JPH06145286A - 水性樹脂組成物 - Google Patents

水性樹脂組成物

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JPH06145286A
JPH06145286A JP32611892A JP32611892A JPH06145286A JP H06145286 A JPH06145286 A JP H06145286A JP 32611892 A JP32611892 A JP 32611892A JP 32611892 A JP32611892 A JP 32611892A JP H06145286 A JPH06145286 A JP H06145286A
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acid
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謙一 藤野
Hiroaki Nanba
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 変性ポリオレフィン樹脂とブロックイソシア
ネート化合物を含む水性樹脂組成物及びこの水性樹脂組
成物を含有してなる塗装剤、プライマー、インキ等の被
膜形成物、シーリング剤及び接着剤もしくは被膜形成材
料の改質剤。 【目的及び効果】 ポリオレフィンに対する密着性に優
れ、貯蔵安定性及び塗膜の可撓性も良好で、耐水性のあ
る塗膜を形成しうる水性樹脂組成物を提供し、さらに芳
香族系有機溶剤を全く使用せずに水性化できるため安全
衛生面でも優れ、環境汚染の問題も解消することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水性樹脂組成物に関する
ものであるが、主に塗料、プライマー、インキ、接着
剤、シーリング剤として用いることができる。また本発
明の樹脂組成物は用途に応じて水性のウレタン、アクリ
ル、ポリエステル、エポキシ等の他の水性樹脂、水溶性
樹脂と配合して用いることも可能である為被膜形成材料
の改質剤としても利用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリプロピレン、ポリエチレン、
及びプロピレン、エチレンとα−オレフィンの共重合体
等のポリオレフィンを不飽和カルボン酸及び/又は酸無
水物で変性した変性ポリオレフィン組成物や、さらにそ
れらを塩素化した酸変性塩素化ポリオレフィンは塗装材
料、プライマー、インキ等に用いられている。しかし現
状ではこれらの樹脂はトルエンやキシレンなどの芳香族
系有機溶剤にしか溶解しないので多量の芳香族系の溶剤
を使用せざるを得ず、安全衛生、環境汚染の面から問題
であった。
【0003】そこで、塩素化ポリオレフィンの水性分散
液を製造する試みがなされてきており、例えば特開平1-
153778号公報、特開平1-256556号公報、特開平2-284973
号公報等に開示されているが、これらには製造時に芳香
族系有機溶剤が使用されており完全になくすことは困難
であった。
【0004】また、変性ポリオレフィンの水性分散液を
製造する試みもなされており、例えば、特開昭59-47244
号公報、特開平2-286724号公報等に開示されている。し
かし、塗装、接着等において被塗物、被接着物をポリオ
レフィン樹脂とした場合密着性や耐水性が悪かったり塗
装性が悪いなどの欠点があり、このような水性の組成物
はまだ実用化されるに至っていない。
【0005】また、特開平3-182534では変性塩素化ポリ
オレフィンを界面活性剤を用いて水性化しさらに水性ポ
リウレタン樹脂を配合することによって塗膜性能の向上
図っている。しかし、水溶性ウレタン樹脂、界面活性剤
が反応性でないために水によって塗膜から活性剤成分が
溶出し、それによって生じると思われる塗膜の欠陥によ
り耐水性が低下するという現象を引き起こしている。ま
た、反応性界面活性剤はこれまで乳化重合の際に用いら
れてきており、乳化重合においてモノマーを水中に懸濁
させる為の界面活性作用を持ち、かつ他のモノマーと反
応するため重合物の構造に取り込まれ、結果として反応
物の耐水性を改善する効果をもたらすものであった。
【0006】水性ブロックイソシアネートは一般に繊維
加工用、ラテックス、アクリル、ウレタン等の樹脂の架
橋剤及び改質用、プラスチックフイルムの表面加工等に
用いられている。しかし、水性ポリオレフィン系樹脂と
の組み合せによって新規な用途、特徴を見いだした報告
はない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の変
性ポリオレフィン組成物では有機溶剤溶液として用いら
れているために溶剤の毒性、環境問題等が問題となって
いた。また、それらを解決しようとして考案された界面
活性剤を用いた水性樹脂組成物には従来から耐水性の問
題点が付きまとっていた。本発明はこれら毒性、環境問
題、塗膜の耐水性能の悪さ、それらを同時に解決する水
性樹脂組成物を提供することを目的としている。
【0008】さらに、ポリオレフィン又は変性ポリオレ
フィンの水性樹脂組成物において、当該水性樹脂組成物
によって形成される被膜の基材に対する密着性、接着性
を損なうことなく耐水性を改善することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明者らは毒性、公害面などの問題がなく、安全性に
優れかつ耐水性に優れる水性樹脂組成物を鋭意検討した
結果、変性ポリオレフィン樹脂とブロックイソシアネー
ト化合物とを含むことを特徴とする水性樹脂組成物を用
いることによりその目的を達成し得ることを見いだし、
本発明をなすに至った。
【0010】本発明に用いる変性ポリオレフィンとは、
不飽和カルボン酸及び/又は酸無水物をグラフト共重合
して変性されたポリオレフィン、塩素化変性されたポリ
オレフィン、反応性モノマーをグラフト共重合したポリ
オレフィンの内1種又は複数からなる変性ポリオレフィ
ン樹脂である。
【0011】また、酸変性、塩素化変性、反応性モノマ
ーによる変性の内2種類以上の変性を行うことによって
得られる変性ポリオレフィン樹脂も用いることができ
る。更に、変性ポリオレフィン樹脂及び/又はブロック
イソシアネートに反応性界面活性成分及び/又はアルコ
ール類を添加することが有効である。
【0012】本発明に用いるポリオレフィンとはエチレ
ンもしくはプロピレンの単独重合体、又はエチレンもし
くはプロピレンとその他のコモノマー例えばブテン−
1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オク
テン−1などの炭素数2以上、好ましくは2〜6のα−
オレフィンコモノマーとのランダム共重合体又はブロッ
ク共重合体であり、ブロック共重合体よりはランダム共
重合体のほうが好ましい。また、これらコモノマーを2
種類以上共重合してもよい。
【0013】ポリプロピレン基材に被膜を形成させる場
合にはプロピレン成分の割合は55モル%以上が好まし
く、55モル%より少ないとポリプロピレン等の非極性基
材表面に対する密着性が劣り好ましくない。
【0014】塩素化ポリオレフィンとは上記ポリオレフ
ィンを公知の方法で塩素化したものである。酸変性ポリ
オレフィンとは上記ポレオレフィンをα,β−不飽和カ
ルボン酸又はその酸無水物でグラフト反応により変性を
行ったポリオレフィンである。
【0015】ポリオレフィンの変性に用いられるα,β
−不飽和ジカルボン酸又はその酸無水物としては、例え
ばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、
アリルコハク酸、メサコン酸、アコニット酸、及びこれ
らの酸無水物等が挙げられる。
【0016】α,β−不飽和ジカルボン酸又はその酸無
水物をグラフト共重合する量は1ないし20重量%が好ま
しく、1重量%未満では水に分散させたときの安定性が
悪くなり、20重量%を超えるとグラフト効率が悪くなっ
て不経済である。特に好ましくは2ないし15重量%であ
る。
【0017】また、α,β−不飽和ジカルボン酸又はそ
の酸無水物をグラフト共重合した樹脂の数平均分子量は
3000ないし35000 が好ましく、3000未満では凝集力が不
足してポリオレフィン樹脂に対する密着力が悪くなり、
35000 を超えると水に分散させるときの操作性が悪くな
って好ましくない。分子量をこの範囲にするためには、
原料の分子量やグラフト反応を行うときの条件を選択す
ることで可能であり、また一旦原料の分子量を落とした
後グラフト反応を行うという方法でも可能である。な
お、数平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー)で測定することができる。
【0018】ポリオレフィンにα,β−不飽和ジカルボ
ン酸又はその酸無水物をグラフト共重合する方法は公知
の方法で行えばよいが、特にポリオレフィンを融点以上
に加熱溶融させてラジカル発生剤の存在下でグラフト共
重合させる方法によって行うのが好ましい。
【0019】本発明において変性ポリオレフィン樹脂又
はブロックイソシアネートを配合した変性ポリオレフィ
ン樹脂を水性化するにあたり塩基性物質、アルコール
類、界面活性剤、反応性界面活性剤、ラジカル反応開始
剤を添加することもできる。
【0020】塩基性成分を添加するのはカルボキシル
基、スルホン基などの親水性基をイオン化して水への分
散を良好にするためであり、使用する反応性界面活性剤
及び非反応性界面活性剤が既に塩基で中和されている場
合など使用しなくてもよい場合がある。
【0021】塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プ
ロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチ
ルアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ジ
エタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、
N,N−ジメチルエタノールアミン、2−ジメチルアミ
ノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−
メチル−1−プロパノール、モルホリン等を例示するこ
とができる。使用する塩基の種類によって樹脂の親水性
度合も異なってくるので、条件によって適宜選択する必
要がある。
【0022】使用する塩基性物質の量は酸変性ポリオレ
フィンのカルボキシル基に対し当量の 0.3〜1.5 倍の範
囲が適当であり、好ましくは 0.5〜1.2 倍である。また
塩基性物質の添加においては、配合するブロックイソシ
アネート化合物の安定性によって調整する水性樹脂組成
物のpHを中性付近にコントロールする必要がある場合
がある。
【0023】本発明においてアルコール類であるモノア
ルコール又はポリオールを添加するのは、原料樹脂の水
への親和性を高めるためであり、この効果によって反応
性界面活性剤使用量を下げることができる。さらに、塗
膜形成時における水の蒸発速度を高めることも可能とな
る。
【0024】しかしながら、アルコールが膜形成時に樹
脂中に残存すると塗膜の耐水性を低下させるので適量を
添加することが必要であり、原料樹脂 100部に対し4〜
200部添加するのが好ましい。4部未満では水への分散
性が悪く、 200部を越えると耐水性の低下が著しくな
る。
【0025】モノアルコールとしては、例えばメタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノー
ル、エチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレ
ングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモ
ノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアセテ
ート等が挙げられ、ポリオールとしては、例えばエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジ
オール、グリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げ
られる。その中でも親水性の強いポリオールが望まし
い。
【0026】本発明において用いられる反応性界面活性
剤としては一般的に反応性界面活性剤又は反応性乳化剤
として用いられるものでもよいが、疎水性基としてアル
キルフェニル基、ノニオン性親水基としてポリオキシエ
チレン基を持つものが好ましい。その中でもアルキルプ
ロペニルフェノールエチレンオキシド20モル付加体、
同30モル付加体、同50モル付加体(アクアロンRN
−20,RN−30,RN−50、第一工業製薬)、及
びアルキルプロペニルフェノールポリエチレンオキシド
10モル付加体の硫酸エステルアンモニウム塩、同20
モル付加体の硫酸エステルアンモニウム塩(アクアロン
HS−10,HS−20、第一工業製薬)、1−アルキ
ルフェノキシ−3−(2−プロペニル)オキシ−プロパ
ン−2−オールエチレンオキサイド付加体又はその硫酸
エステル(リアソープNE−10,NE−20,NE−
30,NE−40,SE−10N;旭電化工業製)が好
ましい。
【0027】使用することのできる界面活性剤としては
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレンポリオー
ル(プルロニック型)、アルキロールアミド、ソルビタ
ンアルキルエステル、ポリグリセリンエステルなどのノ
ニオン型界面活性剤、アルキル硫酸エステル塩、アルキ
ルフェノールスルホン酸塩、スルホコハク酸エステル塩
などのほかカルボン酸塩、リン酸エステル塩なども例示
することのできるアニオン型界面活性剤、アルキルベタ
イン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤な
ど、及びこれらを2種類以上を混合したものを使用でき
る。
【0028】非反応性界面活性剤と反応性界面活性剤を
あわせた界面活性成分の添加量は変性ポリオレフィン 1
00部に対し1部から 100部であり、界面活性成分の組み
合わせ及び量比によって、またアルコール成分の添加
量、反応性モノマーの種類と量によって必要量は異な
る。
【0029】本発明において用いることのできる反応性
モノマーとしてはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル
酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、アク
リルアミド、アクリル酸ヒドロキシエチルエステル等の
アクリル系モノマー、ブタジエン、イソプレン、クロロ
プレン等の共役ジエン系モノマー、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン等のハロゲン化オレフィン系モノマー、スチレ
ン、ジビニルベンゼン等の芳香族系モノマー、酢酸ビニ
ル等ビニルエステル系モノマー、マレイン酸メチル、無
水マレイン酸などが挙げられる。
【0030】反応性モノマー及び反応性界面活性剤の反
応を開始するための反応開始剤としては公知のものでよ
く、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化水素、過硫酸
カリウム等水溶性の開始剤でも油溶性の開始剤でも使用
きる。更にレドックス系の開始剤を用いることもでき
る。またそれらを組み合わせて使用してもよい。
【0031】有機過酸化物としては、例えばベンゾイル
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t
−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンハイドロパー
オキサイド等が挙げられ、反応温度及び反応時間によっ
て選択して使用する。
【0032】本発明における水性ブロックイソシアネー
ト化合物とはその分子構造においてイソシアネート基を
有し、且つそのイソシアネート基が適当なブロック剤で
ブロックされており、それ自体が水溶性又は水分散性を
持つか、又はそれ自体が水溶性、水分散性を持たなくと
も界面活性剤の添加や親水性保護コロイドを形成させる
等なんらかの方法で水性化されたものをいう。
【0033】ブロックイソシアネートとは1分子中に2
個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合
物、例えばエチレンジイソシアネート、プロピレンジイ
ソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシア
ネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニ
レンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネ
ート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナ
フチレンジイソシアネート、4,4′,4″−トリフェ
ニルメタントリイソシアネート、4,4′−ジフェニル
メタンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,
4′−ジフェニレンジイソシアネート、m−キシレンジ
イソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソアネート、リジンイソシアネート等のイソ
シアネート、及び前記イソシアネート化合物の過剰と、
例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、2,2,4−トリメチル1,3−ペンタンジオー
ル、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジメタ
ノール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオー
ル、グリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリ
オールとの付加反応又は付加重合反応によって得られる
2官能以上のポリイソシアネート、ビュウレット構造を
有するポリイソシアネート、アロファネート結合を有す
るポリイソシアネート、ヌレート構造を持つイソシアネ
ート等をブロック剤でブロックしたイソシアネート化合
物である。該ブロック剤としては、フェノール、クレゾ
ール等のフェノール系、メタノール、ベンジルアルコー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル等のアルコ
ール系、アセト酢酸メチル、マロン酸ジメチル等の活性
メチレン系、アセトアニリド、酢酸アミド等の酸アミド
系、その他イミド系、アミン系、イミダゾール系、尿素
系、カルバミン酸塩系、イミン系、オキシム系、メルカ
プタン系、亜硫酸系、ラクタム系等がある。すなわち本
発明でいうブロックイソシアネートとは一般的にブロッ
クイソシアネート、マスクドイソシアネート、反応性ウ
レタンと呼ばれる化合物又はこれに類するものを含む。
【0034】ブロックイソシアネート化合物と変性ポリ
オレフィンの割合としては1:20〜10:1の範囲で用い
ることが好ましいがブロックイソシアネート化合物に含
まれるイソシアネート基含有量と、変性ポリオレフィ
ン、界面活性成分等乾燥処理後の塗膜に残る成分に含ま
れる水酸基、カルボキシル基等のイソシアネート基と反
応する官能基の量によって最適割合を決めることができ
る。
【0035】本発明の水性樹脂組成物においては、乾燥
工程で水分が蒸発した後、前記ブロック剤が解離すると
効果的であるためブロック剤の解離温度は乾燥工程での
設定温度以上のものが好ましい。
【0036】前記ブロックイソシアネートはそれ自体水
分散性又は水溶性でなくとも水混和性有機溶剤や界面活
性剤によって水性化されるものであればよい。
【0037】また、本発明の水性樹脂組成物においては
必要に応じて脱ブロック反応を促進する解離触媒を使用
することができる。
【0038】本発明において変性ポリオレフィン樹脂に
ブロックイソシアネートを添加、配合する工程において
変性ポリオレフィン樹脂を溶剤に溶解しブロックイソシ
アネート化合物を溶液中に添加した後、溶剤を水に置換
して水性化を行ってもよいし、また水性化した変性ポリ
オレフィン樹脂と水性ブロックイソシアネート化合物を
配合して用いてもよい。
【0039】このようにして水に分散させた本発明の樹
脂組成物はポリオレフィンに対する密着性に優れてお
り、塗装や接着の際のプライマーとして優れているだけ
でなく水性塗料のビヒクル樹脂、水性接着剤、水性イン
キのバインダー樹脂としても応用することができる。さ
らに本発明の水性樹脂組成物は必要に応じて防錆顔料、
着色顔料、体質顔料等の顔料類、また、流動助剤、表面
調整剤、一次防錆剤消泡剤、防腐剤、防かび剤等の各種
添加剤を必要量加え混合することもできる。
【0040】また、他の水性樹脂、例えばウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ア
ミノ樹脂、ポリブタジエン樹脂、アルキド樹脂、シリコ
ン樹脂等の水性樹脂をブレンドしてもよい。
【0041】本発明の請求項1,2,3,4記載の水性
樹脂組成物を用いて被膜を形成させる場合被膜形成時に
脱ブロックしイソシアネートと他の活性水素との反応を
進めるため80〜200 ℃で1分〜2時間熱処理を行う。こ
の処理条件については用いるブロックイソシアネートの
脱ブロック条件、脱ブロック触媒の種類や添加量によっ
て最適値を設定する。
【0042】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0043】(試作例−1)攪拌器、冷却管、温度計及
び滴下ロートを取り付けた4つ口フラスコ中で、プロピ
レン−α−オレフィン共重合体(プロピレン成分75モル
%、エチレン成分20モル%、1−ブテン成分5モル%、
数平均分子量 25000) 300gをトルエン 700gに加熱溶
解させた後、系の温度を 115℃に保って攪拌しながら無
水マレイン酸13gとラジカル発生剤としてジ−t−ブチ
ルパーオキシド12gをそれぞれ2時間かけて滴下させ、
その後3時間熟成を行った。反応後室温まで冷却した後
反応物を20Lのアセトン中に投入して精製しグラフト量
2.1重量%の無水マレイン酸グラフト共重合体を得た。
【0044】(試作例−2)攪拌器、冷却管、温度計及
び滴下ロートを取り付けた4つ口フラスコ中で、プロピ
レン−ブテン−エチレン共重合体(プロピレン成分68モ
ル%、ブテン成分24モル%、エチレン成分8モル%、数
平均分子量 68000) 300gを加熱溶解させた後、系の温
度を 180℃に保って攪拌しながら無水マレイン酸40gと
ラジカル発生剤としてジクミルパーオキシド5gをそれ
ぞれ3時間かけて滴下させ、その後3時間反応を行っ
た。反応後室温まで冷却した後反応物を20Lのアセトン
中に投入して精製しグラフト量 9.2重量%の無水マレイ
ン酸グラフト共重合体を得た。GPCにより測定された
重量平均分子量は 26000であった。
【0045】重量平均分子量の測定においては東ソー製
HPLC−8020にカラムTSK−GELを付け、試
料をTHF(テトラヒドロフラン)に溶解し、40℃で測
定を行い、ポリスチレン標準試料で作成した検量線から
分子量を求めた。
【0046】(実施例−1)試作例−1と同様な4つ口
フラスコ中で、試作例−1で得た無水マレイン酸グラフ
ト共重合体 100gを 120℃で加熱溶融し、エチレングリ
コール10g、モルホリン15gを添加後、1−アルキルフ
ェノキシ−3−(2−プロペニル)オキシプロパン−2
−オールエチレンオキサイド10モル付加体(アデカリア
ソープNE−10;旭電化工業製)10gを添加し、 110
℃に降温し90℃の水を徐々に添加して水性反応液を調製
した。そこへラジカル反応開始剤の過硫酸ナトリウム10
gを添加し反応を攪拌しながら80℃で4時間行うことに
より重合反応を行った。反応後、トリエチレンアミン4
gを加え水性化反応液(固形分30%)を得た。水性化反
応液を分画分子量5000の限外ろか膜で48時間処理した後
再濃縮し固形分45%の水性酸変性ポリオレフィン樹脂を
得た。得られた水性酸変性ポリオレフィン樹脂と水性ブ
ロックイソシアネート(エラストロンBN−69、第一
工業製薬製)とを固形分で2:1に混合し水性樹脂組成
物を得た。
【0047】(実施例−2)試作例−1と同様な4つ口
フラスコ中で、試作例−2で得た無水マレイン酸グラフ
ト共重合体 100gをトルエン 200gに 110℃で加熱溶解
しt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート10
g、モルホリン 9.6gを添加後、アルキルプロペニルフ
ェノールエチレンオキシド20モル付加体(第一工業製薬
製、アクアロンRN−20)10gのトルエン(120g)溶
液を3時間かけて滴下した後、後反応を4時間行うこと
によりグラフト共重合反応を行った。反応液に含まれる
トルエンを減圧留去した後、トリエチルアミン4gとプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル20gを加え、攪
拌しながら水を添加して水性化反応液(固形分25%)を
得た。水性化反応液を分画分子量5000の限外濾過膜で48
時間処理した後再濃縮し固形分40%の水性酸変性ポリオ
レフィン樹脂を得た。グラフト量は対原料樹脂45重量%
であった。この水性酸変性ポリオレフィン樹脂に対し水
性ブロックイソシアネート(エラストロンBN−08、
第一工業製薬製)を固形分で2:1の割合で添加し水性
樹脂組成物を得た。
【0048】(実施例−3)試作例−1と同様な4つ口
フラスコ中で、試作例−2で得た無水マレイン酸グラフ
ト共重合体 100gを 110℃で加熱溶解し、エタノール40
g、ポリエチレンオキサイドノニルフェニルエーテル
(NS−212、日本油脂製)5g、モルホリン 9.6g
を添加後、攪拌しながら温度を 100℃に保ち90℃の水を
添加して水性酸変性ポリオレフィン樹脂組成物(固形分
45%)を得た。この水性変性ポリオレフィン樹脂に対し
て水性ブロックイソシアネート(コロネート2507
W、日本ポリウレタン製)を固形分で4:3の割合で配
合し水性樹脂組成物を得た。
【0049】(実施例−4)塩素化ポリプロピレン樹脂
スーパークロン803MW(山陽国策パルプ株式会社
製、塩素含有率29.5%、固形分wt%20%トルエン溶液)
500gを 110℃に加熱しモルホリン 9.6gを添加後、ポ
リエチレンオキサイドノニルフェニルエーテル(日本油
脂製、NS−212)5gを添加した。トエルンを減圧
留去した後、エチレングリコール20gを加え、 100℃で
攪拌しながら水を添加して水性樹脂組成物(固形分40
%)を得た。得られた水性酸塩素化ポリオレフィン樹脂
と水性ブロックイソシアネート(エラストロンBN−4
4、第一工業製薬製)とを固形分で2:1に混合し水性
樹脂組成物を得た。
【0050】(実施例−5)試作例−2で用いる原料ポ
リオレフィンを酸化減成したポリオレフィン(MW=30
000)に置き換えることによって得られた低粘度酸変性ポ
リオレフィン樹脂(MW=12000 、グラフト量 9.6wt
%)を用いて得られた酸変性ポリオレフィン樹脂 100g
を60℃でトルエン 200gに溶解しTDI系ブロックイソ
シアネート(デスモデュールBL1100、住友バイエ
ルウレタン製)50gを加えた後、ポリエチレンオキサイ
ドノニルフェニルエーテル(日本油脂製、NS−21
2)5gを添加した。トルエンを減圧留去した後、エチ
レングリコール20gを加え、 100℃で攪拌しながら水を
添加して水性樹脂組成物(固形分40%)を得た。
【0051】(比較例−1)試作例−1と同様な4つ口
フラスコ中で、試作例−2で得た無水マレイン酸グラフ
ト共重合体 100gを 110℃で加熱溶解しモルホリン 9.6
gを添加後、ポリエチレンオキサイドノニルフェニルエ
ーテル(日本油脂製、NS−212)15gを添加した。
攪拌しながら水を添加して水性樹脂組成物(固形分40
%)を得た。
【0052】(比較例−2)塩素化ポリプロピレン樹脂
スーパークロン803MW(山陽国策パルプ株式会社
製、塩素含有率29.5%、固形分wt%20%トルエン溶液)
500gを 110℃に加熱しモルホリン 9.6gを添加後、ポ
リエチレンオキサイドノニルフェニルエーテル(日本油
脂製、NS−212)15gを添加した。トルエンを減圧
留去した後、100 ℃で攪拌しながら水を添加して水性樹
脂組成物(固形分40%)を得た。
【0053】(比較例−3〜4)実施例−1及び2で調
製した水性酸変性ポリオレフィン樹脂固形分 100gに対
し水性ブロックイソシアネートの代りに、ノニオン性エ
ステル系水性ウレタン樹脂スーパーフレックス110
(第一工業製薬製)を所定量添加し、攪拌しながら水を
添加して固形分45%の水性樹脂組成物を得た。
【0054】これら実施例−1〜5、比較例−1〜4の
水性分散体について1カ月放置後の安定性試験を次の方
法で行い、それらの結果を表1示した。
【0055】貯蔵安定性試験 容量 250mlのガラス容器に調製した水性樹脂組成物試料
(固形分25%)を入れ、室温にてエマルジョン相からの
上部への水相の分離度合、樹脂凝集物の生成度経時変化
を比較した。
【0056】次に実施例−1〜5、比較例−1〜4で調
製した水性樹脂組成物をポリプロピレン板にスプレー塗
布し、80℃で15分乾燥を行った。膜厚は10〜15μmに調
製した。次に、2液型ウレタン系上塗り塗料を塗装し、
10分間室温に放置した後、熱風乾燥器を用いて80℃で30
分強制乾燥後 120〜130 ℃で2〜15分熱処理した。得ら
れた塗装板を室温で1日放置した後、以下の密着性試
験、耐ガソリン性試験、耐水性試験及び耐屈曲性試験を
行い、それらの結果を表1に示した。
【0057】密着性試験 塗膜表面にカッターで素地に達する切れ目を入れ1ミリ
間隔で 100個のゴバン目を作り、その上にセロファン粘
着テープを密着させて 180度方向に5回引き剥し、残存
するゴバン目の数を数えた。
【0058】耐ガソリン性試験 塗膜表面にカッターで素地に達する切れ目を入れ、ガソ
リン(日石、ハイオクタンガソリン)に4時間浸漬後塗
膜の状態を目視にて観察した。
【0059】耐水性試験 40℃の温水に塗装板を48時間浸漬し塗膜の状態を調べ
た。
【0060】耐屈曲性試験 塗装板を1φインチマンドレルで 180度折り曲げ、塗膜
の状態を調べた。
【0061】
【表1】 (表中の記号)◎:非常に良好、○:良好、△:やや悪
い、×:悪い、××:非常に悪い
【0062】
【発明の効果】水と反応するイソシアネート基をブロッ
クしたブロックイソシアネートを用いることによって変
性樹脂に水を添加し水性化する段階、及び水性樹脂組成
物を基材上に塗工し乾燥する際には水と反応せず、乾燥
後更に高温で熱処理すること、又は他の被膜形成成分を
上塗りした後 100℃以上の高温で焼付け熱処理すること
によって脱ブロックしイソシアネート基が活性化され
る。活性化されたイソシアネート基は被膜成分中に残る
界面活性剤、変性ポリオレフィンあるいは上塗り塗料等
に存在する水酸基、カルボキシル基、アミノ基等他の親
水性基と反応する。この様にして変性ポリオレフィン樹
脂と組み合わせて用いた場合、ポリオレフィン樹脂のも
つ特性を損なうことなく親水性成分を固定化あるいは親
水性官能基をより疎水性を持つ官能基に変換することに
よって被膜の耐水性を向上させる効果を見いだしたもの
である。
【0063】また、変性ポリオレフィン樹脂中に少量の
アルコール成分を添加することによって、変性樹脂を水
中に安定的に分散させるために必要な界面活性剤、反応
性界面活性剤量を大幅に低減できブロックイソシアネー
ト化合物配合後の組成物においても安定化に効果がある
ことを見いだした。
【0064】本発明の水性樹脂組成物はポリオレフィン
に対する密着性に優れており貯蔵安定性も良好で塗膜の
可撓性も良い。しかも従来の界面活性剤を用いたポリオ
レフィン系水性樹脂組成物に比べ耐水性のある塗膜を形
成することができる。さらに芳香族系有機溶剤を全く使
用せずに水性化できるので安全衛生、環境汚染の面で優
れている。
【手続補正書】
【提出日】平成5年1月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】また、特開平3−182534では変成塩
素化ポリオレフィンを界面活性剤を用いて水性化しさら
に水性ポリウレタン樹脂を配合することによって塗膜性
能の向上を図っている。しかし、水溶性ウレタン樹脂、
界面活性剤が反応性でないために水によって塗膜から活
性剤成分が溶出し、それによって生じると思われる塗膜
の欠陥により耐水性が低下するという現象を引き起こし
ている。また、反応性界面活性剤はこれまで乳化重合の
際に用いられてきており、乳化重合においてモノマーを
水中に懸濁させる為の界面活性作用を持ち、かつ他のモ
ノマーと反応するため重合物の構造に取り込まれ、結果
として反応物の耐水性を改善する効果をもたらすもので
あった
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】ポリオレフィンの変性に用いられるα,β
−不飽和カルボン酸又はその酸無水物としては、例えば
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ア
リルコハク酸、メサコン酸、アコニット酸、及びこれら
の酸無水物等が挙げられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】α,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水
物をグラフト共重合する量は1ないし20重量%が好ま
しく、1重量%未満では水に分散させたときの安定性が
悪くなり、20重量%を超えるとグラフト効率が悪くな
って不経済である。特に好ましくは2ないし15重量%
である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】また,α,β−不飽和カルボン酸又はその
酸無水物をグラフト共重合した樹脂の数平均分子量は3
000ないし35000が好ましく、3000未満では
凝集力が不足してポリオレフィン樹脂に対する密着力が
悪くなり、35000を超えると水に分散させるときの
操作性が悪くなって好ましくない。分子量をこの範囲に
するためには、原料の分子量やグラフト反応を行うとき
の条件を選択することで可能であり、また一旦原料の分
子量を落とした後グラフト反応を行うという方法でも可
能である。なお、数平均分子量はGPC(ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー)で測定することができ
る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】ポリオレフィンにα,β−不飽和カルボン
酸又はその酸無水物をグラフト共重合する方法は公知の
方法で行えばよいが、特にポリオレフィンを融点以上に
加熱溶融させてラジカル発生剤の存在下でグラフト共重
合させる方法によって行うのが好ましい
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 11/10 PTU 7415−4J 175/04 PHR 8620−4J C09J 175/04 JFC 8620−4J C09K 3/10 D

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変性ポリオレフィン樹脂とブロックイソ
    シアネート化合物とを含むことを特徴とする水性樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 請求項1における変性ポリオレフィン樹
    脂が(A)不飽和カルボン酸及び/又は酸無水物をグラ
    フト共重合することによって変性されていることを特徴
    とするポリオレフィン、(B)塩素化変性をされている
    ことを特徴とするポリオレフイン、(C)ラジカル重合
    性を持った反応性モノマーをグラフト共重合したことを
    特徴とするポリオレフィンの内の1種又は複数から成る
    変性ポリオレフィンである水性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1における変性ポリオレフィン樹
    脂が請求項2の(A),(B),(C)に示される酸変
    性、塩素化変性、反応性モノマーによる変性の内2種類
    以上の変性を行うことによって得られる変性ポリオレフ
    ィンである水性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1,2,3記載の水性樹脂組成物
    を調製するにあたり変性ポリオレフィン及び/又はブロ
    ックインソシアネートに反応性界面活性成分及び/又は
    アルコール類を添加することを特徴とする水性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3又は4記載の樹脂組成
    物を含有してなる塗装剤、プライマー、インキ等の被膜
    形成物、シーリング剤及び接着剤。
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