JPH06122920A - 高強度ばね用鋼材の製法 - Google Patents

高強度ばね用鋼材の製法

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JPH06122920A
JPH06122920A JP27294492A JP27294492A JPH06122920A JP H06122920 A JPH06122920 A JP H06122920A JP 27294492 A JP27294492 A JP 27294492A JP 27294492 A JP27294492 A JP 27294492A JP H06122920 A JPH06122920 A JP H06122920A
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rolling
steel
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scale
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JP27294492A
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Takahiko Nagamatsu
孝彦 永松
Masao Toyama
雅雄 外山
Masaki Shimotsusa
正貴 下津佐
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高強度で表面疵が少なく耐疲労特性の優れた
ばね用鋼材を得ることのできる方法を開発すること。 【構成】 従来のばね用鋼に較べて合金元素量を増大し
た特定成分組成の鋼材を使用し、素線製造時における熱
間圧延温度を950℃以下に抑えると共に、圧延終了温
度を800℃以下に抑え、スケール生成量を少なくする
と共に酸洗除去の困難な赤スケール等の生成を抑える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はばね用鋼材に関し、殊に
内燃機関等の弁ばね用あるいは懸架ばね用等として優れ
た性能、特に高強度で表面疵感受性が小さく且つ耐疲労
特性に優れたばねを得ることのできるばね用鋼材の製法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のばね用鋼はJIS G 3565
〜3567、JIS G 4801等に規定されている
通り主として高炭素鋼をベースとするものであり、合金
元素の添加量は比較的少ない。そしてこれら通常のばね
用鋼では、耐へたり特性を高めるため少量のSiを含有
させるのが通例である。ところがSiは、圧延加熱工程
でFe2 SiO4 を生成し易く、このFe2 SiO4
スケールは、普通鋼を高温処理した時に生成するFeO
系スケールよりも酸洗性が悪いことが確認されている。
但し、上記の様なJIS規格のばね用鋼については、圧
延後に塩酸や硫酸等で酸洗処理を行なうことによって、
比較的簡単にスケールを除去することができる。
【0003】他方、近年自動車等の燃費低減あるいは排
ガス低減等を目的として車体の軽量化に対する要求が高
まるにつれて、ばね材についても大幅な硬度向上が求め
られる様になり、こうした要望を満たすため最近では合
金元素の添加量を次第に増加させる傾向が見受けられ
る。ところが合金元素の添加によって高強度化は増進さ
れる反面、素線製造の末期に実施される通常の酸洗工程
でスケールを完全に除去し難くなり、残留スケールが加
工後に微細な表面疵を生ずる原因となり、耐疲労特性に
も悪影響が表れてくる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、合金
元素を添加することにより強度を高めたばね用鋼におけ
るスケールを低減して表面疵を少なくすると共にし、耐
疲労特性の改善された高強度ばね用鋼材を得ることので
きる方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係るばね用鋼材の製法とは、 C:0.35〜0.5% Si:1〜4% Mn:0.2〜1.5% Ni:3%未満 Cr:0.3〜3% Mo:0.05〜2% V:0.05〜0.5% 残部:鉄および不可避不純物 よりなる成分鋼を使用し、あるいは更に他の成分として Cu:0.1〜1% Al:0.01〜0.1% Nb:0.05〜0.5% Co:0.2〜5% よりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む
成分鋼を使用し、素線製造工程における熱間圧延時の加
熱温度を950℃以下に抑えると共に、圧延終了温度を
800℃以下とするところに要旨を有するものである。
【0006】
【作用】本発明では、上記の様に添加合金元素を含めて
鋼材の化学成分を特定すると共に、素線製造工程におけ
る熱間圧延時の加熱温度および圧延終了温度の上限を規
定することによって、圧延時に生成するスケールの絶対
量を低減すると共に、該スケールをその後の酸洗工程で
除去し易い形態のものとし、それにより高強度を有する
と共に表面疵感受性が小さく、且つ耐疲労特性に優れた
ばね用鋼材を得ることに成功したものである。以下鋼材
の成分組成および素線製造時の熱間圧延条件を定めた理
由を詳述する。まず、鋼材の成分組成を定めた理由は次
の通りである。
【0007】C:0.35〜0.5% Cは焼入れ・焼戻し後の強度向上に不可欠の元素であ
り、0.35%未満では焼入れ後のマルテンサイトの硬
さが低くなり過ぎて焼入れ後の強度が不足気味となる。
しかし0.5%を超えると焼入れ後の靭性が劣化し、ば
ね材としての疲労特性を満足できなくなる。
【0008】Si:1〜4% Siは固溶硬化元素として必要な元素であり、1%未満
ではマトリックスの強度が不十分となる。一方、4%を
超えると焼入れ時に炭化物の溶込みが不十分になって焼
入れ・焼戻し後の強度が低下するばかりでなく、ばねと
したときの耐へたり特性も悪くなる。
【0009】Mn:0.2〜1.5% Mnは焼入れ性向上元素として少なくとも0.2%以上
必要である。しかしMn量が多くなり過ぎると焼入れ・
焼戻し後の靭性が悪くなるので上限を1.5%と定め
た。
【0010】Ni:3%未満 Niは焼入れ・焼戻し後の素材の靭性を向上させる作用
を有しているが、高価な元素であるので、経済性を考慮
して3%未満と定めた。
【0011】Cr:0.3〜3% CrはMnと同様に焼入れ性を向上させると共に、耐熱
性を改善するという効果も有しており、更にはばね特性
として重要な耐へたり特性を大幅に改善するという効果
もあり、これらの効果を有効に発揮させるには少なくと
も0.3%以上含有させければならない。しかしこれら
の諸効果は3%でほぼ飽和するので、それ以上の添加は
経済的に無駄である。
【0012】V:0.05〜0.5% Vは結晶粒度を微細化して耐力比を高めることにより耐
へたり特性を改善する効果を有しており、この効果を有
効に発揮させるには0.05%以上含有させなければな
らない。しかし多過ぎると、焼入れ加熱時にオーステナ
イト中に固溶されない合金炭化物の量が増大し大きな塊
状物となって残存し、疲労特性に悪影響を及ぼす様にな
るので、0.5%を上限として定めた。
【0013】Mo:0.05〜2% Moは炭化物生成元素であり、焼入れ時に微細な合金炭
化物を析出させ、二次硬化を促進させることによって耐
へたり特性および耐疲労特性を向上させる作用を有して
おり、こうした作用は0.05%以上含有させることに
よって有効に発揮される。しかし、それらの効果は約2
%の添加で飽和するので、それ以上の添加は全く無駄で
ある。
【0014】本発明における必須の構成元素は上記の通
りで、残部は鉄と不可避不純物からなるものであり、不
可避不純物としてはP、S、N、O等を挙げることがで
きるが、これらはいずれも非金属介在物源となって耐疲
労特性等に悪影響を及ぼすので、できるだけ少なく抑え
ることが望ましい。
【0015】また本発明においては、上記必須構成元素
に加えてCu,Al,Nb,Coよりなる群から選択さ
れる少なくとも1種の元素を含有させることによって、
高強度ばね用鋼材としての特性を一段と高めることがで
きる。
【0016】Cu:0.1〜1% Cuは電気化学的に鉄より貴な元素であり、腐食環境中
で全面腐食を助長することによって耐孔食性を高め、腐
食疲労特性を改善する効果を有している。こうした効果
は0.1%以上含有させることによって有効に発揮され
るが、多くなり過ぎると熱間圧延時に素材の脆化を引起
こす原因となるので1.0%以下に抑えるべきである。
【0017】Al:0.01〜0.1% Alは脱酸を容易にする元素であり、0.01%以上含
有させることによってその効果は有効に発揮される。し
かし0.1%以上含有させると、Al23 の粗大介在
物を生成し、耐疲労特性を悪化させる原因となる。
【0018】Nb:0.05〜0.5% Nbは、Vと同様に結晶粒度を微細化し、耐力比を高め
ることによって耐へたり性を改善する効果を有してお
り、その効果は0.05%以上含有させることによって
有効に発揮される。しかし0.5%を超えてそれ以上含
有させてもそれ以上の耐へたり性向上効果は得られず、
むしろ焼入れ加熱時に粗大炭窒化物が生成して耐疲労寿
命を悪化させる。
【0019】Co:0.2〜5% Coは靭性改善効果を有しており、その効果は0.2%
以上含有させることによって有意に発揮される。しかし
その効果は5%で飽和し、それ以上添加することは経済
的に全く無駄である。上記成分組成の要件を満たす鋼材
にばね加工及び熱処理を施すと、素線強度は200Kgf/
mm2 以上となり、高強度ばね用鋼材としての強度特性を
備えたものとなる。
【0020】ところが上記成分組成範囲の鋼材は、前述
の如く従来のばね用鋼材に較べて合金元素の添加量が多
く、熱間加工時に生成するスケールの酸洗除去が困難で
ある。そして除去しきれないで残存するスケールは素線
表面肌を害するばかりでなく、表面疵の原因となる。鋼
材は一般に高強度になるほど疵感受性が高くなるので、
この様なスケール残存による表面疵の発生は耐疲労特性
を悪化させる要因となる。
【0021】そこで本発明者らは、上記成分組成の要件
を満たす鋼材を対象として、ばね製造工程中の熱間圧延
条件とスケール発生状況および該スケールの酸洗性につ
いて検討を行った。その結果、熱間圧延時の温度が95
0℃を超えるとスケール膜厚が急激に厚くなると共に、
スケール下層部でFe2 SiO4 および合金元素が濃化
したサブスケールの生成が急増すること、しかもこのサ
ブスケールは母材表面を凹凸にして酸洗によるスケール
の除去を困難にし、圧延後の表面疵発生の大きな原因に
なることが明らかとなった。
【0022】またスケール生成量は圧延終了温度にも大
きな影響を受け、圧延終了温度が800℃を超えるとそ
の冷却過程でスケール膜厚が著しく増大し易くなると共
に、素材表面にSiO2 を含むα−Fe23 主体の赤
スケールが生成し易くなり、この赤スケールもその後の
酸洗工程で除去困難であることが確認された。
【0023】しかし、ばね製造工程中の熱間圧延温度を
950℃以下に抑えてやれば、圧延時のスケール生成量
が抑制されると共にスケール下層部に生成するサブスケ
ール量も極端に少なくなり、且つ素線表面に凹凸ができ
る現象も著しく軽減される。また圧延終了温度を800
℃以下に抑えてやれば、圧延後の冷却過程におけるスケ
ール生成量が抑えられると共に、素材表面に生成するス
ケールは酸洗除去の容易なFeOやFe34 主体のス
ケールとなる。
【0024】従って、圧延時の温度を950℃以下、圧
延終了温度を800℃以下に抑えた熱間圧延条件を採用
すれば、その後の塩酸や硫酸を用いた通常の酸洗工程で
スケールを容易に除去することができると共に、素材表
面の凹凸も少なくなり、表面疵感受性が小さく耐疲労特
性に優れた高強度ばね用鋼材を得ることができる。
【0025】以下、実施例を挙げて本発明の構成及び作
用効果をより具体的に説明するが、本発明はもとより下
記実施例によって制限を受けるものではなく、前後記の
趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施するこ
とは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれるものであ
る。
【0026】
【実施例】表1に示す成分組成の鋼材を溶製した後、1
15mm角のビレットに鍛造し、グラインダー加工を施し
て表面異常層を研磨除去した後、直径12.5mmの線径
にまで熱間圧延した。尚、熱間圧延は、表1に示す通り
加熱温度を900〜1000℃、圧延終了温度を750
〜900℃の範囲で種々変更して実施した。
【0027】得られた各線材のスケール膜厚(重量測定
法)および表面疵(横断面の顕微鏡観察)を測定し、表
2に示す結果を得た。また圧延後の各線材を歪取り焼鈍
した後、10%塩酸と50g/リットルの2価Feイオ
ンを含む30℃の酸洗液を用いて30分間酸洗し、残存
スケールのうち横断面観察で最も厚みの大きい部分の残
存スケール厚みを測定し、結果を表2に示した。
【0028】これらの鋼線材を引抜き加工に付して表面
形状を整えた後、試験片加工,熱処理及び試験片仕上加
工を順次行ない、得られた試験片の疲労強度を下記の方
法で測定し、結果を表2に併記した。 (疲労強度測定法)小野式回転曲げ疲労試験によって、
応力−繰り返し数線図を書き、106 回での応力を疲労
強度とした。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】表1、2より次の様に考察することができ
る。No.3,6,9は鋼材の成分組成および熱間圧延
条件がいずれも本発明の規定要件を満たす実施例であ
り、圧延後のスケール付着量が少なく且つ表面疵も浅
く、酸洗後に残存するスケールも非常に少ない。その結
果、後工程の熱処理で高強度でありながら高い疲労強度
を有していることが分かる。また、No.13〜16は
選択元素として適量のCu,Al,NbまたはCoを添
加した鋼材を用いたものであり、何れも良好な結果が得
られている。
【0032】これに対してNo.10〜12は、鋼材の
成分組成が規定要件を外れる比較例であり、合金元素量
が少ないため酸洗後の残存スケール量は少ないが、疲労
特性も不十分であり、高強度ばねとしての適性を欠く。
またNo.1,2,4,5,7,8は、鋼材の成分組成
は本発明の規定要件を満たしているが、熱間圧延温度ま
たは圧延終了温度が規定要件を外れる(高すぎる)ため
酸洗後の残存スケール量が多く、そのため満足な疲労強
度が得られていない。
【0033】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、合
金元素量を増加した特定成分組成の鋼材を使用し、且つ
素線製造時の熱間圧延温度および圧延終了温度を規定す
ることによって、圧延時のスケール生成を抑制すると共
に酸洗困難な赤スケール等の生成を抑え、それにより表
面疵を少なくすると共に酸洗によるスケール除去を容易
にし、もって高強度で疵感受性および疲労特性の優れた
ばね用鋼材を提供し得ることになった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.35〜0.5%(重量%、以下
    同じ) Si:1〜4% Mn:0.2〜1.5% Ni:3%未満 Cr:0.3〜3% Mo:0.05〜2% V:0.05〜0.5% 残部:鉄および不可避不純物 よりなる成分鋼を使用し、素線製造工程における熱間圧
    延時の加熱温度を950℃以下に抑えると共に、圧延終
    了温度を800℃以下とすることを特徴とする高強度ば
    ね用鋼材の製法。
  2. 【請求項2】 他の成分として Cu:0.1〜1% Al:0.01〜0.1% Nb:0.05〜0.5% Co:0.2〜5% よりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む
    成分鋼を使用する請求項1記載の製法。
JP27294492A 1992-10-12 1992-10-12 高強度ばね用鋼材の製法 Withdrawn JPH06122920A (ja)

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Cited By (4)

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