JPH0613155B2 - 球状黒鉛鋳鉄のフラツシユバツト溶接法 - Google Patents

球状黒鉛鋳鉄のフラツシユバツト溶接法

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JPH0613155B2
JPH0613155B2 JP1089788A JP1089788A JPH0613155B2 JP H0613155 B2 JPH0613155 B2 JP H0613155B2 JP 1089788 A JP1089788 A JP 1089788A JP 1089788 A JP1089788 A JP 1089788A JP H0613155 B2 JPH0613155 B2 JP H0613155B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、球状黒鉛鋳鉄のフラッシュバット溶接法に関
する。
[従来の技術] 鋳鉄の溶接の困難性は周知のところであり、球状黒鉛鋳
鉄の場合でも例外ではない。その理由は、溶接金属の急
速な冷却により溶接部に炭化物、マルテンサイト等が析
出し、溶接部は冷却時の収縮、マルテンサイト析出によ
る膨脹等の急激な歪を発生すること、また溶接部に析出
した炭化物は塑性変形能に乏しいため亀裂を発生する頻
度が高いこと、さらに鋳鉄中に多量に含有される炭素が
溶接中に酸化してCOガスを発生し、溶接金属中にブ
ローホールを生ぜしめること等による。
このような理由から溶接部の強度の信頼度が低いため、
鋳鉄の溶接は鋳鉄欠陥の補修に利用されているに過ぎず
継手溶接は行われていないのが現状であるが、その一方
で継手溶接の試みが盛んに行われている。これは、継手
溶接が確立できれば用途が著しく拡大することが期待で
きるためであり、鋳鉄の中でも球状黒鉛鋳鉄の占める割
合は高く、例えば遠心鋳造法による片側フランジ付きダ
クタイル鋳鉄管の長尺化や、あるいは遠心鋳造が不可能
な両側フランジ付きのダクタイル鋳鉄管の製造が可能に
なる等工期の短縮、コスト低減に寄与するところが極め
て大であるからである。
そこで、球状黒鉛鋳鉄の溶接法として従来試みられてい
る中でフラッシュバット溶接法の例をあげる。この溶接
法は、被溶接材の突合せ端面を軽く接触させながら大電
流を通じ、この時に発生するジュール熱およびアーク熱
によって接触面を加熱溶融させ、しかる後その接触面に
アプセットと称する急激な圧力を加えて圧接する方法で
ある。したがって、球状黒鉛鋳鉄にフラッシュバット溶
接法を適用すると、通常のアーク溶接、TIG溶接等の
ように溶加材を使用しないため溶接部に異種金属が存在
する危険はなく、またアプセットによってCOガスが
残留しやすい溶接金属を継手部より押出すため、清浄な
溶接が得られ継手の脆化、強度低下を防止し得るという
利点がある。しかし一方において、熱影響部の急冷によ
る材質の低下の問題がある。
[発明が解決しようとする課題] これは、従来のフラッシュバット溶接法が30,000
〜40,000Aもの大電流を6〜10秒間という極め
て短時間の通電によって突合せ溶接するという溶接条件
であるため、溶接線に直交する方向の熱分布域が非常に
狭いこと、そのため冷却も早く行われること、熱影響部
へのセメンタイト、マルテンサイト等の析出を避け難い
ことなどの理由から、伸びが小さく、偏平試験でも規格
値を満足することができないという問題があった。
そこで本発明は、この従来法の改良に努めた結果、溶接
部およびその近傍の冷却速度を遅くするような溶接条件
とその後に与えられるべき所定の後熱処理の条件とによ
り、実用的な球状黒鉛鋳鉄のフラッシュバット溶接法を
確立したもので、かかる溶接法を提供することを目的と
するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明に係る球状黒鉛鋳鉄のフラッシュバット溶接法
は、溶接条件として溶接電流を小、フラッシュ時間を大
なる領域内に設定し、溶接後所定の後熱処理を行うもの
であり、より具体的には溶接電流を溶接単位断面積当り
2〜6A/mmとし、フラッシュ時間を20〜100秒
とし、後熱処理を700〜750℃に加熱保持後空冷す
るものである。
[作 用] 本発明においては、まず溶接条件として溶接電流を小、
フラッシュ時間を大なる領域内に設定して球状黒鉛鋳鉄
のフラッシュバット溶接を行う。具体的には溶接電流を
溶接単位断面積当り2〜6A/mmとし、フラッシュ時
間を20〜100秒とする。
第1図は本発明の溶接条件が適用される領域を概念的に
示すものであるが、通常のフラッシュバット溶接法では
溶接電流大、フラッシュ時間小の溶接条件であるため、
領域Aの部分で溶接が行われている。これに対して、本
発明では、溶接電流を小、フラッシュ時間を大とするも
ので領域Bの部分で溶接を行うものである。これは、領
域Aの部分で溶接を行うと、溶接線に直交する方向の熱
分布域が非常に狭く、したがって冷却も早く行われるの
に対し、領域Bの部分では熱分布域が拡がる結果冷却速
度が遅くなるためである。このため、熱影響部の冷却速
度を従来以上に遅くすることができ、マルテンサイトお
よびセメンタイトの析出をある程度防止することができ
るため、as weldでも引張強さが大きく、かつ伸びの大
きな継手が得られる。なお、第1図の領域C,Dの部分
は溶接不適当の領域であり、領域Cでは加熱不足のため
溶接ができず、領域Dでは逆に加熱過多のため不良継手
となる。
このように領域Bで溶接を行うときは、熱影響部の冷却
速度が遅くなるため継手の品質は向上する。しかし、こ
れだけでは、継手部にマルテンサイト、セメンタイトの
析出を完全に防止することは不可能である。そこで次
に、溶接後に所定の後熱処理を施すことによりこれらの
発生した炭化物を分解する。後熱処理の条件としては、
700〜750℃に加熱保持後空冷とするものである。
これによって継手の強度および伸びを要求される規格値
以上に保持しつつ溶接部の硬さを下げ所定の偏平量を満
たすことができる。また、溶接部およびその近傍の組織
は十分にパーライト+フェライト組織となっていること
が確かめられている。
[実施例] 以下、本発明の実施例について詳述する。
一般に、ダクタイル鋳鉄管の場合について溶接継手部に
要求される機械的性質の規格値は第1表に示すとおりで
ある。
次に、実験に供された試料は、遠心鋳造法により鋳造さ
れたダクタイル鋳造管2本をフラッシュバット溶接して
製作したものである。この場合において試料の寸法、化
学成分および引張特性は第2表のとおりであった。
また、溶接条件は第3表のとおりである。
次に、実験結果を熱処理温度との関係で示すと第4表の
とおりであった。
但し、それぞれの熱処理温度では30min炉内で保持し
た後空冷とした。また、各試験片の寸法は、4.0φm
m,GL=20mmとした。
第4表の結果から、最も好ましい熱処理温度は700〜
750℃であることがわかる。これは、破断位置が全て
母材位置であることから継手の強度は母材と同等以上で
あることを示しているからである。また、as weldのも
のでは引張強さ、伸びの条件は満足するが、後述する硬
さ、偏平量を満足させることができない。
また、熱処理温度が750℃を越えると、引張強さは大
きくなるけれども伸びが著しく小さくなり、使用し難
い。これは、鉄のA3変態温度が738℃であることに
基づくものであり、780℃以上に加熱すると素材は完
全にオーステナイト化し母材部が硬化するためである。
これに対して、750℃以下であれば素材はほとんど変
態せず溶接部の硬さのみが選択的に低下する。
第2図および第3図は第4表の実験結果をグラフに示し
たものである。
次に、第4図は継手の硬さ(Hv10 )分布を熱処理温度
との関係で示すものであり、母材の硬さ測定範囲は溶接
線(W.L)より左右10〜30mmの範囲をそれぞれ2
0点ずつ測定したものである。
溶接部の硬さは熱処理温度が高くなるにつれて低くなる
が、780℃以上では第4表の結果からも予測できるよ
うに、逆に母材部の硬さが上り、伸びが小さくなってく
る。as weldのものでは溶接部の硬さは最高を示し、偏
平試験でも溶接部で割れが発生した。これに対して70
0〜750℃では第1表の規格値を満たしており、偏平
量も第5図に示すように750℃の場合、100mm程度
まで増加する。なお、偏平試験に供された試料の寸法は
外形200φmm,厚さ7.5mm,溶接線を中央に長さ2
50mmとした。
[発明の効果] 以上のように本発明によれば、前記の溶接条件および後
熱処理条件によって球状黒鉛鋳鉄のフラッシュバット溶
接を現実のものとなし得、この種の鋳鉄材料の汎用性の
拡大に大いに寄与する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明における溶接条件が適用される領域を示
す説明図、第2図および第3図はそれぞれ熱処理温度と
引張強さ並びに伸びとの実験結果を示す図、第4図は熱
処理温度と継手の硬さ分布との関係を示す図、第5図は
熱処理温度と割れ発生偏平量との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 久恭 東京都千代田区内神田3丁目16番9号 日 本鋳鉄管株式会社内 (72)発明者 能勢 二郎 東京都千代田区内神田3丁目16番9号 日 本鋳鉄管株式会社内 (72)発明者 米津 利之 東京都千代田区内神田3丁目16番9号 日 本鋳鉄管株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】球状黒鉛鋳鉄材料のフラッシュバット溶接
    において、溶接部およびその近傍における冷却速度が遅
    くなるように溶接条件として溶接電流を溶接単位断面積
    当り2〜6A/mmとし、フラッシュ時間を20〜10
    0秒とし、溶接後の後熱処理条件を700〜750℃に
    加熱保持後空冷とすることを特徴とする球状黒鉛鋳鉄の
    フラッシュバット溶接法。
JP1089788A 1988-01-22 1988-01-22 球状黒鉛鋳鉄のフラツシユバツト溶接法 Expired - Fee Related JPH0613155B2 (ja)

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