JPH06144193A - ブレーキ制御装置 - Google Patents

ブレーキ制御装置

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JPH06144193A
JPH06144193A JP29456792A JP29456792A JPH06144193A JP H06144193 A JPH06144193 A JP H06144193A JP 29456792 A JP29456792 A JP 29456792A JP 29456792 A JP29456792 A JP 29456792A JP H06144193 A JPH06144193 A JP H06144193A
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brake
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speed
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卓志 松任
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Abstract

(57)【要約】 【目的】精度良くアンチロック制御を行うとともに、走
行フィーリングに優れたブレーキ制御装置を提供するこ
とを目的とする。 【構成】例えば、自動二輪車にブレーキ制御装置を搭載
した場合、コントロールユニット12では、アンチロッ
ク制御判別部74において全車輪がアンチロック制御さ
れていると判断した場合には、荷重分担検出部72にお
いて最も荷重分担の少ない車輪を選択し、当該車輪の車
輪速度に基づき推定車体速度を求めるとともに、当該車
輪を所定範囲内でブレーキ圧を増減するサイクリック制
御し、他の車輪を一定スリップ率制御とする。したがっ
て、1つの車輪をサイクリック制御しているため、推定
車体速度が精度良く求まり、アンチロック制御を精緻に
行える。また、前記車輪の接地荷重が最小であるため、
車体の制動状態への影響が小さい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制動時にロック状態を
回避して良好な走行状態を得られるように、ブレーキ圧
の増減を行いアンチロック制御するブレーキ制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車、あるいは自動二輪車
等に対して適用されるアンチロック制御を行うブレーキ
制御装置として、例えば、各車輪に設けられた車輪速度
センサによって車輪速度を検出し、最高である車輪速度
を疑似(推定)車体速度として検出し、前記疑似(推
定)車体速度と車輪速度に基づいて所定範囲内でブレー
キ圧を加減して車輪がロック状態になるのを阻止する
(以下、サイクリック制御という)ものが開示されてい
る(特開平4−15155号公報参照)。上記公報の例
では、全系統がアンチロック制御の際にはブレーキ圧の
加圧のタイミングをブレーキ系統と他のブレーキ系統と
からの加圧可能信号に基づいて加圧するため、全車輪の
ブレーキ圧が同時に加圧されることはなく、正確な疑似
(推定)車体速度を求めることができ、精度の良いアン
チロック制御が可能になるとしている。
【0003】また、同様にして求めた車輪速度と推定車
体速度から路面に対する車輪のスリップ率を求め、前記
スリップ率を車輪が最適な制動力を発揮できるスリップ
率に収束させるようにブレーキ圧を加減するブレーキ制
御(以下、一定スリップ率制御という)があるが、これ
は、一定のスリップ率に収束するようにブレーキ圧を加
減するため、次第にブレーキ圧の加減量が減少して、車
輪の減速度が一定になり、走行フィーリングに優れてい
ると言われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記一定スリップ率制
御を自動二輪車に適用した場合、図10に示すように、
例えば、後輪のみを制動すると、前後輪の車輪速度の
中、最高の車輪速度、すなわち、制動されていない前輪
の車輪速度を推定車体速度として求め、この推定車体速
度に基づいてスリップ率を求めるため、精緻な制御がで
きる。しかしながら、図11に示すように、前後輪を同
時に制動すると、前後輪とも路面に対してスリップして
いくので、前後輪の車輪速度とも実車体速度から離間し
てしまうため、その車輪速度の高い方を推定車体速度と
してスリップ率を算出し、ブレーキ圧を制御しても精度
の良くない制御となる。
【0005】また、サイクリック制御において、タイミ
ングをずらしてブレーキ系統を加圧すれば、実車体速度
から推定車体速度が離間するという問題は生じないが、
所定範囲内でブレーキ圧を減少させて実車体速度近傍に
車輪速度が接近した場合、その車輪の荷重分担量が大き
ければ、車体の制動力が低下するという問題が生ずる。
また、サイクリック制御である場合、常にブレーキ圧の
増減を繰り返すため、車輪の加減速度が変化して走行フ
ィーリングが悪いという問題がある。
【0006】本発明は、この種の問題を解決するために
なされたものであって、精度良くアンチロック制御を行
うとともに、走行フィーリングに優れたブレーキ制御装
置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、複数のブレーキ系統を備え、前記各ブ
レーキ系統によって制動される車輪の路面に対するスリ
ップ率等に基づいてブレーキ圧を制御するブレーキ制御
装置であって、各ブレーキ系統に対して運転者により操
作されたブレーキ圧を制限するアンチロック制御状態で
あるか否かを判別するアンチロック制御判別手段と、各
車輪に掛かる荷重を比較して、最も荷重分担の低い車輪
を選択する荷重分担検出手段と、各車輪の車輪速度を検
出する車輪速度検出手段と、前記車輪速度に基づき推定
車体速度を算出する車体速度検出手段と、一部のブレー
キ系統がアンチロック制御状態であれば、アンチロック
制御されるブレーキ系統に対して、前記推定車体速度に
基づいて算出されるスリップ率をブレーキ圧の制御によ
り最適な一定スリップ率に収束する一定スリップ率制御
を施し、全ブレーキ系統がアンチロック制御状態であれ
ば、最も荷重分担の低い車輪を制動するブレーキ系統に
対して所定範囲内でブレーキ圧の増減を繰り返すサイク
リック制御を施し、その他のブレーキ系統に対して前記
一定スリップ率制御を施すアンチロック制御手段と、を
備えることを特徴とする。
【0008】また、本発明は、複数のブレーキ系統を備
え、前記各ブレーキ系統によって制動される車輪の路面
に対するスリップ率等に基づいてブレーキ圧を制御する
ブレーキ制御装置であって、各ブレーキ系統に対して運
転者により操作されたブレーキ圧を制限するアンチロッ
ク制御状態であるか否かを判別するアンチロック制御判
別手段と、各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手
段と、前記車輪速度に基づき推定車体速度を算出する車
体速度検出手段と、一部のブレーキ系統がアンチロック
制御状態であれば、アンチロック制御されるブレーキ系
統に対して、前記推定車体速度に基づいて算出されるス
リップ率をブレーキ圧の制御により最適な一定スリップ
率に収束する一定スリップ率制御を施し、全ブレーキ系
統がアンチロック制御状態であれば、予め設定された荷
重分担の最も低い車輪を制動するブレーキ系統に対して
所定範囲内でブレーキ圧の増減を繰り返すサイクリック
制御を施し、その他のブレーキ系統に対して前記一定ス
リップ率制御を施すアンチロック制御手段と、を備える
ことを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明に係るブレーキ制御装置では、各ブレー
キ系統の中、一部のブレーキ系統のみがアンチロック制
御状態であれば、他のアンチロック制御されていないブ
レーキ系統の車輪の中の最高車輪速度から推定車体速度
を求め、これに基づいて求めたスリップ率から前記一部
のブレーキ系統を一定スリップ率制御するため、制動力
および走行フィーリングを最適の状態に制御することが
できる。また、制動力がほぼ一定に保持されるのでピッ
チング挙動等を抑制することができる。また、全ブレー
キ系統が同時にアンチロック制御状態であれば、全ブレ
ーキ系統の中、接地荷重の最小である車輪を制動するブ
レーキ系統をサイクリック制御する。したがって、当該
車輪の車輪速度が周期的に実車体速度に接近するため、
この車輪速度に基づいて求める推定車体速度、スリップ
率の精度が向上し、前記スリップ率に基づいて残りの車
輪を精緻に一定スリップ率制御することができる。ま
た、接地荷重の分担量が小さい車輪のブレーキ系統をサ
イクリック制御するため、車体の制動力に対する影響は
小さく、他のブレーキ系統を一定スリップ率制御するた
め、車体の制動力が精度良く制御されるとともに、走行
フィーリングも良好である。
【0010】
【実施例】本発明に係るブレーキ制御装置について、好
適な実施例を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細
に説明する。
【0011】本実施例では、自動二輪車の車体に装着さ
れたブレーキ制御装置の例について説明する。
【0012】図1は、本実施例に係るブレーキ制御装置
10の概略構成図であり、コントロールユニット12に
よってモジュレータ14、14aを制御することによ
り、ブレーキ油圧を制御して最適な制動力を得ている。
【0013】コントロールユニット12は、前輪Wfお
よび後輪Wrの近傍に設けられた接地荷重検出センサ1
5、15aおよび車輪速度検出センサ16、16aを介
して車輪の接地荷重と車輪速度Vwを検出し、前記車輪
速度Vwのパルス信号をコントロールユニット12に導
入する。
【0014】ブレーキ装置18は、ハンドル20に設け
られたブレーキレバー22によって駆動されるマスタシ
リンダ24と、前輪Wfを制動するキャリパシリンダ2
6を備え、マスタシリンダ24とキャリパシリンダ26
は、モジュレータ14を介して相互に接続されている。
このマスタシリンダ24は、ブレーキレバー22の作用
下に油圧の調節を行ってキャリパシリンダ26に伝達す
るものであり、一方、キャリパシリンダ26は、ディス
クプレート28に制動力を付与するものである。
【0015】前輪Wf用のモジュレータ14は、モジュ
レータ14を構成する直流モータ30に対する電流を付
勢、滅勢させてこの直流モータ30を駆動制御するため
のモータドライバ32を備える。このモータドライバ3
2は、コントロールユニット12と電気的に接続され、
コントロールユニット12から導出された信号が導入さ
れる。直流モータ30の駆動軸にはピニオン34が連結
され、このピニオン34にギヤ36が噛合する。ギヤ3
6の中心には、クランク軸38が固定されており、この
クランク軸38にはクランク腕40を介してクランクピ
ン42の一端部が連結される。このクランクピン42の
他端部には、クランク腕44が連結され、このクランク
腕44に、クランクピン42の偏位角度を検出するポテ
ンショメータ46が連結される。
【0016】クランクピン42の外周には、カムベアリ
ング48が回転自在に装着され、このカムベアリング4
8は、リターンスプリング50を介して上方向に押圧さ
れている。カムベアリング48の上面には、このカムベ
アリング48の偏位作用のもとに上下に進退するエキス
パンダピストン52が当接し、このエキスパンダピスト
ン52の上下運動の作用下にカットバルブ54が開閉さ
れる。カットバルブ54は、カットバルブ収納部56に
上下変位自在に配置されるとともに、このカットバルブ
54の上面には、マスタシリンダ24に連通する入力ポ
ート58が設けられる一方、カットバルブ収納部56と
エキスパンダピストン52の連設部位には、キャリパシ
リンダ26に連通する出力ポート60が設けられてい
る。前記入力ポート58と出力ポート60は、カットバ
ルブ54の外周面に画成された連通孔62を介して連通
している。
【0017】一方、後輪Wr用のモジュレータ14a
は、後輪Wrのブレーキペダル23に連結されたマスタ
シリンダ24aと後輪Wrのディスクプレート28aに
連結されたキャリパシリンダ26aとを連通させてい
る。なお、モジュレータ14aは上述したモジュレータ
14と同一構成からなり、同一の構成要素には同一の参
照数字に符号aを付し、その詳細な説明は省略する。
【0018】ここで、前記コントロールユニット12
は、図2に示すように、前後輪の車輪速度検出センサ1
6、16aから入力されたパルス信号に基づいて車輪速
度を演算する車輪速度演算部70、70aと、前後輪の
接地荷重検出センサ15、15aからの出力に基づき、
最少の接地荷重分担をしている車輪を検出する荷重分担
検出部72と、ポテンショメータ46、46aからの出
力に基づき、モジュレータ14、14aがアンチロック
制御されているか否かを判定し制御状態信号を出力する
アンチロック制御判別部74と、前記荷重分担検出部7
2、あるいはアンチロック制御判別部74からの出力信
号に応じて前記車輪速度から、適宜、車輪速度を選択す
る選択部76と、前記選択部76で選択された車輪速度
から推定車体速度を求める推定車体速度演算部78と、
前記推定車体速度と前後輪の車輪速度から前後輪のスリ
ップ率を求めるスリップ率演算部80と、前記前後輪の
車輪速度からそれぞれ車輪加減速度を求める車輪加減速
度演算部82、82aと、前記アンチロック制御判別部
74からの制御状態信号に基づき、前記スリップ率と車
輪加減速度からブレーキ圧の昇減圧量を設定し、これに
基づいて直流モータ30、30aの回転量をモータドラ
イバ32、32aに出力するモータ制御部84とを備え
る。
【0019】このように構成されるブレーキ制御装置1
0は、次のように作動する。
【0020】マニュアル制御時には、リターンスプリン
グ50の弾発力によってクランクピン42は予め設定さ
れた上限位置に保持され、このクランクピン42に装着
されたカムベアリング48がエキスパンダピストン52
を押し上げた状態で維持されている。これにより、カッ
トバルブ54がエキスパンダピストン52によって押し
上げられ、入力ポート58と出力ポート60とが連通し
ている。
【0021】そこで、ブレーキレバー22が把持される
ことによりマスタシリンダ24が付勢され、このマスタ
シリンダ24によって発生したブレーキ油圧は、入力ポ
ート58、および出力ポート60を介してキャリパシリ
ンダ26に伝達され、ディスクプレート28に制動力が
付与される。
【0022】アンチロック制御である場合の制御方法
を、図3のフローチャートを参照して概略説明する。先
ず、前後輪が同時にアンチロック制御(ABS)である
か否かを判定し(ステップS1)、前後輪が同時にアン
チロック制御であれば、前後輪の接地荷重を比較し(ス
テップS2)、マップに基づいて接地荷重の小さい車輪
をサイクリック制御し、他方の車輪を一定スリップ率制
御とする(ステップS3、ステップS4)。また、前後
輪が同時にアンチロック制御でない場合は、前輪アンチ
ロック制御であるか否かを判定し(ステップS5)、前
輪がアンチロック制御であれば、前輪に一定スリップ率
制御を行い(ステップS6)、後輪がアンチロック制御
であれば、後輪に一定スリップ率制御を行う(ステップ
S7)。
【0023】最初に、前輪のみがアンチロック制御であ
る場合について詳細に説明する。すなわち、ポテンショ
メータ46、46aからの出力信号に基づき、アンチロ
ック制御判別部74において、前後輪のいずれがアンチ
ロック制御されているか判別する。ここで、アンチロッ
ク制御判別部74から前輪のみがアンチロック制御であ
るという制御状態出力信号が荷重分担検出部72、選択
部76、モータ制御部84に出力される。なお、荷重分
担検出部72は、前記制御状態出力信号によって、検出
信号を導出しない。前記荷重分担検出部72は、全車輪
がアンチロック制御状態である場合にのみ検出信号を導
出する。選択部76では、アンチロック制御されていな
い車輪速度、すなわち、後輪の車輪速度を選択する。推
定車体速度演算部78では、前記後輪の車輪速度に基づ
いて推定車体速度を求める。このように、アンチロック
制御されていない車輪(後輪Wr)の車輪速度に基づい
て推定車体速度を求めるのは、アンチロック制御されて
いる車輪(前輪Wf)が後述する一定スリップ率制御に
より、前輪の車輪速度が実車体速度から離間しているの
に対して、後輪の車輪速度が実車体速度に近いためであ
る。したがって、その後輪の車輪速度に基づいて推定車
体速度を求めてアンチロック制御を行うため、前記アン
チロック制御が精度良く行える。
【0024】そこで、前記推定車体速度および前後輪の
車輪速度に基づいて、スリップ率演算部80において、
前後輪のスリップ率を求め、車輪加減速度演算部82で
求められた前輪の車輪加減速度とともに、モータ制御部
84に出力される。モータ制御部84では、アンチロッ
ク制御判別部74からの制御状態出力信号に基づき、図
4に示すマップに基づいて前輪を一定スリップ率制御す
る。前記マップは、ファジイ理論により、図示しないス
リップ率λ、車輪加減速度、ブレーキ昇減圧量のメンバ
シップ関数に基づいて設定されている。
【0025】前記一定スリップ率制御では、モータ制御
部84から前記マップに基づいて設定されたブレーキ圧
の昇減圧量に対応する回転量がモータドライバ32に出
力される。前記回転量に基づいて、直流モータ30を駆
動してクランクピン42を変位させることにより、エキ
スパンダピストン52が上下動してカットバルブ54に
よって閉塞された出力ポート60の体積を増減させてキ
ャリパシリンダ26のブレーキ圧を増減させる。したが
って、車輪が減速を始めて、減速度が増大し、スリップ
率λが増大して収束目標である目標スリップ率λTを越
えると、ブレーキ圧を減少させる。このブレーキ圧の減
少により、車輪が加速され、スリップ率λが目標スリッ
プ率λTを下回ると、ブレーキ圧を増加させる。この結
果、図4の矢印、あるいは、図5の実線に示すように、
推定車体速度に対する目標スリップ率λTに相当する目
標車輪速度(一点鎖線)近傍に収束する。この結果、ス
リップ率λが一定に制御されているため、制動力を最適
な状態に制御できる。また、ブレーキ圧がほとんど変化
せず、減速度がほぼ一定となるため、走行フィーリング
が良好になるとともに車体のピッチング挙動等を抑制す
る。
【0026】後輪Wrのみがアンチロック制御である場
合は、前輪Wfの場合と同様にして後輪Wrのみを一定
スリップ率制御する。
【0027】前後輪が同時にアンチロック制御されてい
る場合には、アンチロック制御判別部74において前後
輪が同時にアンチロック制御であると判定され、その制
御状態出力信号が荷重分担検出部72、選択部76、モ
ータ制御部84に導出される。前記制御状態出力信号に
基づいて荷重分担検出部72では、前後輪の接地荷重検
出センサ15、15aの出力信号に基づき、接地荷重の
小さい車輪を選択する。本実施例においては、接地荷重
の小さい車輪が後輪Wrであったとすると、選択部76
において、後輪Wrの車輪速度が選択され、推定車体速
度演算部78において前記後輪の車輪速度に基づいて推
定車体速度を求める。前記推定車体速度と車輪速度から
前後輪のスリップ率λを求めるとともに、前後輪の車輪
加減速度に基づいてモータ制御部84でブレーキ圧の昇
減圧量を求める。この場合、前輪Wfは一定スリップ率
制御であり、後輪Wrは後述するサイクリック制御とな
る。
【0028】後輪Wrのサイクリック制御は、図6に示
すマップに基づいて行われる。モータ制御部84から前
記マップによって設定されたブレーキ圧の昇減圧量に対
応する回転量をモータドライバ32aに出力する。した
がって、前記回転量に従って直流モータ30aを駆動
し、出力ポート60aの体積を増減させることにより、
キャリパシリンダ26aのブレーキ圧を制御する。した
がって、一旦低下した車輪速度が、ブレーキ圧の減少に
より一定スリップ率制御の場合の目標車輪速度まで増加
してもブレーキ圧を減少させる(図5A点破線部参
照)。さらに、スリップ率が0近傍、すなわち、車輪速
度が増加して実車体速度近傍まで復帰しても減圧し、車
輪速度が実車体速度に倣って減速し始めてブレーキ圧を
増加するように設定されている(図5B点破線部参
照)。したがって、図5の破線部、あるいは図6の矢印
で示すようにブレーキ圧は昇減を繰り返し、図5の破線
部に示すように、車輪速度が周期的に実車体速度に接近
する。
【0029】したがって、サイクリック制御されている
後輪は、実車体速度近傍の車輪速度に周期的になるた
め、推定車体速度が精度良く求められる。この結果、前
記推定車体速度から前後輪の制御に用いられるスリップ
率が精度良く求められるため、精度の良いアンチロック
制御が行われる。また、サイクリック制御が行われた車
輪(後輪)は、接地荷重の小さい車輪であるため、車体
の制動状態に付与する影響は小さく、また、他の車輪
(前輪)が一定スリップ率制御されているため、制動性
および走行フィーリングも良好である。
【0030】このように本実施例に係るブレーキ制御装
置では、前後輪の中、一方の車輪のみがアンチロック制
御状態であれば、他の車輪の車輪速度から推定車体速度
を求め、これに基づいて求めたスリップ率から前記一方
の車輪を一定スリップ率制御するため、制動力を最適の
状態に制御することができる。また、制動力がほぼ一定
に保持されるので走行フィーリングが良好であり、車体
のピッチング挙動等を抑制することができる。さらに、
前後輪が同時にアンチロック制御状態であれば、前後輪
の中、接地荷重の小さい車輪をサイクリック制御し、当
該車輪の車輪速度に基づいて推定車体速度を求めるた
め、精度良くスリップ率が求まる。さらに、前記スリッ
プ率に基づいて残りの車輪を一定スリップ率制御する。
したがって、接地荷重の分担量が小さい車輪をサイクリ
ック制御するため、車体の制動力に対する影響は小さ
く、また、他の車輪を一定スリップ率制御するため、車
体の制動力が精度良く制御される。
【0031】なお、本実施例では、ファジイ理論に基づ
いて設定されたマップにより一定スリップ率制御、サイ
クリック制御を行ったが、クリスプな関数等に基づいて
制御することも勿論可能である。
【0032】また、二輪車の多くは制動時に前輪分担荷
重が後輪よりも一般的に大きくなるため、図7に示すよ
うに、接地荷重検出センサ15、15aおよび荷重分担
検出部72を省略し、代わりに記憶部86を設け、前記
記憶部86に接地荷重の小さい車輪、ここでは後輪を記
憶させておくことにより、前後輪が同時にアンチロック
制御時に後輪がサイクリック制御、前輪が一定スリップ
率制御になるようにすることもできる。このように構成
することにより接地荷重検出センサ15、15a等を省
略できる。
【0033】続いて、本発明に係るブレーキ制御装置を
四輪自動車に適用した例を説明する。なお、第1実施例
と同様な構成要素には同一の参照番号を付し、その詳細
な説明を省略する。
【0034】本実施例では、前輪は左右独立2チャンネ
ル、後輪1チャンネルの3チャンネルのブレーキ制御を
行う。すなわち、本実施例のブレーキ制御装置90で
は、図8に示すように、前左車輪92、前右車輪94に
対して、第1実施例のモジュレータ14と同様な構成で
あるモジュレータ14b、14cが、また、後左車輪9
6、後右車輪98に対して、両輪のキャリパシリンダ2
6に同一のキャリパ圧を供給するモジュレータ14dが
備えられている。また、車輪92、94、96、98に
は、それぞれ図示しない接地荷重検出センサが備えられ
ており、それぞれの車輪の接地荷重を検出している。
【0035】このように構成されるブレーキ制御装置9
0では、第1実施例と略同様に構成されたコントロール
ユニット12a(図2参照)のアンチロック制御判別部
74において、アンチロック制御しているモジュレータ
が1つ、あるいは2つであると判断された場合には、ア
ンチロック制御されているモジュレータに対して第1実
施例で説明した一定スリップ率制御を行う。この場合、
選択部76では、アンチロック制御されていないモジュ
レータの車輪の中、最高の車輪速度を選択し、推定車体
速度演算部78でこの車輪速度に基づいて推定車体速度
を求め、これに基づいて前記一定スリップ率制御を行
う。
【0036】一方、アンチロック制御判別部74におい
て、全車輪92、94、96、98が同時にアンチロッ
ク制御されている場合には、先ず、荷重分担検出部72
において、最も荷重分担の少ない車輪を選択する。但
し、モジュレータ14b、14c、14dが3チャンネ
ルであるため、判断基準を以下のようにしている。すな
わち、車輪92、94、96、98のそれぞれの接地荷
重をI、II、III 、IVとすると、 I+II≧ III+IVならば、 車輪96、98 I+II< III+IVであり、 且つ、I≦IIならば、 車輪92 I>IIならば、 車輪94 を選択する。
【0037】続いて、選択部76において、前記荷重分
担検出部72において車輪96、98が選択された場
合、あるいは、舵角センサ100によって検出された前
輪の舵角が所定舵角αよりも大きく、車輪96、98の
車輪速度の大きい方が選択された場合、これに基づいて
推定車体速度演算部78で推定車体速度を求める。車輪
92、あるいは車輪94が選択された場合には、当該車
輪の車輪速度に基づいて推定車体速度を求める。
【0038】モータ制御部84では、図9に示すよう
に、舵角がα以上であり、あるいは前記荷重分担検出部
72で車輪96、98が選択されていれば、モジュレー
タ14dをサイクリック制御し、他のモジュレータ14
b、14cを一定スリップ率制御する。舵角がα以下
で、前記荷重分担検出部72で選択された車輪が車輪9
2の場合には、モジュレータ14b、車輪94の場合に
はモジュレータ14cをサイクリック制御し、他のモジ
ュレータを一定スリップ率制御する。
【0039】このように本実施例の制御においても、全
車輪が同時にアンチロック制御させている場合であって
も、舵角が所定角度α内であれば、荷重分担の低い車輪
を制動するモジュレータのみをサイクリック制御し、そ
の他のモジュレータを一定スリップ率制御するため、走
行フィーリングに優れるとともに、推定車体速度が精度
良く求められ、精緻なアンチロック制御が行われる。ま
た、舵角が所定角度α以上であれば、操舵されない後輪
である車輪96、98をサイクリック制御するため、優
れた走行フィーリングを確保できる。
【0040】
【発明の効果】本発明に係るブレーキ制御装置によれ
ば、以下の効果が得られる。
【0041】すなわち、ブレーキ制御装置では、各ブレ
ーキ系統の中、一部のブレーキ系統のみがアンチロック
制御状態であれば、他のアンチロック制御されていない
ブレーキ系統の車輪速度から推定車体速度を求め、これ
に基づいて求めたスリップ率から前記一部のブレーキ系
統を一定スリップ率制御するため、制動力を最適の状態
に制御することができる。また、制動力がほぼ一定に保
持されるので走行フィーングに優れるとともに車体のピ
ッチング挙動等を抑制することができる。さらに、全ブ
レーキ系統が同時にアンチロック制御状態であれば、全
ブレーキ系統の中、接地荷重の小さい車輪を制動するブ
レーキ系統をサイクリック制御し、当該車輪の車輪速度
に基づいて推定車体速度を求めるため、精度良くスリッ
プ率が求まる。さらに、前記スリップ率に基づいて残り
の車輪を一定スリップ率制御する。したがって、接地荷
重の分担量が小さい車輪のブレーキ系統をサイクリック
制御するため、車体の制動力に対する影響は小さく、他
のブレーキ系統を一定スリップ率制御するため、車体の
制動力が精度良く制御される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブレーキ制御装置の概略構成図で
ある。
【図2】本発明に係るブレーキ制御装置のコントロール
ユニットの構成図である。
【図3】本発明に係るブレーキ制御装置の制御方法を示
したフローチャートである。
【図4】本発明に係るブレーキ制御装置の一定スリップ
率制御を行う制御マップである。
【図5】本発明に係るブレーキ制御装置の制御結果を示
した図である。
【図6】本発明に係るブレーキ制御装置のサイクリック
制御を行う制御マップである。
【図7】本発明に係るブレーキ制御装置のコントロール
ユニットの構成図である。
【図8】本発明に係るブレーキ制御装置の構成図であ
る。
【図9】本発明に係るブレーキ制御装置の選択回路にお
ける判断基準に示す図である。
【図10】従来例に係るブレーキ制御装置の制御結果を
示す図である。
【図11】従来例に係るブレーキ制御装置の制御結果を
示す図である。
【符号の説明】
10、90…ブレーキ制御装置 12、12a…コントロールユニット 14、14a〜14d…モジュレータ 15、15a…接地荷重検出センサ 16、16a…車輪速度検出センサ 24…マスタシリンダ 26…キャリパシリンダ 46、46a…ポテンショメータ 72…荷重分担検出部 74…アンチロック制御判別部 76…選択部 84…モータ制御部 100…舵角センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のブレーキ系統を備え、前記各ブレー
    キ系統によって制動される車輪の路面に対するスリップ
    率等に基づいてブレーキ圧を制御するブレーキ制御装置
    であって、 各ブレーキ系統に対して運転者により操作されたブレー
    キ圧を制限するアンチロック制御状態であるか否かを判
    別するアンチロック制御判別手段と、 各車輪に掛かる荷重を比較して、最も荷重分担の低い車
    輪を選択する荷重分担検出手段と、 各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、 前記車輪速度に基づき推定車体速度を算出する車体速度
    検出手段と、 一部のブレーキ系統がアンチロック制御状態であれば、
    アンチロック制御されるブレーキ系統に対して、前記推
    定車体速度に基づいて算出されるスリップ率をブレーキ
    圧の制御により最適な一定スリップ率に収束する一定ス
    リップ率制御を施し、全ブレーキ系統がアンチロック制
    御状態であれば、最も荷重分担の低い車輪を制動するブ
    レーキ系統に対して所定範囲内でブレーキ圧の増減を繰
    り返すサイクリック制御を施し、その他のブレーキ系統
    に対して前記一定スリップ率制御を施すアンチロック制
    御手段と、 を備えることを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】複数のブレーキ系統を備え、前記各ブレー
    キ系統によって制動される車輪の路面に対するスリップ
    率等に基づいてブレーキ圧を制御するブレーキ制御装置
    であって、 各ブレーキ系統に対して運転者により操作されたブレー
    キ圧を制限するアンチロック制御状態であるか否かを判
    別するアンチロック制御判別手段と、 各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、 前記車輪速度に基づき推定車体速度を算出する車体速度
    検出手段と、 一部のブレーキ系統がアンチロック制御状態であれば、
    アンチロック制御されるブレーキ系統に対して、前記推
    定車体速度に基づいて算出されるスリップ率をブレーキ
    圧の制御により最適な一定スリップ率に収束する一定ス
    リップ率制御を施し、全ブレーキ系統がアンチロック制
    御状態であれば、予め設定された荷重分担の最も低い車
    輪を制動するブレーキ系統に対して所定範囲内でブレー
    キ圧の増減を繰り返すサイクリック制御を施し、その他
    のブレーキ系統に対して前記一定スリップ率制御を施す
    アンチロック制御手段と、 を備えることを特徴とするブレーキ制御装置。
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