク8
にマウントしてある。半導体レーザ1からの放射光は発
散性のものであるが、レーザ結晶7Aが薄いので、密着
させておけば、半導体レーザ光の発散は問題にならな
い。本実施例によれば、構成要素が上記第3の実施例よ
りもさらに少なく、製造コストが低減している。
ある。本実施例では、図3の構造から励起用半導体レー
ザ用の集光レンズを省き、その代わりに半導体レーザ1
と第2の実施例と同様な接合媒質7とを密着させてあ
る。半導体レーザ1と接合媒質7は同じヒートシンク8
にマウントしてある。半導体レーザ1からの放射光は発
散性のものであるが、レーザ結晶7Aが薄いので、密着
させておけば、半導体レーザ光の発散は問題にならな
い。本実施例によれば、構成要素が上記第3の実施例よ
りもさらに少なく、製造コストが低減している。
【0026】図5は本発明が適用された第5の実施例で
ある。本発明では、第2の実施例と同様な接合媒質7を
公知のペルチェ素子9により温度調節を行っている。こ
れは接合媒質7の温度を変化させることによりこの結晶
の屈折率を変化させて共振器の光路長を変化させるため
である。これにより、レーザの発振周波数を掃引するこ
とができる。また、接合媒質7の温度を一定にしておけ
ば非常に安定なレーザ光が得られる。
ある。本発明では、第2の実施例と同様な接合媒質7を
公知のペルチェ素子9により温度調節を行っている。こ
れは接合媒質7の温度を変化させることによりこの結晶
の屈折率を変化させて共振器の光路長を変化させるため
である。これにより、レーザの発振周波数を掃引するこ
とができる。また、接合媒質7の温度を一定にしておけ
ば非常に安定なレーザ光が得られる。
【0027】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発
明による半導体レーザ励起固体レーザ装置によれば、空
間ホールバーニングによるマルチ縦モード発振を抑制す
るためにエタロンなどのモード選択素子を用いなくて
も、単一縦モード発振が容易に得られ、非線形光学素子
が配置できるので、高品質な短波長光源を容易に得られ
る。
明による半導体レーザ励起固体レーザ装置によれば、空
間ホールバーニングによるマルチ縦モード発振を抑制す
るためにエタロンなどのモード選択素子を用いなくて
も、単一縦モード発振が容易に得られ、非線形光学素子
が配置できるので、高品質な短波長光源を容易に得られ
る。
【図1】本発明の第1の実施例を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施例を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施例を示す図である。
【図5】本発明の第5の実施例を示す図である。
【図6】従来の技術例を示す図である。
【図7】エタロンを用いた単一縦モード発振を説明する
図である。
図である。
【図8】エタロンの周波数がずれた場合の発振を説明す
る図である。
る図である。
【図9】空間ホールバーニングと第2のモードの利得の
関係を示す図である。
関係を示す図である。
【図10】本発明の基礎となる第1モードと第2モード
の発振閾値の比と活性領域の厚みとの関係を示す図であ
る。
の発振閾値の比と活性領域の厚みとの関係を示す図であ
る。
1 半導体レーザ 2 集光レンズ 3 共振器ミラー 4 固体レーザ媒質 5 共振器ミラー 6 エタロン 7 接合媒質 7A 活性領域(レーザ結晶) 7N 母結晶 7M 共振器ミラーコーティング 8 ヒートシンク 9 ペルチェ素子 10 非線形光学素子
Claims (7)
- 【請求項1】 励起光源としての半導体レーザと、固
体レーザ媒質を用いた共振器とを備える固体レーザ装置
に於いて、 前記固体レーザ媒質が、レーザ遷移を起こす活性原子ま
たは分子を含む光軸方向の厚みが30μm以上200μ
m以下のレーザ結晶と、固体レーザ発振波長に於いて透
明な物質とを接合したものからなることを特徴とする固
体レーザ装置。 - 【請求項2】 前記透明物質が、前記活性原子または
分子を含まない母結晶を、前記レーザ結晶に対して、互
いの結晶軸が一致するように接合したものからなること
を特徴とする請求項1に記載の固体レーザ装置。 - 【請求項3】 前記固体レーザ媒質のレーザ結晶と透
明物質とがオプティカルコンタクトにより接合されてい
ることを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の
固体レーザ装置。 - 【請求項4】 前記共振器が、前記固体レーザ媒質の
少なくとも一方の端面に施こされたミラーコーティング
を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいず
れかに記載の固体レーザ装置。 - 【請求項5】 前記半導体レーザと前記固体レーザ媒
質とが密着して配置されたことを特徴とする請求項1乃
至請求項4のいずれかに記載の固体レーザ装置。 - 【請求項6】 前記共振器内に非線形光学素子が設け
られたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれ
かに記載の固体レーザ装置。 - 【請求項7】 前記固体レーザ媒質のための温度調節
手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至請求項
6のいずれかに記載の固体レーザ装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28536492A JPH06120593A (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 固体レーザ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28536492A JPH06120593A (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 固体レーザ装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06120593A true JPH06120593A (ja) | 1994-04-28 |
Family
ID=17690603
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28536492A Withdrawn JPH06120593A (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 固体レーザ装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06120593A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008533703A (ja) * | 2005-02-28 | 2008-08-21 | サイマー インコーポレイテッド | Lppのeuv駆動レーザ |
-
1992
- 1992-09-30 JP JP28536492A patent/JPH06120593A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008533703A (ja) * | 2005-02-28 | 2008-08-21 | サイマー インコーポレイテッド | Lppのeuv駆動レーザ |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19991130 |