JPH06122653A - 飽和単環炭化水素化合物の製造方法およびその中間体 - Google Patents

飽和単環炭化水素化合物の製造方法およびその中間体

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JPH06122653A
JPH06122653A JP5201605A JP20160593A JPH06122653A JP H06122653 A JPH06122653 A JP H06122653A JP 5201605 A JP5201605 A JP 5201605A JP 20160593 A JP20160593 A JP 20160593A JP H06122653 A JPH06122653 A JP H06122653A
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group
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JP5201605A
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Takashi Ebata
隆 恵畑
Yukifumi Koseki
幸史 古関
Koji Okano
耕二 岡野
Hiroshi Kawakami
浩 川上
Katsuya Matsumoto
克也 松本
Hajime Matsushita
肇 松下
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Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D307/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C69/00Esters of carboxylic acids; Esters of carbonic or haloformic acids
    • C07C69/66Esters of carboxylic acids having esterified carboxylic groups bound to acyclic carbon atoms and having any of the groups OH, O—metal, —CHO, keto, ether, acyloxy, groups, groups, or in the acid moiety
    • C07C69/67Esters of carboxylic acids having esterified carboxylic groups bound to acyclic carbon atoms and having any of the groups OH, O—metal, —CHO, keto, ether, acyloxy, groups, groups, or in the acid moiety of saturated acids
    • C07C69/675Esters of carboxylic acids having esterified carboxylic groups bound to acyclic carbon atoms and having any of the groups OH, O—metal, —CHO, keto, ether, acyloxy, groups, groups, or in the acid moiety of saturated acids of saturated hydroxy-carboxylic acids
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光学活性な飽和単環炭化水素化合物を選択的に
得ることができる飽和単環炭化水素化合物の製造方法お
よびその中間体を提供すること。 【構成】下記化1に示されるように、レボグルコセノン
から合成された化合物(6) に、例えばビニル基を導入
し、化合物(7) を得る。化合物(7) のビニル基の二重結
合を酸化的に切断した後水酸基を保護して化合物(9) を
得る。化合物(9) を塩基で処理し分子内アルキル化させ
て化合物(10)を得る。次に化合物(10)を還元して化合物
(11)を得、化合物(11)の一級水酸基のみをエステル化し
て飽和単環炭化水素化合物(1) を得る。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、化粧品、食品
等の加香に用いられる香気成分、農薬、または、医薬品
の合成中間体として有用な飽和単環炭化水素化合物の製
造方法およびその中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】下記化18に示すジヒドロエピジャスミ
ン酸メチルは、ジャスミン様の香気を有する香気成分で
あり、例えば、化粧品、食品または調合香料等に広く用
いられている。
【0003】
【化18】 このような種類の香料では、2つの置換基がシス配置で
ある方が香気的に優れていることが知られている。
【0004】また、最近の研究で、β−ヒドロキシル基
を有するジヒドロエピジャスミン酸誘導体が、広く植物
の生育調節等に関与していることが明らかになってい
る。
【0005】以上のようなジヒドロジャスミン酸メチル
および下記化19に示す飽和単環炭化水素化合物(1)
は、各種食品、化粧品や喫煙物の加香に用いられる香気
成分、医薬品、農薬、または、医薬品等の合成原料とし
て極めて有用である。
【0006】
【化19】 但し、R1 は炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数2
〜10のアルケニル基を示し、R2 は炭素数1〜5のア
ルキル基を示し、mは1〜3の整数を示す。
【0007】飽和単環炭化水素化合物(1)は、一般的
に光学活性な形で存在し、光学異性体のタイプによって
異なる性質を示すことが認められている。例えば、上述
のジヒドロエピジャスミン酸メチルでは、二つの光学異
性体の間で匂いの性質等が異なることが認められてい
る。従って、飽和単環炭化水素化合物(1)の光学異性
体を光学的に純粋な形で得ることは極めて重要である。
しかし、従来、飽和単環炭化水素化合物(1)の光学異
性体を選択的に合成できる製造方法は知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の点に
鑑みてなされたものであり、光学活性な飽和単環炭化水
素化合物を選択的に得ることができる飽和単環炭化水素
化合物の製造方法およびその中間体を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の飽和
単環炭化水素化合物(1)の製造方法によって達成され
る。即ち、本発明は下記(a)から(m)の工程を具備
した(1)の製造方法である。
【0010】(a)下記化20で示されるように、レボ
グルコセノン(2)のエノン部分にアルキル基R1 を付
加することにより化合物(3)を得る工程。
【0011】
【化20】 但し、R1 は先に定義した通りである。
【0012】(b)下記化21で示されるように、工程
(a)で得られた化合物(3)を過酸で酸化することに
より化合物(4)を得る工程。
【0013】
【化21】 但し、R1 は先に定義したとおりである。
【0014】(c)下記化22で示されるように、工程
(b)で得られた化合物(4)の水酸基を脱離基OX1
に変換することにより化合物(5)を得る工程。
【0015】
【化22】 但し、R1 は先に定義したとおりであり、X1 はOX1
として脱離可能な基を示す。
【0016】(d)下記化23で示されるように、工程
(c)で得られた化合物(5)を塩基で処理することに
より化合物(6)を得る工程。
【0017】
【化23】 但し、R1 およびX1 は先に定義したとおりであり、R
3 は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す。
【0018】(e)下記化24で示されるように、工程
(d)で得られた化合物(6)にアルケニル基を導入す
ることにより、化合物(7)を得る工程。
【0019】
【化24】 但し、R1 及びR3 は上記と同じ意味を示し、nは1〜
3の整数を示し、Rは水素原子又は炭素数1から(8−
n)個のアルキル基を示す(但し、nは前述のとおりで
ある)。
【0020】(f)下記化25で示されるように、工程
(e)で得られた化合物(7)のアルケニル基の二重結
合を酸化的に切断した後に還元することにより、化合物
(8)を得る工程。
【0021】
【化25】 但し、R、R1 およびnは先に定義したとおりである。
【0022】(g)下記化26で示されるように、工程
(f)で得られた化合物(8)の水酸基を脱離基OX2
に変換することにより、化合物(9)を得る工程。
【0023】
【化26】 但し、R1 およびnは先に定義したとおりであり、X2
はOX2 として脱離可能な基を示す。
【0024】(h)下記化27で示されるように、工程
(g)で得られた化合物(9)を塩基で処理することに
より閉環させて、化合物(10)を得る工程。
【0025】
【化27】 但し、R1 、m、nおよびX2 は先に定義したとおりで
ある。
【0026】(i)下記化28で示されるように、工程
(h)で得られた化合物(10)を還元することによ
り、化合物(11)を得る工程。
【0027】
【化28】 但し、R1 およびmは先に定義したとおりである。
【0028】(j)下記化29で示されるように、工程
(i)で得られた化合物(11)の一級水酸基のみを選
択的に脱離基OX3 に変換して、化合物(12)を得る
工程。
【0029】
【化29】 但し、R1 およびmは先に定義したとおりであり、X3
はOX3 として脱離可能な基を示す。
【0030】(k)下記化30で示されるように、工程
(j)で得られた化合物(12)の二級水酸基に保護基
4 を導入することにより、化合物(13)を得る工
程。
【0031】
【化30】 但し、R1 、mおよびX3 は先に定義したとおりであ
り、R4 は水酸基の保護基を示す。
【0032】(l)下記化31で示されるように、式
(13)で表される化合物にニトリル基を導入すること
により、式(14)で表される化合物を得る工程。
【0033】
【化31】 但し、R1 、R4 、mおよびX3 は先に定義したとおり
である。
【0034】(m)下記化32で示されるように、工程
(l)で得られた化合物(14)のニトリル基を加水分
解してカルボキシル基に変換した後、酸性条件下で保護
基R4 を脱離させた後にカルボキシル基をエステル化す
ることにより、飽和単環炭化水素化合物(1)を得る工
程。
【0035】
【化32】 但し、R1 、R2 、R4 およびmは先に定義したとおり
である。
【0036】また、本発明は、上記(a)から(m)の
工程を具備した下記化33に示す化合物(1’)の製造
方法であって、
【化33】 但し、R2 及びmは先に定義したとおりであり、R1
は炭素数2から10のアルケニル基である。
【0037】更に、工程(a)においてエノン部にアル
キル基の代わりにアルケニル基を付加し、工程(b)に
おいて、酸化反応の後に、生成物を更に酸化剤で処理
し、次いで水酸基の保護及びアセタール化を行ない、工
程(m)において、ニトリル基の加水分解、脱保護及び
エステル化の後にWittig反応を行なう、ことを具備した
ことを特徴とする製造方法である。
【0038】また、本発明は、下記化34の一般式で表
される化合物(10)を提供する。
【0039】
【化34】 但し、R1 は炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数2
〜10のアルケニル基を示し、mは1〜3の整数を示
す。
【0040】以下、本発明の飽和単環炭化水素化合物の
製造方法を更に詳細に説明する。
【0041】本発明の製造方法の出発原料であるレボグ
ルコセノンは、セルロースの熱分解物として広く知られ
ている。また、レボグルコセノン(2)は、同様にガラ
クトースを出発原料として、Chemistry Letters, 307-3
10(1990)に示されている方法に従って、高い光学純度で
容易に得ることができる。
【0042】以下では、本発明の第一の側面である、化
合物(1)の製造方法について説明する。特に、簡略化
のためR1 基がアルキル基の場合について説明するが、
本発明はこれに限定されない。
【0043】工程(a)のレボグルコセノン(2)のエ
ノン部分へアルキル基R1 を導入する反応は、例えば、
ヨウ化銅、臭化銅、塩化銅の銅塩の存在下で、例えば、
アルキルリチウム、アルキルマグネシウムのようなアル
キル化剤を用いて行うことができる。この場合に、レボ
グルコセノン(2)1モルに対して、アルキル化剤を、
1.0モル〜3.0モル用いることが好ましい。更に好
ましくは1.25モルのアルキル化剤を用いる。このア
ルキル化反応は、例えば、適当な溶媒中、不活性ガス雰
囲気下、通常−70℃〜室温にて、30分〜20時間撹
拌しながら行われる。ここで用いる適当な溶媒は、例え
ば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテ
ル系溶媒、もしくはトルエン、キシレン等の有機溶媒で
あるが特に限定されるものではない。
【0044】工程(a)においてレボグルコセノンの4
位に導入されるアルキル基R1 は、特に限定されない
が、炭素数が1から10のアルキル基が好ましい。アル
キル化剤の種類は所望のアルキル基により適宜選択すれ
ば良い。
【0045】工程(b)の5員のラクトン環を形成する
反応は、適当な過酸を用いたバイヤー−ビリガー酸化に
よって行なうことができる。この場合、化合物(3)1
モルに対し、過酸を1モル〜5モル、好ましくは1モル
用いことができる。ラクトン環の形成反応に用い得る過
酸としては、例えば、過酢酸、過蟻酸、メタクロロ過安
息香酸、フタル酸の過酸化物等がある。本工程のラクト
ン環の形成反応は、前述の過酸と化合物(3)を、適当
な溶媒中、0℃〜50℃にて1時間〜80時間撹拌する
ことによって行われる。ここで使用する適当な溶媒とし
ては、例えば、酢酸や蟻酸の酸類や、例えば塩化メチレ
ン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒である。しかし、
該溶媒は、過酸と反応せず、かつ反応後の処理を困難に
する副生成物を生じないものであれば良く、特に限定さ
れるものではない。
【0046】工程(c)において、化合物(4)の水酸
基を脱離基OX1 に変換する反応は、通常のエステル化
によって行うことができる。OX1 基は後述する工程
(d)において脱離基として働く。従ってX1 基は、O
1 として脱離可能な基であれば特に限定されるもので
はない。しかしながら、好ましいX1 基は、例えば、パ
ラトルエンスルフォニル基、メタンスルフォニル基、ト
リフルオロメタンスルフォニル基である。化合物(4)
の水酸基をOX1 基に変換する反応は、例えば、X1
ハロゲン化物若しくは酸無水物のようなX1 基を有する
化合物を、(4)と供に適当な溶媒中、−10℃〜30
℃で3時間〜30時間撹拌することによって行われる。
この場合、化合物 (4) 1モルに対して、上記X1 基を
有する化合物を1モル〜4モル、好ましくは1.5モル
用いる。また、適当な溶媒としては、例えば、ピリジ
ン、トリエチルアミン等を使用できるが特に限定される
ものではない。
【0047】工程(d)の化合物(5)のエポキシド化
反応は、適当な溶媒中で塩基性化合物を用いて、通常0
℃〜30℃にて2時間〜30時間撹拌することによって
行うことができる。該塩基性化合物としては、例えば水
酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムのよ
うな金属水酸化物;炭酸カリウム、炭酸ナトリウムのよ
うな炭酸塩;または、酢酸カリウム、酢酸ナトリウムの
ような酢酸塩などを用いることができる。この場合、化
合物(5)1モルに対し、上記塩基性化合物を1モル〜
3モル、好ましくは1.1モル用いることができる。本
反応で使用し得る溶媒としては、水、及び、例えば、メ
タノール、エタノール、イソプロピルアルコールのよう
なアルコール類、並びに、それらとテトラヒドロフラン
(THF)等との混合溶媒があるが、特に限定されるも
のではない。R3 基は使用される溶媒に依存し、水又
は、水とTHFの混合溶媒の場合には、R3 基は水素原
子となり、アルコールまたはアルコールおよびTHFの
混合溶媒の場合には、R3 基はアルコールに対応したア
ルキル基となる。しかし、R3 基は、引き続き行われる
工程(e)において脱離されるので特に限定しなくとも
良い。
【0048】工程(e)は、化合物(7)を得る工程で
ある。化合物(7)は、例えば、ヨウ化銅、臭化銅、塩
化銅等の銅塩の存在下において、化合物(6)と、例え
ば、ビニルリチウム、ビニルマグネシウムハライドのよ
うな下記化35の一般式(A)で表わされるアルケニル
金属塩とを反応することにより得ることができる。
【0049】
【化35】 但し、R及びnは先に定義したとおりであり、Lはアル
カリ金属、又はMgX(Xはハロゲンを表わす)等であ
る。
【0050】このアルケニル化反応は、例えば、適当な
溶媒中、不活性ガス雰囲気下で、−70℃〜室温にて、
1時間から20時間撹拌することにより行われる。ここ
で使用する適当な溶媒としては、例えば、エ−テル、テ
トラヒドロフラン等のエ−テル系溶媒や、トルエン、キ
シレン等の有機溶媒であるが、特に限定されるものでは
ない。この反応で化合物(6)の5位に導入されるアル
ケニル基は、例えば、1−アルケニル、2−アルケニル
または3−アルケニル基(それぞれ化合物(A)でn=
1、2、及び3に対応する。)である。化合物(A)の
炭素数は、2〜10、好ましくは2〜4である。アルケ
ニル基の種類は、後述する工程(h)において閉環反応
により形成される環の種類に対応する。すなわち、アル
ケニル基が1−アルケニル基の場合には、5員環が、2
−アルケニル基の場合には6員環が、3−アルケニル基
の場合には7員環が形成される。
【0051】工程(f)の、化合物(7)からアルコ−
ル(8)を得る反応は、アルケニル基の二重結合を酸化
的に切断した後還元することにより行われる。ここで、
二重結合の酸化的切断は、化合物(7)を、オゾン、酸
化ルテニウム、四酸化オスミウムまたは過ヨウ素酸ナト
リウムのような酸化剤で処理することによって行なわれ
る。また、還元反応は、先の酸化反応で得られた生成物
を単離することなく、ジボラン、水素化ホウ素ナトリウ
ム等の還元剤と反応させることにより行うことができ
る。本工程の酸化反応及び還元反応は、例えば、適当な
溶媒中、−70℃〜室温にて、1時間から30時間、撹
拌することによって行われる。ここで使用する適当な溶
媒としては、例えば、四塩化炭素、塩化メチレン等のハ
ロゲン系溶媒等であるが特に限定されるものではない。
【0052】工程(g)の水酸基を脱離基OX2 に変換
する反応は、前述の工程(c)と同様に、通常のエステ
ル化によって行うことができる。X2 基は、工程(c)
と同様のOX2 として脱離可能な基である。
【0053】工程(h)における閉環は、分子内アルキ
ル化反応によって達成される。化合物(9)の分子内ア
ルキル化反応は、化合物(9)を適当な塩基で処理する
ことにより行われる。すなわち、工程(e)においてア
ルケニル基としてビニル基を導入した場合について説明
すると、下記化36に示すように、工程(e)でビニル
基が導入された化合物(VII) から、工程(f),(g)
を経て化合物(IX)を得る。化合物(IX)を塩基で処理
すると、2位でアニオンが発生し、発生したアニオンは
6位の炭素原子を攻撃して、OX2 の脱離を伴った分子
内アルキル化反応が起こる。これによって化合物(IX)
の2位および6位の炭素原子の間で閉環し、化合物
(X)が得られる。前述のように、形成される環の種類
は、工程(e)で導入したアルケニル基の種類に依存す
る。
【0054】
【化36】 ここで、塩基には、リチウムジイソプロピルアミド、リ
チウムヘキサメチルジシラジド等の強塩基を用いること
が好ましい。この閉環反応は、例えば、適当な溶媒中、
不活性ガス雰囲気下、−70℃〜室温にて、1時間から
30時間撹拌することにより行うことができる。適当な
溶媒としては、例えば、エ−テル、テトラヒドロフラン
等を用いることができるが、特に限定されるものではな
い。
【0055】工程(i)では、還元反応によって化合物
(10)のラクトン環が開裂して、化合物(11)が得
られる。化合物(10)の還元は、化合物(10)を適
当な還元剤と処理することにより行うことができる。還
元剤としては、例えば、水素化リチウムアルミニウム、
水素化ジイソブチルアルミニウム等を使用できる。この
還元反応は、適当な溶媒中、−70℃〜室温にて、1時
間から30時間撹拌することにより行うことができる。
ここで、適当な溶媒としては、例えば、エ−テル、テト
ラヒドロフラン等のエ−テル系溶媒や、トルエン、キシ
レン等の有機溶媒であるが特に限定されるものではな
い。
【0056】工程(j)〜(l)では、化合物(11)
の2つの水酸基のうち一級水酸基をニトリル基に選択的
に変換する。
【0057】まず、工程(j)では、化合物(11)の
一級水酸基を選択的に脱離基OX3に変換する。一級水
酸基のOX3 基への変換反応は、通常のエステル化反応
によって行うことができる。X3 基は、後述する工程
(l)で脱離されるので特に限定されないが、好ましく
は、パラトルエンスルフォニル基、メタンスルフォニル
基またはトリフルオロメタンスルフォニル基である。こ
の一級水酸基のOX3 基への変換反応は、例えば、X3
のハロゲン化物または酸無水物のようなX3 基を有する
化合物を、適当な溶媒中、−10℃ー30℃にて3時間
から30時間化合物(11)と撹拌することにより行わ
れる。この場合、化合物(11)1モルに対して上述の
3 基を有する化合物を、1モル〜4モル、好ましくは
1モル用いることができる。また、適当な溶媒は、例え
ば、ピリジン、トリエチルアミン等や、これらと塩化メ
チレンやクロロホルム等のハロゲン系溶媒との混合溶媒
であるが特に限定されるものではない。
【0058】工程(k)において、二級水酸基へ導入さ
れる保護基R4 は、通常水酸基の保護基として用いられ
ているものであり、例えば、アセチル基、ベンゾイル基
等のアシル系の保護基、エトキシエチル基、テトラヒド
ロピラニル基等のエ−テル系の保護基、t−ブチルジメ
チルシリル基、トリエチルシリル基等のシリル系の保護
基である。保護基R4 の導入は、アシル系の保護基を導
入する場合は、例えば、ピリジン、トルエチルアミン等
の塩基性化合物の存在下で、例えば、酸無水物、アシル
クロリド等を化合物(12)と反応させればよい。
【0059】また、エーテル系の保護基を導入する場合
には、例えば、パラトルエンスルホン酸、パラトルエン
スルホン酸ピリジン塩等の酸性化合物の存在下で、ジヒ
ドロピラン等の対応するアルケンを化合物(12)と反
応させればよい。
【0060】また、シリル系の保護基を導入する場合に
は、例えば、適当な溶媒中、イミダゾールやピリジン等
のアミン化合物の存在下で、例えば、トリオルガノシリ
ルクロリドまたはトリオルガノシリルトリフラートを化
合物(12)と反応させればよい。本反応における好適
な溶媒には、例えば、ジメチルホルミアミド、塩化メチ
レンのような有機溶媒があるが、特に限定されるもので
はない。
【0061】工程(l)において、一級水酸基のニトリ
ル基への変換は、化合物(13)を、適当な溶媒中、室
温〜180℃にて、1時間から30時間撹拌しながら、
シアン化ナトリウム、シアン化カリウムのような青酸塩
と反応させることによって行なうことができる。本反応
に用いられる適当な溶媒には、例えば、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド等があるが特に限定され
るものではない。
【0062】工程(m)では、まず、化合物(14)の
ニトリル基を加水分解してカルボキシル基に変換する。
この加水分解反応は、化合物(14)を、適当な溶媒
中、塩基として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を
用い、室温〜150℃で、1時間から30時間撹拌した
後、適当な酸で処理することにより行うことができる。
この際、二級水酸基に導入した保護基R4 が脱離する。
ここで溶媒としては、メタノールもしくはメトキシエタ
ノールのようなアルコールと水との混合溶媒を用いるこ
とができるが、特に限定されるものではない。また、酸
処理に使用できる酸には、例えば硫酸、塩酸等がある。
【0063】また、以上のような加水分解反応により得
られた化合物を、適当な溶媒中、ジアゾメタンやジメチ
ル硫酸等のエステル化剤と反応させることによりエステ
ル体を得ることができる。エステル化に用いられる溶媒
は、エーテル、ベンゼン等の有機溶媒であるが、特に限
定されるものではない。
【0064】次に本発明の第二の目的である下記化37
の一般式で表される化合物(1’)の製造方法について
説明する。
【0065】
【化37】 但し、R1 ’R2 及びmは先に定義したとおりである。
【0066】工程(a)において、レボグルコセノン
(2)に、R1 としてアルケニル基R1 ’を導入するこ
とができる。レボグルコセノン(2)にアルケニル基R
1 ’を導入すると最終生成物としてアルケニル基R1
を有する化合物(1’)が得られる。
【0067】レボグルコセノンの4位に導入されるアル
ケニル基R1 ’は、特に限定されないが、炭素数が2か
ら10のアルケニル基が好ましい。アルケニル化剤の種
類は所望のアルケニル基により適宜選択すれば良い。
【0068】以下の説明では、簡便のため2−アルケニ
ル基をR1 ’として導入する場合について説明するが、
本発明はこれに限定されない。
【0069】2−アルケニル基の導入は、下記化38に
示すように、工程(a)においてアルキル化剤に代え
て、2−アルケニルリチウム、2−アルケニルマグネシ
ウムハライドのようなアルケニル化剤を用いることによ
り行なわれる。
【0070】
【化38】 但し、R5 およびR6 は、水素原子またはアルキル基を
示す。
【0071】得られた2−アルケニル基を有する化合物
(3a)を用いて、工程(b)を行なうと、下記化39
に示すように、ラクトン環の形成と共に2−アルケニル
基の二重結合が酸化されエポキシドとなった、化合物
(4a)が得られる。
【0072】
【化39】 但し、R5 およびR6 は、先に定義した通りである。
【0073】次に、下記化40に示すように、エポキシ
ド(4a)を過ヨウ素酸等の酸化剤と反応させ、エポキ
シ環の炭素−炭素結合を酸化的に切断することにより化
合物(4b)を得る。次に化合物(4b)の5位の水酸
基に保護基R7 を導入して化合物(4c)を得る。更
に、アルデヒド基を保護するために、化合物(4c)の
アルデヒドをアセタール化して、化合物(4d)を得
る。
【0074】
【化40】 但し、R5 、R6 は先に定義されたとおりであり、R7
は、水酸基の保護基を示し、R8 及びR9 は互いに同一
であってもよいアルキル基を示し、かつ、R8 およびR
9 は互いに結合して環を形成しても良い。
【0075】このようにして得られた化合物(4d)の
水酸基の保護基R7 を脱離する。得られたアルコールを
用いて上述の工程(c)〜工程(l)を行なう。
【0076】次に、工程(l)により得られた化合物
(14a)を用いて、工程(m)を行なうと、下記化4
1に示すように、ニトリル基の加水分解、エステル化、
および保護基R4 の脱離と共に、アセタール基がアルデ
ヒド基に変換されて、化合物(15a)が得られる。
【0077】
【化41】 但し、R2 、R4 、R8 およびR9 は先に定義したとお
りである。
【0078】この後、下記化42で示されるように、化
合物(15a)をWittig反応にかけることにより、化合
物(1)のR1 として2−アルケニル基を有する化合物
(1’a)が得られる。
【0079】
【化42】 但し、R2 は先に定義した通りであり、R10、R11は、
水素原子またはアルキル基を示す。
【0080】化合物(15a)は直接にWittig反応かけ
てもよいが、アルデヒド基をカルボキシル基に変換した
後にWittig反応を行なうこともできる。
【0081】以上のようにして、化合物(1)のR1
してアルケニル基R1 ’を有する化43の化合物
(1’)が得られる。
【0082】
【化43】 但し、R1 ’、R2 及びmは先に定義したとおりであ
る。
【0083】
【実施例】以下、本発明の飽和単環炭化水素の製造方法
を適用してジヒドロエピジャスミン酸メチルを製造した
実施例について詳細に説明する。
【0084】[A] 1,6−アンヒドロ−3,4−ジ
デオキシ−4−C−ペンチル−β−D−エリスロ−ヘキ
ソピラノ−ス−2−ウロ−ス[化合物(3)]の合成 ヨウ化銅5.72g(30mmol)及びペンチルリチ
ウム75ml(0.8N,60mmol)より常法に従
って調製したジメチル銅リチウム溶液中に−60℃で、
レボグルコセノン3.51g(25mmol)の無水エ
−テル溶液10mlを滴下した。滴下後30分間、反応
溶液を−60℃で撹拌した後、反応温度を0℃まで上昇
させた。次いで、反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶
液中にあけ、室温で30分撹拌した後、不溶物を濾別し
た。得られた濾液から有機層を分離し、水層を塩化メチ
レンで抽出した。得られた抽出液を先に分離した有機層
と合わせて、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した。濾過後濾液を濃縮し、得られた残渣
を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサ
ン:エ−テル=10:1〜2:1)で精製し、さらに得
られた生成物を減圧蒸留して、化合物(3)4.01g
(81.0%)を得た。
【0085】得られた生成物の物理的特性は次のとおり
であった。
【0086】沸点:113−115℃/10mmHg1 H NMR(CDCl3 ): δ 0.89(3H,
t,J=7.0Hz),1.20−1.72(8H,
m),2.01−2.22(2H,m),2.80(1
H,dd,J=7.8,16.3Hz),3.92−
4.06(2H,m),4.50−4.59(1H,
m),5.06(1H,s) [B] (3S,4S)−5−ヒドロキシ−3−ペンチ
ルペンタン−4−オリド[化合物(4)]の合成 工程[A]で得られた化合物(3)7.51g(37.
9mmol)を酢酸37mlに溶解し、この溶液に撹拌
しながら40%過酢酸6.7mlを滴下して加えた。こ
のとき、反応温度は20〜30℃に維持した。次いで、
反応溶液を室温で一晩撹拌した後、反応溶液に、冷却し
ながらジメチルスルフィド2.40g(38.7mmo
l)を滴下した。得られた混合溶液を30分室温で撹拌
した。得られた反応溶液を濃縮した後、得られた残渣を
メタノ−ル30mlに溶解し、さらに濃塩酸10滴を加
え、50℃に加温しながら6時間撹拌した。次に、溶液
を濃縮して、得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1〜
1:3)で精製して、化合物(4)6.38g(90.
5%)を得た。
【0087】得られた生成物の物理的特性は次のとおり
であった。
【0088】1H NMR(CDCl3 ):δ 0.90
(3H,t,J=6.9Hz),1.10−1.62
(9H,m),2.22(1H,dd,J=8.7,1
7.3Hz),2.35−2.52(1H,m),2.
75(1H,dd,J=8.6,17.3),3.61
−3.74(1H,m),3.85−3.96(1H,
m),4.19−4.29(1H,m) [C] (3S,4S)−3−ペンチル−5−トシロキ
シペンタン−4−オリド[化合物(5)]の合成 工程[B]で得られた化合物(4)1.51g(8.1
2mmol)を無水ピリジン10mlに溶解し、溶液
に、氷冷下、トシルクロリド2.32g(12.2mm
ol)を加えた。室温で3時間半撹拌した後、反応溶液
を、冷希塩酸水溶液中にあけ、エ−テルで抽出した。得
られた抽出液を、水、飽和硫酸銅水溶液、水および飽和
食塩水溶液で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。溶液を濾過した後濃縮して、得られた残渣
を、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢
酸エチル=10:1〜5:1)で精製して、化合物
(5)2.39g(86.6%)を得た。
【0089】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0090】1H NMR(CDCl3 ): δ 0.9
0(3H,t,J=6.9Hz),1.20−1.61
(8H,m),2.21(1H,dd,J=8.1,1
7.4Hz),2.30−2.53(4H,m),2.
73(1H,dd,J=8.6,17.4),4.10
−4.34(3H,m),7.39(2H,d,J=
8.5Hz),7.80(2H,d,J=8.5Hz) [D] (3S,4S)−4,5−エポキシ−3−ペン
チルペンタン酸イソプロピル[化合物(6)]の合成 工程[C]で得られた化合物(5)3.00g(8.8
2mmol)を、イソプロピルアルコ−ル50mlに溶
解し、この溶液に炭酸カリウム1.34g(9.71m
mol)を加えた。反応溶液を50℃で一晩撹拌した
後、不溶物を濾過した。濾液を濃縮した後、得られた残
渣をカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:エ−テ
ル=10:1〜5:1)で精製して、エポキシド化合物
(6)1.53g(76.1%)を得た。
【0091】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0092】1H NMR(CDCl3 ): δ 0.8
9(3H,t,J=6.9Hz),1.15−1.50
(15H,m),2.32(1H,dd,J=8.3,
15.3Hz),2.49(1H,dd,J=7.8,
15.3),2.52−2.60(1H,m),2.7
5−2.86(2H,m),4.96−5.10(1
H,m) [E] (3S,4R)−3−ペンチル−6−ヘプテン
−4−オリド[化合物(7)]の合成 ヨウ化銅129mg(0.68mmol)を無水テトラ
ヒドロフラン5mlに懸濁し、これに工程[D]で得ら
れたエポキシド(6)770mg(3.38mmol)
の無水エ−テル25ml溶液を加えた。混合溶液に、ア
ルゴンガス雰囲気下で−20℃に冷却しながら、ビニル
マグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液3.7
1ml(1.0N、3.71mmol)を滴下した。−
20℃で1時間撹拌した後、反応溶液を飽和塩化アンモ
ニウム水溶液中にあけ、30分撹拌し、不溶物を濾過し
た。得られた濾液をエ−テルで抽出した後、抽出液を飽
和食塩水で洗浄した。この後、抽出液を無水硫酸マグネ
シウムで乾燥して濾過し、濾液を濃縮した。得られた残
渣をメタノ−ル5mlに溶解し、この溶液に10%水酸
化ナトリウム水溶液5mlを加え、室温で3時間撹拌し
た。メタノ−ルを減圧留去した後、得られた残渣をエ−
テルで2度抽出した。さらに水層を希塩酸で酸性にした
後、該水層を1時間撹拌した。次いで、水層をエ−テル
で抽出し、得られた抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾
燥した後濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物をシ
リカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:エ−テル
=10:1〜5:1)で精製して、化合物(7)469
mg(70.8%)を得た。
【0093】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0094】1H NMR(CDCl3 ): δ 0.8
9(3H,t,J=6.7Hz),1.17−1.65
(8H,m),2.12−2.28(2H,m),2.
33−2.54(2H,m),2.68(1H,dd,
J=11.5,20.5Hz),4.17(1H,d
d,J=6.5,11.5Hz),5.12−5.22
(2H,m),5.74−5.90(1H,m) [F] (3S,4R)−6−ヒドロキシ−3−ペンチ
ル−4−ヘキサノリド[化合物(8)]の合成 工程[E]で得られた化合物(7)327mg(1.6
7mmol)を無水塩化メチレン40mlに溶解し、こ
の溶液に、−78℃に冷却しながらオゾンを飽和するま
で吹き込んだ。その後、反応溶液を室温まで上昇させた
後、過剰のオゾンをアルゴンガスを吹き込むことにより
除去した。次いで、反応溶液に、ボランジメチルスルフ
ィド0.58ml(10M,5.84mmol)を加
え、室温で20時間撹拌した。次に、反応溶液に1N希
塩酸1mlを加えてから、1時間撹拌した後、炭酸水素
ナトリウム粉を反応溶液が塩基性になるまで添加した。
次いで、反応液に無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し
た後濾過した。濾液を濃縮した後、得られた残渣をカラ
ムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1
0:1〜3:1)で精製して、化合物(8)272mg
(81.9%)を得た。
【0095】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0096】1H NMR(CDCl3 ): δ 0.9
0(3H,t,J=6.8Hz),1.21−1.66
(7H,m),1.76−2.30(6H,m),2.
61−2.79(1H,m),3.74−3.89(2
H,m),4.25−4.36(1H,m) [G] (3S,4R)−3−ペンチル−6−トシロキ
シヘキサン−4−オリド[化合物(9)]の合成 工程[F]で得られた化合物(8)200mg(1.0
1mmol)を無水ピリジン5mlに溶解し、この溶液
に、氷冷下でトシルクロリド287mg(1.51mm
ol)を加えた。室温で一晩撹拌した後、反応溶液を冷
希塩酸水溶液中にあけ、エ−テルで抽出した。得られた
抽出液を、水、飽和硫酸銅水溶液、水および飽和食塩水
溶液で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。次いで、有機層を濃縮し、得られた残渣をシリカゲ
ルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1
0:1〜5:1)で精製して、化合物(9)292mg
(82.3%)を得た。
【0097】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0098】1H NMR(CDCl3 ): δ 0.9
0(3H,t,J=6.8Hz),1.18−1.59
(8H,m),1.80−1.93(1H,m),2.
03−2.27(3H,m),2.56(3H,s),
2.65(1H,dd,J=8.0,16.9Hz),
4.06−4.26(3H,m),7.38(2H,
d,J=8.5Hz),7.79(2H,d,J=8.
5Hz) [H] (1R,4S,7S)−7−ペンチル−2−オ
キサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−オン[化合
物(10)]の合成 工程[G]で得られた化合物(9)197mg(0.5
6mmol)を無水テトラヒドロフラン5mlに溶解
し、この溶液にアルゴンガス雰囲気下、−78℃に冷却
しながら、リチウムヘキサメチルジシラジドのテトラヒ
ドロフラン溶液0.56ml(1N,0.56mmo
l)を滴下した。反応温度を3時間かけて室温まで戻し
た後、反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液にあけ、
エ−テルで抽出した。得られた抽出液を飽和食塩水で洗
浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過して濃
縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(n−ヘキサン:エ−テル=10:1)で精製し
て、化合物(10)87.3mg(85.6%)を得
た。
【0099】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0100】1H NMR(CDCl3 ): δ 0.9
0(3H,t,J=6.8Hz),1.19−1.60
(9H,m),1.62−1.80(1H,m),1.
81−2.06(3H,m),2.68−2.75(1
H,m),4.60−4.68(1H,m) [I] (1R,2S,3R)−3−ヒドロキシメチル
−2−ペンチル−1−シクロペンタノ−ル[化合物(1
1)]の合成 工程[H]で得られた化合物(10)21mg(0.2
1mmol)を無水エ−テル1mlに溶解し、この溶液
に、氷冷下で撹拌しながら水素化リチウムアルミニウム
6.6mg(0.17mmol)を加えた。反応溶液を
1時間撹拌した後、反応液に水0.1ml,2N水酸化
ナトリウム0.2mlおよび水0.1mlを順次加え、
しばらく撹拌してから、不溶物を濾過した。濾液を濃縮
して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1〜1:1)
で精製して、ジオール化合物(11)18mg(83.
7%)を得た。
【0101】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0102】1H NMR(CDCl3 ): δ 0.8
9(3H,t,J=6.6Hz),1.21−1.60
(6H,m),1.67−1.98(5H,m),2.
16−2.29(1H,m),3.42−3.73(4
H,m),4.05−4.14(1H,m) [J] (1R,2S,3R)−3−トシロキシメチル
−2−ペンチル−1−シクロペンタノ−ル[化合物(1
2)]の合成 工程[H]で得られたジオール(11)23mg(0.
12mmol)を無水塩化メチレン1mlに溶解し、こ
の溶液に、氷冷下で撹拌しながらトシルクロリド24m
g(0.12mmol)およびピリジン29mg(0.
37mmol)の無水塩化メチレン溶液1mlをゆっく
り滴下した。反応溶液を室温で一晩撹拌した後、反応液
に飽和食塩水1mlを加え、エ−テルで抽出した。得ら
れた抽出液を、飽和硫酸銅水溶液、飽和食塩水で順次洗
浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次に、抽
出液を濾過した後、濾液を濃縮して、得られた残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢
酸エチル=10:1〜1:1)で精製して、モノトシレ
−トとして化合物(12)42.8mg(81.7%)
を得た。
【0103】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0104】1H NMR(CDCl3 ): δ 0.8
7(3H,t,J=6.8Hz),1.18−1.40
(7H,m),1.52−1.85(7H,m),2.
24−2.38(1H,m),2.45(3H,s),
3.99−4.17(3H,m),7.34(2H,
m),7.79(2H,m) [K] (1R,2S,3R)−2−ペンチル−1−テ
トラヒドロピラニロキシ−3−トシロキシメチルシクロ
ペンタン[化合物(13)]の合成 工程[J]で得られたモノトシレ−ト(12)23mg
(0.054mmol)を無水塩化メチレン2mlに溶
解し、この溶液にジヒドロピラン14mg(0.16m
mol)およびパラトルエンスルホン酸ピリジン塩3m
gを加え、室温で一晩撹拌した。反応液に、エ−テル3
ml、次いで50%飽和食塩水を加えてから、有機層を
分離した。該有機層を、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た後に濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣を、分取
薄層クロマトグラフィー(n−ヘキサン:エ−テル=
1:1)で精製して、トシレート(13)25.3mg
(91.7%)を得た。
【0105】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0106】1H NMR(CDCl3 ): δ 0.8
7(3H,t,J=6.7Hz),1.19−2.00
(19H,m),2.22−2.39(1H,m),
2.44(3H,m),3.39−3.50(1H,
m),3.62−3.80(1H,m),3.87−
4.19(3H,m),4.51−4.59(1H,
m),7.31−7.37(2H,m),7.75−
7.84(2H,m) [L] (1R,2S,3R)−3−シアノメチル−2
−ペンチル−1−テトラヒドロピラニロキシシクロペン
タン[化合物(14)]の合成 工程[K]で得られたトシレ−ト(13)20mg
(0.04mmol)を無水ジメチルホルムアミド1m
lに溶解し、この溶液に、撹拌しながらシアン化ナトリ
ウム5.8mg(0.12mmol)及びテトラブチル
アンモニウムブロミド2.9mg(0.009mmo
l)を加え、100℃で一晩撹拌した。反応溶液を冷却
した後水にあけ、エ−テルで抽出した。得られた抽出液
を、飽和重曹水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。次に、抽出液を濾過した後濾液を濃縮した。
得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(n−ヘキサン:エ−テル=20:1〜5:1)で精製
し、ニトリル化合物(14)8.3mg(58.0%)
を得た。
【0107】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0108】1H NMR(CDCl3 ): δ 0.8
9(3H,t,J=6.9Hz),1.20−2.05
(18H,m),2.28−2.55(3H,m),
3.45−3.56(1H,m),3.75−3.90
(1H,m),3.97−4.03(0.7Hm),
4.14−4.19(0.3H,m),4.52−4.
59(0.7H,m),4.63−4.68(0.3
H,m) [M] (1R,2S,3R)−1−ヒドロキシ−3−
メトキシカルボニルメチル−2−ペンチルシクロペンタ
ン[化合物(1)]の合成 工程[L]で得られたニトリル化合物(14)28mg
(0.077mmol)をメタノ−ル1mlに溶解し、
この溶液に水酸化ナトリウム28mg(0.7mmo
l)の水溶液1mlを加えた。この混合溶液を60℃で
6時間撹拌した後、希硫酸水溶液にあけた。1時間撹拌
した後、反応溶液を塩化メチレンで抽出した。得られた
抽出液を、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し
た後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次に、該抽出
液を濾過した後濃縮して、得られた残渣を、エーテル1
mlに溶解した。この溶液に、ジアゾメタンのエーテル
溶液0.2mlを加えてさらに1時間撹拌した。この混
合溶液を濃縮した後、得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1
0:1〜5:1)で精製し、ヒドロキシエステルとして
化合物(1)15.9mg(90.3%)を得た。
【0109】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0110】1H NMR(CDCl3 ): δ 0.9
0(3H,t,J=7.0Hz),1.10−2.45
(17H,m),3.66(3H,s),4.13−
4.27(1H,m) [N] (2S,3R)−3−メトキシカルボニルメチ
ル−2−ペンチル−1−シクロペンタノン(ジヒドロエ
ピジャスミン酸メチル)の合成 工程[M]で得られたヒドロキシエステル(1)20m
g(0.088mmol)を無水塩化メチレンに溶解
し、この溶液に、ピリジニウムジクロメ−ト49mg
(0.13mmol)を加えて、室温で3時間撹拌し
た。この後、反応液にエ−テルを加え、不溶物をフロリ
ジルカラムで除去した。生成物を含む画分を濃縮し、得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n
−ヘキサン:エ−テル=10:1〜5:1)で精製して
ジヒドロエピジャスミン酸メチル12.4mg(62.
6%)を得た。
【0111】得られた生成物の物理的特性は、次の通り
であった。
【0112】1H NMR(CDCl3 ): δ 0.8
8(3H,t,J=6.9Hz),1.16−1.60
(9H,m),1.73−1.80(2H,m),2.
07−2.17(1H,m),2.19−2.26(1
H,m),2.27−2.38(2H,m),2.58
−2.69(1H,m),3.71(3H,s) ジヒドロエピジャスミン酸メチルは、化粧料等の香気成
分として有用である。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の飽和単環
炭化水素化合物の製造方法によれば、比較的入手が容易
でかつ光学純度が高いものが用意できるレボグルコセノ
ンを出発物質とし、その光学純度を維持したままで選択
的に光学活性な飽和単環炭化水素化合物を得ることがで
きる。
【0114】本発明の飽和単環炭化水素化合物の製造方
法によれば、出発物質として用いたレボグルコセノン
(2)の光学純度が保持されたまま合成系が進行するの
で、光学純度が高い飽和単環炭化水素化合物(1)を得
ることができる。また、上述のようにして得られた飽和
単環炭化水素化合物(1)は、そのまま、または、さら
に反応に供することにより、各種香料、医薬品、農薬等
として用いることができる。例えば、本発明の製造方法
は、5員環のものは、プロスタグランジン等の医薬品の
合成に応用できる。また、6員環のものは、香料として
知られているイロン、イオノンや、植物ホルモンである
アブシジン酸等の合成へ利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 35/02 253/16 255/31 9357−4H C07D 307/58 (72)発明者 川上 浩 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日本 たばこ産業株式会社生命科学研究所内 (72)発明者 松本 克也 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日本 たばこ産業株式会社生命科学研究所内 (72)発明者 松下 肇 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日本 たばこ産業株式会社生命科学研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1で示される飽和単環炭化水素化
    合物(1)の製造方法であって、 【化1】 但し、R1 は炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数2
    〜10のアルケニル基を表し、R2 は炭素数1〜5のア
    ルキル基を表し、mは1〜3の整数を表す。 (a)下記化2で示されるように、レボグルコセノン
    (2)のエノン部分にアルキル基R1 を付加することに
    より化合物(3)を得る工程と、 【化2】 但し、R1 は先に定義したとおりである。 (b)下記化3で示されるように、工程(a)で得られ
    た化合物(3)を過酸で酸化することにより化合物
    (4)を得る工程と、 【化3】 但し、R1 は先に定義したとおりである。 (c)下記化4で示されるように、工程(b)で得られ
    た化合物(4)の水酸基を脱離基OX1 に変換すること
    により化合物(5)を得る工程と、 【化4】 但し、R1 は先に定義したとおりであり、X1 はOX1
    として脱離可能な基を示す。 (d)下記化5で示されるように、工程(c)で得られ
    た化合物(5)を塩基で処理することにより化合物
    (6)を得る工程と、 【化5】 但し、R1 およびX1 は先に定義したとおりであり、R
    3 は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。 (e)下記化6で示されるように、工程(d)で得られ
    た化合物(6)にアルケニル基を導入することにより、
    化合物(7)を得る工程と、 【化6】 但し、R1 及びR3 は上記と同じ意味を示し、nは1〜
    3の整数を示し、Rは水素原子又は炭素数1から(8−
    n)個のアルキル基を示す(但し、nは前述のとおりで
    ある)。 (f)下記化7で示されるように、工程(e)で得られ
    た化合物(7)のアルケニル基の二重結合を酸化的に切
    断した後に還元することにより、化合物(8)を得る工
    程と、 【化7】 但し、R、R1 およびnは先に定義したとおりである。 (g)下記化8で示されるように、工程(f)で得られ
    た化合物(8)の水酸基を脱離基OX2 に変換すること
    により、化合物(9)を得る工程と、 【化8】 但し、R1 およびnは先に定義したとおりであり、X2
    はOX2 として脱離可能な基を示す。 (h)下記化9で示されるように、工程(g)で得られ
    た化合物(9)を塩基で処理することにより閉環させ
    て、化合物(10)を得る工程と、 【化9】 但し、R1 、m、nおよびX2 は先に定義したとおりで
    ある。 (i)下記化10で示されるように、工程(h)で得ら
    れた化合物(10)を還元することにより、化合物(1
    1)を得る工程と、 【化10】 但し、R1 およびmは先に定義したとおりである。 (j)下記化11で示されるように、工程(i)で得ら
    れた化合物(11)の一級水酸基のみを選択的に脱離基
    OX3 に変換して、化合物(12)を得る工程と、 【化11】 但し、R1 およびmは先に定義したとおりであり、X3
    はOX3 として脱離可能な基を示す。 (k)下記化12で示されるように、工程(j)で得ら
    れた化合物(12)の二級水酸基に保護基R4 を導入す
    ることにより、化合物(13)を得る工程と、 【化12】 但し、R1 、mおよびX3 は先に定義したとおりであ
    り、R4 は水酸基の保護基を示す。 (l)下記化13で示されるように、式(13)で表さ
    れる化合物にニトリル基を導入することにより、式(1
    4)で表される化合物を得る工程と、 【化13】 但し、R1 、R4 、mおよびX3 は先に定義したとおり
    である。 (m)下記化14で示されるように、工程(l)で得ら
    れた化合物(14)のニトリル基を加水分解してカルボ
    キシル基に変換した後、酸性条件下で保護基R4 を脱離
    させてのちにカルボキシル基をエステル化することによ
    り、飽和単環炭化水素化合物(1)を得る工程を具備す
    ることを特徴とする飽和単環炭化水素化合物の製造方法 【化14】 但し、R1 、R2 、R4 及びmは先に定義したとおりで
    ある。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の工程(a)〜(m)を
    具備した化合物(1)の製造方法であって、前記化合物
    (1)が下記化15の一般式で示される化合物(1’)
    であり、 【化15】 但し、R1 ’は炭素数2から10のアルケニル基を表わ
    し、R2 及びmは先に定義したとおりである。更に、 工程(a)においてエノン部にアルキル基の代わりにア
    ルケニル基を付加し、 工程(b)において、酸化反応の後に、生成物を更に酸
    化剤で処理し、次いで水酸基の保護及びアセタール化を
    行ない、 工程(m)において、ニトリル基の加水分解、脱保護及
    びエステル化の後にWittig反応を行なう、ことを具備し
    たことを特徴とする製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の製造方法であって、工
    程(a)が、銅塩の存在下で、アルキル金属塩を用いて
    行なわれる方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の製造方法であって、工
    程(a)が、銅塩の存在下で、アルケニル金属塩を用い
    て行なわれる方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2に記載の方法であって、
    工程(e)が、銅塩の存在下で、アルケニル金属塩を用
    いて行なわれる方法。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の方法であって、前記ア
    ルキル金属塩が炭素数1から10のアルキルリチウム又
    はアルキルマグネシウムハライドである方法。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の方法であって、前記ア
    ルケニル金属塩が炭素数2から10のアルケニルリチウ
    ム又はアルケニルマグネシウムハライドである方法。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載の方法であって、前記ア
    ルケニル金属塩が炭素数2から10のアルケニルリチウ
    ム又はアルケニルマグネシウムハライドである方法。
  9. 【請求項9】 請求項3または4に記載の製造方法であ
    って、前記銅塩がヨウ化銅、臭化銅、及び塩化銅である
    方法。
  10. 【請求項10】 請求項1又は2に記載の製造方法であ
    って、工程(c)、工程(g)及び工程(j)において
    基X1 、X2 及びX3 が、それぞれエステル化反応によ
    って導入される方法。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の製造方法であって、
    前記化合物(1)が下記化16で表わされる化合物であ
    る方法。 【化16】
  12. 【請求項12】 下記化17に示す一般式で表される化
    合物(10)。 【化17】 但し、R1 は炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数2
    〜10のアルケニル基を示し、mは1〜3の整数を示
    す。
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